JP2016026368A - 熱アシスト磁気記録媒体及び磁気記憶装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な(001)配向を有し、かつ、規則度が高いL10型のFePt合金、もしくはCoPt合金からなる磁性層を有する熱アシスト記録媒体が実現し、これを用いたエラーレートの低い磁気記憶装置を提供する。【解決手段】基板と、該基板上に形成された複数の下地層と、L10構造を有する合金を主成分とする磁性層からなる磁気記録媒体において、該複数の下地層が、NiO下地層と、該NiO下地層に(100)配向をとらせるための配向制御層を含むからなる下地層であることを特徴とする磁気記録媒体を用いる。【選択図】図1

Description

本発明は熱アシスト磁気記録媒体、及びそれを用いた磁気記憶装置に関する。
媒体に近接場光等を照射して表面を局所的に加熱し、媒体の保磁力を低下させて書き込みを行う熱アシスト記録は、1Tbit/inchクラスの面記録密度を実現できる次世代記録方式として注目されている。熱アシスト記録媒体としては、磁性層に、L1型結晶構造を有するFePt合金や、同じくL1型結晶構造を有するCoPt合金を用いた媒体が用いられる。上記L1型結晶構造を有する規則合金は、10J/m台の高い結晶磁気異方性Kuを有するため、熱安定性を維持したまま、磁性粒径を6nm程度以下まで微細化できる。これにより、熱安定性を維持したまま、媒体ノイズを大幅に低減できる。
高い垂直磁気異方性を有する熱アシスト記録媒体を得るには、磁性層に用いられるL1型規則合金は良好な(001)配向をとっている必要がある。これを実現するには、下地層に適切な材料を用いる必要がある。例えば、特許文献1にはMgO下地層を用いることによって、L1型結晶構造を有するFePt磁性層が(001)配向を示すことが示されている。MgOはNaCl構造をとり、格子定数は0.421nmと、L1構造のFePt合金のa軸長と近い。このため、(100)配向したMgO下地層上にFePt磁性層を形成することにより、該磁性層に(001)配向をとらせることができる。
また、非特許文献1には、TiN下地層を用いることにより、FePt磁性層が(001)配向を示すことが記載されている。TiNもMgO同様、NaCl構造をとり、格子定数もMgOと近い。このため、MgOの場合と同様、FePt磁性層に(001)配向をとらせることができる。更に非特許文献2には、RuAl下地層上に1nm程度の薄いPtを介してFePt磁性層を形成することにより、該磁性層が(001)配向を示すことが記載されている。
また、特許文献2には、L1構造をとるFePt合金磁性層の下にNiO層を設けることが記載されている。特許文献3にも、L1型FePt磁性層の下地層としてNiO層を使用できることが開示されている。
特開平11−353648号公報 特開2003−85738号公報 特開2006−252594号公報
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磁性層を構成するL1型FePt合金の規則度を高め、かつ良好な(001)配向をとらせることが、高い保磁力と、高い媒体SNRを有する熱アシスト記録媒体を得る上で重要な課題である。上記課題は、MgO下地層、もしくはTiN下地層を用いることによってある程度は改善できるが、依然として不十分である。
ここで、特許文献2で開示されているNiO下地層上に形成されたFePt合金は、3次元ランダムな磁気異方性を示すことが記載されている。これは、NiO下地層の(100)配向が十分でないことを示している。また、特許文献3に記載されているNiO下地層についても、配向制御に関する記述はみられない。FePt合金のL1規則度、(001)配向性を更に高めるには、下地層の(100)配向度を高めることが重要である。
上記課題は、基板と、該基板上に形成された複数の下地層と、L1構造を有する合金を主成分とする磁性層からなる磁気記録媒体において、該複数の下地層が、NiO下地層と、該NiO下地層に(100)配向をとらせるための配向制御層を含むことを特徴とする磁気記録媒体を用いることによって解決できる。すなわち本願発明は下記の発明に関する。
(1)基板と、該基板上に形成された複数の下地層と、L1構造を有する合金を主成分とする磁性層からなる磁気記録媒体において、該複数の下地層が、NiO下地層と、該NiO下地層に(100)配向をとらせるための配向制御層を含むことを特徴とする磁気記録媒体。
(2)前記配向制御層が、B2構造を有するNiAl、もしくはRuAlからなる下地層であることを特徴とする(1)に記載の磁気記録媒体。
(3)前記配向制御層が、Cr、もしくはCrを主成分とし、Ti、V、Mo、W、Mn、Ruのうちの少なくとも1種類を含有したBCC構造の合金からなる下地層であることを特徴とする(1)に記載の磁気記録媒体。
(4)前記配向制御層が、NaCl構造を有するTiN、TiC、もしくはMgO下地層であることを特徴とする(1)に記載の磁気記録媒体。
(5)前記磁性層が、L1構造を有するFePt、もしくはCoPt合金を主成分とし、かつ、SiO、TiO、Cr、Al、Ta、ZrO、Y、CeO、MnO、TiO、ZnO、Cから選択される少なくとも一種類の酸化物、もしくは元素を含有していることを特徴とする(1)乃至(4)の何れか1項に記載の磁気記録媒体。
(6)磁気記録媒体と、該磁気記録媒体を回転させるための駆動部と、該磁気記録媒体を加熱するためのレーザー発生部と、該レーザー発生部から発生したレーザー光をヘッド先端まで導く導波路と、ヘッド先端に取り付けられた近接場光発生部を備えた磁気ヘッドと、該磁気ヘッドを移動させるための駆動部と、記録再生信号処理系から構成さる磁気記憶装置において、該磁気記録媒体が(1)乃至(5)の何れか1項に記載の磁気記録媒体であることを特徴とする磁気記憶装置。
本発明により、良好な(001)配向を有し、かつ、規則度が高いL1型のFePt合金、もしくはCoPt合金からなる磁性層が得られる。これにより、良好なSNRを示す熱アシスト記録媒体が実現され、これを用いた磁気記憶装置を提供することができる。
本発明の磁気記録媒体の層構成の一例を表す図 本発明の磁気記録媒体の層構成の一例を表す図 本発明の磁気記録媒体の層構成の一例を表す図 本発明の磁気記録媒体の層構成の一例を表す図 本発明の磁気ヘッドを表す図 本発明の磁気記憶装置の傾視図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本願発明の磁気記録媒体は、基板と、基板上に形成された複数の下地層と、L1構造を有する合金を主成分とする磁性層からなる磁気記録媒体であって、複数の下地層は、NiO下地層と、NiO下地層に(100)配向をとらせるための配向制御層を含むことを特徴とする。図1に本発明の磁気記録媒体の実施形態の一例を示す。本実施形態では、ガラス基板101上に、第一の下地層102、第二の下地層103、NiO下地層104、磁性層105、DLC保護膜106が順次形成されている。本発明の磁気記録媒体の製造過程においては、後述するように450℃以上の基板加熱が必要となるため、基板には軟化温度が500℃以上、望ましくは600℃以上の耐熱ガラス基板を用いるのが好ましい。
第一の下地層には、例えば、Ni−50at%Ti合金、Ni−50at%Ta合金、Co−50at%Ti合金、Co−50at%Ta合金、Cr−50at%Ti合金等の非晶質合金を使用できる。ここで、非晶質構造とは、X線回折測定において明瞭な回折ピークが観察されないこと、もしくは透過電子顕微鏡観察像において明瞭な格子縞が確認できないことと定義する。第一の下地層形成後に基板加熱を行うが、その際、基板温度が十分に高くなるよう、第一の下地層の膜厚は10nm以上が望ましい。10nmを下回ると、基板加熱後、基板温度が急激に低下するため、第二の下地層を高温で形成できなくなるため、好ましくない。
第二の下地層には、B2構造を有するNi−50at%Al合金、もしくはRu−50at%Al合金を使用できる。第二の下地層は、基板温度を200℃以上に加熱した後に形成するのが望ましい。これにより、該第二の下地層に(100)面を基板面と平行にした配向(以後、(100)配向と記す)をとらせることができる。
第二の下地層には、CrもしくはCrを主成分とし、Ti、V、Mo、W、Mn、Ruのうちの少なくとも1種類を含有したBCC構造を有する合金を用いることができる。第一の下地層形成後、200℃以上の基板加熱を行ったのちに上記第二の下地層を形成することによって、該第二の下地層に(100)配向をとらせることができる。
(100)配向した上記第二の下地層上にNiO下地層を形成することによって、該NiO層に(100)配向をとらせることができる。これは、NaCl構造を有するNiO下地層が、第二の下地層上にエピタキシャル成長するためである。NiO下地層に(100)配向をとらせるための下地層を、以後、配向制御層と記すが、本実施形態では第2の下地層が配向制御層に相当する。
NiO下地層はNiをArと酸素の混合ガス雰囲気中でDC放電によって形成してもよいし、NiO複合ターゲットをRF放電によって形成してもよい。
(100)配向したNiO下地層形成後、Fe−50at%Pt合金からなる磁性層を形成することにより、該FePt合金にL1構造をとらせると同時に、(001)配向をとらせることができる。但し、FePt合金層形成前に450℃以上の基板加熱を行う必要がある。FePt合金のL1規則度を高めるには、該FePt合金をできる限り高い基板温度で形成することが望ましいが、ガラス基板の耐熱性を考慮すると、650℃以下が望ましい。また、FePtにAg、Ni、Cu等を添加すると、規則化温度を低減できるので、基板温度を低く設定できる。但し、Ag、Ni、Cu等の添加量は、10at%以下が望ましい。10at%以上添加すると、磁気異方性定数が低下し、保磁力が低下するため好ましくない。
磁性層中のFePt合金からなる磁性結晶粒を磁気的に分断するため、磁性層にSiO、TiO、Cr、Al、Ta、ZrO、Y、CeO、MnO、TiO、ZnO等の酸化物や、Cを添加しても良い。磁性粒子間の交換結合を十分に低減するには、上記添加物の添加量は20体積%以上であることが望ましい。
尚、磁性層には、上記L1型FePt合金の代わりに、L1型CoPt合金を用いてもよい。この場合も、L1型FePt合金と同様、高いL1規則構造をとらせると同時に、良好な(001)配向をとらせることができる。
保護膜には、DLC保護膜を用いるのが望ましい。DLC保護膜は、CVD法、イオンビーム法によって形成できる。膜厚は1nm以上、6nm以下が望ましい。1nmを下回ると磁気ヘッドの浮上特性が劣化するため好ましくない。また、6nmを上回ると磁気スペーシングが大きくなり、SNRが悪化するのでこのましくない。
熱アシスト記録では、記録時に加熱された磁性層の冷却速度が遅いと、磁化遷移幅が広がりSNRが劣化するため、磁性層は速やかに冷却される必要がある。このため、熱伝導率の高い材料からなるヒートシンク層を形成するのが望ましい。ヒートシンク層としては、Cu、Ag、Al、Au、もしくはこれらの元素を主成分とする合金を用いることができる。
図2に本発明の磁気記録媒体の第2の実施形態を示す。第2の実施形態では、ヒートシンク層202が形成されている。熱アシスト記録では、記録時に加熱された磁性層の冷却速度が遅いと、磁化遷移幅が広がりSNRが劣化するため、磁性層は速やかに冷却される必要がある。このため、熱伝導率の高い材料からなるヒートシンク層を形成するのが望ましい。ヒートシンク層としては、Cu、Ag、Al、Au、もしくはこれらの元素を主成分とする合金を用いることができる。ヒートシンク層に用いられる上記合金は、一般的にガラスとの密着性が悪いので、基板とヒートシンク層の間にガラスとの密着性が良好な材料を接着層201として形成してもよい。ガラスとの密着性が良好であれば、接着層の材料に制限はない。
図3に本発明の磁気記録媒体の第3の実施形態を示す。本実施形態では、ヒートシンク層202の上に軟磁性下地層301が形成されている。軟磁性下地層301を形成することにより、磁気ヘッドによる記録を容易にできる。軟磁性下地層には、CoTaZr、CoFeTaB、CoFeTaSi、CoFeTaZr等の非晶質合金、FeTaC、FeTaN等の微結晶合金、NiFe等の多結晶合金を用いることが出来る。軟磁性下地層は、上記合金からなる単層膜でもよいし、適切な膜厚のRu層を挟んで反強磁性結合した積層膜でもよい。本実施形態では、軟磁性下地層は、ヒートシンク層の上側(磁性層側)に形成されているが、下側(基板側)であってもよい。
図4に本発明の磁気記録媒体の第4の実施形態を示す。第二の下地層103とNiO下地層104の間に第三の下地層401が形成されている。第三の下地層には、NaCl構造を有するTiN、TiC、MgOを用いることができる。(100)配向したB2構造、もしくはBCC構造を有する第二の下地層上に、上記第三の下地層を形成した場合、該第3の下地層は全てエピタキシャル成長により(100)配向を示す。よって、第三の下地層上に形成されたNiO下地層も(100)配向を示す。第三の下地層を設けることによって、NiO下地層の(100)配向性が更に改善されるため、磁性層中のFePt合金の(001)配向性も改善される。よって、より保磁力の高い磁気記録媒体が得られる。尚、本実施形態では、上記第3の下地層が配向制御層に相当する。
第3の下地層をNiO下地層の上に形成してもよい。この場合も、第3の下地層は(100)配向を示すため、該第3の下地層上に、550℃以上の基板加熱の後、FePt合金を主成分とする磁性層を形成することにより、該FePt合金にL1構造をとらせると同時に、(001)配向をとらせることができる。
以下、実施例により本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は、以下の
実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
2.5インチガラス基板上に、第1の下地層として50nmのCo−50at%Tiを形成し、200℃の基板加熱を行った後、第2の下地層として12nmのRu−50at%Al(実施例1.1)、Ni−50at%Al(実施例1.2)、Cr−10at%Mn(実施例1.3)、Cr−5at%Ru(実施例1.4)、Cr−7at%Ti(実施例1.5)、Cr−30at%Mo(実施例1.6)、Cr−30at%W(実施例1.7)を形成し、更にその上に5nmのNiO下地層を形成した。その後、520℃の基板加熱を行ったのち、12nmの(Fe−45at%Pt−5at%Ag)−8mol%SiO−4mol%Crの磁性層を形成し、3nmのDLC保護膜を形成した。また、比較例として、第2の下地層を形成せず、NiO下地層を第1の下地層上に直接形成した媒体を形成した(比較例1)。
本実施例媒体1.1〜1.7のX線回折測定を行ったところ、全ての媒体において磁性層からは、L1−FePtAg(001)ピークと、L1−FePtAg(002)ピークとFCC−FePtAg(200)ピークの混合ピークのみが観察された。これより、磁性層中のFePt合金は、良好な(001)配向をとっていることがわかる。また、RuAl下地層とNiAl下地層を用いた媒体の下地層からは、強いB2(100)ピークと、微弱なB2(200)ピークのみが観察された。また、CrMn、CrRu、CrTi、CrMo、CrW下地層を用いた媒体の下地層からは、BCC(200)ピークのみが観察された。これより、本実施例で用いた第2の下地層はいずれも良好な(100)配向をとっていることがわる。一方、第1の下地層に用いたCoTi合金からは、明瞭な回折ピークが観察されなかった。よって、CoTi下地層は非晶質構造であると考えられる。尚、NiO下地層からは明瞭な回折ピークが観察されなかったが、これは膜厚が薄いためであり、磁性層中のFePt合金が良好な(001)配向を示していることから、NiO下地層も良好な(100)配向をとっていると考えられる。
表1に上記L1−FePtAg(002)ピークとFCC−FePtAg(200)ピークの混合ピーク強度(I002+I200)に対する、L1−FePtAg(001)ピーク強度比 I001 /(I002+I200)を示す。ピーク強度比はいずれも1.8以上の高い値を示した。一方、比較例媒体では、上記回折ピークに加えて、磁性層からのFCC−FePtAg(111)ピークが観察された。また、ピーク強度比は1.32と実施例媒体に比べて大幅に低かった。このことは、比較例媒体では、磁性層中のFePtAg合金のL1規則度が低く、(001)配向性も悪いことを示している。以上より、NiO下地層の下に配向制御層として、RuAl、NiAl、CrMn、CrRu、CrTi、CrMo、CrW下地層を形成することにより、NiO下地層の(100)配向が改善され、これによって磁性層中のFePt合金に規則度の高いL1構造をとらせると同時に、良好な(001)配向をとらせることができることがわかった。
Figure 2016026368
(実施例2)
2.5インチガラス基板上に、5nmのNi−40at%Ta接着層、50nmのCu−1at%Zrヒートシンク層、第1の下地層として10nmのCr−50at%Tiを形成し、200℃の基板加熱を行った後、第2の下地層として10nmのRu−50at%Al、第3の下地層として2nmのTiN下地層(実施例2.1)、TiC下地層(実施例2.2)、もしくはMgO下地層(実施例2.3)を形成し、更にその上に、5nmのNiO下地層を形成した。その後、540℃の基板加熱を行ったのち、9nmの(Fe−47at%Pt−3at%Cu)−40at%C磁性層を形成し、3nmのDLC保護膜を形成した。また、比較例として、実施例2.1〜2.3のNiO下地層を形成せず、第3の下地層上に直接磁性層を形成した媒体を作製した(比較例2.1〜2.3)。
本実施例媒体2.1〜2.3、及び比較例媒体2.1〜2.3にパーフルオルポリエーテル系の潤滑剤を塗布し、図5に示した熱アシスト記録用磁気ヘッドにより記録再生特性を評価した。磁気ヘッドは、主磁極501、補助磁極502、磁界を発生させるためのコイル503、レーザーダイオードLD504、LDから発生したレーザー光505を近接場発生素子506まで伝達するための導波路507から構成される記録ヘッド508、及びシールド509で挟まれた再生素子510から構成される再生ヘッド511からなる。近接場光素子から発生した近接場光により媒体512を加熱し、媒体のダイナミック保磁力をヘッド磁界以下まで低下させて記録できる。
線記録密度1500kFCIでオールワンパターンを記録して、評価したSNRとトラックプロファイルの半値幅と定義したトラック幅を表2に示す。本実施例媒体はいずれも16dB以上の高いSNRと、80nm以下の狭いトラック幅を示した。一方、比較例媒体のSNRはいずれも13dB以下と低く、トラック幅も全て110nm以上であった。以上より、NiO下地層を、形成することに媒体SNRが高く、トラック幅の狭い熱アシスト用磁気記録媒体が得られることがわかった。
Figure 2016026368
(実施例3)
実施例1で示した実施例1.1〜1.7の媒体、及び比較例1の媒体を、図6に示した磁気記憶装置に組み込んだ。本磁気記憶装置は、磁気記録媒体512と、磁気記録媒体を回転させるための駆動部602と、磁気ヘッド603と、ヘッドを移動させるための駆動部604と、記録再生信号処理系605から構成される。尚、磁気ヘッドには、実施例2で示した熱アシスト記録用磁気ヘッドを用いた。
線記録密度1500kFCI、トラック密度420kFCI(面記録密度630Gbit/inch)の条件で記録し、エラーレートを評価したところ、実施例媒体1.1〜1.3を組み込んだ磁気記憶装置は、1×10−7以下の低いエラーレートを示した。一方、比較例媒体1を組み込んだ磁気記憶装置のエラーレートは、1×10−4台であった。以上より、NiO下地層と、該NiO下地層に(100)配向をとらせるための配向制御層を用いた磁気記録媒体を組み込むことにより、エラーレートが低い磁気記憶装置が得られることがわかった。
101…ガラス基板
102…第1の下地層
103…第2の下地層(配向制御層)
104…NiO下地層
105…磁性層
106…DLC保護膜
201…接着層
202…ヒートシンク層
301…軟磁性下地層
401…第3の下地層(配向制御層)
501…主磁極
502…補助磁極
503…コイル
504…半導体レーザーダイオード
505…レーザー光
506…近接場光発生部
507…導波路
508…記録ヘッド
509…シールド
510…再生素子
511…再生ヘッド
512…磁気記録媒体
602…媒体駆動部
603…磁気ヘッド
604…ヘッド駆動部
605…記録再生信号処理系

Claims (3)

  1. 基板と、該基板上に形成された複数の下地層と、L1構造を有する合金を主成分とする磁性層からなる磁気記録媒体において、該複数の下地層が、NiO下地層と、該NiO下地層に(100)配向をとらせるための配向制御層を含み、前記配向制御層が、Cr、もしくはCrを主成分とし、Ti、V、Mo、W、Mn、Ruのうちの少なくとも1種類を含有したBCC構造の合金からなる下地層と、NaCl構造を有するTiN、TiC、もしくはMgO下地層とを含み、前記BCC構造の合金からなる下地層、前記NaCl構造を有するTiN、TiC、もしくはMgO下地層、前記NiO下地層を前記基板側からこの順で含むことを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 前記磁性層が、L1構造を有するFePt、もしくはCoPt合金を主成分とし、かつ、SiO、TiO、Cr、Al、Ta、ZrO、Y、CeO、MnO、TiO、ZnO、Cから選択される少なくとも一種類の酸化物、もしくは元素を含有していることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 磁気記録媒体と、該磁気記録媒体を回転させるための駆動部と、該磁気記録媒体を加熱するためのレーザー発生部と、該レーザー発生部から発生したレーザー光をヘッド先端まで導く導波路と、ヘッド先端に取り付けられた近接場光発生部を備えた磁気ヘッドと、該磁気ヘッドを移動させるための駆動部と、記録再生信号処理系から構成さる磁気記憶装置において、該磁気記録媒体が請求項1または2に記載の磁気記録媒体であることを特徴とする磁気記憶装置。
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