JP3285789B2 - コンクリート施工法 - Google Patents

コンクリート施工法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は,コンクリートダ
ムやアンカレッジ等のマスコンクリート構造物を作業性
よく施工する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 従来より,コンクリートダム等のマス
コンクリート構造物は硬練りコンクリート或いは超硬練
りコンクリートを用いて施工するのが一般的である。ダ
ム等の施工にこのような硬練りコンクリートが用いられ
るのは,主として次のような理由による。
【0003】 (1) ダムのようなマスコンクリートでは
セメントの水和熱による温度ひび割れが問題となるが,
この水和熱を極力抑制するためにセメント量を少なくし
ようとする結果,所要の強度を得るためには単位水量が
必然的に少なくなり,このために硬練りとなる。 (2) ダム等のマスコンクリート構造物では打設面が広域
となるが,コンクリートが軟練りであると,機械類の移
動や締固め作業のさいに,機械や人が打設したコンクリ
ートに沈むために極めて施工性が悪くなる。
【0004】 したがって,このような硬練りコンクリ
ートを用いることを前提として様々な合理的な施工法や
設備が提案・開発され,多くのものが実用化されている
(例えば,RCD工法やELCM等)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 コンクリート施工に
おいて最も施工の合理化が行い難い項目として,コンク
リートの締固めが挙げられるが,特に硬練りコンクリー
トの締固めは極めて困難であり,この点で,ダム施工の
合理化が図れないという問題がある。最近では,バイバ
ック(バイブロリーチ)等の機械による締固めが行われ
ているが,隅々まで行き渡らず,手作業で締固めする部
分も少なない。RCD工法ではローラで締固めるので
かなりの合理化が図られてはいるが,それでも限界があ
る。
【0006】 本発明は前記のような問題を解決して,
作業性よく所要強度のマスコンクリート構造物を施工す
ることを課題としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】 本発明によれば,下層
部から上層部にコンクリートを順次打継ぐマスコンクリ
ート構造物の施工において,既設コンクリートの上に打
設空間を形成し,この打設空間にスランプフローが55
〜80cmで且つ最大寸法20mm以下の粗骨材を配合
した高流動コンクリートを先打ちし,この先打ち高流動
コンクリート内に粗骨材を後投入して硬化させることを
特徴とするコンクリート施工法を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】 本発明は,硬練りコンクリート
を用いるという従来工法を根本的に変え,温度応力の問
題も作業性の問題も一挙に解決した新しいマスコンクリ
ート施工法に係るものであり,先ず高流動コンクリート
を先打ちしたうえで,設計配合量の粗骨材をその高流動
コンクリート内に上方より後投入するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】 図1〜2は本発明の実施の態様
例を示すもので,既設コンクリート1の上に打設空間2
を形成し,先ず,図1のように,この打設空間2内に高
流動コンクリート3を打設し,次いで,図2のように,
打設された高流動コンクリート3の上方から,粗骨材4
を後投入する状態を示している。
【0010】 本発明法は,先ず既設コンクリート1を
底部とした打設空間2を形成するが,その側部は型枠5
を用いて形成する。図示の例では打設空間2を形成する
側壁は型枠5を用いて形成した例を示しているが,打設
空間2の側部の一辺ないし3辺は既設コンクリートであ
ってもよい。すなわち,側方に既に打設が終えた硬化コ
ンクリート体が形成してある場合には,そのコンクリー
ト硬化体の側面を,これから打設する空間の型枠に代え
ることができる。
【0011】 また,型枠5は埋設型とすることができ
る。すなわち,型枠5は仮設の使命が終えたらそのまま
埋設されるものであってもよく,この場合,プレキャス
トコンクリート製のものが好適に使用される。またRC
(補強コンクリート)型枠やこれに類するものも適宜使
用できる。図中の既設コンクリート1内に示す破線6は
埋設された型枠を示している。
【0012】 このようにして,既設コンクリートを底
部(さらには一部側部)として打設空間2を形成したう
え,図1に示すように,この打設空間2に高流動コンク
リート3を先打ちする。この先打ち高流動コンクリート
3は,スランプフローが55〜80cm,好ましくは6
0〜80cm,さらに好ましくは65〜75cmの高流
動性を示すものを使用する。
【0013】 本来,高流動コンクリートは,バイブレ
ータ等の締固め作業を行わなくても,配筋内や狭隙空間
などにも材料分離が起きずに隅々まで流延し且つブリー
ディングやレイタンスが少ないという性質を得るべく開
発されたものであり,この意味では自己充填性に優れる
ことを主眼としたものである。例えば,特開平3−45
544号公報,特開平5−279101号公報等に記載
されているように,材料分離低減剤(増粘剤),高性能
減水剤,AE剤等を適切に配合すると共に粉体量を多く
してスランプフロー50〜75cm,空気量3〜5%と
したものであり,自重で隙間に自然に流れ込む性質を有
している。
【0014】 本発明法は,このような高流動コンクリ
ートが有する優れた自己充填性を,後投入粗骨材の投入
充填性に利用するという発想に立脚しており,これによ
り,先打ちした高流動コンクリートと後投入粗骨材とが
一体化され,強固なマスコンクリート構造物の構築を可
能としたものである。このようなことから本発明工法で
使用する高流動コンクリートは,増粘剤としてウエラン
ガムを使用したものが本発明法に適している。
【0015】 ウエランガムは菌体番号 Alcaligenes A
TCC 31555 の菌種によって産出される微生物発酵多糖類
であり,高流動コンクリートの流動性を犠牲にすること
なく材料分離抵抗を高めることができる。また高性能減
水剤としては,常用されているポリカルボン酸塩,β-
ナフタリンスルホン酸塩, メラミンスルホン酸塩等を用
いることができ,AE剤も常用のものが使用できる。
【0016】 高流動コンクリートは粉体量が多く, 通
常は500Kg/m3程度である。したがって,この粉
体が全てセメントであれば温度上昇特性はかなり高いも
のとなる(例えば,打ち込み温度20℃で,中庸熱ポル
トランドセメント500Kg/m3では,断熱温度上昇
量は60〜65℃となる)が,高流動コンクリート中に
既に混ぜ合わせた粗骨材と後投入される粗骨材の合計の
容積率が例えば60%であれば,全単位容積ではセメン
ト量は約200Kg/m3となり,一般のコンクリート
ダムの硬練りコンクリートのセメント量と同じレベルと
なる。したがって,高流動コンクリートの粉体の全てが
セメントである場合でも,温度上昇に関しては従来の硬
練りコンクリートと同等となる。しかし,粗骨材間に存
在する高流動コンクリート部分の圧縮強度は40N/m
2 程度であってもダム等のマスコンクリート構造物が
構築できることを考えると,粉体の40%程度をセメン
ト以外の粉体例えば石灰石粉等で置換できることにな
り,このセメント量の低減により,温度応力に対して
は,従来の硬練りコンクリートに比べると非常に有利と
なる。
【0017】 また,高流動コンクリートに配合する骨
材については,通常の細骨材に加え,粗骨材としては最
大寸法は20mm程度以下,好ましくは15mm以下の
ものを配合する。これにより,後投入された粗大な粗骨
材間の隙間に流延し,締固めを要することなく粗骨材同
士を強固に結合することができ,また,ブリーディング
やレイタンスのないものを使用することにより打設面の
グリンカットが不要となる。
【0018】 このようにして,図1の高流動コンクリ
ートの先打ち段階では,最も好ましくはセメントの一部
を石灰石粉等で置換し且つ増粘剤としてウエランガムを
配合したスランプフローが60〜80cmの高流動コン
クリート3を打設空間2内に打設する。この打設作業は
ポンプを用いて行うことができ,打設厚みは20〜60
cm,好ましくは25〜50cm,更に好ましくは25
〜40cmとする。
【0019】 この高流動コンクリート3の打設が終え
ると,あまり時間を置かないで,図2に示すように,粗
骨材4を高流動コンクリート3内に上方から投入する。
この後投入粗骨材は寸法5〜100cmのものであれば
よく,先打ちした高流動コンクリートと後投入粗骨材と
の合計配合量で,目標とするマスコンクリート配合にな
るように,後投入粗骨材の投入量を決めておく。この粗
骨材の運搬にはダンプで打設位置に直送する方法のほ
か,クレーンを用いる場合にはバケットやベッセルを用
いて運搬することができる。特にベッセルの場合には底
開きのものを用いれば打設空間2の直上に搬送しそのま
ま投入することができるので便利である。
【0020】 この粗骨材4の後投入によって打設コン
クリート面は上昇するが,粗骨材4の投入終了後の打設
高さとしては40〜150cm,好ましくは50〜10
0cm程度に設定するのがよい。この高さがあまり浅い
と作業効率が低くなり,あまり深いと後投入する粗骨材
の分布が均一にならない場合もあるからである。
【0021】 なお,この粗骨材4の投入にあたって
は,粒径が異なるものを適切な粒度分布をもつように混
合したうえで投入する方法,粒径の大きなものを先に投
入しその上に粒径の小さいものを後投入する方法,さら
には,打設空間2の面積が比較的広い場合には,ベッセ
ル7等を移動しながら,先ず高流動コンクリート3の層
内の下層部分に粗骨材3が均等厚みとなるようにならし
ながら沈め,次いでその上層の高流動コンクリート層に
残りの粗骨材3をならしながら投入する方法等を現場に
合わせて適宜採用することができる。
【0022】 また,この粗骨材4は,特に夏期では温
度応力を極力抑制するために,プレクーリングしたもの
を使用することが望ましい。骨材のプレクーリング法は
各種知られているが,冷凍槽を使用する方法,液体窒素
による方法,散水法等が適用できる。また,高流動コン
クリート中に配合する粗骨材と,後投入粗骨材の配合割
合を調節することにより,温度応力を調節することがで
きる。
【0023】 このようにして粗骨材4の所定量の投入
が終えるとそのまま硬化反応を行わせることができる。
すなわち,締固めは特別の場合を除いて必要としない。
そしてこの硬化したコンクリート層の上に,場合によっ
ては,半硬化したコンクリート層の上に,前記と同様
に,高流動コンクリートを先打ちし,次いで粗骨材を後
投入する操作を繰り返す。この場合,当初の打設空間2
の高さを十分にとって置き,一つの打設空間2内におい
て,順次本発明法を実施して上方に打継ぎすることもで
きるし,一つの打設空間2では本発明法を一回だけ実施
し,その上に,場合によってはその横に,新たな打設空
間2を形成して打継ぎすることもできる。いずれの場合
も,前述のように埋設型の型枠を使用することが便利で
あるが,場合によっては,型枠を取り外して,再使用す
ることも勿論可能である。そのさい,マスコンクリート
構造物に横継目だけを設けるレヤ方式や,後充填用の亀
裂を設けておくブロック方式等の施工も適宜採用でき
る。
【0024】 本発明法を実施することによって完成し
たマスコンクリート構造物は,締固めを行わないでも,
粗骨材同士がセメント硬化体によって強固に結合された
ものとなり,また後投入される粗骨材を冷材とすること
により,温度ひび割れの問題も解決される。
【0025】
【発明の効果】 以上説明したように,本発明法は,ダ
ムやアンカレッジ等のマスコンクリートの施工におい
て,従来の硬練りコンクリートを用いる工法に比べて強
度的には匹敵しながら,温度ひび割れの問題を解決しな
がら作業性が改善されるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明法による高流動コンクリートの先打ち段
階を示す施工例の概略断面図である。
【図2】本発明法による粗骨材投入段階を示す施工例の
概略断面図である。
【符号の説明】 1 既設コンクリート 2 打設空間 3 高流動コンクリート 4 後投入粗骨材 5 型枠 6 埋設型枠 7 粗骨材投入ベッセル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大内 斉 新潟県新潟市万代一丁目3番4号 鹿島 建設株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−100782(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04G 21/02 103 E02B 7/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下層部から上層部にコンクリートを順次
    打継ぐマスコンクリート構造物の施工において,既設コ
    ンクリートの上に打設空間を形成し,この打設空間にス
    ランプフローが55〜80cmで且つ最大寸法20mm
    以下の粗骨材を配合した高流動コンクリートを先打ち
    し,この先打ち高流動コンクリート内に粗骨材を後投入
    して硬化させることを特徴とするコンクリート施工法。
  2. 【請求項2】 後投入される粗骨材は寸法が5〜100
    cmのものである請求項1に記載のコンクリート施工
    法。
  3. 【請求項3】 高流動コンクリートは,増粘剤としてウ
    エランガムが配合されたものである請求項1に記載のコ
    ンクリート施工法。
  4. 【請求項4】 後投入される粗骨材は,プレクーリング
    されたものである請求項1,2または3に記載のコンク
    リート施工法。
  5. 【請求項5】 打設空間は,埋設型の型枠を用いて形成
    する請求項1,2,3または4に記載のコンクリート施
    工法。
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