JP2016029252A - スラブ式軌道の補修構造およびスラブ式軌道の補修方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】補修用充填材を充填して充填層の補修を行うに際し、剥離シートを用いたり型枠を撤去する必要がなく、また補修用充填材を袋体に注入して硬化させたり、再度補修用充填材を注入する必要もなく、効率的に補修作業を行うことのできるスラブ式軌道の補修構造およびスラブ式軌道の補修方法を提供すること。
【解決手段】少なくともコンクリート路盤と、軌道スラブとの間に、充填層が挟まれるようにして設けられ、さらに前記軌道スラブ上に軌道レールが配設されて成るスラブ式軌道の補修構造であって、前記スラブ式軌道の補修構造は、前記充填層の外周縁部の少なくとも一部に、埋め込み型枠を備えており、前記埋め込み型枠内または埋め込み型枠よりも内方の領域内の少なくともいずれか一方には、補修用充填材を内包してなる。
【選択図】図7

Description

本発明は、コンクリート路盤と、軌道スラブとの間に、充填層が挟まれるようにして設けられ、さらに軌道スラブ上に軌道レールが配設されて成るスラブ式軌道の補修構造およびスラブ式軌道の補修方法に関するものである。
従来より、コンクリート路盤上に軌道スラブを設け、さらにこの軌道スラブ上に軌道レールを固定して成るスラブ式軌道が知られている。
このようなスラブ式軌道10は、図1に示したように、コンクリート路盤20の上面に、充填層22を介して軌道スラブ24が設けられ、さらに軌道スラブ24の上面には、一対の軌道レール34,34が配設されている。なお軌道スラブ24は両端部に切欠き部26,26を備え、コンクリート路盤20上に所定間隔置きに設けられた凸部28と凸部28に対し、軌道スラブ24の切欠き部26と切欠き部26が位置合わせされている。
充填層22は、軌道スラブ24をコンクリート路盤20上の所定位置に持ち上げておき、この軌道スラブ24とコンクリート路盤20との間に生じた隙間内に、軌道スラブ24に予め形成しておいた充填孔(図示せず)を介して充填材(例えばセメントアスファルトモルタル:セメントとアスファルト乳剤と細骨材とを混合させて成るもの(CAモルタルともいう))を充填し、これを硬化させることで形成されている。充填孔(図示せず)は、その後上端まで充填材または別途封止材が注入されることで塞がれている。さらに凸部28と切欠き部26の間にも充填材が注入されている。
また充填層22は、軌道スラブ24をコンクリート路盤20上の所定位置に持ち上げておき、この軌道スラブ24とコンクリート路盤20との間に生じた隙間内に、予めCAモルタルを注入した不織布などの袋状の袋体を配置させ、隙間内で固化させることにより形成される場合もある。
ところでこのようなスラブ式軌道10の充填層22は、例えば軌道レール34の温度変化による伸縮や、軌道レール34上を走行する車両によって加えられる力、充填層22に滲み込んだ水により充填層22のアルカリ成分が溶出し、充填層22がポーラス化(多孔質化)することなどによって、次第に劣化する。特に、充填層22に滲み込んだ水は、凍結融解を繰り返すことで充填層22の劣化を進行させ、寒冷地ではその影響が顕著である。
このように充填層22が劣化すると、劣化した充填層の露出部分から割れ,剥離,脱落などの不具合が生ずるため、劣化部分が確認された場合には早期の補修が求められる。
従来よりこのようなスラブ式軌道の補修方法として、充填層の劣化部分を削り取った後、削り取った箇所を取り囲むように型枠を配設し、型枠内にビニルエステル系樹脂などの補修材を充填して硬化させた後、型枠を撤去することで、充填層を補修するようにした補修方法(額縁補修方法ともいう)が提案されている(特許文献1)。
また別の補修方法として、充填層の劣化部分を削り取って空隙部を形成した後、この空隙部内へ袋状の袋体を装填し、この状態でこの袋体内へ補修用充填材を注入することで、空隙部を補修用充填材で埋め、劣化部分を補修するようにした補修方法(充填袋補修方法ともいう)が提案されている(特許文献2)。
なお、充填袋補修方法に用いられる袋体は、袋体の上下の面から補修用充填材が滲み出すようになっており、これにより袋体が対向する上下の面(軌道スラブとコンクリート路盤)と接着されるようになっている。
特開2008−57318号公報 特開2012−180634号公報
しかしながら、特許文献1に開示された補修方法(額縁補修方法)は、型枠の設置と撤去が必要であり、この作業に多くの時間と労力を要し効率的ではなかった。
しかも、この補修方法(額縁補修方法)では、補修材が型枠に付着しないよう、型枠の設置時に型枠と軌道スラブ側面との間に剥離シートを挟む必要もあり、剥離シートの設置や除去にも時間やコストを要するものであった。
また特許文献2に開示された補修方法(充填袋補修方法)は、空隙部内へ装填した袋体内へ注入した補修用充填材が硬化するまで待ち、さらにその後、袋体と空隙部との間に残った空間内に、補修用充填材を再度注入して硬化させる必要があり、補修用充填材の充填作業を少なくとも2回行う必要があり、充填作業だけで多くの時間を要するものであった。
さらに、この補修方法(充填袋補修方法)は、袋体に注入した補修用充填材が上下に滲み出した後、袋体の上面に隙間が生じやすく、その際には、再度補修が必要であった。また、袋体の上面の隙間から補修用充填材が外方に漏れ出す場合もあり、結果的に効率的ではないものであった。
また、袋体から滲み出した補修用充填材が少ない場合には、袋体の上面と軌道スラブ、袋体の下面とコンクリート路盤の摩擦抵抗が低くなり、装填した袋体自体が空隙部内にしっかりと留まらず、空隙部内から飛び出してしまうおそれもある。
ところで、スラブ式軌道の補修作業は、通常、車両が通らない深夜などに制約されて行われている。したがって、従来の額縁補修方法や充填袋補修方法のように、この制約された作業時間内に型枠などを作業現場まで搬入し、さらに撤去して搬出したり、さらには充填作業を少なくとも2回要したりするといった作業効率の悪さを改善した高効率な補修方法の出現が熱望されているのが実情である。
本発明はこのような実情に鑑みなされたものであり、補修用充填材を充填して充填層の補修を行うに際し、剥離シートを用いたり型枠を撤去する必要がなく、また補修用充填材を袋体に注入して硬化させたり、再度補修用充填材を注入する必要もなく、効率的に補修作業を行うことのできるスラブ式軌道の補修構造およびスラブ式軌道の補修方法を提供することを目的とする。
本発明は、前述したような従来技術における課題および目的を達成するために発明されたものであって、
本発明のスラブ式軌道の補修構造は、
少なくともコンクリート路盤と、軌道スラブとの間に、充填層が挟まれるようにして設けられ、さらに前記軌道スラブ上に軌道レールが配設されて成るスラブ式軌道の補修構造であって、
前記スラブ式軌道の補修構造は、
前記充填層の外周縁部の少なくとも一部に、埋め込み型枠を備えており、
前記埋め込み型枠内または埋め込み型枠よりも内方の領域内の少なくともいずれか一方には、補修用充填材を内包してなることを特徴とする。
また、本発明のスラブ式軌道の補修方法は、
少なくともコンクリート路盤上に充填層を介して軌道スラブが設けられ、さらに前記軌道スラブ上に軌道レールを配設して成るスラブ式軌道の補修方法であって、
前記スラブ式軌道の補修方法は、
前記充填層の劣化した部分を、露出された外周縁部から内方の所定深さまで除去し、前記軌道スラブとコンクリート路盤との間に空隙部を形成する工程と、
前記軌道スラブとコンクリート路盤との間に形成された空隙部内に、埋め込み型枠を配置する工程と、
前記空隙部内に配置された埋め込み型枠内または前記空隙部内に配置された埋め込み型枠によって前記空隙部内に区画された前記埋め込み型枠より内方の空間内の少なくともいずれか一方に、補修用充填材を注入する工程と、
前記注入された補修用充填材を硬化させる工程と、
を少なくとも有することを特徴とする。
このような補修構造および補修方法であれば、埋め込み型枠を空隙部内に配置させてから埋め込み型枠内または埋め込み型枠より内方の空間内の少なくともいずれか一方に、補修用充填材を注入するだけで良く、補修用充填材を硬化した後、埋め込み型枠を外す必要がなく、効率的にスラブ式軌道の補修を行うことができる。
また、本発明のスラブ式軌道の補修構造は、
前記埋め込み型枠が、
前記軌道スラブとコンクリート路盤との間に固着されて成ることを特徴とする。
このように埋め込み型枠が軌道スラブとコンクリート路盤との間に固着されていれば、埋め込み型枠が空隙部内から脱落するおそれが少なくなり好ましい。
また、本発明のスラブ式軌道の補修構造は、
前記埋め込み型枠が、伸縮性を有することを特徴とする。
このように伸縮性を有していれば、空隙部の厚みよりも厚い埋め込み型枠を用意し、これを伸縮させながら空隙部内に配置することで、空隙部内の埋め込み型枠がもとの大きさに復元する力が作用し、強固に空隙部内へ埋め込み型枠を留めることができる。またこのようにすれば、コンクリート路盤,軌道スラブと埋め込み型枠との、上下の隙間をなくすことができ、補修用充填材の充填時に補修用充填材が漏れ出すおそれもなく好ましい。
また、本発明のスラブ式軌道の補修構造は、
前記埋め込み型枠が、
発泡成形体,繊維をバインダーで固めた成形体,コルク,軟質プラスチック成形体からなる成形体のいずれかであることを特徴とする。
このような成形体であれば、埋め込み型枠に好適である。またこれらの成形体は空隙部に配置しやすく、さらに軽量であるため輸送面や取扱い面でも優れる。なお、これら成形体としては特に伸縮性を有することが好ましい。
また、本発明のスラブ式軌道の補修構造は、
前記発泡成形体が、発泡ポリウレタンからなることを特徴とする。
特に発泡ポリウレタンであれば、圧縮配置性、加工性、経済性の観点からより好ましい。
また、本発明のスラブ式軌道の補修構造は、
前記発泡成形体が、連続気泡型発泡体であることを特徴とする。
特に連続気泡型発泡体であれば、補修用充填材が浸透し易いため、埋め込み型枠と補修用充填材とが一体化し易く、より確実にスラブ式軌道を補修することができる。
また、本発明のスラブ式軌道の補修構造は、
前記埋め込み型枠,前記軌道スラブ,前記埋め込み型枠と軌道スラブとの間の少なくともいずれかには、
前記埋め込み型枠より内方の空間内に連通するエア抜き孔を有することを特徴とする。
このようにエア抜き孔を有していれば、空隙部内のエア抜きができ、補修用充填材を隙間なく充填させることができる。
また、本発明のスラブ式軌道の補修構造は、
前記補修用充填材が、合成樹脂を含有することを特徴とする。
このように補修用充填材が合成樹脂を含有していれば、充填性および硬化性の点からより好ましい。
また、本発明のスラブ式軌道の補修構造は、
前記補修用充填材が、多成分型であることを特徴とする。
このように補修用充填材が多成分型であれば、例えば補修用充填材の硬化時間,粘度,充填性などを現場の状態に合わせて適宜変更することができ好ましい。
また、本発明のスラブ式軌道の補修構造は、
前記充填層が、セメントアスファルトモルタルから成ることを特徴とする。
このようなセメントアスファルトモルタルは、スラブ式軌道を敷設した当初の材質であり、このような当初の状態から初めて補修する場合にも好適に用いることができる。
また、本発明のスラブ式軌道の補修構造は、
前記充填層が、セメントアスファルトモルタルおよび補修材から成ることを特徴とする。
このようなセメントアスファルトモルタルおよび補修材は、スラブ式軌道を敷設した当初の材質に加えて、例えば一度補修した際に、補修材として公知のものを用いたものであり、このような当初の状態から一度以上補修がなされた場合であっても、本発明の補修構造を好適に用いることができる。
なお補修材は、例えば上記した特許文献1に開示されたビニルエステル系樹脂などの充填剤や、ポリウレタン系樹脂補修材料,CAモルタルなどの充填材、特許文献2に開示された補修用充填材が注入された袋体、もしくは注入された補修用充填材が周囲から滲み出してなる袋体など、公知の補修方法に用いられるものであれば如何なるものでも構わないものである。当然、補修材には、当初の充填層の材質と同様、セメントアスファルトモルタルも含まれるものである。
また、本発明のスラブ式軌道の補修構造は、
前記埋め込み型枠が、その外周側面に、バリア層を有することを特徴とする。
このように埋め込み型枠が、その外周側面にバリア層を有していれば、埋め込み型枠が紫外線により劣化することを防止でき、水等の浸入を防ぐことができ、耐候性を向上させることができる。なお、バリア層は、補修用充填材が滲み込んだ埋め込み型枠の硬化物自体のほか、埋め込み型枠から滲み出した補修用充填材や、埋め込み型枠の外表面に塗布された補充用充填材から構成されても良く、その他別途板状のバリア層を用意しておき、これを埋め込み型枠の外周側面に貼り付けるようにしても良いものである。
また、本発明のスラブ式軌道の補修方法は、
前記空隙部を形成する工程の後、
前記空隙部内を乾燥させる工程を有することを特徴とする。
このように空隙部内を乾燥させれば、劣化された部分が削り取られた充填層と補修用充填材との接着強度が向上し、確実にスラブ式軌道の補修を行うことができる。
また、本発明のスラブ式軌道の補修方法は、
前記補修用充填材を注入する工程において、
前記埋め込み型枠,埋め込み型枠と軌道スラブとの間,埋め込み型枠とコンクリート路盤との間,軌道スラブ,コンクリート路盤,埋め込み型枠と埋め込み型枠との間,埋め込み型枠と充填層との間からなる群より選ばれる少なくとも1か所に設けられた注入孔を介して前記補修用充填材が注入されることを特徴とする。
このような注入孔であれば、空隙部内に配置された埋め込み型枠内または空隙部内に配置された埋め込み型枠によって空隙部内に区画された埋め込み型枠より内方の空間内の少なくともいずれか一方へ、確実に補修用充填材を注入することができる。
また、本発明の埋め込み型枠は、
上記のいずれかに記載のスラブ式軌道の補修構造に用いられることを特徴とする。
このような埋め込み型枠であれば、空隙部を確実に塞いで補修用充填材を充填することができるため、作業効率が向上し、スラブ式軌道の補修構造に好適に用いることができる。
本発明のスラブ式軌道の補修構造およびスラブ式軌道の補修方法は、劣化した充填層を削り取って空隙部を形成し、この空隙部内に外側から埋め込み型枠を配置した後、埋め込み型枠内または埋め込み型枠より内方の空間内の少なくともいずれか一方に、補修用充填材を注入し、補修用充填材を硬化させるだけで良いため、従来よりも短時間で効率的に、劣化した充填層を確実に補修することができる。
また、従来工法(額縁補修方法)では必要とされた型枠の撤去が不要になり、補修作業の効率を向上させることができる。
さらに従来工法(充填袋補修方法)における、補修用充填材を袋体に注入するといった手間が省け、さらにその作業による補修用充填材の漏れのリスクを低減し作業能率を向上させることができる。
また、本発明の補修構造において、埋め込み型枠が軌道スラブとコンクリート路盤との間に固着されていれば、埋め込み型枠が空隙部内から脱落する恐れを少なくできる。
さらに埋め込み型枠が伸縮性を有すれば、空隙部へ外側から圧縮配置できるため、強固に空隙部内へ埋め込み型枠を留めることができる。
また、埋め込み型枠として発泡成形体,繊維をバインダーで固めた成形体,コルク,軟質プラスチック成形体からなる成形体のいずれかを用いる場合には、空隙部に容易に配置することが可能であり、一層作業効率を向上させることができる。また、軽量のため輸送面や取扱い面に優れる。
図1は、スラブ式軌道の構造を一部断面にして示した斜視図である。 図2は、スラブ式軌道の平面図であり、外周縁部から点線で示した箇所までが、充填層の劣化した部分が取り除かれてできた空隙部である。 図3は、劣化した充填層を取り除いた後の空隙部を示した平面図である。 図4(A)は、劣化した充填層を取り除いた状態を示した部分断面図、図4(B)は、埋め込み型枠を配置した状態を示した部分断面図、図4(C)は、埋め込み型枠に注入孔を設けた状態を示した部分断面図である。 図5(A)は、注入孔の代わりに充填孔を用いた状態を示した部分断面図、図5(B)は、補修用充填材の注入後の状態を示した部分断面図、図5(C)は、注入孔の後処理後の状態を示した部分断面図である。 図6は、本発明のスラブ式軌道の補修方法の作業工程図である。 図7は、空隙部内に埋め込み型枠を配置する直前の状態を示した斜視図である。 図8は、圧縮配置した埋め込み型枠と充填層との間に区画された埋め込み型枠より内方の空間内に補修用充填材を注入する状況を示した説明図である。 図9は、埋め込み型枠と軌道スラブとの間にエア抜き孔を設けた場合の部分断面図である。 図10は、空隙部内に、注入孔およびエア抜き孔を有する埋め込み型枠を配置した状態を示した説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいてより詳細に説明する。
本発明のスラブ式軌道の補修構造およびスラブ式軌道の補修方法は、コンクリート路盤上に充填層を介して軌道スラブが設けられ、さらに軌道スラブ上に軌道レールを締結して成るスラブ式軌道において、充填層が劣化することによって生ずる割れ,剥離,脱落などを補修するためのものである。
<スラブ式軌道10>
本発明の補修構造が施工されるスラブ式軌道10は、図1に示したように、コンクリート路盤20上に充填層22を介して軌道スラブ24が設けられ、さらにこの軌道スラブ24上に一対の軌道レール34,34を配設して成るものである。
ここでコンクリート路盤20には所定間隔毎に凸部28が突設されている。一方、軌道スラブ24の両端には、この凸部28の間隔に対し、僅かに隙間を生ずるような位置に切欠き部26,26がそれぞれ設けられており、凸部28と凸部28との間に、両端部の切欠き部26,26がそれぞれ合うように位置決めされて軌道スラブ24が配設されている。
また、軌道スラブ24上には、一対の軌道レール34,34が敷設され、この軌道レール34は、それぞれ複数の締結部材(図示せず)によって軌道スラブ24に固定されている。
軌道スラブ24とコンクリート路盤20との間に設けられた充填層22は、軌道レール34の温度変化による伸縮応力や、列車の通過や遠心力による外力が加わり、また水分の侵入などにより劣化し、時間の経過とともに露出部分から割れ,剥離,脱落などが発生する。
このため、これらの症状が発生した場合、または所定期間が経過した場合などには、この充填層22の補修が行われる。
なお本明細書中における充填層22は、スラブ式軌道10を最初に敷設した際に設けられたセメントアスファルトモルタルのみから成る層であることはもちろんであるが、このセメントアスファルトモルタルが袋体内に注入されてなる層であっても良いものである。
また、スラブ式軌道10を既に補修して成る充填層22であっても良いものである。すなわち、特許文献1に開示されたような空隙部を補修材で埋めた、セメントアスファルトモルタルと補修材からなる充填層22や、特許文献2に開示されたような、空隙部を袋体内に補修材を注入して埋めた、同じくセメントアスファルトモルタルと補修材からなる充填層22であっても良いものである。
ここで、補修材については公知の補修材の如何なるものにも限定されず、例えばスラブ式軌道10を最初に敷設した際と同じ、セメントアスファルトモルタルであっても良いものである。
つまり、補修を必要としているコンクリート路盤20と軌道スラブ24の間の充填層22について、特に材質が限定されるものではないものである。
本願発明は、このスラブ式軌道10の補修構造および補修方法において、特に充填層22の補修構造および補修方法に特徴を有するものであり、以下、この補修構造および補修方法ならびにこの補修構造に用いられる埋め込み型枠32について説明する。
<スラブ式軌道10の補修構造>
本発明のスラブ式軌道10の補修構造は、まず充填層22の外周縁部の少なくとも一部において、露出された外周縁部から内方の所定深さまで劣化された充填層22が除去され、除去された箇所と軌道スラブ24とコンクリート路盤20との間によって、断面略コ字状の空隙部30A,30Bを形成している(例えば図4(A))。
そして、この空隙部30A,30B内に、埋め込み型枠32を備え(例えば図4(B))、この埋め込み型枠32内または空隙部30A,30B内の埋め込み型枠32よりも内方の領域内の少なくともいずれか一方に、補修用充填材42が充填され(例えば図5(C))、これにてスラブ式軌道10の補修構造を構成している。
ここで埋め込み型枠32は、伸縮性を有することが充填層22の劣化部分が除去されてできた空隙部30A,30B内へ配置しやすいため好ましく、例えばエラストマー等からなる発泡体やスポンジなどの発泡成形体,繊維をバインダーで固めた成形体,コルク,軟質プラスチック成形体から成る成形体のいずれかであることが好ましく、中でも発泡成形体がより好ましい。
埋め込み型枠32が、発泡成形体,繊維をバインダーで固めた成形体,コルク,軟質プラスチック成形体から成る成形体のいずれかであれば、空隙部30A,30Bに配置しやすいのに加え、軽量であるため、輸送面や取扱い面でも優れる。
なお、発泡成形体の具体例としては、例えば発泡ポリウレタン,発泡シリコーン,ゴムスポンジが好ましく、中でもハンドリング性(圧縮配置性、加工性)や経済性の点から、発泡ポリウレタンが好ましい。
また発泡成形体は、後述する補修用充填材42の浸透性(滲み込み易さ)から、連続気泡型発泡体であることが好ましい。発泡成形体を連続気泡型発泡体とすることで、注入した補修用充填材42が発泡成形体の内部にまで滲み込み、発泡成形体と注入した補修用充填材42が一体化しやすくなる。一体化することにより、埋め込み型枠32部分が強化され、一層劣化に強い補修が可能となる。
同時に、発泡成形体の内部まで滲み込んだ補修用充填材42は、軌道スラブ24面側やコンクリート路盤20面側へも適量滲み出す場合があるため、この場合には、発泡成形体は補修用充填材42の硬化に伴い、それらの面へ強固に固着する。
なお、埋め込み型枠32として発泡成形体を用いない場合でも、補修用充填材42を、埋め込み型枠32と軌道スラブ24との間や、埋め込み型枠32とコンクリート路盤20との間の、微少な隙間を通して充填することができる場合がある。この場合には、埋め込み型枠32が軌道スラブ24や、コンクリート路盤20と固着される傾向にあるため好ましい。
さらに軟質プラスチック成形体の具体例としては、例えばEVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)樹脂、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、ポリスチレン(PS)、ポリウレタン、エラストマーから成る成形体を挙げることができる。
一方、補修用充填材42としては公知のものであれば特に限定されるものではないが、好ましくは調製してなるものであることが好ましい。調製してなる補修用充填材42としては、多成分型の補修用充填材42が挙げられ、好ましくは2成分型の補修用充填材42が挙げられる。
また、補修用充填材42は充填後に硬化するものであれば良いが、合成樹脂を含有するものが充填性,硬化性の点から好ましい。
合成樹脂としては、ポリウレタン樹脂に限らず、ビニルエステル樹脂,ポリエステルアクリレート樹脂などのラジカル重合型樹脂,エポキシ樹脂などでも良いものである。
また、必要に応じ、合成樹脂を硬化させるために硬化剤や硬化促進剤を適量用いればよい。さらに、補修用充填材は、合成樹脂に体質顔料(シリカ,炭酸カルシウム等)や骨材(硅砂等)を配合させることが、補修用充填材硬化物の機械的強度、耐久性や経済性の面から好ましい。例えば、補修用充填材中に、体質顔料(シリカ,炭酸カルシウム等)であれば10〜60重量%、骨材(硅砂等)であれば20〜80重量%の割合で含有させればよい。
<スラブ式軌道10の補修方法>
本発明のスラブ式軌道10の補修方法について、図1〜図5に示した図面、および図6に示したフロー図面を用いて説明する。なお、図面によっては図1に示したスラブ式軌道10の基本的な構造に記載の一部が開示されていないものもあるが、これは説明をより分かりやすくするために敢えて記載しなかったものであり、特に構造が限定されるものではないものである。
[軌道スラブ24とコンクリート路盤20との間に空隙部を形成する工程]
まず、本発明のスラブ式軌道10の補修方法では、図2,図4(A),図6に示したように、充填層22の劣化した部分を、露出された外周縁部から内方の所定深さまで除去し、軌道スラブ24とコンクリート路盤20との間に空隙部30A,30Bを形成する(図6 ステップS100)。
基本的には、充填層22の劣化した部分を全て削り取るものであり、軌道スラブ24下の充填層22の全てを削り取っても良いものである。充填層22は、特に露出された外周から劣化が進み、特にその四隅で劣化が速い傾向にある。すなわち軌道スラブ24の上面に加わるレール荷重による軌道スラブ24の上下方向の荷重変化は四隅で特に大きくなるからである。
したがって、本実施形態のように充填層22の四隅については、図2または図3に示したように、略三角形状の範囲とし、この範囲を削り取ることが好ましい。
四隅の具体的な削り量(ハツリ量)、すなわち空隙部30Aの寸法としては、現場で確認した際の劣化状況に応じて適宜設定すれば良いが、例えば図3に示したように、充填層22の四隅を始点として凸部28の形成方向(図3では上下方向)へ向かって約0.7m、軌道レール34の敷設方向(図3では左右方向)に向かって約0.5m、となるような略直角三角形状に削り取るのが好ましい。
一方、充填層22の四隅以外には、図2または図3に示したように、充填層22の軌道レール34の敷設方向(図3では左右方向)の側辺にも一定の深さで空隙部30Bを形成する。これにより、充填層22の外周に空隙部30A,30Bが形成されることとなる。
なお、空隙部30A,30Bを形成した後には、この空隙部30A,30B内を清掃し乾燥することが好ましい。乾燥の手段としては特に限定されるものではないが、例えばガスバーナーを用いて乾燥すれば、作業時間を少なくでき好ましい(図6 ステップS101)。
また、充填層22の再補修で、その充填層22がセメントアスファルトモルタルおよび補修材からなる場合は、例えば、通常、補修材が外側へ露出しているので、先に補修材を適当な工具,機械などを用いて除去した後に、その奥の劣化したセメントアスファルトモルタルを前記同様の方法で除去すればよい。
[空隙部30A,30B内に、埋め込み型枠を配置する工程]
空隙部30A,30Bを形成した後、今度は図4(B)および図7に示したように、空隙部30A,30B内に、埋め込み型枠32を配置する(図7では、埋め込み型枠32と空隙部30A,30Bとの関係が分かりやすいよう、配置直前の状態を示している)。
埋め込み型枠32の配置の際には、埋め込み型枠32をそのまま空隙部30A,30B内に配置しても良いが、例えば空隙部30A,30B内の全ての内表面もしくは埋め込み型枠32が設置される空隙部30A,30B内の内表面のみにプライマー、補修用充填材や接着剤を塗布してから配置することで、軌道スラブ24とコンクリート路盤20との間に埋め込み型枠32が固着されるようにしても良い。
なお、凸部28の周囲には通常空隙部はないが、空隙部がある場合はここにも埋め込み型枠を配置すると良い。
このような埋め込み型枠32は、図4(B)および図7に示したように、空隙部30A,30Bの開口に沿って配置される(図6 ステップS102)。埋め込み型枠32の高さ方向の寸法(厚み)は、少なくとも空隙部30A,30Bの高さ方向の寸法と同じだけ、すなわち空隙部30A,30Bを確実に塞ぐことができるだけの寸法(厚み)があれば良いが、圧縮して配置することができるよう、空隙部30A,30Bの高さ方向の寸法よりも若干大きな寸法(厚み)とすることが好ましい。これにより、埋め込み型枠32が配置場所から外に外れてしまう恐れが少なくなる。
なお、圧縮配置される埋め込み型枠32は、適宜の長さに分割しておき、空隙部30A,30Bの開口に沿って順次連結させるようにすることが好ましい。
埋め込み型枠32としては、例えば、5,000mm(長さ)×80mm(高さ)×40mm(幅)の寸法の埋め込み型枠32が利用できる。一般的にコンクリート路盤20と軌道スラブ24との距離が60mmであるため、80mmの高さであれば、適度に圧縮配置ができる。補修場所によってはその前後の高さのものがあるので、その際は埋め込み型枠32の高さを変更すればよい。
なお、5,000mmは、一般的な軌道スラブ24の長尺方向の長さである。幅については、15mm以上であれば、補修用充填材を注入した際に圧力がかかり、埋め込み型枠32が配置場所から外に外れてしまう恐れが少ないため好ましい。
埋め込み型枠32は、空隙部30A,30Bの外周縁部付近に配置され、空隙部30A,30B内に配置された埋め込み型枠32によって空隙部30A,30B内に空間が区画されるようにすることが空隙部30A,30B内に注入できる補修用充填材の量が多くなるため好ましい。ただし、空隙部30A,30B内をほぼ全て埋め尽くすように埋め込み型枠32を配置しても技術上問題はないものであり、場合によってはこのような方法も選択可能なものである。
どちらの場合においても、埋め込み型枠32が発泡成形体であれば、後述する補修用充填材を、埋め込み型枠32内に浸透させることができるため、埋め込み型枠32と補修用充填材とを一体化させることができる。
また埋め込み型枠32は、外周側面に、バリア層(図示せず)を有していてもよい。このバリア層は、発泡成形体などからなる埋め込み型枠32の少なくとも表面(付近)に存在する層のことをいい、埋め込み型枠32内部に補修用充填材が滲み込んだ場合には、この補修用充填材が滲み込んだ埋め込み型枠32の硬化物自体をバリア層という。
このようなバリア層は、予め、補修用充填材を用いて板状のバリア層を貼り付けて成る埋め込み型枠32を用いても良く、さらに配置された埋め込み型枠32の露出された外表面に補修用充填材を塗布して形成しても良いものである。このようにすることにより埋め込み型枠32の耐候性を向上させることができる。
[補修用充填材を注入する工程]
空隙部30A,30B内に埋め込み型枠32を配置した後、埋め込み型枠32内または埋め込み型枠32によって空隙部30A,30B内に区画された埋め込み型枠より内方の空間内の少なくともいずれか一方に、補修用充填材42を注入する(図6 ステップS106)。
補修用充填材42としては上述したものを用いることができ特に限定されるものではないが、調製された補修用充填材42を用いる場合、補修用充填材42の調製は、例えば図8に示した充填装置44で行う。
この充填装置44は主剤成分である第I液(図6 ステップS103)が入った気密収容タンク46と、硬化剤成分である第II液(図6 ステップS104)が入った気密収容タンク48と、これらの気密収容タンク46,48に空気を送って加圧する圧送機器49と、気密収容タンク46,48から送出される第I液および第II液を混合するミキサ50と、を有している。
ここで、主剤成分である第I液,硬化剤成分である第II液としては、出願人が販売する商品名「CUS−RE20 A材(ポリウレタン樹脂系主剤),CUS−RE20 B材(ポリウレタン樹脂用硬化剤)」または「CUS−UB20 A材(ポリウレタン樹脂系主剤),CUS−UB B材(ポリウレタン樹脂用硬化剤)」が好適である。
ミキサ50は、各気密収容タンク46,48から送られる第I液と第II液とを混合(撹拌)し、混合物が注入パイプ52から吐出される(図6 ステップS105)。このとき最終混合物の重量比で、第I液と第II液の混合比が、約100:25となるように混合するのが好ましい。
なおミキサ50には、注入パイプ52への混合液の流出を制御する手動式の開閉手段54が取り付けられ、補修用充填材42を注入パイプ52から空隙部30A,30B内に注入する時に、この開閉手段54を操作して流路を開く。また圧送機器49としては特に限定されないものであるが、例えばダイヤフラムポンプなどのポンプを用いることが好ましい。
次にミキサ50の注入パイプ52を、図4(C)および図8に示したように、埋め込み型枠32に注入孔部品38を介して取り付けてある耐圧ホース40に差し込んでしっかりと結合させ、補修用充填材を空隙部30A,30B内に注入する(図6 ステップS106)。
ここで空隙部30A,30B内に補修用充填材を注入する際の注入孔は、例えば本実施例のように耐圧ホース40と注入孔部品38からなる孔でも良いが、単に埋め込み型枠32に貫通形成された孔であっても良いものである。また、埋め込み型枠32に注入孔を設ける場合は、分割された複数の埋め込み型枠間に、隙間を生じるようにしておき、この隙間を注入孔として利用しても良く、さらには埋め込み型枠32と除去されずに残った充填層22との間を注入孔として利用しても良いものである。
また、空隙部30A,30B内に埋め込み型枠32を設置した際に、埋め込み型枠32と軌道スラブ24との間もしくは埋め込み型枠32とコンクリート路盤20との間に、隙間を生ずるようにしておき、この隙間を注入孔としても良いものである。
すなわち開閉手段54の閉開レバーを回動させて開閉手段54の流路を開き、補修用充填材を注入パイプ52から耐圧ホース40、さらには注入孔部品38を通じて、空隙部30A,30B内に注入する。ここで注入孔部品38としては、ホース用樹脂継手(タケノコジョイント)を用いることが好ましく、耐圧ホース40としては、テトロンブレードホースを用いることが好ましい。
これにより、埋め込み型枠32内または埋め込み型枠32によって空隙部30A,30B内に区画された埋め込み型枠32より内方の空間内の少なくともいずれか一方に補修用充填材が注入される。
なお、上述した充填層22に空隙部30A,30Bを形成する工程において、図5(A)に示したように、充填層22の劣化した部分を除去した際、その深さが、軌道スラブ24における充填孔56の位置まで達している場合には、この充填孔56内に装填された内容物を除去した後、この充填孔56から補修用充填材を注入するようにしてもよい。すなわち、この場合には充填孔56が注入孔としての役目をなす。
また、注入の際において、埋め込み型枠32によって空隙部30A,30B内に区画された埋め込み型枠32より内方の空間内に空気が残っていると、補修用充填材が満充填されないおそれがある。このため、埋め込み型枠32,軌道スラブ24,埋め込み型枠32と軌道スラブ24との間の少なくともいずれかには、空隙部30A,30B内の埋め込み型枠32より内方の空間内に連通するエア抜き孔60を有することが好ましい。
エア抜き孔60は、例えば図9および図10に示したように、埋め込み型枠32を空隙部30A,30B内に配置する際に、埋め込み型枠32とともに設けることが好ましい。なお、エア抜き孔60は、空隙部30A,30B内からそれよりも高い位置に向かってエアが放出されるように設けることが好ましい。
エア抜き孔60を有する場合には、補修用充填材がエア抜き孔60に到達するのを確認してから補修用充填材42の注入を終了する。すなわち開閉手段54で流路を閉じ、耐圧ホース40を折り曲げてからクリップで挟み込み、注入パイプ52と遮断し、それから注入パイプ52を耐圧ホース40から抜き、補修用充填材42の注入を終える(図5(B))。
なお、補修用充填材の注入後は、注入孔の後処理をすることが好ましく、この後処理としては、例えば、注入孔部品38(通常、PE等のプラスチック製)は引張って取り外すか、補修用充填材42の硬化後に端部をカッター等で切り取ればよい(図5(C))。
[注入された補修用充填材を硬化させる工程]
注入された補修用充填材42は、例えば、23℃で20〜30分放置させ、硬化させる(図6 ステップS107)。
なお、補修用充填材42の硬化に伴い、エア抜き孔60の液面が低下してきた場合には、エア抜き孔60から補修用充填材42を別途加えて液面を保つことが好ましい。
そして、補修用充填材42が硬化した後、周囲の片付け・清掃(図6 ステップS108)を終えれば、スラブ式軌道10の充填層22の補修が完了する。
補修箇所が幾つかに分かれている場合には、この硬化させる工程の間に、他の補修箇所にも埋め込み型枠32を配置し補修用充填材42を注入し、同様に作業を行えば良い。
以上、本発明のスラブ式軌道の補修構造およびスラブ式軌道の補修方法の好ましい形態について説明したが、本発明は上記の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能なものである。
10 スラブ式軌道
20 コンクリート路盤
22 充填層
24 軌道スラブ
26 切欠き部
28 凸部
30A 空隙部
30B 空隙部
32 埋め込み型枠
34 軌道レール
38 注入孔部品
40 耐圧ホース
42 補修用充填材
44 充填装置
46 気密収容タンク
48 気密収容タンク
49 圧送機器
50 ミキサ
52 注入パイプ
54 開閉手段
56 充填孔
60 エア抜き孔

Claims (16)

  1. 少なくともコンクリート路盤と、軌道スラブとの間に、充填層が挟まれるようにして設けられ、さらに前記軌道スラブ上に軌道レールが配設されて成るスラブ式軌道の補修構造であって、
    前記スラブ式軌道の補修構造は、
    前記充填層の外周縁部の少なくとも一部に、埋め込み型枠を備えており、
    前記埋め込み型枠内または埋め込み型枠よりも内方の領域内の少なくともいずれか一方には、補修用充填材を内包してなることを特徴とするスラブ式軌道の補修構造。
  2. 前記埋め込み型枠が、
    前記軌道スラブとコンクリート路盤との間に固着されて成ることを特徴とする請求項1に記載のスラブ式軌道の補修構造。
  3. 前記埋め込み型枠が、伸縮性を有することを特徴とする請求項1または2に記載のスラブ式軌道の補修構造。
  4. 前記埋め込み型枠が、
    発泡成形体,繊維をバインダーで固めた成形体,コルク,軟質プラスチック成形体からなる成形体のいずれかであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスラブ式軌道の補修構造。
  5. 前記発泡成形体が、発泡ポリウレタンからなることを特徴とする請求項4に記載のスラブ式軌道の補修構造。
  6. 前記発泡成形体が、連続気泡型発泡体であることを特徴とする請求項4または5に記載のスラブ式軌道の補修構造。
  7. 前記埋め込み型枠,前記軌道スラブ,前記埋め込み型枠と軌道スラブとの間の少なくともいずれかには、
    前記埋め込み型枠より内方の空間内に連通するエア抜き孔を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のスラブ式軌道の補修構造。
  8. 前記補修用充填材が、合成樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のスラブ式軌道の補修構造。
  9. 前記補修用充填材が、多成分型であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のスラブ式軌道の補修構造。
  10. 前記充填層が、セメントアスファルトモルタルから成ることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のスラブ式軌道の補修構造。
  11. 前記充填層が、セメントアスファルトモルタルおよび補修材から成ることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のスラブ式軌道の補修構造。
  12. 前記埋め込み型枠が、その外周側面にバリア層を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のスラブ式軌道の補修構造。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載のスラブ式軌道の補修構造に用いられることを特徴とする埋め込み型枠。
  14. 少なくともコンクリート路盤上に充填層を介して軌道スラブが設けられ、さらに前記軌道スラブ上に軌道レールを配設して成るスラブ式軌道の補修方法であって、
    前記スラブ式軌道の補修方法は、
    前記充填層の劣化した部分を、露出された外周縁部から内方の所定深さまで除去し、前記軌道スラブとコンクリート路盤との間に空隙部を形成する工程と、
    前記軌道スラブとコンクリート路盤との間に形成された空隙部内に、埋め込み型枠を配置する工程と、
    前記空隙部内に配置された埋め込み型枠内または前記空隙部内に配置された埋め込み型枠によって前記空隙部内に区画された前記埋め込み型枠より内方の空間内の少なくともいずれか一方に、補修用充填材を注入する工程と、
    前記注入された補修用充填材を硬化させる工程と、
    を少なくとも有することを特徴とするスラブ式軌道の補修方法。
  15. 前記空隙部を形成する工程の後、
    前記空隙部内を乾燥させる工程を有することを特徴とする請求項14に記載のスラブ式軌道の補修方法。
  16. 前記補修用充填材を注入する工程において、
    前記埋め込み型枠,埋め込み型枠と軌道スラブとの間,埋め込み型枠とコンクリート路盤との間,軌道スラブ,コンクリート路盤,埋め込み型枠と埋め込み型枠との間,埋め込み型枠と充填層との間からなる群より選ばれる少なくとも1か所に設けられた注入孔を介して前記補修用充填材が注入されることを特徴とする請求項14または15に記載のスラブ式軌道の補修方法。
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