JP5876785B2 - コンクリートの打継施工方法 - Google Patents
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Description
また、本発明において、遅延硬化性材料は、超遅延剤を含む超遅延硬化性材料であってもよい。また、本発明において、新設コンクリート打設工程の後において、新設コンクリートを硬化させた後、遅延硬化層を硬化させるようにしてもよい。
図1を参照しながら、本発明の打継施工方法の第1実施形態について説明する。図1に示すように、本実施形態のコンクリートの打継施工方法は、既設のコンクリート構造物(既存構造体)11の上に新設コンクリート19を打継いで新設コンクリート体21を施工する方法である。本実施形態のコンクリートの打継施工方法は、以下に説明する型枠設置工程と、粗骨材敷均工程と、超遅延硬化性材料注入工程と、新設コンクリート打設工程と、遅延硬化層硬化工程と、を備えている。このうち、型枠設置工程と、粗骨材敷均工程と、超遅延硬化性材料注入工程と、は、既設コンクリート構造物11の上面11aに遅延硬化層17を設けるための工程であり、以下では、これら3つの工程をまとめて「遅延硬化層設置工程」と呼ぶ場合がある。
図1(a)に示すように、既設コンクリート構造物11上で新設コンクリート体21の設置予定位置Aには、新設コンクリート体21に埋設される鉄筋13が上面11aから突出するように予め設けられている。この鉄筋13を囲んで既設コンクリート構造物11の上面11aに型枠15を設置する。
次に、型枠15内に粗骨材を投入し、型枠15内に粗骨材41を敷均する。粗骨材41としては、通常コンクリートに使用される砂利よりも十分に粒径が大きいものを用いる。粗骨材41の最大粒径は40mm以下とすることが好ましい。粗骨材41は、例えば上面11a上に約10cmの厚さに敷均する。
次に、図1(b)に示すように、型枠15内の粗骨材41同士の隙間に、ペースト状の超遅延硬化性材料43を注入する。ここでは、型枠15の最下部に予め設けられた注入口47を通じて、外部から型枠15内に超遅延硬化性材料43を圧入する。また、注入口47の上方で、遅延硬化層17の最上部に該当する位置には空気孔49が設けられており、超遅延硬化性材料43の注入に伴って、粗骨材41同士の隙間の空気が、空気孔49を通じて型枠15外に排出される。これにより、粗骨材41同士の隙間に超遅延硬化性材料43が円滑に充填される。
続いて、図1(c)に示すように、遅延硬化層17の上から型枠15内に新設コンクリート19を打設する。新設コンクリート19は、超遅延剤等を含まない通常のコンクリートであるので、遅延硬化層17よりも早く硬化し、最終的には新設コンクリート体21となる。
その後、型枠15を除去し、所定期間静置して遅延硬化層17を硬化させることで、本実施形態の打継施工方法による構造物が完成する。なおここでは、型枠15を取り付けたまま遅延硬化層17を硬化させてもよい。また、型枠15のうち、新設コンクリート19を覆う型枠の上部のみを除去し、遅延硬化層17を覆う型枠の下部のみ取り付けたままで遅延硬化層17を硬化させてもよい。この場合、型枠15を、新設コンクリート19を覆う上部型枠15aと、遅延硬化層17を覆う下部型枠15bとに予め分割しておけばよい。このように、遅延硬化層17を型枠で覆った状態で遅延硬化層硬化工程を行うことにより、遅延硬化層17の硬化過程における乾燥を抑制することができ、その結果、所望の硬化遅延作用を確実に得ることができる。
図2を参照しながら、本発明の打継施工方法の第1実施形態について説明する。図2に示すように、本実施形態のコンクリートの打継施工方法は、既設のコンクリート構造物(既存構造体)11の上に新設コンクリート19を打継いで新設コンクリート体21を施工する方法である。本実施形態のコンクリートの打継施工方法は、以下に説明する型枠設置工程と、粗骨材敷均工程と、新設コンクリート打設工程と、超遅延硬化性材料注入工程と、遅延硬化層硬化工程と、を備えている。このうち、型枠設置工程と、粗骨材敷均工程と、超遅延硬化性材料注入工程と、は、既設コンクリート構造物11の上面11aに遅延硬化層17を設けるための工程であり、以下では、これら3つの工程をまとめて「遅延硬化層設置工程」と呼ぶ場合がある。
図2(a)に示すように、既設コンクリート構造物11上で新設コンクリート体21の設置予定位置Aには、新設コンクリート体21に埋設される鉄筋13が上面11aから突出するように予め設けられている。この鉄筋13を囲んで既設コンクリート構造物11の上面11aに型枠15を設置する。
次に、型枠15内に粗骨材を投入し、型枠15内に粗骨材41を敷均する。粗骨材41としては、通常コンクリートに使用される砂利よりも十分に粒径が大きいものを用いる。粗骨材41の最大粒径は40mm以下とすることが好ましい。粗骨材41は、例えば上面11a上に約10cmの厚さに敷均する。
続いて、図2(b)に示すように、型枠15内で、粗骨材41が敷均された領域(遅延硬化層17が形成される予定の領域)の上に隣接する領域に、新設コンクリート19を打設する。新設コンクリート19は、超遅延剤等を含まない通常のコンクリートであるので、後述する遅延硬化層17よりも早く硬化し、最終的には新設コンクリート体21となる。
次に、図2(c)に示すように、型枠15内の粗骨材41同士の隙間に、ペースト状の超遅延硬化性材料43を注入する。ここでは、型枠15の最下部に予め設けられた注入口47を通じて、外部から型枠15内に超遅延硬化性材料43を圧入する。また、注入口47の上方で、遅延硬化層17の最上部に該当する位置には空気孔49が設けられており、超遅延硬化性材料43の注入に伴って、粗骨材41同士の隙間の空気が、空気孔49を通じて型枠15外に排出される。これにより、粗骨材41同士の隙間に超遅延硬化性材料43が円滑に充填される。
その後、型枠15を除去し、所定期間静置して遅延硬化層17を硬化させることで、本実施形態の打継施工方法による構造物が完成する。なおここでは、型枠15を取り付けたまま遅延硬化層17を硬化させてもよい。また、型枠15のうち、新設コンクリート19を覆う型枠の上部のみを除去し、遅延硬化層17を覆う型枠の下部のみ取り付けたままで遅延硬化層17を硬化させてもよい。この場合、型枠15を、新設コンクリート19を覆う上部型枠15aと、遅延硬化層17を覆う下部型枠15bとに予め分割しておけばよい。このように、遅延硬化層17を型枠で覆った状態で遅延硬化層硬化工程を行うことにより、遅延硬化層17の硬化過程における乾燥を抑制することができ、その結果、所望の硬化遅延作用を確実に得ることができる。
続いて、図5及び図6を参照しながら、本発明の打継施工方法の第3実施形態について説明する。図5に示すように、本実施形態のコンクリートの打継施工方法は、既設のコンクリート構造物(既存構造体)11の上に新設コンクリート19を打継いで新設コンクリート体21を施工する方法である。
図5(a)に示すように、既設コンクリート構造物11上で新設コンクリート体21の設置予定位置Aには、新設コンクリート体21に埋設される鉄筋13が上面11aから突出するように予め設けられている。この鉄筋13を囲んで既設コンクリート構造物11の上面11aに型枠15を設置する。
次に、型枠15内に粗骨材を投入し、型枠15内に粗骨材41を敷均する。粗骨材41としては、通常コンクリートに使用される砂利よりも十分に粒径が大きいものを用いる。粗骨材41の最大粒径は40mm以下とすることが好ましい。粗骨材41は、例えば上面11a上に約10cmの厚さに敷均する。また、型枠15内に、粗骨材41と一緒にヒータ52を設置する。ヒータ52は、粗骨材41の層の中央部に埋め込むことが好ましい。なお、ヒータを型枠15に設置してもよい。
次に、図5(b)に示すように、型枠15内の粗骨材41同士の隙間に、液状の熱可塑性樹脂53を注入する。例えばここでは、型枠15の最下部に予め設けられた注入口(図示せず)を通じて、外部から型枠15内に熱可塑性樹脂53を圧入する。また、上記注入口の上方には空気孔(図示せず)が設けられており、熱可塑性樹脂53の注入に伴って、粗骨材41同士の隙間の空気が、空気孔を通じて型枠15外に排出される。これにより、粗骨材41同士の隙間に熱可塑性樹脂53が円滑に充填される。充填された熱可塑性樹脂53は、粗骨材41の隙間で自然に温度低下し硬化する。
続いて、図5(c)に示すように、樹脂層51の上から型枠15内に新設コンクリート19を打設する。新設コンクリート19は、所定期間静置することで硬化し、最終的には新設コンクリート体21となる。
次に、図6(a)に示すように、ヒータ52に給電し樹脂層51を加熱することで、樹脂層51の熱可塑性樹脂53が溶解する。更に、型枠15外から真空ポンプ55で樹脂層51を吸引することにより、液化した熱可塑性樹脂53を型枠15外に排出する。なお、型枠15の下部において樹脂層51の最上部に該当する位置には、外部からの空気を樹脂層51に流入させるための空気孔59が設けられている。これにより、樹脂層51においては、熱可塑性樹脂53が除去され、粗骨材41が残る。ここで排出された熱可塑性樹脂53は、他の同様の打継施工で再利用することができる。なお、樹脂除去工程は、新設コンクリート19が完全に硬化する前に開始することもできる。すなわち、新設コンクリート19の打設翌日からであれば、任意の時期に樹脂除去工程を開始することができる。
次に、図6(b)に示すように、型枠15内の粗骨材41同士の隙間に、ペースト状の硬化性材料57を注入する。ここでは、型枠15の最下部に予め設けられた注入口58を通じて、外部から型枠15内に硬化性材料57を圧入する。また、型枠15の下部において樹脂層51の最上部に該当する位置には前述の空気孔59が設けられており、硬化性材料57の注入に伴って、粗骨材41同士の隙間の空気が、空気孔59を通じて型枠15外に排出される。これにより、粗骨材41同士の隙間に硬化性材料57が円滑に充填される。硬化性材料57としては、モルタル又はペーストを用いることができる。その後、所定期間の静置により硬化性材料57が硬化することで、本実施形態の打継施工方法による構造物が完成する。
続いて、図7及び図8を参照しながら、本発明の打継施工方法の第4実施形態について説明する。図7に示すように、本実施形態のコンクリートの打継施工方法は、既設のコンクリート構造物(既存構造体)11の上に新設コンクリート19を打継いで新設コンクリート体21を施工する方法である。
図7(a)に示すように、既設コンクリート構造物11上で新設コンクリート体21の設置予定位置Aには、新設コンクリート体21に埋設される鉄筋13が上面11aから突出するように予め設けられている。この鉄筋13を囲んで既設コンクリート構造物11の上面11aに型枠15を設置する。
次に、型枠15内に粗骨材を投入し、型枠15内に粗骨材41を敷均する。粗骨材41としては、通常コンクリートに使用される砂利よりも十分に粒径が大きいものを用いる。粗骨材41の最大粒径は40mm以下とすることが好ましい。粗骨材41は、例えば上面11a上に約10cmの厚さに敷均する。
次に、図7(b)に示すように、型枠15内の粗骨材41同士の隙間に、粒状の発砲スチロール(樹脂)63を投入する。粗骨材41の粒径に対して十分に小さい粒径の発砲スチロール63を使用することにより、粗骨材41同士の隙間に発砲スチロール63の粒子が円滑に充填される。
続いて、図7(c)に示すように、樹脂層61の上から型枠15内に新設コンクリート19を打設する。新設コンクリート19は、所定期間静置することで硬化し、最終的には新設コンクリート体21となる。
次に、図8(a)に示すように、注入口58を通じて樹脂層61にリモネン液を注入する。これにより、樹脂層61の発砲スチロール63がリモネン液に溶解する。更に、型枠15外から真空ポンプ55で樹脂層61を吸引することにより、発砲スチロール63が溶解したリモネン液64を型枠15外に排出する。なお、型枠15の下部において樹脂層61の最上部に該当する位置には、外部からの空気を樹脂層61に流入させるための空気孔59が設けられている。これにより、樹脂層61においては、発砲スチロール63が除去され、粗骨材41が残る。ここで排出された溶液は、所定のプラントで発泡スチロールとリモネン液とに分離し、再利用することができる。なお、樹脂除去工程は、新設コンクリート19が完全に硬化する前に開始することもできる。すなわち、新設コンクリート19の硬化時の温度収縮が十分に小さくなった時期に、樹脂除去工程を開始することができる。
次に、図8(b)に示すように、型枠15内の粗骨材41同士の隙間に、ペースト状の硬化性材料57を注入する。ここでは、型枠15の下部に予め設けられた注入口58を通じて、外部から型枠15内に硬化性材料57を圧入する。また、硬化性材料57の注入に伴って、粗骨材41同士の隙間の空気が、前述の空気孔59を通じて型枠15外に排出される。これにより、粗骨材41同士の隙間に硬化性材料57が円滑に充填される。硬化性材料57としては、モルタル又はペーストを用いることができる。その後、所定期間の静置により硬化性材料57が硬化することで、本実施形態の打継施工方法による構造物が完成する。
Claims (6)
- 既存構造体の上に新設コンクリートを打継ぐコンクリートの打継施工方法であって、
前記既存構造体の上面に、前記新設コンクリートよりも遅く硬化する遅延硬化層を設ける遅延硬化層設置工程と、
前記遅延硬化層の上方に隣接する領域に前記新設コンクリートを打設する新設コンクリート打設工程と、を備え、
前記遅延硬化層設置工程は、
前記既存構造体の上面に、型枠を設置する型枠設置工程と、
前記型枠内に粗骨材を敷均する粗骨材敷均工程と、
前記型枠内の前記粗骨材の隙間に遅延硬化性材料を注入する遅延硬化性材料注入工程と、を有することを特徴とするコンクリートの打継施工方法。 - 前記新設コンクリート打設工程は、
前記遅延硬化層設置工程の前記遅延硬化性材料注入工程の後に実行され、
前記新設コンクリート打設工程では、
前記遅延硬化層設置工程で設けられ前記粗骨材と前記遅延硬化性材料とからなる前記遅延硬化層の上に前記新設コンクリートを投入することを特徴とする請求項1に記載のコンクリートの打継施工方法。 - 前記新設コンクリート打設工程は、
前記遅延硬化層設置工程の前記粗骨材敷均工程の後で、前記遅延硬化性材料注入工程の前に実行され、
前記遅延硬化性材料注入工程では、
前記既存構造体と前記新設コンクリートとの間に存在する前記粗骨材同士の隙間に遅延硬化性材料を注入することを特徴とする請求項1に記載のコンクリートの打継施工方法。 - 前記遅延硬化性材料注入工程では、
前記型枠の最下部に設けられた注入口を介して前記型枠内に前記遅延硬化性材料を注入すると共に、前記遅延硬化層の最上部の位置で前記型枠に設けられた空気孔を介して前記粗骨材の隙間の空気を排出させることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のコンクリートの打継施工方法。 - 前記遅延硬化性材料は、超遅延剤を含む超遅延硬化性材料であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のコンクリートの打継施工方法。
- 前記新設コンクリート打設工程の後において、前記新設コンクリートを硬化させた後、前記遅延硬化層を硬化させることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のコンクリートの打継施工方法。
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