JP7087257B2 - コンクリート壁接合構造、及びコンクリート壁施工方法 - Google Patents

コンクリート壁接合構造、及びコンクリート壁施工方法 Download PDF

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Description

本発明は、コンクリート壁接合構造、及びコンクリート壁施工方法に関する。
上下のスラブの間に建てられるコンクリート間仕切り壁等のコンクリート壁が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平5-340012号公報
特許文献1に開示されたコンクリート壁は、上下のスラブにそれぞれ接合されている。これにより、地震時におけるコンクリート壁の倒れが抑制される。
しかしながら、上下のスラブにコンクリート壁を接合すると、地震時に上下のスラブが水平方向に相対変位した場合、その相対変位をコンクリート壁が吸収することができず、コンクリート壁が破損等する可能性がある。
本発明は、上記の事実を考慮し、地震時におけるコンクリート壁の倒れを抑制しつつ、地震時に下側水平部材と上側水平部材とが相対変位した場合でも、その相対変位を吸収可能にしてコンクリート壁の破損を抑制することを目的とする。
第1態様に係るコンクリート壁接合構造は、下側水平部材と上側水平部材との間に配置されるコンクリート壁と、前記下側水平部材と前記コンクリート壁とを連結する連結材と、前記上側水平部材と前記コンクリート壁の上端部との間に隙間を空けた状態で、前記上側水平部材と前記コンクリート壁とを連結するブラケットと、を備える。
第1態様に係るコンクリート壁接合構造によれば、下側水平部材と上側水平部材との間にコンクリート壁が配置される。この下側水平部材とコンクリート壁とは、連結材によって連結される。一方、上側水平部材とコンクリート壁とは、ブラケットによって連結される。これにより、地震時におけるコンクリート壁の倒れが抑制される。
また、ブラケットは、上側水平部材とコンクリート壁の上端部との間に隙間を空けた状態で、上側水平部材とコンクリート壁とを連結する。これにより、地震時に、上側水平部材と下側水平部材とがコンクリート壁の面外方向に相対変位した場合、上側水平部材とコンクリート壁との相対変位を吸収可能になる。したがって、コンクリート壁の破損が抑制される。
第2態様に係るコンクリート壁接合構造は、第1態様に係るコンクリート壁接合構造において、前記ブラケットは、前記上側水平部材と前記コンクリート壁とを該コンクリート壁の面内方向に相対変位可能に連結する。
第2態様に係るコンクリート壁接合構造によれば、ブラケットは、上側水平部材とコンクリート壁とを当該コンクリート壁の面内方向に相対変位可能に連結する。これにより、地震時に、上側水平部材と下側水平部材とがコンクリート壁の面内方向に相対変位した場合、上側水平部材とコンクリート壁との相対変位を吸収可能になる。したがって、コンクリート壁の破損が抑制される。
第3態様に係るコンクリート壁施工方法は、下側水平部材と上側水平部材との間に、現場打ちでコンクリート壁を施工するコンクリート壁施工方法であって、前記下側水平部材と前記上側水平部材との間に前記コンクリート壁用の壁筋を配筋するとともに、前記上側水平部材から下方へ突出する仮設連結筋に前記壁筋を連結する壁筋配筋工程と、前記壁筋の周囲に設けられた型枠内に、コンクリートを前記上側水平部材に付着しないように打設して前記コンクリート壁を施工するコンクリート打設工程と、前記上側水平部材と前記コンクリート壁とをブラケットを介して連結するとともに、前記上側水平部材と前記コンクリート壁の上端部との隙間に露出した前記仮設連結筋を切断する上側水平部材連結工程と、を備える。
第3態様に係るコンクリート壁施工方法によれば、先ず、壁筋配筋工程において、下側水平部材と上側水平部材との間にコンクリート壁用の壁筋を配筋するとともに、上側水平部材から下方へ突出する仮設連結筋に壁筋を連結する。このように仮設連結筋に壁筋を連結することにより、壁筋の倒れが抑制されるとともに、壁筋の位置決め等が容易になる。
次に、コンクリート打設工程において、壁筋の周囲に仮設された型枠内に、コンクリートを打設してコンクリート壁を施工する。この際、コンクリートが上側水平部材に付着しないようにする。これにより、上側水平部材とコンクリート壁の上端部との間に隙間が形成される。また、施工されたコンクリート壁は、仮設連結筋を介して上側水平部材と連結されている。これにより、後述する上側水平部材連結工程を実施するまでの間、コンクリート壁の倒れが抑制される。
次に、上側水平部材連結工程において、上側水平部材とコンクリート壁とをブラケットを介して連結するとともに、上側水平部材とコンクリート壁の上端部との隙間に露出した仮設連結筋を切断する。
ここで、上側水平部材とコンクリート壁とをブラケットを介して連結することにより、地震時におけるコンクリート壁の倒れが抑制される。
また、前述したように、上側水平部材とコンクリート壁の上端部との間には、隙間が形成される。この状態で、上側水平部材とコンクリート壁とがブラケットを介して連結される。さらに、上側水平部材とコンクリート壁の上端部との隙間に露出した仮設連結筋は切断される。これにより、地震時に、上側水平部材と下側水平部材とが水平方向に相対変位した場合、上側水平部材とコンクリート壁との面内及び面外の相対変位を吸収可能になる。したがって、コンクリート壁の破損が抑制される。
以上説明したように、本発明によれば、地震時におけるコンクリート壁の倒れを抑制しつつ、地震時に下側水平部材と上側水平部材とが相対変位した場合でも、その相対変位を吸収可能にしてコンクリート壁の破損を抑制することができる。
一実施形態に係るコンクリート壁接合構造が適用されたコンクリート壁を示す縦断面図である。 図1に示されるコンクリート壁の下端部を示す拡大縦断面図である。 図1に示されるコンクリート壁の上端部を示す拡大縦断面図である。 図3の4-4線断面図である。 図1に示されるコンクリート壁の施工過程(壁筋配筋工程)を示す図1に対応する縦断面図である。 図1に示されるコンクリート壁の施工過程(コンクリート打設工程)を示す図1に対応する縦断面図である。 図1に示されるコンクリート壁の施工過程を示す図3に対応する縦断面図である。 図1に示されるコンクリート壁の施工過程を示す図3に対応する縦断面図である。 図1に示されるコンクリート壁接合構造の変形例が適用されたコンクリート壁を示す図3に対応する縦断面図である。
先ず、一実施形態に係るコンクリート壁接合構造30について説明する。
(下側スラブ及び上側スラブ)
図1には、本実施形態に係るコンクリート壁接合構造30が適用された複数層の構造物(建物)10が示されている。構造物10は、鉄筋コンクリート造の下側スラブ12及び上側スラブ14を備えている。なお、下側スラブ12は、下側水平部材の一例であり、上側スラブ14は上側水平部材の一例である。
下側スラブ12は、構造物10の所定層(所定階)の床を形成している。上側スラブ14は、下側スラブ12の上階(直上階)の床を形成している。また、上側スラブ14と下側スラブ12とは、上下方向に対向して配置されている。この上側スラブ14と下側スラブ12との間には、コンクリート壁20が建てられている。
(コンクリート壁)
コンクリート壁20は、例えば、遮音性を有する間仕切り壁(コンクリート間仕切り壁)とされる。また、コンクリート壁20は、鉄筋コンクリート造とされており、内部に壁筋22が埋設されている。壁筋22は、複数の縦壁筋22A及び横壁筋22Bを有している。このコンクリート壁20は、本実施形態に係るコンクリート壁接合構造30によって上側スラブ14及び下側スラブ12に連結されている。
(コンクリート壁接合構造)
コンクリート壁接合構造30は、コンクリート壁20と下側スラブ12との間に配置される絶縁板32と、コンクリート壁20と下側スラブ12とを連結する連結筋36と、コンクリート壁20と上側スラブ14とを連結するブラケット40と、コンクリート壁20の上面20Uと上側スラブ14の下面14Lとの間に充填される目地材58とを備えている。なお、連結筋36は、連結材の一例である。
(絶縁板)
図2に示されるように、絶縁板32は、下側スラブ12の上面12Uとコンクリート壁20の下面20Lとの間に設けられ、下側スラブ12とコンクリート壁20との縁を切る絶縁材とされている。この絶縁板32は、例えば、ベニア板等によって形成されており、コンクリート壁20の下面20Lと下側スラブ12の上面12Uとの間に配置(介在)されている。また、絶縁板32には、連結筋36が貫通される貫通孔34が形成されている。
(連結筋)
連結筋36は、下側スラブ12とコンクリート壁20の下部とを、コンクリート壁20の面外方向(矢印T方向)に相対変位可能(相対回転可能)に連結している。具体的には、連結筋36は、コンクリート壁20の幅方向(図4の矢印W方向)に間隔を空けて複数設けられている。各連結筋36は、L字形状に屈曲された鉄筋(ずれ止め筋)によって形成されている。この連結筋36は、横方向に延びる横筋部36Aと、縦方向(上下方向)に延びる縦筋部36Bとを有している。
横筋部36Aは、下側スラブ12の内部に埋設されており、下側スラブ12に固定(定着)されている。この横筋部36Aの一端部から縦筋部36Bが上方へ延出されている。縦筋部36Bは、下側スラブ12の上面12Uから突出し、絶縁板32の貫通孔34を上下方向に貫通している。
また、縦筋部36Bは、コンクリート壁20の下面20Lからコンクリート壁20の内部に延出されており、コンクリート壁20の下部に埋設(定着)されている。この連結筋36によって、矢印Rで示されるように、コンクリート壁20がその下端部を支点として、面外方向に回転可能に下側スラブ12に連結されている。
なお、コンクリート壁20の下端部における面外方向の両側には、コンクリート壁20の幅方向に延びる溝状目地部24がそれぞれ形成されている。溝状目地部24は、コンクリート壁20の下端部の両側の角部を溝状に切り欠く(面取り)ことにより形成されている。これらの溝状目地部24によって、コンクリート壁20の下端部の壁厚が部分的に薄くされている。これにより、コンクリート壁20がその下端部を支点として、コンクリート壁20の面外方向に回転し易くなっている。また、溝状目地部24には、シール材26が充填されている。
(ブラケット)
図3に示されるように、ブラケット40は、コンクリート壁20の倒れを抑制するために、コンクリート壁20と上側スラブ14とを連結する。具体的には、ブラケット(ファスナー)40は、例えば、コンクリート壁20の幅方向(図4の矢印W方向)の間隔を空けて複数設けられている。また、各ブラケット40は、鋼板等によって断面L字形状に形成されており、上側スラブ14の下面14Lとコンクリート壁20の上部の表面20Sとに亘って配置されている。
ブラケット40は、横フランジ部40A及び縦フランジ部40Bを有している。横フランジ部40Aは、上側スラブ14の下面14Lに重ねられた状態で、ボルト42によって上側スラブ14に固定されている。なお、横フランジ部40Aには、ボルト42が挿入される貫通孔46が形成されている。また、上側スラブ14には、ボルト42が締結される埋込みナット44が埋設されている。
縦フランジ部40Bは、コンクリート壁20の上部の表面20Sに馬蹄型の滑り材50(図4参照)を介して重ねられ、さらに、馬蹄型の滑り材51と角座金53を介して、ボルト52によってコンクリート壁20に遊嵌状態で連結されている。つまり、コンクリート壁20の上部には、馬蹄型の滑り材50、縦フランジ部40B、馬蹄型の滑り材51、角座金53、ボルト52がこの順序で取り付けられている。
なお、コンクリート壁20の上部には、ボルト52が締結される埋込みナット54が埋設されている。また、滑り材50,51は、ステンレス製が好適である。また、滑り材50,51は、省略可能である。また、滑り材50,51を馬蹄型にしたことにより、ボルト52を螺合する前に、容易に挟装することが可能である。なお、滑り材50,51は、いずれも馬蹄型でなく、円形の貫通孔でも好適である。
図4に示されるように、縦フランジ部40Bには、ボルト52が挿入される貫通孔56が形成されている。貫通孔56は、コンクリート壁20の幅方向(矢印W方向)に延びる長孔(横ルーズ孔)とされている。これにより、ボルト52が貫通孔56に沿ってコンクリート壁20の幅方向の移動可能されている。このブラケット40によって、上側スラブ14とコンクリート壁20とが、コンクリート壁20の面内方向(幅方向)に相対変位可能に連結されている。
(目地材)
図3に示されるように、目地材58は、上側スラブ14の下面14Lとコンクリート壁20の上面20Uと間に形成された隙間Dに充填されている。また、目地材58は、例えば、ロックウール等によって形成されている。この目地材58によって、上側スラブ14とコンクリート壁20との隙間Dが塞がされる。これにより、コンクリート壁20の遮音性能や耐火性能が高められている。
(仮設連結筋)
コンクリート壁20及び上側スラブ14には、後述するように、コンクリート壁20の施工時に、コンクリート壁20と上側スラブ14とを一時的に連結する仮設連結筋16が埋設されている。仮設連結筋16は、L字形状に屈曲された鉄筋(ずれ止め筋)によって形成されている。この仮設連結筋16は、横方向に延びる横筋部16Aと、縦方向(上下方向)に延びる縦筋部16Bとを有している。
横筋部16Aは、上側スラブ14の内部に埋設されており、上側スラブ14に固定(定着)されている。この横筋部16Aの一端部から縦筋部16Bが下方へ延出されている。縦筋部16Bは、上側スラブ14の下面14Lから突出されている。この縦筋部16Bは、コンクリート壁20の上面20Uからコンクリート壁20の内部に延出されており、コンクリート壁20に埋設(定着)されている。この縦筋部16Bは、後述するように、上側スラブ14とコンクリート壁20との間(隙間D)で切断される。
(コンクリート壁施工方法)
次に、本実施形態に係るコンクリート壁施工方法の一例について説明する。
本実施形態では、下側スラブ12と上側スラブ14との間に、現場打ちでコンクリート壁20を施工する。
(壁筋配筋工程)
先ず、壁筋配筋工程について説明する。図5に示されるように、壁筋配筋工程では、下側スラブ12の上面12U上に絶縁板32を設置する。この際、下側スラブ12の上面12Uから突出する連結筋36の縦筋部36Bを、絶縁板32に形成された貫通孔34(図2参照)に挿入する。
なお、連結筋36は、下側スラブ12の施工時に下側スラブ12に埋設するか、若しくは後施工アンカーによって下側スラブ12に埋設する。また、連結筋36は、例えば、コンクリート壁20の幅方向(図4の矢印W方向)に間隔を空けて複数設けられる。
次に、下側スラブ12と上側スラブ14との間にコンクリート壁20用の壁筋22を配筋する。この際、上側スラブ14の下面14Lから下方へ突出する仮設連結筋16の縦筋部16Bに、壁筋22の上部を図示しない結束線によって連結する。また、下側スラブ12の上面12Uから上方へ突出する連結筋36の縦筋部36Bに、壁筋22の下部を図示しない結束線によって連結する。これにより、壁筋22を位置決めするとともに、壁筋22の倒れを抑制する。
なお、仮設連結筋16は、例えば、上側スラブ14の施工時に、上側スラブ14に埋設するか、若しくは後施工アンカーによって上側スラブ14に埋設する。この仮設連結筋16は、例えば、コンクリート壁20の幅方向に間隔を空けて複数設けられる。
(コンクリート打設工程)
次に、コンクリート打設工程について説明する。図6に示されるように、コンクリート打設工程では、先ず、壁筋22の周囲に、下端部に目地棒60を取り付けた型枠62を仮設する。次に、型枠62内にコンクリートを打設し、コンクリート壁20を施工する。この際、上側スラブ14の下面14Lに付着しないようにコンクリートを打設し、上側スラブ14の下面14Lとコンクリートとの間に隙間Dを形成する。この状態で、コンクリートを硬化させ、コンクリート壁20を形成する。
次に、図7に示されるように、型枠62を撤去する。また、コンクリート壁20の下端部の両側から目地棒60を撤去し、溝状目地部24(図2参照)を形成する。そして、形成された溝状目地部24にシール材26をそれぞれ充填する。
(上側水平部材連結工程)
次に、図7に示されるように、上側スラブ14とコンクリート壁20とをブラケット40を介して連結する。具体的には、上側スラブ14の下面14Lとコンクリート壁20の表面20Sとに亘るようにブラケット40を配置する。そして、横フランジ部40Aを上側スラブ14の埋込みナット44にボルト42で締結するとともに、縦フランジ部40Bをコンクリート壁20の埋込みナット54にボルト52で締結する。
なお、埋込みナット44は、上側スラブ14の施工時に、上側スラブ14に埋設するか、若しくは後施工によって上側スラブ14に埋設する。これと同様に、埋込みナット54は、コンクリート壁20の施工時に、コンクリート壁20に埋設するか、若しくは後施工によってコンクリート壁20に埋設する。なお、本実施形態では、コンクリート壁20の施工時に、埋込みナット54をコンクリート壁20に埋設している。
次に、図8に示されるように、上側スラブ14の下面14Lとコンクリート壁20の上端部との隙間Dに露出した仮設連結筋16を図示しない切断具によって切断する。これにより、仮設連結筋16による上側スラブ14とコンクリート壁20との連結状態を解除する。この結果、上側スラブ14とコンクリート壁20とが、コンクリート壁20の面内方向(幅方向)に相対変位可能になるとともに、コンクリート壁20の面外方向に相対変位可能(回転)になる。
なお、仮設連結筋16は、コンクリート壁20の側面に支持サポート等の倒れ防止策を施した上で、ブラケット40によって上側スラブ14とコンクリート壁20とを連結する前に切断しても良い。
(充填材充填工程)
次に、充填材充填工程について説明する。図8に示されるように、充填材充填工程では、上側スラブ14の下面14Lとコンクリート壁20の上端部との間に形成された隙間Dに、ロックウール等の目地材58を充填し、隙間Dを塞ぐ。これにより、コンクリート壁20の遮音性能や耐火性能が高められる。
(作用)
次に、本実施形態の作用について説明する。
(コンクリート壁接合構造)
図1に示されるように、本実施形態に係るコンクリート壁接合構造30では、下側スラブ12と上側スラブ14との間にコンクリート壁20が配置されている。この下側スラブ12とコンクリート壁20とは、連結筋36によって連結されている。一方、上側スラブ14とコンクリート壁20とは、ブラケット40によって連結されている。これにより、地震時におけるコンクリート壁20の倒れが抑制される。
また、ブラケット40は、上側スラブ14の下面14Lとコンクリート壁20の上端部との間に隙間D(図3参照)を空けた状態で、上側スラブ14とコンクリート壁20とを連結する。これにより、地震時に、上側スラブ14と下側スラブ12とがコンクリート壁20の面外方向に相対変位した場合に、コンクリート壁20がその下端部を支点として面外方向に回転する(傾く)。このコンクリート壁20の回転によって、上側スラブ14と下側スラブ12とのコンクリート壁20の面外方向の相対変位が吸収される。したがって、地震時におけるコンクリート壁20の破損が抑制される。
このように本発明では、地震時におけるコンクリート壁20の倒れを抑制しつつ、下側スラブ12と上側スラブ14とが相対変位を吸収することができる。したがって、コンクリート壁20の破損が抑制される。
また、図2に示されるように、コンクリート壁20と下側スラブ12とは、連結筋36を介してコンクリート壁20の面外方向に回転可能に連結されている。さらに、コンクリート壁20と下側スラブ12とは、絶縁板32によって縁が切られている。さらにまた、コンクリート壁20の下端部における面外方向両側には、溝状目地部24がそれぞれ形成されている。そのため、コンクリート壁20の下端部の壁厚が部分的に薄くなっている。これにより、地震時に、上側スラブ14と下側スラブ12とがコンクリート壁20の面外方向に相対変位した場合に、コンクリート壁20が下端部を支点として面外方向に回転し易くなる。したがって、地震時におけるコンクリート壁20の破損がさらに抑制される。
また、図4に示されるように、ブラケット40の縦フランジ部40Bの貫通孔56は、コンクリート壁20の幅方向に延びる長孔とされている。これにより、地震時に、上側スラブ14と下側スラブ12とがコンクリート壁20の幅方向に相対変位した場合に、ボルト52が貫通孔56に沿って水平方向にスライドする。このボルト52のスライドによって、上側スラブ14と下側スラブ12とのコンクリート壁20の面内方向の相対変位が吸収される。したがって、地震時におけるコンクリート壁20の破損が抑制される。
さらに、ブラケット40の縦フランジ部40Bとコンクリート壁20の表面20Sとの間には、滑り材50が設けられている。また、縦フランジ部40Bと角座金53との間には、滑り材51が設けられている。これにより、地震時に、上側スラブ14と下側スラブ12とがコンクリート壁20の幅方向に相対変位した場合に、ブラケット40の縦フランジ部40Bとコンクリート壁20とがコンクリート壁20の幅方向に相対変位し易くなる。したがって、コンクリート壁20の破損が抑制される。
また、上側スラブ14とコンクリート壁20との隙間Dは、ロックウール等の目地材58によって塞がれている。これにより、コンクリート壁20の遮音性能や耐火性能を高めることができる。
さらに、目地材58は、上側スラブ14とコンクリート壁20とが相対変位した場合に変形するため、上側スラブ14とコンクリート壁20との相対変位を阻害しない。つまり、本実施形態では、上側スラブ14とコンクリート壁20との隙間Dに目地材58を設けることにより、地震時におけるコンクリート壁20の破損を抑制しつつ、コンクリート壁20の遮音性能や耐火性能を高めることができる。
(コンクリート壁施工方法)
本実施形態に係るコンクリート壁施工方法では、下側スラブ12と上側スラブ14との間に、コンクリート壁20を現場打ちで施工する。ここで、比較例として、例えば、下側スラブ12と上側スラブ14との間に、プレキャスト化されたコンクリート壁(以下、「PCaコンクリート壁」という)を設置することが考えられる。しかしながら、この場合、PCaコンクリート壁の搬入動線や、施工空間、PCaコンクリート壁を揚重する揚重機器の設置場所の確保等が必要となり、PCa間仕切り壁の建込等が困難になる。
これに対して本実施形態では、前述したように、下側スラブ12と上側スラブ14との間に、コンクリート壁20を現場打ちで施工するため、コンクリート壁20の施工性が向上する。
また、本実施形態では、壁筋配筋工程において、コンクリート壁20用の壁筋22の上部を上側スラブ14から下方へ突出する仮設連結筋16に連結するとともに、壁筋22の下部を下側スラブ12から上方へ突出する連結筋36に連結する。これにより、壁筋22の倒れが抑制されるとともに、壁筋22の位置決め等が容易になる。
また、仮設連結筋16は、コンクリート打設工程において施工されたコンクリート壁20と上側スラブ14とを連結する。これにより、コンクリート壁20の倒れも抑制される。
さらに、コンクリート打設工程では、型枠62内にコンクリートを打設する際に、コンクリートが上側スラブ14に付着しないようにする。これにより、上側スラブ14とコンクリート壁20の上端部との間に隙間Dが形成される。この隙間Dには、仮設連結筋16が露出する。したがって、上側水平部材連結工程において、仮設連結筋16を容易に切断することができる。
(変形例)
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態では、上側スラブ14とコンクリート壁20との隙間Dに目地材58を充填したが、目地材58は省略可能である。
また、上記実施形態では、コンクリート壁20の施工時に、コンクリート壁20と上側スラブ14とを仮設連結筋16によって一時的に連結したが、仮設連結筋16は、省略可能である。この場合、コンクリート壁20は、例えば、サポートで支持する。
また、上記実施形態では、ブラケット40の縦フランジ部40Bの貫通孔56を長孔としたが、上記実施形態はこれに限らない。例えば、ブラケット40の横フランジ部40Aの貫通孔46を、コンクリート壁20の幅方向に延びる長孔にしても良いし、縦フランジ部40Bの貫通孔56及び横フランジ部40Aの貫通孔46をそれぞれコンクリート壁20の幅方向に延びる長孔にしても良い。
また、上側スラブ14とコンクリート壁20とは、貫通孔56(長孔)に限らず、他の方法によって、コンクリート壁20の面内方向(幅方向)の相対変位可能に連結することも可能である。例えば、図9(A)及び図9(B)に示される変形例では、コンクリート壁20の表面20Sに、連結プレート70が固定されている。
連結プレート70は、稲妻型(クランク状)に屈曲されている。この連結プレート70は、固定部70Aと、固定部70Aの端部(上端部)に屈曲部を介して接続された挟持部70Bとを有している。固定部70Aは、コンクリート壁20の表面20Sに重ねられた状態で、ボルト52により固定されている。なお、固定部70Aには、ボルト52用の貫通孔72が形成されている。この貫通孔72は、長孔ではなく、円形状の孔とされている。
一方、挟持部70Bは、コンクリート壁20の表面20Sと対向して配置されている。この挟持部70Bとコンクリート壁20の表面20Sとの隙間に、ブラケット40の縦フランジ部40Bがコンクリート壁20の面内方向(幅方向)にスライド可能に挿入されている。この連結プレート70とブラケット40によって、上側スラブ14とコンクリート壁20とが、コンクリート壁20の面内方向(幅方向)に相対変位可能に連結されている。
また、挟持部70Bにおけるコンクリート壁20との対向面には、滑り材74が設けられている。また、ブラケット40の縦フランジ部40Bにおけるコンクリート壁20側の面には、滑り材76が設けられている。これらの滑り材74,76によって、ブラケット40の縦フランジ部40Bが、挟持部70B及びコンクリート壁20に対してスライドし易くなっている。なお、滑り材74,76は、適宜省略可能である。
また、ブラケット40は、必ずしも上側スラブ14とコンクリート壁20とを、コンクリート壁20の面内方向に相対変位可能に連結しなくても良い。
また、上記実施形態では、コンクリート壁20と下側スラブ12との間に絶縁板32が設けられるが、絶縁板32は省略可能である。
また、上記実施形態では、コンクリート壁20の下端部の溝状目地部24にシール材26が充填されるが、シール材26は省略可能である。また、溝状目地部24も省略可能である。
また、上記実施形態では、コンクリート壁20と下側スラブ12とが連結筋36を介して連結されるが、コンクリート壁20と下側スラブ12との接合構造は適宜変更可能である。
また、上記実施形態では、下側水平部材が下側スラブとされるが、下側水平部材は、例えば、梁(小梁も含む)等であっても良い。これと同様に、上記実施形態では、上側水平部材が上側スラブとされるが、上側水平部材は、例えば、梁(小梁も含む)等であっても良い。
なお、下側水平部材及び上側水平部材は、新築であっても良いし、既存(既設)であっても良い。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
12 下側スラブ(下側水平部材)
14 上側スラブ(上側水平部材)
16 仮設連結筋
20 コンクリート壁
22 壁筋(コンクリート壁の壁筋)
30 コンクリート壁接合構造
36 連結筋(連結材)
40 ブラケット
62 型枠
D 隙間(上側水平部材とコンクリート壁の上端部との隙間)

Claims (3)

  1. 下側水平部材と上側水平部材との間に配置されるコンクリート壁と、
    前記下側水平部材と前記コンクリート壁とを連結する連結材と、
    前記上側水平部材と前記コンクリート壁の上端部との間に隙間を空けた状態で、前記上側水平部材と前記コンクリート壁とを連結するブラケットと、
    を備え
    前記コンクリート壁の下端部における面外方向の両側には、前記コンクリート壁の幅方向に延びる溝状目地部がそれぞれ形成される、
    コンクリート壁接合構造。
  2. 前記ブラケットは、前記上側水平部材と前記コンクリート壁とを該コンクリート壁の面内方向に相対変位可能に連結する、
    請求項1に記載のコンクリート壁接合構造。
  3. 下側水平部材と上側水平部材との間に、現場打ちでコンクリート壁を施工するコンクリート壁施工方法であって、
    前記下側水平部材と前記上側水平部材との間に前記コンクリート壁用の壁筋を配筋するとともに、前記上側水平部材から下方へ突出する仮設連結筋に前記壁筋を連結して支持させる壁筋配筋工程と、
    前記壁筋の周囲に設けられた型枠内に、コンクリートを前記上側水平部材に付着しないように打設して前記コンクリート壁を施工するコンクリート打設工程と、
    前記上側水平部材と前記コンクリート壁とをブラケットを介して連結するとともに、前記上側水平部材と前記コンクリート壁の上端部との隙間に露出した前記仮設連結筋を切断する上側水平部材連結工程と、
    を備えるコンクリート壁施工方法。
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