JP2016025686A - 電力変換器の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】パワー半導体素子の遮断時に発生する過電圧を簡単なアルゴリズムにより低減し、低耐圧かつ低コストのパワー半導体素子を用いた電力変換器を実現する。
【解決手段】IGBT等のパワー半導体素子のスイッチング動作により電力変換動作を行い、かつ、直流部に接続されたコンデンサCによって前記スイッチング動作のたびに直流部に共振現象が発生する電力変換器の制御装置であって、パワー半導体素子をスイッチングするための制御信号を生成する制御装置20Aにおいて、パワー半導体素子を遮断するタイミングを、コンデンサCの電圧の微分値(dVCd/dt)または大きさVCd、もしくは、コンデンサCの電圧の微分値(dVCd/dt)及び大きさVCdに基づいて生成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、IGBT等のパワー半導体素子を用いた電力変換器の制御装置に関し、詳しくは、パワー半導体素子の遮断時において素子に印加される過電圧を低減する技術に関するものである。
図9は、パワー半導体素子としてIGBTを用いたインバータシステムの全体構成図である。図9において、Eはバッテリ等の直流電源、Cは直流電源Eと並列に接続されたコンデンサ、Lは直流電源EとコンデンサCとの間の配線インダクタンス、10は、環流ダイオードが逆並列に接続されたIGBT 11〜16からなるインバータ回路、LはコンデンサCとインバータ回路10との間の配線インダクタンス、11aはゲート駆動回路、20はIGBT 11〜16をオンオフさせるための制御信号を生成する制御装置、Mはインバータ回路10の負荷としてのモータである。
ここで、ゲート駆動回路については、煩雑になるのを避けるためにIGBT 11に対応するゲート駆動回路11aのみを示してあるが、実際には、その他のIGBT 12〜16にもそれぞれゲート駆動回路が設けられている。
この種のインバータシステムは、例えば、特許文献1に記載されている。
図10は、図9において、IGBTが電流を遮断(ターンオフ)する際のコレクタ−エミッタ間電圧VCE及びコレクタ電流iの波形の一例を示している。
なお、以下では、直流電源Eの電圧値をその参照符号と同じEと表記し、同様に、配線インダクタンスLのインダクタンス値をL、配線インダクタンスLのインダクタンス値をL、コンデンサCの容量値をCとしてそれぞれ表記する。
図10に示したように、IGBTが時刻tにおいて遮断されると、配線インダクタンスLと遮断時の電流変化率di/dtとにより、数式1に示すサージ電圧ΔVCEが発生する。
[数式1]
ΔVCE=L・di/dt
このため、システムの設計上、IGBTには、上記サージ電圧ΔVCEと直流電源電圧Eとを考慮して、(E+ΔVCE)の最高到達値以上の耐圧が要求されることになる。
ここで、システムの小型化や低コスト化等のために、直流部のコンデンサCとして低容量のものを使用した場合、インバータ回路10内のIGBTが遮断されるたびに、配線インダクタンスLとコンデンサCとの間で、電圧設計上、無視できない数[kHz]程度の共振現象が発生する。なお、コンデンサCの容量が十分大きければ、共振周波数も低くなり、また、共振電圧が直流電圧に比べて十分小さくなるため、上記の共振現象は無視可能である。
図11は、上述した共振現象の発生時にIGBTが遮断された場合の波形図であり、ΔVCdは、共振によって直流電源電圧Eに重畳されるコンデンサ電圧VCdの変化分であり、以下では、このΔVCdを共振重畳電圧という。
回路内の抵抗分を無視し、IGBTが遮断される際の電流をImax(システムの最大電流)とすると、共振重畳電圧ΔVCdの最大値ΔVCdmaxは数式2となる。
[数式2]
ΔVCdmax=Imax・√(L/C
次に、図12は、一例として、インバータ回路10内のIGBT 11,14,16がオンしている状態から、IGBT 11がオフした時の動作を示している。図示するように、IGBT 11のオフにより、回路電流IはコンデンサCを充電すると共に、モータMを流れていた電流はオン状態のIGBT 14,16からIGBT 12の環流ダイオードを介して環流する。
図13は、この時のコンデンサ電圧VCdの波形図である。図13では、実際の回路動作に従い、抵抗分を考慮した減衰振動として電圧波形を表している。
図13に示すように、コンデンサ電圧VCdの最高到達値は、直流電源電圧Eに、前述した共振による数式2の共振重畳電圧の最大値ΔVCdmaxを加算した値となる。
次に、図14は、インバータ回路10にImax(システムの最大電流)が流れている時に、システム全体の動作を停止させる目的で全相のIGBT 11〜16をオフした時の動作説明図である。すなわち、図14の上段では、図12の上段と同様にIGBT 11,14,16がオンしており、この状態から、図14の下段に示す全相オフ状態に移行する。
この場合、コンデンサCには、直流電源Eから充電電流Imaxが流れると共に、モータMからIGBT 12,13,15の環流ダイオードを介して充電電流Imaxが流れる。
従って、コンデンサ電圧VCdの波形は図15のようになり、共振重畳電圧の最大値は、数式3に示すごとく、数式2の2倍の最高電圧となる。
[数式3]
2・ΔVCdmax=2・Imax・√(L/C
このため、オフしているIGBTには、最大で(E+2・ΔVCdmax)の電圧が印加されることになり、IGBTに要求されるコレクタ−エミッタ間の静的な耐圧は、数式4となる。
[数式4]
CE>E+2・ΔVCdmax
更に、図12の上段に示したようにIGBT 11,14,16がオンしている時に、図11に示す共振電圧の頂点のタイミングでIGBT14及び/またはIGBT 16が遮断されると、遮断されたIGBTに印加される電圧VCEは、最大で数式5となる。
[数式5]
CE=E+ΔVCdmax+Vsurge
この数式5において、Vsurgeは、IGBTの遮断により発生したdi/dtと配線インダクタンスLによって発生するサージ電圧(L・di/dt)であり、図10,図11におけるΔVCEに等しい。
つまり、上記の動作を考慮した場合にIGBTに要求されるコレクタ−エミッタ間の耐圧は、数式5の電圧値以上となる。
以上説明したように、IGBTに要求される耐圧は、数式4及び数式5によって求められるVCEのうち、高い方の電圧値以上となる。このように、高耐圧のパワー半導体素子は一般に高価であるため、電力変換器のコストを上昇させる原因となる。
ここで、パワー半導体素子の遮断時に発生するサージ電圧を低減するための従来技術が、特許文献2に記載されている。
図16は、特許文献2に記載された従来技術の回路図である。図16において、61は直流電源、62はコンデンサ、51〜56はインバータ回路を構成するIGBT、57〜59,63は電流センサ、30は遮断信号生成回路、31は遅延回路、32は過電流検出回路、33は上アーム遮断回路、34は下アーム遮断回路、40は制御部である。
この従来技術において、正常時に遮断信号生成回路30から出力される上アーム遮断信号及び下アーム遮断信号は何れも「High」レベルであり、IGBT 51〜56は、制御部40から出力される上アーム制御信号及び下アーム制御信号に従ってオンオフ制御されている。
いま、モータMの巻線が二相間でショートしたとすると、電流センサ59を介して過電流検出回路31が動作し、下アーム遮断信号を「Low」レベルにして下アームのIGBT 52,54,56を全て遮断する。また、下アームの遮断から遅延回路32による一定の時間経過後に、上アーム遮断信号を「Low」レベルにして上アームのIGBT 51,53,55を全て遮断する。
これらの上アーム及び下アームのIGBTの遮断時には、それぞれサージ電圧が発生することになるが、上アームと下アームとで遮断するタイミングがずれているため、サージ電圧が加算されることはなく、結果的に大きなサージ電圧の発生が回避されることになる。
特開2006−115649号公報(図1等) 特開2008−118834号公報(段落[0024]〜[0030]、図1等)
図16に示した従来技術によれば、上下アームのIGBTの同時遮断によるサージ電圧の加算を回避することはできるが、各アームのIGBTの遮断によるサージ電圧の低減までは考慮されていない。また、この従来技術では、遮断信号生成回路30内に遅延回路32を設ける必要があり、これが回路構成の簡略化やコスト低減の妨げとなっていた。
そこで、本発明の解決課題は、パワー半導体素子の遮断時に素子に印加される過電圧を簡単なアルゴリズムにより低減し、低耐圧かつ低コストのパワー半導体素子を使用可能とした電力変換器を実現することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、パワー半導体素子がスイッチングするたびに電力変換器の直流部に共振現象が発生するシステムにおいて、パワー半導体素子を遮断するタイミングを、遮断後に発生する共振電圧を考慮したうえで、直流部に接続されたコンデンサの電圧の微分値、または、コンデンサ電圧の微分値及びコンデンサ電圧の大きさに基づいて決定するものである。
すなわち、請求項1に係る発明は、パワー半導体素子のスイッチング動作により電力変換動作を行い、かつ、直流部に接続されたコンデンサによって前記スイッチング動作のたびに前記直流部に共振現象が発生する電力変換器の制御装置であって、前記パワー半導体素子をスイッチングするための制御信号を生成する制御装置において、
前記パワー半導体素子を遮断するタイミングを、前記コンデンサの電圧の微分値または大きさ、もしくは、前記コンデンサの電圧の微分値及び大きさに基づいて生成するようにしたものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載した電力変換器の制御装置において、前記タイミングを、前記コンデンサの電圧の微分値がゼロまたは負である時としたものである。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載した電力変換器の制御装置において、前記タイミングを、前記コンデンサの電圧の微分値が負であり、かつ、前記コンデンサの電圧の大きさが所定の設定値以下である時としたものである。
請求項4に係る発明は、請求項1に記載した電力変換器の制御装置において、前記タイミングを、前記コンデンサの電圧の微分値が負であり、かつ、前記コンデンサの電圧の大きさが所定の設定範囲内にある時としたものである。
請求項5に係る発明は、請求項1に記載した電力変換器の制御装置において、前記タイミングを、前記コンデンサの電圧の大きさが所定の設定値以下である時としたものである。
請求項6に係る発明は、請求項2〜5の何れか1項に記載したタイミング以外のタイミングにて、前記パワー半導体素子を遮断するべき指令が発生した場合に、請求項2〜5の何れか1項に記載されたタイミングが到来するまで、前記指令発生前の前記パワー半導体素子のスイッチ状態を維持するものである。
請求項7に係る発明は、請求項3または5に記載した電力変換器の制御装置において、前記設定値が、前記コンデンサに印加される直流電源電圧とほぼ等しいことを特徴とする。
本発明によれば、直流部のコンデンサによる共振電圧の重畳や、共振電圧の頂上付近におけるパワー半導体素子の遮断を未然に防ぐことができ、パワー半導体素子に印加される電圧を軽減することができる。
このため、低耐圧かつ小容量のパワー半導体素子やコンデンサを使用することが可能になり、電力変換器全体の小型化、低コスト化を図ることができる。
本発明の実施形態が適用されるインバータシステムの構成図である。 遮断アルゴリズムの第1実施例を示すフローチャートである。 遮断アルゴリズムの第2実施例を示すフローチャートである。 遮断アルゴリズムの第3実施例を示すフローチャートである。 遮断アルゴリズムの第4実施例を示すフローチャートである。 遮断アルゴリズムの第1実施例が適用されるコンデンサ電圧の波形図である。 遮断アルゴリズムの第3実施例が適用されるコンデンサ電圧の波形図である。 遮断アルゴリズムの第3実施例における動作説明図である。 インバータシステムの全体構成図である。 図9におけるIGBT遮断時のコレクタ−エミッタ間電圧及びコレクタ電流の一例を示す波形図である。 図9において、共振現象の発生時にIGBTが遮断された場合のコレクタ−エミッタ間電圧及びコレクタ電流の一例を示す波形図である。 図9において、一部のIGBTが遮断された場合の動作説明図である。 図9において、一部のIGBTが遮断された場合のコンデンサ電圧の波形図である。 図9において、IGBTが全相遮断された場合の動作説明図である。 図9において、IGBTが全相遮断された場合のコンデンサ電圧の波形図である。 特許文献2に記載された従来技術の回路図である。
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
まず、図1は、本発明の実施形態が適用されるインバータシステムの全体構成図であり、図9と同一の部分には同一の参照符号を付して説明を省略し、以下では異なる部分を中心に説明する。
図1において、17は直流電源Eの電圧を検出する電圧検出器、18は直流部のコンデンサCの電圧を検出する電圧検出器であり、これらの電圧検出器17,18による電圧検出値は制御装置20Aに入力されている。
この実施形態では、制御装置20Aが、IGBT 11〜16を遮断するタイミングを遮断後に発生する共振電圧を考慮したうえで決定する。ここで、上記タイミングは、電圧検出器17,18による電圧検出値に基づいて所定の動作アルゴリズム(以下、遮断アルゴリズムという)により決定するものである。なお、直流電源Eの電圧検出値は、後述する設定値E,Eの基準値となる。
図2〜図5は、上記遮断アルゴリズムをフローチャートにより示したものである。これらの遮断アルゴリズムは、電圧検出、微分演算、大小判断、遅延処理等、周知の動作からなっており、制御装置20Aがソフトウェアまたはハードウェアを用いて容易に実現可能である。
始めに、図2は遮断アルゴリズムの第1実施例を示している。
図2において、制御装置20AによりIGBTに対する遮断指令が出力されると(ステップS1 YES)、図1の電圧検出器18によりコンデンサ電圧VCdを検出し(ステップS2)、更に電圧VCdの微分値(dVCd/dt)を計算する(ステップS3)。なお、VCdの微分値を直接検出できる場合には、ステップS2は不要である。
次に、上記微分値(dVCd/dt)が0または負であるか否かを判断し、0または負であった場合(ステップS4 YES)は、IGBTを遮断するように制御信号を生成し、所定のゲート駆動回路を介して遮断動作を実施する(ステップS5)。また、微分値(dVCd/dt)が正であった場合(ステップS4 NO)は、微分値が0または負になるまでステップS4の判断を繰り返す。言い換えれば、微分値が0または負になるまで、それ以前のIGBTのスイッチ状態を維持する。
図6は、第1実施例が適用されるコンデンサ電圧VCdの波形の一例を示している。
ここでは、コンデンサ電圧VCdが直流電源電圧Eに等しい状態で時刻tに所定のIGBTが遮断され、その後の時刻tで別のIGBTが遮断される場合を想定する。
図6の時刻t以後、コンデンサ電圧VCdは正の傾き(dVCd/dtは正)で増加し、時刻tで傾きが0(dVCd/dtは0)となる。時刻tは、時刻tから共振電圧の位相差π/2[rad]を経過した時刻であり、時刻t以後のコンデンサ電圧VCdは数式6によって表される。
[数式6]
Cd=E+ΔVCdmax{sinθ+sin(θ−π/2)}
=E+√2・ΔVCdmax{sin(θ−π/4)}
従って、図2のステップS4に示したように、コンデンサ電圧VCdの微分値(dVCd/dt)が0または負になったときにIGBTを遮断した場合、コンデンサ電圧VCdの最高到達値は、E+√2・ΔVCdmaxとなる。
また、IGBTの遮断によってコレクタ−エミッタ間に発生するサージ電圧VCEは、時刻tで最大となり、数式7によって表される。
[数式7]
CE=E+ΔVCdmax+Vsurge
次に、図3は、遮断アルゴリズムの第2実施例を示している。
図3において、ステップS3の後に、コンデンサ電圧VCdの微分値(dVCd/dt)が負であった場合(ステップS4a YES)は、電圧VCdの大きさが第1の設定値E以下であるか否かを判断する(ステップS6)。
そして、電圧VCdの大きさが設定値E以下である場合(ステップS6 YES)には、IGBTを遮断するための制御信号を生成し、前記同様に遮断動作を実施する(ステップS5)。また、電圧VCdの微分値(dVCd/dt)が0または正である場合(ステップS4a NO)、及び、電圧VCdの大きさが設定値Eを超える場合(ステップS6 NO)には、微分値(dVCd/dt)が負になるまで、それ以前のIGBTのスイッチ状態を維持する。
この第2実施例において、第1の設定値Eをほぼ直流電源電圧Eに等しくすると、前述した図6から類推できるように、最初に所定のIGBTを遮断した第1の時刻(図6の時刻tに相当する)からコンデンサ電圧VCdが増加してその微分値(dVCd/dt)がやがて0になり、その後に電圧VCdが減少することにより微分値(dVCd/dt)が負になってVCdが第1の設定値E以下になる第2の時刻(図3のステップS6がYESとなる時刻)は、上記第1の時刻から共振電圧の位相差3π/2[rad]を経過した時刻である。
すなわち、第2の時刻以後のコンデンサ電圧VCdは数式8によって表される。
[数式8]
Cd=E+ΔVCdmax{sinθ+sin(θ−3π/2)}
=E+√2・ΔVCdmax{sin(θ−3π/4)}
従って、図3のステップS6に示したように、コンデンサ電圧VCdが第1の設定値E以下になったときにIGBTを遮断した場合、コンデンサ電圧VCdの最高到達値は、E+√2・ΔVCdmaxとなる。
また、IGBTの遮断によってコレクタ−エミッタ間に発生するサージ電圧VCEは、VCd=Eの時に最大となり、数式9によって表される。
[数式9]
CE=E+Vsurge
次いで、図4は、遮断アルゴリズムの第3実施例を示している。
図4において、ステップS3の後に、コンデンサ電圧VCdの微分値(dVCd/dt)が負であった場合(ステップS4a YES)は、電圧VCdの大きさが第2の設定値E以上で第1の設定値E以下の範囲、つまり所定の設定範囲内にあるか否かを判断する(ステップS7)。
そして、電圧VCdの大きさが設定範囲内である場合(ステップS7 YES)には、IGBTを遮断するための制御信号を生成し、前記同様に遮断動作を実施する(ステップS5)。また、電圧VCdの微分値(dVCd/dt)が0または正である場合(ステップS4a NO)、及び、電圧VCdの大きさが設定範囲外である場合(ステップS7 NO)には、微分値(dVCd/dt)が負になるまで、それ以前のIGBTのスイッチ状態を維持する。
ここでは、第1,第2の設定値E,Eによる設定範囲が直流電源電圧E付近であるものとして説明を続ける。
図7は、この第3実施例が適用されるコンデンサ電圧VCdの波形の一例を示している。
図7において、最初に所定のIGBTを遮断した時刻tからコンデンサ電圧VCdが増加してその微分値(dVCd/dt)がやがて0になり、その後に電圧VCdの減少により微分値(dVCd/dt)が負になってVCdが上記設定範囲内(直流電源電圧E付近)となる時刻t(図4のステップS7がYESとなる時刻)は、時刻tから共振電圧の位相差π[rad]を経過した時刻である。
このため、図4のステップS7に示したように、コンデンサ電圧VCdが上記設定範囲内となったときにIGBTを遮断した場合、コンデンサ電圧VCdの最高到達値は、共振重畳電圧の最大値ΔVCdmaxを直流電源電圧Eに加算したものとなり、数式10によって表される。
[数式10]
Cd=E+ΔVCdmax
また、IGBTの遮断によってコレクタ−エミッタ間に発生するサージ電圧VCEは、VCd=Eの時に最大となり、数式11によって表される。
[数式11]
CE=E+Vsurge
なお、図8は、第3実施例の動作を説明するためのものであり、図8の上段に示すようにIGBT 11,14,16がオンしている時に、前記時刻tでIGBT 11が遮断され(図8の中段)、その後、前記時刻tでIGBT 14,16が遮断される(図8の下段)ときの電流経路を示している。
次に、図5は、遮断アルゴリズムの第4実施例を示している。
図5において、ステップS2によりコンデンサ電圧VCdを検出し、その後、電圧VCdの大きさが第1の設定値E以下であるか否かを判断する(ステップS6)。電圧VCdの大きさが設定値E以下である場合(ステップS6 YES)には、IGBTを遮断するための制御信号を生成し、前記同様に遮断動作を実施する(ステップS5)。また、電圧VCdの大きさが設定値Eを超える場合(ステップS6 NO)には、設定値E以下になるまで、それ以前のIGBTのスイッチ状態を維持する。
この第4実施例において、第1の設定値Eをほぼ直流電源電圧Eに等しくすると、最初に所定のIGBTを遮断した第1の時刻(図6,図7の時刻tに相当する)からコンデンサ電圧VCdが増加、減少を繰り返して第1の設定値E以下になる第2の時刻(図5のステップS6がYESとなる時刻)は、上記第1の時刻から共振電圧の位相差2π[rad]を経過した時刻である(なお、位相差π[rad]の時刻でもVCdが設定値E以下になり得るが、この場合は前述した第2実施例により対応可能である)。
すなわち、第2の時刻以後のコンデンサ電圧VCdは数式12によって表される。
[数式12]
Cd=E+ΔVCdmax(sinθ+sin(θ−2π))
=E+2・ΔVCdmax
従って、図5のステップS6に示したように、コンデンサ電圧VCdが第1の設定値E以下になったときにIGBTを遮断した場合、コンデンサ電圧VCdの最高到達値は、E+2・ΔVCdmaxとなる。
また、IGBTの遮断によってコレクタ−エミッタ間に発生するサージ電圧VCEは、VCd=Eの時に最大となり、数式13によって表される。
[数式13]
CE=E+Vsurge
ここで、図11,図15等により説明した従来技術と、上述の第1実施例〜第4実施例とによるコンデンサ電圧VCdとIGBTのコレクタ−エミッタ間電圧VCEの理論上の最高到達値を、表1に示す。なお、従来技術の各電圧の最高到達値については既に説明した通りである。
Figure 2016025686
また、表1において、ΔVCdmaxとVsurgeとの大小関係により、従来技術に対する各実施例による電圧低減効果が異なる。この電圧低減効果の有無を表2に示す。
Figure 2016025686
表1,表2によれば、IGBTのコレクタ−エミッタ間電圧VCEの最高到達値は第2〜第4実施例が従来技術より低く、コンデンサ電圧VCdは第1〜第3実施例が従来技術より低くなっており、第1〜第4実施例による電圧低減効果は従来技術よりも概ね良好である。
このため、IGBT及び直流部のコンデンサの低耐圧化による小型化、低価格化を期待することができる。
なお、以上の説明は、インバータ回路10を構成するIGBTを全相遮断する場合を想定したものであるが、本発明は、全相遮断でなく、ある一つのIGBTを遮断する場合にも適用可能である。
また、本発明は、IGBT以外のパワー半導体素子を用いた電力変換器にも適用することができる。
:直流電源
:コンデンサ
L,L:配線インダクタンス
10:インバータ回路
11〜16:IGBT
11a:ゲート駆動回路
17,18:電圧検出器
20A:制御装置

Claims (7)

  1. パワー半導体素子のスイッチング動作により電力変換動作を行い、かつ、直流部に接続されたコンデンサによって前記スイッチング動作のたびに前記直流部に共振現象が発生する電力変換器の制御装置であって、前記パワー半導体素子をスイッチングするための制御信号を生成する制御装置において、
    前記パワー半導体素子を遮断するタイミングを、前記コンデンサの電圧の微分値または大きさ、もしくは、前記コンデンサの電圧の微分値及び大きさに基づいて生成するようにしたことを特徴とする電力変換器の制御装置。
  2. 請求項1に記載した電力変換器の制御装置において、
    前記タイミングを、前記コンデンサの電圧の微分値がゼロまたは負である時としたことを特徴とする電力変換器の制御装置。
  3. 請求項1に記載した電力変換器の制御装置において、
    前記タイミングを、前記コンデンサの電圧の微分値が負であり、かつ、前記コンデンサの電圧の大きさが所定の設定値以下である時としたことを特徴とする電力変換器の制御装置。
  4. 請求項1に記載した電力変換器の制御装置において、
    前記タイミングを、前記コンデンサの電圧の微分値が負であり、かつ、前記コンデンサの電圧の大きさが所定の設定範囲内にある時としたことを特徴とする電力変換器の制御装置。
  5. 請求項1に記載した電力変換器の制御装置において、
    前記タイミングを、前記コンデンサの電圧の大きさが所定の設定値以下である時としたことを特徴とする電力変換器の制御装置。
  6. 請求項2〜5の何れか1項に記載したタイミング以外のタイミングにて、前記パワー半導体素子を遮断するべき指令が発生した場合に、請求項2〜5の何れか1項に記載されたタイミングが到来するまで、前記指令発生前の前記パワー半導体素子のスイッチ状態を維持することを特徴とする電力変換器の制御装置。
  7. 請求項3または5に記載した電力変換器の制御装置において、
    前記設定値が、前記コンデンサに印加される直流電源電圧とほぼ等しいことを特徴とする電力変換器の制御装置。
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