JP7203619B2 - てん充層形成用袋体およびてん充層形成工法 - Google Patents
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Description
ところで、このような樹脂てん充材を硬化させてそのままてん充層にした場合、硬化したてん充材が上面の軌道スラブや下面のコンクリート路盤と強固に接着される。この場合、硬化したてん充材が周囲と接着することで、強固なスラブ式軌道を形成できるが、てん充層を補修する際には、劣化したてん充材を斫る必要が生じる。この点、てん充材が軌道スラブやコンクリート路盤と強固に接着され過ぎていると、てん充材を斫ることが困難になるという問題があった。
スラブ式軌道において、コンクリート路盤と軌道スラブとの間に位置するてん充層を形成するために用いられるてん充層形成用袋体であって、
前記てん充層の全域に亘って配置され、
てん充材が充填される少なくとも一つの袋体本体から成り、
前記袋体本体は、
前記コンクリート路盤と接する側の面である下面および前記軌道スラブと接する側の面である上面の少なくとも一方の面に形成され、前記てん充材が滲み出す滲出部と、
前記袋体本体の側面、および前記滲出部と同面において前記滲出部の周縁部に形成され、前記てん充材が滲み出さない不滲出部とを有する。
前記袋体本体が、前記てん充材を充填するためのてん充材充填口を少なくとも一つ備える。
これにより、袋体本体に効率よくてん充材を充填することができる。袋体本体が複数のてん充材充填口を備える場合には、てん充材が一つのてん充材充填口に詰まっても他のてん充材充填口からてん充材を注入することができる。
前記袋体本体が、複数のてん充部に区分されて成る。
これにより、複数のてん充部に同時にてん充材を充填することができ、短時間でてん充層を形成することができる。
各々の前記てん充部が、前記てん充材を充填するためのてん充材充填口を少なくとも一つ備える。
これにより、各てん充部に効率よくてん充材を充填することができる。てん充部が複数のてん充材充填口を備える場合には、てん充材が一つのてん充材充填口に詰まっても他のてん充材充填口からてん充材を注入することができる。
前記滲出部が、前記袋体本体の上面に形成されている。
これにより、てん充層形成用袋体と軌道スラブの接着を強固にする一方、てん充層形成用袋体とコンクリート路盤との接着が強固になり過ぎないようにすることで、てん充層形成用袋体と周囲との接着を適度にコントロールできる。よって、既設の軌道スラブを既設のてん充層ごと取り外す際に、てん充層とコンクリート路盤との縁切りがし易くなるため、撤去しきれなかったてん充材の残骸がコンクリート路盤上に残存することを抑制でき、てん充層の補修を容易に行うことができる。
前記てん充材の硬化後の圧縮弾性率が、700N/mm2以上2,700N/mm2以下である。
このように、てん充材が、CAモルタルと同等の圧縮弾性率を有することにより、列車の重量や振動などによって軌道に狂いを生じさせないようにすることができる。
前記袋体本体に、該てん充層形成用袋体を前記てん充層が形成される位置に配置する際に、前記軌道スラブに前記袋体本体を固定する固定具が設けられている。
これにより、てん充層形成用袋体を配置する際に、てん充層形成用袋体が軌道スラブからずれないようにすることができる。
前記袋体本体に、前記コンクリート路盤上に突出形成された円柱状または半割り円柱状の突起部に係合させて位置決めするための位置決部が形成されている。
これにより、コンクリート路盤からずれないようにてん充層形成用袋体を配置することができる。
複数の前記袋体本体から成る。
これにより、たとえば、平面視L字型の袋体本体や平面視コの字型の袋体本体などを複数含んだてん充層形成用袋体を形成することが可能となり、スラブ式軌道が中央に穴の開いている枠型タイプであっても、スラブ式軌道の形状に合わせててん充層形成用袋体を配置することができる。
前記てん充材が、合成樹脂を含有する樹脂てん充材である。
これにより、形成されるてん充層の耐塩水性を向上させることができる。
前記滲出部が、浸透性材料で形成されている。
このような、浸透性材料としては、たとえば不織布素材などが挙げられる。
前記不滲出部が、不浸透性材料で形成されている。
このような、不浸透性材料としては、たとえばタフタ素材などが挙げられる。
上述の前記てん充層形成用袋体を用いたものである。
すなわち、上述の前記てん充層形成用袋体を用いることにより、スラブ式軌道において容易にてん充層を形成することができ、かつ、形成されたてん充層は補修時の縁切りおよび斫りが容易になる。
既設の前記てん充層を既設の前記軌道スラブごと撤去する撤去工程、
前記撤去工程の後、前記コンクリート路盤上に残された既設の前記てん充層の残骸を除去する除去工程、
前記残骸を除去した後に、前記コンクリート路盤上に前記てん充層形成用袋体を配置する袋体配置工程、
前記てん充層形成用袋体が配置された前記コンクリート路盤上の所定の高さに前記軌道スラブを保持する保持工程、
前記軌道スラブが前記所定の高さに保持された状態で前記てん充層形成用袋体に前記てん充材を充填する充填工程
を含む。
このような工程により、てん充層形成用袋体でてん充層を形成しておけば、補修時の縁切りおよび斫りが容易になるため、てん充層の補修を短時間でスムーズに行うことができる。
前記保持工程の後、前記軌道スラブに前記てん充層形成用袋体を固定する固定工程を含む。
これにより、てん充層形成用袋体を配置する際に、てん充層形成用袋体が軌道スラブからずれないようにすることができる。
スラブ式軌道2は、図1に示すように、コンクリート路盤4上に、てん充層6を介して軌道スラブ8を固定し、この軌道スラブ8上に、締結具(図示せず)によって一対の軌道レール10を配設し構成されている。また、軌道スラブ8は、長手方向の両端部に凹部12を備え、コンクリート路盤4上に所定間隔置きに設けられた円柱状の突起部14と、軌道スラブ8の凹部12とが位置合わせされている。この軌道スラブ8は、軌道レール10の敷設方向(レール敷設方向)に連続的に並べて配置されている。
なお、本実施の形態に係る樹脂てん充材としては、出願人が販売する商品名「CUS-LCS2500」(以下、CUS-LCS2500と略す。)を用いるのが好適である。
この状態で、てん充材が硬化することにより、コンクリート路盤4と軌道スラブ8の間にてん充層6が形成される(硬化工程)。
次に、作業者は、隣接する軌道レール10同士を溶接して軌道整正を行った後、作業を撤収する。
4 コンクリート路盤
6 てん充層
8 軌道スラブ
10 軌道レール
12 凹部
14 突起部
16 てん充層形成用袋体
16a 袋体本体
16b てん充部
16c 区画
18 滲出部
20 不滲出部
22 てん充材充填口
24 紐
26 切欠
Claims (15)
- スラブ式軌道において、コンクリート路盤と軌道スラブとの間に位置するてん充層を形成するために用いられるてん充層形成用袋体であって、
前記てん充層の全域に亘って配置され、
てん充材が充填される少なくとも一つの袋体本体から成り、
前記袋体本体は、
前記コンクリート路盤と接する側の面である下面および前記軌道スラブと接する側の面である上面の少なくとも一方の面に形成され、前記てん充材が滲み出す滲出部と、
前記袋体本体の側面、および前記滲出部と同面において前記滲出部の周縁部に形成され、前記てん充材が滲み出さない不滲出部とを有する、てん充層形成用袋体。 - 前記袋体本体は、前記てん充材を充填するためのてん充材充填口を少なくとも一つ備える、請求項1記載のてん充層形成用袋体。
- 前記袋体本体が、複数のてん充部に区分されて成る、請求項2記載のてん充層形成用袋体。
- 各々の前記てん充部は、前記てん充材充填口を少なくとも一つ備える、請求項3記載のてん充層形成用袋体。
- 前記滲出部は、前記袋体本体の上面に形成されている、請求項1~4の何れか一項に記載のてん充層形成用袋体。
- 前記てん充材の硬化後の圧縮弾性率は、700N/mm2以上2,700N/mm2以下である、請求項1~5の何れか一項に記載のてん充層形成用袋体。
- 前記袋体本体には、該てん充層形成用袋体を前記てん充層が形成される位置に配置する際に、前記軌道スラブに前記袋体本体を固定する固定具が設けられている、請求項1~6の何れか一項に記載のてん充層形成用袋体。
- 前記袋体本体には、前記コンクリート路盤上に突出形成された円柱状または半割り円柱状の突起部に係合させて位置決めするための位置決部が形成されている、請求項1~7の何れか一項に記載のてん充層形成用袋体。
- 複数の前記袋体本体から成る、請求項1~8の何れか一項に記載のてん充層形成用袋体。
- 前記てん充材は、合成樹脂を含有する樹脂てん充材である、請求項1~9の何れか一項に記載のてん充層形成用袋体。
- 前記滲出部は、浸透性材料で形成されている、請求項1~10の何れか一項に記載のてん充層形成用袋体。
- 前記不滲出部は、不浸透性材料で形成されている、請求項1~11の何れか一項に記載のてん充層形成用袋体。
- 請求項1~12の何れか一項に記載の前記てん充層形成用袋体を用いたてん充層形成工法。
- 既設の前記てん充層を既設の前記軌道スラブごと撤去する撤去工程、
前記撤去工程の後、前記コンクリート路盤上に残された既設の前記てん充層の残骸を除去する除去工程、
前記残骸を除去した後に、前記コンクリート路盤上に前記てん充層形成用袋体を配置する袋体配置工程、
前記てん充層形成用袋体が配置された前記コンクリート路盤上の所定の高さに前記軌道スラブを保持する保持工程、
前記軌道スラブが前記所定の高さに保持された状態で前記てん充層形成用袋体に前記てん充材を充填する充填工程を含む、請求項13記載のてん充層形成工法。 - 前記保持工程の後、前記軌道スラブに前記てん充層形成用袋体を固定する固定工程を含む、請求項14記載のてん充層形成工法。
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