JP2011256598A - コンクリート壁取付構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンクリート壁が発揮する剛性を低減するコンクリート壁取付構造を得ることを目的とする。
【解決手段】コンクリート壁10の下端部10Bと床スラブ18とは、下部連結手段としての板材20及び連結筋22によって、コンクリート壁10の面外方向に回転可能に連結されている。一方、コンクリート壁10の上端部10Aと鉄骨梁14とは、上部連結手段としての連結具26によって連結されている。連結具26は一対の保持部材30を備え、これらの保持部材30の間にコンクリート壁10の上端部10Aが配置されている。この連結具26によって、鉄骨梁14とコンクリート壁10の上端部10Aとが、当該コンクリート壁10の面外方向に回転可能(ピン接合)に連結されると共に、当該コンクリート壁10の面内方向にスライド可能に連結されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、コンクリート壁取付構造に関する。
鉄骨造建物では、建物の剛性偏在、偏心を招くため、高剛性の鉄筋コンクリート(以下、「RC」という)壁を設けない設計とするのが通常である。しかしながら、RC壁は安価で、かつ遮音、気密性の確保、放射線、爆風等の遮蔽等に適しており、鉄骨造建物においても機能的にRC壁を設けたいとの要望がある。
一方、RC造建物では、RC壁による剛性偏在、偏心を防止するために、柱や梁とRC壁との間に構造耐震スリットを設けることが一般に行われている。構造耐震スリットが設けられた部位には、RC壁の揺れを防止する振れ止め鉄筋が設けられ、RC壁が柱や梁に連結される。しかしながら、これらの構造耐震スリット及び揺れ止め筋はRC造建物を対象とするものであり、鉄骨造建物への適用は考慮されていない。また、構造耐震スリットは、RC壁の上端部及び下端部の一方にのみ設けられ、RC壁の上端部及び下端部の他方は梁に固定される。従って、RC壁の剛性が残存するため、更なる改善が求められる。
また、特許文献1には、ALC等の壁パネルの下部の取付構造が提案されている。この取付構造では、一端部が壁パネルに、他端部がコンクリートスラブに埋設された鉄筋によって、壁パネルがコンクリートスラブに取り付けられている。しかしながら、特許文献1では、壁パネルの上部や側部を拘束手段で拘束し、壁パネルの面外方向の変位を拘束するため、壁パネルが発揮する剛性が大きくなる。
更に、特許文献2には、鉄骨造建物におけるRC造の外壁の取付構造が提案されている。この取付構造では、外壁の上端部が、鉄骨梁に対して外壁の面内方向及び面外方向へ変位可能に取り付けられている。しかしながら、特許文献2の取付構造では、外壁の下端部が基礎に固定されるため、外壁が発揮する剛性が大きくなる。また、外壁の下端部と基礎との間に隙間を設け、外壁を鉄骨梁に吊り下げ支持させる構成では、鉄骨梁の負担が増加し、鉄骨梁の必要剛性、耐力が増加する。
特開2008−196199号公報 特開2005−220607号公報
本発明は、上記の事実を考慮し、コンクリート壁が発揮する剛性を低減するコンクリート壁取付構造を得ることを目的とする。
請求項1に記載のコンクリート壁取付構造は、鉄骨造建物を構成する下部水平部材と該下部水平部材の上方に設けられた上部水平部材にコンクリート壁を取り付けるコンクリート壁取付構造であって、前記下部水平部材と前記コンクリート壁の下部とを該コンクリート壁の面外方向へ回転可能に連結する下部連結手段と、前記上部水平部材と前記コンクリート壁の上部とを該コンクリート壁の面外方向へ回転可能に連結すると共に、該コンクリート壁の面内方向へスライド可能に連結する上部連結手段と、を備えている。
請求項1に係る発明によれば、地震等によってコンクリート壁に面外方向の外力が作用すると、下部連結手段により下部水平部材に回転可能に連結されたコンクリート壁の下部と、上部連結手段により上部水平部材に回転可能に連結されたコンクリート壁の上部とが、当該コンクリート壁の面外方向へそれぞれ回転する。また、地震等によってコンクリート壁に面内方向の外力が作用すると、上部連結手段によりコンクリート壁の上部に面内方向へスライド可能に連結された上部水平部材が、コンクリート壁の面内方向へスライドする。従って、コンクリート壁の面外方向及び面内方向の外力に対して、当該コンクリート壁が発揮する剛性が低減される。これにより、鉄骨造建物の剛性偏在、偏心が抑制される。更に、下部水平部材及び上部水平部材の連結部に伝達される外力が低減されるため、下部水平部材及び上部水平部材の必要剛性、耐力を小さく抑えることができる。従って、下部水平部材及び上部水平部材の部材コストを削減することができる。
請求項2に記載のコンクリート壁取付構造は、請求項1に記載のコンクリート壁取付構造において、前記上部水平部材が、前記コンクリート壁の壁芯上から外れた位置、又は壁芯上に配置され、前記上部連結手段が、前記上部水平部材から前記コンクリート壁の上端部へ延びる腕部材に設けられている。
請求項2に係る発明によれば、上部水平部材からコンクリート壁の上端部へ延びる腕部材に上部連結手段が設けられている。ここで、コンクリート壁は、柱梁等で囲まれた架構の構面内だけでなく、用途に応じて架構の構面外にも設置される。従って、上部水平部材がコンクリート壁の壁芯上から外れた位置に、若しくは壁心上にあってもコンクリート壁の上端部から遠く離れた位置にある場合がある。このような場合に本発明は特に有効であり、上部水平部材からコンクリート壁の上端部へ延びる腕部材に上部連結手段を設けることにより、上部水平部材とコンクリート壁の上端部を連結することができる。従って、コンクリート壁の設置自由度が向上する。
請求項3に記載のコンクリート壁取付構造は、請求項1又は請求項2に記載のコンクリート壁取付構造において、前記下部連結手段が、前記下部水平部材と前記コンクリート壁の下部との間に配置される板材と、前記板材を貫通し、一端部が前記下部水平部材に埋設されると共に、他端部が前記コンクリート壁に埋設される連結筋と、を有している。
請求項3に係る発明によれば、地震等によってコンクリート壁に面外方向の外力が作用すると、板材によって下部水平部材と縁が切られたコンクリート壁の下部が、下部水平部材に対してコンクリート壁の面外方向へ回転すると共に、当該コンクリート壁の下部に設けられた連結筋が繰り返し変形する。これにより、面外方向の外力に対してコンクリート壁が発揮する剛性が低減される。一方、微振動に対しては連結筋が抵抗するため、コンクリート壁の揺れが抑制される。
請求項4に記載のコンクリート壁取付構造は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のコンクリート壁取付構造において、前記上部連結手段が、前記上部水平部材に固定されると共に、前記コンクリート壁の面外方向両側に配置され、該コンクリート壁の上端部を面内方向へスライド可能に保持する一対の保持部材を有している。
請求項4に係る発明によれば、一対の保持部材をコンクリート壁の面外方向両側に配置するという簡単な施工作業で、コンクリート壁の上端部と上部水平部材とを回転可能に連結すると共に、面内方向へスライド可能に保持することができる。
請求項5に記載のコンクリート壁取付構造は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のコンクリート壁取付構造において、前記上部連結手段が、前記コンクリート壁の面外方向外側に配置され、上部水平部材及び前記コンクリート壁の何れか一方に固定される固定部材と、上部水平部材及び前記コンクリート壁の何れか他方から前記固定部材に向かって突出し、該固定部材に形成され前記コンクリート壁の面内方向へ延びる長孔に貫通される連結ピンと、を有している。
請求項5に係る発明によれば、地震等によってコンクリート壁に面外方向の外力が作用すると、固定部材の長孔に貫通された連結ピンを支点として、コンクリート壁の上部が面外方向へ回転する。また、地震等によってコンクリート壁に面内方向の外力が作用すると、連結ピンが固定部材の長孔に沿って移動し、上部水平部材がコンクリート壁に対して面内方向へスライドする。従って、コンクリート壁の面外方向及び面内方向の外力に対して、コンクリート壁が発揮する剛性が低減される。
請求項6に記載のコンクリート壁取付構造は、鉄骨造建物を構成する下部水平部材と該下部水平部材の上方に設けられた上部水平部材にコンクリート壁を取り付けるコンクリート壁取付構造であって、前記コンクリート壁が、前記下部水平部材及び前記上部水平部材の少なくとも一方と面外方向へ回転可能に連結されると共に、該コンクリート壁の面内方向へスライド可能に連結される。
請求項6に係る発明によれば、地震等によってコンクリート壁に面外方向の外力が作用すると、下部水平部材及び上部水平部材の少なくとも一方に対して、コンクリート壁が面外方向へ回転する。また、地震等によってコンクリート壁に面内方向の外力が作用すると、下部水平部材及び上部水平部材の少なくとも一方とコンクリート壁とが、当該コンクリート壁の面内方向へスライドする。従って、面外方向及び面内方向の外力に対してコンクリート壁が発揮する剛性が低減される。これにより、鉄骨造建物の剛性偏在、偏心が抑制される。更に、下部水平部材及び上部水平部材の少なくとも一方の連結部に伝達される外力が低減されるため、下部水平部材及び上部水平部材の必要剛性、耐力を小さく抑えることができる。従って、下部水平部材及び上部水平部材の部材コストを削減することができる。
本発明は、上記の構成としたので、コンクリート壁が発揮する剛性を低減することができる。
本発明の一実施形態に係るコンクリート壁を示す、縦断面図である。 本発明の一実施形態に係るコンクリート壁を面外方向から見た正面図(立面図)である。 本発明の一実施形態に係る下部連結手段を示す、斜視図である。 本発明の一実施形態に係る上部連結手段を示す、斜視図である。 (A)及び(B)は、本発明の一実施形態に係るコンクリート壁の施工方法を説明する、図1に相当する縦断面図である。 本発明の一実施形態に係るコンクリート壁の施工方法の変形例を説明する、図1に相当する縦断面図である。 (A)及び(B)は、本発明の一実施形態に係る上部連結手段の施工方法を説明する斜視図である。 本発明の一実施形態に係る上部連結手段の変形例を示す図であり、(A)は図1に相当する縦断面図であり、(B)は図8(A)の1−1線断面図である。 本発明の一実施形態に係る上部連結手段の変形例を示す図であり、(A)は図1に相当する縦断面図であり、(B)は図9(A)の2−2線断面図である。 本発明の一実施形態に係る上部連結手段の変形例を示す図であり、(A)は図1に相当する縦断面図であり、(B)は斜視図である。 本発明の一実施形態に係る上部連結手段の変形例を示す図であり、(A)は図1に相当する縦断面図であり、(B)は図11(A)の3−3線断面図である。 本発明の一実施形態に係る上部連結手段の変形例を示す図であり、(A)は図1に相当する縦断面図であり、(B)はコンクリート壁を面外方向から見た正面図(立面図)である。 本発明の一実施形態に係る上部連結手段の変形例を示す、図1に相当する縦断面図である。 図13の4−4線断面図である。 本発明の一実施形態に係る上部連結手段の変形例を示す、斜視図である。 本発明の一実施形態に係る上部連結手段の変形例を示す、図1に相当する縦断面図である。 (A)及び(B)は、本発明の一実施形態に係る上部連結手段の施工方法を説明する縦断面図である。 本発明の一実施形態に係る上部連結手段の変形例を示す、図1に相当する縦断面図である。 本発明の一実施形態に係る上部連結手段の変形例を示す、図1に相当する縦断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態に係るコンクリート壁取付構造について説明する。なお、各図において、適宜図示する矢印Xはコンクリート壁の面内方向(幅方向)を示し、矢印Yはコンクリート壁の面外方向(板厚方向)を示し、矢印Zはコンクリート壁の高さ方向を示している。
先ず、コンクリート壁取付構造の構成について説明する。
図1及び図2には、鉄骨造建物に設置されたコンクリート壁10が示されている。鉄骨造建物は、架構12を構成する上下の鉄骨梁14、16を備えている。なお、上下の鉄骨梁14、16はH形鋼で、図示しない鉄骨柱に支持されている。下の鉄骨梁16の上には床スラブ(下部水平部材)18が構築されており、この床スラブ18の上にコンクリート壁10が立てられている。コンクリート壁10は、上下の鉄骨梁14、16に対して略平行に配置されており、これらの鉄骨梁14、16で構成された架構12の構面外に配置されている。即ち、コンクリート壁10の壁心C上から外れた位置に上下の鉄骨梁14、16が配置されている。なお、鉄骨梁14の上には床スラブは構築されておらず、例えば、ISS(インター・ステーシャル・スペース)等のメンテナンス空間とされている。また、ここで言う壁心Cとは、コンクリート壁10の壁厚の中心を通り、壁厚方向と直交する仮想の線を意味する。また、コンクリート壁10の壁心C上から外れた位置に配置された鉄骨梁14、16とは、壁心Cと交わらないように配置された鉄骨梁を意味する。
コンクリート壁10はコンクリート造又は鉄筋コンクリート造で、本実施形態に係るコンクリート壁取付構造によって、床スラブ18と当該床スラブ18の上方に配置された鉄骨梁(上部水平部材)14に取り付けられている。具体的には、コンクリート壁10の下端部(下部)10Bと床スラブ18とが、下部連結手段としての板材20及び複数の連結筋22によって連結されている。図3に示されるように、板材20は絶縁板(例えば、鋼板)で、コンクリート壁10の下端部10Bと床スラブ18の間に配置されており、この板材20によってコンクリート壁10と床スラブ18との縁が切られている。また、板材20には、長手方向に間隔を空けて複数の貫通孔24が形成されている。連結筋22はL形鉄筋で、コンクリート壁10の幅方向に間隔を空けて配置され、その一端部22Aが床スラブ18に埋設されている。また、一端部22Aから上方へ向かって屈曲された各連結筋22の他端部22Bは床スラブ18の上面から突出し、板材20の貫通孔24を貫通してコンクリート壁10の下端部10Bに埋設されている。この連結筋22によって、コンクリート壁10の下端部10Bと床スラブ18とが、コンクリート壁10の面外方向(矢印Y方向)に回転可能に連結(ピン接合)されている。なお、連結筋22は、L形鉄筋に限らず、通常の棒鉄筋や、打ち込みアンカー等でも良い。
図4に示されるように、コンクリート壁10の上端部(上部)10Aと鉄骨梁14とは、上部連結手段としての連結具26によって連結されている。連結具26は、コンクリート壁10の上方に略水平に配置されたベースプレート28と、ベースプレート28の下面に設けられた一対の保持部材30と、ベースプレート28の上面に設けられた一対の取付部材32を備えている。保持部材30は板状で、コンクリート壁10の面外方向に対向すると共に、コンクリート壁10の面外方向両側に配置され、その上端部がベースプレート28の下面に溶接等で接合されている。これらの保持部材30によって、コンクリート壁10の上端部10Aの面外方向の変位が規制されている。また、保持部材30の間隔は、コンクリート壁10の壁厚よりも僅かに大きくされており、コンクリート壁10との間に隙間(図1参照)が形成されるようになっている。この隙間によって、コンクリート壁10の上端部10Aが、当該コンクリート壁10の面外方向に回転可能(ピン接合)になっている。更に、ベースプレート28とコンクリート壁10の上面との間にも僅かな隙間が形成されており、連結具26がコンクリート壁10の上端部10Aに沿って面内方向へスライド(スウェイ)可能になっている。なお、ベースプレート28は、コンクリート壁10との縁が切られていれば良く、コンクリート壁10の上面と接触していても良い。
ベースプレート28の上面に設けられた取付部材32は板状で、コンクリート壁10の面内方向に対向して配置され、その下端部がベースプレート28の上面に溶接等で接合されている。即ち、取付部材32と保持部材30とは、平面視にて直交又は略直交して配置されている。これらの取付部材32の間には、縦腕部材(腕部材)34が配置されている。縦腕部材34は角形鋼管で、ベースプレート28の上に立てられており、その下端部が取付部材32の間に配置され、溶接等で取付部材32及びベースプレート28に接合されている。一方、鉄骨梁14には、当該鉄骨梁14からコンクリート壁10の上方へ向かって略水平に張り出す横腕部材(腕部材)36が設けられている。この横腕部材36はC形鋼で、その一端部が鉄骨梁14のウェブ14Aに突き当てられた状態で、鉄骨梁14の下フランジ14Bの上に載置されており、溶接等でウェブ14A及び下フランジ14Bに接合されている。横腕部材36の他端部は、コンクリート壁10の上方に配置されており、コンクリート壁10の幅方向から見て縦腕部材34と交差している。この横腕部材36の他端部に縦腕部材34の上部が溶接等によって接合されている。これらの横腕部材36及び縦腕部材34によって、連結具26が鉄骨梁14から吊り下げられた状態で支持されている。なお、横腕部材36及び縦腕部材34の形状は、上記したものに限らず、H形、I形、L形等でも良い。
ここで、本実施形態における「コンクリート壁10の上端部10Aと鉄骨梁14とが、コンクリート壁10の面外方向に回転可能に連結される」とは、一般的なピン接合(完全ピン)だけでなく、コンクリート壁10が面外方向の外力を受けたときに、発生するモーメントによってコンクリート壁10の上端部10Aが損傷しない程度の半固定状態も含む概念である。コンクリート壁10の下端部10Bと床スラブ18との連結についても同様である。
次に、本実施形態に係るコンクリート壁取付構造の施工方法の一例について説明する。
先ず、図3及び図5(A)に示されるように、床スラブ18を構築する型枠内に、複数の連結筋22をコンクリート壁10の幅方向に間隔を空けて配筋すると共に、図示しないスラブ筋等を適宜配筋する。この際、各連結筋22の他端部22Bが床スラブ18の上面から上方へ向かって突出するよう配筋する。そして、コンクリートを打設して床スラブ18を構築する。なお、隣接する連結筋22同士を捨て筋等の線材で連結し、各連結筋22の位置ずれを防止することが望ましい。
次に、床スラブ18の上面から突出した連結筋22の他端部22Bを板材20の貫通孔24に貫通させ、当該板材20を床スラブ18の上に載置する。次に、図5(B)に示されるように、板材20の外周にコンクリート壁10用の型枠38を仮設し、図示しないサポートで支持する。次に、型枠38内に壁鉄筋、補強筋(図示省略)を適宜配筋し、型枠38の下部に設けられた充填孔40から型枠38内にコンクリートWを圧入し、コンクリート壁10を構築する(第1工程)。この際、板材20によって床スラブ18に対するコンクリートの付着が抑制され、床スラブ18とコンクリート壁10の縁が切られる。これにより、床スラブ18に対してコンクリート壁10の下端部10Bが、当該コンクリート壁10の面外方向に回転可能に連結される。なお、板材20の貫通孔24に充填されたコンクリートWは、床スラブ18に付着する。従って、貫通孔24は小さい方が好ましい。また、付着抑制手段としての板材20に替えて、ビニール素材等からなるシート材や、サランラップ(登録商標)を用いても良いし、板材20を省略し、床スラブ18の上面に剥離剤を塗布しても良い。
なお、本実施形態では、型枠38の下部に設けられた充填孔40から型枠38内にコンクリートWを圧入したが、型枠38の上部開口から型枠38内にコンクリートWを流し込んでも良い。この場合、図6に示されるように、鉄骨梁14がコンクリート壁10の壁心C(図1参照)上にある場合は、型枠38に面外方向外側へ突出する顎部42を設け、当該顎部42から型枠38内にコンクリートWを打設しても良い。
次に、図7(A)に示されるように、鉄骨梁14のウェブ14A及び下フランジ14Bに横腕部材36の一端部を溶接して固定し、横腕部材36の他端部をコンクリート壁10の上方に配置する。次に、コンクリート壁10の上端部10Aに連結具26を取り付ける。具体的には、連結具26の保持部材30の間にコンクリート壁10の上端部10Aを配置すると共に、コンクリート壁10の上端部10Aに沿って連結具26を当該コンクリート壁10の面内方向へスライドさせ、横腕部材36に対して連結具26を位置決めする(第2工程)。次に、図7(B)に示されるように、連結具26の取付部材32の間に縦腕部材34を配置すると共に、当該縦腕部材34を取付部材32に沿ってコンクリート壁10の面外方向へスライドさせ、横腕部材36に対して位置決めする。更に、連結具26をコンクリート壁10の上端部10Aに沿って当該コンクリート壁10の面内方向へスライドさせて微調整し、縦腕部材34の上部を横腕部材36に突き当てて溶接をし、縦腕部材34の下部と取付部材32とを溶接する(第3工程)。これにより、鉄骨梁14に対してコンクリート壁10の上端部10Aが、当該コンクリート壁10の面外方向に回転可能に連結されると共に、当該コンクリート壁10の面内方向にスライド可能に連結される。
このように縦腕部材34がコンクリート壁10の面内方向及び面外方向の2方向へ移動可能であるため、鉄骨梁14やコンクリート壁10の施工誤差を吸収しつつ、横腕部材36に対して縦腕部材34を容易に位置決めすることができる。更に、連結具26の保持部材30の間にコンクリート壁10の上端部10Aを配置するという簡単な施工作業で、コンクリート壁10の上端部10Aを保持することができるため、施工性が向上する。なお、上記施工方法はあくまでも一例であって、連結具26、縦腕部材34、及び横腕部材36の取付順は適宜変更可能である。
次に、本実施形態に係るコンクリート壁取付構造の作用について説明する。
地震等によってコンクリート壁10に面外方向の外力が作用すると、板材20によって床スラブ18と縁が切られたコンクリート壁10の下端部10Bが、床スラブ18に対して面外方向へ回転すると共に、当該コンクリート壁10の下端部10Bに設けられた連結筋22が面外方向に繰り返し変形する。また、コンクリート壁10の上端部10Aが、連結具26の保持部材30の間でコンクリート壁10の面外方向へ回転する。従って、面外方向の外力に対してコンクリート壁10が発揮する剛性が低減される。他方、地震等によってコンクリート壁10に面内方向の外力が作用すると、連結具26がコンクリート壁10の上端部10Aに沿って当該コンクリート壁10の面内方向へスライドする。これにより、面内方向の外力に対してコンクリート壁10が発揮する剛性が低減される。なお、微振動に対しては、コンクリート壁10の下端部10Bに設けられた連結筋22が抵抗するため、コンクリート壁10の振れが抑制される。
このようにコンクリート壁10の面外方向及び面内方向の何れの方向の外力に対しても、コンクリート壁10が抵抗しないようにすることで、鉄骨造建物の剛性偏在、偏心を抑制することができる。特に、本実施形態に係るコンクリート壁取付構造は、構造設計後に設置数や配置が決定されることが多いコンクリート壁(例えば、間仕切り壁、雑壁、内壁、放射線、爆風、防音等の遮蔽壁等)の取付構造に適している。更に、コンクリート壁10から床スラブ18及び鉄骨梁14の連結部へ伝達される外力が低減されるため、床スラブ18及び鉄骨梁14の必要剛性、耐力を小さく抑えることができる。従って、床スラブ18及び鉄骨梁14の部材コストを削減することができる。
また、鉄骨梁14からコンクリート壁10の上端部10Aへ延びる縦腕部材34に連結具26を設けたことにより、鉄骨梁14がコンクリート壁10の壁心C(図1参照)上から外れた位置にあっても、鉄骨梁14とコンクリート壁10とを連結することができる。従って、コンクリート壁10の設置自由度が向上する。特に、鉄骨梁14の上に床スラブ等が存在しない場合に有効である。
更に、本実施形態では、現場打ち工法でコンクリート壁10を構築する。ここで、プレキャスト化されたプレキャストコンクリート(以下、「PCa」という)壁は、例えば、建物の外装工事が完了している等の理由により、鉄骨造建物内に搬入できない場合がある。これに対して本実施形態では、現場打ち工法でコンクリート壁10を構築することにより、即ち、在来の型枠工法によってコンクリート壁10を構築することにより、建物の外装工事が完了している場合であっても、コンクリート壁10を構築することができる。また、PCa壁は、運搬、揚重等の観点から大型化が困難であるのに対し、現場打ち工法ではコンクリート壁10の大型化が可能となる。従って、PCa壁と比較して、隣接するコンクリート壁10の目地数を少なく抑えることができる。特に、コンクリート壁10を遮蔽壁として使用する場合は、目地数を少なく抑えることにより、遮蔽性能が向上する。更に、コンクリート壁10は、ALC壁等と比較して質量が大きいため、放射線等の遮蔽壁としても有効に利用することができる。
次に、上記実施形態に係るコンクリート壁取付構造の変形例について説明する。
上記実施形態では、連結具26に取付部材32(図4参照)を設けたが、図8(A)及び図8(B)に示されるように、取付部材32を省略し、連結具44のウェブ44Aに取付部46を設けても良い。なお、図8(A)及び図8(B)では、取付部46の一例として、連結具44のウェブ44AにL形鋼を溶接等で接合している。また、前述した連結具26の変形例としてC形鋼の連結具44を用いている。この場合、このC形鋼のウェブ44Aがベースプレートに、フランジ44Bが保持部材にそれぞれ相当する。更に、コンクリート壁10の上面には、滑り材48が設けられている。滑り材48は鉄板、ステンレス板等で、その下面に設けられたスタッド50をコンクリート壁10の上端部10Aに埋設することにより、当該上端部10Aに固定されている。この滑り材48によって、連結具44がコンクリート壁10の面内方向へスライドし易くなっている。
次に、図9(A)及び図9(B)に示される他の変形例では、連結具26に替えて、コンクリート壁10の上端部10Aに連結具52が設けられている。連結具52はC形鋼で、そのフランジ52Bをコンクリート壁10の面外方向に対向させると共に、断面が開いた開口を上に向けて、コンクリート壁10の上面の上に載置されている。この連結具52は、そのウェブ52Aに設けられたスタッド54をコンクリート壁10の上端部10Aに埋設することにより、当該上端部10Aに固定されている。連結具52のフランジ52Bの間には、縦腕部材34の下端部がコンクリート壁10の面内方向へスライド可能に配置されている。この縦腕部材34とフランジ52Bとの間には隙間を形成されており、この隙間によって、コンクリート壁10の上端部10Aが、当該コンクリート壁10の面外方向に回転可能になっている。
次に、図10(A)及び図10(B)に示される他の変形例では、コンクリート壁10の上端部10Aに、連結具としての一対の連結プレート56が設けられている。各連結プレート56は、コンクリート壁10の面外方向に対向すると共に、当該コンクリート壁10の面外方向両側に配置され、コンクリート壁10の上端部10Aに埋設されたアンカーボルト58及びナット60によってコンクリート壁10の壁面に固定されている。各連結プレート56の上部はコンクリート壁10の上端部10Aから突出しており、これらの連結プレート56の上部の間に縦腕部材34の下端部がコンクリート壁10の面内方向へスライド可能に配置されている。この縦腕部材34と各連結プレート56との間には隙間を形成されており、この隙間によってコンクリート壁10の上端部10Aが、当該コンクリート壁10の面外方向に回転可能になっている。なお、各連結プレート56はリブ62によって補強されている。
次に、図11(A)及び図11(B)に示される他の変形例では、コンクリート壁10の上端部10Aと、横腕部材36を介して鉄骨梁14に固定された縦腕部材66とが、連結ピン64によって連結されている。連結ピン64は、その一端部64Aがコンクリート壁10の上端部10Aに埋設され、その他端部64Bが縦腕部材66の下端部に設けられた板状の固定部材68に向かって突出し、当該固定部材68に形成された長孔70に貫通されている。この長孔70はコンクリート壁10の面内方向へ延びており、貫通された連結ピン64がコンクリート壁10の面内方向へ移動可能となっている。この連結ピン64によって、コンクリート壁10の上端部10Aが鉄骨梁14に対して、当該コンクリート壁10の面外方向へ回転可能に連結されると共に、コンクリート壁10の面内方向へスライド可能に連結されている。
次に、図12(A)及び図12(B)に示される他の変形例では、コンクリート壁10に固定された固定部材72と、横腕部材36を介して鉄骨梁14に固定された縦腕部材34とが、連結ピン74によって連結されている。固定部材72はL形鋼で、コンクリート壁10の上端部10Aに埋設されたアンカーボルト58及びナット60によってコンクリート壁10の壁面に固定されている。固定部材72の上部は、コンクリート壁10の上端部10Aから突出しており、縦腕部材34と対向している。この縦腕部材34に形成された貫通孔(図示省略)には連結ピン74の一端部が挿入されており、溶接等で縦腕部材34に固定されている。連結ピン74の他端部は、当該縦腕部材34から固定部材72の上部へ向かって突出し、当該上部に形成された長孔76(図12(B)参照)に貫通されている。この長孔76は、コンクリート壁10の面内方向へ延びており、貫通された連結ピン74がコンクリート壁10の面内方向へ移動可能となっている。この連結ピン74によって、コンクリート壁10の上端部10Aが鉄骨梁14に対して、当該コンクリート壁10の面外方向へ回転可能に連結されると共に、コンクリート壁10の面内方向へスライド可能に連結されている。なお、連結ピン74の他端部には、抜け止め用のナット78が取り付けられている。
次に、図13及び図14に示される他の変形例では、コンクリート壁80の上端部80Aではなく、コンクリート壁80の上部(コンクリート壁80の上半分の部位)と鉄骨梁14とが連結されている。このコンクリート壁80は、上記実施形態に係るコンクリート壁10(図1参照)よりも高さが高く、その上端部80Aが鉄骨梁14の脇(側方)に配置されており、この上端部80Aよりも下方の部位に固定部材82が固定されている。固定部材82はL形鋼で、そのウェブ82Aに設けられたヒゲ鉄筋84をコンクリート壁80に埋設することにより、当該コンクリート壁80の壁面に固定されている。また、このウェブ82Aの上端部から鉄骨梁14へ向かって略水平に張り出した固定部材82のフランジ82Bには、図示しない貫通孔が形成されている。
一方、鉄骨梁14の下フランジ14Bには、断面Z型のアングル86が溶接等で固定されている。このアングル86は、その下フランジ86Aを固定部材82のフランジ82Bの上に重ねた状態で配置されている。この下フランジ86A及び固定部材82のフランジ82Bには、図14に示されるように、貫通孔(図示省略)及び長孔88がそれぞれ形成されている。これらの貫通孔及び長孔88に貫通されたボルト(連結ピン)90及びナット92によって、下フランジ86Aとフランジ82Bが連結されている。これにより、コンクリート壁80の上部が当該コンクリート壁80の面外方向に回転可能に連結されている。また、固定部材82に形成された長孔88は、コンクリート壁80の面内方向へ延びており、貫通されたボルト90がコンクリート壁80の面内方向へ移動可能になっている。これにより、コンクリート壁80の上部が鉄骨梁14に対して、当該コンクリート壁80の面内方向へスライド可能に連結されている。なお、ボルト90は、当該ボルト90の頭が下フランジ86Aと係合することにより、下フランジ86Aから固定部材82のフランジ82Bに向かって突出した状態で保持され、フランジ82Bの長孔88に貫通されている。
次に、図15に示される他の変形例では、コンクリート壁10の壁心C(図1参照)上に鉄骨梁14が配置されており、鉄骨梁14からコンクリート壁10の上端部10Aへ向かって下方へ延びる腕部材96に連結具26が設けられている。この鉄骨梁14は、平面視にてコンクリート壁10と交差するように配置されており、当該鉄骨梁14におけるコンクリート壁10との交差部に腕部材96が設けられている。腕部材96は角形鋼管で、その上端部が一対の接合プレート98を介して鉄骨梁14の下フランジ14Bに接合されている。腕部材96の下端部は、連結具26の取付部材32の間に配置され、溶接等によって取付部材32に固定されている。このように、鉄骨梁14がコンクリート壁10の上端部10Aから遠く離れている場合であっても、鉄骨梁14から下方へ延びる腕部材96を設けることにより、鉄骨梁14とコンクリート壁10の上端部10Aとを連結することができる。
次に、図16に示される他の変形例では、コンクリート壁10の壁心C上に配置された鉄骨梁14に連結具100が直接固定されている。連結具100は、ベースプレート28と、ベースプレート28の下面に設けられた一対の保持部材30を備えている。連結具100のベースプレート28の上面は、鉄骨梁14の下フランジ14Bの下面に溶接等で固定されており、ベースプレート28の下面に設けられた保持部材30の間にコンクリート壁10の上端部10Aが配置されている。これにより、コンクリート壁10の上端部10Aがコンクリート壁10の面外方向に回転可能に連結されると共に、コンクリート壁10の面内方向へスライド可能に連結されている。
なお、コンクリート壁10の上端部10Aに連結具100を取り付ける際は、例えば、図17(A)に示されるように、一対の保持部材30のうち、一方の保持部材30のみが設けられたベースプレート28を鉄骨梁14の下フランジ14Bとコンクリート壁10の上端部10Aの隙間に挿入し、その後、図17(B)に示されるように、他方の保持部材30をベースプレート28に接合することにより、コンクリート壁10の面外方向両側に保持部材30を容易に配置することができる。
次に、図18に示される他の変形例では、コンクリート壁110の壁心C上に配置された上部水平部材としての床スラブ102にコンクリート壁110の上端部110Aが連結されている。床スラブ102の下面には、連結具44がヒゲ鉄筋104で固定されており、この連結具44のフランジ44Bの間にコンクリート壁110の上端部110Aが配置されている。これにより、コンクリート壁110の上端部110Aがコンクリート壁110の面外方向に回転可能に連結されると共に、コンクリート壁110の面内方向へスライド可能に連結されている。なお、コンクリート壁110の上端部110Aには、滑り材48がスタッド50で固定されており、この滑り材48によって、連結具44がコンクリート壁110の面内方向へスライドし易くなっている。
更に、図19に示される他の変形例では、前述した連結具44と同様の構成とされた連結具112によって、コンクリート壁110の下端部110Bと床スラブ18が連結されている。この下部連結手段としての連結具112と、前述した連結具44の構成の違いは部材長さであり、連結具112は連結具44よりも長く、コンクリート壁110の幅と同程度の長さを有している。連結具112は、断面が開いた開口を上に向けて床スラブ18の上面に配置され、ウェブ44Aに設けられたヒゲ鉄筋104を床スラブ18に埋設することにより、床スラブ18に固定されている。コンクリート壁110の下端部110Bは、連結具112のフランジ44Bの間に配置され、滑り材48を介して連結具112のウェブ14Aの上に載置されている。この滑り材48によってコンクリート壁110が当該コンクリート壁110の面内方向へスライドし易くなっている。これにより、下部水平部材としての床スラブ18に対してコンクリート壁110の下端部110Bを当該コンクリート壁110の面外方向に回転可能に連結すると共に、コンクリート壁110の面内方向へスライド可能に連結される。このように、鉄骨梁14及び床スラブ18に対して、コンクリート壁110の上端部110A及び下端部110Bを、当該コンクリート壁110の面外方向へ回転可能に連結すると共に、当該コンクリート壁110の面内方向へスライド可能に連結することも可能である。なお、図19に示す構成では、コンクリート壁110の下端部110Bと床スラブ18との間に一つの連結具112を設けたが、コンクリート壁110の下端部110Bに沿って複数の連結具を配置しても良い。また、滑り材48は適宜省略可能である。
なお、上記実施形態で説明したコンクリート壁10は、鉄骨梁14及び床スラブ18の少なくとも一方に対して、当該コンクリート壁10の面外方向に回転可能に連結すると共に、コンクリート壁10の面内方向へスライド可能に連結されていれば良い。従って、例えば、上部水平部材としての鉄骨梁14及び下部水平部材としての床スラブ18の一方にコンクリート壁10を固定しても良いし、上部水平部材としての鉄骨梁14に対して、コンクリート壁10の上部を当該コンクリート壁10の面外方向へ回転可能に連結し、下部水平部材としての床スラブ18に対して、コンクリート壁10の下端部10Bを、当該コンクリート壁10の面外方向へ回転可能に連結すると共に、当該コンクリート壁10の面内方向へスライド可能に連結しても良い。
また、上部水平部材としては、鉄骨梁14、床スラブ102に限らず、小梁でも良い。これと同様に、下部水平部材としては、床スラブ18に限らず、梁、小梁でも良い。従って、例えば、上部水平部材としての鉄骨梁、及び下部水平部材としての鉄骨梁に対して、コンクリート壁10を連結しても良い。
更に、上記実施形態では、上部連結手段としての連結具26、腕部材としての縦腕部材34及び横腕部材36等を溶接で接合したが、ボルトやリベットを用いて接合しても良い。更に、上記実施形態に係るコンクリート壁10、80、110には、軽量コンクリートや、繊維補強コンクリート等を用いても良いし、これらのコンクリートに収縮低減剤、膨張剤等の添加剤を適宜添加しても良い。
以上説明したように、本発明に係る鉄骨造建物は、下部水平部材と、前記下部水平部材の上方に設けられた上部水平部材と、本発明に係るコンクリート壁取付構造により前記下部水平部材と前記上部水平部材に取り付けられたコンクリート壁と、を備えている。これにより、コンクリート壁が発揮する剛性が低減されるため、剛性偏在、偏心を抑制することができる。また、本発明に係るコンクリート壁取付方法は、鉄骨造建物を構成する下部水平部材と該下部水平部材の上方に設けられた上部水平部材とにコンクリート壁を取り付けるコンクリート壁取付方法であって、前記下部水平部材の上にコンクリート壁を設け、該下部水平部材と該コンクリート壁とを面外方向へ回転可能に連結する第1工程と、前記コンクリート壁の上端部の面外方向両側に一対の保持部材を、該コンクリート壁の面内方向へスライド可能に配置する第2工程と、前記上部水平部材から前記コンクリート壁の上端部へ延びる腕部材に前記保持部材を固定する第3工程と、を備えている。また、これに加えて本発明に係るコンクリート壁取付方法は、前記下部水平部材としてコンクリートスラブには連結筋の一端が埋設されており、前記第1工程において、前記コンクリートスラブの上に板材を、該板材に形成された貫通孔に前記連結筋の他端を貫通させて載置し、前記板材の上に現場打ち工法で前記コンクリート壁を構築して該コンクリート壁の下部に前記連結筋の他端部を埋設する。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10 コンクリート壁
14 鉄骨梁(上部水平部材)
18 床スラブ(下部水平部材)
20 板材(下部連結手段)
22 連結筋(下部連結手段)
26 連結具(上部連結手段)
30 保持部材(上部連結手段)
34 縦腕部材(腕部材)
36 横腕部材(腕部材)
44 連結具(上部連結手段)
44B フランジ(保持部材)
52 連結具(上部連結手段)
56 連結プレート(上部連結手段)
64 連結ピン(上部連結手段)
66 縦腕部材(腕部材)
68 固定部材(上部連結手段)
70 長孔(上部連結手段)
72 固定部材(上部連結手段)
74 連結ピン(上部連結手段)
76 長孔(上部連結手段)
80 コンクリート壁
82 固定部材(上部連結手段)
88 長孔(上部連結手段)
90 ボルト(上部連結手段、連結ピン)
96 腕部材(上部連結手段)
100 連結具(上部連結手段)
102 床スラブ(上部水平部材)
110 コンクリート壁
112 連結具(下部連結手段)
C 壁心
矢印X コンクリート壁の面内方向
矢印Y コンクリート壁の面外方向

Claims (6)

  1. 鉄骨造建物を構成する下部水平部材と該下部水平部材の上方に設けられた上部水平部材にコンクリート壁を取り付けるコンクリート壁取付構造であって、
    前記下部水平部材と前記コンクリート壁の下部とを該コンクリート壁の面外方向へ回転可能に連結する下部連結手段と、
    前記上部水平部材と前記コンクリート壁の上部とを該コンクリート壁の面外方向へ回転可能に連結すると共に、該コンクリート壁の面内方向へスライド可能に連結する上部連結手段と、
    を備えるコンクリート壁取付構造。
  2. 前記上部水平部材が、前記コンクリート壁の壁芯上から外れた位置、又は壁芯上に配置され、
    前記上部連結手段が、前記上部水平部材から前記コンクリート壁の上端部へ延びる腕部材に設けられている請求項1に記載のコンクリート壁取付構造。
  3. 前記下部連結手段が、
    前記下部水平部材と前記コンクリート壁の下部との間に配置される板材と、
    前記板材を貫通し、一端部が前記下部水平部材に埋設されると共に、他端部が前記コンクリート壁に埋設される連結筋と、
    を有する請求項1又は請求項2に記載のコンクリート壁取付構造。
  4. 前記上部連結手段が、前記上部水平部材に固定されると共に、前記コンクリート壁の面外方向両側に配置され、該コンクリート壁の上端部を面内方向へスライド可能に保持する一対の保持部材を有する請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のコンクリート壁取付構造。
  5. 前記上部連結手段が、
    前記コンクリート壁の面外方向外側に配置され、上部水平部材及び前記コンクリート壁の何れか一方に固定される固定部材と、
    上部水平部材及び前記コンクリート壁の何れか他方から前記固定部材に向かって突出し、該固定部材に形成され前記コンクリート壁の面内方向へ延びる長孔に貫通される連結ピンと、
    を有する請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のコンクリート壁取付構造。
  6. 鉄骨造建物を構成する下部水平部材と該下部水平部材の上方に設けられた上部水平部材にコンクリート壁を取り付けるコンクリート壁取付構造であって、
    前記コンクリート壁が、前記下部水平部材及び前記上部水平部材の少なくとも一方と面外方向へ回転可能に連結されると共に、該コンクリート壁の面内方向へスライド可能に連結されるコンクリート壁取付構造。
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