JP3547779B2 - 加熱ヒータおよびこれを用いた加熱装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本願発明は、電子写真プロセスにおいて、感光ドラムから用紙上に転写されたトナーを熱定着する場合等に用いると好適な加熱ヒータおよびこれを用いた加熱装置に関する。このような電子写真プロセスは、乾式複写機、レーザプリンタ、LEDプリンタ、ファクシミリの印字部等に広く応用されているものである。
【0002】
【従来の技術】
上記電子写真プロセスにおけるトナー定着部の小型化、軽量化を図るとともに、使用可能温度への昇温時間を短縮するために、上記定着用加熱ヒータとして、ハロゲンランプを内挿した筒型回転ローラ式のヒータに代え、絶縁基板上に発熱体を帯状に配置してなる加熱ヒータが用いられることがある。
【0003】
かかる加熱ヒータは、本願の図6に示すように、矩形短冊板状の絶縁基板aの上面に、長手方向に延びる所定長さの帯状発熱体bを銀・パラジウムペースト等の抵抗体ペーストを用いて印刷・焼成することにより形成する一方、かかる帯状発熱体bの両端部に一部重なるようにして、電極c,cを銀ペースト等の導体ペーストを用いて印刷・焼成することにより形成するという簡単な製造工程によって得ることができるとともに、概して薄状であり、しかも発熱体bの両端電極c,c間への通電後瞬時にして所定の使用温度に昇温するため、上記電子写真プロセスにおける定着部の構成を小型化、軽量化、低コスト化できるのみならず、通電後の待ち時間をほとんどなくすことができるという利点をもっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような加熱ヒータにおける問題は、比較的長い発熱体bの両端部に電極c,cが形成されているため、発熱体bが加熱駆動を繰り返し受けるうちに、発熱体bと電極c,cとの境界部が熱ストレスによって破損する恐れがあるということである。とりわけ、発熱体b両端部の電極c,cからの熱放散に起因する発熱体両端部の温度低下を補償するために、図7に示すように発熱体b両端部を細幅化する場合があるが、この場合においては、なおさら上記の問題が増長される傾向となる。
【0005】
本願発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、図6または図7に示す構成をもつ従来の加熱ヒータにおける上記問題を一挙に解消し、発熱体と電極部への熱ストレスに起因する断線といった可能性を著しく減じることができるのみならず、温度分布の調整をより簡便に行うことができる加熱ヒータを提供することをその基本的課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の各技術的手段を講じている。
【0007】
本願の請求項1の加熱ヒータは、硬質絶縁基板上に、端部に接続用端子を有し、それぞれ長手方向に延びる2本の通電用電極を形成する一方、上記絶縁基板上における上記2本の通電用電極で挟まれる帯状領域に発熱体層を形成し、上記接続用端子を、一方の通電用電極についてはその一方端に、他方の通電用電極についてはその他方端に、それぞれ形成し、基板幅方向に走行する対象物に上記発熱体層を接触させて加熱を行う加熱ヒータであって、上記2本の通電用電極の間隔が、基板の長手方向について一定とされている一方、上記発熱体層には、絶縁基板幅方向に対して所定の角度で傾斜する複数の細幅のスリットが、それらの間隔が基板長手方向両端部に向かうほど拡大するようにして形成されていることに特徴づけられている。
【0008】
本願の請求項2の加熱ヒータは、硬質絶縁基板上に、端部に接続用端子を有し、それぞれ長手方向に延びる2本の通電用電極を形成する一方、上記絶縁基板上における上記2本の通電用電極で挟まれる帯状領域に発熱体層を形成し、上記接続用端子を、一方の通電用電極についてはその一方端に、他方の通電用電極についてはその他方端に、それぞれ形成し、基板幅方向に走行する対象物に上記発熱体層を接触させて加熱を行う加熱ヒータであって、上記2本の通電用電極の間隔が、基板長手方向両端部のほうが基板長手方向中間部よりも短くなるようになされている一方、上記発熱体層には、絶縁基板幅方向に対して所定の角度で傾斜する複数の細幅のスリットが、それらの間隔が基板長手方向について一定となるように形成されていることに特徴づけられている。
【0014】
なお、本願の請求項の発明は、請求項1または2の加熱ヒータを用いた加熱装置であり、電子写真プロセスが組み込まれた装置において、用紙上に転写されたトナーを熱定着するためのものである。
【0015】
【発明の作用および効果】
本願発明に係る加熱ヒータにおいては、絶縁基板長手方向に延在する発熱体層の基板幅方向両縁が、基板長手方向に相当長い距離において、同じく基板長手方向に延びるように形成された2つの通電用電極に接触させられている。このことは、図6および図7の従来構成が、基板長手方向に延びる発熱体の両端部が電極に接続されている点と大きな対照をなすものである。したがって、たとえ上記発熱体層が繰り返し発熱駆動を受けても、通電用電極との間に生じる熱ストレスが基板長手方向に長い距離に分散させられる。そのため、上記熱ストレスが起因して発熱体と電極との間に断線が生じるといった事態を効果的に回避することができる。
【0016】
また、通電用電極が基板長手方向に延びており、したがって、この通電用電極が平均して発熱体が発生する熱によって加熱させられるので、基板の両端部にのみ電極が形成される従来例のように基板両端部に温度低下が生じるといった傾向は抑制され、駆動状態における発熱体の温度分布を基板長手方向について平均化することができる。
【0019】
本願発明に係る加熱ヒータでは、上記2本の通電用電極間の発熱体層を、細幅のスリットによって基板長手方向に複数に分割している。これにより、上記温度補償を行い易くなる。
【0020】
すなわち、請求項1の構成では、上記スリットで分断される発熱体層の基板長手方向幅が基板長手方向端部に向かうほど長くなり、これにより、各スリットで分断される発熱体層の抵抗値が、基板長手方向端部に向かうほど小さくなる。したがって、基板長手方向端部ほど発熱体層に流れる電流が増大し、これにともなって発熱量も増大する。これにより、基板両端部からの熱放散を補償して、発熱体層の発熱量を、長手方向について平均化することができる。
【0021】
さらに、請求項2の構成では、上記スリットで分断される発熱体層の基板幅方向長さが基板長手方向端部に向かうほど短くなり、これにより、各スリットで分断される発熱体層の抵抗値が、基板長手方向端部に向かうほど小さくなる。したがって、上記請求項の構成と同様の温度補償効果を奏することができる。
【0022】
さらに、本願発明に係る加熱ヒータにおいては、上記スリットは、とくに細幅状とするとともに、基板幅方向に対して傾斜させている。通常、この種の加熱ヒータは、発熱体層を基板幅方向所定幅にわたって基板幅方向に走行する対象物に実質的に接触させて、その加熱を行うが、上記スリットを傾斜させていることから、対象物に対する加熱の途切れ部をなくすことができ、加熱ムラをなくすことができる。
【0023】
もちろん、加熱装置を小型化、軽量化、低コスト化することができるとともに、通電後の待ち時間をほとんどなくすことができるという、この種の加熱ヒータの利点は、本願の上記各発明に係る加熱ヒータにおいてもそのまま享受することができる。
【0024】
【実施例の説明】
以下、本願発明の好ましい実施例を、図1ないし図5を参照して具体的に説明する。
【0025】
図1および図2は、本願発明の加熱ヒータ1の第一の実施例を示す。アルミナセラミック等からなる平面視長矩形状の絶縁基板2の上面に、基板長手方向に延びる2本の通電用電極3,4が形成される。この通電用電極3,4は、たとえば銀ペーストを用いた厚膜印刷法によって形成することができる。
【0026】
本実施例においては、図1に示されているように、一方の通電用電極3を直線状とする一方、他方の通電用電極4を湾曲状に形成し、両通電用電極3,4間の間隔が、基板中間部よりも両端部ほど短くなるようにしている。
【0027】
そして、上記2本の通電用電極3,4で挟まれる基板長手方向帯状領域に発熱体層5が途切れなく形成される。本実施例では、上記2本の通電用電極3,4を形成した後、これらの通電用電極3,4を覆うようにして平面視矩形のパターンをもって、抵抗体被膜5aを厚膜印刷法によって形成することにより、上記両通電用電極3,4間の発熱体層5を形成している。この発熱体層5の形成には、たとえば銀・パラジウムペーストを用いることができる。
【0028】
また、図2に表れているように、上記発熱体層5をさらに覆うようにして、保護ガラスコーティング6を施すことが、発熱体層5の磨耗を防止する上で望ましい。なお、上記のようにして通電用電極3,4および発熱体層5を形成する前に、ガラスペーストを用いて蓄熱グレーズ層(図示略)を形成しておいてもよい。
【0029】
以上の構成において、両通電用電極3,4間に通電を行うと、これら両通電用電極3,4間の帯状領域に基板長手方向に延在する発熱体層5が発熱駆動される。この発熱体層5は、その帯状の形態の基板幅方向両縁において、比較的長い距離において上記両通電用電極3,4に接しているので、発熱体層5と両通電用電極3,4間に生じる熱ストレスが基板長手方向の長い範囲に分散される。したがって、発熱体層5が繰り返し駆動されることによる熱ストレスが起因して発熱体層5と両通電用電極3,4間が接続不良を起こすといった事態はきわめて稀なことになる。この傾向は、本実施例のように、両通電用電極3,4をその幅方向全体にわたって覆うように抵抗体被膜5aを形成することにより、より高められる。また、発熱体層5は基板長手方向に途切れなく連続しているので、たとえその長手方向一部に上記のような熱ストレスに起因する接触不良が生じたとしても、全体として、両通電用電極3,4間の発熱体層5の発熱駆動に支障が生じることは少ない。
【0030】
さらに、図1に表れているように、両通電用電極3,4の間隔を、基板長手方向端部ほど短くしておくと、発熱体層5の抵抗値が基板長手方向端部に向かうほど小さくなる傾向となり、基板端部における発熱量が、基板中間部における発熱量より大きくなる。したがって、基板両端部からの熱放散に起因する基板端部の温度が低下する傾向をなくして、温度分布を基板長手方向について平均化することができる。
【0031】
図3は、本願発明の加熱ヒータ1の第二の実施例を示す。この実施例では、絶縁基板2の上面に、互いに平行に延びる2本の通電用電極3,4を形成すると同時に、これら通電用電極3,4間の領域に短絡用電極パターン7を形成している。この短絡用電極パターン7は、その基板幅方向の幅が基板長手方向端部に向かうほど拡大するようにしている。この短絡用電極パターン7は、通電用電極3,4の形成と同時に、たとえば銀ペーストを用いて形成される。そして、これら2本の通電用電極3,4および短絡用電極パターン7の全体を覆うようにして、抵抗体被膜5aを厚膜印刷法によって形成することにより、2本の通電用電極3,4とこれらの間の領域の短絡用電極パターン7との間の2カ所の帯状領域に、途切れない発熱体層5,5が形成される。
【0032】
図3に示す加熱ヒータ1の基本的な作用効果は図1および図2に示すものと同様である。そして、本実施例では、上記短絡用電極パターン7の形成により、上記発熱体層5の抵抗値を基板長手方向端部ほど小さくし、温度分布の平均化を行っている。
【0033】
図4は、本願発明の加熱ヒータ1の第三の実施例を示す。この実施例の図1の実施例との相違は、発熱体層5を、基板幅方向に対して傾斜する複数の細幅状のスリット8によって基板長手方向複数の要素に分断している点である。このようにすることにより、スリット8が分断する各発熱体層の要素の抵抗値の設定が容易となり、発熱体層5全体としての温度分布をどのようにも設定することができる。もちろん、図に表れているように、発熱体層5の要素の電極間長さを基板長手方向端部ほど短くしてその抵抗値を低めることにより、基板両端部からの熱放散に起因する基板端部の温度が低下する傾向をなくして、温度分布を基板長手方向について平均化するといった対処も容易にすることができる。また、上記細幅状のスリット8を傾斜状としていることにより、加熱対象物に対する加熱に途切れ部が生じることを回避することができる。
【0034】
図5は、本願発明の加熱ヒータの第四の実施例を示す。この実施例は、図4の第三の実施例の変形例であり、2本の通電用電極3,4を平行とする一方、上記スリット8で分断される発熱体層の要素幅を、基板長手方向端部に向かうほど太幅化してその抵抗値を小さくしている。これにより、基板長手方向端部ほど発熱量を大きくして、基板端部からの熱放散を補償して、温度分布を平均化することができる。
【0035】
なお、上記図4の第三の実施例および図5の第四の実施例におけるスリットは、抵抗体被膜5aの印刷時に形成してもよいし、印刷後、トリミングの手法によって形成してもよい。
【0036】
もちろん、この発明の範囲は上述した実施例に限定されることはなく、特許請求の範囲に記載した事項によって把握される本願発明の基本原理に基づくすべての変形は、本願発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の加熱ヒータの第一の実施例の平面図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】本願発明の加熱ヒータの第二の実施例の平面図である。
【図4】本願発明の加熱ヒータの第三の実施例の平面図である。
【図5】本願発明の加熱ヒータの第四の実施例の平面図である。
【図6】従来例の平面図である。
【図7】従来例の平面図である。
【符号の説明】
1 加熱ヒータ
2 絶縁基板
3 通電用電極
4 通電用電極
5 発熱体層
6 保護ガラスコーティング
7 短絡用電極パターン
8 スリット

Claims (3)

  1. 硬質絶縁基板上に、端部に接続用端子を有し、それぞれ長手方向に延びる2本の通電用電極を形成する一方、上記絶縁基板上における上記2本の通電用電極で挟まれる帯状領域に発熱体層を形成し、上記接続用端子を、一方の通電用電極についてはその一方端に、他方の通電用電極についてはその他方端に、それぞれ形成し、基板幅方向に走行する対象物に上記発熱体層を接触させて加熱を行う加熱ヒータであって、
    上記2本の通電用電極の間隔が、基板の長手方向について一定とされている一方、上記発熱体層には、絶縁基板幅方向に対して所定の角度で傾斜する複数の細幅のスリットが、それらの間隔が基板長手方向両端部に向かうほど拡大するようにして形成されていることを特徴とする、加熱ヒータ。
  2. 硬質絶縁基板上に、端部に接続用端子を有し、それぞれ長手方向に延びる2本の通電用電極を形成する一方、上記絶縁基板上における上記2本の通電用電極で挟まれる帯状領域に発熱体層を形成し、上記接続用端子を、一方の通電用電極についてはその一方端に、他方の通電用電極についてはその他方端に、それぞれ形成し、基板幅方向に走行する対象物に上記発熱体層を接触させて加熱を行う加熱ヒータであって、
    上記2本の通電用電極の間隔が、基板長手方向両端部のほうが基板長手方向中間部よりも短くなるようになされている一方、上記発熱体層には、絶縁基板幅方向に対して所定の角度で傾斜する複数の細幅のスリットが、それらの間隔が基板長手方向について一定となるように形成されていることを特徴とする、加熱ヒータ。
  3. 請求項1または2の加熱ヒータを用いた加熱装置。
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