JP2016026230A - インフルエンザウイルスワクチン - Google Patents

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Abstract

【課題】インフルエンザウイルスワクチンの提供。【解決手段】本発明は、ヒトインフルエンザウイルス株による感染からヒト患者を防御するためのワクチンを提供し、このワクチンは、高度病原性トリインフルエンザを引き起こし得るトリインフルエンザウイルス株に由来する抗原を含む。その抗原は、そのヒトインフルエンザウイルス株を中和することができる、患者における抗体応答を誘起し得る。先行技術は、既知の病原性トリ株に対して、ヒトにおいて抗体を生成するために既知の非病原性トリ株を用いていたのに対して、本発明は、新生の病原性ヒト株から防御するために、既知の病原性トリ株を使用する。さらに、先行技術は、ワクチン用の株と標的株との間に密接な抗原性の適合を達成することに焦点を当てていたのに対して、本発明は、その標的株に対するいかなる認められた密接な抗原関連性に拘わらず、それらの病原性に基づいてワクチン用の株を選択する。【選択図】なし

Description

本明細書で引用される全ての文書は、それらの全体が本明細書に参考として援用される。
(技術分野)
本発明は、インフルエンザウイルスに対する予防接種の分野、特に、インフルエンザウイルスの汎流行性株に対する予防接種の分野にある。
(背景技術)
1997年、2003年、また2004年においても、抗原性が異なるトリH5N1 インフルエンザウイルスが、ヒトに対する汎流行性の脅威として発生した。これらの各発生の間に、トリウイルスが、ヒトからヒトへ感染性になるように適応するという懸念がある。ヒトの汎流行性ウイルスを取り扱う最適な方法は、臨床的に認可された、十分に見合う(すなわち、ヒト汎流行性株の血球凝集素およびノイラミニダーゼ抗原を含む)ワクチンを提供することであるが、このことは、容易には、適切な期間で達成することはできない。
新たな汎流行性株に対する有効なワクチンを提供する1つの方法は、抗原性が新たな株に密接に関連した既存の株に由来する抗原を利用することである。例えば、非特許文献1は、抗原性が関連するが、病原性のA/Hong Kong/156/97(H5N1)株に対する予防接種のために、非病原性A/Duck/Singapore/97(H5N3)トリ株に由来する抗原の利用を記載した。この著者らは、その病原性トリ株に対して免疫したヒトにおいて、中和抗体レベルを達成することができた。
免疫のために株を選択することへの先行技術のアプローチは、新たな株の分かることになる特徴(例えば、その抗原性プロフィール)に依存する。なぜなら、この知識は、適切なワクチン用の株を、既に知られている株から選択するために必要とされるからである。本発明の目的は、新生の、将来、汎流行性になるヒトインフルエンザウイルス株に対するワクチンを提供するさらに改善された方法を提供すること、特に、ヒトの病原体として現れるような株の抗原性特徴の詳細な知識を必要としない方法を提供することである。
Nicholsonら、The Lancet (2001) 357:1937−1943
(発明の開示)
例えば、本願発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
ヒトインフルエンザウイルス株による感染からヒト患者を防御するためのワクチンであって、ここで該ワクチンは、高度病原性トリインフルエンザを引き起こし得るトリインフルエンザウイルス株に由来する抗原を含む、ワクチン。
(項目2)
前記抗原は、前記患者において抗体応答をもたらし、該抗体応答は、同種トリインフルエンザ株および新生の異種ヒトインフルエンザ株を中和することができる、項目1に記載のワクチン。
(項目3)
前記新生の異種ヒトインフルエンザ株は、同じ血球凝集素型を含む、項目2に記載のワクチン。
(項目4)
前記血球凝集素型は、H5およびH9からなる群より選択される、項目3に記載のワクチン。
(項目5)
アジュバントをさらに含む、項目1〜4のいずれか1項に記載のワクチン。
(項目6)
1種以上のヒトインフルエンザウイルス株に由来する抗原をさらに含む、項目1〜5のいずれか1項に記載のワクチン。
(項目7)
1種以上のさらなるトリインフルエンザ株に由来する抗原をさらに含む、項目1〜6のいずれか1項に記載のワクチン。
(項目8)
前記抗原は、精製ウイルスタンパク質、成分ウイルスまたは完全ウイルスの形態である、項目1〜7のいずれか1項に記載のワクチン。
(項目9)
ヒトインフルエンザウイルス株による感染からヒト患者を防御するためのワクチンを調製する方法であって、該方法は、高度病原性トリインフルエンザを引き起こし得るインフルエンザウイルス株に由来する抗原と、薬学的に受容可能なキャリアとを混合する工程を包含する、方法。
(項目10)
前記抗原とアジュバントとを混合する工程をさらに包含する、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記抗原は、卵中で増殖させたウイルスまたは細胞培養で増殖させたウイルスに由来する、項目9に記載の方法。
(項目12)
ヒトインフルエンザウイルス株による感染からヒト患者を防御するためのワクチンの製造における、高度病原性トリインフルエンザを引き起こし得るトリインフルエンザウイルス株に由来する抗原の使用であって、ここで該ワクチン中の抗原は、該患者において抗体応答をもたらすことができ、該抗体応答は、該ヒトインフルエンザウイルス株を中和することができる、使用。
(項目13)
ヒトインフルエンザウイルス株による感染からヒト患者を防御するための方法であって、該方法は、高度病原性トリインフルエンザを引き起こし得るトリインフルエンザウイルス株に由来する抗原を含むワクチンを、該患者に投与する工程を包含する、方法。
(項目14)
以下を含む、キット:
(a)病原性トリインフルエンザウイルス株に由来する抗原を含む第1の容器;および
(b)1種以上のヒトインフルエンザウイルス株に由来する抗原を含む第2の容器。
(項目15)
容器(a)は、アジュバントをさらに含む、項目14に記載のキット。
先行技術が、既知の病原性トリ株に対して、ヒトにおいて抗体を生成するために、既知の非病原性トリ株を利用していたのに対して、本発明は、新生の病原性ヒト株から防御するために、既知の病原性トリ株を利用する。さらに、先行技術は、ワクチン用の株と標的株との間に密接な抗原性の適合を達成することに焦点を当てていたのに対して、本発明は、その標的株に対するいかなる認められた密接な抗原関連性に関わらず、それらの病原性に基づいてワクチン用の株を選択する。本発明は、新生の株の抗原性プロフィールの詳細な知識を要しないので、ワクチンが、ヒトの汎流行性の発生の危険性および潜在的な影響を減少させるために、さらに前もって提供され得る。
従って、本発明は、ヒトインフルエンザウイルス株による感染からヒト患者を防御するためのワクチンを提供し、ここでこのワクチンは、高度病原性トリインフルエンザを引き起こし得るトリインフルエンザウイルス株に由来する抗原を含む。この抗原は、その患者において抗体応答をもたらし得、この抗体応答は、同種ワクチン用株のみならず、新生の異種ヒトインフルエンザワクチン用株も中和することができる。好ましくは、その新生の異種ヒトインフルエンザワクチンは、上記病原性トリインフルエンザ株と同じ血球凝集素型(すなわち、H5またはH9)の範囲内にある。
本発明はまた、ヒトインフルエンザウイルス株による感染からヒト患者を防御するためのワクチンを調製するためのプロセスを提供し、このプロセスは、高度病原性トリインフルエンザを引き起こし得るトリインフルエンザウイルス株に由来する抗原と、薬学的に受容可能なキャリアと、および必要に応じて、アジュバントとを混合する工程を包含する。患者へのワクチンの投与は、上記のヒトインフルエンザウイルス株を中和し得る抗体応答をもたらし得る。
本発明はまた、ヒトインフルエンザウイルス株による感染からヒト患者を防御するためのワクチンの製造における、高度病原性トリインフルエンザを引き起こし得るトリインフルエンザウイルス株に由来する抗原の使用を提供する。このワクチンにおける抗原は、上記ヒトインフルエンザウイルス株を中和することができる、患者における抗体応答を誘起し得る。
本発明はまた、ヒトインフルエンザウイルス株による感染からヒト患者を防御するための方法を提供し、この方法は、高度病原性トリインフルエンザを引き起こし得るトリインフルエンザウイルス株に由来する抗原を含むワクチンを、その患者に投与する工程を包含する。
本発明はまた、(a)病原性トリインフルエンザウイルス株に由来する抗原、および必要に応じて(b)1種以上(例えば、1種類、2種類または3種類)のヒトインフルエンザの大流行の狭間のウイルス株に由来する抗原、を含むワクチンを提供する。このワクチン中の成分(b)は、代表的な年々のヒトインフルエンザワクチンであり得る。すなわち、本発明は、病原性トリインフルエンザウイルス株に由来する抗原を補充した、代表的な年々のヒトインフルエンザワクチンを提供する。このワクチンはまた、アジュバントを含有し得る。
本発明はまた、ワクチンを調製するためのプロセスを提供し、このプロセスは、(a)病原性トリインフルエンザウイルス株に由来する抗原と、(b)1種以上(例えば、1種類、2種類または3種類)のヒトインフルエンザウイルス株に由来する抗原とを混合する工程を包含する。成分(a)は、一般に、アジュバントを含み得る;成分(b)は、アジュバントを含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。同様に、本発明は、(a)病原性トリインフルエンザウイルス株に由来する抗原を含む第1の容器と、(b)1種以上(例えば、1種類、2種類または3種類)のヒトインフルエンザウイルス株に由来する抗原を含む第2の容器とを含むキットを提供する。成分(a)は、一般に、アジュバントを含み得る;成分(b)は、アジュバントを含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
本発明のワクチンに含まれるトリの抗原は、一般に、アジュバントが添加される(adjuvanted)。以下に記載されるように、2つの好ましいアジュバントは、(a)アルミニウム塩および(b)MF59である。
(ヒトインフルエンザウイルス株)
本発明のワクチンは、ヒトからヒトへ感染し得るインフルエンザウイルス株(すなわち、必ずしも物理的接触を要しなくても、所定のヒト集団内で幾何級数的にまたは指数関数的に拡がる株)による感染から患者を防御するために、トリの抗原を利用する。その患者はまた、ヒトに感染しかつヒトにおいて疾患を引き起こすが、他のヒトからではなく、むしろトリから感染する株から防御され得る。
本発明は、汎流行性のヒトの株、新生の汎流行性のヒトの株、および将来汎流行性のヒトの株による感染から防御するために(例えば、H5インフルエンザサブタイプから防御するために)、特に有用である。しかし、特定の季節およびそのワクチンに含まれる抗原の性質に依存して、本発明は、他の血球凝集素サブタイプ(H1、H2、H3、H4、H6、H7、H8、H9、H10、H11、H12、H13、H14、H15またはH16が挙げられる)から防御し得る。
汎流行性の発生を引き起こす可能性があるインフルエンザ株の特徴は、以下のとおりである:(a)現時点で広まっているヒトの株における血球凝集素と比較して、新たな血球凝集素(すなわち、これまでの10年間でヒトの集団において顕著でない(例えば、H2)か、またはヒト集団において全くこれまで認められていなかったが、一般にはトリ集団においてのみ認められており(例えば、H5、H6またはH9)、その結果、そのヒト集団が、その株の血球凝集素に免疫学的に遭遇したことがない(immunologically naive)もの)を含む;(b)そのヒト集団において水平感染し得る;および(c)ヒトに対して病原性である。
本発明は、ヒトからヒトへ感染し得る株から防御し得るので、その株のゲノムは、一般に、哺乳動物のインフルエンザウイルスに(例えば、ヒトのインフルエンザウイルスに)起源を発する少なくとも1つのRNAセグメントを含む。全てのセグメントがトリのウイルスに起源を発するウイルスは、ヒトからヒトへ感染しすることができない傾向がある。
(トリインフルエンザウイルス株)
本発明のワクチンは、トリインフルエンザウイルス株に由来する抗原を含む。この株は、代表的には、高度病原性トリインフルエンザ(HPAI)を引き起こし得るものである。HPAIは、罹患したトリ/群れの突然の疾患の始まり、重篤な病気および急激な死によって特徴づけられ、死亡率が100%に近い、十分に規定された状態である(Alexander Avian Dis(2003)47(3 補遺):976−81)。低病原性(LPAI)および高病原性株は、容易に区別される。例えば、van der Gootら(Epidemiol Infect(2003)131(2):1003−13)は、低病原性H5N2トリ株および高病原性H5N2トリ株の感染特徴の比較研究を示した。
2004年の流行期に関しては、HPAI株の例は、H5N1インフルエンザAウイルス(例えば、A/Viet Nam/1196/04株(A/Vietnam/3028/2004またはA/Vietnam/3028/04としても公知))である。2004年より前に、WHOは、以下のようにHPAI株を列挙している:

従って、当業者は、将来、HPAI株が出現するとき、それを同定することができる。
A/Duck/Singapore/97(H5N3)のような株は、HPAI株ではない。
トリインフルエンザ株は、全ての適切な血球凝集素サブタイプ(H1、H2、H3、H4、H5、H6、H7、H8、H9、H10、H11、H12、H13、H14、H15またはH16が挙げられる)のものであり得る。
本発明のワクチンは、2種以上(すなわち、2種類、3種類、4種類または5種類)のトリインフルエンザ株を含み得る。このようなトリインフルエンザ株は、同じ血球凝集素サブタイプまたは異なる血球凝集素サブタイプを含み得る。
トリウイルスは、ヒトからヒトへ感染できない。
(抗原)
本発明のワクチンは、病原性トリ株に由来する抗原を含む。その抗原は、一般に、サブビリオン形態(例えば、成分ウイルスの形態)で含まれ得る。ここでこのウイルス脂質エンベロープは、溶解もしくは破壊されているか、または1種以上の精製ウイルスタンパク質の形態である。このワクチン組成物は、その患者において免疫学的応答を引き起こすに十分な量の抗原を含む。
インフルエンザウイルスを成分にする(split)方法は、当該分野で周知である(例えば、WO02/28422、WO02/067983、WO02/074336、WO01/21151などを参照のこと)。ウイルスを成分にすることは、感染性(野生型または弱毒型)であろうと、非感染性(例えば、不活性型)であろうと、完全ウイルスを破壊濃度の分解剤(splitting agent)で破壊することまたは断片化することによって行われる。その破壊は、そのウイルスタンパク質の完全な可溶化または部分的な可溶化を生じ、そのウイルスの完全性を変化させる。好ましい分解剤は、非イオン性界面活性剤およびイオン性界面活性剤(例えば、陽イオン性界面活性剤)であり、例えば、アルキルグリコシド、アルキルチオグリコシド、アシル糖、スルホベタイン、ベタイン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、N,N−ジアルキル−グルカミド、Hecameg、アルキルフェノキシ−ポリエトキシエタノール、四級アンモニウム化合物、サルコシル、CTAB類(セチルトリメチルアンモニウムブロミド類)、トリ−N−ブチルホスフェート、Cetavlon、ミリスチルトリメチルアンモニウム塩、リポフェクチン、リポフェクタミン、およびDOT−MA、オクチル−フェノキシポリオキシエタノールまたはノニルフェノキシポリオキシエタノール(例えば、Triton X−100もしくはTriton N101のようなTriton界面活性剤)、ポリオキシエチレンソルビタンエステル類(Tween界面活性剤類)、ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンエステル類(polyoxyethlene esters)などである。BEGRIVACTM、FLUARIXTM、FLUZONETMおよびFLUESHIELDTM製品は、成分ワクチンである。
インフルエンザウイルスから個々のタンパク質を精製する方法は、周知である。精製ウイルスタンパク質に基づくワクチンは、代表的には、血球凝集素(HA)タンパク質を含み、しばしば、ノイラミニダーゼ(N)タンパク質も含む。精製形態でこれらのタンパク質を調製するプロセスは、当該分野で周知である。FLUVIRINTM、AGRIPPALTMおよびINFLUVACTM製品は、サブユニットワクチンである。
さらなる代替法として、そのワクチンは、完全ウイルス(例えば、弱毒化完全生ウイルス、または好ましくは、不活性化完全ウイルスを含み得る。好ましくは、その完全ウイルスは、病原性トリ株自体に由来するのではなく、特に、卵の培養物が使用される場合、それ自体のRNAセグメントのうちの1つの代わりに、トリ抗原をコードするRNAセグメントを含むキメラウイルスに由来する。従って、本発明のワクチンは、キメラ完全ウイルスを含み得る。このキメラウイルスにおいて、ウイルスタンパク質のうちの少なくとも1つ(例えば、HA)が、病原性トリ株由来である。ウイルスを不活性化または死滅させて、哺乳動物細胞に感染するその能力を破壊する方法は、当該分野で公知である。このような方法は、化学的手段および物理的手段の両方を含む。ウイルスを不活性化するための化学的手段としては、以下の因子のうちの1種以上の有効量での処理が挙げられる:界面活性剤、ホルムアルデヒド、ホルマリン、β−プロピオラクトン、またはUV光。不活性化するためのさらなる化学的手段としては、メチレンブルー、ソラレン、カルボキシフラーレン(C60)またはこれらの任意の組み合わせでの処理が挙げられる。ウイルス不活性化の他の手段は、当該分野で公知であり、例えば、二成分系エチルアミン(binary ethylamine)、アセチルエチレンイミン、またはガンマ線照射が挙げられる。INFLEXALTM製品は、完全細胞不活性化ワクチンである。
ワクチンの全ての型において、投与量は、代表的には、15μg HA/株/用量に正規化されるが、より低用量もまた使用され得る(以下を参照のこと)。用量の正規化は、一般には、単一の放射状免疫拡散法(SRID)アッセイを使用して濃度を測定することにより、達成される。
インフルエンザワクチン抗原に対するさらなる詳細は、Vaccines(Plotkin&Orenstein編,第4版、2004,ISBN 0−7216−9688−0)の第17章および第18章に見出される。
(抗原調製のためのウイルス増殖)
本発明のワクチンの製造は、インフルエンザウイルスの増殖を必要とし、抗原は、その増殖されたウイルスから調製される。インフルエンザウイルス製造のために現在使用される2つの一般的な方法がある:(1)卵中でのウイルスの増殖;(2)細胞培養でのウイルスの増殖。何れの増殖方法も、本発明によって使用され得る。
胚を有する鶏卵での増殖、続いて尿膜腔液からのウイルスの精製は、インフルエンザウイルスが、ワクチン製造のために伝統的に増殖されてきた方法である。より近年では、ウイルスは、培養細胞株において増殖されており、このことによって、卵での増殖に適合されたウイルス株を調製する必要が避けられ、最終的なワクチンに卵タンパク質が夾雑することが避けられる。細胞培養での増殖は、本発明のワクチンを調製するために好ましい方法である。ウイルス増殖のための細胞は、懸濁条件または接着条件において培養され得る。
インフルエンザウイルスの増殖に適した細胞株は、好ましくは、哺乳動物起源の細胞であり、:ヒト細胞または非ヒト霊長類細胞(例えば、MRC−5(ATCC CCL−171)、WI−38(ATCC CCL−75)、ヒト胚性腎細胞(293細胞(代表的には、剪断アデノウイルス5型 DNAによって形質転換されている))、サル腎臓由来のVERO細胞)、ウマ細胞、ウシ細胞(例えば、MDBK細胞)、ヒツジ細胞、イヌ細胞(例えば、イヌ腎臓由来のMDCK細胞(ATCC CCL34 MDCK(NBL2)またはMDCK 33016、(WO97/37001において記載される受託番号 DSM ACC 2219)、ネコ細胞、および齧歯類細胞(例えば、ハムスター細胞(例えば、BHK21−F、HKCC細胞、またはチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞))が挙げられるが、これらに限定されず、広範な種々の発生段階(例えば、成体、新生児、胎児、および胚が挙げられる)から得られ得る。特定の実施形態において、その細胞は、不死化される(例えば、WO01/38362およびWO02/40665において記載され、ECACC受託番号96022940の下で受託されたPERC.6細胞)。好ましい実施形態において、哺乳動物細胞が利用され、以下の非限定的な細胞型のうちの1種以上から選択され得るか、またはその細胞型のうちの1種以上に由来し得る:線維芽細胞(例えば、皮膚、肺)、内皮細胞(例えば、大動脈の内皮細胞、冠状動静脈の内皮細胞、肺の内皮細胞、脈管の内皮細胞、皮膚微小血管の内皮細胞、臍帯の内皮細胞)、肝細胞、ケラチノサイト、免疫細胞(例えば、T細胞、B細胞、マクロファージ、NK細胞、樹状細胞)、乳腺細胞(例えば、上皮細胞)、平滑筋細胞(例えば、血管周囲細胞、大動脈周囲細胞、冠状動静脈周囲細胞、動脈周囲細胞、子宮周囲細胞、気管支周囲細胞、頸部周囲細胞、腎臓周囲細胞)、メラノサイト、神経細胞(例えば、星状細胞)、前立腺細胞(例えば、上皮細胞、平滑筋細胞)、腎細胞(例えば、上皮細胞、メサンギウム細胞、近位細管)、骨格細胞(skeletal cell)(例えば、軟骨細胞、破骨細胞、骨芽細胞)、筋細胞(例えば、筋芽細胞、骨格筋細胞、平滑筋細胞、気管支細胞)、肝細胞、網膜芽細胞、および間質細胞。WO97/37000およびWO97/37001は、懸濁状態で、かつ無血清培地中で増殖し得、ウイルスの生成および複製に有用な、動物細胞および細胞株の生成を記載する。
上記の細胞型のための培養条件は、種々の刊行物に十分に記載され、または代わりに培養培地、補充物、および条件が、市場から購入され得る(例えば、Cambrex Bioproducts(East Rutherford,NJ)のカタログおよびさらなる文献に記載される)。
特定の実施形態において、本明細書に記載される方法において使用される宿主細胞は、無血清培地および/または無タンパク質培地中で培養される。培地とは、本発明の状況において、ヒト血清起源の添加物も動物血清起源の添加物も存在しない無血清培地に言及される。無タンパク質とは、細胞の増加が、タンパク質、増殖因子、他のタンパク質添加物および非血清タンパク質を排除した状態で起こるが、必要に応じて、ウイルス増殖に必要であり得るタンパク質(例えば、トリプシンまたは他のプロテアーゼ)を含み得る培養物を意味することが理解される。このような培地中で増殖する細胞は、当然のことながら、タンパク質自体を含む。
既知の無血清培地としては、Iscove培地、Ultra−CHO培地(BioWhittaker)またはEX−CELL(JRH Bioscience)が挙げられる。通常の血清含有培地としては、イーグル基本培地(BME)または最小必須培地(MEM)(Eagle,Science,130,432(1959))またはダルベッコ改変イーグル培地(DMEMまたはEDM)が挙げられ、これらは、通常、10%までのウシ胎児血清または類似の添加物とともに使用される。必要に応じて、最小必須培地(MEM)(Eagle,Science,130,432(1959))またはダルベッコ改変イーグル培地(DMEMまたはEDM)が、いかなる血清含有補充物もなしで使用され得る。PF−CHO(JHR Bioscience)のような無タンパク質培地、ProCHO 4CDM(BioWhittaker)もしくはSMIF 7(Gibco/BRL Life Technologies)のような化学的に規定された培地、およびPrimactone、PepticaseもしくはHyPepTM(全てQuest
International製)のようなマイトジェンペプチド、またはラクトアルブミン加水分解産物(Gibco他の製造業者)もまた、先行技術において十分に公知である。植物加水分解産物に基づくその培地添加物は、ウイルス、マイコプラズマまたは未知の感染性因子の夾雑が除外され得るという特別の利点を有する。
細胞培養条件(温度、細胞密度、pH値など)は、本発明に従って採用される細胞株の適切性が原因で、広範な範囲にわたって変動し得、特定のインフルエンザ株の要件に適合され得る。
培養細胞においてウイルスを増殖させるための方法は、一般に、培養細胞に、培養されるべき株を接種する工程、その感染細胞を、ウイルス増殖に望ましい期間(例えば、ウイルス力価または抗原発現によって決定される(例えば、接種して24時間〜168時間の間))にわたって培養する工程、ならびに増殖したウイルスを収集する工程を包含する。培養細胞に、1:500〜1:1、好ましくは、1:100〜1:5、より好ましくは、1:50〜1:10のウイルス(PFUまたはTCID50によって測定される):細胞の比で接種される。そのウイルスは、細胞の懸濁液に添加されるか、または細胞の単層に付与され、そしてそのウイルスは、少なくとも60分間、しかし、通常は300分間未満、好ましくは90〜240分間の間、25℃〜40℃で、好ましくは、28℃〜37℃で、細胞に吸収される。その感染細胞培養物(例えば、単層)は、収集される培養上清のウイルス含有量を増大するために、凍結融解または酵素作用のいずれかによって除去され得る。次いで、その収集される液体は、不活性化されるかまたは凍結保存される。培養細胞は、約0.0001〜10、好ましくは0.002〜5、より好ましくは0.001〜2の感染効率(「m.o.i.」)で感染され得る。さらにより好ましくは、その細胞は、約0.01のm.o.i.で感染される。感染細胞は、感染してから30〜60時間後に回収され得る。好ましくは、その細胞は、感染してから34〜48時間後に回収される。さらにより好ましくは、その細胞は、感染してから38〜40時間後に回収される。プロテアーゼ(代表的には、トリプシン)は、一般に、ウイルス放出を可能にするために、細胞培養の間に添加され、そのプロテアーゼは、培養の間の任意の適切な段階で添加され得る。
本発明のワクチンにおける使用のために増殖され、抗原が調製されるウイルスは、病原性トリ株に由来する抗原(例えば、HAタンパク質)を含むが、標準システムでのウイルス増殖を可能にするために、一般には、その調製されるウイルス自体、病原性トリ株でない。従って、一般に、増殖株は、2つの供給源:(1)病原性トリ株および(2)選択された増殖系で十分に増殖する株、から得られた再集合体である。例えば、既存のワクチン、特に、卵中での増殖から調製されたものは、しばしば、(1)目的の抗原性株および(2)A/Puerto Rico/8/34(H1N1)株から得られた再集合体株から調製される。
再集合体株は、これらの供給源のウイルスを同時に培養することによって無作為に調製され得るか、または「逆方向遺伝学(reverse genetics)」技術(例えば、WO91/03552、米国特許第5166057号、Neumann & Kawaoka(2001)Virology 287(2):243−50を参照のこと)を用いて合理的に調製され得る。逆方向遺伝学は、(a)望ましいウイルスRNA分子をコードするDNA分子を、例えば、polIプロモーターから、および(b)ウイルスタンパク質をコードするDNA分子を、例えば、polIIプロモーターから発現し、その結果、細胞における両方の型のDNAの発現が、完全にインタクトな感染性ビリオンの組み立てをもたらす工程を包含する。そのDNAは、好ましくは、そのウイルスRNAおよびタンパク質の全てを提供するが、そのRNAおよびタンパク質のいくつかを提供するために、ヘルパーウイルスを使用することもまた可能である。各ウイルスRNAを生成するために別個のプラスミドを用いる、プラスミドベースの方法が好ましい(WO00/60050、WO01/04333、米国特許第6649372号)。これらの方法はまた、ウイルスタンパク質のうちの全てまたはいくつか(例えば、PB1タンパク質、PB2タンパク質、PAタンパク質およびNPタンパク質だけ)を発現するためのプラスミドの使用を含む。アンチセンス(ambisense)技術もまた、開示されており(WO00/53786)、所定のウイルスRNAおよび対応するウイルスタンパク質をコードする別個のプラスミドを使用するのではなく、単一のテンプレートから、そのウイルスRNAと発現可能なmRNAとを同時にコードする2つのpolIプロモーターおよびpolIIプロモーターを使用することが可能である(WO01/83794;Hoffmannら.(2000)Virology 267(2):310−7)。
(抗体応答)
本発明のワクチンは、病原性トリ株に由来する抗原を含むが、本発明のワクチンは、ヒト感染性ウイルスを中和し得る抗体応答を誘起し得る。病原性トリ株がこの交差防御性を達成する能力は、予測外であった。
インフルエンザウイルスワクチン接種後の抗体応答、中和能力および防御を評価するための方法は、当該分野で周知である。ヒトでの研究により、ヒトインフルエンザウイルスの血球凝集素に対する抗体力価が防御と相関する(約30〜40の血清サンプル血球凝集阻害力価は、同種ウイルスによる感染から約50%の防御を与える)ことが示された{Potter & Oxford(1979) Br Med Bull 35:69−75}。抗体応答は、代表的には、血球凝集阻害、微量中和法(microneutralisation)、単一放射免疫拡散法(SRID)および/または単一放射溶血反応(SRH)によって測定される。これらのアッセイ技術は、当該分野で周知である。
(ワクチン)
年々のヒトインフルエンザワクチンは、代表的には、1種類を超えるインフルエンザ株を含み、三価ワクチンが通常である(例えば、2種類のインフルエンザAウイルス抗原、および1種類のインフルエンザBウイルス抗原)。しかし、汎流行性の年では、単一の一価株が使用され得る。従って、上記の病原性トリ抗原は、本発明のワクチンの唯一のインフルエンザ抗原であり得るか、またはそのワクチンは、1種以上(例えば、1種類、2種類、3種類、4種類以上)のさらなる年々のインフルエンザウイルス株に由来する抗原をさらに含み得る。従って、本発明の特異的ワクチンは、以下を包含する:(i)唯一のインフルエンザ抗原として病原性トリ抗原を含むワクチン;(ii)病原性トリ抗原 + 2種類の他の株に由来する抗原を含むワクチン(好ましくは、その結果、3種類の株がインフルエンザA型ウイルスおよびB型ウイルスの両方を網羅し、より好ましくは、2種類のA型ウイルスおよび1種類のB型ウイルスにより);(iii)病原性トリ抗原 + 3種類の他の株に由来する抗原を含むワクチン(ここで上記3種類の他の株は、2種類のインフルエンザA型株および1種類のインフルエンザB型株である)。
伝統的なヒトワクチンは、15μgのHA/株/用量を含むが、特に、アジュバントが使用される場合、より低用量もまた、有効であることが示された(例えば、WO00/15251、米国特許第6372223号、WO01/22992、Nicholsonら.(2001) The Lancet 357:1937−1943、Treanorら.(2002) Vaccine 20:1099−1105を参照のこと)。従って、本発明のワクチンは、0.1μg〜25μgまたは30μgの間のHA/株/用量を含み得る。各株についてのHAの量は、好ましくは、ほぼ同じである。含めるための各HAの代表的なμg数は、約15μg、10μg、9μg、8μg、7.5μg、7μg、6.5μg、6μg、5.5μg、5μg、4.5μg、4μg、3.5μg、3μg、2.5μg、2μg、1.5μg、1μg、0.5μgなどである。ワクチンの好ましいセットは、0.1μg〜5μgの間のHA/株/用量の抗原含有量を含む。
本発明のワクチンは、種々の経路による送達(例えば、筋肉内注射による送達、皮下送達による送達、鼻内送達による送達(例えば、WO00/47222、米国特許第6635246号、WO01/21151、INFLEXALTM、FLUMISTTM)、経口送達による送達(例えば、米国特許第6635246号)、皮内送達による送達(例えば、WO02/074336、WO02/067983、WO02/087494、WO02/083214、WO2004/016281)、経皮送達(transdermal delivery)による送達、経皮送達(transcutaneous delivery)による送達、局所経路による送達などのために処方され得る。注射は、針(マイクロ針を含む)を伴ってもよいし、針なしであってもよい。特定の送達経路を介する免疫は、アジュバントの使用によって増強され得る(以下で議論される)。
本発明のワクチンは、好ましくは、50pg/用量未満の増殖宿主由来(例えば、卵由来または増殖用細胞株由来)のDNAを含む。宿主細胞DNA夾雑を減少させるための都合のよい方法は、欧州特許0870508号および米国特許第5948410号に開示され、2工程の処理(第1に、DNase(例えば、Benzonase)を使用する処理、次いで、陽イオン性界面活性剤(例えば、CTAB)を使用する処理)を含む。
本発明のワクチンは、抗生物質または他の保存剤を含み得る。好ましいワクチンにより、水銀性保存剤(例えば、チメロサール(メルチオレートまたはチオメルサールとしても公知)およびチメルホネート(timerfonate)の使用が避けられる。従って、好ましいワクチンは、水銀性保存剤を実質的に含まない(5μg/ml未満)か、またはより好ましくは、完全に含まない(しかし、複数用量の処方物は、好ましくは、有効量の保存剤を含む)。
(アジュバント)
本発明のワクチンは、他の免疫調節剤とともに投与され得る。特に、組成物は、通常、アジュバントを含む。本発明と共に使用するためのアジュバントとしては、以下に記載されるもののうちの1種以上が挙げられるが、これらに限定されない。
(A.鉱物含有組成物)
本発明におけるアジュバントとしての使用に適した鉱物含有組成物は、鉱物塩(例えば、アルミニウム塩およびカルシウム塩)が挙げられる。本発明は、鉱物塩(例えば、水酸化物(例えば、オキシヒドロキシド)、リン酸塩(例えば、ヒドロキシホスフェート、オルトホスフェート)、硫酸塩など(例えば、Vaccine Design...(1995) Powell & Newman編.ISBN:030644867X.Plenum.の第8章および第9章を参照のこと)、または異なる鉱物化合物の混合物(例えば、リン酸塩アジュバントおよび水酸化物アジュバントの混合物、必要に応じて、過剰量のリン酸塩との混合物)を含み、これらの化合物は、任意の適切な形態(例えば、ゲル、結晶、無定形など)をとり、そして塩に吸収されるのが好ましい。この鉱物含有組成物はまた、金属塩の粒子として処方され得る(WO00/23105)。
アルミニウム塩は、Al3+の用量が0.2〜1.0mg/用量の間であるように、本発明のワクチン中に含められ得る。
(B.油のエマルジョン)
本発明においてアジュバントとしての使用に適した油のエマルジョン組成物は、スクアレン−水エマルジョン(例えば、微量流動装置(microfluidizer)を用いてミクロン未満の粒子に処方された、MF59(5% スクアレン、0.5% Tween 80、および0.5% Span 85)を含む。WO90/14837を参照のこと。Podda,「The adjuvanted influenza vaccines with novel adjuvants:experience with the MF59−adjuvanted vaccine」,Vaccine (2001)19:2673−2680もまた参照のこと。MF59は、FLUADTMインフルエンザウイルス三価サブユニットワクチン中で、アジュバントとして使用されている。
この組成物において使用するために特に好ましいアジュバントは、ミクロン未満の水中油型エマルジョンである。本明細書で使用するための好ましいミクロン未満の水中油型エマルジョンは、必要に応じて、種々の量のMTP−PEを含むスクアレン/水エマルジョン(例えば、4〜5% w/v スクアレン、0.25〜1.0% w/v Tween80TM(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)、および/もしくは0.25〜1.0% Span85TM(ソルビタントリオレエート)を含むミクロン未満の水中油型エマルジョン、ならびに必要に応じてN−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル(isogluatminyl)−L−アラニン−2−(1’−2’−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ(huydroxyphsphophoryloxy))−エチルアミン(MTP−PE)を含むスクアレン/水エマルジョン(例えば、「MF59」として公知のミクロン未満の水中油型エマルジョン((国際公開番号WO90/14837;米国特許第6,299,884号および同第6,451,325号(本明細書にそれらの全体が参考として援用される);ならびにOttら「MF59−Design and Evaluation of a Safe and Potent Adjuvant for Human Vaccines」、Vaccine Design:The Subunit and Adjuvant Approach(Powell,M.F.およびNewman,M.J.編) Plenum Press,New York,1995,pp.277−296))である。MF59は、4〜5% w/v スクアレン(例えば、4.3%)、0.25〜0.5% w/v Tween80TM、および0.5% w/v Span85TMを含み、必要に応じて、種々の量のMTP−PEを含み、Model 110Y微量流動装置(Microfluidics,Newton,MA)のような微量流動装置を用いて、ミクロン未満の粒子に処方される。例えば、MTP−PEは、約0〜500μg/用量、より好ましくは、0〜250μg/用量、および最もより好ましくは、0〜100μg/用量の量で存在し得る。本明細書で使用される場合、用語「MF59−0」とは、MTP−PEを欠く、上記のミクロン未満の水中油型エマルジョンをいう一方で、用語MF59−MTPは、MTP−PEを含む処方物を意味する。例えば、「MF59−100」は、100μg MTP−PE/用量を含むなどである。MF69(すなわち、本明細書で使用するための別のミクロン未満の水中油型エマルジョン)は、4.3% w/v スクアレン、0.25% w/v Tween80TM、および0.75% w/v Span85TM、ならびに必要に応じてMTP−PEを含む。なお別のミクロン未満の水中油型エマルジョンはまた、MF75(SAFとしても公知であり、10% スクアレン、0.4% Tween80TM、5% プルロニック−ブロックコポリマーL121、およびthr−MDPを含む)であり、これもまた、ミクロン未満のエマルジョンへと流動化される。MF75−MTPは、MTP(例えば、100〜400μg MTP−PE/用量)を含むMF75処方物を意味する。
この組成物において使用するためのミクロン未満の水中油型エマルジョン、これを作製する方法、および免疫刺激因子(例えば、ムラミルペプチド)は、国際公開番号WO90/14837および米国特許第6,299,884号および米国特許第6,451,325号(それらの全体が本明細書に参考として援用される)に詳細に記載される。
完全フロイントアジュバント(CFA)および不完全フロイントアジュバント(IFA)もまた、本発明において、アジュバントとして使用され得る。
(C.サポニン処方物)
サポニン処方物はまた、本発明においてアジュバントとして使用され得る。サポニンは、広い範囲の植物種の樹皮、葉、茎、根およびさらに花において見出される、ステロールグリコシドおよびトリテルペノイドグリコシドの不均一の(heterologous)グループである。Quillaia saponaria Molinaの樹の樹皮に由来するサポニンは、アジュバントとして広く研究されてきた。サポニンはまた、Smilax ornata(サルサパリラ)、Gypsophilla paniculata(かすみ草(brides veil))、およびSaponaria officianalis(かすみ草(soap root)から、商業的に得られ得る。サポニンアジュバント処方物としては、精製処方物(例えば、QS21)、および脂質処方物(例えば、ISCOM)が挙げられる。
サポニン組成物は、高性能薄層クロマトグラフィー(HP−LC)および逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)を用いて精製された。これらの技術を用いて精製される特定の画分が同定されており、これらの画分としては、QS7、QS17、QS18、QS21、QH−A、QH−BおよびQH−Cが挙げられる。好ましくは、そのサポニンは、QS21である。QS21の精製方法は、米国特許第5,057,540号に開示される。サポニン処方物はまた、ステロール(例えば、コレステロール)を含み得る(WO96/33739を参照のこと)。
サポニンとコレステロールとの組み合わせは、免疫刺激複合体(ISCOM)とよばれる独特の粒子を形成するために使用され得る。ISCOMはまた、代表的には、リン脂質(例えば、ホスファチジルエタノールアミンまたはホスファチジルコリン)を含む。任意の公知のサポニンは、ISCOM中で使用され得る。好ましくは、そのISCOMは、Quil A、QHAおよびQHCのうちの1種以上を含む。ISCOMは、EP0109942、WO96/11711およびWO96/33739にさらに記載される。必要に応じて、そのISCOMは、さらなる界面活性剤を全く含まない可能性がある。WO00/07621を参照のこと。
サポニンベースのアジュバントの開発の総説は、Barrら,「ISCOMs and
other saponin based adjuvants」,Advanced
Drug Delivery Reviews(1998)32:247−271に見出され得る。Sjolanderら,「Uptake and adjuvant activity of orally delivered saponin and ISCOM vaccines」,Advanced Drug Delivery Reviews(1998)32:321−338もまた参照のこと。
(D.ビロゾームおよびウイルス様粒子(VLP))
ビロゾームおよびウイルス様粒子(VLP)はまた、本発明においてアジュバントとして使用され得る。これらの構造は、一般には、リン脂質と必要に応じて組み合わされるかまたは処方される、ウイルス由来の1種以上のタンパク質を含む。これらの構造は、一般には、非病原性で、複製せず、そして一般に、いかなる天然のウイルスゲノムも含まない。このウイルスタンパク質は、組換え生成されてもよいし、完全ウイルスから単離されてもよい。ビロゾームまたはVLPにおける使用に適したこれらのウイルスタンパク質としては、インフルエンザウイルス由来のタンパク質(例えば、HAまたはNA)、B型肝炎ウイルス由来のタンパク質(例えば、コアタンパク質またはキャプシドタンパク質)、E型肝炎ウイルス由来のタンパク質、麻疹ウイルス由来のタンパク質、シンドビスウイルス由来のタンパク質、ロタウイルス由来のタンパク質、口蹄疫ウイルス由来のタンパク質、レトロウイルス由来のタンパク質、ノーウォークウイルス由来のタンパク質、ヒトパピローマウイルス由来のタンパク質、HIV由来のタンパク質、RNAファージ由来のタンパク質、Qβファージ由来のタンパク質(例えば、コートタンパク質)、GAファージ由来のタンパク質、frファージ由来のタンパク質、AP205ファージ由来のタンパク質、およびTy由来のタンパク質(例えば、レトロトランスポゾンTyタンパク質pl)が挙げられる。VLPは、さらにWO03/024480、WO03/024481、およびNiikuraら,「Chimeric Recombinant Hepatitis
E Virus−Like Particles as an Oral Vaccine Vehicle Presenting Foreign Epitopes」,Virology(2002)293:273−280;Lenzら,「Papillomarivurs−Like Particles Induce Acute Activation of Dendritic Cells」,Journal of Immunology(2001)5246−5355;Pintoら,「Cellular Immune Responses to Human Papillomavirus(HPV)−16 L1 Healthy Volunteers Immunized with Recombinant HPV−16 L1 Virus−Like
Particles」,Journal of Infectious Diseases(2003)188:327−338;およびGerberら,「Human Papillomavrisu Virus−Like Particles Are Efficient Oral Immunogens when Coadministered with Escherichia coli Heat−Labile Entertoxin Mutant R192G or CpG」,Journal of
Virology(2001)75(10):4752−4760において議論される。ビロゾームは、例えば、Gluckら,「New Technology Platforms in the Development of Vaccines for the Future」,Vaccine(2002)20:B10−B16においてさらに議論される。免疫増強再構成インフルエンザビロゾーム(IRIV)は、鼻内三価INFLEXALTM製品{Mischler&Metcalfe(2002)Vaccine 20 補遺5:B17−23}およびINFLUVACPLUSTM製品において、サブユニット抗原送達系として使用される。
(E.細菌誘導体または微生物誘導体)
本発明における使用に適したアジュバントとしては、以下のような細菌誘導体または微生物誘導体が挙げられる。
(1)腸内細菌リポポリサッカリド(LPS)の非毒性誘導体
このような誘導体としては、モノホスホリル脂質A(MPL)および3−O−デアシル化MPL(3dMPL)が挙げられる。3dMPLは、4アシル化鎖,5アシル化鎖または6アシル化鎖を有する3 De−O−アシル化モノホスホリル脂質Aの混合物である。3 De−O−アシル化モノホスホリル脂質Aの好ましい「小粒子」形態は、EP 0 689 454に開示される。このような3dMPLの「小粒子」は、0.22ミクロン膜を通して滅菌濾過するために十分小さい(EP 0 689 454を参照のこと)。他の非毒性LPS誘導体としては、モノホスホリル脂質A模倣物(例えば、アミノアルキルグルコサミニドホスフェート誘導体(例えば、RC−529))が挙げられる。Johnsonら.(1999)Bioorg Med Chem Lett 9:2273−2278を参照のこと。
(2)脂質A誘導体
脂質A誘導体としては、Escherichia coli由来の脂質Aの誘導体(例えば、OM−174)が挙げられる。OM−174は、例えば、Meraldiら,「OM−174,a New Adjuvant with a Potential for Human Use,Induces a Protective Response with Administered with the Synthetic C−Terminal Fragment 242−310 from the circumsporozoite protein of Plasmodium berghei」,Vaccine(2003)21:2485−2491;およびPajakら,「The Adjuvant OM−174 induces both the migration and maturation of murine dendritic cells in vivo」,Vaccine(2003)21:836−842において記載される。
(3)免疫刺激性オリゴヌクレオチド
本発明においてアジュバントとして使用するために適した免疫刺激性オリゴヌクレオチドとしては、CpGモチーフ(非メチル化シトシン、次に、リン酸結合によって連結されるグアノシンを含む配列)を含むヌクレオチド配列が挙げられる。パリンドローム配列またはポリ(dG)配列を含む細菌の二本鎖RNAまたはオリゴヌクレオチドもまた、免疫刺激性であることが示された。
このCpGは、ヌクレオチド改変/アナログ(例えば、ホスホロチオエート改変)を含み得、二本鎖または一本鎖であり得る。必要に応じて、そのグアノシンは、2’−デオキシ−7−デアザグアノシンのようなアナログで置換され得る。例えば、考えられるアナログ置換についてKandimallaら,「Divergent synthetic nucleotide motif recognition pattern:design and development of potent immunomodulatory oligodeoxyribonucleotide agents with distinct cytokine induction profiles」,Nucleic Acids Research(2003)31(9):2393−2400;WO02/26757およびWO99/62923を参照のこと。CpGオリゴヌクレオチドのアジュバント効果は、Krieg,「CpG motifs:the active ingredient in bacterial extracts?」,Nature Medicine(2003)9(7):831−835;McCluskieら,「Parenteral and mucosal prime− boost immunization strategies in mice with hepatitis B surface antigen and CpG DNA」,FEMS Immunology and Medical Microbiology(2002)32:179−185;WO98/40100;米国特許第6,207,646号;米国特許第6,239,116号および米国特許第6,429,199号においてさらに議論される。
このCpG配列は、TLR9(例えば、モチーフGTCGTTまたはTTCGTT)に指向され得る。Kandimallaら,「Toll−like receptor 9:modulation of recognition and cytokine induction by novel synthetic CpG DNAs」,Biochemical Society Transactions(2003)31(part 3):654−658を参照のこと。このCpG配列は、Th1免疫応答の誘導に対して特異的であってもよいし(例えば、CpG−A ODN)、B細胞応答の誘導により特異的であってもよい(例えば、CpG−B ODN)。CpG−A ODNおよびCpG−B ODNは、Blackwellら,「CpG−A−Induced Monocyte IFN−gamma−Inducible Protein−10 Production is Regulated by Plasmacytoid Dendritic Cell Derived IFN−alpha」,J.Immunol.(2003)170(8):4061−4068;Krieg,「From A to Z on CpG」,TRENDS in Immunology(2002)23(2):64−65およびWO01/95935において議論される。好ましくは、このCpGは、CpG−A ODNである。
好ましくは、このCpGオリゴヌクレオチドは、5’末端がレセプター認識に利用しやすいように構築される。必要に応じて、2つのCpGオリゴヌクレオチド配列が、「イムノマー(immunomer)」を形成するために、それらの3’末端に結合され得る。例えば、Kandimallaら,「Secondary structures in CpG oligonucleotides affect immunostimulatory activity」,BBRC(2003)306:948−953;Kandimallaら,「Toll−like receptor 9:modulation of recognition and cytokine induction by novel synthetic GpG DNAs」,Biochemical Society Transactions(2003)31(part 3):664−658;Bhagatら,「CpG penta− and hexadeoxyribonucleotides as potent immunomodulatory agents」BBRC(2003)300:853−861およびWO03/035836を参照のこと。
(4)ADPリボシル化毒素およびその解毒誘導体
細菌性ADPリボシル化毒素およびその解毒誘導体は、本発明において、アジュバントとして使用され得る。好ましくは、そのタンパク質は、E.coli(すなわち、E.coli非耐熱性エンテロトキシン「LT」)、コレラ(「CT」)、または百日咳(「PT」)に由来し得る。粘膜アジュバントとしての解毒ADPリボシル化毒素の使用は、WO95/17211において記載され、非経口アジュバントとしてWO98/42375において記載されている。好ましくは、このアジュバントは、解毒LT変異体(例えば、LT−K63、LT−R72、およびLTR192G)である。アジュバントとしての、ADPリボシル化毒素およびその解毒誘導体(特に、LT−K63およびLT−R72)の使用は、以下の参考文献(その各々は、本明細書にその全体が参考として援用される)において見出され得る:Beignonら,「The LTR72 Mutant of Heat−Labile Enterotoxin of Escherichia coli Enahnces the Ability of Peptide Antigens to Elicit CD4+ T Cells and Secrete Gamma Interferon after Coapplication onto Bare Skin」,Infection and Immunity(2002)70(6):3012−3019;Pizzaら,「Mucosal vaccines: non toxic derivatives of LT and CT as mucosal adjuvants」,Vaccine(2001)19:2534−2541;Pizzaら,「LTK63 and LTR72,two mucosal adjuvants ready for clinical trials」Int.J.Med.Microbiol(2000)290(4−5):455−461;Scharton−Kerstenら,「Transcutaneous Immunization with Bacterial ADP−Ribosylating Exotoxins,Subunits and Unrelated Adjuvants」,Infection and Immunity(2000)68(9):5306−5313;Ryanら,「Mutants of Escherichia coli Heat−Labile Toxin Act as Effective Mucosal Adjuvants for Nasal Delivery of an Acellular Pertussis Vaccine:Differential Effects of the Nontoxic AB Complex and Enzyme Activity on Th1 and Th2 Cells」Infection and Immunity(1999)67(12):6270−6280;Partidosら,「Heat−labile enterotoxin of Escherichia coli and its site−directed mutant LTK63 enhance the proliferative and cytotoxic T−cell responses to intranasally co−immunized synthetic peptides」,Immunol.Lett.(1999)67(3):209−216;Peppoloniら,「Mutants of the Escherichia coli heat−labile enterotoxin as safe and strong adjuvants for intranasal delivery of vaccines」,Vaccines(2003)2(2):285−293;Pineら,(2002)「Intranasal immunization with influenza vaccine and a detoxified mutant of heat labile enterotoxin from Escherichia coli(LTK63)」J.Control Release(2002)85(1−3):263−270。アミノ酸置換についての多くの参考文献が、好ましくは、Domenighiniら,Mol.Microbiol(1995)15(6):1165−1167(具体的に、その全体が本明細書に参考として援用される)に示される、ADPリボシル化毒素のAサブユニットおよびBサブユニットのアラインメントに基づいている。
(F.生体接着剤および粘膜接着剤)
生体接着剤および粘膜接着剤はまた、本発明においてアジュバントとして使用され得る。適切な生体接着剤としては、エステル化ヒアルロン酸マイクロスフェア(Singhら.(2001)J.Cont.Rele.70:267−276)、または粘膜接着剤(例えば、ポリ(アクリル酸)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリサッカリドおよびカルボキシメチルセルロースの架橋誘導体)が挙げられる。キトサンおよびその誘導体はまた、本発明においてアジュバントとして使用され得る。例えば、WO99/27960を参照のこと。
(G.微粒子)
微粒子もまた、本発明においてアジュバントとして使用され得る。生分解性かつ非毒性である材料(例えば、ポリ(α−ヒドロキシ酸)、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリカプロラクトンなど)からポリ(ラクチド−co−グリコリド)とともに形成される微粒子(すなわち、約100nm〜約150μm直径、より好ましくは、約200nm〜約30μm直径、および最も好ましくは約500nm〜約10μm直径の粒子)が好ましく、必要に応じて、負に荷電した表面を有するように(例えば、SDSで)処理されるか、または正に荷電した表面を有するように(例えば、陽イオン性界面活性剤(例えば、CTAB)で)処理される。
(H.リポソーム)
アジュバントとしての使用のために適したリポソーム処方物の例は、米国特許第6,090,406号、米国特許第5,916,588号、およびEP 0 626 169に記載される。
(I.ポリオキシエチレンエーテルおよびポリオキシエチレンエステルの処方物)
本発明における使用に適したアジュバントとしては、ポリオキシエチレンエーテルおよびポリオキシエチレンエステルが挙げられる。WO99/52549。このような処方物としては、オクトキシノールと組み合わせたポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤(WO01/21207)、ならびに少なくとも1種のさらなる非イオン性界面活性剤(例えば、オクトキシノール)と組み合わせたポリオキシエチレンアルキルエーテルまたはポリオキシエチレンアルキルエステル界面活性剤(WO01/21152)が挙げられる。
好ましいポリオキシエチレンエーテルは、以下の群:ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル(laureth 9)、ポリオキシエチレン−9−ステアリル(steoryl)エーテル、ポリオキシエチレン(polyoxytheylene)−8−ステアリル(steoryl)エーテル、ポリオキシエチレン−4−ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン−35−ラウリルエーテル、およびポリオキシエチレン−23−ラウリルエーテルから選択される。
(J.ポリホスファゼン(PCPP))
PCPP処方物は、例えば、Andrianovら,「Preparation of
hydrogel microspheres by coacervation of aqueous polyphophazene solutions」,Biomaterials(1998)19(1−3):109−115およびPayneら,「Protein Release from Polyphosphazene Matrices」,Adv.Drug.Delivery Review(1998)31(3):185−196に記載される。
(K.ムラミルペプチド)
本発明においてアジュバントとして使用するために適したムラミルペプチドの例としては、N−アセチル−ムラミル−L−スレオニル−D−イソグルタミン(thr−MDP)、N−アセチル−ノルムラミル−l−アラニル−d−イソグルタミン(ノル−MDP)、およびN−アセチルムラミル−l−アラニル−d−イソグルタミニル−l−アラニン−2−(1’−2’−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチルアミン MTP−PE)が挙げられる。
(L.イミダゾキノロン化合物)
本発明においてアジュバントとして使用するために適したイミダゾキノロン化合物の例としては、Imiquamodおよびそのホモログ(Stanley,「Imiquimod and the imidazoquinolones:mechanism of action and therapeutic potential」Clin Exp Dermatol(2002)27(7):571−577およびJones,「Resiquimod 3M」,Curr Opin Investig Drugs(2003)4(2):214−218にさらに記載される)が挙げられる。
本発明はまた、上記で同定されるアジュバントのうちの1つ以上の局面の組み合わせを包含し得る。例えば、以下のアジュバント組成物が、本発明において使用され得る:
(1)サポニンと水中油型エマルジョン(WO99/11241);
(2)サポニン(例えば、QS21) + 非毒性LPS誘導体(例えば、3dMPL)(WO94/00153を参照のこと);
(3)サポニン(例えば、QS21) + 非毒性LPS誘導体(例えば、3dMPL) + コレステロール;
(4)サポニン(例えば、QS21) + 3dMPL + IL−12(必要に応じて+ステロール)(WO98/57659);
(5)3dMPLと、例えば、QS21および/または水中油型エマルジョンとの組み合わせ(欧州特許出願第0835318号、同第0735898号および同第0761231号を参照のこと);
(6)10% スクアラン、0.4% Tween 80、5% プルロニック−ブロックポリマーL121、およびthr−MDPを含む、SAF(ミクロン未満のエマルジョンに微量流体化されるか、またはボルテックスされてより大きな粒子サイズのエマルジョンが生成されるかのいずれかである);
(7)2% スクアレン、0.2% Tween 80、ならびにモノホスホリル脂質A(MPL)、トレハロースジミコレート(TDM)、および細胞壁骨格(CWS)、好ましくは、MPL + CWS(DetoxTM)からなる群からの1種以上の細菌細胞壁成分を含む、RibiTMアジュバント系(RAS)、(Ribi Immunochem);ならびに
(8)1種以上の鉱物塩(例えば、アルミニウム塩) + LPSの非毒性誘導体(例えば、3dPML)。
(M.ヒト免疫調節因子)
本発明においてアジュバントとして使用するために適したヒト免疫調節因子としては、サイトカイン(例えば、インターロイキン(例えば、IL−1、IL−2、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−12など))、インターフェロン(例えば、インターフェロン−γ)、マクロファージコロニー刺激因子、および腫瘍壊死因子が挙げられる。
アルミニウム塩およびMF59は、注射可能なインフルエンザワクチンとともに使用するための好ましいアジュバントである。細菌毒素および生体接着剤は、粘膜送達されるワクチン(例えば、鼻用ワクチン)とともに使用するための好ましいアジュバントである。
(患者)
本発明のワクチンは、代表的には、汎流行性のインフルエンザウイルス株に対して使用するためであり、よってこのワクチンを受容することに関して非常に好ましい患者は、年長(例えば、50歳以上、好ましくは65歳以上)の患者、若齢(例えば、5歳以下)の患者、入院患者、ヘルスケアワーカー、軍隊および軍職員、妊婦、慢性病の患者、および海外旅行しようとしている人々である。このワクチンは、これらの群にのみ適しているわけではないが、ある集団においてより一般的に使用され得る。
0〜3歳齢の子供は、一般に、より低用量のインフルエンザワクチンを受容する(例えば、1/2用量)。
(一般)
用語「含む、包含する(comprising)」は、「〜を含む、〜を包含する(including)」および「〜から(〜を)構成する、〜(から)なる(consisting)」を包含し、例えば、Xを「含む」組成物は、もっぱらXからなっていてもよいし、何か他のものを含んでいてもよい(例えば、X + Y)。
用語「実質的に」とは、「完全に」を排除しない。例えば、Yを「実質的に含まない(substantiall free)」組成物は、Yを完全に含まなくてもよい。必要な場合、用語「実質的に」とは、本発明の定義から省略され得る。
数値xに関連する用語「約」とは、例えば、x±10%を意味する。
(本発明を実施するための形態)
Nicholsonら(2001)The Lancet 357:1937−1943は、インフルエンザの非病原性A/Duck/Singapore/97(H5N3)トリ株から調製されるワクチンが、抗原性が関連した病原性ヒト株A/Hong Kong/156/97(H5N1)からの交差防御に関する抗体レベルを誘導する能力があることを示した。この同じトリ株は、より異なる株から患者を交差防御し得、このことは、将来の新生の汎流行性ヒト株が、前の流行期の病原性トリ株に対して惹起された抗体に感受性であることを示唆する。好ましくは、この新生の異種ヒトインフルエンザワクチンは、この病原性トリインフルエンザ株と同じ血球凝集素型(すなわち、H5またはH9)の範囲内である。
ヒト汎流行性株が出現し、ヒト間の接触によって集団中に拡がると、その株は、収集され得、そしてその抗原が特徴づけられ得る。この特徴付けを待って、ワクチン用株の生成、ウイルス増殖、ワクチン処方およびワクチン販売を行うが、それらをさらに待つのではなく、本発明の方法は、トリ集団の間で拡がっていたが、ヒト集団には拡がらなかった最近の病原性トリ株のことを調べる。それらの病原性トリ株は、例えば、病原性トリ株のHA抗原をヒトワクチン製造用出発株に移すために、逆方向遺伝学によってワクチン製造用株を調製するために使用される。次いで、得られる株は、通常の方法でヒトのワクチン製造のために使用され、そのワクチンは、新生の汎流行性株の危険性があるヒト集団を予防接種するために使用される。そのワクチンは、抗原性が異なる新たな新生のヒト株を中和することができる抗体(特に、異核型の抗体(heterotypic antibody))を誘導し得る。
本発明は、例示として記載されるにすぎず、改変がなされ得る一方で、本発明の範囲および趣旨の範囲内に入り得ることが理解される。

Claims (1)

  1. 本願明細書に記載された発明。
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