JPH05266963A - ヒーター - Google Patents

ヒーター

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JPH05266963A
JPH05266963A JP9359992A JP9359992A JPH05266963A JP H05266963 A JPH05266963 A JP H05266963A JP 9359992 A JP9359992 A JP 9359992A JP 9359992 A JP9359992 A JP 9359992A JP H05266963 A JPH05266963 A JP H05266963A
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heater
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energizing
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Kazunori Masuda
和則 増田
Hiroshi Kondo
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 通電発熱抵抗体複数本タイプのヒーターにつ
いて、ヒーター幅方向に関する温度勾配が大きく変化す
ることを防止して、画像加熱定着装置にあっては該温度
勾配による定着ムラ等の定着不良の発生をなくするこ
と。 【構成】 電気的に絶縁性の基板2の表面に基板長手方
向に少なくとも2本以上の通電発熱抵抗体3a・3bを
設け、それらの通電発熱抵抗体を選択的に通電すること
で発熱させるヒーターにおいて、基板表面側の個々の通
電発熱抵抗体の形成位置に対応する基板背面側位置にそ
れぞれヒーターの温度を検出する温度検出素子7a・7
bを配設したこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気的に絶縁性の基板
面に通電発熱抵抗体を設け、この抵抗体に通電すること
で発熱させるヒーターに関する。
【0002】
【従来の技術】このようなヒーターを利用した装置とし
てフィルム加熱方式の加熱装置が挙げられる。
【0003】該加熱装置は本出願人の先の提案に係る特
開昭63−313182号公報等で知られており、電子
写真複写機・プリンタ・ファクシミリ等の画像形成装置
における画像加熱定着装置、すなわち電子写真・静電記
録・磁気記録等の画像形成プロセス手段により熱溶融性
の樹脂等より成るトナー(顕画剤)を用いて記録材(エ
レクロトファックスシート・静電記録シート・転写材シ
ート・印刷紙など)の面に直接方式もしくは間接(転
写)方式で形成した、目的の画像情報に対応した未定着
トナー像を該画像を担持している記録材に固着画像とし
て加熱定着処理する画像加熱定着装置として活用でき
る。
【0004】また、例えば、画像を担持した記録材を加
熱してつや等の表面性を改質する装置や仮定着処理する
装置等として使用できる。
【0005】図20に該加熱装置の要部の概略構成(横
断面模型図)を示した。図21と図22はヒーターの一
部切欠き平面図と背面図である。
【0006】1はヒーター(加熱体)であり、 a.電気絶縁性・耐熱性・低熱容量の細長の基板2と、 b.この基板2の一方面側(表面側)の基板幅方向中央
部に基板長手に沿って直線細帯状に形成した通電発熱抵
抗体3と、 c.この通電発熱抵抗体3の両端部にそれぞれ導通させ
て基板面に形成した電極端子(接続端子)4・5と、 d.基板2の通電発熱抵抗体形成面を被覆させたヒータ
ー表面保護層としてのガラス等の電気絶縁性オーバーコ
ート層6と、 e.基板2の他方面側(背面側)に設けたサーミスタ等
の温度検出素子7 等よりなる。
【0007】基板2は、例えば、幅10mm・厚さ1m
m・長さ240mmの、Al23,AlN,SiC等
のセラミック板等である。
【0008】通電発熱抵抗体3は、例えば、厚さ10μ
m・幅1mmの、スクリーン印刷等で塗工したAg/P
d(銀パラジウム合金),RuO2 ,Ta2 N等のパタ
ーン層である。
【0009】ヒーター1は定着面の温度を管理・制御す
るために装置の横断面において、通電発熱抵抗体3を図
20のように後述する定着ニップ部N(圧接ニップ部、
加圧部)の幅領域内の略中央部に位置させる構造となっ
ている。
【0010】ヒーター1のオーバーコート層6側がフィ
ルム接触摺動面側であり、この面側を外部露呈させてヒ
ーター1を断熱性のヒーターホルダ8を介してヒーター
支持部9に固定支持させてある。
【0011】10は厚さ例えば40μm程度のポリイミ
ド等のエンドレスベルト状、或は長尺ウエブ状の耐熱性
フィルム、11はこのフィルムをヒーター1に対して押
圧する加圧部材としての回転加圧ローラである。
【0012】フィルム10は不図示の駆動部材により或
は加圧ローラ11の回転力により所定の速度で矢示の方
向にヒーター1面に密着した状態でヒーター1面を摺動
しながら回転或は走行移動する。
【0013】ヒーター1は通電発熱抵抗体3の両端電極
端子4・5間に交流電源12より電圧印加がなされ、該
通電発熱抵抗体3が発熱することで昇温する。
【0014】ヒーター1の温度は基板背面の温度検出素
子7で検出されてその検出情報が通電制御回路13へフ
ィードバックされて交流電源12から通電発熱抵抗体3
への通電が制御されることで、ヒーター1が所定の温度
に温調制御される。
【0015】ヒーター1の温度検出素子7は熱応答性の
最も良い定着面つまりヒーター基板表面側の通電発熱抵
抗体3の形成位置に対応する基板背面側部分位置(通電
発熱抵抗体3の直下に対応する基板背面側部分位置)に
配設される。
【0016】ヒーター1の通電発熱抵抗体3に対する通
電によりヒーター1を所定に昇温させ、またフィルム1
0を移動駆動させた状態いおいて、フィルム10と加圧
ローラ11との圧接部(加圧部)である定着ニップ部N
に被加熱材としての記録材Pを未定着トナー画像面をフ
ィルム10面側にして導入することで、記録材Pがフィ
ルム10面に密着してフィルム10と共に定着ニップ部
Nを移動通過し、その移動通過過程でヒーター1からフ
ィルム10を介して記録材Pに熱エネルギーが付与され
て記録材P上の未定着トナー画像tが加熱溶融定着され
る。
【0017】従来、画像加熱定着装置としては熱ローラ
方式が一般的に用いられていた。これは、金属製のロー
ラの内部にヒーターを備えた定着ローラと、弾性を持つ
加圧ローラからなり、この一対のローラ間の定着ニップ
部に記録材を導入通過させることによりトナー像を加熱
・加圧して定着させる。
【0018】しかし、このような熱ローラ方式の画像加
熱定着装置は、ローラの熱容量が大きいためローラが所
定の定着温度に達するのに時間(立上り時間、ウオーム
アップ時間、ウエイトタイム)がかかり、また素早く使
用するためには、機械を使用していないときにもある程
度の温度に温調していなければならない。これは熱板方
式・オーブン定着方式等の他の加熱式の定着装置につい
ても同様である。
【0019】これに対して、前記のようなフィルム加熱
方式の装置においては、ヒーター1として低熱容量ヒー
タを用いることができるため、従来の熱ローラ方式等の
装置に比べウエイトタイム短縮化(クイックスタート
性)が可能となり、またクイックスタートが可能となる
ため、使用していないときの予熱が必要なくなり、総合
的な意味での省電力化もはかれる。その他、他の方式装
置の種々の欠点を解決できるなどの利点を有し、効果的
なものである。
【0020】ヒーター1の温調制御に関して、通電発熱
抵抗体3の負荷抵抗値は一定であり、ヒーター1を所定
の設定温度に制御するためには、通電発熱抵抗体3に対
する印加電圧または電流をコントロールするか、通電時
間をコントロールする方法が採られる。
【0021】しかし、通電発熱抵抗体3に対する印加電
圧または電流をコントロールする方法は、周辺回路が複
雑化し、またヒーター以外の回路部で比較的大きな電力
消費を伴う。
【0022】そこで一般的には通電時間をコントロール
する方法が採られている。そのコントロール方法として
は主に次の・の2つが行なわれてきた。
【0023】.図23に電流波形図で示したように、
電源波形の半波ごとに、通電する、通電しない、を制御
するゼロクロス波数制御。
【0024】.図24に電流波形図で示したように、
電源波形の半波ごとに通電する位相角を制御する位相制
御。
【0025】しかしそれ等の制御の場合もそれぞれ次の
ような問題点がある。
【0026】即ち、のゼロクロス波数制御方式では、
ヒーター1の温度を所定値に制御するために供給できる
電力量は電源の半波単位では、ON/OFFによる2値
である。したがって、正確に温度を制御するためには、
複数個の半波を1つのブロックとして、ON/OFFの
パターンを設定する、あるいは1ブロック内のON/O
FFのデューティを設定するという様な制御を行ってい
る。このようなブロック単位での制御では応答時間が大
きくなり、ヒーターの温度リップルが大きくなるという
問題がある。また一方、半波ごとにON/OFFが切り
換わる等の場合、負荷電流に高調波ノイズ成分が生じて
しまう問題がある。
【0027】の位相制御方式では、通電位相角が90
°付近では、急激に電流が流れ始めるため大きなレベル
のスイッチングノイズが生じる。また、ゼロクロス波数
制御と同様に負荷電流に高調波ノイズ成分が生じる等の
問題がある。
【0028】そこで、ヒーター1の温度制御特性を向上
させ、また電源端子ノイズを軽減させる構成として、ヒ
ーターを、基板上に通電発熱抵抗体を複数本形成した形
態のものにし、その複数本の通電発熱抵抗体を選択的に
通電コントロールする加熱装置及び温度制御装置が提案
されている(特願平3−344530号)。
【0029】図25はそのような通電発熱抵抗体複数本
タイプのヒーターの一例の横断模型図、図26は一部切
欠き平面図、図27は背面図である。
【0030】本例のヒーター1は、基板2の表面に互い
に抵抗値の異なる2本の通電発熱抵抗体3a・3bを基
板幅方向中央部に基板長手に沿って並行に具備させたも
のである。
【0031】この2本の並行通電発熱抵抗体3a・3b
の一端側には両者3a・3bに対して共通の電極端子4
を基板2面に形成し、他端側には両者3a・3bに対し
て夫々独立の個別の電極端子5a・5bを基板2面に形
成してある。
【0032】7・7は基板2の背面に配設したサー
ミスタ等の温度検出素子7の接続用配線である。
【0033】上記2本の通電発熱抵抗体3a・3bへの
通電制御は、温度検出素子7の検出温度が所定の設定温
度になるように、交流電源の半周期毎に通電制御回路に
より2本の通電発熱抵抗体3a・3bのうち、 a.両方とも通電 b.ある一方のみ通電 c.逆の他方のみ通電 d.両方とも非通電 の4通りの通電パターンを適宜選択制御することで、ヒ
ーター1を温調制御するものである。具体的には下記
(1)か(2)の制御方法が採られる。
【0034】(1)ヒーター1の温度を検知し、基準温
度データと比較・演算して所定の設定温度範囲に制御す
るものとし、各々の抵抗体3a・3bへの通電を制御す
る複数のスイッチング素子を有し、演算された制御量に
も基づいて抵抗体3a・3bへの通電を電源波形の半波
ごとに制御する方法。
【0035】(2)ヒーター1の温度を検知し、基準温
度データと比較・演算して所定の設定温度範囲に制御す
るものとし、各々の抵抗体3a・3bへの通電を制御す
る複数のスイッチング素子を有し、電源波形のゼロック
ス検出手段を設け、演算された制御量にも基づいて抵抗
体3a・3bへの通電を、各々ゼロックス検出手段の出
力を基準に電源波形の半波内の任意の位相に制御する方
法。
【0036】上記の(1)・(2)のいづれかの方法に
より、電源ラインのスイッチングノイズの極めて小さ
い、そして温度制御性の極めて高いヒーターとすること
ができる。
【0037】図28は互いに抵抗値の異なる通電発熱抵
抗体を並行3本3a・3c・3b具備させたヒーターの
一部切り欠き平面図である。これ等3本の通電発熱抵抗
体3a・3c・3bに対する通電制御も上述例と同様で
ある。
【0038】
【発明が解決しようとする課題】
(A)前述図20のような画像加熱定着装置において、
記録材P面へのトナー像tの定着は、トナー像を加圧・
加熱しトナーを溶融させることによって行われる。つま
り定着性は加圧力およびヒーター温度と密着な関係があ
る。
【0039】したがってヒーター1の通電発熱抵抗体3
はフィルム10を挟んでヒーター1と加圧ローラ11の
圧接で形成される定着ニップ部Nの幅領域中央部のもっ
とも加圧力の高い部分に対応した位置に存在しているの
が定着性およびヒーターの熱効率の点で望ましい。
【0040】ところが、前述の通電発熱抵抗体複数本タ
イプのヒーター1の場合、例えば前述図25〜27の通
電発熱抵抗体2本タイプのヒーター1についていえば、
2本の通電発熱抵抗体3a・3bを形成した基板1の該
抵抗体形成面をガラス等のオーバーコート層6で覆って
ある構造であるため、図20の横断面模型図のように2
本の通電発熱抵抗体3a・3bの間部分のオーバーコー
ト層表面部分は凹状の形状となり、この凹状部分aが定
着ニップ部Nの幅領域の中央部に対応する。
【0041】また2本の通電発熱抵抗体3a・3bへの
通電は、ヒーター基板背面の温度検出素子としてのサー
ミスタ7の検出温度が設定温度になるようにそれぞれ選
択的に行われる。つまり前述したように、該2本の通電
発熱抵抗体3a・3bの両方とも通電、ある一方のみ通
電、逆の他方のみ通電、両方とも非通電の4通りのパタ
ーンが選択的になされるので、必ずしも、定着ニップ部
N内の加圧力の高い部分がその瞬間の発熱部になるとは
限らない。
【0042】通電パターンの一例として、通紙中ある一
方の通電発熱抵抗体への通電が連続している場合、温度
検出素子7の検出温度は設定温度に収束していても、ヒ
ーター1の幅方向には温度勾配が生じている。
【0043】この状態では、通電されている通電発熱抵
抗体側のニップ部が主に定着を司ることになる。この状
態から一転して、逆の通電発熱抵抗体側に通電される状
態に変化すると、主に定着を司るニップ部も逆の通電発
熱抵抗体側に移動する。この間に定着ニップ部Nを通過
する記録材Pはヒーター1の幅方向の温度勾配の変化に
よって定着不良を起こすことがある。
【0044】このことは図28の通電発熱抵抗体を3本
以上にしたヒーターの場合にも同様のことがいえる。
【0045】本発明は、通電発熱抵抗体複数本タイプの
ヒーターについて、上述のようなヒーター幅方向に関す
る温度勾配が大きく変化することを防止して、画像加熱
定着装置にあっては該温度勾配による定着ムラ等の定着
不良の発生をなくすることを目的とする。
【0046】(B)上記(A)で述べたように、ヒータ
ーの通電発熱抵抗体は定着ニップ部Nの幅領域中央部の
もっとも加圧力の高い部分に対応した位置に存在してい
るのが定着性およびヒーターの熱効率の点で望ましいの
であるが、通電発熱抵抗体2本タイプのヒーター1の場
合はその2本の通電発熱抵抗体3a・3bが定着ニップ
部Nの幅領域中央部を中にしてそのフィルム移動方向上
流側と下流側として位置していてその両者3a・3bに
対する通電が選択的になされて必ずしも加圧力の高い部
分がその瞬間の発熱部になるとは限らないこと、また2
本の通電発熱抵抗体3a・3bの間部分のオーバーコー
ト層6の凹状部分aが定着ニップ部Nの幅領域の中央部
に対応することから、定着性および熱効率の点で十分な
性能が得られず、また発熱部と記録材との密着が十分で
なく、定着後の記録材のしわや紙詰まり発生の原因とな
る。
【0047】本発明は通電発熱抵抗体2本タイプのヒー
ター1についての上記の問題を解消することを目的とす
る。
【0048】(C)通電発熱抵抗体複数タイプのヒータ
ーにおいて、異なる抵抗値をもつ通電発熱抵抗体をAg
/Pd等の抵抗材料の1回のパターン印刷工程で形成す
るためには、各抵抗体の幅を変化させるしかない。その
ため、抵抗体群の存在するヒーター幅方向領域が広が
り、従来の1本の抵抗体からなるヒーター基板に比べヒ
ーター幅方向にも複雑な温度分布をもつため、ヒーター
1と記録材Pとが接触する領域に安定した熱を供給する
ことができず、定着不良となりやすい。
【0049】また、印刷により抵抗体を形成する場合
に、印刷条件等により抵抗体の幅は制作可能な限界が存
在し、抵抗体の抵抗値には上限が存在する。そのため、
より高精度な制御を行うために必要な高抵抗値をもつ抵
抗体が製作できない。
【0050】また、異なる抵抗値からなる抵抗体をそれ
ぞれ独立して駆動制御するため、ヒーター面内での温度
分布が不均一になりやすい。
【0051】さらに、それぞれの抵抗体を独立に通電す
るため抵抗体の接続部の他端は複数の電極端子部を必要
とする。また、それぞれの抵抗体には数アンペアもの電
流が通電されるため、その接続信頼性を得るためには広
い接触面積を必要とし、その電極端子部の為だけにヒー
ター外形を大きくしなければならなくなる。
【0052】本発明は通電発熱抵抗体複数タイプのヒー
ターについての該問題を解消することを目的とする。
【0053】(D)通電発熱抵抗体複数タイプのヒータ
ーについて各通電発熱抵抗体への通電制御回路13は負
荷抵抗を変化させるために、それぞれの抵抗体にSS
R、トライアック等のスイッチ素子や配線、コネクター
を設けなければならずコストアップとなる。
【0054】本発明は通電制御回路系をローコストに構
成することを目的とする。
【0055】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特
徴とするヒーターである。
【0056】(1)電気的に絶縁性の基板の表面に少な
くとも2本以上の通電発熱抵抗体を設け、それらの通電
発熱抵抗体を選択的に通電することで発熱させるヒータ
ーにおいて、基板表面側の個々の通電発熱抵抗体の形成
位置に対応する基板背面側位置にそれぞれヒーターの温
度を検出する温度検出素子を配設したことを特徴とする
ヒーター。
【0057】(2)電気的に絶縁性の基板の表面に2本
の通電発熱抵抗体を設け、それらの通電発熱抵抗体を選
択的に通電することで発熱させるヒーターにおいて、そ
の2本の通電発熱抵抗体の間の基板面部分を凸状部にし
たことを特徴とするヒーター。
【0058】(3)電気的に絶縁性の基板の表面に2本
の通電発熱抵抗体を設け、それらの通電発熱抵抗体を選
択的に通電することで発熱させるヒーターにおいて、そ
の2本の通電発熱抵抗体の間の基板面部分に電気絶縁性
を有する熱伝導体を設け、基板表面を凸状の形状にした
ことを特徴とするヒーター。
【0059】(4)電気的に絶縁性の基板の表面に2本
の通電発熱抵抗体を設け、それらの通電発熱抵抗体を選
択的に通電することで発熱させるヒーターにおいて、そ
の2本の通電発熱抵抗体を形成した基板表面に設けた電
気絶縁性オーバーコート層の、2本の通電発熱抵抗体間
部分の表面高さを他の部分に比べて高く形成したことを
特徴とするヒーター。
【0060】(5)電気的に絶縁性の基板の表面に少な
くとも2本以上の通電発熱抵抗体を設け、それらの通電
発熱抵抗体を選択的に通電することで発熱させるヒータ
ーにおいて、通電発熱抵抗体は異なる体積抵抗率をもつ
抵抗材料によりそれぞれ形成されていることを特徴とす
るヒーター。
【0061】(6)電気的に絶縁性の基板の表面に少な
くとも2本以上の通電発熱抵抗体を設け、それらの通電
発熱抵抗体を選択的に通電することで発熱させるヒータ
ーにおいて、少なくとも1つの通電発熱抵抗体のパター
ンの少なくとも1部を波形に形成したことを特徴とする
ヒーター。
【0062】(7)電気的に絶縁性の基板の表面に少な
くとも2本以上の通電発熱抵抗体を設け、それらの通電
発熱抵抗体を選択的に通電することで発熱させるヒータ
ーにおいて、通電発熱抵抗体群の外郭をなす両外側2本
の通電発熱抵抗体のみ、それらの一端側と他端側をそれ
ぞれ共通の通電用電極端子に導通させて接続したことを
特徴とするヒーター。
【0063】(8)電気的に絶縁性の基板の表面に少な
くとも1組以上の対向電極パターンを設け、対向電極パ
ターン間に通電発熱抵抗体を配置し、上記電極パターン
の一部を電気的に共通の通電用電極端子とし、この接続
された電極パターンと対向した関係にある電極パターン
はそれぞれ独立した個別の通電用電極端子を設けたこと
を特徴とするヒーター。
【0064】(9)電気的に絶縁性の基板の表面に少な
くとも2本以上の通電発熱抵抗体を設け、それらの通電
発熱抵抗体を選択的に通電することで発熱させるヒータ
ーにおいて、通電発熱抵抗体群の一端側は共通1つの通
電用電極端子に接続し、他端側はそれぞれ独立の個別の
通電用電極端子に接続し、独立の個別の通電用電極端子
あるいは通電発熱抵抗体から独立した通電用電極端子間
のパターン部に温度により開閉するスイッチ機能を持っ
た導体により、少なくとも2本以上の通電発熱抵抗体の
他端が、温度により短絡されることを特徴とするヒータ
ー。
【0065】(10)基板表面に形成した2本または2
本以上の通電発熱抵抗体の群の一端側は共通1つの通電
用電極端子に導通させて接続し、他端側はそれぞれ独立
の個別の通電用電極端子に導通させて接続したことを特
徴とする(1)乃至(6)の何れかに記載のヒーター。
【0066】(11)通電発熱抵抗体の通電用電極端子
の少なくとも1部が、通電発熱抵抗体群を形成した基板
表面側とは反対側の基板背面側に設けられていることを
特徴とする(1)乃至(10)の何れかに記載のヒータ
ー。
【0067】(12)画像加熱定着装置の加熱体である
ことを特徴とする(1)乃至(11)の何れかに記載の
ヒーター。
【0068】
【作用】 .通電発熱抵抗体複数本タイプのヒーターについて、
基板表面側の個々の通電発熱抵抗体の形成位置に対応す
る基板背面側位置にそれぞれヒーターの温度を検出する
温度検出素子を配設することで、該複数の温度検出素子
の検出温度の平均値をヒーター温度として設定温度との
比較演算を行い、上記複数の通電発熱抵抗体に対する通
電パターンを選択的に制御する。更に各温度検出素子の
検出温度の差をヒーターの幅方向の温度勾配とし、所定
の温度勾配が生じた場合は、次の半波の通電は必ず低温
側の通電発熱抵抗体に通電するように、平均温度から演
算して得られた通電パターンを補正し、通電発熱抵抗体
に対する通電制御信号とする。これによりヒーター幅方
向に関する温度勾配が大きく変化することが防止され、
画像加熱定着装置にあっては該温度勾配による定着ムラ
等の定着不良の発生をなくすることができる。
【0069】.通電発熱抵抗体2本タイプのヒーター
について、 a.2本の通電発熱抵抗体の間の基板面部分を凸状部に
する b.或は、2本の通電発熱抵抗体の間の基板面部分に電
気絶縁性を有する熱伝導体を設け、基板表面を凸状の形
状にする c.或は、2本の通電発熱抵抗体を形成した基板表面に
設けた電気絶縁性オーバーコート層の、2本の通電発熱
抵抗体間部分の表面高さを他の部分に比べて高く形成す
る ことにより、ヒーターの幅方向の略中央部の突起部に対
応する定着ニップ部の幅領がもっとも加圧力の高いニッ
プ中心となり、熱効率及び定着性が向上し、装置に導入
される被加熱材としての記録材のしわや紙詰まりの発生
が防止される。凸状部を基板よりも熱伝導性のよいもの
にすることで定着ニップ部の幅方向中央部に対する熱伝
達効率が向上する。
【0070】.通電発熱抵抗体複数本タイプのヒータ
ーについて、 a.通電発熱抵抗体は異なる体積抵抗率をもつ抵抗材料
によりそれぞれ形成する b.或は、少なくとも1つの通電発熱抵抗体のパターン
の少なくとも1部を波形に形成する c.或は、通電発熱抵抗体群の外郭をなす両外側2本の
通電発熱抵抗体のみ、それらの一端側と他端側をそれぞ
れ共通の通電用電極端子に導通させて接続する d.或は、電気的に絶縁性の基板の表面に少なくとも1
組以上の対向電極パターンを設け、対向電極パターン間
に通電発熱抵抗体を配置し、上記電極パターンの一部を
電気的に共通の通電用電極端子とし、この接続されたパ
ターンと対向した関係にある電極パターンはそれぞれ独
立した個別の通電用電極端子を設ける ことにより、安定した定着性、高精度な通電制御・温度
制御、ヒーター幅方向の温度分布の均一化、ヒーターの
幅方向の寸法の短縮化等ができる。
【0071】即ち、抵抗体の材料として、異なる体積抵
抗値をもつ抵抗体材料を用い、複数の印刷工程により、
それぞれの抵抗体を形成すれば、必要とされる抵抗値を
満足し、さらに抵抗体の幅の狭いヒーターが得られる。
そのため、抵抗体の存在する幅が抑えられ加圧ローラに
より加圧されている領域内(定着ニップ部内)にすべて
の抵抗体が存在し、ヒーターの発熱領域幅は狭くなり、
熱応答性が高く、発熱領域の温度分布の安定したヒータ
ーとなり、安定した定着性が得られる。
【0072】抵抗体のパターンを波形にすることによ
り、ヒーターとして接触する長さにおける単位長あたり
の抵抗値を大きくすることが可能となり、より高精度な
制御が可能となる。抵抗体の両端部を波形形状にして抵
抗体の存在する面積を増大させれば、その領域の発熱量
は増大し端末効果の影響を補正してヒーター長手方向中
央部と端部での温度差をなくすことが可能となり、ヒー
ター長手方向の温度分布が均一なり、定着性能がより向
上する。
【0073】それぞれの抵抗体からそれぞれ独立した電
極端子に電気的に接続されるまでに基板にスルーホール
を設け、抵抗体の形成された面と反対側の基板背面側に
1部の電極端子部を設けることにより電極端子部の領域
を広くすることが可能となり、基板サイズを大型にする
ことなく、信頼性のあるヒーターにすることが可能とな
る。
【0074】抵抗体群の外郭をなす両外側の2つの抵抗
体の両端部をそれぞれ共通電極端子に接続することによ
り抵抗体群外郭の該両外側2つの抵抗体を同時に通電し
昇温させる。内側の抵抗体は独立して通電することによ
り昇温させる。このようにすることでヒーターの幅方向
両サイドが同時に昇温することによりヒーター幅方向の
温度分布が均一化する。抵抗体群の外郭をなす両外側の
2つの抵抗体を同時に通電することにより、スイッチの
数を減らし、かつ、抵抗体群の温度分布の片寄りをなく
すことができる。そのため、温度分布の片寄りによるト
ナーの定着不良をなくし、定着性が向上する。
【0075】少なくとも1組以上の対向して描かれた電
極(配線)パターン間に抵抗体を形成することにより、
少なくとも2組以上の抵抗体が得られる。このとき、対
向するパターン間隔を変えることにより抵抗値は変化さ
せることが可能であり、さらに、この方式では1回の抵
抗体の印刷で形成でき、さらに抵抗体が1つの山で2つ
の抵抗値を得られる。そのため、温度分布が均一とな
る。
【0076】.通電発熱抵抗体複数本タイプのヒータ
ーについて、並列抵抗状態から単独抵抗状態への切り換
えは、温度によって決まり、またその切り換えに要求さ
れるスピードは速くなく、電気的スイッチで行わなくて
もよい。
【0077】そこで、熱膨張係数の異なる材質からなる
2枚の金属を貼り合わせ熱膨張により湾曲するようにし
たバイメタルや、温度により形状の変化する形状記憶合
金により室温から所定の温度までの間で、抵抗体群の他
端を短絡させる様なスイッチをつくりヒーター上に配置
すれば、高価な電気的スイッチ(SSR、トライアック
等)の数を減らすことが可能となり、コストダウンが可
能である。
【0078】また、同一数の電気的スイッチを使えば、
高抵抗体の数を増やすことができ、より高精度な温度制
御が可能である。
【0079】上記構成により、電源波形の半波ごとにヒ
ーターの負荷抵抗値を変化させることができ、ヒーター
の温度検出値に対する供給電極の制御応答性を向上させ
ることができ、従来の位相制御方式のようなスイッチン
グノイズを発生しない温度制御装置において、よりロー
コストで、より温度安定性の高いヒーターとなる。
【0080】切り換えスピードの遅くてかまわない部分
のスイッチを電気スイッチから、機械的スイッチに変更
したことにより、よりローコストなヒーターとすること
ができる。また、従来と同じ数の電気的スイッチを用い
れば、設定温度での温度制御がより高精度に行えるよう
になる。
【0081】
【実施例】
〈実施例1〉(図1〜図4) 本実施例は通電発熱抵抗体複数本タイプのヒーターにつ
いて、基板表面側の個々の通電発熱抵抗体の形成位置に
対応する基板背面側位置にそれぞれヒーターの温度を検
出する温度検出素子を配設することで、ヒーター幅方向
に関する温度勾配が大きく変化することを防止したもの
の実施例である。
【0082】(1)図1は前述図25〜27の通電発熱
抵抗体2本タイプのヒーター1について、基板2の表面
側の個々の通電発熱抵抗体3a・3bの形成位置に対応
する基板背側位置にヒーターの温度を検出する都合2個
の温度検出素子7a・7bを配設したヒーターの背面図
である。図2は図1の(2)−(2)線に沿う横断面模
型図である。図25〜27のヒーター1と同じ構成部材
・部分には同じ符号を付して再度の説明を省略する。
【0083】温度検出素子7a・7bは基板背面側の上
記の位置に接着またはビスと止めして密着して配設して
ある。温度検出素子7a・7bは温度によって抵抗値の
変化するサーミスタ等を用いる。
【0084】71a・71b・71dは温度検出素子7
a・7bに接続した導体配線である。そのうち導体配線
71a・71bは温度検出素子7a・7bの各一方の端
子についての個別配線であり、71dは各他方の端子に
ついての共通配線である。
【0085】図3のように温度検出素子7の配線の一端
7をDC電源VCCに接続し、他端7をヒーターから
離れた位置に配置された温度係数の小さな固定抵抗21
を介してグランド(GND)に接続すると、温度検出素
子7・固定抵抗21間の電圧が、温度検出素子の温度と
抵抗値の関係より、温度検出素子の温度として検出でき
る。
【0086】したがって図1のヒーター1においてヒー
ター基板背面に配設された2個の温度検出素子7a・7
bの配線71a・71b・71dのうちの共通配線71
dをDC電源(VCC)接続用とし、個別配線71a・7
1bを各々固定抵抗(21)を介してグランド(GN
D)に接続する構成にすることで、各温度検出素子7a
・7bによりヒーター1の各通電発熱抵抗体3a・3b
近傍の温度をそれぞれ独立に検出することができる。
【0087】通電発熱抵抗体3a・3bへの通電制御は
前述図26のヒーター1の場合と同じである。即ち、温
度検出素子の検出温度が設定温度になるように、交流電
源の半周期毎に2本の通電発熱抵抗体3a・3bのう
ち、両方とも通電、ある一方のみ通電、逆の他方のみ通
電、両方とも非通電の4通りの通電パターンを選択的に
制御する。
【0088】ここで、2個の温度検出素子7a・7bの
検出温度の平均値をヒーター温度として設定温度との比
較演算を行い、上記4通りの通電パターンを選択的に制
御する。更に2個の温度検出素子7a・7bの検出温度
の差をヒーターの幅方向の温度勾配とし、例えば温度勾
配が2℃以上生じた場合は、次の半波の通電は必ず低温
側の通電発熱抵抗体7a又は7bに通電するように、平
均温度から演算して得られた通電パターンを補正し、通
電発熱抵抗体に対する通電制御信号とする。
【0089】これによりヒーター幅方向に関する温度勾
配が大きく変化することが防止され、画像加熱定着装置
にあっては該温度勾配による定着ムラ等の定着不良の発
生をなくすることができる。
【0090】(2)図4は前述図28の通電発熱抵抗体
3本タイプのヒーター1について、基板2の表面側の個
々の通電発熱抵抗体3a・3b・3cの形成位置に対応
する基板背面側部分位置に各々ヒーター温度を検出する
都合3個の温度検出素子7a・7b・7cを配設したヒ
ーターの背面図である。このヒーターの各通電発熱抵抗
体への通電制御、ヒーター温度制御も上述図1のものと
同要領である。
【0091】〈実施例2〉(図5〜図7) 本実施例は通電発熱抵抗体2本タイプのヒーターについ
て、 a.2本の通電発熱抵抗体の間の基板面部分を凸状部に
する b.或は、2本の通電発熱抵抗体の間の基板面部分に電
気絶縁性を有する熱伝導体を設け、基板表面を凸状の形
状にする c.或は、2本の通電発熱抵抗体を形成した基板表面に
設けた電気絶縁性オーバーコート層の、2本の通電発熱
抵抗体間部分の表面高さを他の部分に比べて高く形成す
る ことにより定着性および熱効率を向上させ、また記録材
のしわや紙詰まりの発生をなくしたものの実施例であ
る。
【0092】(1)図5は前述図25〜27の通電発熱
抵抗体2本タイプのヒーター1について、基板2の表面
側の幅方向中央部分を基板長手に沿って凸状部2aに
し、この凸状部を挟ませてその両側の基板面部分に2本
の通電発熱抵抗体3a・3bを形成し、該基板表面に対
して電気絶縁性オーバーコート層6を形成したものの横
断面模型図である。他のヒーター構成・通電制御は図2
5〜27のヒーター1と同じである。
【0093】凸状部2aは幅0.3〜0.5mm、高さ
10〜20μm程度に設定される(通電発熱抵抗体3a
・3bの厚さは10μm程度)。
【0094】上記のヒーター1は凸状部2aが存在する
ことにより、定着ニップN幅領域の略中央部に対応する
ヒーター幅方向の略中央部である2本の通電発熱抵抗体
3a・3bの間部分が突起した形状のものとなる。
【0095】従って、このヒーター1の幅方向の略中央
部の突起部に対応する定着ニップ部Nの幅領域略中央部
がもっとも加圧力の高いニップ中心となり、熱効率及び
定着性が向上し、また導入される被加熱材としての記録
材のしわや紙詰まりの発生が防止される。
【0096】(2)図6は上記図5のヒーター1の凸状
部2aを電気絶縁性を有する熱伝導体の凸状部2bにし
たものである、このヒーターも上記図5のヒーター1と
同様の効果が得られると共に、凸状部2bを基板2より
も熱伝導性のよいものにすることで定着ニップ部Nの幅
方向中央部に対する熱伝達効率が向上する。
【0097】例えば、基板2は熱伝導性のあまりよくな
いアルミナ等にし、凸状部2bを熱伝導性のよい窒化ア
ルミ等で形成することによって、通電発熱抵抗体3a・
3bの発熱は熱伝導体の凸状部2bを介して熱効率よく
定着ニップ部Nの幅方向中央部に伝達され、より効率的
にトナー像の熱定着に使われる。
【0098】(3)図7は前述図25〜27の通電発熱
抵抗体2本タイプのヒーター1について、電気絶縁性オ
ーバーコート層6の上に再度オーバーコート層6aを形
成することで、2本の通電発熱抵抗体3a・3b間のオ
ーバーコート層表面高さを他の部分に比べて高く形成し
たものである。
【0099】このヒーターも前記図5のヒーター1と同
様の効果が得られる。このヒーターは上記図6のものよ
り熱効率の点では劣るが、図5や図6のヒーターよりも
構造が簡単であり、製造上特別なプロセスを必要としな
い。
【0100】〈実施例3〉(図8〜図17) 本実施例は通電発熱抵抗体複数本タイプのヒーターにつ
いて、 a.通電発熱抵抗体は異なる体積抵抗率をもつ抵抗材料
によりそれぞれ形成する b.或は、少なくとも1つの通電発熱抵抗体のパターン
の少なくとも1部を波形に形成する c.或は、通電発熱抵抗体群の外郭をなす両外側2本の
通電発熱抵抗体のみ、それらの一端側と他端側をそれぞ
れ共通の通電用電極端子に導通させて接続する d.或は、電気的に絶縁性の基板の表面に少なくとも1
組以上の対向電極パターンを設け、対向電極パターン間
に通電発熱抵抗体を配置し、上記電極パターンの一部を
電気的に共通の通電用電極端子とし、この接続された電
極パターンと対向した関係にある電極パターンはそれぞ
れ独立した個別の通電用電極端子を設ける ことにより、安定した定着性、高精度な通電制御・温度
制御、ヒーター幅方向の温度分布の均一化、ヒーターの
幅方向の寸法の短縮化等を可能としたものの実施例であ
る。
【0101】(1)図8のヒーター1は次の構成を有す
る。(a)はヒーターの一部切り欠き平面図、(b)は
(a)のb−b線に沿う横断面模型図である。前述図2
5〜27の通電発熱抵抗体2本タイプのヒーター1につ
いて、まず、基板2の表面の長手両端側の面にそれぞれ
共通の電極端子4と、個別の2つの電極端子5a・5b
を銀ペーストを用いて印刷により形成し、半焼成する。
【0102】次に一方の通電発熱抵抗体3aを共通電極
端子4と一方の個別電極端子5aとの間の基板面に該両
電極端子に導通させて、抵抗率ρのAg/Pdを用いて
ヒーター部有効長Lに対し抵抗Rとなるように幅W・厚
みtで細帯状に印刷して形成する。このとき抵抗値Rと
各ディメンジョンとの関係は、 R=ρ・L/(W・t) となる。
【0103】次に、他方の通電発熱抵抗体3bを上記印
刷した通電発熱抵抗体3aに並行させて共通電極端子4
と他方の個別電極端子5bとの間の基板面に該両電極端
子に導通させて、抵抗率2ρのAg/Pdを用いて幅W
・厚みtとなるように細帯状に印刷して形成する。上記
2つの通電発熱抵抗体3a・3b間の間隔はショートし
ない間隔Gapを設定する。このとき印刷の版には座ぐり
部を設け先に形成した通電発熱抵抗体3aを破壊しない
ようにする。
【0104】つぎに、上記通電発熱抵抗体3a・3bを
形成した基板面に電極端子4・5a・5b部分を除きオ
ーバーコート層(低融点ガラス)6を設け、該基板全体
を本焼成処理する。また基板2の背面には温度検出素子
7を設ける。
【0105】本実施例のヒーター1は2本の通電発熱抵
抗体3a・3bの抵抗値は2倍差があるにもかかわら
ず、両抵抗体3a・3bの幅Wは同じとなる。従来のよ
うに同一の抵抗率を持つ通電発熱抵抗体材料(ペース
ト)により1回の印刷工程で2倍の抵抗差をもつ2本の
通電発熱抵抗体を形成した場合は図26のように両抵抗
体3a・3bの幅は2WとWとなる。
【0106】本実施例で製作したヒーター1は、2本の
通電発熱抵抗体3a・3bの共通電極端子4と電源の一
方の端子を接続し、抵抗体3a・3bの個別電極端子5
a・5bをそれぞれスイッチを介して電源の他方の端子
に接続し、スイッチを選択的に開閉制御することにより
ヒーターの負荷抵抗値を変化させて発熱量を制御する。
【0107】このように抵抗率の異なる抵抗体材料によ
りそれぞれの抵抗体3a・3bの幅の広がりを抑えるこ
とが可能となる。このことにより、ヒーターの発熱領域
幅は狭くなり、熱応答性が高く、発熱領域の温度分布の
安定したヒーターとなり定着性能が向上する。
【0108】つまり、抵抗体の材料として、異なる体積
抵抗値をもつ抵抗体材料を用い、複数の印刷工程によ
り、それぞれの抵抗体を形成すれば、必要とされる抵抗
値を満足し、さらに抵抗体の幅の狭いヒーターが得られ
る。そのため、抵抗体の存在する幅が抑えられ加圧ロー
ラにより加圧されている領域内(定着ニップ部N内)に
すべての抵抗体が存在し、安定した定着性が得られる。
【0109】例えば、Ag/Pd合金を抵抗体の材料と
して、使用するときには、合金成分や焼成条件等により
シート抵抗値で10〜40[mΩ/□]と幅がある。
【0110】また、その他の厚膜抵抗体として一般に、
Ru02 (3.5E−5Ω・cm) ,Ir02 (4.9
E−5Ω・cm),LaRu03 (4.5E−3Ω・c
m),CaRu03 (3.7E−3Ω・cm),Bi2
Ru27 (2.3E−2Ω・cm),Pb2 Ru2
6 (2.0E−2Ω・cm),LaB6 (17.4E−
6Ω・cm),PrB6 (19.5E−6Ω・cm),
NdB6 (20.0E−6Ω・cm)などがある。これ
ら厚膜抵抗体(ペースト)は、導電粒子とガラスフリッ
トの配合比により低効率を変化させることが可能であ
る。
【0111】なお、本実施例では、抵抗体の数を2とし
たが、それ以上の数であっても構わない。また、抵抗体
の数が多いほど温度制御がより高精度となることは自明
である。
【0112】(2)図9のヒーター1は次の構成を有す
る。本実施例のヒーター1は基板2面の幅方向中央部に
基板長手方向に並行3本の通電発熱抵抗体3a・3b・
3cを従来のヒーターと同様に印刷により形成してあ
る。この3本の通電発熱抵抗体3a・3c・3bの一端
側は共通電極端子4に接続させてあり、他端側はそれぞ
れ個別の電極端子5a・5c・5bに接続させてある。
【0113】共通電極端子4と電源の一方の端子を接続
し、通電発熱抵抗体3a・3c・3bの個別電極端子5
a・5c・5bをそれぞれスイッチを介して電源の他方
の端子に接続し、スイッチを選択的に開閉制御すること
によりヒーターの負荷抵抗を変化させて発熱量を制御す
る。
【0114】本実施例では並行3本の通電発熱抵抗体3
a・3c・3bのうち中央の通電発熱抵抗体3cを波形
パターンにすることにより長さを増大させて該抵抗体3
cの抵抗値を増大させている。
【0115】これは、抵抗体の発熱量は、一般にW=V
2/Rであり、Rが大きくほど発熱量は小さくなる。そ
のため、高精度な温度制御を行うために、抵抗値の大き
な抵抗体が必要となるためである。そこで、限られた基
板サイズの中で抵抗値を増大させるには巾を狭くする方
法があるが、巾を狭くしたことにより信頼性では破断の
危険性が増大する。
【0116】そこで、信頼性を確保できる巾で、この様
な波形形状パターンで抵抗体を形成したことにより、信
頼性が高くより高精度な温度制御が、可能となり定着性
能が向上した。
【0117】つまり、抵抗体のパターンを波形にするこ
とにより、ヒーターとして接触する長さにおける単位長
あたりの抵抗値を大きくすることが可能となる。これ
は、 Power=V2/R であることからより高精度な制御が可能となる。
【0118】(3)図10のヒーター1は通電発熱抵抗
体を並行2本3a・3bにし、その一方の抵抗体3bの
両端側部分3b´・3b´をそれぞれ波形パターンにし
たものである。
【0119】上記(2)に述べたように、より高精度な
温度制御を行うためには高抵抗値が必要である。一方、
ヒーターの両端部では端末効果により温度は中心部に比
べ低くなる。そこで、両端部を波形形状にして両端部の
抵抗体の存在する面積を増大させれば、その領域の発熱
量は増大し端末効果の影響を補正してヒーター長手方向
中央部と端部での温度差をなくすことが可能となり、ヒ
ーター長手方向の温度分布が均一なり、定着性能がより
向上する。
【0120】(4)図11のヒーター1は通電発熱抵抗
体を並行3本3a・3c・3bにし、その3本の抵抗体
3a・3c・3bの一端側は共通電極端子4に接続して
あり、他端側は両外側の2本の抵抗体3a・3bについ
ては両者の共通端子5dに導通させて接続してあり、中
央の抵抗体3cの他端部についてはスルーホールhを介
して基板4の背面側に設けた独立電極端子4cに導通さ
せて接続してある。
【0121】このように、それぞれの抵抗体からそれぞ
れ独立した電極端子に電気的に接続されるまでに基板に
スルーホールを設け、抵抗体の形成された面と反対側の
基板背面側に1部の電極端子部を設けることにより電極
端子部の領域を広くすることが可能となり、基板サイズ
を大型にすることなく、信頼性のあるヒーターにするこ
とが可能となる。
【0122】上記並行3本の抵抗体3a・3c・3bか
らなる抵抗体群の外郭をなす両外側の2つの抵抗体3a
・3bの両端部をそれぞれ共通電極端子4・5dに接続
することにより抵抗体群外郭の該両外側2つの抵抗体3
a・3bを同時に通電し昇温させる。中央の抵抗体3c
は独立して通電することにより昇温させる。このように
することでヒーターの幅方向両サイドが同時に昇温する
ことによりヒーター幅方向の温度分布が均一化する。
【0123】つまり、3本の抵抗体3a・3c・3bの
一端側の共通電極端子4と電源の一方の端子を接続し、
他端側のの共通電極5dと抵抗体3cの独立電極端子5
cをそれぞれスイッチを介して電源の他方の端子に接続
し、スイッチを選択的に開閉制御することによりヒータ
ーの負荷抵抗値を変化させて発熱量を制御する。
【0124】その際、抵抗体群3a・3c・3bの外郭
をなす両外側2つの抵抗体3a・3bを同時に通電する
ことにより、スイッチの数を減らし、かつ、抵抗体群の
温度分布の片寄りをなくすことができる。そのため、温
度分布の片寄りによるトナーの定着不良をなくし、定着
性が向上する。
【0125】(5)図12のヒーター1は次の構成を有
する。
【0126】基板2の表面の一端側の共通電極端子4を
基板2面の幅方向中央部を基板他端側へ向かわせた細帯
状の延長電極部(配線部)41を具備させたパターンに
し、また基板他端側の2つの個別電極端子5a・5bを
それぞれ上記共通電極端子4の延長電極部41の両側部
において所定の間隔をあけて該延長電極部41に略並行
させて基板他端側へ向かわせた細帯状の延長電極部(配
線部)51a・51bを具備させたパターンにし、これ
等の電極端子4・5a・5b、延長電極部41・51a
・51bを基板2の表面に銀ペーストで印刷して形成す
る。
【0127】次に延長電極部41と51aの間、及び4
1と51bの間にそれぞれ両電極部41・51a、41
・51bにまたがらせて該電極部長手に沿って通電発熱
抵抗体3aと3bを印刷して形成する。通電発熱抵抗体
3a・3bは前記(1)のヒーターのように互いの抵抗
率を変化させてもよい。
【0128】次いで共通電極端子4、個別電極端子5a
・5b部を除く基板表面にオーバーコート層6を形成し
焼成処理する。基板背面に温度検出素子7を配設する。
【0129】このように製作されたヒーター1は抵抗体
3a・3bと電極51a・41、51b・41とが接続
されている領域が大きく抵抗体・電極の印刷むら等が原
因しての抵抗体破断の発生がなく、ヒーターの信頼性が
向上する。
【0130】このように、少なくとも1組以上の対向し
て描かれた電極(配線)パターン間に抵抗体を形成する
ことにより、少なくとも2組以上の抵抗体が得られる。
このとき、対向する電極間隔を変えることにより抵抗値
は変化させることが可能であり、さらに、この方式では
1回の抵抗体の印刷で形成でき、さらに抵抗体が1つの
山で2つの抵抗値を得られる。そのため、温度分布が均
一となる。
【0131】(6)図13のヒーター1は上述図12の
ヒーターにおいて、並行3本の延長電極部51a・41
・51bに対してこれ等の電極部をすべて被うように1
つの抵抗材料パターン30を印刷することで、延長電極
部51a・41間と、延長電極部41・51bとの間に
それぞれ異なる抵抗値をもつ抵抗体部分3a・3bを形
成したものである。
【0132】このようにヒーターを構成したことで、各
抵抗体3a・3b毎の凹凸がなくなり定着ニップ部Nで
の圧力分布が均一化され、定着性が向上する。また、1
つの抵抗体で2つの抵抗値をもつことにより、温度分布
も均一化され、定着性が向上する。
【0133】(7)前述図12や図13のヒーターにお
いて各電極端子4・5a・5bの延長電極部41・51
a、41・51b間の間隔を図14のように場所により
変化させることにより、それ等の間隔間に形成する通電
発熱抵抗体3a・3bの抵抗値を場所により変化させる
ことが可能であり、端末効果によるヒーター両端部での
温度低下を補正することも可能である。
【0134】(8)また図15のように、各電極端子4
・5a・5bの延長電極部51a・41・51bに長手
に沿って突起部を設けて櫛歯型にして延長電極部41・
51a、41・51bの間隔を制御し、より高精度な抵
抗値分布を持たせることも可能である。
【0135】(9)さらに電流の流れをより均一化させ
るために、図16のように、電極端子4・5a・5b、
延長電極部41・51a・51bの端末部にスルーホー
ルhを設け、基板2の背面側にも補助延長電極部41′
・51a′・51b′を設けてもよい。
【0136】(10)また図17のように、電流の集中
する各電極端子4・5a・5b近傍の延長電極部分を広
げたパターンにしても延長電極部41・51a、41・
51b間に形成される抵抗値には影響がないため、端末
効果を補正し、さらに電流集中によるパターン破断の発
生が防止され、ヒーターの信頼性が向上する。
【0137】以上の(1)〜(10)のようなヒーター
構成にて、異なる抵抗値をもつ抵抗体からなる抵抗体群
を高密度に配設することが可能であり、抵抗体群の温度
分布を均一化することが可能である。
【0138】また、その抵抗値をより広範囲にわたって
設定することが可能となり、制御範囲が広がることによ
り高精度な温度制御を可能とする。
【0139】さらに、各独立電極端子に通電される電流
値は、1つの抵抗体からなるヒーター基板より小さくな
るため、接続部に要求される許容電流値を下げることが
でき、接続部の信頼性を高くする。
【0140】〈実施例4〉(図18・図19) 本実施例は、通電発熱抵抗体複数本タイプのヒーターに
ついて通電発熱抵抗体への通電制御回路系をローコスト
に構成したものである。
【0141】ヒーターの実際の使用状態としては、主に
室温状態から所定の温度まで、急速にたち上げ、その温
度で、温度リップルのない様に制御する。または、室温
より高い状態から所定温度までたち上げ、温度リップル
のない様に制御する。
【0142】Power=V・V/Rの関係から負荷抵
抗としては、大Powerを必要とする時はRが小さ
い。つまり、複数の抵抗体を並列接続して抵抗値を下げ
た状態にする。一方、小さいPowerを必要とすると
きは、抵抗値の高い抵抗体のみ通電する。
【0143】つまり、実際の使用状態とこの制御状態と
を合わせると、温度をたち上げる状態では並列状態であ
り、また、所定温度に対しオーバーシュートを防ぐ必要
から所定温度の手前で単独抵抗状態へ切り換える。そし
て、所定温度でのリップルのないように温度制御するよ
うな状態では高抵抗体単独の状態でしかも細かなオンオ
フが必要となる。また、室温より高い状態からのたち上
げでは、所定温度との温度差が小さければ、必要とする
Powerは小さい。
【0144】つまり、並列抵抗状態から単独抵抗状態へ
の切り換えは、温度によって決まり、またその切り換え
に要求されるスピードは速くなく、電気的スイッチで行
わなくてもよい。
【0145】そこで、熱膨張係数の異なる材質からなる
2枚の金属を貼り合わせ熱膨張により湾曲するようにし
たバイメタルや、温度により形状の変化する形状記憶合
金により室温から所定の温度までの間で、抵抗体群の他
端を短絡させる様なスイッチをつくりヒーター上に配置
すれば、高価な電気的スイッチ(SSR、トライアック
等)の数を減らすことが可能となり、コストダウンが可
能である。
【0146】また、同一数の電気的スイッチを使えば、
高抵抗体の数を増やすことができ、より高精度な温度制
御が可能である。
【0147】上記構成により、電源波形の半波ごとにヒ
ーターの負荷抵抗値を変化させることができ、ヒーター
の温度検出値に対する供給電極の制御応答性を向上させ
ることができ、従来の位相制御方式のようなスイッチン
グノイズを発生しない温度制御装置において、よりロー
コストで、より温度安定性の高いヒーターとなる。
【0148】図18は前述図28の通電発熱抵抗体3本
タイプのヒーターについて、ヒーターホルダ8に、10
0〜140℃で開くようなバイメタルスイッチ21を取
り付けて3個の個別電極端子5a・5c・5bを短絡さ
せる。このときの等価回路を図19に示す。
【0149】本実施例では、室温から温度を立ち上げる
場合、このスイッチ21は短絡されており、全体の抵抗
値は R=R1・R2・R3/(R1+R2+R3) となり、 P=V・(R1+R2+R3)/(R1・R2・R3) で急速に昇温する。
【0150】つぎに、温度が100℃前後になるとスイ
ッチ21が開き、 R=R1・R2/(R1+R2),P=V・(R1+R
2)/(R1・R2) となる。この温度程度まで昇温すれば、そこからの制御
は、2つの抵抗体3c・3aで十分行うことが可能であ
る。
【0151】また、連続通電時は温度が高温側にあり、
このスイッチ21は開状態を続ける。一方通電をやめ、
セラミック基板2の温度が下がってくると、スイッチ2
1は再び閉じられ各抵抗体3a・3c・3bは短絡され
た状態となり、再び立ち上げるときには負荷抵抗値が低
く、大パワーで急速に立ち上がる。
【0152】この様な構成により前述図28のような回
路構成よりもSSRを1つと、制御回路の1部を削減す
ることが可能となり、ローコスト化が図られる。
【0153】抵抗体は数が2つ以上であれば同様の効果
があることは自明であり、また所定の温度により開閉す
スイッチ機能を持つものであればその形状は任意であ
る。
【0154】スイッチ21を形状記憶合金を用いたもの
にすると、バイメタルを用いたものよりも、より複雑な
形状であっても温度による開閉機能を満足させることが
可能となり、より多接点の開閉を行うことが可能とな
る。またその合金率を変化させることにより開閉温度を
より細かく設定できる。
【0155】このように切り換えスピードの遅くてかま
わない部分のスイッチを電気スイッチから、機械的スイ
ッチに変更したことにより、よりローコストなヒーター
とすることができる。また、従来と同じ数の電気的スイ
ッチを用いれば、設定温度での温度制御がより高精度に
行えるようになる。
【0156】
【発明の効果】以上のように本発明の通電発熱抵抗体複
数本タイプのヒーターによれば、ヒーター幅方向・長手
方向に関する温度勾配が大きく変化することを防止し
て、画像加熱定着装置にあっては該温度勾配による定着
ムラ等の発生をなくすることができる、十分な熱効率お
よび定着性を確保できる、装置へ導入された被加熱材と
しての記録材のしわや紙詰りを発生させない、高精度な
通電制御・温度制御ができる、ヒーター自体の小型化が
図れる、通電制御回路系を簡略化・ローコスト化でき
る、等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施例ヒーターの背面図
【図2】 図1の(2)−(2)線に沿う横断面模型
【図3】 温度検出の説明図
【図4】 第2の実施例ヒーターの背面図
【図5】 第3の実施例ヒーターの横断面模型図
【図6】 第4の実施例ヒーターの横断面模型図
【図7】 第5の実施例ヒーターの横断面模型図
【図8】 (a)は第6の実施例ヒーターの一部切欠
き平面図 (b)は(a)のb−b線に沿う横断面模型図
【図9】 第7の実施例ヒーターの一部切欠き平面図
【図10】 第8の実施例ヒーターの一部切欠き平面図
【図11】 (a)は第9の実施例ヒーターの一部切欠
き平面図 (b)は(a)のb−b線に沿う横断面模型図
【図12】 (a)は第10の実施例ヒーターの一部切
欠き平面図 (b)は(a)のb−b線に沿う横断面模型図
【図13】 (a)は第11の実施例ヒーターの一部切
欠き平面図 (b)は(a)のb−b線に沿う横断面模型図
【図14】 第12の実施例ヒーターの電極端子と補助
電極部のパターン
【図15】 第13の実施例ヒーターの電極端子と補助
電極部のパターン
【図16】 (a)は第14の実施例ヒーターの一部切
欠き平面図 (b)は(a)のb−b線に沿う横断面模型図
【図17】 第15の実施例ヒーターの電極端子と補助
電極部のパターン
【図18】 第16の実施例ヒーターの一部切欠き平面
図と、通電制御回路図
【図19】 等価回路図
【図20】 フィルム加熱方式の画像加熱定着装置の一
例の要部の横断面模型図
【図21】 ヒーターの一部切欠き平面図と、通電制御
回路図
【図22】 ヒーターの背面図
【図23】 通電のゼロクロス波数制御の電流波形図
【図24】 通電の位相制御の電流波形図
【図25】 通電発熱抵抗体2本タイプのヒーターを用
いたフィルム加熱方式の画像加熱定着装置の一例の要部
の横断面模型図
【図26】 該ヒーターの一部切欠き平面図
【図27】 該ヒーターの背面図
【図28】 通電発熱抵抗体3本タイプのヒーターの一
部切欠き平面図と、通電制御回路図
【符号の説明】
1 ヒーター 2 ヒーター基板 3.3a〜3c 通電発熱抵抗体 4・5、5a〜5c 通電用電極端子 6 ヒーターのオーバーコート層 7 ヒーターの温度検出素子 8 ヒーターホルダ 10 耐熱性フィルム 11 加圧ローラ P 被加熱材としての記録材 t 未定着トナー 12 電源 13・14 通電制御回路 N 定着ニップ部

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気的に絶縁性の基板の表面に少なくと
    も2本以上の通電発熱抵抗体を設け、それらの通電発熱
    抵抗体を選択的に通電することで発熱させるヒーターに
    おいて、基板表面側の個々の通電発熱抵抗体の形成位置
    に対応する基板背面側位置にそれぞれヒーターの温度を
    検出する温度検出素子を配設したことを特徴とするヒー
    ター。
  2. 【請求項2】 電気的に絶縁性の基板の表面に2本の通
    電発熱抵抗体を設け、それらの通電発熱抵抗体を選択的
    に通電することで発熱させるヒーターにおいて、その2
    本の通電発熱抵抗体の間の基板面部分を凸状部にしたこ
    とを特徴とするヒーター。
  3. 【請求項3】 電気的に絶縁性の基板の表面に2本の通
    電発熱抵抗体を設け、それらの通電発熱抵抗体を選択的
    に通電することで発熱させるヒーターにおいて、その2
    本の通電発熱抵抗体の間の基板面部分に電気絶縁性を有
    する熱伝導体を設け、基板表面を凸状の形状にしたこと
    を特徴とするヒーター。
  4. 【請求項4】 電気的に絶縁性の基板の表面に2本の通
    電発熱抵抗体を設け、それらの通電発熱抵抗体を選択的
    に通電することで発熱させるヒーターにおいて、その2
    本の通電発熱抵抗体を形成した基板表面に設けた電気絶
    縁性オーバーコート層の、2本の通電発熱抵抗体間部分
    の表面高さを他の部分に比べて高く形成したことを特徴
    とするヒーター。
  5. 【請求項5】 電気的に絶縁性の基板の表面に少なくと
    も2本以上の通電発熱抵抗体を設け、それらの通電発熱
    抵抗体を選択的に通電することで発熱させるヒーターに
    おいて、通電発熱抵抗体は異なる体積抵抗率をもつ抵抗
    材料によりそれぞれ形成されていることを特徴とするヒ
    ーター。
  6. 【請求項6】 電気的に絶縁性の基板の表面に少なくと
    も2本以上の通電発熱抵抗体を設け、それらの通電発熱
    抵抗体を選択的に通電することで発熱させるヒーターに
    おいて、少なくとも1つの通電発熱抵抗体のパターンの
    少なくとも1部を波形に形成したことを特徴とするヒー
    ター。
  7. 【請求項7】 電気的に絶縁性の基板の表面に少なくと
    も2本以上の通電発熱抵抗体を設け、それらの通電発熱
    抵抗体を選択的に通電することで発熱させるヒーターに
    おいて、通電発熱抵抗体群の外郭をなす両外側2本の通
    電発熱抵抗体のみ、それらの一端側と他端側をそれぞれ
    共通の通電用電極端子に導通させて接続したことを特徴
    とするヒーター。
  8. 【請求項8】 電気的に絶縁性の基板の表面に少なくと
    も1組以上の対向電極パターンを設け、対向電極パター
    ン間に通電発熱抵抗体を配置し、上記電極パターンの一
    部を電気的に共通の通電用電極端子とし、この接続され
    た電極パターンと対向した関係にある電極パターンはそ
    れぞれ独立した個別の通電用電極端子を設けたことを特
    徴とするヒーター。
  9. 【請求項9】 電気的に絶縁性の基板の表面に少なくと
    も2本以上の通電発熱抵抗体を設け、それらの通電発熱
    抵抗体を選択的に通電することで発熱させるヒーターに
    おいて、通電発熱抵抗体群の一端側は共通1つの通電用
    電極端子に接続し、他端側はそれぞれ独立の個別の通電
    用電極端子に接続し、独立の個別の通電用電極端子ある
    いは通電発熱抵抗体から独立した通電用電極端子間のパ
    ターン部に温度により開閉するスイッチ機能を持った導
    体により、少なくとも2本以上の通電発熱抵抗体の他端
    が、温度により短絡されることを特徴とするヒーター。
  10. 【請求項10】 基板表面に形成した2本または2本以
    上の通電発熱抵抗体の群の一端側は共通1つの通電用電
    極端子に導通させて接続し、他端側はそれぞれ独立の個
    別の通電用電極端子に導通させて接続したことを特徴と
    する請求項1乃至同6の何れかに記載のヒーター。
  11. 【請求項11】 通電発熱抵抗体の通電用電極端子の少
    なくとも1部が、通電発熱抵抗体群を形成した基板表面
    側とは反対側の基板背面側に設けられていることを特徴
    とする請求項1乃至同10の何れかに記載のヒーター。
  12. 【請求項12】 画像加熱定着装置の加熱体であること
    を特徴とする請求項1乃至同11の何れかに記載のヒー
    ター。
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