JP2016029153A - アニオン硬化性化合物用硬化剤、硬化性組成物、及び硬化物 - Google Patents

アニオン硬化性化合物用硬化剤、硬化性組成物、及び硬化物 Download PDF

Info

Publication number
JP2016029153A
JP2016029153A JP2015137032A JP2015137032A JP2016029153A JP 2016029153 A JP2016029153 A JP 2016029153A JP 2015137032 A JP2015137032 A JP 2015137032A JP 2015137032 A JP2015137032 A JP 2015137032A JP 2016029153 A JP2016029153 A JP 2016029153A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbon atoms
imidazole
curing agent
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015137032A
Other languages
English (en)
Inventor
工藤 健二
Kenji Kudo
健二 工藤
成利 川田
Shigetoshi Kawada
成利 川田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd filed Critical Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2015137032A priority Critical patent/JP2016029153A/ja
Publication of JP2016029153A publication Critical patent/JP2016029153A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Epoxy Resins (AREA)

Abstract

【課題】80℃付近の低温領域と150℃付近の高温領域におけるエポキシ樹脂の硬化性能に差があり、150℃付近の高温領域で選択的にエポキシ樹脂の硬化反応を行なうことができ、保存安定性にも優れるアニオン硬化性化合物用硬化剤を提供すること。
【解決手段】下記一般式(1)で示されるイミダゾール系化合物からなるアニオン硬化性化合物用硬化剤、その硬化剤とアニオン硬化性化合物を含む硬化性組成物及びその組成物を硬化させてなる硬化物。
Figure 2016029153

(ここで、式中の各符号は明細書中に記載の通りである。)
【選択図】なし

Description

本発明は、エポキシ化合物やエピスルフィド化合物などのアニオン硬化性化合物を硬化させるためのアニオン硬化性化合物用硬化剤、前記硬化剤とアニオン硬化性化合物を含む硬化性組成物、及び、前記硬化性組成物を硬化させてなる硬化物に関するものである。
従来、エポキシ化合物やエピスルフィド化合物などのアニオン硬化性化合物は、その硬化物が機械的特性、電気的特性、熱的特性、耐薬品性等に優れた性能を有することから、塗料、電気電子用絶縁材料、接着剤等の幅広い用途に用いられており、アニオン硬化性化合物用硬化剤についても、イミダゾール類、アミン類、ジシアンジアミド、酸無水物類、フェノール類、ヒドラジン類、グアニジン類等の種々の硬化剤が広く用いられていた。
これらの中でもイミダゾール類の硬化剤は広い用途に用いられており、例えば、特許文献1では、半導体装置の電子回路部品の封止用途に用いられるエポキシ樹脂の硬化剤(硬化促進剤)として1−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾール等の種々イミダゾール系化合物が使用されており、また、特許文献2では、繊維強化複合材料用途において、強化用繊維材料にエポキシ樹脂組成物を含浸させて得られる所謂プリプレグを形成する際に2−メチルイミダゾール等のイミダゾール系化合物が使用されている。
アニオン硬化性化合物の硬化条件については、その組成や使用される用途により熱環境が大きく異なるものであるため、アニオン硬化性化合物用硬化剤についても、近年、さまざまな温度条件で安定的、効率的に硬化性能を発揮することが求められており、それぞれの用途に適した硬化剤を選択、開発することが重要となっている。
例えば、特許文献1のような電子回路部品の封止用途では、硬化剤は150〜170℃程度の高温領域で硬化性能を示すものが使用されており、特許文献2のような繊維強化複合材料用途では、室温では硬化性能を示さず、80℃以下の温度領域での一次硬化性能、130℃以上の温度領域での二次硬化性能を示す硬化剤が使用されている。
特開2000−68418号公報 特開2003−73456号公報
しかしながら、近年ではエポキシ樹脂の使用用途は多様化してきており、上記特許文献1や特許文献2と同じように130〜170℃付近の高温領域でエポキシ樹脂の硬化が行なわれる場合であっても、60〜100℃付近の低温領域では非硬化性が求められるといった、選択的な硬化性が要求される用途も生じてきている。このような選択的な硬化性が求められる用途では、特許文献1や特許文献2に記載されている1−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾールや、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール系硬化剤は使用することができないものであった。
そこで、本発明では、このような背景下において、80℃前後と150℃前後におけるエポキシ樹脂の硬化性能に差があり、150℃付近で選択的にエポキシ樹脂の硬化反応を行なうことができるアニオン硬化性化合物用硬化剤を提供することを目的とするものである。
しかるに本発明者らは、かかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、下記一般式(1)で示されるイミダゾール系化合物をアニオン硬化性化合物の硬化剤に用いることにより、80℃付近ではアニオン硬化性化合物に対する硬化性能を示さないか、或いは実用的ではないほど硬化速度が遅いが、150℃付近では短時間でアニオン硬化性化合物を硬化させることが可能となることを見出し、さらには、アニオン硬化性化合物を含有させた硬化性組成物の保存安定性にも非常に優れることを見出し、本発明を完成した。
本発明におけるアニオン硬化性化合物用硬化剤は、イミダゾール2位の置換基であるフェニル基のオルト位に酸素原子が結合した置換基を有することにより、イミダゾール環1位の水素原子またはイミダゾール環3位の窒素上のローンペアとの間に水素結合が形成され、これにより、硬化剤の安定性に優れたものとなる。更に、フェニル基の置換基に、電子求引性基を有することにより、イミダゾール環に結合しているフェニル基の炭素の電子密度が低くなり、それに伴い、イミダゾール環の窒素原子の電子密度も小さくなるため、硬化剤自体の反応性が低下し、結果、低温では反応性が低く、硬化に時間がかかるが、高温では優れた反応性を示すものとなり、より選択性に優れたものとなり、更には、硬化性組成物の保存安定性にも優れたものとなると推測される。
すなわち、本発明の要旨は、下記一般式(1)で示されるイミダゾール系化合物からなるアニオン硬化性化合物用硬化剤である。
Figure 2016029153
(ここで、式中、R1及びR2は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基であり、R3は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数7〜20のアラルキル基または炭素数4〜20のヘテロアリールアルキル基である。Xは、イミダゾール環1位の窒素原子上の水素原子、またはイミダゾール環3位の窒素原子と分子内水素結合することが可能な置換基であり、Yは、ハメット置換基定数σp及びσmの少なくとも一方の値が0以上の電子求引性基であり、Zは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、または、2つ以上のYが結合して、単環または縮合環を形成した構造であり、mは1〜4の整数、nは0〜3の整数である。ただし、mとnの和は、1〜4の整数である。)
また、本発明においては、アニオン硬化性化合物用硬化剤と、アニオン硬化性化合物とを含む硬化性組成物、更に、かかる硬化性組成物を硬化させてなる硬化物も提供するものである。
本発明のアニオン硬化性化合物用硬化剤によれば、80℃付近ではアニオン硬化性化合物に対する硬化性能を示さないか、或いは実用的ではないほど硬化速度が遅いが、150℃付近では選択的にアニオン硬化性化合物の硬化反応を行なうことができるものであり、さらには、アニオン硬化性化合物を含有させた硬化性組成物の保存安定性にも優れたものとなる。
以下に本発明を詳細に説明する。なお、本発明において、アニオン硬化性化合物用硬化剤とは、硬化剤として働くもののみならず硬化促進剤(硬化助剤)として働くものも概念として含めるものである。
まず、下記一般式(1)で示されるイミダゾール系化合物(以下、単に「イミダゾール系化合物」と略すことがある。)について説明する。
Figure 2016029153
上記一般式(1)中のR1及びR2はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基である。
炭素数1〜20のアルキル基は、鎖状でも分岐状であってもよく、アルキル基の炭素数としては、好ましくは1〜18、更に好ましくは1〜15、特に好ましくは1〜10である。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、オクチル基等が挙げられる。
炭素数6〜20のアリール基の炭素数としては、好ましくは6〜18、更に好ましくは6〜15であり、単環、または多環式であってもよい。具体的には、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ビフェニル基等が挙げられる。
また、上記アルキル基、ヒドロキシアルキル基、またはアリール基は置換基を有するものであってもよく、置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、ニトロ基等が挙げられ、好ましくは水酸基、若しくはアルコキシ基である。
1及びR2は同一であっても、異なっていてもよいが、本発明においては特に、R1、R2がいずれも水素原子であること、またはR1若しくはR2の一方が水素原子で、他方がアルキル基であることが、容易かつ安価に合成することができる点やイミダゾール化合物の融点が低くなる傾向にある点から好ましい。
上記一般式(1)中のR3は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数7〜20のアラルキル基、または炭素数4〜20のヘテロアリールアルキル基である。
炭素数1〜20のアルキル基は、鎖状でも分岐状であってもよく、アルキル基の炭素数としては、好ましくは1〜18、更に好ましくは1〜15である。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、オクチル基等が挙げられる。
炭素数2〜20のアルケニル基は、鎖状でも分岐状であってもよく、アルケニル基の炭素数としては、好ましくは2〜18、更に好ましくは2〜15である。具体的には、例えば、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、2−ペテニル基、2−ヘキセニル基等が挙げられる。
炭素数7〜20のアラルキル基は、鎖状でも分岐状であってもよく、アラルキル基の炭素数としては、好ましくは7〜18、更に好ましくは7〜15である。具体的には、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。
炭素数4〜20のヘテロアリールアルキル基は、鎖状でも分岐状であってもよく、ヘテロアリールアルキル基の炭素数としては、好ましくは4〜18、更に好ましくは4〜15である。具体的には、例えば、トリアジニルメチル基、トリアジニルエチル基、2−ピリジルメチル基、2−ピリジルエチル基、3−ピリジルメチル基、3−ピリジルエチル基、4−ピリジルメチル基、4−ピリジルエチル基等が挙げられる。
また、上記アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、またはヘテロアリールアルキル基は置換基を有するものであってもよく、置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、エステル基、アリールスルホニル基、アルキルスルホニル基、フェニル基等が挙げられ、好ましくはシアノ基、アルコキシ基、アミノ基、エステル基、フェニル基である。
上記一般式(1)中のXは、イミダゾール環1位の窒素原子上の水素原子、またはイミダゾール環3位の窒素原子と分子内水素結合することが可能な置換基である。なお、イミダゾール環1位の窒素原子上の水素原子とは、R3が水素原子である場合のことである。
具体的には、例えば、水酸基、メルカプト基、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数6〜20のアリールチオ基、炭素数1〜20のアシルアミノ基、炭素数1〜20のアルコキシカルボニルアミノ基、ウレイド基、炭素数1〜20のアルキルウレイド基、または炭素数6〜20のアリールウレイド基などが挙げられる。
炭素数1〜20のアルコキシ基は、鎖状でも分岐状であってもよく、炭素数としては、好ましくは1〜18、更に好ましくは1〜15であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基などが挙げられる。
炭素数6〜20のアリールオキシ基の炭素数としては、好ましくは6〜18、更に好ましくは6〜15である。
炭素数6〜20のアリールチオ基の炭素数としては、好ましくは6〜18、更に好ましくは6〜15である。
炭素数1〜20のアシルアミノ基は、鎖状でも分岐状であってもよく、炭素数としては、好ましくは1〜18、更に好ましくは1〜15である。
炭素数1〜20のアルコキシカルボニルアミノ基は、鎖状でも分岐状であってもよく、炭素数としては、好ましくは1〜18、更に好ましくは1〜15である。
炭素数1〜20のアルキルウレイド基は、鎖状であっても分岐状であってもよく、炭素数としては、好ましくは1〜18、更に好ましくは1〜15である。また、アルキルウレイドは、モノアルキルウレイドでもジアルキルウレイドでもよい。
炭素数6〜20のアリールウレイド基の炭素数としては、好ましくは6〜18、更に好ましくは6〜15である。また、アリールウレイドは、モノアリールウレイドでもジアリールウレイドでもよい。
また、上記アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、ウレイド基、アルキルウレイド基、またはアリールウレイド基は置換基を有するものであってもよく、置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、エステル基、フェニル基である。
本発明においては特に、上記一般式(1)中のXが水酸基、炭素数1〜20のアルコキシ基、ウレイド基、炭素数1〜20のアルキルウレイド基、または炭素数6〜20のアリールウレイド基であることが好ましい。
上記一般式(1)中のYは、ハメット置換基定数σp及びσmの少なくとも一方の値が0以上の電子求引性基である。
電子求引性の指標としては、一般に、ハメット則の置換基定数σm等が知られている。ハメット則は、1935年にルイス・ハメット(Louis Plack Hammett)により、ベンゼン誘導体の反応や平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために提唱された経験則であり、今日にあって、ハメットの置換基定数については、多数の文献に記載されている(例えば、井本稔、仲矢忠雄著、有機反応論、1982、p408等。)。
本発明においては、Yをハメットの置換基定数σp及びσmにより規定し、説明等しているが、これらの置換基は、文献等に記載されている既知の値がある置換基にのみ限定されるという意味ではない。置換基のハメットの置換基定数が文献に記載されておらず、未知の値であったとしても、数多くの文献に記載される、従来公知のハメット則に基づいて測定した場合に、本発明で定義した範囲内(σp及びσmの少なくとも一方が0以上)となる置換基は、本発明の範囲に含むものである。
上記一般式(1)中のYとしては、具体的には、例えば、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、または炭素数1〜20のアシル基などが挙げられる。
炭素数6〜20のアリール基の炭素数としては、好ましくは6〜18、更に好ましくは6〜15であり、単環、または多環式であってもよい。
炭素数1〜20のアルコキシ基は、鎖状でも分岐状であってもよく、炭素数としては、好ましくは1〜18、更に好ましくは1〜15であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基などが挙げられる。
炭素数6〜20のアリールオキシ基の炭素数としては、好ましくは6〜18、更に好ましくは6〜15である。
炭素数1〜20のアシル基の炭素数としては、好ましくは1〜18、更に好ましくは1〜15であり、具体的には、例えば、アセチル基、ベンゾイル基、ピバロイル基などが挙げられる。
また、上記アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、またはアシル基は置換基を有するものであってもよく、置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、エステル基、フェニル基である。
本発明においては特に、上記一般式(1)中のYが水酸基、炭素数1〜20のアルコキシ基、またはハロゲン基であることが好ましい。
Yは、イミダゾール2位の置換基であるフェニル基のオルト位、メタ位、パラ位のいずれの水素原子が置換されたものでもよいが、オルト位以外の水素原子が置換されたものであることが好ましく、更には、メタ位の水素原子が少なくとも置換されたものであることが好ましい。本発明においては特に、メタ位の水素原子が、水酸基または炭素数1〜20のアルコキシ基で置換されたものであることが好ましい。
上記一般式(1)中のZは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数、2〜20のアルケニル基、または炭素数6〜20のアリール基であり、これらは、置換基Xとイミダゾール環1位の窒素原子上の水素原子、もしくはイミダゾール環3位の窒素原子のローンペアとの間の水素結合を阻害しない置換基である。また、2つ以上のZが結合して、単環または縮合環を形成した構造であってもよい。
炭素数1〜20のアルキル基は、鎖状でも分岐状であってもよく、アルキル基の炭素数としては、好ましくは1〜18、更に好ましくは1〜15である。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ウンデシル基等が挙げられる。
炭素数2〜20のアルケニル基は、鎖状であっても分岐状であってもよく、アルケニル基の炭素数としては、好ましくは2〜18、更に好ましくは2〜15である。具体的には、例えば、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、2−ペテニル基、2−ヘキセニル基等が挙げられる。
炭素数6〜20のアリール基の炭素数としては、好ましくは炭素数6〜18、更に好ましくは6〜15である。具体的には、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ビフェニル基等が挙げられる。
2つ以上のZが結合して、単環または縮合環を形成した構造としては、例えば、ナフチル基、アントラセニル基などが挙げられる。
また、上記アルキル基、アルケニル基、およびアリール基は置換基を有するものであってもよく、置換基としては、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、ニトロ基等が挙げられ、好ましくはアルキル基、アルコキシ基である。
上記一般式(1)中のmは、芳香環上の置換基Yの数を示し、1〜4の整数であり、好ましくは1〜2である。また、上記一般式(1)中のnは、芳香環上の置換基Zの数を示し、0〜3の整数であり、好ましくは0〜1である。ただし、mとnの和は、1〜4の整数である。
なお、芳香環上にYおよびZが複数存在する場合には、それぞれのYおよびZは同一であってもよく、あるいは異なっていてもよい。
本発明においては、水素結合形成の点で、R3が水素原子である場合は、上記一般式(1)中のXがアルコキシ基、水酸基であることが好ましく、R3が水素原子以外である場合は、アルコキシ基、水酸基、ウレイド基、または炭素数1〜20のアルキルウレイド基であることが好ましい。
また、本発明においては、Xがイミダゾール3位と水素結合を形成する水素原子を有する基である場合は、R3が水素原子または炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましい。
一般式(1)で示されるイミダゾール系化合物の具体例としては、例えば、2−(2,3−ジヒドロキシフェニル)イミダゾール、2−(2,3−ジヒドロキシフェニル)−4(5)−メチルイミダゾール、2−(2,3−ジヒドロキシフェニル)−4(5)−エチルイミダゾール、2−(2,3−ジヒドロキシフェニル)−4,5−ジメチルイミダゾール、2−(2,3−ジヒドロキシフェニル)−4(5)−フェニルイミダゾール、2−(2,3−ジヒドロキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール、2−(2,5−ジヒドロキシフェニル)イミダゾール、2−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−4(5)−メチルイミダゾール、2−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−4(5)−エチルイミダゾール、2−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−4,5−ジメチルイミダゾール、2−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−4(5)−フェニルイミダゾール、2−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)イミダゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4(5)−メチルイミダゾール、4(5)−エチル−2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)イミダゾール、4,5−ジメチル−2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)イミダゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4(5)−フェニルイミダゾール、4,5−ジフェニル−2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)イミダゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)イミダゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−4(5)−メチルイミダゾール、4(5)−エチル−2−(2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)イミダゾール、4,5−ジメチル−2−(2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)イミダゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−4(5)−フェニルイミダゾール、4,5−ジフェニル−2−(2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)イミダゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−メトキシフェニル)イミダゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−メトキシフェニル)−4(5)−メチルイミダゾール、4(5)−エチル−2−(2−ヒドロキシ−5−メトキシフェニル)イミダゾール、4,5−ジメチル−2−(2−ヒドロキシ−5−メトキシフェニル)イミダゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−メトキシフェニル)−4(5)−フェニルイミダゾール、4,5−ジフェニル−2−(2−ヒドロキシ−5−メトキシフェニル)イミダゾール、2−(2−ヒドロキシ−6−メトキシフェニル)イミダゾール、2−(2−ヒドロキシ−6−メトキシフェニル)−4(5)−メチルイミダゾール、4(5)−エチル−2−(2−ヒドロキシ−6−メトキシフェニル)イミダゾール、4,5−ジメチル−2−(2−ヒドロキシ−6−メトキシフェニル)イミダゾール、2−(2−ヒドロキシ−6−メトキシフェニル)−4(5)−フェニルイミダゾール、4,5−ジフェニル−2−(2−ヒドロキシ−6−メトキシフェニル)イミダゾール、2−(3−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)イミダゾール、2−(3−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−4(5)−メチルイミダゾール、2−(3−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−4(5)−エチルイミダゾール、4,5−ジメチル−2−(3−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)イミダゾール、2−(3−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−4(5)−フェニルイミダゾール、4,5−ジフェニル−2−(3−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)イミダゾール、2−(5−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)イミダゾール、2−(5−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−4(5)−メチルイミダゾール、2−(5−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−4(5)−エチルイミダゾール、4,5−ジメチル−2−(5−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)イミダゾール、2−(5−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−4(5)−フェニルイミダゾール、4,5−ジフェニル−2−(5−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)イミダゾール、2−(4−アリル−2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)イミダゾール、2−(4−アリル−2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−4(5)−メチルイミダゾール、2−(4−アリル−2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−4(5)−エチルイミダゾール、2−(4−アリル−2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−4,5−ジメチルイミダゾール、2−(4−アリル−2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−4(5)−フェニルイミダゾール、2−(4−アリル−2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール、2−(4,6−ジメトキシ−2−ヒドロキシフェニル)イミダゾール、2−(4,6−ジメトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−4(5)−メチルイミダゾール、2−(4,6−ジメトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−4(5)−エチルイミダゾール、2−(4,6−ジメトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−4,5−ジメチルイミダゾール、2−(4,6−ジメトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−4(5)−フェニルイミダゾール、2−(4,6−ジメトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール、2−(2−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)イミダゾール、2−(2−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)−4(5)−メチルイミダゾール、2−(2−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)−4(5)−エチルイミダゾール、2−(2−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)−4,5−ジメチルイミダゾール、2−(2−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)−4(5)−フェニルイミダゾール、2−(2−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール、2−(2−フルオロ−5−メトキシフェニル)イミダゾール、2−(2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−4(5)−メチルイミダゾール、2−(2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−4(5)−エチルイミダゾール、2−(2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−4,5−ジメチルイミダゾール、2−(2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−4(5)−フェニルイミダゾール、2−(2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール、2−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)イミダゾール、2−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−4(5)−メチルイミダゾール、2−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−4(5)−エチルイミダゾール、2−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−4,5−ジメチルイミダゾール、2−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−4(5)−フェニルイミダゾール、2−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール、2−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)イミダゾール、2−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)−4(5)−メチルイミダゾール、2−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)−4(5)−エチルイミダゾール、2−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)−4,5−ジメチルイミダゾール、2−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)−4(5)−フェニルイミダゾール、2−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール、2−(5−ブロモ−2−ヒドロキシフェニル)イミダゾール、2−(5−ブロモ−2−ヒドロキシフェニル)−4(5)−メチルイミダゾール、2−(5−ブロモ−2−ヒドロキシフェニル)−4(5)−エチルイミダゾール、2−(5−ブロモ−2−ヒドロキシフェニル)−4,5−ジメチルイミダゾール、2−(5−ブロモ−2−ヒドロキシフェニル)−4(5)−フェニルイミダゾール、2−(5−ブロモ−2−ヒドロキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール、2−(6−フルオロ−2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)イミダゾール、2−(6−フルオロ−2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−4(5)−メチルイミダゾール、2−(6−フルオロ−2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−4(5)−エチルイミダゾール、2−(6−フルオロ−2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−4,5−ジメチルイミダゾール、2−(6−フルオロ−2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−4(5)−フェニルイミダゾール、2−(6−フルオロ−2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール、2−(1−ヒドロキシナフタレン−2−イル)イミダゾール、2−(1−ヒドロキシナフタレン−2−イル)−4(5)−メチルイミダゾール、2−(1−ヒドロキシナフタレン−2−イル)−4(5)−エチルイミダゾール、4,5−ジメチル−2−(1−ヒドロキシナフタレン−2−イル)イミダゾール、2−(1−ヒドロキシナフタレン−2−イル)−4(5)−フェニルイミダゾール、4,5−ジフェニル−2−(1−ヒドロキシナフタレン−2−イル)イミダゾール、2−(2−ヒドロキシナフタレン−1−イル)イミダゾール、2−(2−ヒドロキシナフタレン−1−イル)−4(5)−メチルイミダゾール、2−(2−ヒドロキシナフタレン−1−イル)−4(5)−エチルイミダゾール、4,5−ジメチル−2−(2−ヒドロキシナフタレン−1−イル)イミダゾール、2−(2−ヒドロキシナフタレン−1−イル)−4(5)−フェニルイミダゾール、4,5−ジフェニル−2−(2−ヒドロキシナフタレン−1−イル)イミダゾール、2−(2,3−ジメトキシフェニル)イミダゾール、2−(2,3−ジメトキシフェニル)−4(5)−メチルイミダゾール、4(5)−エチル−2−(2,3−ジメトキシフェニル)イミダゾール、2−(2,3−ジメトキシフェニル)−4,5−ジメチルイミダゾール、2−(2,3−ジメトキシフェニル)−4(5)−フェニルイミダゾール、2−(2,3−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール、2−(2,4−ジメトキシフェニル)イミダゾール、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4(5)−メチルイミダゾール、4(5)−エチル−2−(2,4−ジメトキシフェニル)イミダゾール、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジメチルイミダゾール、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4(5)−フェニルイミダゾール、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール、2−(2,5−ジメトキシフェニル)イミダゾール、2−(2,5−ジメトキシフェニル)−4(5)−メチルイミダゾール、4(5)−エチル−2−(2,5−ジメトキシフェニル)イミダゾール、2−(2,5−ジメトキシフェニル)−4,5−ジメチルイミダゾール、2−(2,5−ジメトキシフェニル)−4(5)−フェニルイミダゾール、2−(2,5−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール、2−(2,6−ジメトキシフェニル)イミダゾール、2−(2,6−ジメトキシフェニル)−4(5)−メチルイミダゾール、4(5)−エチル−2−(2,6−ジメトキシフェニル)イミダゾール、2−(2,6−ジメトキシフェニル)−4,5−ジメチルイミダゾール、2−(2,6−ジメトキシフェニル)−4(5)−フェニルイミダゾール、2−(2,6−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール、2−(2,4,5−トリメトキシフェニル)イミダゾール、4(5)−メチル−2−(2,4,5−トリメトキシフェニル)イミダゾール、4(5)−エチル−2−(2,4,5−トリメトキシフェニル)イミダゾール、4,5−ジメチル−2−(2,4,5−トリメトキシフェニル)イミダゾール、4(5)−フェニル−2−(2,4,5−トリメトキシフェニル)イミダゾール、4,5−ジフェニル−2−(2,4,5−トリメトキシフェニル)イミダゾール等が挙げられる。
これらの中でも、2−(2,3−ジヒドロキシフェニル)イミダゾール、2−(2,3−ジヒドロキシフェニル)−4(5)−メチルイミダゾール、2−(2,5−ジヒドロキシフェニル)イミダゾール、2−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−4(5)−メチルイミダゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)イミダゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−4(5)−メチルイミダゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−メトキシフェニル)イミダゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−メトキシフェニル)−4(5)−メチルイミダゾール、2−(2−ヒドロキシ−6−メトキシフェニル)イミダゾール、2−(2−ヒドロキシ−6−メトキシフェニル)−4(5)−メチルイミダゾール、2−(3−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)イミダゾール、2−(3−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−4(5)−メチルイミダゾール、2−(5−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)イミダゾール、2−(5−エトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−4(5)−メチルイミダゾール、2−(4−アリル−2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)イミダゾール、2−(4−アリル−2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−4(5)−メチルイミダゾール、2−(4,6−ジメトキシ−2−ヒドロキシフェニル)イミダゾール、2−(4,6−ジメトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−4(5)−メチルイミダゾール、2−(2−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)イミダゾール、2−(2−フルオロ−5−ヒドロキシフェニル)−4(5)−メチルイミダゾール、2−(2−フルオロ−5−メトキシフェニル)イミダゾール、2−(2−フルオロ−5−メトキシフェニル)−4(5)−メチルイミダゾール2−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)イミダゾール、2−(5−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−4(5)−メチルイミダゾール、2−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)イミダゾール、2−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)−4(5)−メチルイミダゾール、2−(5−ブロモ−2−ヒドロキシフェニル)イミダゾール、2−(5−ブロモ−2−ヒドロキシフェニル)−4(5)−メチルイミダゾール、2−(6−フルオロ−2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)イミダゾール、2−(6−フルオロ−2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−4(5)−メチルイミダゾール、2−(1−ヒドロキシナフタレン−2−イル)イミダゾール、2−(1−ヒドロキシナフタレン−2−イル)−4(5)−メチルイミダゾール、2−(2,3−ジメトキシフェニル)イミダゾール、2−(2,3−ジメトキシフェニル)−4(5)−メチルイミダゾール、2−(2,4−ジメトキシフェニル)イミダゾール、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4(5)−メチルイミダゾール、2−(2,5−ジメトキシフェニル)イミダゾール、2−(2,5−ジメトキシフェニル)−4(5)−メチルイミダゾール、2−(2,6−ジメトキシフェニル)イミダゾール、2−(2,6−ジメトキシフェニル)−4(5)−メチルイミダゾール、2−(2,4,5−トリメトキシフェニル)イミダゾール、4(5)−メチル−2−(2,4,5−トリメトキシフェニル)イミダゾール、2−(2−ヒドロキシナフタレン−1−イル)イミダゾール、2−(2−ヒドロキシナフタレン−1−イル)−4(5)−メチルイミダゾールが好ましい。
一般式(1)で示されるイミダゾール系化合物は公知の化合物であり、例えばベンズアルデヒド誘導体とジカルボニル化合物を酢酸アンモニウム存在下アルコール溶媒中で反応させることによって製造することができる(Journal of Combinatorial Chemistry Volume12(1)181頁(2010年)を参照)。
かくして、アニオン硬化性化合物の硬化剤として非常に有用な、一般式(1)で示されるイミダゾール系化合物からなる硬化剤を得ることができる。
本発明の硬化性組成物は、本発明のアニオン硬化性化合物用硬化剤と、硬化対象であるアニオン硬化性化合物とを含む硬化性組成物である。
アニオン硬化性化合物としては、イミダゾールをはじめとする塩基性化合物存在下、重合もしくは架橋反応によって高分子量物質に変換可能な化合物により硬化する化合物であり、例えば、エポキシ化合物又はエピスルフィド化合物が挙げられる。
エポキシ化合物は、平均して一分子内に2個以上のエポキシ基を有するものである。代表的なエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールAD、テトラメチルビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA等のビスフェノール類をグリシジル化したビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン等のその他の2価フェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4−(1−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル)エチリデン)ビスフェノール等のトリスフェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等のテトラキスフェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールAノボラック、臭素化フェノールノボラック、臭素化ビスフェノールAノボラック等をグリシジル化したノボラック型エポキシ樹脂、グリセリンやポリエチレングリコール等の多価アルコールをグリシジル化した脂肪族エーテル型エポキシ樹脂、p−オキシ安息香酸、β−オキシナフトエ酸等のヒドロキシカルボン酸をグリシジル化したエーテルエステル型エポキシ樹脂、フタル酸、テレフタル酸のようなポリカルボン酸をグリシジル化したエステル型エポキシ樹脂、4,4−ジアミノジフェニルメタンやm−アミノフェノール等のアミン化合物のグリシジル化物やトリグリシジルイソシアヌレート等のアミン型エポキシ樹脂、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルー3’、4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等の脂環式エポキサイド等が挙げられる。これらエポキシ化合物の1種または2種以上を混合したものを用いることができる。
また、エピスルフィド化合物は、単官能エピスルフィド化合物、または一分子内に平均して2個以上のエピスルフィド基を有するものである。代表的なエピスルフィド化合物としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールE、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールAD、テトラメチルビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA等のビスフェノール類をチオグリシジル化したビスフェノール型エピスルフィド樹脂、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールE、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールAD、テトラメチルビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA等のビスフェノール類の核水添化物をチオグリシジル化した水素化ビスフェノール型エピスルフィド樹脂、ビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシアントラセン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン等のその他の2価フェノール類をチオグリシジル化したエピスルフィド樹脂、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4−(1−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル)エチリデン)ビスフェノール等のトリスフェノール類をチオグリシジル化したエピスルフィド樹脂、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等のテトラキスフェノール類をチオグリシジル化したエピスルフィド樹脂、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールAノボラック、臭素化フェノールノボラック、臭素化ビスフェノールAノボラック等をチオグリシジル化したノボラック型エピスルフィド樹脂、グリセリンやポリエチレングリコール等の多価アルコールをチオグリシジル化した脂肪族エーテル型エピスルフィド樹脂、p−オキシ安息香酸、β−オキシナフトエ酸等のヒドロキシカルボン酸をチオグリシジル化したエーテルエステル型エピスルフィド樹脂、フタル酸、テレフタル酸のようなポリカルボン酸をチオグリシジル化したエステル型エピスルフィド樹脂、4,4−ジアミノジフェニルメタンやm−アミノフェノール等のアミン化合物のチオグリシジル化物やトリグリシジルイソシアヌレート等のアミン型エピスルフィド樹脂、ジエチレントリアミンやトリエチレンテトラミン等のポリアルキレンポリアミンとアジピン酸等のジカルボン酸とのポリアミドポリアミンのチオグリシジル化物、3,4−エピチオシクロヘキシルメチル−3’,4’−エピチオシクロヘキサンカルボキシレート、ビス−(3,4−エピチオシクロヘキシル)アジペート、1,2−エピチオ−4−ビニルシクロヘキサン等の脂環式エピスルフィド、オルガノポリシロキサンとエピスルフィド樹脂やフェノールノボラック型エピスルフィド樹脂との反応で得られるシリコーン変性エピスルフィド樹脂、チオグリシジルメタクリレートや3,4−エピチオシクロヘキシルメチルメタクリレート、プロピレンスルフィド、シクロヘキサンスルフィド等のエピスルフィド化合物及びその重合体、ビス(2,3−エピチオプロピル)スルフィドやビス(2,3−エピチオプロピルチオ)エタン、ビス(5,6−エピチオ−3−チオヘキサン)スルフィド等のエピスルフィド化合物等が挙げられる。これらエピスルフィド化合物の1種または2種以上を混合したものを用いることができる。
なお、上記エポキシ化合物と上記エピスルフィド化合物とを併用してもよい。
本発明の硬化性組成物は、アニオン硬化性化合物100重量部に対して、本発明の硬化剤を通常0.1〜50重量部、好ましくは0.2〜45重量部、特に好ましくは0.3〜40重量部含有するものである。硬化剤の含有量が多すぎると、硬化物の物性が低下する傾向があり、少なすぎると硬化反応が進行し難くなる傾向がある。
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて希釈剤、可撓性付与剤、シラン系カップリング剤、消泡剤、レベリング剤、補強剤、充填剤、難燃剤、着色剤、顔料、染料・BR>凾フ各種添加剤を配合することができる。
上記希釈剤としては、例えば、n−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、スチレンオキシド、α−ピネンオキシド、メタクリル酸グリシジル、1−ビニル−3,4−エポキシシクロヘキサンなどの反応性希釈剤や、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、メタノール、イソプロパノール、メチルセロソルブ、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの非反応性希釈剤などが挙げられる。
上記可撓性付与剤としては、例えば、ジオクチルフタレートやジイソプロピルフタレートなどのフタル酸エステルやポリプロピレングリコールなどが挙げられる。
上記シラン系カップリング剤としては、例えば、イミダゾール系シランカップリング剤、アミン系シランカプリング剤、メルカプト系シランカップリング剤などが挙げられる。
上記消泡剤としては、例えば、アルコール消泡剤、金属石鹸消泡剤、リン酸エステル消泡剤、脂肪酸エステル消泡剤、ポリエーテル消泡剤、シリコーン消泡剤、フッ素系消泡剤、鉱物油消泡剤、アクリル系消泡剤などが挙げられる。
上記レベリング剤としては、例えば、アクリル系レベリング剤、シリコーン系レベリング剤などが挙げられる。
上記補強剤、及び充填剤としては、例えば、酸化アルミニウムや酸化マグネシウム等の金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の金属炭酸塩、ケイソウ土粉、塩基性ケイ酸マグネシウム、焼成クレイ、微粉末シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ等のケイ素化合物、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物などの粉末状材料や、ガラス繊維、セラミック繊維、カーボンファイバー、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維、ボロン繊維、ポリエステル繊維等の繊維質材料などが挙げられる。
上記難燃剤としては、例えば、テトラブロモビスフェノールA、トリブロモフェノール、ヘキサブロモベンゼン等のハロゲン化合物、トリフェニルホスフェート、ポリリン酸塩等のリン化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等のアンチモン系化合物などが挙げられる。
上記着色剤、顔料、及び染料としては、例えば、二酸化チタン、鉄黒、モリブデン赤、紺青、群青、カドミウム黄、カドミウム赤、三酸化アンチモン、赤燐などが挙げられる。
本発明のアニオン硬化性化合物用硬化剤は、単独で用いることもできるし、アミン類、ポリアミン類、ヒドラジン類、酸無水物、ジシアンジアミド、オニウム塩類、ポリチオール類、フェノール類、ケチミン等の一般的に使用されている硬化剤と併用することもできる。また、公知ないし一般のアニオン硬化性化合物用硬化促進剤(硬化助剤)を併用することも可能である。また、本発明のアニオン硬化性化合物用硬化剤は、上記公知一般の硬化剤と併用して、硬化性能を触媒的に促進させるために用いることができる。
本発明のアニオン硬化性化合物用硬化剤とアニオン硬化性化合物とを混合する方法としては、例えば、所定量の硬化剤とアニオン硬化性化合物を含む硬化性組成物を、ロール混練機、ニーダー、または押出機等を用いて混練する。
かくして本発明において、一般式(1)で示されるイミダゾール系化合物からなるアニオン硬化性化合物用硬化剤とアニオン硬化性化合物を含有する硬化性組成物を得ることができ、上記硬化性組成物を硬化することにより硬化物を得ることができる。
硬化方法としては、例えば、上記硬化性組成物を加熱することにより、アニオン硬化性化合物の硬化物を得ることができる。加熱条件としては、アニオン硬化性化合物の種類、硬化剤の種類、添加剤の種類、各成分の配合量などを考慮し、加熱温度、加熱時間を適宜選択することができる。一般的には、加熱温度は100〜300℃であり、本発明においては、特には100〜280℃、更には、100〜250℃であることがアニオン硬化性組成物の硬化物特性が良くなる点で好ましく、加熱時間は、通常0.01〜1800分、特には0.02〜900分、更には0.02〜120分であることが生産性の面で好ましい。
本発明のイミダゾール系化合物からなるアニオン硬化性化合物用硬化剤は温度選択的な硬化性能を有し、その硬化剤を含有する硬化性組成物は保存安定性に優れるものである。
さらにその硬化物は、耐熱性や寸法安定性、接着性、絶縁性等の特性が得られるものであることから、例えば、導電性接着剤、リレー用接着剤、チップ部品用接着剤等の接着剤、接着シート、接着フィルム、半導体等の電子部材用液状封止剤、導電性ペースト、絶縁性ペースト、アンダーフィル材、プリプレグ、絶縁ワニス、含浸ワニス等の電子材料の構成部材や、塗料または印刷インキ、有機ELやLEDの封止用シール剤及び接着剤、カラーフィルター、有機EL等の光取出し層及び光取出しフィルム、ディスプレイ基板、フレキシブルディスプレイ基板、フレキシブルディスプレイ用フィルム、半導体装置、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光回路、光回路部品、反射防止膜、ホログラム等の光学部材又は建築材料の構成部材として広く用いられ、これにより、プリント基板、プリント配線板、リレー材料、半導体装置、自動車や航空機等の各種パーツ、印刷物、透明封止剤、カラーフィルター、ディスプレイ基板、ディスプレイ用フィルム、半導体装置、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光回路、光回路部品、反射防止膜、ホログラムなどの電子部材、光学部材または建築部材等が提供される。また、硬化物として形成されたパターン等は、耐熱性や絶縁性を備え、例えば、透明封止剤、カラーフィルター、ディスプレイ基板、フレキシブルディスプレイ基板、フレキシブルディスプレイ用フィルム、電子部品、半導体装置、層間絶縁膜、配線被覆膜、光回路、光回路部品、反射防止膜、その他の光学部材または電子部材として有利に使用することができる。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
<合成例1>
『2−(2,5−ジメトキシフェニル)イミダゾールの合成』
2,5−ジメトキシベンズアルデヒド 16.6g(0.10mol)、40%グリオキザール水溶液13.1g(0.09mol)をメタノール300mlに入れ、酢酸アンモニウム48.6g(0.63mol)を投入し、室温で2時間攪拌した。反応後メタノールを溜去し、水90ml、酢酸エチル150mlを加えた後、攪拌しながら、発泡の無くなくなるまで飽和重曹水を加えた。水層を分離し、食塩を加え塩析し、粗結晶をろ過した。粗結晶を水に溶かし、水酸化ナトリウムでpH9に調整し、析出した結晶をろ過し乾燥させ、2−(2,5−ジメトキシフェニル)イミダゾール6.9gを得た。収率は38%であった。
<合成例2>
『2−(2−ヒドロキシ−5−メトキシフェニル)イミダゾールの合成』
2−ヒドロキシ−5−メトキシベンズアルデヒド21.3g(0.14mol)、40%グリオキザール水溶液17.4g(0.12mol)をメタノール400mlに溶解し、酢酸アンモニウム64.8g(0.84mol)を投入し、室温で2時間攪拌した。反応後メタノールを溜去し、水120ml、酢酸エチル150mlを加えた後、攪拌しながら、発泡の無くなくなるまで飽和重曹水を加えた。有機層を分離し、酢酸エチルを溜去した。得られた濃縮物に、酢酸エチルを加え加熱還流し完溶させ、ヘキサンを加え室温に戻した。析出した結晶をろ過し乾燥させ、2−(2−ヒドロキシ−5−メトキシフェニル)イミダゾール5.6gを得た。収率は25%であった。
<合成例3>
『2−(2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)イミダゾールの合成』
合成例2の2−ヒドロキシ−5−メトキベンズアルデヒドのかわりにo−バニリンに変更し、同様の合成を実施したところ2−(2−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)イミダゾール4.1gを得た。収率は18%であった。
<合成例4>
『2−(4−メトキシフェニル)イミダゾールの製造』
p−アニスアルデヒド9.8g(0.07mol)、40%グリオキザール水溶液8.7g(0.06mol)をメタノール200mlに溶解し、酢酸アンモニウム32.4g(0.42mol)を投入し、室温で2時間攪拌した。反応後メタノールを溜去し、水60ml、酢酸エチル150mlを加えた後、攪拌しながら、発泡の無くなくなるまで飽和重曹水を加えた。有機層を分離し、酢酸エチルを溜去した。得られた濃縮物に、酢酸エチルを加え加熱還流し完溶させ、ヘキサンを加え室温に戻した。析出した結晶をろ過し乾燥させ、2−(4−メトキシフェニル)イミダゾール2.1gを得た。収率は19%であった。
<合成例5>
『2−(2,4−ジメトキシフェニル)イミダゾールの製造』
製造例1の2,5−ジメトキベンズアルデヒドを2,4−ジメトキベンズアルデヒドに変更し、同様の合成を実施したところ2−(2,4−ジメトキシフェニル)イミダゾール5.9gを得た。収率は32%であった。
<実施例1〜3及び比較例1〜3>
合成例1〜3で得られた各化合物を実施例1〜3の硬化剤とし、2−フェニルイミダゾール及び上記合成例4,5で得られた化合物を比較例1〜3の硬化剤として、下記の方法に従って保存安定性試験及び硬化性試験を行った。評価結果を表1に示す。
〔保存安定性試験(ポットライフ試験)〕
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:jER828、三菱化学製)に対し、実施例1〜3及び比較例1〜3の硬化剤を添加し、混合することでエポキシ樹脂組成物を調製した。なお、実施例及び比較例の硬化剤の添加量は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂100部に対し5部である。
これら組成物を密閉可能な150mLガラス容器に仕込み、23℃におけるポットライフ試験を実施した。粘度はブルックフィールド粘度計で測定し、調製直後の組成物の初期粘度に対して2倍の粘度になるまでに要した時間をポットライフ値とし、以下のように評価した。
◎・・・5日以上
○・・・2日以上〜5日未満
×・・・2日未満
〔硬化性試験〕
常温において、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:jER828、三菱化学製)100部に対し、実施例1〜3及び比較例1〜3の硬化剤を5部添加し、三本ロールミルで混合することで硬化性組成物を調製した。
ついで、得られた硬化性組成物2gを用い、ゲルタイムテスター(安田精機製作所製)により、200℃および150℃におけるゲルタイム(硬化時間:ローターのトルクが約3.3Kg・cmに達するまでに要する時間)を測定し、以下のように評価した。
(80℃ゲルタイム)
◎・・・30分未満
○・・・30分以上〜1時間未満
×・・・1時間以上
(150℃ゲルタイム)
○・・・5分未満
×・・・5分以上
Figure 2016029153
上記試験結果より、実施例1〜3に記載の硬化剤は、80℃においてはエポキシ樹脂に対して硬化性能を示さないものの、150℃において比較例1〜3と同等に良好な硬化性能を有するものであった。すなわち、実施例1〜3に記載の硬化剤は、150℃付近でのみエポキシ樹脂を硬化させる温度選択的硬化性能があることがわかる。
一方、比較例1および2の硬化剤は、150℃において良好な硬化性能を有するものの、80℃においても30分足らずで硬化性を示すものであり、硬化性能における150℃での選択性は実施例1〜3よりも劣るものであった。また、比較例3の硬化剤は、150℃において良好な硬化性能を有するものの、80℃においても1時間足らずで硬化性を示すものであり、硬化性能における150℃での選択性は実施例1〜3よりも劣るものであった。
さらに、実施例1〜3に記載の化合物は、ポットライフ値が非常に長く、非常に優れた保存安定性を有する硬化剤であることが分かる。
本発明のアニオン硬化性化合物用硬化剤は、80℃前後と150℃前後におけるアニオン硬化性化合物に対する硬化性能に差があり、150℃付近で選択的にアニオン硬化性化合物の硬化反応を行なうことができる。したがって、プリプレグ(特には、繊維強化複合材料のマトリックス樹脂、プリント回路板や銅張積層板などの熱硬化性樹脂を含有する積層板に使用するプリプレグ)等の幅広い用途において、温度選択的な硬化性が求められる場合に、本発明のアニオン硬化性化合物用硬化剤は有用なものである。さらに、保存安定性にも優れるため、取り扱いに優れたものである。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で示されるイミダゾール系化合物からなることを特徴とするアニオン硬化性化合物用硬化剤。
    Figure 2016029153
    (ここで、式中、R1及びR2は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基であり、R3は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数7〜20のアラルキル基または炭素数4〜20のヘテロアリールアルキル基である。Xは、イミダゾール環1位の窒素原子上の水素原子、またはイミダゾール環3位の窒素原子と分子内水素結合することが可能な置換基であり、Yは、ハメット置換基定数σp及びσmの少なくとも一方の値が0以上の電子求引性基であり、Zは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数6〜20のアリール基、または、2つ以上のYが結合して、単環または縮合環を形成した構造であり、mは1〜4の整数、nは0〜3の整数である。ただし、mとnの和は、1〜4の整数である。)
  2. 一般式(1)中のXが、水酸基、メルカプト基、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数6〜20のアリールチオ基、炭素数1〜20のアシルアミノ基、炭素数1〜20のアルコキシカルボニルアミノ基、ウレイド基、炭素数1〜20のアルキルウレイド基、または炭素数6〜20のアリールウレイド基であることを特徴とする請求項1記載のアニオン硬化性化合物用硬化剤。
  3. 一般式(1)中のYが、水酸基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数1〜20のアシル基であることを特徴とする請求項1または2記載のアニオン硬化性化合物用硬化剤。
  4. 一般式(1)中のXが、水酸基または炭素数1〜20のアルコキシ基であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のアニオン硬化性化合物用硬化剤。
  5. 一般式(1)中のYが、水酸基または炭素数1〜20のアルコキシ基であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のアニオン硬化性化合物用硬化剤。
  6. 請求項1〜5いずれか記載のアニオン硬化性化合物用硬化剤と、アニオン硬化性化合物とを含むことを特徴とする硬化性組成物。
  7. アニオン硬化性化合物がエポキシ化合物またはエピスルフィド化合物であることを特徴とする請求項6記載の硬化性組成物。
  8. 請求項6又は7記載の硬化性組成物を硬化させてなることを特徴とする硬化物。
JP2015137032A 2014-07-24 2015-07-08 アニオン硬化性化合物用硬化剤、硬化性組成物、及び硬化物 Pending JP2016029153A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015137032A JP2016029153A (ja) 2014-07-24 2015-07-08 アニオン硬化性化合物用硬化剤、硬化性組成物、及び硬化物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014150734 2014-07-24
JP2014150734 2014-07-24
JP2015137032A JP2016029153A (ja) 2014-07-24 2015-07-08 アニオン硬化性化合物用硬化剤、硬化性組成物、及び硬化物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016029153A true JP2016029153A (ja) 2016-03-03

Family

ID=55435180

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015137032A Pending JP2016029153A (ja) 2014-07-24 2015-07-08 アニオン硬化性化合物用硬化剤、硬化性組成物、及び硬化物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016029153A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019203572A1 (ko) * 2018-04-17 2019-10-24 주식회사 엘지화학 반도체 회로 접속용 접착제 조성물 및 이를 포함한 접착 필름
KR20190121252A (ko) * 2018-04-17 2019-10-25 주식회사 엘지화학 반도체 회로 접속용 접착제 조성물 및 이를 포함한 접착 필름
JP2020164558A (ja) * 2019-03-28 2020-10-08 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 エポキシ樹脂組成物、繊維強化複合材料および成形体
US11958811B1 (en) 2023-10-27 2024-04-16 King Faisal University 1-[4,5-bis(4-bromophenyl)-1-hexyl-1H-imidazol-2-yl]-2-naphthol as an antimicrobial compound

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09176614A (ja) * 1995-12-25 1997-07-08 Japan Carlit Co Ltd:The 紫外線吸収剤
JP2004277386A (ja) * 2003-03-19 2004-10-07 Shikoku Chem Corp 2−(ジクロロフェニル)−4−メチル−5−フェニルイミダゾール化合物
JP2004300137A (ja) * 2003-03-19 2004-10-28 Shikoku Chem Corp 2−(ジクロロフェニル)−4−フェニルイミダゾール化合物
JP2010150200A (ja) * 2008-12-25 2010-07-08 Tosoh Corp イミダゾール化合物およびその製造方法
JP2014156412A (ja) * 2013-02-15 2014-08-28 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd 蛍光材料、蛍光性樹脂組成物および化合物

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09176614A (ja) * 1995-12-25 1997-07-08 Japan Carlit Co Ltd:The 紫外線吸収剤
JP2004277386A (ja) * 2003-03-19 2004-10-07 Shikoku Chem Corp 2−(ジクロロフェニル)−4−メチル−5−フェニルイミダゾール化合物
JP2004300137A (ja) * 2003-03-19 2004-10-28 Shikoku Chem Corp 2−(ジクロロフェニル)−4−フェニルイミダゾール化合物
JP2010150200A (ja) * 2008-12-25 2010-07-08 Tosoh Corp イミダゾール化合物およびその製造方法
JP2014156412A (ja) * 2013-02-15 2014-08-28 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd 蛍光材料、蛍光性樹脂組成物および化合物

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019203572A1 (ko) * 2018-04-17 2019-10-24 주식회사 엘지화학 반도체 회로 접속용 접착제 조성물 및 이를 포함한 접착 필름
KR20190121252A (ko) * 2018-04-17 2019-10-25 주식회사 엘지화학 반도체 회로 접속용 접착제 조성물 및 이를 포함한 접착 필름
KR102204964B1 (ko) 2018-04-17 2021-01-19 주식회사 엘지화학 반도체 회로 접속용 접착제 조성물 및 이를 포함한 접착 필름
US11834415B2 (en) 2018-04-17 2023-12-05 Lg Chem, Ltd. Adhesive composition for semiconductor circuit connection and adhesive film including the same
JP2020164558A (ja) * 2019-03-28 2020-10-08 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 エポキシ樹脂組成物、繊維強化複合材料および成形体
JP7235561B2 (ja) 2019-03-28 2023-03-08 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 エポキシ樹脂組成物、繊維強化複合材料および成形体
US11958811B1 (en) 2023-10-27 2024-04-16 King Faisal University 1-[4,5-bis(4-bromophenyl)-1-hexyl-1H-imidazol-2-yl]-2-naphthol as an antimicrobial compound

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102048969B1 (ko) 음이온 경화성 화합물용 경화제, 경화성 조성물, 경화물 및 신규 이미다졸계 화합물과 그 사용
TWI786271B (zh) 含磷之苯氧基樹脂、含磷之苯氧基樹脂的樹脂組成物、及硬化物
WO2010113784A1 (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及び硬化物
JP2016029153A (ja) アニオン硬化性化合物用硬化剤、硬化性組成物、及び硬化物
JP2001064340A (ja) 4,4’−ビフェニルジイルジメチレン−フェノール樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP2016029152A (ja) アニオン硬化性化合物用硬化剤、硬化性組成物、及び硬化物
JP6025800B2 (ja) 新規イミダゾール系化合物
WO2021172319A1 (ja) 硬化性樹脂、硬化性樹脂組成物、硬化物、電子デバイス、積層板材料、電子部品封止材および硬化性樹脂の製造方法
JP2010163540A (ja) エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP2006306778A (ja) 新規化合物およびそれを用いた硬化性樹脂組成物
JP3565831B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物
JP2008195843A (ja) フェノール樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、およびその硬化物
KR102047682B1 (ko) 에폭시 수지 혼합물, 에폭시 수지 조성물 및 그 경화물
JP2000178329A (ja) ナフトール樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP2010241988A (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
KR20200075840A (ko) 에폭시·옥세탄 화합물, 그의 합성 방법 및 당해 화합물의 이용
JP5093904B2 (ja) エポキシ樹脂およびその製造法
CN103102471A (zh) 含磷酚醛树脂及其制造方法、该树脂组合物、固化物
JP5857844B2 (ja) エポキシ化合物
JP2010248398A (ja) エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび硬化物
JPH06145293A (ja) 新規エポキシ樹脂
JP6774310B2 (ja) アニオン硬化性化合物用硬化剤、硬化性組成物、硬化物、および新規なイミダゾール系化合物
JP5435696B2 (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP6705262B2 (ja) アニオン硬化性化合物用硬化剤、硬化性組成物、および硬化物
JP2002187933A (ja) 変性エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180618

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190308

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190320

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20190424

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190924