JP2001164684A

JP2001164684A - プレキャストコンクリートカーテンウォールの取付方法

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Publication number: JP2001164684A
Application number: JP34915799A
Authority: JP
Inventors: Gen Iwata; 弦岩田; Tetsuo Yamamoto; 哲夫山本; Mitsumasa Kamoto; 満雅嘉本; Teruo Okuizumi; 輝夫奥泉
Original assignee: TECHNO MATERIAL KK; Fujita Corp
Current assignee: TECHNO MATERIAL KK; Fujita Corp
Priority date: 1999-12-08
Filing date: 1999-12-08
Publication date: 2001-06-19

Abstract

(57)【要約】【課題】ＰＣカーテンウォールの厚みを、低、中層建
築物に適うように薄くし、それに合わせて取付を容易に
できるようにすること。【解決手段】ＰＣカーテンウォール２０の背面側上部
に、突片２５ａを水平に突出させて変位取付部材２５と
し、突片２５ａにボルトガイド孔を設ける。梁２７側に
設けたＬ型アングル２８と、突片２５ａとをボルトガイ
ド孔にガイドさせるように挿通したボルト３３で取り付
けし、層間変位すべり吸収取付けを行う。固定取付け
は、根元側をＰＣカーテンウォール４０内に埋設固定さ
せて突出させた支持部材４２の先端に長ナット４３を設
け、この長ナット４３にねじ込み量を調節してボルト４
４を高さ調節可能に通し、梁２７側の取付部材４６に固
定し、その部分をコンクリートで埋設固定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、プレキャストコン
クリートカーテンウォールに関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、低、中層建築物から超高層建築物
まで、その外壁には、パネル状に形成されたプレキャス
トコンクリートカーテンウォール（以下、ＰＣカーテン
ウォールという）が使用されている。

【０００３】略矩形平板状に形成されたＰＣカーテンウ
ォールは、建物の上階部分と、下階部分との間、いわゆ
る層間に対応させた上下位置で、取付金具などを使用し
て取り付けられ建物の外壁部分を形成している。

【０００４】図１１は、ＰＣカーテンウォールの従来の
取付構造を示している。ＰＣカーテンウォール１は、工
場などで型枠にコンクリートを流し込んで製造されてい
る。ＰＣカーテンウォール１の下方内側には、アンカー
２が埋設され、このアンカー２にＬ型アングル３が固定
されている。Ｌ型アングル３の固定に際しては、その垂
直フランジ４ａの背面がアンカー２に溶接され、水平フ
ランジ４ｂがＰＣカーテンウォール１から前方に水平に
突出されている。

【０００５】上記構成のＰＣカーテンウォール１の取付
けに際しては、先ず、図１１に示すように、Ｌ型アング
ル３の水平フランジ４ｂと、建物の外壁形成部分の梁５
に予め設けた取付部材６とを、例えばボルト７ａ、ナッ
ト７ｂとでボルト連結し、さらに溶接（図中、溶接部を
７ｃと表示）して、ＰＣカーテンウォール１の建物の外
壁形成部分への固定取付けを行っている。

【０００６】また、図１２には、ＰＣカーテンウォール
８の取付構造の別の態様を示している。ＰＣカーテンウ
ォール８では、内部に一端側が湾曲したアンカー９が内
在され、湾曲端側がＰＣカーテンウォール８の外表面に
突出させられている。突出させられたアンカー９の突出
部９ａの外表面にはねじが切られ、Ｌ型アングル１０の
一方のフランジ部１０ａに設けた孔に通し、通したこの
突出部９ａをナット固定した上で溶接する。フランジ１
０ａは、両面がすべり材９ｂで挟まれている。

【０００７】さらに、他方のフランジ１０ｂを、建物の
外壁形成部分の梁１１などに予め設けておいた取付部材
１２にボルト連結して固定することにより、ＰＣカーテ
ンウォール８を建物の外壁形成部分に取付けることがで
きる。

【０００８】従来のＰＣカーテンウォールは、上記のよ
うな取付構造によって、建物の層間に固定して取付けさ
れている。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】上記の取付構造では、
Ｌ型アングルとＰＣカーテンウォールとの連結を確保す
るために、例えば、図１１、１２に示すように、Ｌ型ア
ングルと連結させる略台形のアンカー２や、直接Ｌ型ア
ングルと連結させられる一端が湾曲部を介してＬ型に屈
曲させたアンカー９が、ＰＣカーテンウォール内に埋設
されている。

【００１０】アンカー２、９の屈曲部は、いきなり直角
に曲げることはできず、ある程度のアールをとって曲げ
なければならず、かかるアンカー２、９を埋設するＰＣ
カーテンウォールでは、その分厚みが必要となり、ある
限度以下には薄くすることができなかった。例えば、従
来一般に使用されているＰＣカーテンウォールは、約１
７０ｍｍ以上の厚さを有している。

【００１１】また、超高層建築物の外壁に使用するＰＣ
カーテンウォールは、外壁面に当たる風圧あるいは建物
内部での負圧状況が、低、中層建築物レベルとは異なり
大きな値となるため、その点を考慮して厚く形成されて
いる。

【００１２】従来、低、中層建築物では、一般的に、超
高層建築物用に規格されたＰＣカーテンウォールが使用
されている。しかし、低、中層建築物では、一般的に、
外壁面に当たる風圧などは超高層建築物程ではないた
め、超高層建築物用に規格されたＰＣカーテンウォール
の使用は、過剰規格と言える。施工価格などのより一層
の低減が求められている状況では、低、中層建築物に合
わせた規格、すなわち超高層建築物用の厚いＰＣカーテ
ンウォールではなく、それよりも薄い肉厚のＰＣカーテ
ンウォールの使用が合理的である。

【００１３】ＰＣカーテンウォールの厚みは、その重量
にも大きく関係し、揚重機などで吊り上げて施工する取
付け作業の効率を左右する。ＰＣカーテンウォールを薄
くできれば、揚重機の揚重能力の小さいものの使用も可
能となり、また、その取付け構造も重量物の取付け構造
よりも簡易な構造とすることも可能である。

【００１４】本発明の目的は、ＰＣカーテンウォールの
厚みを、低、中層建築物に適うように薄くすることにあ
る。

【００１５】他の本発明の目的は、従来よりも厚みの薄
いＰＣカーテンウォールに適した簡単な取付け技術を提
供することにある。

【００１６】

【課題を解決するための手段】本発明は、プレキャスト
コンクリートカーテンウォールを建物に、横方向の層間
変位すべり吸収取付と、固定取付とで取り付けるプレキ
ャストコンクリートカーテンウォールの取付方法であっ
て、前記横方向の層間変位すべり吸収取付は、プレキャ
ストコンクリートカーテンウォール内壁面に、ボルトガ
イド孔を有する突出部を設け、前記突出部と躯体とを、
前記ボルトガイド孔に沿って移動可能に通したボルトで
取り付けることにより行うことを特徴とする。

【００１７】前記固定取付は、プレキャストコンクリー
トカーテンウォール内の一端は、プレキャストコンクリ
ートカーテンウォールの内部鉄筋に支承されて埋設固定
され、他端側が前記プレキャストコンクリートカーテン
ウォールの内壁面から突出させられた支持部材にねじ込
み量により高さ調節可能なボルトを設けた接合金具によ
り躯体に取り付けることにより行うことを特徴とする。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。

【００１９】図１は、本発明のＰＣカーテンウォールの
取付方法を適用する建物の外壁におけるＰＣカーテンウ
ォールの割り付け状況を示す説明図である。図２（Ａ）
〜（Ｅ）は、本発明のＰＣカーテンウォールの上部平面
図、背面図、下部平面図、側面図、および正面図であ
る。図３は、図２に示すＰＣカーテンウォールの床側へ
の取付構造を示す部分断面図である。

【００２０】ＰＣカーテンウォール２０は、図１に示す
１階（図中、１Ｆと表示）部分の床側と直上階である２
階（図中、２Ｆと表示）の梁側との間、いわゆる層間の
高さｈに合わせた長辺を有する矩形形状に形成されてい
る。工場などで、所定の型枠にコンクリートを流し込む
ことにより製造しておけばよい。

【００２１】ＰＣカーテンウォール２０は、図２に示す
ように、正面２０ａ側は必要な化粧が施された化粧面に
形成され、その背面２０ｂ側が、建物の外壁形成部分に
取り付けられる側となる。ＰＣカーテンウォール２０の
下端面からは、一端側がＰＣカーテンウォール２０内に
埋設固定された鉄筋２１ａが、所定間隔離して突出させ
られて固定取付部材２１に形成されている。なお、図に
示す場合には、鉄筋２１ａ（２１）は、ＰＣカーテンウ
ォール２０の板面補強用の補強鉄筋を兼ねている。

【００２２】上記構成の固定取付部材２１は、図３に示
すように、建物の外壁形成部分の１階の取付基礎２２に
シース管２３ａを埋設して形成した取付穴２３内に挿入
される。固定取付部材２１が挿入された状態で、取付穴
２３内には、例えば、セメントミルクなどのグラウト２
４が充填されて、固定取付部材２１がＰＣカーテンウォ
ール取付基礎２２に固定される。グラウト２４は、ＰＣ
カーテンウォール２０とＰＣカーテンウォール取付基礎
２２との接合間にも設けられている。

【００２３】ＰＣカーテンウォール２０の背面２０ｂ側
には、図２に示すように、横方向の層間変位すべり吸収
取付ができるように、上部取付部として、背面２０ｂか
ら水平方向に突片２５ａが突出されて変位取付部材２５
に形成されている。図２に示す場合には、変位取付部材
２５は、ＰＣカーテンウォール２０の間口方向に所定間
隔離して２個設けられている。それぞれの変位取付部材
２５を構成する突片２５ａは、例えば、鉄板をその一端
側をＰＣカーテンウォール２０内に埋設固定させて、他
端側を板面水平に突出させて形成しておけばよい。

【００２４】突片２５ａには、その板面に、ＰＣカーテ
ンウォール２０の背面２０ｂの板面に平行にボルトガイ
ド孔２６が設けられている。突片２５ａの突出位置は、
ＰＣカーテンウォール２０の下方側を上記取付基礎２２
に固定した状態で、ＰＣカーテンウォール２０を取付け
る建物側の取付位置に対応した位置に設定しておけばよ
い。

【００２５】図４に示す場合には、変位取付部材２５を
構成する突片２５ａは、ＰＣカーテンウォール２０の上
方側を取付ける建物の外壁形成部分の梁２７の側面に対
応させた位置で突出させられている。変位取付部材２５
を使用してＰＣカーテンウォール２０の上方側を層間変
位に合わせて変位可能に取付けるには、図４に示すよう
に、突片２５ａを建物の外壁形成部分の１階の天井側の
梁２７に固定したＬ型アングル２８にボルト連結して行
う。

【００２６】Ｌ型アングル２８は、一方のフランジ２８
ａが梁２７の側面２７ａに設けた取付孔２９にボルト３
０をねじ込み固定されている。水平に張り出した他方の
フランジ２８ｂは、その裏面が、間に座金３１、円滑部
材３２を順に介在させて、突片２５ａの上面に合わせら
れている。この状態で、フランジ２８ｂのボルト挿通孔
側から、座金３１、円滑部材３２を経て、突片２５ａの
ボルトガイド孔２６側にボルト３３を通す。ボルトガイ
ド孔２６側に通したボルト３３は、円滑部材３２、座金
３４を介してナット３５で締めつけられ固定される。か
かる円滑部材３１には、例えば、市販されているテフロ
ン製の薄いサイレントシート（商品名）を使用すればよ
い。

【００２７】このように連結された状態では、突片２５
ａは、その上下両面が、円滑部材３２を介してフランジ
２８ｂに、ボルトガイド孔２６に沿って移動可能に設け
たボルト３３で連結されているため、梁２７の長手方向
に沿って層間変位が発生しても、連結状態のままでボル
ト３３がボルトガイド孔２６にあたかもガイドされるよ
うにして、ＰＣカーテンウォール２０の変位取付部材２
５を設けた側が、梁２７および取付基礎２２に対して相
対変位することができる。

【００２８】このようにして上記構成のＰＣカーテンウ
ォール２０は、建物の１階の床側と直上階側との間の層
間に、下側が固定され、上側が層間変位に応じて変位可
能に取り付けられることとなる。そのため、従来構成の
ＰＣカーテンウォールを使用した取り付け構造とは異な
り、地震などで建物の横方向に層間変位が発生しても、
本発明の構成では、ボルトガイド孔２６の長さに応じた
範囲でＰＣカーテンウォール２０が梁２７に対して略横
方向に相対変位して、横方向の層間変位すべり吸収を行
う。

【００２９】また、上記構成のＰＣカーテンウォール２
０では、内部に補強用の鉄筋を設けてはいるが、従来構
成のようにアンカーを埋設させていないため、５１００
×３０００（ｍｍ）の板面で、その厚みを１６０ｍｍ未
満に、例えば約１２５ｍｍに薄くすることもできる。

【００３０】そのため、重量が格段に軽くなり、揚重能
力の小さい小型の揚重機の使用が可能となり、併せて搬
送も楽になり、その分作業能率の効率化と経費の削減と
が図れる。

【００３１】上記構成のＰＣカーテンウォール２０の層
間変位における剪断耐力の様子を、図５（Ａ）の層せん
断力−層間変形角のグラフで示す。なお、図中、縦軸は
層せん断力Ｑ（非ＳＩ単位では：tonf、ＳＩ単位では、
１tonf≒９．８ｋＮとなる）を示し、横軸は層間変形角
Ｒｔ（単位：×１０^-3rad ）を示している。

【００３２】従来のＰＣカーテンウォールの取付構造の
規格では、層間変形角仕様として１／１５０ｍｍ（大矢
印）で脱落しないことと規定されていたが、グラフに示
すように、脱落限界を１／７５ｍｍ（小矢印）と、すな
わち２倍の変位に対してその脱落安全性を確保すること
ができる。上記構成のＰＣカーテンウォール２０を使用
すれば、従来規格の脱落限界である１／１５０ｍｍで
は、脱落の虞がなく、かつ補修する必要もないことが分
かる。

【００３３】図６には、２階以上の層間部分に使用する
ＰＣカーテンウォール４０の実施の形態を示した。ＰＣ
カーテンウォール４０は、その正面４０ａ側は、上記構
成のＰＣカーテンウォール２０と同様に化粧面に構成さ
れている。背面４０ｂ側には、ＰＣカーテンウォール２
０に設けたと同様の突片２５ａに構成した変位取付部材
２５が設けられている。

【００３４】背面４０ｂの下方には、固定取付部材４１
が間口方向に所定間隔離されて一対設けられている。固
定取付部材４１は、図４、７に示すように、一端側をＰ
Ｃカーテンウォール４０内に埋設させて固定した支持部
材４２の突端側に、長ナット４３を、ボルト４４を鉛直
上下方向にねじ込み調整可能に設けて構成されている。
支持部材４２の一端側は、図９に示すように、ＰＣカー
テンウォール４０内の補強用の鉄筋４０ｃの間に挟むよ
うにして、そのままコンクリート埋設されて確実に固定
されている。

【００３５】かかる構成の固定取付部材４１を使用して
ＰＣカーテンウォール４０を、建物の外壁形成部分側に
固定するに際しては、図４に示すように、ボルト４４を
固定取付部材４１の長ナット４３に下端側が突出するよ
うにねじ込んでおく。

【００３６】一方、梁２７の張出部２７ａに設けた取付
孔４５に、孔４６ａを設けた略矩形平板状の取付部材４
６を埋め込んで設けておく。この取付部材４６の上面
に、取付部材４６より小さい略矩形平板状の位置調整板
４７を載せる。位置調整板４７を載せるに際しては、位
置調整板４７に設けた長孔４７ａと孔４６ａを位置合わ
せしておく。その後、上記ボルト４４の下端側を、位置
調整板４７に設けた孔４７ｂに入れ、必要に応じて、ボ
ルト４４のねじ込み量を調節して、高さ調整を行う。

【００３７】この状態で、位置調整板４７上に座金４８
をのせ、さらに孔４８ａ、長孔４７ａを通して位置合わ
せピン４９を通す。位置合わせピン４９を通した状態
で、位置調整板４７を取付部材４６上を滑らせながら、
位置合わせピン４９を張出部２７ａに設けた取付孔４５
に落ち込ませ、位置決めを行う。その後、位置調整板４
７を取付部材４６に溶接固定する。その後、図４に示す
ように、上記取付範囲を現場打設のコンクリートで固め
てコンクリート固定部Ａを形成する。

【００３８】コンクリート固定部Ａを形成することによ
り、より取付固定を確実に行うことができる。しかし、
十分な強度が得られさえすれば、コンクリート固定を行
わずに、固定取付部材４１の上記取付だけでもよい。ま
た、コンクリート固定部Ａを形成する場合には、固定取
付部材４１を構成する支持部材４２の板厚をコンクリー
ト固定部Ａを形成しない場合に比べて薄くすることがで
きる。

【００３９】ＰＣカーテンウォール４０の下方側は、上
記のように固定取付部材４１により、建物の外壁形成部
分に固定することができる。ＰＣカーテンウォール４０
の上方側は、前記構成の変位取付部材２５が設けられて
いるので、建物の外壁形成部分に層間変位に合わせて変
位可能に取付けることができる。

【００４０】このようにＰＣカーテンウォール４０も、
前記説明のＰＣカーテンウォール２０と同様に、上方側
は変位可能に取り付けられ、下方側は固定して取り付け
られる取付構造を有しているので、地震などにより建物
の層間変位が発生しても、変位取付部材２５のボルトガ
イド孔２６の範囲内で変位を吸収して、ＰＣカーテンウ
ォール４０の破壊を未然に防止することができる。

【００４１】図６（Ｅ）には、図１に示すように、建物
の最上層間側に設けるタイプのＰＣカーテンウォール５
０を示した。ＰＣカーテンウォール５０は、正面５０ａ
側は化粧面に構成され、背面５０ｂには、ＰＣカーテン
ウォール４０の場合と同様に、固定取付部材４１と、変
位取付部材２５が設けられている。ＰＣカーテンウォー
ル４０と異なる点は、縦方向の長さが長く構成され、図
１に示すように、一つの層間を越えて取付できるように
構成されている点である。かかる構成のＰＣカーテンウ
ォール５０の層間変位に対する剪断耐力を、図５（Ｂ）
に示した。ＰＣカーテンウォール２０と同様の結果が得
られている。

【００４２】図８には、前記構成の一対の固定取付部材
４１と、一対の変位取付部材２５を、矩形平板状に形成
したＰＣカーテンウォール５１の背面５１ｂに短辺方向
に所定間隔離して設けた変形例を示した。正面５１ａ側
は、化粧面に構成しておけばよい。かかる構成のＰＣカ
ーテンウォール５１は、図１に示すように、梁を跨いで
取付けることができる。梁を跨いで取付けることによ
り、上下のＰＣカーテンウォール５１同士の間には、窓
形成用の開口部Ｂが設けられることとなる。

【００４３】また、図１０に示すように、板面に窓用開
口部５２を設けた形状のＰＣカーテンウォール５３に形
成してもよい。

【００４４】本発明は前記の形態に限定されるものでは
なく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更してもよ
い。

【００４５】例えば、上記実施の形態では、変位取付部
材、あるいは固定取付部材を２個設けた場合について説
明したが、ＰＣカーテンウォールを取付けるに際して支
障がない範囲で、単数でも、３個以上でもよい。

【００４６】上記実施の形態では、変位取付部材、固定
取付部材のＰＣカーテンウォールの取付位置は、層間方
向にＰＣカーテンウォールの長手方向を合わせて取付け
る際に、上方側位置に変位取付部材を、下方側位置に固
定取付部材を設ける構成について説明したが、層間変位
に対して十分に対応できれば、その変位取付部材と固定
取付部材との上下位置は逆にしてもよい。

【００４７】また、前記説明では、プレキャストコンク
リートカーテンウォールを低、中層建築物に適用した場
合について説明したが、適用する構築物に関しては、な
んらこれに限定する必要はなく、プレキャストコンクリ
ートカーテンウォールを外壁形成部分に設ける構成のも
のであれば適用できる。

【００４８】

【発明の効果】本発明によれば、ＰＣカーテンウォール
の取付に際して、層間方向に沿って一方を固定し、他方
を変位可能に取付けることができ、建物に地震などによ
る層間変位が発生しても、取付けが全て固定される場合
とは異なり、ＰＣカーテンウォールの破壊防止が図れ
る。

【００４９】変位取付部材、固定取付部材が予めＰＣカ
ーテンウォールに設けられているので、現場溶接で設け
るなどの作業が不要となる。その分施工能率の向上が図
れる。併せて、施工価格の低減も推進できる。

【００５０】また、アンカーを設けることなく、変位取
付部材、固定取付部材が直接ＰＣカーテンウォールに設
けられているので、厚みを従来構成のＰＣカーテンウォ
ールの１６０ｍｍよりも薄くすることができる。

【００５１】本発明では、層間変位すべり吸収に関して
は、ボルトガイド孔を設けた突出部をＰＣカーテンウォ
ールに設ける簡単な構成で、変位取付け部材を構成する
ことができる。固定取付けに関しては、一端側をＰＣカ
ーテンウォール内に埋設固定された支持部材に、ねじ込
み量の調節可能なボルトを有する接合金具を設けた固定
取付部材を使用しているので、ＰＣカーテンウォールの
取付け高さの調節を容易に行うことができる。併せて、
かかる接合金具を支持する支持部材を、ＰＣカーテンウ
ォールの内部鉄筋に支承させて埋設固定させているの
で、荷重に対する接合金具の安定性も確保することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】ＰＣカーテンウォールを建物の外壁形成部分に
割当てる様子を示す説明図である。

【図２】（Ａ）〜（Ｅ）は、ＰＣカーテンウォールの上
部平面図、背面図、下部平面図、側面図、および正面図
である。

【図３】図２に示すＰＣカーテンウォールの床側への取
付構造を示す部分断面図である。

【図４】ＰＣカーテンウォールの取付構造を示す断面図
である。

【図５】（Ａ）、（Ｂ）は、それぞれ本発明のＰＣカー
テンウォールの層間変位剪断耐力を示すグラフである。

【図６】（Ａ）〜（Ｄ）は、本発明の別の実施の形態の
ＰＣカーテンウォールの上部平面図、正面図、下部平面
図、側面図をそれぞれ示す。（Ｅ）は、ＰＣカーテンウ
ォールの別の変形例を示す側面図である。

【図７】（Ａ）は、固定取付部材を示す部分拡大図であ
る。（Ｂ）は、固定取付部材をの取付状況を示す分解説
明図である。

【図８】（Ａ）〜（Ｄ）は、本発明の別の実施の形態の
ＰＣカーテンウォールの上部平面図、正面図、下部平面
図、側面図をそれぞれ示す。

【図９】（Ａ）は、固定取付部材の支持部材のＰＣカー
テンウォール内の取付構造を示す部分斜視図であり、
（Ｂ）はその部分断面図である。

【図１０】板面に窓用開口部を設けた構成のＰＣカーテ
ンウォールの構成を示す斜視図である。

【図１１】従来のＰＣカーテンウォールの取付構造を示
す部分断面図である。

【図１２】従来のＰＣカーテンウォールの取付構造を示
す部分断面図である。

【符号の説明】

１ＰＣカーテンウォール２アンカー３Ｌ型アングル４ａ垂直フランジ４ｂ水平フランジ５梁６取付部材７ａボルト７ｂナット７ｃ溶接部８ＰＣカーテンウォール９アンカー９ａ突出部９ｂすべり材１０Ｌ型アングル１１梁１２取付部材２０ＰＣカーテンウォール２０ａ正面２０ｂ背面２１固定取付部材２１ａ鉄筋２２ＰＣカーテンウォール取付基礎２３取付孔２３ａシース管２４グラウト２５変位取付部材２５ａ突片２６ボルトガイド孔２７梁２７ａ張出部２８Ｌ型アングル２８ａフランジ２８ｂフランジ２９取付孔３０ボルト３１座金３２円滑部材３３ボルト３４座金３５ナット４０ＰＣカーテンウォール４０ａ正面４０ｂ背面４０ｃ鉄筋４１固定取付部材４２支持部材４３長ナット４４ボルト４５取付孔４６取付部材４６ａ孔４７位置調整部材４７ａ長孔４７ｂ孔４８座金４８ａ孔４９位置合わせピン５０ＰＣカーテンウォール５１ＰＣカーテンウォール５２窓用開口部５３ＰＣカーテンウォールＡコンクリート固定部Ｂ開口部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者山本哲夫東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目６番15号株式会社フジタ内 (72)発明者嘉本満雅東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目６番15号株式会社フジタ内 (72)発明者奥泉輝夫東京都渋谷区千駄ヶ谷５丁目23番15号株式会社テクノマテリアル内Ｆターム(参考） 2E002 FA04 FB03 JA03 JB09 JB10 MA12 NA01 NB06 PA04 PA08 RA03 RB01 RB04 RB07 SA01 TA01 TA02 UA01 UB04 WA01 XA03 XA16

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】プレキャストコンクリートカーテンウォ
ールを建物に、横方向の層間変位すべり吸収取付と、固
定取付とで取り付けるプレキャストコンクリートカーテ
ンウォールの取付方法であって、前記横方向の層間変位すべり吸収取付は、プレキャスト
コンクリートカーテンウォール内壁面に、ボルトガイド
孔を有する突出部を設け、前記突出部と躯体とを、前記
ボルトガイド孔に沿って移動可能に通したボルトで取り
付けることにより行うことを特徴とするプレキャストコ
ンクリートカーテンウォールの取付方法。
【請求項２】請求項１記載のプレキャストコンクリー
トカーテンウォールの取付方法において、前記固定取付は、プレキャストコンクリートカーテンウ
ォール内の一端は、プレキャストコンクリートカーテン
ウォールの内部鉄筋に支承されて埋設固定され、他端側
が前記プレキャストコンクリートカーテンウォールの内
壁面から突出させられた支持部材にねじ込み量により高
さ調節可能なボルトを設けた接合金具により躯体に取り
付けることにより行うことを特徴とするプレキャストコ
ンクリートカーテンウォールの取付方法。