JP2016021959A - 高甘味度甘味料を使用した低カロリー粒状固形ルウおよびその製造方法 - Google Patents

高甘味度甘味料を使用した低カロリー粒状固形ルウおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】砂糖等の代りに高甘味度甘味料を用いて、熱水中への溶解性に優れ、包装容器への安定した自動充填が可能であり、長期保存性にも優れ、調理後のソースのコクや食感に関しても優れている低カロリー粒状固形ルウ及び低カロリー粒状固形ルウを容易に製造できる製造方法及び低カロリー粒状固形ルウを含む低カロリー粒状固形ルウ含有調味料の提供。【解決手段】澱粉原料及び油脂を必須原料とし、高甘味度甘味料、その他の食品原料を添加し、前記油脂の融点以上において加熱混合してペースト状原料を調製した後に、前記ペースト状原料を目開き10mmの篩をパスする粒子に冷却固化して粒状固形ルウにするか、又は、前記ペースト状原料を冷却固化した冷却固形ルウを目開き10mmの篩をパスする粒子に粉砕して得られる、粒状固形ルウであって、前記粒状固形ルウの甘味の70%以上を高甘味度甘味料で占める低カロリー粒状固形ルウ。【選択図】図1

Description

本発明は、溶解性、充填性と生産性に優れる、高甘味度甘味料を使用した低カロリー粒状固形ルウおよびその製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、熱水または、料理に用いられる具材が煮込まれた熱水中に添加しても容易に溶解する優れた溶解性を有する上、包装容器へ安定して容易に自動充填できるなど生産性にも優れており、カレー、シチュー、ハヤシライスソース、パスタソースなどの調理に用いることができる高甘味度甘味料を使用した低カロリー粒状固形ルウおよびその製造方法に関するものである。
従来の、カレー、シチュー、パスタソース等の調理に用いられる調味料は、常温で固形を維持しカップ等の容器に充填されている固形ルウや、常温でペースト状になっていて、袋に充填されているペーストルウ等が市販されている。
これらの一般的なルウは、油脂、小麦粉等の澱粉、香辛料、砂糖、食塩、各種調味料等が用いられ、少なくとも油脂、小麦粉等の澱粉を、100℃以上に加熱混合することで、小麦粉の生っぽさを低減させるとともに、余分な水分を蒸発させ、その他の原料を適宜添加し、各種ルウを製造することで、油脂由来のコク、小麦粉などの澱粉由来の粘性、その他の香辛料、砂糖、食塩、各種調味料等の旨味やコク、さらに特徴的な風味を得たルウを製造している(例えば、特許文献1や特許文献2参照)。
ただ、これらのルウは、油脂や砂糖等の高カロリーの原料が多く用いられることが多く、ルウ原料の配合において、油脂配合割合を低下させて、製造する発明を用いた低カロリールウに関して提案されていた。
澱粉原料に極少量の油脂を加え、加水することなく押し出し造粒し、澱粉以外の原料は加水することなく加圧成形した後、粉砕整粒し、得られた両顆粒物を混合するローファットの顆粒状食品およびその製造方法(特許文献3参照)、澱粉に油脂を0〜6質量%、水分4〜12質量%含む食品原料を所定の硬度になるように加圧成形し、それを粉砕整粒するローファットあるいはノンファットの顆粒状食品およびその製造方法(特許文献4参照)、澱粉質原料、油脂および調味料を含み、かつ、油脂含量が10〜25質量%である原料を加熱混合して低油脂ルウを調製し、それを粉粒とし、成形型に充填し、そして加圧成形する低カロリーの低油脂固形ルウの製造方法(特許文献5参照)なども提案されている。
しかし、これらの提案においては、油脂の割合を少なくするために、油脂由来のコクがなくなり、美味しさに影響が生じていたり、油脂による固形状のルウとしての保形性がなく粉体状になったことで、調理時にダマになりやすく、溶け・分散性が著しく悪くなる問題もあった。
また、ショ糖の甘味度を1とした時に甘味度が100以上となる高甘味度甘味料が、飲料を中心とした低カロリーもしくはノンカロリー食品に多く用いられることがあるが、一般的な固形ルウにおいて、砂糖などの代わりに高甘味度甘味料を多く用いて低カロリー化を実現しようとすると、熱水または、料理に用いられる具材が煮込まれた熱水中に添加した際に、従来固形ルウ中に分散して存在することで溶解性の向上に寄与した砂糖などの量が足りず、溶解性が悪くなるなどの問題があった。
特開平9−294569号公報 特開2012−5368号公報 特開2000−125784号公報 特開2000−125783号公報 特開2006−345856号公報
本発明の第1の目的は、従来からの問題を解決し、熱水または、料理に用いられる具材が煮込まれた熱水中に添加しても溶解性に優れ、また、包装容器への安定した自動充填が可能となり、保存面の機能も優れていて、調理後のソースのコクや食感に関しても優れているカレー、シチュー、ハヤシライスソース、パスタソースなどの提供を可能とする高甘味度甘味料を使用した低カロリー粒状固形ルウを提供することである。
本発明の第2の目的は、本発明の高甘味度甘味料を使用した低カロリー粒状固形ルウを容易に製造することができる製造方法を提供することである。
本発明の第3の目的は、本発明の高甘味度甘味料を使用した低カロリー粒状固形ルウを含む低カロリー粒状固形ルウ含有調味料を提供することである。
本発明の発明者は、鋭意研究の結果、例えば、澱粉原料、油脂、およびショ糖の甘味度を1とした時に甘味度が100以上の高甘味度甘味料や、前記澱粉原料、前記油脂以外の食品原料からなる粉末などを原料として用いて固形ルウを所定の条件にて調製した後、この固形ルウを粉砕して所定の篩をパスする粒子が大部分を占めるような低カロリー粒状固形ルウによって課題を解決できることを見出すとともに、前記固形ルウ調製時に用いた食品原料からなる前記粉末の一部であって加水加熱によりα化しない前記粉末を固形ルウ調製時に用いずに、粒状固形ルウを調製し、この粒状固形ルウに固形ルウ調製時に用いなかった前記粉末を混合して粒状固形ルウの表面に局在させることによって得られた低カロリー粒状固形ルウはさらに優れた溶解性を有する上、さらに優れた充填性や保存安定性を有することを見出し、本発明を成すに至った。
前記課題を解決するための請求項1記載の発明は、澱粉原料および油脂を必須原料とし、必要に応じて、ショ糖の甘味の甘味度を1とした場合に甘味度が100以上となる高甘味度甘味料、その他の食品原料を添加し、前記油脂の融点以上において加熱混合してペースト状原料を調製した後に、
前記ペースト状原料を目開き10mmの篩をパスする粒子に冷却固化して粒状固形ルウにするか、または、前記ペースト状原料を冷却固化した冷却固形ルウを目開き10mmの篩をパスする粒子に粉砕して得られる、粒状固形ルウであって、
前記粒状固形ルウの甘味の70%以上を、ショ糖の甘味を甘味度1にする場合において、甘味度が100以上となる高甘味度甘味料で占めることを特徴とする低カロリー粒状固形ルウである。
本発明の請求項2記載の発明は、請求項1記載の低カロリー粒状固形ルウにおいて、前記高甘味度甘味料が、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリンナトリウム、スクラロース、ネオテーム、ステビアの1種または2種以上を含むことを特徴とする。
本発明の請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の低カロリー粒状固形ルウにおいて、目開き0.3mmの篩をパスし、加水加熱によりα化しない別途計量する食品原料からなる付着用粉体が、前記粒状固形ルウの表面に付着していることを特徴とする。
本発明の請求項4記載の発明は、請求項3記載の低カロリー粒状固形ルウにおいて、前記付着用粉体を、前記冷却固形ルウを目開き10mmの篩をパスする粒子に粉砕する工程で添加し、前記粒状固形ルウの表面に前記付着用粉体の一部または全量を付着させることを特徴とする。
本発明の請求項5記載の発明は、請求項3または請求項4記載の低カロリー粒状固形ルウにおいて、前記付着用粉体が、香辛料、野菜パウダー、果物パウダー、鰹節パウダーなどの動植物の乾燥粉砕加工物、ビーフエキスパウダー、野菜エキスパウダー、ミルクパウダー、醤油パウダーなどの各種液体原料の乾燥粉末化物、塩や砂糖、アミノ酸などの調味料粉末、その他粉体香料、粉体増粘多糖類、粉体色素、および前記高甘味度甘味料から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする。
本発明の請求項6記載の発明は、請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の低カロリー粒状固形ルウにおいて、前記付着用粉体の含有量が、低カロリー粒状固形ルウ全体の10〜55質量%であることを特徴とする。
本発明の請求項7記載の発明は、請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の低カロリー粒状固形ルウにおいて、前記油脂の含有量が、低カロリー粒状固形ルウ全体の12〜25質量%であることを特徴とする。
本発明の請求項8記載の発明は、下記の工程(1)〜(4)を含むことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の高甘味度甘味料を使用した低カロリー粒状固形ルウの製造方法である。
(1)澱粉原料、油脂、ショ糖の甘味を1とする甘味度が低カロリー粒状固形ルウの全甘味の70%以上の甘味となる量の高甘味度甘味料、その他の食品原料を所定量準備する。
(2)前記油脂の融解する温度以上で前記澱粉原料と前記油脂と必要に応じて、ショ糖の甘味を1とする甘味度が低カロリー粒状固形ルウの全甘味の70%以上の甘味となる量の高甘味度甘味料、その他の食品原料を所定量加熱混合したペースト状原料を調製する。
(3)前記加熱混合したペースト状原料を、目開き10mmの篩をパスする粒子に冷却固化し、必要に応じて前記付着粉体を付着させるか、または、冷却固化した固形ルウを目開き10mmの篩をパスする粒子に、必要に応じて前記付着粉体を添加しつつ、粉砕し粒状固形ルウを調製する。
(4)前記粒状固形ルウと、必要に応じて、前記低カロリー粒状固形ルウ以外の食品粉粒体およびショ糖の甘味を1とする甘味度が低カロリー粒状固形ルウの全甘味の70%以上の甘味となる量の高甘味度甘味料の所定量を包装用容器に充填し密封する。
本発明の請求項9記載の発明は、目開き0.3mmの篩をパスしない請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の低カロリー粒状固形ルウを70質量%以上含むことを特徴とする低カロリー粒状固形ルウ含有調味料である。
本発明の請求項1記載の発明は、澱粉原料および油脂を必須原料とし、必要に応じて、ショ糖の甘味の甘味度を1とした場合に甘味度が100以上となる高甘味度甘味料、その他の食品原料を添加し、前記油脂の融点以上において加熱混合してペースト状原料を調製した後に、
前記ペースト状原料を目開き10mmの篩をパスする粒子に冷却固化して粒状固形ルウにするか、または、前記ペースト状原料を冷却固化した冷却固形ルウを目開き10mmの篩をパスする粒子に粉砕して得られる、粒状固形ルウであって、
前記粒状固形ルウの甘味の70%以上を、ショ糖の甘味を甘味度1にする場合において、甘味度が100以上となる高甘味度甘味料で占めることを特徴とする低カロリー粒状固形ルウであり、
低カロリー化とともに、所定の条件にて、固形ルウを冷却固化するか、粉砕することにより得られる、所定の目開きの篩をパスする粒子が大部分を占める本発明の低カロリー粒状固形ルウは、表面積が大きいので、熱と水分が固形ルウの個々の粒子に素早く均一に行き渡りやすく、熱水中への溶解性および分散性が優れ、また、包装容器へ安定してかつ粒子間隙が小さく自動充填が可能となり、商品の流通や保存の際に、粒子状のルウ同士の接着が起きにくく、包装容器の中で、塊になったりしにくいという保存面の機能も優れていて、調理後のソースのコクや食感に関しても優れており、かつグラニュー糖などを高甘味度甘味料に置き換えてその使用量を減少できるので低カロリー化したカレー、シチュー、ハヤシライスソース、パスタソースなどの提供を可能とするという顕著な効果を奏する。
前記その他の食品原料とは、具体的には、例えば、香辛料、野菜、果物、鰹節などの動植物からなる食品原料および/またはその乾燥粉砕加工物など、ビーフエキス、野菜エキス、ミルク、醤油パウダーなどの各種液体原料および/またはその乾燥粉末化物、塩や砂糖、アミノ酸などの調味料、その他香料、増粘多糖類、色素、および前記高甘味度甘味料など、およびこれらの2種以上の混合物を挙げることができる。
本発明の請求項2記載の発明は、請求項1記載の低カロリー粒状固形ルウにおいて、前記高甘味度甘味料が、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリンナトリウム、スクラロース、ネオテーム、ステビアの1種または2種以上を含むことを特徴とするものであり、
入手も容易であり、確実に低カロリー化できるという、さらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の低カロリー粒状固形ルウにおいて、目開き0.3mmの篩をパスし、加水加熱によりα化しない別途計量する食品原料からなる付着用粉体が、前記粒状固形ルウの表面に付着していることを特徴とするものであり、
前記付着用粉体が、前記粒状固形ルウの表面に付着しているので、表面積がさらに大きくなり、熱と水分が固形ルウの個々の粒子に素早く均一に行き渡りやすく、熱水中への溶解性および分散性に優れるとともに、付着用粉体により油脂に起因するベトツキがなくなり、隣接する粒子と結着せず、充填時にノズル中を通過する際に粒子同士が結着せず粒子がノズル壁面につかないのでノズルが詰まらず、調理時に熱水中に入れても付着用粉体がα化しないので大きなダマになわず、粒子同士の結着がより少なくなって、熱水中への溶解性がより優れ、また、包装容器へのより安定した自動充填が可能となり、保存面の機能もより優れるという、さらなる顕著な効果を奏する。
粒状固形ルウは、油脂の存在により粘着性を有するが、前記付着用粉体が、粒状固形ルウの表面に付着しているので、粒状固形ルウの粒子同士の結着が抑えられ、さらに、機械上での滑り性が向上するので、包装容器に自動充填し易く生産性が向上する。
さらに、商品の流通や保存の際に、高温にさらされた場合にも、粒状固形ルウの粒子同士の接着を防止できるため、包装容器の中で、塊になることを防止できる。
さらに、短時間で溶解するので、溶解中にお湯の温度が下がりにくく、すべての澱粉原料がより高温のお湯にさらされるため、溶解と同時に全体が均一にα化し、十分な粘度が発現されるため、必ずしも溶解後に改めて加熱して澱粉原料をα化する必要がない。
加水加熱によりα化しない別途計量する食品原料とは、具体的には、例えば、香辛料、野菜パウダー、果物パウダー、鰹節パウダーなどの動植物の乾燥粉砕加工物、ビーフエキスパウダー、野菜エキスパウダー、ミルクパウダー、醤油パウダーなどの各種液体原料の乾燥粉末化物、塩や砂糖、アミノ酸などの調味料粉末、その他粉体香料、粉体増粘多糖類、粉体色素、および前記高甘味度甘味料から選ばれる少なくとも1つを挙げることができる。
油脂の融点以上において加熱混合してペースト状原料調製時に用いた食品原料の一部であって加水加熱によりα化しない前記食品原料粉末を、粒状固形ルウを得るためのペースト状原料調製時には用いずに、粒状固形ルウを調製し、この粒状固形ルウにペースト状原料調製時に用いなかった前記粉末を含む粉末を付着用粉体として別途計量して所定量を混合して、前記粒状固形ルウの表面に付着させる。
本発明の請求項4記載の発明は、請求項3記載の低カロリー粒状固形ルウにおいて、前記付着用粉体を、前記冷却固形ルウを目開き10mmの篩をパスする粒子に粉砕する工程で添加し、前記粒状固形ルウの表面に前記付着用粉体の一部または全量を付着させることを特徴とするものであり、
冷却固形ルウを単独で粉砕するとルウに含まれる油脂でベトツキがでて粒子同士が結着する恐れがあるが、冷却固形ルウを粉砕しながら粒状固形ルウの表面に付着用粉体を付着させることで、ベトツキが抑えられより細かく粉砕でき、効率的に付着させることができる上、粒状固形ルウの表面に付着した付着用粉体が粒状固形ルウの内部に押し込まれるので粒状固形ルウから剥離したり剥がれたりし難くなり、その効果が持続するという、さらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項5記載の発明は、請求項3または請求項4記載の低カロリー粒状固形ルウにおいて、前記付着用粉体が、香辛料、野菜パウダー、果物パウダー、鰹節パウダーなどの動植物の乾燥粉砕加工物、ビーフエキスパウダー、野菜エキスパウダー、ミルクパウダー、醤油パウダーなどの各種液体原料の乾燥粉末化物、塩や砂糖、アミノ酸などの調味料粉末、その他粉体香料、粉体増粘多糖類、粉体色素、および前記高甘味度甘味料から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とするものであり、
前記付着用粉体はペースト状原料を調製し冷却固化する工程には使用されないので、ペースト状原料の、加熱量、加熱時間や油脂添加量を、ペースト状原料の減る分だけ減らすことができ、エネルギー効率アップとなり、油脂添加量低減した分、より低カロリー化できる上、市販品も多く、入手が容易であるという、さらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項6記載の発明は、請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の低カロリー粒状固形ルウにおいて、前記付着用粉体の含有量が、低カロリー粒状固形ルウ全体の10〜55質量%であることを特徴とするものであり、
付着用粉体の含有量が、低カロリー粒状固形ルウ全体の10〜55質量%であるので過不足なく均一に付着するという、さらなる顕著な効果を奏する。
付着用粉体の含有量が、低カロリー粒状固形ルウ全体の10質量%未満であると表面を覆う割合が少なく、効果がでない恐れがある。55質量%を超えると付着用粉体が付着しないものが多くなり、分離して容器の底にたまり不均一となる恐れがある。
本発明の請求項7記載の発明は、請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の低カロリー粒状固形ルウにおいて、前記油脂の含有量が、低カロリー粒状固形ルウ全体の12〜25質量%であることを特徴とするものであり、
グラニュー糖などを高甘味度甘味料に置き換えると、置き換えたグラニュー糖などの量だけペースト状原料を調製する際に必要な油脂量を減らして低カロリー化を図ることができ、前記付着用粉体に調味料などを使用することで、ペースト状原料の調製量を減らし、その分だけ必要な油脂量を減らして低カロリー化を図るなどによって、油脂の含有量を低カロリー粒状固形ルウ全体の12〜25質量%とすることができるので、より低カロリー化できるという、さらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項8記載の発明は、前記の工程(1)〜(4)を含むことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の高甘味度甘味料を使用した低カロリー粒状固形ルウの製造方法であり、
本発明の高甘味度甘味料を使用した低カロリー粒状固形ルウを容易に製造することができるという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項9記載の発明は、目開き0.3mmの篩をパスしない請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の低カロリー粒状固形ルウを70質量%以上含むことを特徴とする低カロリー粒状固形ルウ含有調味料であり、
本発明の低カロリー粒状固形ルウ含有調味料は、低カロリー粒状固形ルウ単独で調味料として使用する場合もあるが、低カロリー粒状固形ルウをベースとして、前記付着用粉体や低カロリー粒状固形ルウ以外の食品粉粒体を含有することができるので、様々な風味の調味料を容易に調製でき、例えば本発明の低カロリー粒状固形ルウを含む低カロリー粒状固形ルウを大量に大ロットで製造して、その後、各種のフレーバーをそれぞれ添加することによって容易に経済的に多品種生産を行なうことができ、また、目開き0.3mmの篩をパスする付着用粉体などの量が少ないので、調理するために取り出する際に静電気に起因する容器への付着が少なくなるので複数回に分けて使用しても、風味などのバラツキが少ないというという、顕著な効果を奏する。
前記低カロリー粒状固形ルウ以外の食品粉粒体とは、具体的には、例えば、香辛料、野菜パウダー、果物パウダー、鰹節パウダーなどの動植物の乾燥粉砕加工物、ビーフエキスパウダー、野菜エキスパウダー、ミルクパウダー、醤油パウダーなどの各種液体原料の乾燥粉末化物、塩や砂糖、アミノ酸などの調味料粉末、その他粉体香料、粉体増粘多糖類、粉体色素、および前記高甘味度甘味料から選ばれる少なくとも1つを挙げることができる。
図1(イ)は請求項1記載の本発明の低カロリー粒状固形ルウの粒子の例の断面を模式的に説明する断面説明図であり、(ロ)は請求項3記載の本発明の低カロリー粒状固形ルウの粒子の例の断面を模式的に説明する断面説明図である。 図2は本発明の請求項1記載の低カロリー粒状固形ルウの製造工程を説明する説明図である。 図3は本発明の請求項9に示す低カロリー粒状固形ルウ含有調味料を説明する説明図である。
以下、図面を用いて本発明を説明する。
図1(イ)は請求項1記載の本発明の低カロリー粒状固形ルウの粒子の例の断面を模式的に説明する断面説明図であり、(ロ)は請求項3記載の本発明の低カロリー粒状固形ルウの粒子の例の断面を模式的に説明する断面説明図である。
図1(イ)、(ロ)において1は、目開き10mmの篩をパスするが、目開き0.3mmの篩をパスしない低カロリー粒状固形ルウの粒子を示し、2は低カロリー粒状固形ルウ1の粒子表面に付着したり、粒子表面に埋没した付着用粉体を示す。
図3は本発明の低カロリー粒状固形ルウ含有調味料を説明する説明図である。図3において1は、目開き10mmの篩をパスするが、目開き0.3mmの篩をパスしない低カロリー粒状固形ルウの粒子を示し、1’は、目開き0.3mmの篩をパスする低カロリー粒状固形ルウの粒子を示し、2は低カロリー粒状固形ルウ1の粒子表面に付着したり、粒子表面に埋没した付着用粉体を示し、2’は低カロリー粒状固形ルウ1に付着しないで目開き0.3mmの篩をパスする付着用粉体を示し、3は低カロリー粒状固形ルウ以外のその他の食品粉粒体を示す。
図1に示した低カロリー粒状固形ルウ1は、澱粉原料、油脂を必須原料とし、必要に応じて、ショ糖の甘味の甘味度を1とした場合に甘味度が100以上となる高甘味度甘味料、その他の食品原料を添加し、前記油脂の融点以上において加熱混合してペースト状原料を調製した後に、前記ペースト状原料を目開き10mmの篩をパスする粒子に冷却固化して粒状固形ルウにするか、または、前記ペースト状原料を冷却固化した冷却固形ルウを目開き10mmの篩をパスする粒子に粉砕するかして調製される低カロリー粒状固形ルウであって、ショ糖の甘味を甘味度1とした時に、粒状固形ルウの甘味の70%以上を前記高甘味度甘味料が占めることを特徴とするものである。
本発明の低カロリー粒状固形ルウは、低カロリー化とするとともに、所定の冷却型で冷却固化して目開き10mmの篩をパスする粒子としたり、必要に応じて所定の条件にて冷却された固形ルウを粉砕することにより目開き10mmの篩をパスする粒子にするかして得られる、所定の目開きの篩をパスする粒子が大部分を占めているので、熱と水分が固形ルウの個々の粒子に素早く均一に行き渡りやすく、熱水中への溶解性が優れ、また、包装容器への安定した自動充填が可能となるなどの機能も優れている。
さらに、本発明において、目開き10mmの篩をパスする粒子とは、付着用粉体を用いない場合は、冷却固化した粒状固形ルウが目開き10mmの篩をパスすることが必要であり、付着用粉体が粒状固形ルウに付着している場合は、付着用粉体が付着した状態で目開き10mmの篩をパスすることが必要であるが、目開き7mmの篩をパスするようにするとより溶解性が優れ、目開き5mmの篩をパスするようにするとさらに溶解性が優れ、目開き4mm以下の篩をパスするようにすると特に溶解性が優れ好ましい。
また、本発明において、粒状固形ルウが小さな目開きをパスするようにする方法としては、例えば小さな型枠等でペースト状原料を冷却固化したり、冷却固形ルウを粉砕したりする方法を挙げることができる。冷却固形ルウを粉砕する際に付着用粉体を添加し、粉砕された粒状固形ルウの表面に付着用粉体を付着させることで、より効率的に小さな粒状固形ルウを製造できるので、目開き5mm以下の篩をパスする本発明の低カロリー粒状固形ルウを製造するのに好ましい方法である。
使用するショ糖(砂糖)は水溶性であるため、固形ルウを熱水に添加した際に、ショ糖が固形ルウの表面に顔をだしていると、ショ糖が溶けて、溶けたところに穴ができ、そのためその部分の表面積が増えることで、ルウが溶けやすかったが、ショ糖を高甘味度甘味料に変えた場合、添加量が少ないために、前記のような表面積をふやす効果がほとんどなくなる。そのため、目開きメッシュ10mmの篩をパスするようにして表面積を増やすことによって熱水中への溶解性の向上を図るものである。
本発明においては、目開き10mmの篩をパスするということは、具体的には、例えば目開き10mmよりも大きい15mmの篩をパスする粒子をつくり、目開き10mmの篩をパスしない粒子を除外し、目開き10mmの篩をパスするようにすることであり、また目開き7mmの篩をパスする粒子や目開き5mm以下の篩をパスする粒子は、当然目開き10mmの篩をパスする粒子であるから、これらも目開き10mmの篩をパスするという範疇に含まれるものである。本発明においては、目開き5mmの篩をパスする場合や、目開き4mmの篩をパスする場合などがあるが、これらも前記目開き10mmの篩をパスする場合と同様である。
また本発明においては、粒状固形ルウが、目開き10mmの篩をパスするが、目開き0.3mmの篩をパスしないものが70質量%以上であるなど大部分を占めると、付着用粉体を粒子表面によく付着させやすく、目開き1.0mmの篩をパスしないものが70質量%以上であるなど大部分を占めると、付着用粉体を粒子表面に埋没させてよく付着させやすいので好ましい。
本発明の低カロリー粒状固形ルウ含有調味料は、付着させる付着用粉体が、低カロリー粒状固形ルウの表面に付着しないで、低カロリー粒状固形ルウの周辺に付着用粉体が存在することがあるが、10mmの篩をパスするが0.3mmの篩をパスしない低カロリー粒状固形ルウの含有量が、0.3mmをパスする粒状固形ルウや表面に付着しなかった付着用粉体およびその他の食品原料を加えた全量の70質量%以上であると、味や溶解性が均一で、バラツキが少なくなるので好ましい。
本発明で用いるショ糖の甘味度を1とした時に甘味度が100以上となる高甘味度甘味料としては、具体的には、例えば、アセスルファムカリウム(200倍)、スクラロース(600倍)、アスパルテーム(100〜200倍)、ネオテーム(7000〜13000倍)、ステビア抽出物(200〜350)、サッカリンナトリウム(450〜550)などの1種あるいは2種以上を挙げることができる。
一方、本発明で用いるショ糖の甘味度と実質的に同じとして扱う甘味原料としては、砂糖、上白糖、三温糖、白ザラ糖、グラニュー糖などを挙げることができる。入手が容易に可能な一般的な砂糖は、実質的にショ糖と言ってもよい位であり、それは、上白糖はショ糖の割合が97.8質量%位、三温糖はショ糖の割合が96.4質量%位、白ザラ糖はショ糖の割合が99.9質量%位、グラニュー糖はショ糖の割合が99.9質量%位、黒砂糖(黒糖)はショ糖の割合が80質量%位であるためである。
また、ショ糖の熱量(カロリー)は、約4kcal/gである。
一方、本発明で用いる油脂の熱量の例としては、オリーブ油、ごま油、コーンオイル、なたね油、パーム油などは921Kcal、牛脂は940Kcal、ラードは941Kcal、有塩バターは745Kcal、ソフトタイプマーガリンは758Kcal、ショートニングは921Kcal(五訂食品成分表参照)などを挙げることができる。
ショ糖を高甘味度甘味料で置換すると、所定の甘味をだすための高甘味度甘味料は非常に少ない量ですむので、甘味を置換した分だけショ糖由来のカロリーを低下させることができる。
本発明の低カロリー粒状固形ルウにおいて、高甘味度甘味料を用いないで同等の甘味の全てをショ糖で調製した場合の固形ルウに比べ、カロリーを低下させる方法は、油脂の量を低減する方法などもあるので、ショ糖を高甘味度甘味料に置換することに限定されないが、例えば、ショ糖を高甘味度甘味料と置換することでカロリーを10%以上低下させる場合には、高甘味度甘味料を甘味の70%以上を用いることが好ましく、高甘味度甘味料を甘味の80%以上を用いることがより好ましく、高甘味度甘味料を甘味の90%以上を用いることがさらに好ましい。
また、本発明の低カロリー粒状固形ルウは、通常混合するショ糖の量に対し、非常に少量の高甘味度甘味料の使用でショ糖のみの場合と同じ甘味をだすことができる。その結果、本発明の低カロリー粒状固形ルウで用いられる付着用粉体原料でもあるショ糖の使用量を減らすことができる。具体的には、例えば高甘味度甘味料にショ糖の全量を置き換えた場合には、低カロリー粒状固形ルウの全原料のショ糖の量を約10質量%程度減らすことができる。その結果、油脂により固化されるその他の原料に対して、相対的に油脂の割合が高くなることから、油脂の量を減らしても固化することができるようになる。このようにして油脂の量をさらに減らすことができれば、それによりさらにカロリーを低下させることができる。
図2は、本発明の請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の低カロリー粒状固形ルウの製造工程を説明する説明図である。
(1)澱粉原料、油脂、ショ糖の甘味を1とする甘味度が低カロリー粒状固形ルウの全甘味の70%以上の甘味となる量の高甘味度甘味料、その他の食品原料を所定量準備する。
(2)前記油脂の融解する温度以上で前記澱粉原料と前記油脂と必要に応じて、ショ糖の甘味を1とする甘味度が低カロリー粒状固形ルウの全甘味の70%以上の甘味となる量の高甘味度甘味料、その他の食品原料を所定量加熱混合したペースト状原料を調製する。
(3)前記加熱混合したペースト状原料を、目開き10mmの篩をパスする粒子に冷却固化し、必要に応じて前記付着粉体を付着させるか、または、冷却固化した固形ルウを目開き10mmの篩をパスする粒子に、必要に応じて前記付着用粉体を添加しつつ、粉砕し粒状固形ルウを調製する。
(4)前記粒状固形ルウと、必要に応じて、前記低カロリー粒状固形ルウ以外の食品粉粒体およびショ糖の甘味を1とする甘味度が低カロリー粒状固形ルウの全甘味の70%以上の甘味となる量の高甘味度甘味料の所定量を包装用容器に充填し密封する。
ペースト状原料を調製する際に前記高甘味度甘味料を配合して低カロリー粒状固形ルウを製造する場合の工程の例を次に示す。
(1)澱粉原料、油脂、ショ糖の甘味度を1とした時に甘味度が100以上となる高甘味度甘味料、および前記澱粉原料、前記油脂以外の食品原料からなる粉末を必須成分として準備する。
(2)前記油脂の融解する温度以上で前記澱粉原料、前記油脂、および前記高甘味度甘味料の甘味が前記ショ糖に起因する全甘味の70%以上を占めるような所定量の前記高甘味度甘味料、および前記食品原料からなる粉末を所定量加熱混合した後に、冷却固化して固形ルウを調製する。
(3)冷却固化した固形ルウを、目開き10mmの篩をパスする粒子が全体の70質量%以上を占めるように粉砕して本発明の低カロリー粒状固形ルウを調製する。
(4)調製した本発明の低カロリー粒状固形ルウを、充填機を用いて容器に充填し、密封包装する。
本発明において、目開き10mmの篩をパスする粒子は、必要に応じて、粉砕することで調製することができる。また、1辺が10mm以下のキャビテイを有する型で冷却固化し、型から外した物を用いることもできる。
図3に示した本発明の低カロリー粒状固形ルウを含んだ調味料の製造方法は特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、本発明の低カロリー粒状固形ルウの粒子1を調製後に図示しない容器に充填する際、本発明の低カロリー粒状固形ルウの粒子1を調製する際に生じた目開き0.3mmの篩をパスする低カロリー粒状固形ルウの粒子1’や、低カロリー粒状固形ルウに付着しないで目開き0.3mmの篩をパスする付着用粉体2’や、低カロリー粒状固形ルウ以外の食品粉粒体3を均一に入れることによって容易に製造することができる。
本発明において使用する油脂は、常温で液体状や、流動性のある半固体状の油脂や常温で固形の油脂あるいはこれらの2種以上の混合物であり、中でも常温で固形の油脂は好ましく使用できる。常温で固形の油脂とは、20℃で、自重によって変形しない油脂であり、荷重が加わったときの変形は許容される。
なお本発明における、常温とは、特筆していない限り、JIS Z 8703で定義される常温、20℃±15℃の中心温度である20℃とする。
特に限定されないが、本発明で使用する常温で固形の油脂は、流通・保存などで高温下に晒されるリスクを考慮すると、上昇融点が30〜60℃で、かつ35℃のSFC(固体脂含量)が10〜45質量%の油脂であることが望ましい。
上昇融点が30℃未満、あるいは35℃のSFC(固体脂含量)が10質量%未満である場合には、常温で流動性のない固形状態を保つことが難しく、商品の流通や保存条件において、物性を維持できずに本発明の効果を発揮することが難しい。
上昇融点が60℃超、あるいは35℃のSFC(固体脂含量)が45質量%超である場合には、喫食中に調理品の温度が低下した場合に、油脂の結晶化により調理品の物性が変化し、食感などを損なう恐れがある。
上昇融点が30〜60℃で、かつ35℃のSFC(固体脂含量)が10〜45質量%の油脂であれば、商品の流通や保存条件においても、物性を維持しやすく本発明の効果を保つことができ、また、喫食中に調理品の温度が低下した場合でも、食感を損なう恐れがない。
本発明で使用する油脂は、具体的には、例えば菜種油、大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、胡麻油、月見草油、パーム油、イリッペ脂、シア脂、サル脂、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油などの植物性油脂、並びに乳脂、牛脂、豚脂、魚油、鯨油などの動物性油脂、これらの油脂類の単独または混合油あるいはそれらの硬化、分別、エステル交換などを施した加工油脂などを挙げることができる。
本発明の低カロリー粒状固形ルウ中の油脂含量は、特に限定されないが、9〜30質量%であると好ましく、12〜25質量%であるとより好ましい。
本発明の低カロリー粒状固形ルウ中の油脂の含量が、低カロリー粒状固形ルウ中の12〜25質量%であれば、低カロリー粒状固形ルウを調製しやすく、また、目的の粒度に調製しやすく、さらには、低カロリー粒状固形ルウ同士の結着を防止し、より溶解性その他の効果が向上する。また、適度にコクがあり、より低カロリーでヘルシーな調理品とすることができる。
本発明の低カロリー粒状固形ルウは、前記のように高甘味度甘味料にショ糖の全量を置き換えた場合には、通常より混合するショ糖の量が10質量%ほど減るので、相対的に油脂の割合が高くなる。そのため油脂の量を減らすことができるので、より低カロリーでヘルシーな調理品とすることができる。
油脂が12質量%未満では、調味料としてのコクがやや不足し、低カロリー粒状固形ルウを固めづらく、溶解性も向上しにくくなる恐れがあり、25質量%を超えると、低カロリー粒状固形ルウ同士の結着防止効果が発揮しづらく、目的の粒度にも調製しにくい場合がある。
本発明で使用する澱粉原料は特に限定されるものではない。水を加えて加熱することによりα化する性質をもつ加水加熱によりα化する澱粉であってもよく、具体的には、調理場面での加熱を目的としていることから、加水においては、50〜100℃のいずれかの温度で接触すると粘性を発現する澱粉をα化する澱粉という。
加水加熱によりα化する澱粉は、特に限定されないが、例えば、小麦、とうもろこし、じゃがいも、米などを原料として製造されたものを用いることができる。
事前に加熱・乾燥し、低水分化した澱粉原料を使用することもできる。
デキストリンや加工澱粉など、加工によって澱粉特有のα化が発現しなくなったものについては、本発明の澱粉原料には該当しないが、必要に応じて、その他の原料として使用することに差し障りはない。
本発明における、加熱混合の加熱とは、特に限定されないが、油脂の融点〜140℃などが好ましく利用できる。混合することが目的であれば、油脂の融点を上回る温度であればよく、澱粉原料の水分蒸発や焙煎感の付与などが目的であれば、100〜140℃の加熱が好ましい。
さらに本発明における、加熱混合の加熱の時間は、特に限定されないが、低カロリー粒状固形ルウは含水率が低いと常温での微生物の増殖を抑制できることから、ペースト状原料の含水率を10質量%以下にすることができる時間の加熱が好ましく、8質量%以下にすることができる時間の加熱がさらに好ましく、7質量%以下にすることができる時間の加熱がもっとも好ましい。
また、香辛料を原料として加える場合には、香辛料中に含まれるリパーゼなどの酵素活性を生じない状態とする(失活させる)条件として、例えば90℃にて10分以上加熱する処理を施すなどの方法が適用できる。
本発明における、加熱混合の方法は、撹拌装置を有する容器にて、蒸気などの熱源を使用して間接加熱するなど、各種公知の方法を適用することが可能である。
本発明における、冷却固化については、容器などに充填したペースト状原料を、室温において自然に冷却させたり、積極的に冷蔵庫で冷却・固化したり、冷却可能なベルトや回転ドラム上にペースト状原料を広げ冷却・固化したりするなど、各種公知の方法を適用することが可能である。
本発明における、ペースト状原料とは、油脂と澱粉原料を必須原料として、油脂の融点以上に加熱混合してペースト状にした固形ルウの原料である。
本発明における、固形ルウとは、熱水や具材などを適宜加えられ加熱調理されるスープやソースなどに、調理、または仕上げの段階において添加し、分散、溶解することで、でき上がるスープやソースに適度な粘性、風味などを付与する、少なくとも、油脂および澱粉を含んでいる、常温保存時において固形状態の調味料である。
特に限定されないが、必要に応じて、甘味を付与する高甘味度甘味料、砂糖、や食塩、アミノ酸、ビーフエキス、野菜エキス、香辛料、香料などの調味原料の他、増粘多糖類や増量剤、着色料など、種々の食品原料を、ペースト状原料を調製する過程から、冷却し固形ルウにするまでに含むことができる。
本発明で使用する食品原料からなる付着用粉体は、目開き0.3mmの篩をパスする粉体であれば、前記高甘味度甘味料の他、種々の原料を使用することが可能である。
例えば、植物を粉砕したもの、例えば、キャベツ、ホウレンソウ、人参、大根、ジャガイモ、サツマイモ、リンゴ、アボガドなどの野菜や果物や、コショウ、トウガラシ、バジルなどの香辛料、牛肉、豚肉、鶏肉などの畜肉、マグロ、カツオ、イワシ、タコ、貝などの魚介類、塩や砂糖、アミノ酸、ビーフエキスパウダー、野菜エキスパウダー、香料などの各種調味原料、増粘多糖類や増量剤、色素、常温で固体を維持できる粉末油脂、その他各種食材などからなる群から選択される少なくとも1つを挙げることができる。すなわち、単体でもよく、複数の組み合わせでも使用できる。
本発明で使用する食品原料からなる付着用粉体を、前記固形状ルウの表面に付着させるとは、目開き10mmの篩をパスする粒状固形ルウの表面に、付着用粉体が保持されている状態のことをいい、具体的には、例えば、粒状固形ルウの表面にある油脂に付着したり、付着用粉体の一部が粒状固形ルウの表面から内部に埋没した状態であったりする。
付着用粉体はα化しない粉体であると、調理時に熱水中に入れても、粒状固形ルウの粒子同士の結着と、結着した塊の表面のα化によるダマの発生を防止することができ溶解性が良くなるので好ましく、さらに、高甘味度甘味料の一部または全部を付着用粉体に含むことで溶解性が良くなるので好ましい。
また、付着用粉体中には実質的に油脂を含まないのが好ましく、前記固形状ルウの表面に付着させたり、表面近傍に局在させると、粒状固形ルウの粉砕物同士の粘着が抑えられ、さらに、機械上での滑り性が向上するので、包装容器に自動充填し易く生産性が向上する。
本発明における実質的に油脂を含まないとは、油脂の性質を示す油脂原料を含まないことを意味し、例えば香辛料や、穀物、肉類中の脂質分など、起源原料が元々有する油脂分や、調味料などの製造過程で、基材などの目的で加えられる油脂や調味油などまで全て排除するものではないことを示す。
前記固形状ルウの表面に付着させる付着用粉体は、粉砕された粒状固形ルウの表面に固着ないし付着したり、表面近傍に分散して局在して存在することが肝要であるため、その大きさは、最終的に得られる本発明の低カロリー粒状固形ルウ中の粒状固形ルウの大きさと比較して、平均粒径の小さな粉状もしくは粒状の原料を用いることが好ましい。
具体的には、0を超え0.3mm以下の粒径を有する、球状、各面体、および定形されていない立体形状の付着用粉体などがあげられる。
なお、付着用粉体を粒状固形ルウに付着する際に、目開き0.3mmをパスしない、大きな粉粒体を含んでいても良いが、大きな粉粒体は、輸送時や保管時に粒状固形ルウから剥がれやすくなる可能性がある。
粒状固形ルウの表面に付着する付着用粉体を含む粉粒体に対して、表面に付着する付着用粉体は30質量%以上であることが好ましく、更に50質量%以上であることがより好ましい。
付着用粉体をより細かくすることにより、付着用粉体の粒子数が増え、表面積も増すため、粉砕された粒状固形ルウの表面により密に付着し易く、粒状固形ルウの表面近傍により広く分散して局在して存在することになり、粒状固形ルウの粒子同士の結着をより防止し、本発明の低カロリー粒状固形ルウを目的の粒度に調製しやすく、均一になりやすく、より溶解性や生産性、その他の効果が向上する。
なお、本発明で使用する粉体は、アミラーゼ活性、リパーゼ活性などの酵素活性を生じない状態になっている(失活している)ことが望ましい。
粉体のリパーゼ活性が失活していれば、本発明の低カロリー粒状固形ルウを保存中に原料油脂が分解され、異臭の発生などの品質劣化を防止するという効果を得ることができる。
あるいは、粉体のアミラーゼ活性が失活してれば、調理時にα化した澱粉を分解し、粘性が低下してしまうことを防止するという効果を得ることができる。
本発明における、固形ルウを粉砕する方法や粉砕した固形ルウを付着用粉体と混合する方法は特に限定されるものではないが、目開き10mmの篩をパスする部分の割合が、好ましくは目開き5mmの篩をパスする部分の割合が、低カロリー粒状固形ルウ中の70質量%以上となるようすることが好ましい。
低カロリー粒状固形ルウの粒度が、前記のように所定の大きさ以下となっているため、熱と水分が低カロリー粒状固形ルウの個々の粒に素早く均一に行き渡りやすく、熱水中への溶解性が相乗的に向上する。
目開き10mmの篩をパスする部分の割合が、低カロリー粒状固形ルウ中の70質量%未満であると、粒度が小さく揃わず、調理時の熱水中での溶解性が悪くなったり、充填量がばらつくなど、生産性に悪影響を及ぼしたりする恐れがある。
具体的には、混合あるいは粉砕中に生じた大きな塊を除去し、目的の粒度の低カロリー粒状固形ルウを得てもよいし、大きな塊を繰り返し粉砕することにより目的の粒度の低カロリー粒状固形ルウを得てもよい。
固形ルウを所定の大きさに予備裁断した後に、付着用粉体を添加し、必要に応じて予備混合し、その後に粉砕してもよいし、付着用粉体を複数回に分けて添加しながら粉砕するなどの方法でもよい。
付着用粉体を粒状固形ルウへ付着させる方法の具体例を次に説明する。
目開き10mmをパスする粒状固形ルウの表面に、付着用粉体を付着させる際に、(イ)付着用粉体を振りかけて、押し付ける方法、(ロ)付着用粉体と混合して付着させる方法、ペースト状原料を一定の大きさで冷却して固形ルウにし、必要に応じて予備粉砕し(ハ)目開き10mmをパスするサイズに添加しながら粉砕し付着させる方法、(ニ)目開き10mmをパスするサイズに粉砕した後、(イ)(ロ)の方法で付着させる方法などを挙げることができる。
粉砕には、裁断、切断、切削など各種公知の方法を用いることができ、工程はバッチ式、連続式など自由に組み合わせることも可能である。
粉砕中は熱が出るため、冷却固形ルウに含まれる油脂が溶解し、粉砕した後、再度結着することがあるので、冷却を行いながら粉砕をすることが好ましいが、0.3mmの篩をパスする付着用粉体を加えながら粉砕すると、粉砕された面に付着用粉体が表面に付着するので、冷却を行わない粉砕が可能になる。
本発明における付着用粉体を付着させる工程開始時の前記粒状固形ルウの品温は、粒状固形ルウの形状が維持され、付着用粉体が付着できる状態の温度であれば特に限定されないが、-20〜35℃であることが好ましく、−5〜25℃であることがさらに好ましく、付着用粉体の品温は、5〜35℃であることが好ましい。また、混合した直後の低カロリー粒状固形ルウの品温は、5〜30℃であることが好ましい。
粒状固形ルウの品温は、低すぎると、油脂が硬くなり混合しづらかったり、処理後に結露が生じやすかったりするなどの問題があり、高すぎると、粒状固形ルウ同士が結着しやすく問題となる場合がある。
また、結露を防止しながら製品とするには、空調設備の負荷が大きくなるという問題もある。
本発明で使用する製品容器は、プラスチック容器、ガラス瓶、袋包装体など公知の包装容器を使用することができる。
容器としては、バリヤー性容器が好ましく、例えば、袋状容器では、アルミナ蒸着PETフィルム/ポリアミド/ポリプロピレンフィルムを、ポリプロピレンフィルム面ではりあわせた袋や、トレー容器と蓋材の組み合わせ容器では、トレー容器は、エチレン−ビニルアルコール共重合体を中間層とし、上下層には、ポリプロピレンを積層しこれをトレー状に成形したものとトレー容器上蓋フィルム(ガラス蒸着PET/ポリアミド/ポリプロピレン系シーラント)などが使用できる。
なお、上記実施形態の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮するものではない。又、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
次に実施例および比較例により本発明を詳しく説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
(比較例1)(従来公知の固形ルウであり、本発明における基準とした)
上昇融点45℃、35℃のSFC(固体脂含量)が25質量%の、常温で固形のパーム油脂31kgを、品温約70℃になるまで加熱溶解し、そこに水分を12質量%含有する小麦粉35kgを入れ、混合容器内にて撹拌し十分に分散した後(品温60℃)、さらに加熱混合して120℃まで加熱するし、加熱混合したペースト状原料を調製する。
加熱停止後に、順次、砂糖10kg、香辛料8kg、その他調味料30.5kgを加え混合撹拌し、品温が60℃になるまで冷却したペースト状原料を、18cmの収容部を多数有する小分けトレーとなっている容器に19.5gずつ充填し、さらに冷却固形ルウとして品温10℃になるまで冷却して固化し、1食分固形ルウを製造した。
小分け容器の開口部を蓋材で密封シールし製品とした。
1食分固形ルウ(19.5g)のエネルギーは、90kcalであった。
固形ルウ(1食分固形ルウ2個=39g)を用いて下記の固形ルウの溶解時間の測定法で測定した結果、約130秒かかり、やや時間を要し、評価結果は△であった。
比較例1の固形ルウは高甘味度甘味料を用いていないので、カロリーオフ率(%)は0。
比較例1の固形ルウは粒状でないために目開き10mmの篩をパスせず、
自動充填機による充填適性の評価はできない。
これらの結果を表1にまとめて示す。
(固形ルウの溶解時間の測定法)
鍋に、水300gと約3cm程度の大きさにカットした玉ねぎ200gを入れ、強火で加熱し沸騰したら火を止め、直後に、製造した2食分の固形ルウを、製品の形のまま入れ、スプーンでゆっくり撹拌し、溶解するまで(全体に分散して塊がなくなるまで)の時間を測定する。
(固形ルウの溶解時間の評価)
◎:50秒未満(とてもすばやく溶けてよい)
○:50秒以上100秒未満(すばやく溶けてよい)
△:100秒以上200秒未満(やや時間を要するが問題なく溶ける)
×:200秒以上(なかなか溶けず、固まりが残るなど問題あり)
(下式で計算される比較例1を基準とした場合のカロリーオフ率(%)の評価)
(式)
カロリーオフ率(%)=(90kcal−試料固形ルウのkcal)/90kcal
式中の90kcalは比較例1の固形ルウのカロリーを示す。
○:20%以上(カロリーオフの効果が高い)
△:10%以上20%未満(カロリーオフの効果がやや高い)
×:10%未満(カロリーオフの効果が低い)
(自動充填機による充填適性の評価)(機械適性、充填バラつき)
◎(バラつきなく安定している。)
○(ややバラつきがあるが安定している。)
△(充填可能だが、バラつきがありやや安定性に欠ける。)
なお、本実施例および比較例2〜6においては、比較例1のショ糖の量を替えて高甘味度甘味料を使用した場合であっても、固形ルウの全甘味は比較例1と同じにしており、例えば、ショ糖の50質量%を高甘味度甘味料の所定量で替えた場合は、高甘味度甘味料はショ糖に起因する全甘味の50%を占めるとし、ショ糖の75質量%を高甘味度甘味料の所定量で替えた場合は、高甘味度甘味料はショ糖に起因する全甘味の75%を占めるとし、ショ糖の100質量%を高甘味度甘味料の所定量で替えた場合は、高甘味度甘味料はショ糖に起因する全甘味の100%を占めるとした。
なお、表1の上段左から右に順に記載されている、油脂「A」、小麦粉、砂糖、高甘味度甘味料、香辛料、他調味料、原料合計「B」、油脂割合「A」/「B」、付着用粉体「C」、付着用粉体割合「C」/(「B」+「C」)、全体油脂割合「A」/(「B」+「C」)、篩パス、溶解時間、カロリーオフ、充填適性はそれぞれ下記の内容の記載である。
なお、表1の上段の固形ルウ用ペースト状原料に関する、2段目の左からの各項目の内容は、油脂「A」、小麦粉、砂糖、高甘味度甘味料、香辛料、他調味料は、固形ルウ用のペースト状原料中の各原料の質量(kg)であり、原料合計「B」は、固形ルウ用ペースト状原料の総質量(kg)であり、油脂割合「A」/「B」は、油脂「A」の固形ルウ用ペースト状原料の総量「B」に対する質量(%)の記載である。
また、表1の上段の粒状固形ルウに関する、2段目の左からの各項目の内容は、付着粉体「C」は、固形ルウ用ペースト状原料を冷却固化した粒状固形ルウに付着させるための付着用粉体の質量(kg)で、付着用粉体割合「C」/(「B」+「C」)は、付着用粉体「C」の低カロリー粒状固形ルウ(「B」+「C」)に対する質量(%)で、全体油脂割合(「A」/(「B」+「C」)は、固形ルウ用ペースト状原料の油脂「A」の低カロリー粒状固形ルウ(「B」+「C」)に対する質量(%)であり、篩パスは、粒状固形ルウの大きさとして、パスする目開きの長さ(mm)を記載である。
Figure 2016021959
(比較例2)
比較例1で使用した砂糖10kgの50質量%を、全体の甘味度が変わらないように、アセスルファムカリウムとスクラロースを含む高甘味度甘味料製剤0.0250kgに置き変えた。
なお、固形ルウ用のペースト状原料の調製時の溶解したルウの粘度等の物性を同じにするために、固形ルウ全体中の油脂の比率が変わらないように調製し、使用する油脂量を1.8kg減らし29.2kgとした。
その他の条件は、比較例1と同じである。
1食分固形ルウ(18g)のエネルギーは、84kcalであり、約7%のカロリーオフにしかならない。評価結果は×であった。
固形ルウの溶解時間は前記の固形ルウの溶解時間の測定法で測定した結果、220秒かかり、非常に時間を要し、評価結果は×であった。
比較例2の固形ルウは粒状でないため目開き10mmの篩をパスせず、自動充填機による充填適性の評価はできない。
これらの結果を表1にまとめて示す。
(比較例3)
比較例1で使用した砂糖10kgの75質量%を、全体の甘味度が変わらないように、アセスルファムカリウムとスクラロースを含む高甘味度甘味料製剤0.0375kgに置き変えた。
なお、使用する油脂量は2.7kg減らし28.3kgとした。
特記しないその他の条件は、比較例1と同じである。
1食分固形ルウ(17.5g)のエネルギーは、81kcalであり、約10%のカロリーオフとなった。評価結果は△であった。
固形ルウの溶解時間は260秒かかり、非常に時間を要した。評価結果は×であった。
比較例3の固形ルウは粒状でないため目開き10mmの篩をパスせず、自動充填機による充填適性の評価はできない。
これらの結果を表1にまとめて示す。
(比較例4)
比較例1で使用した砂糖10kg全てを、全体の甘味度が変わらないように、アセスルファムカリウムとスクラロースを含む高甘味度甘味料製剤0.05kgに置き変えた。
なお、使用する油脂量は3.7kg減らし273kgとした。
特記しないその他の条件は、比較例1と同じである。
1食分固形ルウ(17g)のエネルギーは、77kcalであり、約14%のカロリーオフとなった。評価結果は△であった。
固形ルウの溶解時間は300秒かかり、非常に時間を要した。評価結果は×であった。
比較例4の固形ルウは粒状でないため目開き10mmの篩をパスせず、自動充填機による充填適性の評価はできない。
これらの結果を表1にまとめて示す。
(比較例5)
比較例1で製造された固形ルウを容器から取り出し、欠片を細かく裁断して、目開き10mmの粒状固形ルウとし、袋充填機を用いて2食分ずつを袋に分包して密封し、製品とした。
特記しないその他の条件は、比較例1と同じである。
1食分粒状固形ルウ(19.5g)のエネルギーは比較例1と同じく77kcalである。比較例5の固形ルウは高甘味度甘味料を用いていないので、カロリーオフ率(%)は0。評価結果は×であった。
粒状固形ルウの溶解時間は100秒となり、やや時間を要するが、短くなった。評価結果は△であった。
自動充填機により袋充填は可能であったが、やや原料のベタ付き等を要因とした充填量のバラつきがあった。評価結果は△であった。
これらの結果を表1にまとめて示す。
(比較例6)
比較例2で製造された固形ルウを容器から取り出し、欠片を細かく裁断して、目開き10mmの篩をパスする粒状固形ルウとし、袋充填機を用いて2食分ずつを袋に分包して密封し、製品とした。
特記しないその他の条件は、比較例2と同じである。
1食分粒状固形ルウ(18g)のエネルギーは比較例2と同じく84kcalであり、カロリーオフ率(%)は約7%、評価結果は×であった。
粒状固形ルウの溶解時間は150秒となり、やや時間を要するが、短くなった。評価結果は△であった。
自動充填機により袋充填は可能であったが、やや原料のベタ付き等を要因とした充填量のバラつきがあった。評価結果は△であった。
これらの結果を表1にまとめて示す。
(実施例1)
比較例3で製造された固形ルウ(すなわち、比較例1で使用した砂糖10kgの75%を、全体の甘味度が変わらないように、アセスルファムカリウムとスクラロースを含む高甘味度甘味料0.0375kgに置き変えるとともに、使用する油脂量を2.7kg減らし28.3kgとした以外は比較例1と同様にして製造された固形ルウ)を容器から取り出し、欠片を細かく裁断して、目開き10mmの篩をパスする粒状固形ルウとし、袋充填機を用いて2食分ずつを袋に分包して密封し、製品とした。
その他の条件は、比較例3と同じである。
1食分低カロリー粒状固形ルウ(17.5g)のエネルギーは、比較例3と同じ81kcalであり、比較例3と同じく約10%のカロリーオフで、評価結果は△であった。
低カロリー粒状固形ルウの溶解時間は166秒となり、やや時間を要すが、短くなった。評価結果は△であった。
自動充填機により袋充填は可能であったが、やや原料のベタ付き等を要因とした充填量のバラつきがあった。評価結果は△であった。
これらの結果を表1にまとめて示す。
(実施例2)
比較例4で製造された固形ルウを容器から取り出し、欠片を細かく裁断して、目開き10mmの篩をパスする粒状固形ルウとし、袋充填機を用いて2食分ずつを袋に分包して密封し、製品とした。
特記しないその他の条件は、比較例4と同じである。
1食分低カロリー粒状固形ルウ(17g)のエネルギーは、比較例4と同じ77kcalであり、比較例4と同じく14%のカロリーオフで、評価結果は△であった。
低カロリー粒状固形ルウの溶解時間は180秒となり、やや時間を要すが、短くなった。評価結果は△であった。
自動充填機により袋充填は可能であったが、やや原料のベタ付き等を要因とした充填量のバラつきがあった。評価結果は△であった。
これらの結果を表1にまとめて示す。
(実施例3)
実施例1で、加熱停止後に加える香辛料を1kgに、その他調味料を7kgに減らし固形ルウ用のペースト状原料を調製し、冷却固化した固形ルウを容器から取り出し、欠片を細かく裁断して、目開き10mmの篩をパスする粒状固形ルウとした。
そして、そこに減らした分の香辛料およびその他調味料を0.3mmの篩をパスする粉体とし、付着用粉体として加え混合し、付着用粉体を粒状固形ルウに付着させて、低カロリー粉粒状固形ルウとし、袋充填機を用いて2食分ずつを袋に分包して密封し、製品とした。
特記しないその他の条件は、実施例1と同じである。
1食分低カロリー粒状固形ルウ(17.5g)のエネルギーは、比較例4と同じ77kcalであり、比較例4と同じく14%のカロリーオフで、評価結果は△であった。
低カロリー粒状固形ルウの溶解時間は82秒と短くなった。評価結果は○であった。
原料のベタ付き等を要因とした充填量のバラつきがややあったが、自動充填機により袋充填を安定して行うことが可能であった。評価結果は○であった。
これらの結果を表1にまとめて示す。
(実施例4)
実施例2で、加熱停止後に加える香辛料を1kgに、その他調味料を7kgに減らし固形ルウ用のペースト状原料を調製し、冷却固化した固形ルウを容器から取り出し、欠片を細かく裁断して、目開き10mmの篩をパスする粒状固形ルウとした。
そして、そこに減らした分の香辛料およびその他調味料を0.3mmの篩をパスする粉体とし、付着用粉体として加え混合し、付着用粉体を粒状固形ルウに付着させて、低カロリー粒状固形ルウとし、袋充填機を用いて2食分ずつを袋に分包して密封し、製品とした。
特記しないその他の条件は、実施例2と同じである。
1食分低カロリー粒状固形ルウ(17g)のエネルギーは、比較例4や実施例2と同じ約77kcalであり、比較例4や実施例2と同じく14%のカロリーオフで、評価結果は△であった。
低カロリー粒状固形ルウの溶解時間は90秒と短くなった。評価結果は○であった。
原料のベタ付き等を要因とした充填量のバラつきがややあったが、自動充填機により袋充填を安定して行うことが可能であった。評価結果は○であった。
これらの結果を表1にまとめて示す。
(実施例5)
実施例2で、加熱停止後に加える香辛料を1kgに、その他調味料を22kgに減らし固形ルウ用ペースト状原料を調製し、製造された固形ルウを容器から取り出し、欠片を細かく裁断して、目開き10mmの篩をパスする粒状固形ルウとした。
そして、そこに減らした分の香辛料およびその他調味料を0.3mmの篩をパスする粉体とし、付着用粉体として加え混合し、付着用粉体を粒状固形ルウに付着させて、低カロリー粒状固形ルウとし、袋充填機を用いて2食分ずつを袋に分包して密封し、製品とした。
特記しないその他の条件は、実施例2と同じである。
1食分低カロリー粒状固形ルウ(17g)のエネルギーは、比較例4や実施例2と同じ約77kcalであり、比較例4や実施例2と同じく14%のカロリーオフで、評価結果は△であった。
低カロリー粒状固形ルウの溶解時間は130秒と短くなったが、実施例4ほどではなかった。評価結果は△であった。
自動充填機により袋充填は可能であったが、やや原料のベタ付き等を要因とした充填量のバラつきがあった。評価結果は△であった。
これらの結果を表1にまとめて示す。
(実施例6)
実施例3〜5は、固形ルウ用のペースト状原料調製時の粉体原料を減らしたため、ペースト状原料中の油脂の比率が高くなっていることから、ペースト状原料調製時の粘性がゆるくなり、冷却固化後の粒状固形ルウの表面でのベトツキが強くなる。
そこで、固形ルウ用のペースト状原料調製の物性を比較例1〜6、実施例1〜2と同じにするために、固形ルウ中の油脂の比率が変わらないように調製し、実施例3で使用した油脂量(28.3kg)より11.8kg減らし、16.5kgとした。
特記しないその他の条件は、実施例3と同じである。
1食分低カロリー粒状固形ルウ(15.5g)のエネルギーはさらに低く、32%のカロリーオフで、評価結果は○であった。
固形ルウの溶解時間は80秒であった。評価結果は○であった。
原料のベタ付き等を要因とした充填量のバラつきは少なく、自動充填機により袋充填を安定して行うことが可能であった。評価結果は◎であった。
これらの結果を表1にまとめて示す。
(実施例7)
実施例6と同様に、実施例4で、使用する油脂量を11.3kg減らし16kgとした。
特記しないその他の条件は、実施例4と同じである。
1食分低カロリー粒状固形ルウ(15.0g)のエネルギーはさらに低く、34%のカロリーオフで、評価結果は○であった。
低カロリー粒状固形ルウの溶解時間は98秒であった。評価結果は○であった。低カロリー粒状固形ルウを取り出した時の状態を目視で確認した結果、僅かながら粉体が剥がれていることが確認できた。
原料のベタ付き等を要因とした充填量のバラつきは少なく、自動充填機により袋充填を安定して行うことが可能であった。評価結果は◎であった。
これらの結果を表1にまとめて示す。
(実施例8)
0.3mmの篩をパスする粉体とした付着用粉体を、冷却固形ルウを目開き10mmの篩をパスする粒子に粉砕する工程で添加し、付着用粉体を粒状固形ルウの表面に付着させ、低カロリー粒状固形ルウを得た。
特記しないその他の条件は、実施例7と同じである。
1食分粒状固形ルウ(15.0g)のエネルギーは実施例7と同じで、34%のカロリーオフで、評価結果は○であった。
固形ルウの溶解時間は90秒と若干短くなった。評価結果は○であった。低カロリー粒状固形ルウを取り出した時の状態を目視で確認した結果、ほとんど粉体が剥がれておらず、付着用粉体の付着が強いことが確認できた。
原料のベタ付き等を要因とした充填量のバラつきは少なく、自動充填機により袋充填を安定して行うことが可能であった。評価結果は◎であった。
(実施例9)
冷却固形ルウを粉砕し篩をパスする工程で用いる篩を、目開き5mmの篩に変更して低カロリー粉粒状固形ルウを得た。
特記しないその他の条件は、実施例8と同じである。
1食分低カロリー粒状固形ルウ(15.0g)のエネルギーは実施例7と同じで、34%のカロリーオフで、評価結果は◎であった。
固形ルウの溶解時間は40秒とさらに短くなった。評価結果は◎であった。
原料のベタ付き等を要因とした充填量のバラつきは少なく、自動充填機により袋充填を安定して行うことが可能であった。評価結果は◎であった。
これらの結果を表1にまとめて示す。
本発明の低カロリー粒状固形ルウでは、低カロリーであるとともに、所定の条件にて、固形ルウを粉砕することにより得られる、所定の目開きの篩をパスする粒子が大部分を占めているので、熱と水分が固形ルウの個々の粒子に素早く均一に行き渡りやすく、熱水中への溶解性が優れ、また、包装容器への安定した自動充填が可能となり、商品の流通や保存の際に、高温にさらされた場合にも、粒子状のルウ同士の接着が起きず、包装容器の中で、塊になったりしないという保存面の機能も優れていて、調理後のソースのコクや食感に関しても優れているカレー、シチュー、ハヤシライスソース、パスタソースなどの提供を可能とするという顕著な効果を奏し、本発明の製造方法によって本発明の低カロリー粒状固形ルウを容易に製造することができるという顕著な効果を奏し、本発明の低カロリー粒状固形ルウ含有調味料は、本発明の低カロリー粒状固形ルウを含む低カロリー粒状固形ルウをベースとして、前記付着用粉体や低カロリー粒状固形ルウ以外の食品粉粒体を含有するので、様々な風味の調味料を容易に調製できるというという、顕著な効果を奏するので、産業上の利用価値が高い。
1 低カロリー粒状固形ルウの粒子
1’目開き0.3mmの篩をパスする低カロリー粒状固形ルウの粒子
2、2' 付着用粉体
3 低カロリー粒状固形ルウ以外の食品粉粒体
本発明は、溶解性、充填性と生産性に優れる、高甘味度甘味料を使用した低カロリー粒状固形ルウおよびその製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、熱水または、料理に用いられる具材が煮込まれた熱水中に添加しても容易に溶解する優れた溶解性を有する上、包装容器へ安定して容易に自動充填できるなど生産性にも優れており、カレー、シチュー、ハヤシライスソース、パスタソースなどの調理に用いることができる高甘味度甘味料を使用した低カロリー粒状固形ルウおよびその製造方法に関するものである。
従来の、カレー、シチュー、パスタソース等の調理に用いられる調味料は、常温で固形を維持しカップ等の容器に充填されている固形ルウや、常温でペースト状になっていて、袋に充填されているペーストルウ等が市販されている。
これらの一般的なルウは、油脂、小麦粉等の澱粉、香辛料、砂糖、食塩、各種調味料等が用いられ、少なくとも油脂、小麦粉等の澱粉を、100℃以上に加熱混合することで、小麦粉の生っぽさを低減させるとともに、余分な水分を蒸発させ、その他の原料を適宜添加し、各種ルウを製造することで、油脂由来のコク、小麦粉などの澱粉由来の粘性、その他の香辛料、砂糖、食塩、各種調味料等の旨味やコク、さらに特徴的な風味を得たルウを製造している(例えば、特許文献1や特許文献2参照)。
ただ、これらのルウは、油脂や砂糖等の高カロリーの原料が多く用いられることが多く、ルウ原料の配合において、油脂配合割合を低下させて、製造する発明を用いた低カロリールウに関して提案されていた。
澱粉原料に極少量の油脂を加え、加水することなく押し出し造粒し、澱粉以外の原料は加水することなく加圧成形した後、粉砕整粒し、得られた両顆粒物を混合するローファットの顆粒状食品およびその製造方法(特許文献3参照)、澱粉に油脂を0〜6質量%、水分4〜12質量%含む食品原料を所定の硬度になるように加圧成形し、それを粉砕整粒するローファットあるいはノンファットの顆粒状食品およびその製造方法(特許文献4参照)、澱粉質原料、油脂および調味料を含み、かつ、油脂含量が10〜25質量%である原料を加熱混合して低油脂ルウを調製し、それを粉粒とし、成形型に充填し、そして加圧成形する低カロリーの低油脂固形ルウの製造方法(特許文献5参照)なども提案されている。
しかし、これらの提案においては、油脂の割合を少なくするために、油脂由来のコクがなくなり、美味しさに影響が生じていたり、油脂による固形状のルウとしての保形性がなく粉体状になったことで、調理時にダマになりやすく、溶け・分散性が著しく悪くなる問題もあった。
また、ショ糖の甘味度を1とした時に甘味度が100以上となる高甘味度甘味料が、飲料を中心とした低カロリーもしくはノンカロリー食品に多く用いられることがあるが、一般的な固形ルウにおいて、砂糖などの代わりに高甘味度甘味料を多く用いて低カロリー化を実現しようとすると、熱水または、料理に用いられる具材が煮込まれた熱水中に添加した際に、従来固形ルウ中に分散して存在することで溶解性の向上に寄与した砂糖などの量が足りず、溶解性が悪くなるなどの問題があった。
特開平9−294569号公報 特開2012−5368号公報 特開2000−125784号公報 特開2000−125783号公報 特開2006−345856号公報
本発明の第1の目的は、従来からの問題を解決し、熱水または、料理に用いられる具材が煮込まれた熱水中に添加しても溶解性に優れ、また、包装容器への安定した自動充填が可能となり、保存面の機能も優れていて、調理後のソースのコクや食感に関しても優れているカレー、シチュー、ハヤシライスソース、パスタソースなどの提供を可能とする高甘味度甘味料を使用した低カロリー粒状固形ルウを提供することである。
本発明の第2の目的は、本発明の高甘味度甘味料を使用した低カロリー粒状固形ルウを容易に製造することができる製造方法を提供することである。
本発明の第3の目的は、本発明の高甘味度甘味料を使用した低カロリー粒状固形ルウを含む低カロリー粒状固形ルウ含有調味料を提供することである。
本発明の発明者は、鋭意研究の結果、例えば、小麦粉を主成分とする澱粉原料および油脂を必須原料とし、前記油脂の融点以上において加熱混合してペースト状原料を調製した後に、前記ペースト状原料を目開き10mmの篩をパスする粒子に冷却固化して粒状固形ルウにした後、ショ糖の甘味の甘味度を1とした場合に甘味度が100以上となる高甘味度甘味料、その他の食品原料を含む付着用粉体を添加して表面に保持および埋没(以下、単に付着と称す場合がある)させた粒状固形ルウによって課題を解決できることを見出すとともに、前記固形ルウ調製時に用いた食品原料からなる前記粉末の一部であって加水加熱によりα化しない前記粉末を固形ルウ調製時に用いずに、粒状固形ルウを調製し、この粒状固形ルウに固形ルウ調製時に用いなかった前記粉末を混合して粒状固形ルウの表面に保持および埋没させることによって得られた低カロリー粒状固形ルウはさらに優れた溶解性を有する上、さらに優れた充填性や保存安定性を有することを見出し、本発明を成すに至った。
前記課題を解決するための請求項1記載の発明は、小麦粉を主成分とする澱粉原料および油脂を必須原料とし、前記油脂の融点以上において加熱混合してペースト状原料を調製した後に、
前記ペースト状原料を目開き10mmの篩をパスする粒子に冷却固化して粒状固形ルウにした後、ショ糖の甘味の甘味度を1とした場合に甘味度が100以上となる高甘味度甘味料、その他の食品原料を含む付着用粉体を添加して表面に保持および埋没させた粒状固形ルウ、
または、前記ペースト状原料を冷却固化した冷却固形ルウにショ糖の甘味の甘味度を1とした場合に甘味度が100以上となる高甘味度甘味料、その他の食品原料を含む付着用粉体を添加しつつ目開き10mmの篩をパスする粒子に粉砕して表面に保持および埋没させた粒状固形ルウであって、
前記粒状固形ルウの甘味の70%以上を、ショ糖の甘味を甘味度1にする場合において、甘味度が100以上となる高甘味度甘味料で占めることを特徴とする低カロリー粒状固形ルウである。
本発明の請求項2記載の発明は、請求項1記載の低カロリー粒状固形ルウにおいて、前記高甘味度甘味料が、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリンナトリウム、スクラロース、ネオテーム、ステビアの1種または2種以上を含むことを特徴とする。
本発明の請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の低カロリー粒状固形ルウにおいて、目開き0.3mmの篩をパスし、加水加熱によりα化しない別途計量する食品原料からなる前記付着用粉体が、前記粒状固形ルウの表面に保持および埋没していることを特徴とする。
本発明の請求項4記載の発明は、請求項3記載の低カロリー粒状固形ルウにおいて、前記付着用粉体を、前記冷却固形ルウを目開き10mmの篩をパスする粒子に粉砕する工程で添加し、前記粒状固形ルウの表面に前記付着用粉体の一部または全量を保持および埋没させることを特徴とする。
本発明の請求項5記載の発明は、請求項3または請求項4記載の低カロリー粒状固形ルウにおいて、前記付着用粉体が、動植物の乾燥粉砕加工物、各種液体原料の乾燥粉末化物、調味料粉末、その他粉体香料、粉体増粘多糖類、粉体色素、および前記高甘味度甘味料から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする。
本発明の請求項6記載の発明は、請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の低カロリー粒状固形ルウにおいて、前記付着用粉体の含有量が、低カロリー粒状固形ルウ全体の10〜55質量%であることを特徴とする。
本発明の請求項7記載の発明は、請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の低カロリー粒状固形ルウにおいて、前記油脂の含有量が、低カロリー粒状固形ルウ全体の12〜25質量%であることを特徴とする。
本発明の請求項8記載の発明は、下記の工程(1)〜(4)を含むことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の高甘味度甘味料を使用した低カロリー粒状固形ルウの製造方法である。
(1)小麦粉を主成分とする澱粉原料、油脂、ショ糖の甘味を1とする甘味度が低カロリー粒状固形ルウの全甘味の70%以上の甘味となる量の高甘味度甘味料、その他の食品原料を含む付着用粉体を所定量準備する。
(2)前記油脂の融解する温度以上で前記澱粉原料と前記油脂を所定量加熱混合したペースト状原料を調製する。
(3)前記加熱混合したペースト状原料を、目開き10mmの篩をパスする粒子に冷却固化して粒状固形ルウにした後、ショ糖の甘味の甘味度を1とした場合に甘味度が100以上となる高甘味度甘味料、その他の食品原料を含む付着用粉体を添加して表面に保持および埋没させた粒状固形ルウ、または、前記ペースト状原料を冷却固化した冷却固形ルウにショ糖の甘味の甘味度を1とした場合に甘味度が100以上となる高甘味度甘味料、その他の食品原料を含む付着用粉体を添加しつつ目開き10mmの篩をパスする粒子に粉砕して表面に保持および埋没させた粒状固形ルウを調製する。
(4)前記粒状固形ルウと、必要に応じて、前記低カロリー粒状固形ルウ以外の食品粉粒体およびショ糖の甘味を1とする甘味度が低カロリー粒状固形ルウの全甘味の70%以上の甘味となる量の高甘味度甘味料の所定量を包装用容器に充填し密封する。
本発明の請求項9記載の発明は、目開き0.3mmの篩をパスしない請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の低カロリー粒状固形ルウを70質量%以上含むことを特徴とする低カロリー粒状固形ルウ含有調味料である。
本発明の請求項1記載の発明は、小麦粉を主成分とする澱粉原料および油脂を必須原料とし、前記油脂の融点以上において加熱混合してペースト状原料を調製した後に、
前記ペースト状原料を目開き10mmの篩をパスする粒子に冷却固化して粒状固形ルウにした後、ショ糖の甘味の甘味度を1とした場合に甘味度が100以上となる高甘味度甘味料、その他の食品原料を含む付着用粉体を添加して表面に保持および埋没させた粒状固形ルウ、
または、前記ペースト状原料を冷却固化した冷却固形ルウにショ糖の甘味の甘味度を1とした場合に甘味度が100以上となる高甘味度甘味料、その他の食品原料を含む付着用粉体を添加しつつ目開き10mmの篩をパスする粒子に粉砕して表面に保持および埋没させた粒状固形ルウであって、
前記粒状固形ルウの甘味の70%以上を、ショ糖の甘味を甘味度1にする場合において、甘味度が100以上となる高甘味度甘味料で占めることを特徴とする低カロリー粒状固形ルウであり、
低カロリー化とともに、所定の条件にて、固形ルウを冷却固化するか、粉砕することにより得られる、所定の目開きの篩をパスする粒子が大部分を占める本発明の低カロリー粒状固形ルウは、表面積が大きいので、熱と水分が固形ルウの個々の粒子に素早く均一に行き渡りやすく、熱水中への溶解性および分散性が優れ、また、包装容器へ安定してかつ粒子間隙が小さく自動充填が可能となり、商品の流通や保存の際に、粒子状のルウ同士の接着が起きにくく、包装容器の中で、塊になったりしにくいという保存面の機能も優れていて、調理後のソースのコクや食感に関しても優れており、かつグラニュー糖などを高甘味度甘味料に置き換えてその使用量を減少できるので低カロリー化したカレー、シチュー、ハヤシライスソース、パスタソースなどの提供を可能とするという顕著な効果を奏する。
前記その他の食品原料とは、具体的には、例えば、香辛料、野菜、果物、鰹節などの動植物からなる食品原料および/またはその乾燥粉砕加工物など、ビーフエキス、野菜エキス、ミルク、醤油パウダーなどの各種液体原料および/またはその乾燥粉末化物、塩や砂糖、アミノ酸などの調味料、その他香料、増粘多糖類、色素、および前記高甘味度甘味料など、およびこれらの2種以上の混合物を挙げることができる。
本発明の請求項2記載の発明は、請求項1記載の低カロリー粒状固形ルウにおいて、前記高甘味度甘味料が、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリンナトリウム、スクラロース、ネオテーム、ステビアの1種または2種以上を含むことを特徴とするものであり、
入手も容易であり、確実に低カロリー化できるという、さらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の低カロリー粒状固形ルウにおいて、目開き0.3mmの篩をパスし、加水加熱によりα化しない別途計量する食品原料からなる前記付着用粉体が、前記粒状固形ルウの表面に保持および埋没していることを特徴とするものであり、
前記付着用粉体が、前記粒状固形ルウの表面に保持および埋没しているので、表面積がさらに大きくなり、熱と水分が固形ルウの個々の粒子に素早く均一に行き渡りやすく、熱水中への溶解性および分散性に優れるとともに、付着用粉体により油脂に起因するベトツキがなくなり、隣接する粒子と結着せず、充填時にノズル中を通過する際に粒子同士が結着せず粒子がノズル壁面につかないのでノズルが詰まらず、調理時に熱水中に入れても付着用粉体がα化しないので大きなダマになわず、粒子同士の結着がより少なくなって、熱水中への溶解性がより優れ、また、包装容器へのより安定した自動充填が可能となり、保存面の機能もより優れるという、さらなる顕著な効果を奏する。
粒状固形ルウは、油脂の存在により粘着性を有するが、前記付着用粉体が、粒状固形ルウの表面に付着しているので、粒状固形ルウの粒子同士の結着が抑えられ、さらに、機械上での滑り性が向上するので、包装容器に自動充填し易く生産性が向上する。
さらに、商品の流通や保存の際に、高温にさらされた場合にも、粒状固形ルウの粒子同士の接着を防止できるため、包装容器の中で、塊になることを防止できる。
さらに、短時間で溶解するので、溶解中にお湯の温度が下がりにくく、すべての澱粉原料がより高温のお湯にさらされるため、溶解と同時に全体が均一にα化し、十分な粘度が発現されるため、必ずしも溶解後に改めて加熱して澱粉原料をα化する必要がない。
加水加熱によりα化しない別途計量する食品原料とは、具体的には、例えば、香辛料、野菜パウダー、果物パウダー、鰹節パウダーなどの動植物の乾燥粉砕加工物、ビーフエキスパウダー、野菜エキスパウダー、ミルクパウダー、醤油パウダーなどの各種液体原料の乾燥粉末化物、塩や砂糖、アミノ酸などの調味料粉末、その他粉体香料、粉体増粘多糖類、粉体色素、および前記高甘味度甘味料から選ばれる少なくとも1つを挙げることができる。
油脂の融点以上において加熱混合してペースト状原料調製時に用いた食品原料の一部であって加水加熱によりα化しない前記食品原料粉末を、粒状固形ルウを得るためのペースト状原料調製時には用いずに、粒状固形ルウを調製し、この粒状固形ルウにペースト状原料調製時に用いなかった前記粉末を含む粉末を付着用粉体として別途計量して所定量を混合して、前記粒状固形ルウの表面に付着させる。
本発明の請求項4記載の発明は、請求項3記載の低カロリー粒状固形ルウにおいて、前記付着用粉体を、前記冷却固形ルウを目開き10mmの篩をパスする粒子に粉砕する工程で添加し、前記粒状固形ルウの表面に前記付着用粉体の一部または全量を保持および埋没させることを特徴とするものであり、
冷却固形ルウを単独で粉砕するとルウに含まれる油脂でベトツキがでて粒子同士が結着する恐れがあるが、冷却固形ルウを粉砕しながら粒状固形ルウの表面に付着用粉体を保持および埋没させることで、ベトツキが抑えられより細かく粉砕でき、効率的に付着させることができる上、粒状固形ルウの表面に付着した付着用粉体が粒状固形ルウの内部に押し込まれるので粒状固形ルウから剥離したり剥がれたりし難くなり、その効果が持続するという、さらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項5記載の発明は、請求項3または請求項4記載の低カロリー粒状固形ルウにおいて、前記付着用粉体が、動植物の乾燥粉砕加工物、各種液体原料の乾燥粉末化物、調味料粉末、その他粉体香料、粉体増粘多糖類、粉体色素、および前記高甘味度甘味料から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とするものであり、
前記付着用粉体はペースト状原料を調製し冷却固化する工程には使用されないので、ペースト状原料の、加熱量、加熱時間や油脂添加量を、ペースト状原料の減る分だけ減らすことができ、エネルギー効率アップとなり、油脂添加量低減した分、より低カロリー化できる上、市販品も多く、入手が容易であるという、さらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項6記載の発明は、請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の低カロリー粒状固形ルウにおいて、前記付着用粉体の含有量が、低カロリー粒状固形ルウ全体の10〜55質量%であることを特徴とするものであり、
付着用粉体の含有量が、低カロリー粒状固形ルウ全体の10〜55質量%であるので過不足なく均一に付着するという、さらなる顕著な効果を奏する。
付着用粉体の含有量が、低カロリー粒状固形ルウ全体の10質量%未満であると表面を覆う割合が少なく、効果がでない恐れがある。55質量%を超えると付着用粉体が付着しないものが多くなり、分離して容器の底にたまり不均一となる恐れがある。
本発明の請求項7記載の発明は、請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の低カロリー粒状固形ルウにおいて、前記油脂の含有量が、低カロリー粒状固形ルウ全体の12〜25質量%であることを特徴とするものであり、
グラニュー糖などを高甘味度甘味料に置き換えると、置き換えたグラニュー糖などの量だけペースト状原料を調製する際に必要な油脂量を減らして低カロリー化を図ることができ、前記付着用粉体に調味料などを使用することで、ペースト状原料の調製量を減らし、その分だけ必要な油脂量を減らして低カロリー化を図るなどによって、油脂の含有量を低カロリー粒状固形ルウ全体の12〜25質量%とすることができるので、より低カロリー化できるという、さらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項8記載の発明は、前記の工程(1)〜(4)を含むことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の高甘味度甘味料を使用した低カロリー粒状固形ルウの製造方法であり、
本発明の高甘味度甘味料を使用した低カロリー粒状固形ルウを容易に製造することができるという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項9記載の発明は、目開き0.3mmの篩をパスしない請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の低カロリー粒状固形ルウを70質量%以上含むことを特徴とする低カロリー粒状固形ルウ含有調味料であり、
本発明の低カロリー粒状固形ルウ含有調味料は、低カロリー粒状固形ルウ単独で調味料として使用する場合もあるが、低カロリー粒状固形ルウをベースとして、前記付着用粉体や低カロリー粒状固形ルウ以外の食品粉粒体を含有することができるので、様々な風味の調味料を容易に調製でき、例えば本発明の低カロリー粒状固形ルウを含む低カロリー粒状固形ルウを大量に大ロットで製造して、その後、各種のフレーバーをそれぞれ添加することによって容易に経済的に多品種生産を行なうことができ、また、目開き0.3mmの篩をパスする付着用粉体などの量が少ないので、調理するために取り出する際に静電気に起因する容器への付着が少なくなるので複数回に分けて使用しても、風味などのバラツキが少ないというという、顕著な効果を奏する。
前記低カロリー粒状固形ルウ以外の食品粉粒体とは、具体的には、例えば、香辛料、野菜パウダー、果物パウダー、鰹節パウダーなどの動植物の乾燥粉砕加工物、ビーフエキスパウダー、野菜エキスパウダー、ミルクパウダー、醤油パウダーなどの各種液体原料の乾燥粉末化物、塩や砂糖、アミノ酸などの調味料粉末、その他粉体香料、粉体増粘多糖類、粉体色素、および前記高甘味度甘味料から選ばれる少なくとも1つを挙げることができる。
図1(イ)は請求項1記載の本発明の低カロリー粒状固形ルウの粒子の例の断面を模式的に説明する断面説明図であり、(ロ)は請求項3記載の本発明の低カロリー粒状固形ルウの粒子の例の断面を模式的に説明する断面説明図である。 図2は本発明の請求項1記載の低カロリー粒状固形ルウの製造工程を説明する説明図である。 図3は本発明の請求項9に示す低カロリー粒状固形ルウ含有調味料を説明する説明図である。
以下、図面を用いて本発明を説明する。
図1(イ)は請求項1記載の本発明の低カロリー粒状固形ルウの粒子の例の断面を模式的に説明する断面説明図であり、(ロ)は請求項3記載の本発明の低カロリー粒状固形ルウの粒子の例の断面を模式的に説明する断面説明図である。
図1(イ)、(ロ)において1は、目開き10mmの篩をパスするが、目開き0.3mmの篩をパスしない低カロリー粒状固形ルウの粒子を示し、2は低カロリー粒状固形ルウ1の粒子表面に付着したり、粒子表面に埋没した付着用粉体を示す。
図3は本発明の低カロリー粒状固形ルウ含有調味料を説明する説明図である。図3において1は、目開き10mmの篩をパスするが、目開き0.3mmの篩をパスしない低カロリー粒状固形ルウの粒子を示し、1’は、目開き0.3mmの篩をパスする低カロリー粒状固形ルウの粒子を示し、2は低カロリー粒状固形ルウ1の粒子表面に付着したり、粒子表面に埋没した付着用粉体を示し、2’は低カロリー粒状固形ルウ1に付着しないで目開き0.3mmの篩をパスする付着用粉体を示し、3は低カロリー粒状固形ルウ以外のその他の食品粉粒体を示す。
図1に示した低カロリー粒状固形ルウ1は、小麦粉を主成分とする澱粉原料、油脂を必須原料とし、ショ糖の甘味の甘味度を1とした場合に甘味度が100以上となる高甘味度甘味料、その他の食品原料を添加し、前記油脂の融点以上において加熱混合してペースト状原料を調製した後に、前記ペースト状原料を目開き10mmの篩をパスする粒子に冷却固化して粒状固形ルウにするか、または、前記ペースト状原料を冷却固化した冷却固形ルウを目開き10mmの篩をパスする粒子に粉砕するかして調製される低カロリー粒状固形ルウであって、ショ糖の甘味を甘味度1とした時に、粒状固形ルウの甘味の70%以上を前記高甘味度甘味料が占めることを特徴とするものである。
本発明の低カロリー粒状固形ルウは、低カロリー化とするとともに、所定の冷却型で冷却固化して目開き10mmの篩をパスする粒子としたり、必要に応じて所定の条件にて冷却された固形ルウを粉砕することにより目開き10mmの篩をパスする粒子にするかして得られる、所定の目開きの篩をパスする粒子が大部分を占めているので、熱と水分が固形ルウの個々の粒子に素早く均一に行き渡りやすく、熱水中への溶解性が優れ、また、包装容器への安定した自動充填が可能となるなどの機能も優れている。
さらに、本発明において、目開き10mmの篩をパスする粒子とは、付着用粉体を用いない場合は、冷却固化した粒状固形ルウが目開き10mmの篩をパスすることが必要であり、付着用粉体が粒状固形ルウに付着している場合は、付着用粉体が付着した状態で目開き10mmの篩をパスすることが必要であるが、目開き7mmの篩をパスするようにするとより溶解性が優れ、目開き5mmの篩をパスするようにするとさらに溶解性が優れ、目開き4mm以下の篩をパスするようにすると特に溶解性が優れ好ましい。
また、本発明において、粒状固形ルウが小さな目開きをパスするようにする方法としては、例えば小さな型枠等でペースト状原料を冷却固化したり、冷却固形ルウを粉砕したりする方法を挙げることができる。冷却固形ルウを粉砕する際に付着用粉体を添加し、粉砕された粒状固形ルウの表面に付着用粉体を付着させることで、より効率的に小さな粒状固形ルウを製造できるので、目開き5mm以下の篩をパスする本発明の低カロリー粒状固形ルウを製造するのに好ましい方法である。
使用するショ糖(砂糖)は水溶性であるため、固形ルウを熱水に添加した際に、ショ糖が固形ルウの表面に顔をだしていると、ショ糖が溶けて、溶けたところに穴ができ、そのためその部分の表面積が増えることで、ルウが溶けやすかったが、ショ糖を高甘味度甘味料に変えた場合、添加量が少ないために、前記のような表面積をふやす効果がほとんどなくなる。そのため、目開きメッシュ10mmの篩をパスするようにして表面積を増やすことによって熱水中への溶解性の向上を図るものである。
本発明においては、目開き10mmの篩をパスするということは、具体的には、例えば目開き10mmよりも大きい15mmの篩をパスする粒子をつくり、目開き10mmの篩をパスしない粒子を除外し、目開き10mmの篩をパスするようにすることであり、また目開き7mmの篩をパスする粒子や目開き5mm以下の篩をパスする粒子は、当然目開き10mmの篩をパスする粒子であるから、これらも目開き10mmの篩をパスするという範疇に含まれるものである。本発明においては、目開き5mmの篩をパスする場合や、目開き4mmの篩をパスする場合などがあるが、これらも前記目開き10mmの篩をパスする場合と同様である。
また本発明においては、粒状固形ルウが、目開き10mmの篩をパスするが、目開き0.3mmの篩をパスしないものが70質量%以上であるなど大部分を占めると、付着用粉体を粒子表面によく付着させやすく、目開き1.0mmの篩をパスしないものが70質量%以上であるなど大部分を占めると、付着用粉体を粒子表面に埋没させてよく付着させやすいので好ましい。
本発明の低カロリー粒状固形ルウ含有調味料は、付着させる付着用粉体が、低カロリー粒状固形ルウの表面に付着しないで、低カロリー粒状固形ルウの周辺に付着用粉体が存在することがあるが、10mmの篩をパスするが0.3mmの篩をパスしない低カロリー粒状固形ルウの含有量が、0.3mmをパスする粒状固形ルウや表面に付着しなかった付着用粉体およびその他の食品原料を加えた全量の70質量%以上であると、味や溶解性が均一で、バラツキが少なくなるので好ましい。
本発明で用いるショ糖の甘味度を1とした時に甘味度が100以上となる高甘味度甘味料としては、具体的には、例えば、アセスルファムカリウム(200倍)、スクラロース(600倍)、アスパルテーム(100〜200倍)、ネオテーム(7000〜13000倍)、ステビア抽出物(200〜350)、サッカリンナトリウム(450〜550)などの1種あるいは2種以上を挙げることができる。
一方、本発明で用いるショ糖の甘味度と実質的に同じとして扱う甘味原料としては、砂糖、上白糖、三温糖、白ザラ糖、グラニュー糖などを挙げることができる。入手が容易に可能な一般的な砂糖は、実質的にショ糖と言ってもよい位であり、それは、上白糖はショ糖の割合が97.8質量%位、三温糖はショ糖の割合が96.4質量%位、白ザラ糖はショ糖の割合が99.9質量%位、グラニュー糖はショ糖の割合が99.9質量%位、黒砂糖(黒糖)はショ糖の割合が80質量%位であるためである。
また、ショ糖の熱量(カロリー)は、約4kcal/gである。
一方、本発明で用いる油脂の熱量の例としては、オリーブ油、ごま油、コーンオイル、なたね油、パーム油などは921Kcal、牛脂は940Kcal、ラードは941Kcal、有塩バターは745Kcal、ソフトタイプマーガリンは758Kcal、ショートニングは921Kcal(五訂食品成分表参照)などを挙げることができる。
ショ糖を高甘味度甘味料で置換すると、所定の甘味をだすための高甘味度甘味料は非常に少ない量ですむので、甘味を置換した分だけショ糖由来のカロリーを低下させることができる。
本発明の低カロリー粒状固形ルウにおいて、高甘味度甘味料を用いないで同等の甘味の全てをショ糖で調製した場合の固形ルウに比べ、カロリーを低下させる方法は、油脂の量を低減する方法などもあるので、ショ糖を高甘味度甘味料に置換することに限定されないが、例えば、ショ糖を高甘味度甘味料と置換することでカロリーを10%以上低下させる場合には、高甘味度甘味料を甘味の70%以上を用いることが好ましく、高甘味度甘味料を甘味の80%以上を用いることがより好ましく、高甘味度甘味料を甘味の90%以上を用いることがさらに好ましい。
また、本発明の低カロリー粒状固形ルウは、通常混合するショ糖の量に対し、非常に少量の高甘味度甘味料の使用でショ糖のみの場合と同じ甘味をだすことができる。その結果、本発明の低カロリー粒状固形ルウで用いられる付着用粉体原料でもあるショ糖の使用量を減らすことができる。具体的には、例えば高甘味度甘味料にショ糖の全量を置き換えた場合には、低カロリー粒状固形ルウの全原料のショ糖の量を約10質量%程度減らすことができる。その結果、油脂により固化されるその他の原料に対して、相対的に油脂の割合が高くなることから、油脂の量を減らしても固化することができるようになる。このようにして油脂の量をさらに減らすことができれば、それによりさらにカロリーを低下させることができる。
図2は、本発明の請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の低カロリー粒状固形ルウの製造工程を説明する説明図である。
(1)小麦粉を主成分とする澱澱粉原料、油脂、ショ糖の甘味を1とする甘味度が低カロリー粒状固形ルウの全甘味の70%以上の甘味となる量の高甘味度甘味料、その他の食品原料を含む付着用粉体を所定量準備する。
(2)前記油脂の融解する温度以上で前記澱粉原料と前記油脂を所定量加熱混合したペースト状原料を調製する。
(3)前記加熱混合したペースト状原料を、目開き10mmの篩をパスする粒子に冷却固化して粒状固形ルウにした後、ショ糖の甘味の甘味度を1とした場合に甘味度が100以上となる高甘味度甘味料、その他の食品原料を含む付着用粉体を添加して表面に保持および埋没させた粒状固形ルウを調製する。
(4)前記粒状固形ルウと、必要に応じて、前記低カロリー粒状固形ルウ以外の食品粉粒体およびショ糖の甘味を1とする甘味度が低カロリー粒状固形ルウの全甘味の70%以上の甘味となる量の高甘味度甘味料の所定量を包装用容器に充填し密封する。
ペースト状原料を調製する際に前記高甘味度甘味料を配合して低カロリー粒状固形ルウを製造する場合の工程の例を次に示す。
(1)小麦粉を主成分とする澱澱粉原料、油脂、ショ糖の甘味を1とする甘味度が低カロリー粒状固形ルウの全甘味の70%以上の甘味となる量の高甘味度甘味料、その他の食品原料を含む付着用粉体を所定量準備する。
(2)前記油脂の融解する温度以上で前記澱粉原料と前記油脂を所定量加熱混合したペースト状原料を調製する。
(3)前記ペースト状原料を冷却固化した冷却固形ルウにショ糖の甘味の甘味度を1とした場合に甘味度が100以上となる高甘味度甘味料、その他の食品原料を含む付着用粉体を添加しつつ目開き10mmの篩をパスする粒子に粉砕して表面に保持および埋没させた粒状固形ルウを調製する。
(4)前記粒状固形ルウと、必要に応じて、前記低カロリー粒状固形ルウ以外の食品粉粒体およびショ糖の甘味を1とする甘味度が低カロリー粒状固形ルウの全甘味の70%以上の甘味となる量の高甘味度甘味料の所定量を包装用容器に充填し密封する。
本発明において、目開き10mmの篩をパスする粒子は、必要に応じて、粉砕することで調製することができる。また、1辺が10mm以下のキャビテイを有する型で冷却固化し、型から外した物を用いることもできる。
図3に示した本発明の低カロリー粒状固形ルウを含んだ調味料の製造方法は特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、本発明の低カロリー粒状固形ルウの粒子1を調製後に図示しない容器に充填する際、本発明の低カロリー粒状固形ルウの粒子1を調製する際に生じた目開き0.3mmの篩をパスする低カロリー粒状固形ルウの粒子1’や、低カロリー粒状固形ルウに付着しないで目開き0.3mmの篩をパスする付着用粉体2’や、低カロリー粒状固形ルウ以外の食品粉粒体3を均一に入れることによって容易に製造することができる。
本発明において使用する油脂は、常温で液体状や、流動性のある半固体状の油脂や常温で固形の油脂あるいはこれらの2種以上の混合物であり、中でも常温で固形の油脂は好ましく使用できる。常温で固形の油脂とは、20℃で、自重によって変形しない油脂であり、荷重が加わったときの変形は許容される。
なお本発明における、常温とは、特筆していない限り、JIS Z 8703で定義される常温、20℃±15℃の中心温度である20℃とする。
特に限定されないが、本発明で使用する常温で固形の油脂は、流通・保存などで高温下に晒されるリスクを考慮すると、上昇融点が30〜60℃で、かつ35℃のSFC(固体脂含量)が10〜45質量%の油脂であることが望ましい。
上昇融点が30℃未満、あるいは35℃のSFC(固体脂含量)が10質量%未満である場合には、常温で流動性のない固形状態を保つことが難しく、商品の流通や保存条件において、物性を維持できずに本発明の効果を発揮することが難しい。
上昇融点が60℃超、あるいは35℃のSFC(固体脂含量)が45質量%超である場合には、喫食中に調理品の温度が低下した場合に、油脂の結晶化により調理品の物性が変化し、食感などを損なう恐れがある。
上昇融点が30〜60℃で、かつ35℃のSFC(固体脂含量)が10〜45質量%の油脂であれば、商品の流通や保存条件においても、物性を維持しやすく本発明の効果を保つことができ、また、喫食中に調理品の温度が低下した場合でも、食感を損なう恐れがない。
本発明で使用する油脂は、具体的には、例えば菜種油、大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、胡麻油、月見草油、パーム油、イリッペ脂、シア脂、サル脂、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油などの植物性油脂、並びに乳脂、牛脂、豚脂、魚油、鯨油などの動物性油脂、これらの油脂類の単独または混合油あるいはそれらの硬化、分別、エステル交換などを施した加工油脂などを挙げることができる。
本発明の低カロリー粒状固形ルウ中の油脂含量は、特に限定されないが、9〜30質量%であると好ましく、12〜25質量%であるとより好ましい。
本発明の低カロリー粒状固形ルウ中の油脂の含量が、低カロリー粒状固形ルウ中の12〜25質量%であれば、低カロリー粒状固形ルウを調製しやすく、また、目的の粒度に調製しやすく、さらには、低カロリー粒状固形ルウ同士の結着を防止し、より溶解性その他の効果が向上する。また、適度にコクがあり、より低カロリーでヘルシーな調理品とすることができる。
本発明の低カロリー粒状固形ルウは、前記のように高甘味度甘味料にショ糖の全量を置き換えた場合には、通常より混合するショ糖の量が10質量%ほど減るので、相対的に油脂の割合が高くなる。そのため油脂の量を減らすことができるので、より低カロリーでヘルシーな調理品とすることができる。
油脂が12質量%未満では、調味料としてのコクがやや不足し、低カロリー粒状固形ルウを固めづらく、溶解性も向上しにくくなる恐れがあり、25質量%を超えると、低カロリー粒状固形ルウ同士の結着防止効果が発揮しづらく、目的の粒度にも調製しにくい場合がある。
本発明で使用する澱粉原料は特に限定されるものではない。水を加えて加熱することによりα化する性質をもつ加水加熱によりα化する澱粉であってもよく、具体的には、調理場面での加熱を目的としていることから、加水においては、50〜100℃のいずれかの温度で接触すると粘性を発現する澱粉をα化する澱粉という。
加水加熱によりα化する澱粉は、特に限定されないが、例えば、小麦、とうもろこし、じゃがいも、米などを原料として製造されたものを用いることができる。
事前に加熱・乾燥し、低水分化した澱粉原料を使用することもできる。
デキストリンや加工澱粉など、加工によって澱粉特有のα化が発現しなくなったものについては、本発明の澱粉原料には該当しないが、必要に応じて、その他の原料として使用することに差し障りはない。
本発明における、加熱混合の加熱とは、特に限定されないが、油脂の融点〜140℃などが好ましく利用できる。混合することが目的であれば、油脂の融点を上回る温度であればよく、澱粉原料の水分蒸発や焙煎感の付与などが目的であれば、100〜140℃の加熱が好ましい。
さらに本発明における、加熱混合の加熱の時間は、特に限定されないが、低カロリー粒状固形ルウは含水率が低いと常温での微生物の増殖を抑制できることから、ペースト状原料の含水率を10質量%以下にすることができる時間の加熱が好ましく、8質量%以下にすることができる時間の加熱がさらに好ましく、7質量%以下にすることができる時間の加熱がもっとも好ましい。
また、香辛料を原料として加える場合には、香辛料中に含まれるリパーゼなどの酵素活性を生じない状態とする(失活させる)条件として、例えば90℃にて10分以上加熱する処理を施すなどの方法が適用できる。
本発明における、加熱混合の方法は、撹拌装置を有する容器にて、蒸気などの熱源を使用して間接加熱するなど、各種公知の方法を適用することが可能である。
本発明における、冷却固化については、容器などに充填したペースト状原料を、室温において自然に冷却させたり、積極的に冷蔵庫で冷却・固化したり、冷却可能なベルトや回転ドラム上にペースト状原料を広げ冷却・固化したりするなど、各種公知の方法を適用することが可能である。
本発明における、ペースト状原料とは、油脂と澱粉原料を必須原料として、油脂の融点以上に加熱混合してペースト状にした固形ルウの原料である。
本発明における、固形ルウとは、熱水や具材などを適宜加えられ加熱調理されるスープやソースなどに、調理、または仕上げの段階において添加し、分散、溶解することで、でき上がるスープやソースに適度な粘性、風味などを付与する、少なくとも、油脂および澱粉を含んでいる、常温保存時において固形状態の調味料である。
特に限定されないが、必要に応じて、甘味を付与する高甘味度甘味料、砂糖、や食塩、アミノ酸、ビーフエキス、野菜エキス、香辛料、香料などの調味原料の他、増粘多糖類や増量剤、着色料など、種々の食品原料を、ペースト状原料を調製する過程から、冷却し固形ルウにするまでに含むことができる。
本発明で使用する食品原料からなる付着用粉体は、目開き0.3mmの篩をパスする粉体であれば、前記高甘味度甘味料の他、種々の原料を使用することが可能である。
例えば、植物を粉砕したもの、例えば、キャベツ、ホウレンソウ、人参、大根、ジャガイモ、サツマイモ、リンゴ、アボガドなどの野菜や果物や、コショウ、トウガラシ、バジルなどの香辛料、牛肉、豚肉、鶏肉などの畜肉、マグロ、カツオ、イワシ、タコ、貝などの魚介類、塩や砂糖、アミノ酸、ビーフエキスパウダー、野菜エキスパウダー、香料などの各種調味原料、増粘多糖類や増量剤、色素、常温で固体を維持できる粉末油脂、その他各種食材などからなる群から選択される少なくとも1つを挙げることができる。すなわち、単体でもよく、複数の組み合わせでも使用できる。
本発明で使用する食品原料からなる付着用粉体を、前記固形状ルウの表面に付着させるとは、目開き10mmの篩をパスする粒状固形ルウの表面に、付着用粉体が保持されている状態のことをいい、具体的には、例えば、粒状固形ルウの表面にある油脂に付着したり、付着用粉体の一部が粒状固形ルウの表面から内部に埋没した状態であったりする。
付着用粉体はα化しない粉体であると、調理時に熱水中に入れても、粒状固形ルウの粒子同士の結着と、結着した塊の表面のα化によるダマの発生を防止することができ溶解性が良くなるので好ましく、さらに、高甘味度甘味料の一部または全部を付着用粉体に含むことで溶解性が良くなるので好ましい。
また、付着用粉体中には実質的に油脂を含まないのが好ましく、前記固形状ルウの表面に付着させたり、表面近傍に局在させると、粒状固形ルウの粉砕物同士の粘着が抑えられ、さらに、機械上での滑り性が向上するので、包装容器に自動充填し易く生産性が向上する。
本発明における実質的に油脂を含まないとは、油脂の性質を示す油脂原料を含まないことを意味し、例えば香辛料や、穀物、肉類中の脂質分など、起源原料が元々有する油脂分や、調味料などの製造過程で、基材などの目的で加えられる油脂や調味油などまで全て排除するものではないことを示す。
前記固形状ルウの表面に付着させる付着用粉体は、粉砕された粒状固形ルウの表面に固着ないし付着したり、表面近傍に分散して局在して存在することが肝要であるため、その大きさは、最終的に得られる本発明の低カロリー粒状固形ルウ中の粒状固形ルウの大きさと比較して、平均粒径の小さな粉状もしくは粒状の原料を用いることが好ましい。
具体的には、0を超え0.3mm以下の粒径を有する、球状、各面体、および定形されていない立体形状の付着用粉体などがあげられる。
なお、付着用粉体を粒状固形ルウに付着する際に、目開き0.3mmをパスしない、大きな粉粒体を含んでいても良いが、大きな粉粒体は、輸送時や保管時に粒状固形ルウから剥がれやすくなる可能性がある。
粒状固形ルウの表面に付着する付着用粉体を含む粉粒体に対して、表面に付着する付着用粉体は30質量%以上であることが好ましく、更に50質量%以上であることがより好ましい。
付着用粉体をより細かくすることにより、付着用粉体の粒子数が増え、表面積も増すため、粉砕された粒状固形ルウの表面により密に付着し易く、粒状固形ルウの表面近傍により広く分散して局在して存在することになり、粒状固形ルウの粒子同士の結着をより防止し、本発明の低カロリー粒状固形ルウを目的の粒度に調製しやすく、均一になりやすく、より溶解性や生産性、その他の効果が向上する。
なお、本発明で使用する粉体は、アミラーゼ活性、リパーゼ活性などの酵素活性を生じない状態になっている(失活している)ことが望ましい。
粉体のリパーゼ活性が失活していれば、本発明の低カロリー粒状固形ルウを保存中に原料油脂が分解され、異臭の発生などの品質劣化を防止するという効果を得ることができる。
あるいは、粉体のアミラーゼ活性が失活してれば、調理時にα化した澱粉を分解し、粘性が低下してしまうことを防止するという効果を得ることができる。
本発明における、固形ルウを粉砕する方法や粉砕した固形ルウを付着用粉体と混合する方法は特に限定されるものではないが、目開き10mmの篩をパスする部分の割合が、好ましくは目開き5mmの篩をパスする部分の割合が、低カロリー粒状固形ルウ中の70質量%以上となるようすることが好ましい。
低カロリー粒状固形ルウの粒度が、前記のように所定の大きさ以下となっているため、熱と水分が低カロリー粒状固形ルウの個々の粒に素早く均一に行き渡りやすく、熱水中への溶解性が相乗的に向上する。
目開き10mmの篩をパスする部分の割合が、低カロリー粒状固形ルウ中の70質量%未満であると、粒度が小さく揃わず、調理時の熱水中での溶解性が悪くなったり、充填量がばらつくなど、生産性に悪影響を及ぼしたりする恐れがある。
具体的には、混合あるいは粉砕中に生じた大きな塊を除去し、目的の粒度の低カロリー粒状固形ルウを得てもよいし、大きな塊を繰り返し粉砕することにより目的の粒度の低カロリー粒状固形ルウを得てもよい。
固形ルウを所定の大きさに予備裁断した後に、付着用粉体を添加し、必要に応じて予備混合し、その後に粉砕してもよいし、付着用粉体を複数回に分けて添加しながら粉砕するなどの方法でもよい。
付着用粉体を粒状固形ルウへ付着させる方法の具体例を次に説明する。
目開き10mmをパスする粒状固形ルウの表面に、付着用粉体を付着させる際に、(イ)付着用粉体を振りかけて、押し付ける方法、(ロ)付着用粉体と混合して付着させる方法、ペースト状原料を一定の大きさで冷却して固形ルウにし、必要に応じて予備粉砕し(ハ)目開き10mmをパスするサイズに添加しながら粉砕し付着させる方法、(ニ)目開き10mmをパスするサイズに粉砕した後、(イ)(ロ)の方法で付着させる方法などを挙げることができる。
粉砕には、裁断、切断、切削など各種公知の方法を用いることができ、工程はバッチ式、連続式など自由に組み合わせることも可能である。
粉砕中は熱が出るため、冷却固形ルウに含まれる油脂が溶解し、粉砕した後、再度結着することがあるので、冷却を行いながら粉砕をすることが好ましいが、0.3mmの篩をパスする付着用粉体を加えながら粉砕すると、粉砕された面に付着用粉体が表面に付着するので、冷却を行わない粉砕が可能になる。
本発明における付着用粉体を付着させる工程開始時の前記粒状固形ルウの品温は、粒状固形ルウの形状が維持され、付着用粉体が付着できる状態の温度であれば特に限定されないが、-20〜35℃であることが好ましく、−5〜25℃であることがさらに好ましく、付着用粉体の品温は、5〜35℃であることが好ましい。また、混合した直後の低カロリー粒状固形ルウの品温は、5〜30℃であることが好ましい。
粒状固形ルウの品温は、低すぎると、油脂が硬くなり混合しづらかったり、処理後に結露が生じやすかったりするなどの問題があり、高すぎると、粒状固形ルウ同士が結着しやすく問題となる場合がある。
また、結露を防止しながら製品とするには、空調設備の負荷が大きくなるという問題もある。
本発明で使用する製品容器は、プラスチック容器、ガラス瓶、袋包装体など公知の包装容器を使用することができる。
容器としては、バリヤー性容器が好ましく、例えば、袋状容器では、アルミナ蒸着PETフィルム/ポリアミド/ポリプロピレンフィルムを、ポリプロピレンフィルム面ではりあわせた袋や、トレー容器と蓋材の組み合わせ容器では、トレー容器は、エチレン−ビニルアルコール共重合体を中間層とし、上下層には、ポリプロピレンを積層しこれをトレー状に成形したものとトレー容器上蓋フィルム(ガラス蒸着PET/ポリアミド/ポリプロピレン系シーラント)などが使用できる。
なお、上記実施形態の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮するものではない。又、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
次に実施例および比較例により本発明を詳しく説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
(比較例1)(従来公知の固形ルウであり、本発明における基準とした)
上昇融点45℃、35℃のSFC(固体脂含量)が25質量%の、常温で固形のパーム油脂31kgを、品温約70℃になるまで加熱溶解し、そこに水分を12質量%含有する小麦粉35kgを入れ、混合容器内にて撹拌し十分に分散した後(品温60℃)、さらに加熱混合して120℃まで加熱するし、加熱混合したペースト状原料を調製する。
加熱停止後に、順次、砂糖10kg、香辛料8kg、その他調味料30.5kgを加え混合撹拌し、品温が60℃になるまで冷却したペースト状原料を、18cmの収容部を多数有する小分けトレーとなっている容器に19.5gずつ充填し、さらに冷却固形ルウとして品温10℃になるまで冷却して固化し、1食分固形ルウを製造した。
小分け容器の開口部を蓋材で密封シールし製品とした。
1食分固形ルウ(19.5g)のエネルギーは、90kcalであった。
固形ルウ(1食分固形ルウ2個=39g)を用いて下記の固形ルウの溶解時間の測定法で測定した結果、約130秒かかり、やや時間を要し、評価結果は△であった。
比較例1の固形ルウは高甘味度甘味料を用いていないので、カロリーオフ率(%)は0。
比較例1の固形ルウは粒状でないために目開き10mmの篩をパスせず、
自動充填機による充填適性の評価はできない。
これらの結果を表1にまとめて示す。
(固形ルウの溶解時間の測定法)
鍋に、水300gと約3cm程度の大きさにカットした玉ねぎ200gを入れ、強火で加熱し沸騰したら火を止め、直後に、製造した2食分の固形ルウを、製品の形のまま入れ、スプーンでゆっくり撹拌し、溶解するまで(全体に分散して塊がなくなるまで)の時間を測定する。
(固形ルウの溶解時間の評価)
◎:50秒未満(とてもすばやく溶けてよい)
○:50秒以上100秒未満(すばやく溶けてよい)
△:100秒以上200秒未満(やや時間を要するが問題なく溶ける)
×:200秒以上(なかなか溶けず、固まりが残るなど問題あり)
(下式で計算される比較例1を基準とした場合のカロリーオフ率(%)の評価)
(式)
カロリーオフ率(%)=(90kcal−試料固形ルウのkcal)/90kcal
式中の90kcalは比較例1の固形ルウのカロリーを示す。
○:20%以上(カロリーオフの効果が高い)
△:10%以上20%未満(カロリーオフの効果がやや高い)
×:10%未満(カロリーオフの効果が低い)
(自動充填機による充填適性の評価)(機械適性、充填バラつき)
◎(バラつきなく安定している。)
○(ややバラつきがあるが安定している。)
△(充填可能だが、バラつきがありやや安定性に欠ける。)
なお、本実施例および比較例2〜6においては、比較例1のショ糖の量を替えて高甘味度甘味料を使用した場合であっても、固形ルウの全甘味は比較例1と同じにしており、例えば、ショ糖の50質量%を高甘味度甘味料の所定量で替えた場合は、高甘味度甘味料はショ糖に起因する全甘味の50%を占めるとし、ショ糖の75質量%を高甘味度甘味料の所定量で替えた場合は、高甘味度甘味料はショ糖に起因する全甘味の75%を占めるとし、ショ糖の100質量%を高甘味度甘味料の所定量で替えた場合は、高甘味度甘味料はショ糖に起因する全甘味の100%を占めるとした。
なお、表1の上段左から右に順に記載されている、油脂「A」、小麦粉、砂糖、高甘味度甘味料、香辛料、他調味料、原料合計「B」、油脂割合「A」/「B」、付着用粉体「C」、付着用粉体割合「C」/(「B」+「C」)、全体油脂割合「A」/(「B」+「C」)、篩パス、溶解時間、カロリーオフ、充填適性はそれぞれ下記の内容の記載である。
なお、表1の上段の固形ルウ用ペースト状原料に関する、2段目の左からの各項目の内容は、油脂「A」、小麦粉、砂糖、高甘味度甘味料、香辛料、他調味料は、固形ルウ用のペースト状原料中の各原料の質量(kg)であり、原料合計「B」は、固形ルウ用ペースト状原料の総質量(kg)であり、油脂割合「A」/「B」は、油脂「A」の固形ルウ用ペースト状原料の総量「B」に対する質量(%)の記載である。
また、表1の上段の粒状固形ルウに関する、2段目の左からの各項目の内容は、付着粉体「C」は、固形ルウ用ペースト状原料を冷却固化した粒状固形ルウに付着させるための付着用粉体の質量(kg)で、付着用粉体割合「C」/(「B」+「C」)は、付着用粉体「C」の低カロリー粒状固形ルウ(「B」+「C」)に対する質量(%)で、全体油脂割合(「A」/(「B」+「C」)は、固形ルウ用ペースト状原料の油脂「A」の低カロリー粒状固形ルウ(「B」+「C」)に対する質量(%)であり、篩パスは、粒状固形ルウの大きさとして、パスする目開きの長さ(mm)を記載である。
Figure 2016021959
(比較例2)
比較例1で使用した砂糖10kgの50質量%を、全体の甘味度が変わらないように、アセスルファムカリウムとスクラロースを含む高甘味度甘味料製剤0.0250kgに置き変えた。
なお、固形ルウ用のペースト状原料の調製時の溶解したルウの粘度等の物性を同じにするために、固形ルウ全体中の油脂の比率が変わらないように調製し、使用する油脂量を1.8kg減らし29.2kgとした。
その他の条件は、比較例1と同じである。
1食分固形ルウ(18g)のエネルギーは、84kcalであり、約7%のカロリーオフにしかならない。評価結果は×であった。
固形ルウの溶解時間は前記の固形ルウの溶解時間の測定法で測定した結果、220秒かかり、非常に時間を要し、評価結果は×であった。
比較例2の固形ルウは粒状でないため目開き10mmの篩をパスせず、自動充填機による充填適性の評価はできない。
これらの結果を表1にまとめて示す。
(比較例3)
比較例1で使用した砂糖10kgの75質量%を、全体の甘味度が変わらないように、アセスルファムカリウムとスクラロースを含む高甘味度甘味料製剤0.0375kgに置き変えた。
なお、使用する油脂量は2.7kg減らし28.3kgとした。
特記しないその他の条件は、比較例1と同じである。
1食分固形ルウ(17.5g)のエネルギーは、81kcalであり、約10%のカロリーオフとなった。評価結果は△であった。
固形ルウの溶解時間は260秒かかり、非常に時間を要した。評価結果は×であった。
比較例3の固形ルウは粒状でないため目開き10mmの篩をパスせず、自動充填機による充填適性の評価はできない。
これらの結果を表1にまとめて示す。
(比較例4)
比較例1で使用した砂糖10kg全てを、全体の甘味度が変わらないように、アセスルファムカリウムとスクラロースを含む高甘味度甘味料製剤0.05kgに置き変えた。
なお、使用する油脂量は3.7kg減らし273kgとした。
特記しないその他の条件は、比較例1と同じである。
1食分固形ルウ(17g)のエネルギーは、77kcalであり、約14%のカロリーオフとなった。評価結果は△であった。
固形ルウの溶解時間は300秒かかり、非常に時間を要した。評価結果は×であった。
比較例4の固形ルウは粒状でないため目開き10mmの篩をパスせず、自動充填機による充填適性の評価はできない。
これらの結果を表1にまとめて示す。
(比較例5)
比較例1で製造された固形ルウを容器から取り出し、欠片を細かく裁断して、目開き10mmの粒状固形ルウとし、袋充填機を用いて2食分ずつを袋に分包して密封し、製品とした。
特記しないその他の条件は、比較例1と同じである。
1食分粒状固形ルウ(19.5g)のエネルギーは比較例1と同じく77kcalである。比較例5の固形ルウは高甘味度甘味料を用いていないので、カロリーオフ率(%)は0。評価結果は×であった。
粒状固形ルウの溶解時間は100秒となり、やや時間を要するが、短くなった。評価結果は△であった。
自動充填機により袋充填は可能であったが、やや原料のベタ付き等を要因とした充填量のバラつきがあった。評価結果は△であった。
これらの結果を表1にまとめて示す。
(比較例6)
比較例2で製造された固形ルウを容器から取り出し、欠片を細かく裁断して、目開き10mmの篩をパスする粒状固形ルウとし、袋充填機を用いて2食分ずつを袋に分包して密封し、製品とした。
特記しないその他の条件は、比較例2と同じである。
1食分粒状固形ルウ(18g)のエネルギーは比較例2と同じく84kcalであり、カロリーオフ率(%)は約7%、評価結果は×であった。
粒状固形ルウの溶解時間は150秒となり、やや時間を要するが、短くなった。評価結果は△であった。
自動充填機により袋充填は可能であったが、やや原料のベタ付き等を要因とした充填量のバラつきがあった。評価結果は△であった。
これらの結果を表1にまとめて示す。
参考例1
比較例3で製造された固形ルウ(すなわち、比較例1で使用した砂糖10kgの75%を、全体の甘味度が変わらないように、アセスルファムカリウムとスクラロースを含む高甘味度甘味料0.0375kgに置き変えるとともに、使用する油脂量を2.7kg減らし28.3kgとした以外は比較例1と同様にして製造された固形ルウ)を容器から取り出し、欠片を細かく裁断して、目開き10mmの篩をパスする粒状固形ルウとし、袋充填機を用いて2食分ずつを袋に分包して密封し、製品とした。
その他の条件は、比較例3と同じである。
1食分低カロリー粒状固形ルウ(17.5g)のエネルギーは、比較例3と同じ81kcalであり、比較例3と同じく約10%のカロリーオフで、評価結果は△であった。
低カロリー粒状固形ルウの溶解時間は166秒となり、やや時間を要すが、短くなった。評価結果は△であった。
自動充填機により袋充填は可能であったが、やや原料のベタ付き等を要因とした充填量のバラつきがあった。評価結果は△であった。
これらの結果を表1にまとめて示す。
参考例2
比較例4で製造された固形ルウを容器から取り出し、欠片を細かく裁断して、目開き10mmの篩をパスする粒状固形ルウとし、袋充填機を用いて2食分ずつを袋に分包して密封し、製品とした。
特記しないその他の条件は、比較例4と同じである。
1食分低カロリー粒状固形ルウ(17g)のエネルギーは、比較例4と同じ77kcalであり、比較例4と同じく14%のカロリーオフで、評価結果は△であった。
低カロリー粒状固形ルウの溶解時間は180秒となり、やや時間を要すが、短くなった。評価結果は△であった。
自動充填機により袋充填は可能であったが、やや原料のベタ付き等を要因とした充填量のバラつきがあった。評価結果は△であった。
これらの結果を表1にまとめて示す。
実施例1
参考例1で、加熱停止後に加える香辛料を1kgに、その他調味料を7kgに減らし固形ルウ用のペースト状原料を調製し、冷却固化した固形ルウを容器から取り出し、欠片を細かく裁断して、目開き10mmの篩をパスする粒状固形ルウとした。
そして、そこに減らした分の香辛料およびその他調味料を0.3mmの篩をパスする粉体とし、付着用粉体として加え混合し、付着用粉体を粒状固形ルウに付着させて、低カロリー粒状固形ルウとし、袋充填機を用いて2食分ずつを袋に分包して密封し、製品とした。
特記しないその他の条件は、参考例1と同じである。
1食分低カロリー粒状固形ルウ(17.5g)のエネルギーは、比較例4と同じ77kcalであり、比較例4と同じく14%のカロリーオフで、評価結果は△であった。
低カロリー粒状固形ルウの溶解時間は82秒と短くなった。評価結果は○であった。
原料のベタ付き等を要因とした充填量のバラつきがややあったが、自動充填機により袋充填を安定して行うことが可能であった。評価結果は○であった。
これらの結果を表1にまとめて示す。
実施例2
参考例2で、加熱停止後に加える香辛料を1kgに、その他調味料を7kgに減らし固形ルウ用のペースト状原料を調製し、冷却固化した固形ルウを容器から取り出し、欠片を細かく裁断して、目開き10mmの篩をパスする粒状固形ルウとした。
そして、そこに減らした分の香辛料およびその他調味料を0.3mmの篩をパスする粉体とし、付着用粉体として加え混合し、付着用粉体を粒状固形ルウに付着させて、低カロリー粒状固形ルウとし、袋充填機を用いて2食分ずつを袋に分包して密封し、製品とした。
特記しないその他の条件は、参考例2と同じである。
1食分低カロリー粒状固形ルウ(17g)のエネルギーは、比較例4や実施例2と同じ約77kcalであり、比較例4や参考例2と同じく14%のカロリーオフで、評価結果は△であった。
低カロリー粒状固形ルウの溶解時間は90秒と短くなった。評価結果は○であった。
原料のベタ付き等を要因とした充填量のバラつきがややあったが、自動充填機により袋充填を安定して行うことが可能であった。評価結果は○であった。
これらの結果を表1にまとめて示す。
実施例3
参考例2で、加熱停止後に加える香辛料を1kgに、その他調味料を22kgに減らし固形ルウ用ペースト状原料を調製し、製造された固形ルウを容器から取り出し、欠片を細かく裁断して、目開き10mmの篩をパスする粒状固形ルウとした。
そして、そこに減らした分の香辛料およびその他調味料を0.3mmの篩をパスする粉体とし、付着用粉体として加え混合し、付着用粉体を粒状固形ルウに付着させて、低カロリー粒状固形ルウとし、袋充填機を用いて2食分ずつを袋に分包して密封し、製品とした。
特記しないその他の条件は、参考例2と同じである。
1食分低カロリー粒状固形ルウ(17g)のエネルギーは、比較例4や参考例2と同じ約77kcalであり、比較例4や参考例2と同じく14%のカロリーオフで、評価結果は△であった。
低カロリー粒状固形ルウの溶解時間は130秒と短くなったが、実施例2ほどではなかった。評価結果は△であった。
自動充填機により袋充填は可能であったが、やや原料のベタ付き等を要因とした充填量のバラつきがあった。評価結果は△であった。
これらの結果を表1にまとめて示す。
実施例4
実施例1〜3は、固形ルウ用のペースト状原料調製時の粉体原料を減らしたため、ペースト状原料中の油脂の比率が高くなっていることから、ペースト状原料調製時の粘性がゆるくなり、冷却固化後の粒状固形ルウの表面でのベトツキが強くなる。
そこで、固形ルウ用のペースト状原料調製の物性を比較例1〜6、参考例1〜2と同じにするために、固形ルウ中の油脂の比率が変わらないように調製し、実施例1で使用した油脂量(28.3kg)より11.8kg減らし、16.5kgとした。
特記しないその他の条件は、実施例1と同じである。
1食分低カロリー粒状固形ルウ(15.5g)のエネルギーはさらに低く、32%のカロリーオフで、評価結果は○であった。
固形ルウの溶解時間は80秒であった。評価結果は○であった。
原料のベタ付き等を要因とした充填量のバラつきは少なく、自動充填機により袋充填を安定して行うことが可能であった。評価結果は◎であった。
これらの結果を表1にまとめて示す。
実施例5
実施例4と同様に、実施例2で、使用する油脂量を11.3kg減らし16kgとした。
特記しないその他の条件は、実施例2と同じである。
1食分低カロリー粒状固形ルウ(15.0g)のエネルギーはさらに低く、34%のカロリーオフで、評価結果は○であった。
低カロリー粒状固形ルウの溶解時間は98秒であった。評価結果は○であった。低カロリー粒状固形ルウを取り出した時の状態を目視で確認した結果、僅かながら粉体が剥がれていることが確認できた。
原料のベタ付き等を要因とした充填量のバラつきは少なく、自動充填機により袋充填を安定して行うことが可能であった。評価結果は◎であった。
これらの結果を表1にまとめて示す。
実施例6
0.3mmの篩をパスする粉体とした付着用粉体を、冷却固形ルウを目開き10mmの篩をパスする粒子に粉砕する工程で添加し、付着用粉体を粒状固形ルウの表面に付着させ、低カロリー粒状固形ルウを得た。
特記しないその他の条件は、実施例5と同じである。
1食分粒状固形ルウ(15.0g)のエネルギーは実施例5と同じで、34%のカロリーオフで、評価結果は○であった。
固形ルウの溶解時間は90秒と若干短くなった。評価結果は○であった。低カロリー粒状固形ルウを取り出した時の状態を目視で確認した結果、ほとんど粉体が剥がれておらず、付着用粉体の付着が強いことが確認できた。
原料のベタ付き等を要因とした充填量のバラつきは少なく、自動充填機により袋充填を安定して行うことが可能であった。評価結果は◎であった。
実施例7
冷却固形ルウを粉砕し篩をパスする工程で用いる篩を、目開き5mmの篩に変更して低カロリー粒状固形ルウを得た。
特記しないその他の条件は、実施例6と同じである。
1食分低カロリー粒状固形ルウ(15.0g)のエネルギーは実施例5と同じで、34%のカロリーオフで、評価結果は◎であった。
固形ルウの溶解時間は40秒とさらに短くなった。評価結果は◎であった。
原料のベタ付き等を要因とした充填量のバラつきは少なく、自動充填機により袋充填を安定して行うことが可能であった。評価結果は◎であった。
これらの結果を表1にまとめて示す。
本発明の低カロリー粒状固形ルウでは、低カロリーであるとともに、所定の条件にて、固形ルウを粉砕することにより得られる、所定の目開きの篩をパスする粒子が大部分を占めているので、熱と水分が固形ルウの個々の粒子に素早く均一に行き渡りやすく、熱水中への溶解性が優れ、また、包装容器への安定した自動充填が可能となり、商品の流通や保存の際に、高温にさらされた場合にも、粒子状のルウ同士の接着が起きず、包装容器の中で、塊になったりしないという保存面の機能も優れていて、調理後のソースのコクや食感に関しても優れているカレー、シチュー、ハヤシライスソース、パスタソースなどの提供を可能とするという顕著な効果を奏し、本発明の製造方法によって本発明の低カロリー粒状固形ルウを容易に製造することができるという顕著な効果を奏し、本発明の低カロリー粒状固形ルウ含有調味料は、本発明の低カロリー粒状固形ルウを含む低カロリー粒状固形ルウをベースとして、前記付着用粉体や低カロリー粒状固形ルウ以外の食品粉粒体を含有するので、様々な風味の調味料を容易に調製できるというという、顕著な効果を奏するので、産業上の利用価値が高い。
1 低カロリー粒状固形ルウの粒子
1’目開き0.3mmの篩をパスする低カロリー粒状固形ルウの粒子
2、2' 付着用粉体
3 低カロリー粒状固形ルウ以外の食品粉粒体
本発明は、溶解性、充填性と生産性に優れる、高甘味度甘味料を使用した低カロリー粒状固形ルウおよびその製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、熱水または、料理に用いられる具材が煮込まれた熱水中に添加しても容易に溶解する優れた溶解性を有する上、包装容器へ安定して容易に自動充填できるなど生産性にも優れており、カレー、シチュー、ハヤシライスソース、パスタソースなどの調理に用いることができる高甘味度甘味料を使用した低カロリー粒状固形ルウおよびその製造方法に関するものである。
従来の、カレー、シチュー、パスタソース等の調理に用いられる調味料は、常温で固形を維持しカップ等の容器に充填されている固形ルウや、常温でペースト状になっていて、袋に充填されているペーストルウ等が市販されている。
これらの一般的なルウは、油脂、小麦粉等の澱粉、香辛料、砂糖、食塩、各種調味料等が用いられ、少なくとも油脂、小麦粉等の澱粉を、100℃以上に加熱混合することで、小麦粉の生っぽさを低減させるとともに、余分な水分を蒸発させ、その他の原料を適宜添加し、各種ルウを製造することで、油脂由来のコク、小麦粉などの澱粉由来の粘性、その他の香辛料、砂糖、食塩、各種調味料等の旨味やコク、さらに特徴的な風味を得たルウを製造している(例えば、特許文献1や特許文献2参照)。
ただ、これらのルウは、油脂や砂糖等の高カロリーの原料が多く用いられることが多く、ルウ原料の配合において、油脂配合割合を低下させて、製造する発明を用いた低カロリールウに関して提案されていた。
澱粉原料に極少量の油脂を加え、加水することなく押し出し造粒し、澱粉以外の原料は加水することなく加圧成形した後、粉砕整粒し、得られた両顆粒物を混合するローファットの顆粒状食品およびその製造方法(特許文献3参照)、澱粉に油脂を0〜6質量%、水分4〜12質量%含む食品原料を所定の硬度になるように加圧成形し、それを粉砕整粒するローファットあるいはノンファットの顆粒状食品およびその製造方法(特許文献4参照)、澱粉質原料、油脂および調味料を含み、かつ、油脂含量が10〜25質量%である原料を加熱混合して低油脂ルウを調製し、それを粉粒とし、成形型に充填し、そして加圧成形する低カロリーの低油脂固形ルウの製造方法(特許文献5参照)なども提案されている。
しかし、これらの提案においては、油脂の割合を少なくするために、油脂由来のコクがなくなり、美味しさに影響が生じていたり、油脂による固形状のルウとしての保形性がなく粉体状になったことで、調理時にダマになりやすく、溶け・分散性が著しく悪くなる問題もあった。
また、ショ糖の甘味度を1とした時に甘味度が100以上となる高甘味度甘味料が、飲料を中心とした低カロリーもしくはノンカロリー食品に多く用いられることがあるが、一般的な固形ルウにおいて、砂糖などの代わりに高甘味度甘味料を多く用いて低カロリー化を実現しようとすると、熱水または、料理に用いられる具材が煮込まれた熱水中に添加した際に、従来固形ルウ中に分散して存在することで溶解性の向上に寄与した砂糖などの量が足りず、溶解性が悪くなるなどの問題があった。
特開平9−294569号公報 特開2012−5368号公報 特開2000−125784号公報 特開2000−125783号公報 特開2006−345856号公報
本発明の第1の目的は、従来からの問題を解決し、熱水または、料理に用いられる具材が煮込まれた熱水中に添加しても溶解性に優れ、また、包装容器への安定した自動充填が可能となり、保存面の機能も優れていて、調理後のソースのコクや食感に関しても優れているカレー、シチュー、ハヤシライスソース、パスタソースなどの提供を可能とする高甘味度甘味料を使用した低カロリー粒状固形ルウを提供することである。
本発明の第2の目的は、本発明の高甘味度甘味料を使用した低カロリー粒状固形ルウを容易に製造することができる製造方法を提供することである。
本発明の第3の目的は、本発明の高甘味度甘味料を使用した低カロリー粒状固形ルウを含む低カロリー粒状固形ルウ含有調味料を提供することである。
本発明の発明者は、鋭意研究の結果、例えば、α化する澱粉原料および油脂を必須原料とし、前記油脂の融点以上において加熱混合してペースト状原料を調製した後に、前記ペースト状原料を目開き10mmの篩をパスする粒子に冷却固化して粒状固形ルウにした後、ショ糖の甘味の甘味度を1とした場合に甘味度が100以上となる高甘味度甘味料、その他の食品原料を含む付着用粉体を添加して表面に保持および埋没(以下、単に付着と称す場合がある)させた粒状固形ルウによって課題を解決できることを見出すとともに、前記固形ルウ調製時に用いた食品原料からなる前記粉末の一部であって加水加熱によりα化しない前記粉末を固形ルウ調製時に用いずに、粒状固形ルウを調製し、この粒状固形ルウに固形ルウ調製時に用いなかった前記粉末を混合して粒状固形ルウの表面に保持および埋没させることによって得られた低カロリー粒状固形ルウはさらに優れた溶解性を有する上、さらに優れた充填性や保存安定性を有することを見出し、本発明を成すに至った。
前記課題を解決するための請求項1記載の発明は、α化する澱粉原料および油脂を必須原料とする、目開き10mmの篩をパスする粒子からなる粒状固形ルウの表面に、ショ糖の甘味の甘味度を1とした場合に甘味度が100以上となる高甘味度甘味料、その他の食品原料を含む付着用粉体が保持および埋没した粒状固形ルウであって、
前記粒状固形ルウの甘味の70%以上を、ショ糖の甘味を甘味度1にする場合において、甘味度が100以上となる高甘味度甘味料で占めることを特徴とする低カロリー粒状固形ルウである。
本発明の請求項2記載の発明は、請求項1記載の低カロリー粒状固形ルウにおいて、前記高甘味度甘味料が、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリンナトリウム、スクラロース、ネオテーム、ステビアの1種または2種以上を含むことを特徴とする。
本発明の請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の低カロリー粒状固形ルウにおいて、目開き0.3mmの篩をパスし、加水加熱によりα化しない別途計量する食品原料からなる前記付着用粉体が、前記粒状固形ルウの表面に保持および埋没していることを特徴とする。
本発明の請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の低カロリー粒状固形ルウにおいて、前記粒状固形ルウの原料として、前記高甘味度甘味料を含むことを特徴とする。
本発明の請求項5記載の発明は、請求項3または請求項4記載の低カロリー粒状固形ルウにおいて、前記付着用粉体が、動植物の乾燥粉砕加工物、各種液体原料の乾燥粉末化物、調味料粉末、その他粉体香料、粉体増粘多糖類、粉体色素、および前記高甘味度甘味料から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする。
本発明の請求項6記載の発明は、請求項3から請求項5いずれか1項に記載の低カロリー粒状固形ルウにおいて、前記付着用粉体の含有量が、低カロリー粒状固形ルウ全体の10〜55質量%であることを特徴とする。
本発明の請求項7記載の発明は、請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の低カロリー粒状固形ルウにおいて、前記油脂の含有量が、低カロリー粒状固形ルウ全体の12〜25質量%であることを特徴とする。
本発明の請求項8記載の発明は、下記の工程(1)〜(4)を含むことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の高甘味度甘味料を使用した低カロリー粒状固形ルウの製造方法である。
(1)α化する澱粉原料、油脂、ショ糖の甘味を1とする甘味度が低カロリー粒状固形ルウの全甘味の70%以上の甘味となる量の高甘味度甘味料、その他の食品原料を含む付着用粉体を所定量準備する。
(2)前記油脂の融解する温度以上で前記澱粉原料と前記油脂を必須原料として、所定量加熱混合したペースト状原料を調製する。
(3)前記加熱混合したペースト状原料を、目開き10mmの篩をパスする粒子に冷却固化して粒状固形ルウにした後、ショ糖の甘味の甘味度を1とした場合に甘味度が100以上となる高甘味度甘味料、その他の食品原料を含む付着用粉体を添加して表面に保持および埋没させた粒状固形ルウ、または、前記ペースト状原料を冷却固化した冷却固形ルウにショ糖の甘味の甘味度を1とした場合に甘味度が100以上となる高甘味度甘味料、その他の食品原料を含む付着用粉体を添加しつつ目開き10mmの篩をパスする粒子に粉砕して表面に保持および埋没させた粒状固形ルウを調製する。
(4)前記粒状固形ルウと、必要に応じて、前記低カロリー粒状固形ルウ以外の食品粉粒体およびショ糖の甘味を1とする甘味度が低カロリー粒状固形ルウの全甘味の70%以上の甘味となる量の高甘味度甘味料の所定量を包装用容器に充填し密封する。
本発明の請求項9記載の発明は、目開き0.3mmの篩をパスしない請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の低カロリー粒状固形ルウを70質量%以上含むことを特徴とする低カロリー粒状固形ルウ含有調味料である。
本発明の請求項1記載の発明は、α化する澱粉原料および油脂を必須原料とする、目開き10mmの篩をパスする粒子からなる粒状固形ルウの表面に、ショ糖の甘味の甘味度を1とした場合に甘味度が100以上となる高甘味度甘味料、その他の食品原料を含む付着用粉体が保持および埋没した粒状固形ルウであって、
前記粒状固形ルウの甘味の70%以上を、ショ糖の甘味を甘味度1にする場合において、甘味度が100以上となる高甘味度甘味料で占めることを特徴とする低カロリー粒状固形ルウであり、
低カロリー化とともに、所定の条件にて、固形ルウを冷却固化するか、粉砕することにより得られる、所定の目開きの篩をパスする粒子が大部分を占める本発明の低カロリー粒状固形ルウは、表面積が大きいので、熱と水分が固形ルウの個々の粒子に素早く均一に行き渡りやすく、熱水中への溶解性および分散性が優れ、また、包装容器へ安定してかつ粒子間隙が小さく自動充填が可能となり、商品の流通や保存の際に、粒子状のルウ同士の接着が起きにくく、包装容器の中で、塊になったりしにくいという保存面の機能も優れていて、調理後のソースのコクや食感に関しても優れており、かつグラニュー糖などを高甘味度甘味料に置き換えてその使用量を減少できるので低カロリー化したカレー、シチュー、ハヤシライスソース、パスタソースなどの提供を可能とするという顕著な効果を奏する。
前記その他の食品原料とは、具体的には、例えば、香辛料、野菜、果物、鰹節などの動植物からなる食品原料および/またはその乾燥粉砕加工物など、ビーフエキス、野菜エキス、ミルク、醤油パウダーなどの各種液体原料および/またはその乾燥粉末化物、塩や砂糖、アミノ酸などの調味料、その他香料、増粘多糖類、色素、および前記高甘味度甘味料など、およびこれらの2種以上の混合物を挙げることができる。
本発明の請求項2記載の発明は、請求項1記載の低カロリー粒状固形ルウにおいて、前記高甘味度甘味料が、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリンナトリウム、スクラロース、ネオテーム、ステビアの1種または2種以上を含むことを特徴とするものであり、
入手も容易であり、確実に低カロリー化できるという、さらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の低カロリー粒状固形ルウにおいて、目開き0.3mmの篩をパスし、加水加熱によりα化しない別途計量する食品原料からなる前記付着用粉体が、前記粒状固形ルウの表面に保持および埋没していることを特徴とするものであり、
前記付着用粉体が、前記粒状固形ルウの表面に保持および埋没しているので、表面積がさらに大きくなり、熱と水分が固形ルウの個々の粒子に素早く均一に行き渡りやすく、熱水中への溶解性および分散性に優れるとともに、付着用粉体により油脂に起因するベトツキがなくなり、隣接する粒子と結着せず、充填時にノズル中を通過する際に粒子同士が結着せず粒子がノズル壁面につかないのでノズルが詰まらず、調理時に熱水中に入れても付着用粉体がα化しないので大きなダマにならず、粒子同士の結着がより少なくなって、熱水中への溶解性がより優れ、また、包装容器へのより安定した自動充填が可能となり、保存面の機能もより優れるという、さらなる顕著な効果を奏する。
粒状固形ルウは、油脂の存在により粘着性を有するが、前記付着用粉体が、粒状固形ルウの表面に付着しているので、粒状固形ルウの粒子同士の結着が抑えられ、さらに、機械上での滑り性が向上するので、包装容器に自動充填し易く生産性が向上する。
さらに、商品の流通や保存の際に、高温にさらされた場合にも、粒状固形ルウの粒子同士の接着を防止できるため、包装容器の中で、塊になることを防止できる。
さらに、短時間で溶解するので、溶解中にお湯の温度が下がりにくく、すべての澱粉原料がより高温のお湯にさらされるため、溶解と同時に全体が均一にα化し、十分な粘度が発現されるため、必ずしも溶解後に改めて加熱して澱粉原料をα化する必要がない。
加水加熱によりα化しない別途計量する食品原料とは、具体的には、例えば、香辛料、野菜パウダー、果物パウダー、鰹節パウダーなどの動植物の乾燥粉砕加工物、ビーフエキスパウダー、野菜エキスパウダー、ミルクパウダー、醤油パウダーなどの各種液体原料の乾燥粉末化物、塩や砂糖、アミノ酸などの調味料粉末、その他粉体香料、粉体増粘多糖類、粉体色素、および前記高甘味度甘味料から選ばれる少なくとも1つを挙げることができる。
油脂の融点以上において加熱混合してペースト状原料調製時に用いた食品原料の一部であって加水加熱によりα化しない前記食品原料粉末を、粒状固形ルウを得るためのペースト状原料調製時には用いずに、粒状固形ルウを調製し、この粒状固形ルウにペースト状原料調製時に用いなかった前記粉末を含む粉末を付着用粉体として別途計量して所定量を混合して、前記粒状固形ルウの表面に付着させる。
低カロリー粒状固形ルウにおいて、前記付着用粉体を、前記冷却固形ルウを目開き10mmの篩をパスする粒子に粉砕する工程で添加し、前記粒状固形ルウの表面に前記付着用粉体の一部または全量を保持および埋没させると、
冷却固形ルウを単独で粉砕するとルウに含まれる油脂でベトツキがでて粒子同士が結着する恐れがあるが、冷却固形ルウを粉砕しながら粒状固形ルウの表面に付着用粉体を保持および埋没させることで、ベトツキが抑えられより細かく粉砕でき、効率的に付着させることができる上、粒状固形ルウの表面に付着した付着用粉体が粒状固形ルウの内部に押し込まれるので粒状固形ルウから剥離したり剥がれたりし難くなり、その効果が持続するという、さらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の低カロリー粒状固形ルウにおいて、前記粒状固形ルウの原料として、前記高甘味度甘味料を含むことを特徴とするものであり、
高甘味度甘味料を含む粒状固形ルウの表面に高甘味度甘味料およびその他の食品原料を含む付着用粉体が保持および埋没した低カロリー粒状固形ルウが得られるので、低カロリー化や食味・食感の多様性などが得られるというさらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項5記載の発明は、請求項3または請求項4記載の低カロリー粒状固形ルウにおいて、前記付着用粉体が、動植物の乾燥粉砕加工物、各種液体原料の乾燥粉末化物、調味料粉末、その他粉体香料、粉体増粘多糖類、粉体色素、および前記高甘味度甘味料から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とするものであり、
前記付着用粉体はペースト状原料を調製し冷却固化する工程には使用されないので、ペースト状原料の、加熱量、加熱時間や油脂添加量を、ペースト状原料の減る分だけ減らすことができ、エネルギー効率アップとなり、油脂添加量低減した分、より低カロリー化できる上、市販品も多く、入手が容易であるという、さらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項6記載の発明は、請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の低カロリー粒状固形ルウにおいて、前記付着用粉体の含有量が、低カロリー粒状固形ルウ全体の10〜55質量%であることを特徴とするものであり、
付着用粉体の含有量が、低カロリー粒状固形ルウ全体の10〜55質量%であるので過不足なく均一に付着するという、さらなる顕著な効果を奏する。
付着用粉体の含有量が、低カロリー粒状固形ルウ全体の10質量%未満であると表面を覆う割合が少なく、効果がでない恐れがある。55質量%を超えると付着用粉体が付着しないものが多くなり、分離して容器の底にたまり不均一となる恐れがある。
本発明の請求項7記載の発明は、請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の低カロリー粒状固形ルウにおいて、前記油脂の含有量が、低カロリー粒状固形ルウ全体の12〜25質量%であることを特徴とするものであり、
グラニュー糖などを高甘味度甘味料に置き換えると、置き換えたグラニュー糖などの量だけペースト状原料を調製する際に必要な油脂量を減らして低カロリー化を図ることができ、前記付着用粉体に調味料などを使用することで、ペースト状原料の調製量を減らし、その分だけ必要な油脂量を減らして低カロリー化を図るなどによって、油脂の含有量を低カロリー粒状固形ルウ全体の12〜25質量%とすることができるので、より低カロリー化できるという、さらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項8記載の発明は、前記の工程(1)〜(4)を含むことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の高甘味度甘味料を使用した低カロリー粒状固形ルウの製造方法であり、
本発明の高甘味度甘味料を使用した低カロリー粒状固形ルウを容易に製造することができるという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項9記載の発明は、目開き0.3mmの篩をパスしない請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の低カロリー粒状固形ルウを70質量%以上含むことを特徴とする低カロリー粒状固形ルウ含有調味料であり、
本発明の低カロリー粒状固形ルウ含有調味料は、低カロリー粒状固形ルウ単独で調味料として使用する場合もあるが、低カロリー粒状固形ルウをベースとして、前記付着用粉体や低カロリー粒状固形ルウ以外の食品粉粒体を含有することができるので、様々な風味の調味料を容易に調製でき、例えば本発明の低カロリー粒状固形ルウを含む低カロリー粒状固形ルウを大量に大ロットで製造して、その後、各種のフレーバーをそれぞれ添加することによって容易に経済的に多品種生産を行なうことができ、また、目開き0.3mmの篩をパスする付着用粉体などの量が少ないので、調理するために取り出する際に静電気に起因する容器への付着が少なくなるので複数回に分けて使用しても、風味などのバラツキが少ないというという、顕著な効果を奏する。
前記低カロリー粒状固形ルウ以外の食品粉粒体とは、具体的には、例えば、香辛料、野菜パウダー、果物パウダー、鰹節パウダーなどの動植物の乾燥粉砕加工物、ビーフエキスパウダー、野菜エキスパウダー、ミルクパウダー、醤油パウダーなどの各種液体原料の乾燥粉末化物、塩や砂糖、アミノ酸などの調味料粉末、その他粉体香料、粉体増粘多糖類、粉体色素、および前記高甘味度甘味料から選ばれる少なくとも1つを挙げることができる。
図1(イ)は粒状固形ルウの粒子の例の断面を模式的に説明する断面説明図であり、(ロ)は粒状固形ルウの表面に付着用粉体が保持および埋没した本発明の低カロリー粒状固形ルウの粒子の例の断面を模式的に説明する断面説明図である。 図2は本発明の請求項1記載の低カロリー粒状固形ルウの製造工程の例を説明する説明図である。 図3は本発明の請求項9に示す低カロリー粒状固形ルウ含有調味料を説明する説明図である。
以下、図面を用いて本発明を説明する。
図1(イ)は粒状固形ルウの粒子の例の断面を模式的に説明する断面説明図であり、(ロ)は粒状固形ルウの表面に付着用粉体が保持および埋没した本発明の低カロリー粒状固形ルウの粒子の例の断面を模式的に説明する断面説明図である。
図1(イ)、(ロ)において1は、目開き10mmの篩をパスするが、目開き0.3mmの篩をパスしない低カロリー粒状固形ルウの粒子を示し、2は低カロリー粒状固形ルウ1の粒子表面に付着したり、粒子表面に埋没した付着用粉体を示す。
図3は本発明の低カロリー粒状固形ルウ含有調味料を説明する説明図である。図3において1は、目開き10mmの篩をパスするが、目開き0.3mmの篩をパスしない低カロリー粒状固形ルウの粒子を示し、1’は、目開き0.3mmの篩をパスする低カロリー粒状固形ルウの粒子を示し、2は低カロリー粒状固形ルウ1の粒子表面に付着したり、粒子表面に埋没した付着用粉体を示し、2’は低カロリー粒状固形ルウ1に付着しないで目開き0.3mmの篩をパスする付着用粉体を示し、3は低カロリー粒状固形ルウ以外のその他の食品粉粒体を示す。
図1に示した低カロリー粒状固形ルウ1は、α化する澱粉原料、油脂を必須原料とし、ショ糖の甘味の甘味度を1とした場合に甘味度が100以上となる高甘味度甘味料、その他の食品原料を添加し、前記油脂の融点以上において加熱混合してペースト状原料を調製した後に、前記ペースト状原料を目開き10mmの篩をパスする粒子に冷却固化して粒状固形ルウにするか、または、前記ペースト状原料を冷却固化した冷却固形ルウを目開き10mmの篩をパスする粒子に粉砕するかして調製される低カロリー粒状固形ルウであって、粒状固形ルウの表面に付着用粉体が保持および埋没した本発明の低カロリー粒状固形ルウはショ糖の甘味を甘味度1とした時に、粒状固形ルウの甘味の70%以上を前記高甘味度甘味料が占めることを特徴とするものである。
本発明の低カロリー粒状固形ルウは、低カロリー化とするとともに、所定の冷却型で冷却固化して目開き10mmの篩をパスする粒子としたり、必要に応じて所定の条件にて冷却された固形ルウを粉砕することにより目開き10mmの篩をパスする粒子にするかして得られる、所定の目開きの篩をパスする粒子が大部分を占めているので、熱と水分が固形ルウの個々の粒子に素早く均一に行き渡りやすく、熱水中への溶解性が優れ、また、包装容器への安定した自動充填が可能となるなどの機能も優れている。
さらに、本発明において、目開き10mmの篩をパスする粒子とは、付着用粉体を用いない場合は、冷却固化した粒状固形ルウが目開き10mmの篩をパスすることが必要であり、付着用粉体が粒状固形ルウに付着している場合は、付着用粉体が付着した状態で目開き10mmの篩をパスすることが必要であるが、目開き7mmの篩をパスするようにするとより溶解性が優れ、目開き5mmの篩をパスするようにするとさらに溶解性が優れ、目開き4mm以下の篩をパスするようにすると特に溶解性が優れ好ましい。
また、本発明において、粒状固形ルウが小さな目開きをパスするようにする方法としては、例えば小さな型枠等でペースト状原料を冷却固化したり、冷却固形ルウを粉砕したりする方法を挙げることができる。冷却固形ルウを粉砕する際に付着用粉体を添加し、粉砕された粒状固形ルウの表面に付着用粉体を付着させることで、より効率的に小さな粒状固形ルウを製造できるので、目開き5mm以下の篩をパスする本発明の低カロリー粒状固形ルウを製造するのに好ましい方法である。
使用するショ糖(砂糖)は水溶性であるため、固形ルウを熱水に添加した際に、ショ糖が固形ルウの表面に顔をだしていると、ショ糖が溶けて、溶けたところに穴ができ、そのためその部分の表面積が増えることで、ルウが溶けやすかったが、ショ糖を高甘味度甘味料に変えた場合、添加量が少ないために、前記のような表面積をふやす効果がほとんどなくなる。そのため、目開きメッシュ10mmの篩をパスするようにして表面積を増やすことによって熱水中への溶解性の向上を図るものである。
本発明においては、目開き10mmの篩をパスするということは、具体的には、例えば目開き10mmよりも大きい15mmの篩をパスする粒子をつくり、目開き10mmの篩をパスしない粒子を除外し、目開き10mmの篩をパスするようにすることであり、また目開き7mmの篩をパスする粒子や目開き5mm以下の篩をパスする粒子は、当然目開き10mmの篩をパスする粒子であるから、これらも目開き10mmの篩をパスするという範疇に含まれるものである。本発明においては、目開き5mmの篩をパスする場合や、目開き4mmの篩をパスする場合などがあるが、これらも前記目開き10mmの篩をパスする場合と同様である。
また本発明においては、粒状固形ルウが、目開き10mmの篩をパスするが、目開き0.3mmの篩をパスしないものが70質量%以上であるなど大部分を占めると、付着用粉体を粒子表面によく付着させやすく、目開き1.0mmの篩をパスしないものが70質量%以上であるなど大部分を占めると、付着用粉体を粒子表面に埋没させてよく付着させやすいので好ましい。
本発明の低カロリー粒状固形ルウ含有調味料は、付着させる付着用粉体が、低カロリー粒状固形ルウの表面に付着しないで、低カロリー粒状固形ルウの周辺に付着用粉体が存在することがあるが、10mmの篩をパスするが0.3mmの篩をパスしない低カロリー粒状固形ルウの含有量が、0.3mmをパスする粒状固形ルウや表面に付着しなかった付着用粉体およびその他の食品原料を加えた全量の70質量%以上であると、味や溶解性が均一で、バラツキが少なくなるので好ましい。
本発明で用いるショ糖の甘味度を1とした時に甘味度が100以上となる高甘味度甘味料としては、具体的には、例えば、アセスルファムカリウム(200倍)、スクラロース(600倍)、アスパルテーム(100〜200倍)、ネオテーム(7000〜13000倍)、ステビア抽出物(200〜350)、サッカリンナトリウム(450〜550)などの1種あるいは2種以上を挙げることができる。
一方、本発明で用いるショ糖の甘味度と実質的に同じとして扱う甘味原料としては、砂糖、上白糖、三温糖、白ザラ糖、グラニュー糖などを挙げることができる。入手が容易に可能な一般的な砂糖は、実質的にショ糖と言ってもよい位であり、それは、上白糖はショ糖の割合が97.8質量%位、三温糖はショ糖の割合が96.4質量%位、白ザラ糖はショ糖の割合が99.9質量%位、グラニュー糖はショ糖の割合が99.9質量%位、黒砂糖(黒糖)はショ糖の割合が80質量%位であるためである。
また、ショ糖の熱量(カロリー)は、約4kcal/gである。
一方、本発明で用いる油脂の熱量の例としては、オリーブ油、ごま油、コーンオイル、なたね油、パーム油などは921Kcal、牛脂は940Kcal、ラードは941Kcal、有塩バターは745Kcal、ソフトタイプマーガリンは758Kcal、ショートニングは921Kcal(五訂食品成分表参照)などを挙げることができる。
ショ糖を高甘味度甘味料で置換すると、所定の甘味をだすための高甘味度甘味料は非常に少ない量ですむので、甘味を置換した分だけショ糖由来のカロリーを低下させることができる。
本発明の低カロリー粒状固形ルウにおいて、高甘味度甘味料を用いないで同等の甘味の全てをショ糖で調製した場合の固形ルウに比べ、カロリーを低下させる方法は、油脂の量を低減する方法などもあるので、ショ糖を高甘味度甘味料に置換することに限定されないが、例えば、ショ糖を高甘味度甘味料と置換することでカロリーを10%以上低下させる場合には、高甘味度甘味料を甘味の70%以上を用いることが好ましく、高甘味度甘味料を甘味の80%以上を用いることがより好ましく、高甘味度甘味料を甘味の90%以上を用いることがさらに好ましい。
また、本発明の低カロリー粒状固形ルウは、通常混合するショ糖の量に対し、非常に少量の高甘味度甘味料の使用でショ糖のみの場合と同じ甘味をだすことができる。その結果、本発明の低カロリー粒状固形ルウで用いられる付着用粉体原料でもあるショ糖の使用量を減らすことができる。具体的には、例えば高甘味度甘味料にショ糖の全量を置き換えた場合には、低カロリー粒状固形ルウの全原料のショ糖の量を約10質量%程度減らすことができる。その結果、油脂により固化されるその他の原料に対して、相対的に油脂の割合が高くなることから、油脂の量を減らしても固化することができるようになる。このようにして油脂の量をさらに減らすことができれば、それによりさらにカロリーを低下させることができる。
図2は、本発明の請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の低カロリー粒状固形ルウの製造工程の例を説明する説明図である。
(1)α化する澱澱粉原料、油脂、ショ糖の甘味を1とする甘味度が低カロリー粒状固形ルウの全甘味の70%以上の甘味となる量の高甘味度甘味料、その他の食品原料を含む付着用粉体を所定量準備する。
(2)前記油脂の融解する温度以上で前記澱粉原料と前記油脂を所定量加熱混合したペースト状原料を調製する。
(3)前記加熱混合したペースト状原料を、目開き10mmの篩をパスする粒子に冷却固化して粒状固形ルウにした後、ショ糖の甘味の甘味度を1とした場合に甘味度が100以上となる高甘味度甘味料、その他の食品原料を含む付着用粉体を添加して表面に保持および埋没させた粒状固形ルウを調製する。
(4)前記粒状固形ルウと、必要に応じて、前記低カロリー粒状固形ルウ以外の食品粉粒体およびショ糖の甘味を1とする甘味度が低カロリー粒状固形ルウの全甘味の70%以上の甘味となる量の高甘味度甘味料の所定量を包装用容器に充填し密封する。
ペースト状原料を調製する際に前記高甘味度甘味料を配合して低カロリー粒状固形ルウを製造する場合の工程の例を次に示す。
(1)α化する澱澱粉原料、油脂、ショ糖の甘味を1とする甘味度が低カロリー粒状固形ルウの全甘味の70%以上の甘味となる量の高甘味度甘味料、その他の食品原料を含む付着用粉体を所定量準備する。
(2)前記油脂の融解する温度以上で前記澱粉原料と前記油脂を所定量加熱混合したペースト状原料を調製する。
(3)前記ペースト状原料を冷却固化した冷却固形ルウにショ糖の甘味の甘味度を1とした場合に甘味度が100以上となる高甘味度甘味料、その他の食品原料を含む付着用粉体を添加しつつ目開き10mmの篩をパスする粒子に粉砕して表面に保持および埋没させた粒状固形ルウを調製する。
(4)前記粒状固形ルウと、必要に応じて、前記低カロリー粒状固形ルウ以外の食品粉粒体およびショ糖の甘味を1とする甘味度が低カロリー粒状固形ルウの全甘味の70%以上の甘味となる量の高甘味度甘味料の所定量を包装用容器に充填し密封する。
本発明において、目開き10mmの篩をパスする粒子は、必要に応じて、粉砕することで調製することができる。また、1辺が10mm以下のキャビテイを有する型で冷却固化し、型から外した物を用いることもできる。
図3に示した本発明の低カロリー粒状固形ルウを含んだ調味料の製造方法は特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、本発明の低カロリー粒状固形ルウの粒子を調製後に図示しない容器に充填する際、本発明の低カロリー粒状固形ルウの粒子を調製する際に生じた目開き0.3mmの篩をパスする低カロリー粒状固形ルウの粒子1’や、低カロリー粒状固形ルウに付着しないで目開き0.3mmの篩をパスする付着用粉体2’や、低カロリー粒状固形ルウ以外の食品粉粒体3を均一に入れることによって容易に製造することができる。
本発明において使用する油脂は、常温で液体状や、流動性のある半固体状の油脂や常温で固形の油脂あるいはこれらの2種以上の混合物であり、中でも常温で固形の油脂は好ましく使用できる。常温で固形の油脂とは、20℃で、自重によって変形しない油脂であり、荷重が加わったときの変形は許容される。
なお本発明における、常温とは、特筆していない限り、JIS Z 8703で定義される常温、20℃±15℃の中心温度である20℃とする。
特に限定されないが、本発明で使用する常温で固形の油脂は、流通・保存などで高温下に晒されるリスクを考慮すると、上昇融点が30〜60℃で、かつ35℃のSFC(固体脂含量)が10〜45質量%の油脂であることが望ましい。
上昇融点が30℃未満、あるいは35℃のSFC(固体脂含量)が10質量%未満である場合には、常温で流動性のない固形状態を保つことが難しく、商品の流通や保存条件において、物性を維持できずに本発明の効果を発揮することが難しい。
上昇融点が60℃超、あるいは35℃のSFC(固体脂含量)が45質量%超である場合には、喫食中に調理品の温度が低下した場合に、油脂の結晶化により調理品の物性が変化し、食感などを損なう恐れがある。
上昇融点が30〜60℃で、かつ35℃のSFC(固体脂含量)が10〜45質量%の油脂であれば、商品の流通や保存条件においても、物性を維持しやすく本発明の効果を保つことができ、また、喫食中に調理品の温度が低下した場合でも、食感を損なう恐れがない。
本発明で使用する油脂は、具体的には、例えば菜種油、大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、カポック油、胡麻油、月見草油、パーム油、イリッペ脂、シア脂、サル脂、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油などの植物性油脂、並びに乳脂、牛脂、豚脂、魚油、鯨油などの動物性油脂、これらの油脂類の単独または混合油あるいはそれらの硬化、分別、エステル交換などを施した加工油脂などを挙げることができる。
本発明の低カロリー粒状固形ルウ中の油脂含量は、特に限定されないが、9〜30質量%であると好ましく、12〜25質量%であるとより好ましい。
本発明の低カロリー粒状固形ルウ中の油脂の含量が、低カロリー粒状固形ルウ中の12〜25質量%であれば、低カロリー粒状固形ルウを調製しやすく、また、目的の粒度に調製しやすく、さらには、低カロリー粒状固形ルウ同士の結着を防止し、より溶解性その他の効果が向上する。また、適度にコクがあり、より低カロリーでヘルシーな調理品とすることができる。
本発明の低カロリー粒状固形ルウは、前記のように高甘味度甘味料にショ糖の全量を置き換えた場合には、通常より混合するショ糖の量が10質量%ほど減るので、相対的に油脂の割合が高くなる。そのため油脂の量を減らすことができるので、より低カロリーでヘルシーな調理品とすることができる。
油脂が12質量%未満では、調味料としてのコクがやや不足し、低カロリー粒状固形ルウを固めづらく、溶解性も向上しにくくなる恐れがあり、25質量%を超えると、低カロリー粒状固形ルウ同士の結着防止効果が発揮しづらく、目的の粒度にも調製しにくい場合がある。
本発明で使用する澱粉原料は特に限定されるものではない。水を加えて加熱することによりα化する性質をもつ加水加熱によりα化する澱粉であってもよく、具体的には、調理場面での加熱を目的としていることから、加水においては、50〜100℃のいずれかの温度で接触すると粘性を発現する澱粉をα化する澱粉という。
加水加熱によりα化する澱粉は、特に限定されないが、例えば、小麦、とうもろこし、じゃがいも、米などを原料として製造されたものを用いることができる。
事前に加熱・乾燥し、低水分化した澱粉原料を使用することもできる。
デキストリンや加工澱粉など、加工によって澱粉特有のα化が発現しなくなったものについては、本発明の澱粉原料には該当しないが、必要に応じて、その他の原料として使用することに差し障りはない。
本発明における、加熱混合の加熱とは、特に限定されないが、油脂の融点〜140℃などが好ましく利用できる。混合することが目的であれば、油脂の融点を上回る温度であればよく、澱粉原料の水分蒸発や焙煎感の付与などが目的であれば、100〜140℃の加熱が好ましい。
さらに本発明における、加熱混合の加熱の時間は、特に限定されないが、低カロリー粒状固形ルウは含水率が低いと常温での微生物の増殖を抑制できることから、ペースト状原料の含水率を10質量%以下にすることができる時間の加熱が好ましく、8質量%以下にすることができる時間の加熱がさらに好ましく、7質量%以下にすることができる時間の加熱がもっとも好ましい。
また、香辛料を原料として加える場合には、香辛料中に含まれるリパーゼなどの酵素活性を生じない状態とする(失活させる)条件として、例えば90℃にて10分以上加熱する処理を施すなどの方法が適用できる。
本発明における、加熱混合の方法は、撹拌装置を有する容器にて、蒸気などの熱源を使用して間接加熱するなど、各種公知の方法を適用することが可能である。
本発明における、冷却固化については、容器などに充填したペースト状原料を、室温において自然に冷却させたり、積極的に冷蔵庫で冷却・固化したり、冷却可能なベルトや回転ドラム上にペースト状原料を広げ冷却・固化したりするなど、各種公知の方法を適用することが可能である。
本発明における、ペースト状原料とは、油脂と澱粉原料を必須原料として、油脂の融点以上に加熱混合してペースト状にした固形ルウの原料である。
本発明における、固形ルウとは、熱水や具材などを適宜加えられ加熱調理されるスープやソースなどに、調理、または仕上げの段階において添加し、分散、溶解することで、でき上がるスープやソースに適度な粘性、風味などを付与する、少なくとも、油脂および澱粉を含んでいる、常温保存時において固形状態の調味料である。
特に限定されないが、必要に応じて、甘味を付与する高甘味度甘味料、砂糖、食塩、アミノ酸、ビーフエキス、野菜エキス、香辛料、香料などの調味原料の他、増粘多糖類や増量剤、着色料など、種々の食品原料を、ペースト状原料を調製する過程から、冷却し固形ルウにするまでに含むことができる。
本発明で使用する食品原料からなる付着用粉体は、目開き0.3mmの篩をパスする粉体であれば、前記高甘味度甘味料の他、種々の原料を使用することが可能である。
例えば、植物を粉砕したもの、例えば、キャベツ、ホウレンソウ、人参、大根、ジャガイモ、サツマイモ、リンゴ、アボガドなどの野菜や果物や、コショウ、トウガラシ、バジルなどの香辛料、牛肉、豚肉、鶏肉などの畜肉、マグロ、カツオ、イワシ、タコ、貝などの魚介類、塩や砂糖、アミノ酸、ビーフエキスパウダー、野菜エキスパウダー、香料などの各種調味原料、増粘多糖類や増量剤、色素、常温で固体を維持できる粉末油脂、その他各種食材などからなる群から選択される少なくとも1つを挙げることができる。すなわち、単体でもよく、複数の組み合わせでも使用できる。
本発明で使用する食品原料からなる付着用粉体を、前記固形状ルウの表面に付着させるとは、目開き10mmの篩をパスする粒状固形ルウの表面に、付着用粉体が保持されている状態のことをいい、具体的には、例えば、粒状固形ルウの表面にある油脂に付着したり、付着用粉体の一部が粒状固形ルウの表面から内部に埋没した状態であったりする。
付着用粉体はα化しない粉体であると、調理時に熱水中に入れても、粒状固形ルウの粒子同士の結着と、結着した塊の表面のα化によるダマの発生を防止することができ溶解性が良くなるので好ましく、さらに、高甘味度甘味料の一部または全部を付着用粉体に含むことで溶解性が良くなるので好ましい。
また、付着用粉体中には実質的に油脂を含まないのが好ましく、前記固形状ルウの表面に付着させたり、表面近傍に局在させると、粒状固形ルウの粉砕物同士の粘着が抑えられ、さらに、機械上での滑り性が向上するので、包装容器に自動充填し易く生産性が向上する。
本発明における実質的に油脂を含まないとは、油脂の性質を示す油脂原料を含まないことを意味し、例えば香辛料や、穀物、肉類中の脂質分など、起源原料が元々有する油脂分や、調味料などの製造過程で、基材などの目的で加えられる油脂や調味油などまで全て排除するものではないことを示す。
前記固形状ルウの表面に付着させる付着用粉体は、粉砕された粒状固形ルウの表面に固着ないし付着したり、表面近傍に分散して局在して存在することが肝要であるため、その大きさは、最終的に得られる本発明の低カロリー粒状固形ルウ中の粒状固形ルウの大きさと比較して、平均粒径の小さな粉状もしくは粒状の原料を用いることが好ましい。
具体的には、0を超え0.3mm以下の粒径を有する、球状、各面体、および定形されていない立体形状の付着用粉体などがあげられる。
なお、付着用粉体を粒状固形ルウに付着する際に、目開き0.3mmをパスしない、大きな粉粒体を含んでいても良いが、大きな粉粒体は、輸送時や保管時に粒状固形ルウから剥がれやすくなる可能性がある。
粒状固形ルウの表面に付着する付着用粉体を含む粉粒体に対して、表面に付着する付着用粉体は30質量%以上であることが好ましく、更に50質量%以上であることがより好ましい。
付着用粉体をより細かくすることにより、付着用粉体の粒子数が増え、表面積も増すため、粉砕された粒状固形ルウの表面により密に付着し易く、粒状固形ルウの表面近傍により広く分散して局在して存在することになり、粒状固形ルウの粒子同士の結着をより防止し、本発明の低カロリー粒状固形ルウを目的の粒度に調製しやすく、均一になりやすく、より溶解性や生産性、その他の効果が向上する。
なお、本発明で使用する粉体は、アミラーゼ活性、リパーゼ活性などの酵素活性を生じない状態になっている(失活している)ことが望ましい。
粉体のリパーゼ活性が失活していれば、本発明の低カロリー粒状固形ルウを保存中に原料油脂が分解され、異臭の発生などの品質劣化を防止するという効果を得ることができる。
あるいは、粉体のアミラーゼ活性が失活してれば、調理時にα化した澱粉を分解し、粘性が低下してしまうことを防止するという効果を得ることができる。
本発明における、固形ルウを粉砕する方法や粉砕した固形ルウを付着用粉体と混合する方法は特に限定されるものではないが、目開き10mmの篩をパスする部分の割合が、好ましくは目開き5mmの篩をパスする部分の割合が、低カロリー粒状固形ルウ中の70質量%以上となるようすることが好ましい。
低カロリー粒状固形ルウの粒度が、前記のように所定の大きさ以下となっているため、熱と水分が低カロリー粒状固形ルウの個々の粒に素早く均一に行き渡りやすく、熱水中への溶解性が相乗的に向上する。
目開き10mmの篩をパスする部分の割合が、低カロリー粒状固形ルウ中の70質量%未満であると、粒度が小さく揃わず、調理時の熱水中での溶解性が悪くなったり、充填量がばらつくなど、生産性に悪影響を及ぼしたりする恐れがある。
具体的には、混合あるいは粉砕中に生じた大きな塊を除去し、目的の粒度の低カロリー粒状固形ルウを得てもよいし、大きな塊を繰り返し粉砕することにより目的の粒度の低カロリー粒状固形ルウを得てもよい。
固形ルウを所定の大きさに予備裁断した後に、付着用粉体を添加し、必要に応じて予備混合し、その後に粉砕してもよいし、付着用粉体を複数回に分けて添加しながら粉砕するなどの方法でもよい。
付着用粉体を粒状固形ルウへ付着させる方法の具体例を次に説明する。
目開き10mmをパスする粒状固形ルウの表面に、付着用粉体を付着させる際に、(イ)付着用粉体を振りかけて、押し付ける方法、(ロ)付着用粉体と混合して付着させる方法、ペースト状原料を一定の大きさで冷却して固形ルウにし、必要に応じて予備粉砕し(ハ)目開き10mmをパスするサイズに添加しながら粉砕し付着させる方法、(ニ)目開き10mmをパスするサイズに粉砕した後、(イ)(ロ)の方法で付着させる方法などを挙げることができる。
粉砕には、裁断、切断、切削など各種公知の方法を用いることができ、工程はバッチ式、連続式など自由に組み合わせることも可能である。
粉砕中は熱が出るため、冷却固形ルウに含まれる油脂が溶解し、粉砕した後、再度結着することがあるので、冷却を行いながら粉砕をすることが好ましいが、0.3mmの篩をパスする付着用粉体を加えながら粉砕すると、粉砕された面に付着用粉体が表面に付着するので、冷却を行わない粉砕が可能になる。
本発明における付着用粉体を付着させる工程開始時の前記粒状固形ルウの品温は、粒状固形ルウの形状が維持され、付着用粉体が付着できる状態の温度であれば特に限定されないが、-20〜35℃であることが好ましく、−5〜25℃であることがさらに好ましく、付着用粉体の品温は、5〜35℃であることが好ましい。また、混合した直後の低カロリー粒状固形ルウの品温は、5〜30℃であることが好ましい。
粒状固形ルウの品温は、低すぎると、油脂が硬くなり混合しづらかったり、処理後に結露が生じやすかったりするなどの問題があり、高すぎると、粒状固形ルウ同士が結着しやすく問題となる場合がある。
また、結露を防止しながら製品とするには、空調設備の負荷が大きくなるという問題もある。
本発明で使用する製品容器は、プラスチック容器、ガラス瓶、袋包装体など公知の包装容器を使用することができる。
容器としては、バリヤー性容器が好ましく、例えば、袋状容器では、アルミナ蒸着PETフィルム/ポリアミド/ポリプロピレンフィルムを、ポリプロピレンフィルム面ではりあわせた袋や、トレー容器と蓋材の組み合わせ容器では、トレー容器は、エチレン−ビニルアルコール共重合体を中間層とし、上下層には、ポリプロピレンを積層しこれをトレー状に成形したものとトレー容器上蓋フィルム(ガラス蒸着PET/ポリアミド/ポリプロピレン系シーラント)などが使用できる。
なお、上記実施形態の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮するものではない。又、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
次に実施例および比較例により本発明を詳しく説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
(比較例1)(従来公知の固形ルウであり、本発明における基準とした)
上昇融点45℃、35℃のSFC(固体脂含量)が25質量%の、常温で固形のパーム油脂31kgを、品温約70℃になるまで加熱溶解し、そこに水分を12質量%含有する小麦粉35kgを入れ、混合容器内にて撹拌し十分に分散した後(品温60℃)、さらに加熱混合して120℃まで加熱するし、加熱混合したペースト状原料を調製する。
加熱停止後に、順次、砂糖10kg、香辛料8kg、その他調味料30.5kgを加え混合撹拌し、品温が60℃になるまで冷却したペースト状原料を、18cmの収容部を多数有する小分けトレーとなっている容器に19.5gずつ充填し、さらに冷却固形ルウとして品温10℃になるまで冷却して固化し、1食分固形ルウを製造した。
小分け容器の開口部を蓋材で密封シールし製品とした。
1食分固形ルウ(19.5g)のエネルギーは、90kcalであった。
固形ルウ(1食分固形ルウ2個=39g)を用いて下記の固形ルウの溶解時間の測定法で測定した結果、約130秒かかり、やや時間を要し、評価結果は△であった。
比較例1の固形ルウは高甘味度甘味料を用いていないので、カロリーオフ率(%)は0。
比較例1の固形ルウは粒状でないために目開き10mmの篩をパスせず、
自動充填機による充填適性の評価はできない。
これらの結果を表1にまとめて示す。
(固形ルウの溶解時間の測定法)
鍋に、水300gと3cm程度の大きさにカットした玉ねぎ200gを入れ、強火で加熱し沸騰したら火を止め、直後に、製造した2食分の固形ルウを、製品の形のまま入れ、スプーンでゆっくり撹拌し、溶解するまで(全体に分散して塊がなくなるまで)の時間を測定する。
(固形ルウの溶解時間の評価)
◎:50秒未満(とてもすばやく溶けてよい)
○:50秒以上100秒未満(すばやく溶けてよい)
△:100秒以上200秒未満(やや時間を要するが問題なく溶ける)
×:200秒以上(なかなか溶けず、固まりが残るなど問題あり)
(下式で計算される比較例1を基準とした場合のカロリーオフ率(%)の評価)
(式)
カロリーオフ率(%)=(90kcal−試料固形ルウのkcal)/90kcal
式中の90kcalは比較例1の固形ルウのカロリーを示す。
○:20%以上(カロリーオフの効果が高い)
△:10%以上20%未満(カロリーオフの効果がやや高い)
×:10%未満(カロリーオフの効果が低い)
(自動充填機による充填適性の評価)(機械適性、充填バラつき)
◎(バラつきなく安定している。)
○(ややバラつきがあるが安定している。)
△(充填可能だが、バラつきがありやや安定性に欠ける。)
なお、本実施例および比較例2〜6においては、比較例1のショ糖の量を替えて高甘味度甘味料を使用した場合であっても、固形ルウの全甘味は比較例1と同じにしており、例えば、ショ糖の50質量%を高甘味度甘味料の所定量で替えた場合は、高甘味度甘味料はショ糖に起因する全甘味の50%を占めるとし、ショ糖の75質量%を高甘味度甘味料の所定量で替えた場合は、高甘味度甘味料はショ糖に起因する全甘味の75%を占めるとし、ショ糖の100質量%を高甘味度甘味料の所定量で替えた場合は、高甘味度甘味料はショ糖に起因する全甘味の100%を占めるとした。
なお、表1の上段左から右に順に記載されている、油脂「A」、小麦粉、砂糖、高甘味度甘味料、香辛料、他調味料、原料合計「B」、油脂割合「A」/「B」、付着用粉体「C」、付着用粉体割合「C」/(「B」+「C」)、全体油脂割合「A」/(「B」+「C」)、篩パス、溶解時間、カロリーオフ、充填適性はそれぞれ下記の内容の記載である。
なお、表1の上段の固形ルウ用ペースト状原料に関する、2段目の左からの各項目の内容は、油脂「A」、小麦粉、砂糖、高甘味度甘味料、香辛料、他調味料は、固形ルウ用のペースト状原料中の各原料の質量(kg)であり、原料合計「B」は、固形ルウ用ペースト状原料の総質量(kg)であり、油脂割合「A」/「B」は、油脂「A」の固形ルウ用ペースト状原料の総量「B」に対する質量(%)の記載である。
また、表1の上段の粒状固形ルウに関する、2段目の左からの各項目の内容は、付着粉体「C」は、固形ルウ用ペースト状原料を冷却固化した粒状固形ルウに付着させるための付着用粉体の質量(kg)で、付着用粉体割合「C」/(「B」+「C」)は、付着用粉体「C」の低カロリー粒状固形ルウ(「B」+「C」)に対する質量(%)で、全体油脂割合(「A」/(「B」+「C」)は、固形ルウ用ペースト状原料の油脂「A」の低カロリー粒状固形ルウ(「B」+「C」)に対する質量(%)であり、篩パスは、粒状固形ルウの大きさとして、パスする目開きの長さ(mm)を記載である。
Figure 2016021959
(比較例2)
比較例1で使用した砂糖10kgの50質量%を、全体の甘味度が変わらないように、アセスルファムカリウムとスクラロースを含む高甘味度甘味料製剤0.0250kgに置き変えた。
なお、固形ルウ用のペースト状原料の調製時の溶解したルウの粘度等の物性を同じにするために、固形ルウ全体中の油脂の比率が変わらないように調製し、使用する油脂量を1.8kg減らし29.2kgとした。
その他の条件は、比較例1と同じである。
1食分固形ルウ(18g)のエネルギーは、84kcalであり、約7%のカロリーオフにしかならない。評価結果は×であった。
固形ルウの溶解時間は前記の固形ルウの溶解時間の測定法で測定した結果、220秒かかり、非常に時間を要し、評価結果は×であった。
比較例2の固形ルウは粒状でないため目開き10mmの篩をパスせず、自動充填機による充填適性の評価はできない。
これらの結果を表1にまとめて示す。
(比較例3)
比較例1で使用した砂糖10kgの75質量%を、全体の甘味度が変わらないように、アセスルファムカリウムとスクラロースを含む高甘味度甘味料製剤0.0375kgに置き変えた。
なお、使用する油脂量は2.7kg減らし28.3kgとした。
特記しないその他の条件は、比較例1と同じである。
1食分固形ルウ(17.5g)のエネルギーは、81kcalであり、約10%のカロリーオフとなった。評価結果は△であった。
固形ルウの溶解時間は260秒かかり、非常に時間を要した。評価結果は×であった。
比較例3の固形ルウは粒状でないため目開き10mmの篩をパスせず、自動充填機による充填適性の評価はできない。
これらの結果を表1にまとめて示す。
(比較例4)
比較例1で使用した砂糖10kg全てを、全体の甘味度が変わらないように、アセスルファムカリウムとスクラロースを含む高甘味度甘味料製剤0.05kgに置き変えた。
なお、使用する油脂量は3.7kg減らし273kgとした。
特記しないその他の条件は、比較例1と同じである。
1食分固形ルウ(17g)のエネルギーは、77kcalであり、約14%のカロリーオフとなった。評価結果は△であった。
固形ルウの溶解時間は300秒かかり、非常に時間を要した。評価結果は×であった。
比較例4の固形ルウは粒状でないため目開き10mmの篩をパスせず、自動充填機による充填適性の評価はできない。
これらの結果を表1にまとめて示す。
(比較例5)
比較例1で製造された固形ルウを容器から取り出し、欠片を細かく裁断して、目開き10mmの粒状固形ルウとし、袋充填機を用いて2食分ずつを袋に分包して密封し、製品とした。
特記しないその他の条件は、比較例1と同じである。
1食分粒状固形ルウ(19.5g)のエネルギーは比較例1と同じく77kcalである。比較例5の固形ルウは高甘味度甘味料を用いていないので、カロリーオフ率(%)は0。評価結果は×であった。
粒状固形ルウの溶解時間は100秒となり、やや時間を要するが、短くなった。評価結果は△であった。
自動充填機により袋充填は可能であったが、やや原料のベタ付き等を要因とした充填量のバラつきがあった。評価結果は△であった。
これらの結果を表1にまとめて示す。
(比較例6)
比較例2で製造された固形ルウを容器から取り出し、欠片を細かく裁断して、目開き10mmの篩をパスする粒状固形ルウとし、袋充填機を用いて2食分ずつを袋に分包して密封し、製品とした。
特記しないその他の条件は、比較例2と同じである。
1食分粒状固形ルウ(18g)のエネルギーは比較例2と同じく84kcalであり、カロリーオフ率(%)は約7%、評価結果は×であった。
粒状固形ルウの溶解時間は150秒となり、やや時間を要するが、短くなった。評価結果は△であった。
自動充填機により袋充填は可能であったが、やや原料のベタ付き等を要因とした充填量のバラつきがあった。評価結果は△であった。
これらの結果を表1にまとめて示す。
(参考例1)
比較例3で製造された固形ルウ(すなわち、比較例1で使用した砂糖10kgの75%を、全体の甘味度が変わらないように、アセスルファムカリウムとスクラロースを含む高甘味度甘味料0.0375kgに置き変えるとともに、使用する油脂量を2.7kg減らし28.3kgとした以外は比較例1と同様にして製造された固形ルウ)を容器から取り出し、欠片を細かく裁断して、目開き10mmの篩をパスする粒状固形ルウとし、袋充填機を用いて2食分ずつを袋に分包して密封し、製品とした。
その他の条件は、比較例3と同じである。
1食分低カロリー粒状固形ルウ(17.5g)のエネルギーは、比較例3と同じ81kcalであり、比較例3と同じく約10%のカロリーオフで、評価結果は△であった。
低カロリー粒状固形ルウの溶解時間は166秒となり、やや時間を要すが、短くなった。評価結果は△であった。
自動充填機により袋充填は可能であったが、やや原料のベタ付き等を要因とした充填量のバラつきがあった。評価結果は△であった。
これらの結果を表1にまとめて示す。
(参考例2)
比較例4で製造された固形ルウを容器から取り出し、欠片を細かく裁断して、目開き10mmの篩をパスする粒状固形ルウとし、袋充填機を用いて2食分ずつを袋に分包して密封し、製品とした。
特記しないその他の条件は、比較例4と同じである。
1食分低カロリー粒状固形ルウ(17g)のエネルギーは、比較例4と同じ77kcalであり、比較例4と同じく14%のカロリーオフで、評価結果は△であった。
低カロリー粒状固形ルウの溶解時間は180秒となり、やや時間を要すが、短くなった。評価結果は△であった。
自動充填機により袋充填は可能であったが、やや原料のベタ付き等を要因とした充填量のバラつきがあった。評価結果は△であった。
これらの結果を表1にまとめて示す。
(実施例1)
参考例1で、加熱停止後に加える香辛料を1kgに、その他調味料を7kgに減らし固形ルウ用のペースト状原料を調製し、冷却固化した固形ルウを容器から取り出し、欠片を細かく裁断して、目開き10mmの篩をパスする粒状固形ルウとした。
そして、そこに減らした分の香辛料およびその他調味料を0.3mmの篩をパスする粉体とし、付着用粉体として加え混合し、付着用粉体を粒状固形ルウに付着させて、低カロリー粒状固形ルウとし、袋充填機を用いて2食分ずつを袋に分包して密封し、製品とした。
特記しないその他の条件は、参考例1と同じである。
1食分低カロリー粒状固形ルウ(17.5g)のエネルギーは、比較例4と同じ77kcalであり、比較例4と同じく14%のカロリーオフで、評価結果は△であった。
低カロリー粒状固形ルウの溶解時間は82秒と短くなった。評価結果は○であった。
原料のベタ付き等を要因とした充填量のバラつきがややあったが、自動充填機により袋充填を安定して行うことが可能であった。評価結果は○であった。
これらの結果を表1にまとめて示す。
(実施例2)
参考例2で、加熱停止後に加える香辛料を1kgに、その他調味料を7kgに減らし固形ルウ用のペースト状原料を調製し、冷却固化した固形ルウを容器から取り出し、欠片を細かく裁断して、目開き10mmの篩をパスする粒状固形ルウとした。
そして、そこに減らした分の香辛料およびその他調味料を0.3mmの篩をパスする粉体とし、付着用粉体として加え混合し、付着用粉体を粒状固形ルウに付着させて、低カロリー粒状固形ルウとし、袋充填機を用いて2食分ずつを袋に分包して密封し、製品とした。
特記しないその他の条件は、参考例2と同じである。
1食分低カロリー粒状固形ルウ(17g)のエネルギーは、比較例4や実施例2と同じ約77kcalであり、比較例4や参考例2と同じく14%のカロリーオフで、評価結果は△であった。
低カロリー粒状固形ルウの溶解時間は90秒と短くなった。評価結果は○であった。
原料のベタ付き等を要因とした充填量のバラつきがややあったが、自動充填機により袋充填を安定して行うことが可能であった。評価結果は○であった。
これらの結果を表1にまとめて示す。
(実施例3)
参考例2で、加熱停止後に加える香辛料を1kgに、その他調味料を22kgに減らし固形ルウ用ペースト状原料を調製し、製造された固形ルウを容器から取り出し、欠片を細かく裁断して、目開き10mmの篩をパスする粒状固形ルウとした。
そして、そこに減らした分の香辛料およびその他調味料を0.3mmの篩をパスする粉体とし、付着用粉体として加え混合し、付着用粉体を粒状固形ルウに付着させて、低カロリー粒状固形ルウとし、袋充填機を用いて2食分ずつを袋に分包して密封し、製品とした。
特記しないその他の条件は、参考例2と同じである。
1食分低カロリー粒状固形ルウ(17g)のエネルギーは、比較例4や参考例2と同じ約77kcalであり、比較例4や参考例2と同じく14%のカロリーオフで、評価結果は△であった。
低カロリー粒状固形ルウの溶解時間は130秒と短くなったが、実施例2ほどではなかった。評価結果は△であった。
自動充填機により袋充填は可能であったが、やや原料のベタ付き等を要因とした充填量のバラつきがあった。評価結果は△であった。
これらの結果を表1にまとめて示す。
(実施例4)
実施例1〜3は、固形ルウ用のペースト状原料調製時の粉体原料を減らしたため、ペースト状原料中の油脂の比率が高くなっていることから、ペースト状原料調製時の粘性がゆるくなり、冷却固化後の粒状固形ルウの表面でのベトツキが強くなる。
そこで、固形ルウ用のペースト状原料調製の物性を比較例1〜6、参考例1〜2と同じにするために、固形ルウ中の油脂の比率が変わらないように調製し、実施例1で使用した油脂量(28.3kg)より11.8kg減らし、16.5kgとした。
特記しないその他の条件は、実施例1と同じである。
1食分低カロリー粒状固形ルウ(15.5g)のエネルギーはさらに低く、32%のカロリーオフで、評価結果は○であった。
固形ルウの溶解時間は80秒であった。評価結果は○であった。
原料のベタ付き等を要因とした充填量のバラつきは少なく、自動充填機により袋充填を安定して行うことが可能であった。評価結果は◎であった。
これらの結果を表1にまとめて示す。
(実施例5)
実施例4と同様に、実施例2で、使用する油脂量を11.3kg減らし16kgとした。
特記しないその他の条件は、実施例2と同じである。
1食分低カロリー粒状固形ルウ(15.0g)のエネルギーはさらに低く、34%のカロリーオフで、評価結果は○であった。
低カロリー粒状固形ルウの溶解時間は98秒であった。評価結果は○であった。低カロリー粒状固形ルウを取り出した時の状態を目視で確認した結果、僅かながら粉体が剥がれていることが確認できた。
原料のベタ付き等を要因とした充填量のバラつきは少なく、自動充填機により袋充填を安定して行うことが可能であった。評価結果は◎であった。
これらの結果を表1にまとめて示す。
(実施例6)
0.3mmの篩をパスする粉体とした付着用粉体を、冷却固形ルウを目開き10mmの篩をパスする粒子に粉砕する工程で添加し、付着用粉体を粒状固形ルウの表面に付着させ、低カロリー粒状固形ルウを得た。
特記しないその他の条件は、実施例5と同じである。
1食分粒状固形ルウ(15.0g)のエネルギーは実施例5と同じで、34%のカロリーオフで、評価結果は○であった。
固形ルウの溶解時間は90秒と若干短くなった。評価結果は○であった。低カロリー粒状固形ルウを取り出した時の状態を目視で確認した結果、ほとんど粉体が剥がれておらず、付着用粉体の付着が強いことが確認できた。
原料のベタ付き等を要因とした充填量のバラつきは少なく、自動充填機により袋充填を安定して行うことが可能であった。評価結果は◎であった。
(実施例7)
冷却固形ルウを粉砕し篩をパスする工程で用いる篩を、目開き5mmの篩に変更して低カロリー粒状固形ルウを得た。
特記しないその他の条件は、実施例6と同じである。
1食分低カロリー粒状固形ルウ(15.0g)のエネルギーは実施例5と同じで、34%のカロリーオフで、評価結果は◎であった。
固形ルウの溶解時間は40秒とさらに短くなった。評価結果は◎であった。
原料のベタ付き等を要因とした充填量のバラつきは少なく、自動充填機により袋充填を安定して行うことが可能であった。評価結果は◎であった。
これらの結果を表1にまとめて示す。
本発明の低カロリー粒状固形ルウでは、低カロリーであるとともに、所定の条件にて、固形ルウを粉砕することにより得られる、所定の目開きの篩をパスする粒子が大部分を占めているので、熱と水分が固形ルウの個々の粒子に素早く均一に行き渡りやすく、熱水中への溶解性が優れ、また、包装容器への安定した自動充填が可能となり、商品の流通や保存の際に、高温にさらされた場合にも、粒子状のルウ同士の接着が起きず、包装容器の中で、塊になったりしないという保存面の機能も優れていて、調理後のソースのコクや食感に関しても優れているカレー、シチュー、ハヤシライスソース、パスタソースなどの提供を可能とするという顕著な効果を奏し、本発明の製造方法によって本発明の低カロリー粒状固形ルウを容易に製造することができるという顕著な効果を奏し、本発明の低カロリー粒状固形ルウ含有調味料は、本発明の低カロリー粒状固形ルウを含む低カロリー粒状固形ルウをベースとして、前記付着用粉体や低カロリー粒状固形ルウ以外の食品粉粒体を含有するので、様々な風味の調味料を容易に調製できるというという、顕著な効果を奏するので、産業上の利用価値が高い。
1 低カロリー粒状固形ルウの粒子
1’目開き0.3mmの篩をパスする低カロリー粒状固形ルウの粒子
2、2' 付着用粉体
3 低カロリー粒状固形ルウ以外の食品粉粒体

Claims (9)

  1. 澱粉原料および油脂を必須原料とし、必要に応じて、ショ糖の甘味の甘味度を1とした場合に甘味度が100以上となる高甘味度甘味料、その他の食品原料を添加し、前記油脂の融点以上において加熱混合してペースト状原料を調製した後に、
    前記ペースト状原料を目開き10mmの篩をパスする粒子に冷却固化して粒状固形ルウにするか、または、前記ペースト状原料を冷却固化した冷却固形ルウを目開き10mmの篩をパスする粒子に粉砕して得られる、粒状固形ルウであって、
    前記粒状固形ルウの甘味の70%以上を、ショ糖の甘味を甘味度1にする場合において、甘味度が100以上となる高甘味度甘味料で占めることを特徴とする低カロリー粒状固形ルウ。
  2. 前記高甘味度甘味料が、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、サッカリンナトリウム、スクラロース、ネオテーム、ステビアの1種または2種以上を含むことを特徴とする請求項1記載の低カロリー粒状固形ルウ。
  3. 目開き0.3mmの篩をパスし、加水加熱によりα化しない別途計量する食品原料からなる付着用粉体が、前記粒状固形ルウの表面に付着していることを特徴とする請求項1または請求項2記載の低カロリー粒状固形ルウ。
  4. 前記付着用粉体を、前記冷却固形ルウを目開き10mmの篩をパスする粒子に粉砕する工程で添加し、前記粒状固形ルウの表面に前記付着用粉体の一部または全量を付着させることを特徴とする請求項3記載の低カロリー粒状固形ルウ。
  5. 前記付着用粉体が、香辛料、野菜パウダー、果物パウダー、鰹節パウダーなどの動植物の乾燥粉砕加工物、ビーフエキスパウダー、野菜エキスパウダー、ミルクパウダー、醤油パウダーなどの各種液体原料の乾燥粉末化物、塩や砂糖、アミノ酸などの調味料粉末、その他粉体香料、粉体増粘多糖類、粉体色素、および前記高甘味度甘味料から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項3または請求項4記載の低カロリー粒状固形ルウ。
  6. 前記付着用粉体の含有量が、低カロリー粒状固形ルウ全体の10〜55質量%であることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の低カロリー粒状固形ルウ。
  7. 前記油脂の含有量が、低カロリー粒状固形ルウ全体の12〜25質量%であることを特徴とする請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の低カロリー粒状固形ルウ。
  8. 下記の工程(1)〜(4)を含むことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の高甘味度甘味料を使用した低カロリー粒状固形ルウの製造方法。
    (1)澱粉原料、油脂、ショ糖の甘味を1とする甘味度が低カロリー粒状固形ルウの全甘味の70%以上の甘味となる量の高甘味度甘味料、その他の食品原料を所定量準備する。
    (2)前記油脂の融解する温度以上で前記澱粉原料と前記油脂と必要に応じて、ショ糖の甘味を1とする甘味度が低カロリー粒状固形ルウの全甘味の70%以上の甘味となる量の高甘味度甘味料、その他の食品原料を所定量加熱混合したペースト状原料を調製する。
    (3)前記加熱混合したペースト状原料を、目開き10mmの篩をパスする粒子に冷却固化し、必要に応じて前記付着粉体を付着させるか、または、冷却固化した固形ルウを目開き10mmの篩をパスする粒子に、必要に応じて前記付着粉体を添加しつつ、粉砕し粒状固形ルウを調製する。
    (4)前記粒状固形ルウと、必要に応じて、前記低カロリー粒状固形ルウ以外の食品粉粒体およびショ糖の甘味を1とする甘味度が低カロリー粒状固形ルウの全甘味の70%以上の甘味となる量の高甘味度甘味料の所定量を包装用容器に充填し密封する。
  9. 目開き0.3mmの篩をパスしない請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の低カロリー粒状固形ルウを70質量%以上含むことを特徴とする低カロリー粒状固形ルウ含有調味料。
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