JP2016021490A - 塗膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】塗装という簡便な工程で形成でき、優れた磁気シールド特性を有する塗膜を提供する。【解決手段】バインダー101及び磁性フィラー102を含み、条件(1)及び(2)を満たす塗膜に関する。条件(1):走査型電子顕微鏡により撮影された塗膜の膜厚方向の断面写真に、膜厚方向に延びる3本の平行な直線を3.0μm毎に描き、直線と交わる、断面写真における最長部の長さが1.0μm以上である磁性フィラー102の個数を数え、該直線の長さで除することで基準個数を算出した場合に、3本の直線の基準個数の平均値が0.1(個/μm)以上である。条件(2):断面写真に、3μm四方の単位領域が100個連なって形成される測定領域を設け、単位領域ごとに、バインダー101が占める面積を測定した場合に、単位領域に対するバインダー101が占める面積の割合が50%以上である単位領域の個数が、50個以下である。【選択図】図1

Description

磁気シールド性に優れた塗膜に関する。
近年、通信機器や電子機器は、高度化する一方で、小型化や軽量化も進められている。これら通信機器や電子機器は、機器内で発生する磁気ノイズや電磁波ノイズが外部に放射されたり、機器内での電磁干渉により機器が誤動作を起こしてしまうという問題がある。このようなノイズの発生や機器の誤動作等を防止するために、機器内に磁気シールド材を設けることが行われている。
低周波の磁気をシールドすることは特に難しく、磁気シールド材として、厚みのある金属を用いるなどの方法がとられることがある。しかし、このような方法では、機器の軽量化の妨げとなるため、より効果的に低周波の磁気をシールドできる磁気シールド材が求められている。
このような中、例えば、高い表面抵抗と高い透磁率を同時に有し、ノイズ抑制効果を向上させることを目的として、Fe−Si−Al合金からなる扁平状の軟磁性粉末と酸化物粉末とが有機結合剤中に分散されて構成された電磁干渉抑制体が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、このような磁気シールド材は一般的にシート状であり、複雑な形状の部材に磁気シールド特性を付与するためには、複数のシートを部材の形状に沿って貼り合せる必要がある。そのため、シート間に隙間ができ、ノイズの発生や機器の誤動作を引き起こすことがあった。また、シートの製造過程において、プレスを行い、磁性材料を配向させるなどの必要があった。
特開2012−222076号公報
本発明は、このような課題を解決することを目的とするものである。すなわち、本発明は、複雑な形状の部材に対しても、塗装という簡便な工程で形成でき、優れた磁気シールド特性を有する塗膜を提供することを目的とする。
本発明は、バインダー及び磁性フィラーを含み、条件(1)及び条件(2)を満たすことを特徴とする塗膜に関する。
条件(1):走査型電子顕微鏡により撮影された塗膜の膜厚方向の断面写真に、膜厚方向に延びる3本の平行な直線を3.0μm毎に描き、直線ごとに、直線と交わる、断面写真における最長部の長さが1.0μm以上である磁性フィラーの個数を数え、該個数を該直線の長さで除することにより直線1μm当たりの基準個数を算出した場合に、3本の直線における基準個数の平均値が0.15(個/μm)以上である。
条件(2):走査型電子顕微鏡により撮影された塗膜の膜厚方向の断面写真に、3μm四方の単位領域が100個連なって形成される測定領域を設け、単位領域ごとに、バインダーが占める面積を測定した場合に、単位領域に対するバインダーが占める面積の割合が50%以上である単位領域の個数が、50個以下である。
バインダーは、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂及びシリコーン樹脂から選択される1以上であることが好ましい。
磁性フィラーは、Fe−Si−Al合金、Fe−Si合金、Fe−Si−Cr合金、Fe−Cr合金、Fe−Ni合金、Fe−Co合金、Feベースアモルファス、Coベースアモルファス、Mn−Zn系フェライト及びNi−Zn系フェライトから選択される1以上であることが好ましい。
磁性フィラーは、厚さ1μm以下で偏平状又は針状であり、アスペクト比が20以上であることが好ましい。
バインダーの固形分と磁性フィラーの質量比は30/70〜5/95であることが好ましい。
本発明によれば、塗装という簡便な工程で形成でき、且つ、優れた磁気シールド特性を有する塗膜を提供することができる。
本発明の実施の形態にかかる塗膜の膜厚方向の断面を操作型電子顕微鏡(SEM)により撮影した断面写真の模式図である。 本発明の実施の形態にかかる塗膜の膜厚方向の断面を操作型電子顕微鏡(SEM)により撮影した断面写真の模式図である。 図2の断面写真中に設けられた単位領域を拡大した模式図である。 実施例1により得られた塗膜の膜厚方向の断面写真である。 比較例1により得られた塗膜の膜厚方向の断面写真である。 実施例1により得られた塗膜の複素透磁率の測定結果である。 比較例1により得られた塗膜の複素透磁率の測定結果である。
以下に、本発明の実施の形態について、図面等を用いて説明をするが、本発明の塗膜は、これらの実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
本発明の塗膜は、バインダー及び磁性フィラーを含み、条件(1)および条件(2)を満たすものである。
条件(1)とは、走査型電子顕微鏡により撮影された塗膜の膜厚方向の断面写真に、膜厚方向に延びる3本の平行な直線を3.0μm毎に描き、直線ごとに、直線と交わり、且つ、断面写真における最長部の長さが1.0μm以上である磁性フィラーの個数を数え、該個数を該直線の長さで除することにより直線1μm当たりの基準個数を算出した場合に、3本の直線における基準個数の平均値が0.15(個/μm)以上となることである。前記3本の直線における基準個数の平均値は、0.15〜1.0(個/μm)以上であることが好ましく、0.15〜0.5(個/μm)以上であることがより好ましい。基準個数の平均値が0.15(個/μm)よりも小さくなると、塗膜中の磁気フィラーの密度が低下し、塗膜の磁気シールド特性が低下する傾向にある。
図1は、本発明の実施の形態にかかる塗膜を膜厚方向に沿って切断して得られる断面を操作型電子顕微鏡(SEM)により撮影した断面写真の模式図を示すものである。以下、図1の模式図を用いて、前記基準個数を算出するための手順を説明する。なお、図1では、断面写真100の上下方向が膜厚方向であり、例えば、断面写真100の上側になるほど塗膜の表面に近づき、断面写真100の下側になるほど塗膜と被塗装面との界面に近づく。
まず、図1に示すように、走査型電子顕微鏡により撮影された、塗膜の膜厚方向の断面写真100において、膜厚方向に延びる3本の平行な直線(イ)、(ロ)及び(ハ)を描く。例えば、直線(イ)、(ロ)及び(ハ)のうち、真ん中となる直線(ロ)が断面写真100の左右方向の中央部分に位置するように描く。直線(イ)、(ロ)、及び(ハ)の間隔は、各々3μmである。
次に、三本の直線(イ)、(ロ)及び(ハ)の各々について、断面写真における最長部の長さが1.0μm以上であり、直線と交わっている磁性フィラーの個数を数える。例えば、磁性フィラー102の個数を、直線(イ)についてはα個、直線(ロ)についてはβ個、直線(ハ)についてはγ個である場合、直線の長さLμmで除することにより、各直線1μm当たりの基準個数が算出できる。つまり、各直線における基準個数は、α/L(個/μm)、β/L(個/μm)、γ/L(個/μm)となる。この場合、3本の直線における基準個数の平均値は、(α+β+γ)/3L(個/μm)となる。例えば、図1の直線(ハ)は、磁性フィラー102a〜eと交わっており、また、磁性フィラー102a〜eのいずれも断面写真における最長部の長さが1.0μm以上であるから、γは「5」となる。
また、条件(2)とは、走査型電子顕微鏡により撮影された塗膜の膜厚方向の断面写真に、3μm四方の単位領域が100個連なって形成される測定領域を設け、単位領域ごとに、バインダーが占める面積を測定した場合に、単位領域に対するバインダーが占める面積の割合が50%以上である単位領域の個数が、50個以下となることである。塗膜の磁気シールド性を高めることができる点で、単位領域に対するバインダーが占める面積の割合が50%以上である単位領域の個数は、10〜50個であることがより好ましく、10〜30個であることがさらに好ましい。単位領域に対するバインダーが占める面積の割合が50%以上である単位領域の個数が10個未満となると、バインダー成分が連続して存在する領域が少ないため、塗膜の柔軟性が低くなる傾向にある。単位領域に対するバインダーが占める面積の割合が50%以上である単位領域の個数が50個を超えると、塗膜中の磁性フィラーの密度が低くなり、磁気シールド特性が低下する傾向にある。
図2は、本発明の実施の形態にかかる塗膜を膜厚方向に沿って切断して得られる断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)により撮影した断面写真の模式図を示すものである。図3は、図2の断面写真中に設けられた単位領域を拡大した模式図を示すものである。以下、図2及び図3の模式図を用いて、単位領域に対するバインダーが占める面積の割合が50%以上である単位領域の個数を算出するための手順を説明する。
まず、図2に示すように、走査型電子顕微鏡により撮影された、塗膜の膜厚方向(上下方向)の断面写真100において、30μm×30μmの正方形の測定領域103を設ける。単位領域104は3μm×3μmの正方形であり、測定領域103は10個(上下方向)×10個(左右方向)の単位領域104から構成される。次に、単位領域104ごとに、単位領域104中においてバインダー101が占める面積を測定し、例えば、図3のように、バインダー101の面積割合が50%以上である単位領域104の個数を数える。なお、図2では、バインダー101の面積割合が50%以上である単位領域104をハッチングで示す。なお、図2において、測定領域103は正方形状に形成されているが、単位領域104が100個連なって形成されていれば、その形状は特に限定されない。
本発明の塗膜は、例えば、バインダー、磁性フィラー及び溶媒を少なくとも含む磁気シールド塗料を塗布、乾燥することにより得られる。
本発明の塗膜を得るために用いられるバインダーは、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂及びシリコーン樹脂から選択される1以上であることが好ましい。中でも、塗膜中の磁気フィラーの密度が高く、且つ、柔軟性や被塗装面への密着性に優れた塗膜が得られやすい点で、ウレタン樹脂が好ましい。
ウレタン樹脂は、ポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応させることにより得られる。ウレタン樹脂としては、例えば、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリカーボネート系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタンが挙げられる。中でも、破断伸度が高く柔軟性に優れているの点で、ポリエステル系ポリウレタンが好ましい。
ポリエーテル系ポリウレタンは、ポリエーテルポリオールとポリイソシアネート化合物との反応物である。ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどが挙げられる。
ポリカーボネート系ポリウレタンは、ポリカーボネートポリオールとポリイソシアネート化合物との反応物である。ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ジオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール等)と、カーボネート(ジメチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、ホスゲン等)とを反応させて得られるポリカーボネートジオールなどが挙げられる。
ポリエステル系ポリウレタンは、ポリエステルポリオールとポリイソシアネート化合物との反応物である。ポリエステルポリオールとしては、例えば、ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸、セバシン酸等)と、多価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等)とを反応させて得られるものなどが挙げられる。
ポリイソシアネート化合物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネートの3量体、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。
ウレタン樹脂の重量平均分子量は、1000〜100000であることが好ましく、5000〜50000であることがより好まし。ウレタン樹脂の重量平均分子量が1000未満となると、塗膜の耐久性が低下したり、磁気シールド特性が低下する傾向にあり、ウレタン樹脂の重量平均分子量が100000を超えると、塗膜の柔軟性や、被塗装面との密着性が低下し、フィラーの配向性が悪くなる傾向にある。
本発明に用いられる磁性フィラーとしては、軟磁性材料であれば特に限定されないが、例えば、Fe−Si−Al合金、Fe−Si合金、Fe−Si−Cr合金、Fe−Cr合金、Fe−Ni合金、Fe−Co合金、Feベースアモルファス、Coベースアモルファス、Mn−Zn系フェライト及びNi−Zn系フェライトから選択される1以上であることが好ましい。中でも、優れた磁気シールド特性が得られる観点から、Fe−Si−Al合金(例えば、センダスト)が好ましい。
磁性フィラーの形状は特に限定されないが、厚さ1μm以下で偏平状又は針状であることが好ましい。扁平状とは、例えば、球状や直方体等の立体形状のものを一方向で押し潰したような形状を有するものであり、板状、鱗片状、薄膜状等の形状も含む概念である。また、針状とは、一方向に直線状に延びる細長い形状をいう。
磁性フィラーの厚さは、0.5μm以下であることがより好ましく、0.3μm以下であることがさらに好ましい。磁性フィラーの厚さが1μmを超えると、膜厚方向の磁性フィラーの個数が減少し磁気シールド特性が低下する。
磁性フィラーのアスペクト比は20以上であることが好ましい。膜厚方向の磁性フィラーの個数が増え、フィラー間の空隙が少なくなる点で、磁性フィラーのアスペクト比は、40以上であることがより好ましく、100以上であることがさらに好ましい。ここで、アスペクト比とは、磁性フィラーの最も長い部分の長さを平均厚さで除したものをいう。アスペクト比が20未満となると、膜厚方向の磁性フィラーの個数が減少し磁気シールド特性が低下する。
本発明で用いられる磁気シールド塗料は、バインダーの固形分と磁性フィラーの質量比が30/70〜5/95であることが好ましく、25/75〜10/90であることがより好ましく、20/80〜10/90であることがさらに好ましい。バインダーの固形分と磁性フィラーの質量比が30/70より大きくなると、すなわち、バインダーの固形分が多すぎると、塗膜の磁気シールド特性が低下する傾向にあり、バインダーの固形分と磁性フィラーの質量比が5/95より小さくなると、すなわち、バインダーの固形分が少なすぎると、得られる塗膜の柔軟性が失われ脆くなったり、フィラー間の接触が不十分になり磁気シールド特性が低下する。
本発明で用いられる磁気シールド塗料には、溶媒として有機溶剤が用いられる。有機溶剤としては、例えば、トルエン、メチルエチルケトン、イソプロパノール、酢酸ブチル、酢酸エチル、ブチルセロソルブ、ブチルカルビトールアセテート、キシレンなどが用いられる。中でも、乾燥性および塗装作業性の観点から、トルエン、メチルエチルケトン、イソプロパノールが好ましい。
また、本発明で用いられる磁気シールド塗料には、バインダー、磁性フィラー、有機溶剤、分散剤や消泡剤の他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、顔料、充填剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、などの任意の成分が含まれていてもよい。
本発明で用いられる磁気シールド塗料は、有機溶剤の含有量を調整するなどにより、粘度1.0〜100dPa・sに調整をすることが好ましく、粘度2〜50dPa・sに調整をすることがより好ましい。磁気シールド塗料の粘度が1.0mPa・sより低くなると、塗布時に塗膜がダレてしまう。一方、磁気シールド塗料の粘度が100mPa・sより高くなると磁性フィラーの配向性が悪くなり膜厚方向の磁性フィラーの個数が減少してしまう。
(塗装方法)
本発明の磁気シールド塗料の塗装方法としては、被塗布面を均一に被覆できれば、その方法は特に限定されないが、例えば、スプレー塗装などが挙げられる。例えば、ガン口径1.0〜5.0mmのスプレーガンを用いて、1.0〜10kg/cmの圧力で、スプレー塗装することが好ましい。
また、塗装後の乾燥方法も特に限定されず、常温で乾燥してもよく、加熱乾燥してもよいが、磁性フィラーが膜厚方向に垂直な方向に配向しやすくする観点から、常温で乾燥することが好ましい。
(用途)
本発明の塗膜は、例えば、病院やオフィスビル、データセンターなどの内壁および外壁、電気自動車やハイブリッド自動車のバッテリーケース、モータやトランス、磁気デバイスなどの磁気シールドに用いることができる。
以下に、実施例等により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されない。
(実施例1)
ウレタン樹脂(荒川化学工業株式会社製、ポリエステル系ポリウレタン「ユリアーノ2456」、重量平均分子量30000)22.97質量部、センダスト(大同特殊鋼株式会社製、「DAPMSA10」、厚さ1.0μm、アスペクト比40)38.28質量部、分散剤としてリン酸ポリエステル系分散剤(ビックケミ−ジャパン株式会社製、「BYK−111」)0.31質量部、有機溶剤としてトルエン38.28質量部、及び消泡剤として非シリコーン系消泡剤(ビックケミ−ジャパン株式会社製、「BYK−1752」)0.15質量部を、ディスパーを用いて混合し、磁気シールド塗料を得た。得られた磁気シールド塗料の不揮発分は45%であり、粘度は5.0dPa・sであった。磁気シールド塗料を、ガン口径1.5mmのスプレーガンを用いて4.0kg/cmの圧力で、ガラス板へ、乾燥後の塗膜の厚さが200μmとなるように塗布し、常温で乾燥して、実施例1の塗膜を得た。
(3本の直線における基準個数の平均値)
上記塗膜の断面について、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、JSM−6360LV)により1000倍の倍率で、塗膜の膜厚方向の断面写真を撮影した。走査型電子顕微鏡により撮影した断面写真を図4に示す。撮影した断面写真に、膜厚方向に延びる3本の平行な直線を3.0μm毎に描いた。直線ごとに、直線と交わる、断面写真における最長部の長さが1.0μm以上である磁性フィラーの個数を数え、数えた個数を直線の長さで除することにより直線1μm当たりの基準個数を算出し、3本の直線における基準個数の平均値を算出した。結果を表1に示す。
(バインダーが占める面積の割合が50%以上の単位領域の個数)
基準個数の測定と同様の方法で、走査型電子顕微鏡により撮影された塗膜の膜厚方向の断面写真に、3μm四方の単位領域100個(上下方向に10個×左右方向に10個)が連なって形成される測定領域を設け、単位領域ごとに、バインダーが占める面積を測定した場合に、単位領域に対するバインダーが占める面積の割合が50%以上となる単位領域の個数を求めた。結果を表1に示す。
(複素透磁率)
実施例1にて得られた塗膜について、RFインピーダンスマテリアルアナライザー装置(アジデントテクノロジー株式会社製、E4991A)を用いて、1M〜1GHzの周波数帯域における複素透磁率の実部μr’と虚部μr”を測定した。測定結果を図5に示す。
(比較例1)
アクリル樹脂(藤倉化成株式会社製、「アクリベースLH101」、重量平均分子量40000)22.97質量部、センダスト(大同特殊鋼株式会社製、「DAPMSA10」、厚さ1.0μm、アスペクト比40)38.28質量部、分散剤としてリン酸ポリエステル系分散剤(ビックケミ−ジャパン株式会社製、「BYK−111」)0.31質量部、有機溶剤としてトルエン38.28質量部、及び消泡剤として非シリコーン系消泡剤(ビックケミ−ジャパン株式会社製、「BYK−1752」)0.15質量部を、ディスパーを用いて混合し、磁気シールド塗料を得た。
得られた磁気シールド塗料を、実施例1と同様の方法で塗装して、比較例1の塗膜を得た。得られた塗膜について、実施例1と同様の方法で、3本の直線における基準個数の平均値と、バインダーが占める面積の割合が50%以上の単位領域の個数を算出した。結果を表1に示す。比較例1の塗膜について、走査型電子顕微鏡により撮影した塗膜の膜厚方向の断面写真を図6に示す。また、比較例1の塗膜について、実施例1と同様の方法で、複素透磁率を測定した。測定結果を図7に示す。
図4及び図5の断面写真、表1の結果から分かるように、実施例1の塗膜は、比較例1に比べ、磁性フィラーが高い密度で、膜厚方向とは垂直な方向に配向している。また、図6及び図7に示した複素透磁率測定の結果から分かるように、実施例1の塗膜は、比較例1の塗膜に比べ、特に低周波数帯域での透磁率に優れている。
100 断面写真
101 バインダー
102 磁性フィラー
103 測定領域
104 単位領域

Claims (5)

  1. バインダー及び磁性フィラーを含み、条件(1)および条件(2)を満たすことを特徴とする塗膜。
    条件(1):走査型電子顕微鏡により撮影された塗膜の膜厚方向の断面写真に、膜厚方向に延びる3本の平行な直線を3.0μm毎に描き、直線ごとに、直線と交わる、断面写真における最長部の長さが1.0μm以上である磁性フィラーの個数を数え、該個数を該直線の長さで除することにより直線1μm当たりの基準個数を算出した場合に、3本の直線における基準個数の平均値が0.15(個/μm)以上である。
    条件(2):走査型電子顕微鏡により撮影された塗膜の膜厚方向の断面写真に、3μm四方の単位領域が100個連なって形成される測定領域を設け、単位領域ごとに、バインダーが占める面積を測定した場合に、単位領域に対するバインダーが占める面積の割合が50%以上である単位領域の個数が、50個以下である。
  2. バインダーが、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂及びシリコーン樹脂から選択される1以上である、請求項1に記載の塗膜。
  3. 磁性フィラーが、Fe−Si−Al合金、Fe−Si合金、Fe−Si−Cr合金、Fe−Cr合金、Fe−Ni合金、Fe−Co合金、Feベースアモルファス、Coベースアモルファス、Mn−Zn系フェライト及びNi−Zn系フェライトから選択される1以上である、請求項1又は2に記載の塗膜。
  4. 磁性フィラーが、厚さ1μm以下で偏平状又は針状であり、アスペクト比が20以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の塗膜。
  5. バインダーの固形分と磁性フィラーの質量比が30/70〜5/95である、請求項1〜4のいずれかに記載の塗膜。

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