JP2016019495A - 核酸増幅法 - Google Patents

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Abstract

【課題】マルチプレックス−ワンステップRT−PCRの特異性を改善すること。
【解決手段】2以上の標的核酸を増幅する方法であって、RT−PCRに必要な組成のすべてを含む反応液に試料を添加し、適当範囲での条件設定のもと、マルチプレックス−ワンステップRT−PCRを行う。
【選択図】なし

Description

本発明は、PCRによる核酸増幅法に関する。
核酸増幅法は数コピーの標的核酸を可視化可能なレベル、すなわち数億コピー以上に増幅する技術であり、生命科学研究分野のみならず、遺伝子診断、臨床検査といった医療分野、あるいは、食品や環境中の微生物検査等においても、広く用いられている。
代表的な核酸増幅法はPCR(polymerase chain reaction)である。PCRは、(1)熱処理によるDNA変性(2本鎖DNAから1本鎖DNAへの解離)、(2)鋳型1本鎖DNAへのプライマーのアニーリング、(3)DNAポリメラーゼを用いた前記プライマーの伸長、という3ステップを1サイクルとし、このサイクルを繰り返すことによって、試料中の標的核酸を増幅する方法である。
検出対象核酸がRNAである場合、たとえば病原性微生物の検出において対象がRNAウイルスである場合、あるいは遺伝子の発現量をmRNAの定量によって測定する場合などは、逆転写酵素によりRNAをcDNAに変換する反応(逆転写反応)をPCRの前に行う。
この逆転写酵素による逆転写反応とDNAポリメラーゼによるPCRは、各々の酵素の至適条件の違いから、先に逆転写反応を行いついで別の反応液に移してPCRが行われることが多い。この煩雑さを解消するために2つの反応を同一反応液中で連続して行う方法、ワンステップRT−PCR法が近年に開発された。(特許文献1)
核酸増幅法の増幅の対象となる遺伝子は目的に応じて様々である。しばしば複数の対象遺伝子を同時に検出する必要が生じる場合もある。たとえば、感染症の原因菌を調査しようとするとき、候補となる複数の病原性微生物の遺伝子を標的としてPCRを行い、得られた標的の種類を判別することで原因菌を判定することがある。あるいは、複数のmRNAの発現量をひとつの反応液中でPCRし測定することもある。これらの2以上の標的核酸を増幅する方法はマルチプレックスPCRと呼ばれ、反応液に2以上のプライマーペアを含んでいる。(非特許文献1)
さらには、ワンステップRT−PCRを複数の遺伝子に対して行うためにマルチプレックスPCRと組合せたマルチプレックス−ワンステップRT−PCRが行われている。(非特許文献2、3)
特許2968585
J. Clin. Microbiol, 38, 2602−2610, (2000) Am. J. Clin. Pathol., 119, 137−144, (2003) J. Vet. Diagn. Invest., 17, 232−238, (2005)
本発明の目的はマルチプレックス−ワンステップRT−PCRの特異性を改善することである。
マルチプレックス−ワンステップRT−PCRは、簡便に複数種の遺伝子を検出することができ、非常に簡便である。しかし、以下に述べるように、ワンステップRT−PCRにマルチプレックスPCRを適用すること、あるいはマルチプレックスPCRにワンステップRT−PCRを適用することは、特異性と検出感度を両立させることが困難であり、改善の余地があった。
ワンステップRT−PCR法は、逆転写酵素とDNAポリメラーゼの2つの酵素に対してどちらも活性を発現するような反応組成を構築し、逆転写の次にPCRを連続して反応する方法である。それぞれの酵素の反応至適条件が異なるため、どちらの活性も発現するような反応組成ではパフォーマンスの低下がある。逆転写酵素とDNAポリメラーゼの両方の機能を持った酵素も存在するが、やはり二つの活性を発現する条件が異なるため、若干のパフォーマンスの低下がある。
特に感染症の検査では複数の株や亜種をカバーするため遺伝子上の保存性の高い領域にプライマー位置が限定される。そのため非特異反応を抑制することが難しい場合が多い。多くの場合、PCRのアニーリングの温度を調節することで特異性を確保しようとするが、それは検出感度とトレードオフの関係にあることが多い。
すなわち、ワンステップRT−PCRは同一組成中で逆転写反応とPCRを行うため、その組成はそれぞれの至適からずれた条件となっており、非特異反応が多くなる場合がある。また、さらにそれをマルチプレックスPCRで行うと、投入するプライマーの種類が増加し、さらに非特異反応を引き起こしやすくなるという側面がある。
本発明者は、マルチプレックス−ワンステップRT−PCRにタッチダウンサイクルを用いると、特異性高く高感度検出を実現できることを見いだし、本発明を成すに至った。
代表的な本願発明は以下の通りである。
すなわち本発明は、
(項1)
2以上の標的核酸を増幅する方法であって、
(a) 試料中のRNAをcDNAに逆転写するために必要な組成、および該cDNAの少なくとも一部の配列部分を増幅するために必要な組成のすべてを含む反応液に試料を添加する工程
(b) 20℃から65℃の温度で1分以上インキュベートする逆転写反応工程
(c) 90℃から100℃の間で選ばれる熱変性温度と、50℃から75℃の間で選ばれるアニーリング兼伸長反応温度との間で変化する1または複数サイクルの熱サイクリング反応を行う工程
(d) 上記工程(c)に続き、90℃から100℃の間で選ばれる熱変性温度と、前回サイクルのアニーリング兼伸長反応温度と同等かまたは0.2℃以上低い第二のアニーリング兼伸長反応温度との間で変化する1または複数サイクルの熱サイクリング反応を行う工程
(e) 工程(d)を少なくとも20回以上繰りかえし、工程(c)の1回目の熱サイクルのアニーリング兼伸長反応温度よりも少なくとも3℃低くなるようなアニーリング兼伸長反応温度で最終サイクルを行う工程
を含む、ワンステップRT−PCRによる核酸増幅法である。
また、本発明は、
(項2)
前記核酸増幅法において、アニーリングと伸長を同時に行わない方法であってもよい。
すなわち本発明は、2以上の標的核酸を増幅する方法であって、
(a) 試料中のRNAをcDNAに逆転写するために必要な組成、および該cDNAの少なくとも一部の配列部分を増幅するために必要な組成のすべてを含む反応液に試料を添加する工程
(b) 20℃から65℃の温度で1分以上インキュベートする逆転写反応工程
(c) 90℃から100℃の間で選ばれる熱変性温度と、45℃から75℃の間で選ばれるアニーリング温度と、50℃から80℃の間で選ばれる伸長反応温度(ここで、アニーリング温度は伸長反応温度を超えない。)との間で変化する2サイクル以上の熱サイクリング反応を行う工程(ここで、n回目のサイクルのアニーリング温度はn−1回目のアニーリング温度と同等かまたは0.2℃以上低いアニーリング温度である。)
(d) 工程(c)を少なくとも20サイクル以上繰りかえし、最終サイクルのアニーリング温度が1回目の熱サイクルのアニーリング温度よりも少なくとも3℃低くなるような最終サイクルを行う工程
を含む、ワンステップRT−PCRによる核酸増幅法である。
また、本発明は、以下のいずれかの形態をとることができる。
(項3)試料が核酸抽出の工程を経ることなく得られた試料である、項1または2に記載の核酸増幅法。
(項4)工程(b)からPCRの最終サイクルまでが3時間以内に終了する、項1から3のいずれかに記載の核酸増幅法。
(項5)工程(a)の反応液に蛍光インターカーレーターを含む、項1から4のいずれかに記載の核酸増幅法。
(項6)蛍光融解曲線法により標的RNAの増幅を検出する、項5に記載の核酸増幅法。
(項7)工程(a)の反応液に内部標準として増幅される核酸およびそれを増幅するためのプライマーを含む、項1から6のいずれかに記載の核酸増幅法。
(項8)標的RNAがRNAウイルスのゲノムRNAの全部または一部である、項1から7のいずれかに記載の核酸増幅法。
(項9)RNAウイルスが腸管病原性ウイルスである、項8に記載の核酸増幅法。
(項10)腸管病原性ウイルスがノロウイルス、サポウイルス、ロタウイルスから選ばれる、項9に記載の核酸増幅法。
(項11)項1〜10のいずれかに記載の核酸増幅法を実施するための反応液を含むキット。
本発明によって、マルチプレックス−ワンステップRT−PCRで、特異性高く高感度検出を達成することができる。
マルチプレックス−ツーステップRT−PCRによるノロウイルス遺伝子の増幅の結果 通常サイクルによるマルチプレックス−ワンステップRT−PCRによるノロウイルス遺伝子の増幅の結果 タッチダウンサイクルを用いたマルチプレックス−ワンステップRT−PCRによるノロウイルス遺伝子の増幅の結果。内部標準は85℃、ノロウイルスG2陽性は80℃、ノロウイルスG1陽性は77℃にピークを与える。
以下、本発明の実施形態を示しつつ、本発明についてさらに詳説する。
本発明の実施形態のひとつは、2以上の標的核酸を増幅する方法であって、
(a) 試料中のRNAをcDNAに逆転写するために必要な組成、および、該cDNAの少なくとも一部の配列部分を増幅するために必要な組成のすべてを含む反応液に試料を添加する工程
(b) 20℃から65℃の温度で1分以上インキュベートする逆転写反応工程
(c) 90℃から100℃の間で選ばれる熱変性温度と、50℃から75℃の間で選ばれるアニーリング兼伸長反応温度との間で変化する1または複数サイクルの熱サイクリング反応を行う工程
(d) 上記工程(c)に続き、90℃から100℃の間で選ばれる熱変性温度と、前回サイクルのアニーリング兼伸長反応温度と同等かまたは0.2℃以上低い第二のアニーリング兼伸長反応温度との間で変化する1または複数サイクルの熱サイクリング反応を行う工程
(e) 工程(d)を少なくとも20回以上繰りかえし、工程(c)の1回目の熱サイクルのアニーリング兼伸長反応温度よりも少なくとも3℃低くなるようなアニーリング兼伸長反応温度で最終サイクルを行う工程
を含む、ワンステップRT−PCRによる核酸増幅法(タッチダウン熱サイクルによるワンステップRT−PCR法)である。
前記本発明の核酸増幅法の実施形態は、アニーリングと伸長を同時に行わない方法であってもよい。
すなわち本発明は、2以上の標的核酸を増幅する方法であって、
(a) 試料中のRNAをcDNAに逆転写するために必要な組成、および該cDNAの少なくとも一部の配列部分を増幅するために必要な組成のすべてを含む反応液に試料を添加する工程
(b) 20℃から65℃の温度で1分以上インキュベートする逆転写反応工程
(c) 90℃から100℃の間で選ばれる熱変性温度と、45℃から75℃の間で選ばれるアニーリング温度と、50℃から80℃の間で選ばれる伸長反応温度(ここで、アニーリング温度は伸長反応温度を超えない。)との間で変化する2サイクル以上の熱サイクリング反応を行う工程(ここで、n回目のサイクルのアニーリング温度はn−1回目のアニーリング温度と同等かまたは0.2℃以上低いアニーリング温度である。)
(d) 工程(c)を少なくとも20サイクル以上繰りかえし、最終サイクルのアニーリング温度が1回目の熱サイクルのアニーリング温度よりも少なくとも3℃低くなるような最終サイクルを行う工程
を含む、ワンステップRT−PCRによる核酸増幅法(タッチダウン熱サイクルによるワンステップRT−PCR法)である。
本発明の核酸増幅法が適用される試料は、標的RNAが含まれる可能性のある材料であればその由来は特に限定されない。
例えば、実験生物、培養細胞、ヒトや動物などの臨床検査に供される検体(たとえば尿、糞便、全血、血漿、唾液、口腔内擦過物、鼻腔液、鼻腔ぬぐい液、膣ぬぐい液、尿道擦過物など)、衛生管理に供される検体(たとえば吐しゃ物、ふき取りサンプル、食品材料など)、また環境測定に供される検体(たとえば河川水、海水、土壌、空気からの捕集物など)、などが挙げられるがこれらに限定されない。
本発明における標的核酸はRNAウイルスのゲノムRNAの全部またはその一部であってもよい。RNAウイルスとはゲノムをRNAとして持つウイルスで、C型肝炎ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、SARSウイルス、腸管病原性ウイルス(ノロウイルス、サポウイルス、ロタウイルスなど)、インフルエンザウイルスなど病原性を持つものも数多くある。これらが病原因子と疑われる場合、ゲノムRNAを標的としたPCRによる検査が行われる。
これらの検査は多くの検体を短時間に処理する必要があり、そのためワンステップRT−PCRは非常に有効な手法である。一方で、これらのRNAウイルスゲノムは多数の型が存在するため、それぞれの型に対しプライマー対を設計し、これら複数のプライマー対を同一反応組成内に投入するマルチプレックスPCRが有効な手法である。本発明によれば、これまで実用化に多くの労力を必要としていたワンステップRT−PCRとマルチプレックスPCRを組み合わせたマルチプレックス−ワンステップRT−PCRが簡便に実現される。
前記材料は、採取したものを核酸抽出の工程を経ることなくそのまま用いても良いし、核酸抽出および物理化学的な前処理のうち少なくともいずれかを施したものであっても良い。
前記核酸抽出には、シリカなどの核酸吸着体に核酸を吸着させ他の物質と分離回収する方法、フェノールなどの有機溶媒と接触させ核酸を水相に回収することで他の物質と分離する方法、エタノールなどのアルコール類を添加し核酸を不溶化し不溶物を回収することによって他の物質と分離する方法、などが挙げられるがこれらに限定されない。
前記物理化学的な前処理には、加熱処理、アルカリ性液へ浸漬しその後で中和する方法、物理的に破砕・粉砕する方法、酵素処理(たとえば、タンパク質分解酵素、多糖類分解酵素などによる処理)、あるいはこれらを2つ以上組合せた処理、などが挙げられるがこれらに限定されない。
本発明の核酸増幅法における反応液には、逆転写反応からPCRまでを行うためのすべての組成が含まれていればその組成は特に限定されない。すなわち、前記反応液には、試料中のRNAをcDNAに逆転写するために必要な組成、および、該cDNAの少なくとも一部の配列部分を増幅するために必要な組成をすべて含んでいれば良い。前記反応液の一例としては、逆転写酵素、逆転写プライマー、耐熱性DNAポリメラーゼ、PCRプライマー、dNTP、2価イオン、1価イオン、及び緩衝液を含む反応液が挙げられる。
本発明の核酸増幅法における反応液には、これらに加え、有機溶媒、有機酸、界面活性剤、アミノ酸、糖、DNA結合タンパク質、などが添加剤として含まれることもある。
本発明の核酸増幅法における反応液には、上記のほかにキャリーオーバー汚染を防止するための組成として、ウラシルグリコシダーゼ、dUTPが含まれていてもよい。ウラシルグリコシダーゼはDNA配列中に存在するウラシルを特異的に切り出し、DNAの分解を起こす酵素である。反応液にdUTPが含まれる組成でPCRを行い得られるDNA断片はウラシルを含んでおり、ウラシルグリコシダーゼで分解される。一方、天然のDNAはウラシルを含まないため、分解されない。これを利用したキャリーオーバー汚染を防止する方法が知られている。
本発明の核酸増幅法における逆転写反応は逆転写酵素によって行われる。逆転写酵素はMMLV、AMV、HIVなどのRNAウイルス由来のRNA依存性DNAポリメラーゼが一般的であるが、これらに限定されず、Tth DNAポリメラーゼのようなDNA依存性DNAポリメラーゼとRNA依存性DNAポリメラーゼの機能を併せ持つ酵素であっても良い。これらの酵素は金属イオンをその活性発現に要求することが知られており、反応液にはたとえばマグネシウムイオンなどを含むべきである。Tth DNAポリメラーゼなどの場合はマンガンイオンの方がRNA依存性DNAポリメラーゼ活性の効率がよいため、これを含んでも良い。
本発明の反応液には、RNA分解酵素阻害剤を含んでいてもよい。RNA分解酵素阻害剤はヒト胎盤由来のものが使われているが、これに限定されるものではない。
本発明の核酸増幅法における逆転写反応のプライマー(逆転写プライマーとも記載)は、標的RNAに特異的なプライマー、ランダムプライマー、dTプライマーなどが使用されうる。特異的プライマーはPCRのプライマーと共通とすることもできる。また、これらのプライマーを2種以上混合して使用することもできる。
本発明の核酸増幅法における逆転写反応の反応温度は特に限定されない。好ましい温度範囲は用いられる逆転写酵素とプライマーに依存し、例えば20℃から65℃の間で行われる。
ウイルス由来の酵素はその活性至適温度は下限は30℃付近、上限は45℃付近であるが、その範囲外であっても酵素が実用上十分な活性を示す温度であれば、逆転写反応温度を適宜設定することができる。例えば、用いるプライマーにあわせて下限は20℃、上限は55℃の範囲で使用することが好ましい。ランダムプライマーを用いる場合は下限は20℃、上限は30℃、dTプライマーを用いる場合は下限は25℃、上限は42℃、特異的プライマーを用いる場合は下限は37℃、上限は55℃がそれぞれ好ましい。
耐熱性DNAポリメラーゼの逆転写活性を利用するような場合は、酵素活性の至適温度が50℃以上になるので、下限は50℃、上限は65℃が好ましい。この場合、そのアニーリング温度から特異的プライマーの使用が望ましく、ランダムプライマーやdTプライマーは不適当である。
本発明における逆転写反応の時間は1分以上であれば特に限定されない。好ましい下限は2分である。好ましい上限は30分、さらに好ましい上限は10分である。
本発明の核酸増幅法においては、前記逆転写反応によって得られたcDNAの少なくとも一部の配列部分をPCRによって増幅する。
本発明の核酸増幅法におけるPCRは耐熱性DNAポリメラーゼで触媒されることが好ましい。耐熱性DNAポリメラーゼは現在、Taq、Tth、KOD、Pfu、Bstなど種々のものが入手可能であるがこれらに限定されない。これらはホットスタート機能を組み込まれたものであればなお好ましい。ホットスタート法は非特異反応を抑制するのに有効であり、本発明の目的を達するためには、ポジティブに作用する。
前記PCRにおけるプライマー(PCRプライマーとも記載)は、標的cDNAに特異的なプライマーが使用される。これは上記逆転写反応に用いた特異的プライマーと同一であってもよい。また、これらのプライマーは、標的となる核酸の数に応じて2種以上混合して使用することもできる。また、フォワードまたはリバースのいずれかのプライマーを共通とすることもできる。
本発明におけるPCRにより得られた増幅断片の解析は、電気泳動法、蛍光融解曲線法、各種プローブ法(Qプローブ、スコーピオンプローブ、ハイブリプローブなど)などが適用できる。また、温度昇降機能と蛍光測定機能を備えた機器であればTaqManプローブ、蛍光色素法などを用いれば、反応中にリアルタイムに増幅生成したDNA断片を検出識別することができる。これらを実施するための蛍光色素や蛍光標識プローブが反応液中に含まれていても良い。蛍光色素とは蛍光融解曲線解析を行うためのインターカーレーター色素であり、SYBRGREEN、EvaGreenなどが市販されている。
本発明における反応液には、PCRの反応内部標準となる鋳型とプライマーを含んでいても良い。材料から核酸を分離精製せずに反応液に添加した場合、脂肪、多糖類、タンパク質などPCRを阻害する物質も同時に添加される場合がある。これらによりPCRが阻害された場合、真に標的となる核酸が含まれなかった場合と区別ができない。これを回避するため、反応が正常に進行すれば標的核酸がなくても増幅産物が得られる内部標準核酸とそのプライマーを反応液に添加する方法が知られている。本発明においてもこれを実施しうる。
本発明における前記PCR増幅工程においては、マルチプレックスPCRを行う。
例えば、前記逆転写反応で得られた2以上の標的核酸に対応する2以上のcDNAを、前記cDNAに対応する2以上のプライマーペアを含む反応液中で増幅させる。
本発明において、2以上の標的核酸には、内部標準核酸も含まれる。例えば、内部標準核酸は、標的RNAが含まれる可能性のある材料に予め添加され、そのようにして得られた試料が本発明の核酸増幅法に供される。または、内部標準は反応液に予め含ませておいても良い。
このように、本発明におけるマルチプレックスPCRには、標的となる核酸が1種類、内部標準核酸が1種類、合計2種類の核酸を標的とする場合も包含される。
PCRは変性(本明細書においては熱変性とも呼ぶ。)、アニーリング、伸長の3つの温度ステップのサイクルで構成される。以下に例を挙げて説明する。
本発明の核酸増幅法においては、変性は二本鎖DNAを解離させるのに十分な温度であれば特に限定されず、好ましい熱変性温度の下限は90℃、上限は100℃である。アニーリングは解離したDNAにプライマーをアニーリングするステップで、その際の温度(アニーリング温度)は特に限定されないが、好ましいアニーリング温度の下限は45℃であり、さらに好ましくは50℃である。
一方好ましい上限は75℃であり、さらに好ましくは70℃である。伸長はDNAポリメラーゼで相補鎖を合成するステップで、その際の温度(伸長温度)は特に限定されないが、好ましい伸長温度の下限は50℃であり、上限は80℃である。
前記サイクルにおいて、アニーリング温度は伸長反応温度を超えない。
前記のPCRサイクルの例では、以下に例示するタッチダウン熱サイクルを採用する。
下記に示す工程(c)を少なくとも20サイクル以上繰りかえし、最終サイクルのアニーリング温度が1回目の熱サイクルのアニーリング温度よりも少なくとも3℃低くなるような最終サイクルを行う。
工程(c):前記熱変性温度と、前記アニーリング温度と、前記伸長反応温度との間で変化する2サイクル以上の熱サイクリング反応を行う(ここで、n回目のサイクルのアニーリング温度はn−1回目のアニーリング温度と同等かまたは0.2℃以上低いアニーリング温度である。)。
また、前記の例において、アニーリングと伸長のステップは同一の温度条件および時間条件で同時に行われてもよい。この場合、温度サイクルは変性とアニーリングおよび伸長反応の2つのステップの温度の行き来になるのでシャトルPCRと呼ばれることもある。その際の温度(アニーリング兼伸長温度)は特に限定されないが、好ましいアニーリング兼伸長温度の下限は50℃であり、上限は75℃である。
このPCRサイクルの例では、以下に例示するタッチダウン熱サイクルを採用する。
工程(c):90℃から100℃の間で選ばれる熱変性温度と、50℃から75℃の間で選ばれるアニーリング兼伸長反応温度との間で変化する1または複数サイクルの熱サイクリング反応を行う。
工程(d):上記工程(c)に続き、90℃から100℃の間で選ばれる熱変性温度と、前回サイクルのアニーリング兼伸長反応温度と同等かまたは0.2℃以上低い第二のアニーリング兼伸長反応温度との間で変化する1または複数サイクルの熱サイクリング反応を行う。
工程(e):工程(d)を少なくとも20回以上繰りかえし、工程(c)の1回目の熱サイクルのアニーリング兼伸長反応温度よりも少なくとも3℃低くなるようなアニーリング伸長反応温度で最終サイクルを行う。
なお、本明細書において、前記シャトルPCRは、2ステップPCRとも呼ぶ。これに対し前記のアニーリングと伸長を同時に行わない方法は3ステップPCRとも呼ぶ。
本発明におけるタッチダウン熱サイクルについて、さらに詳述する。
タッチダウン熱サイクルとは、初期のサイクル反応ではアニーリング温度を比較的高く設定して行い、サイクルが進行するに従ってアニーリング温度を徐々に下げていく方法である。また、アニーリングと伸長反応を同一の温度で行う場合においては、アニーリング兼伸長温度を徐々に下げていく方法である。
本明細書の0041〜0043段落において、「アニーリング温度」とは「アニーリング兼伸長反応温度」も含むものとする。
本発明におけるアニーリング温度を下げるパターンのひとつは、1サイクルごとに順次下げていく方法である。たとえば一つの態様として、アニーリング温度の1サイクル目:60℃、2サイクル目:59.5℃、3サイクル目:59.1℃ とする方法である。この場合、各サイクルにおける温度の下がり幅は0.2℃以上であれば同一であっても同一でなくてもよい。最初のサイクルと最後のサイクルの温度差は2から10℃となるのが好ましい。PCRのサイクル数としては20−60の間が好ましい。
また、他の態様としてはサイクル反応をブロックに分け、ブロックごとにアニーリング温度を下げる方法がある。たとえば、第一のブロック(1から5サイクル):60℃、第2のブロック(6から15サイクル):58℃、第3のブロック(16から30サイクル):56℃とすることができる。このときブロックごとのサイクル数は任意であり、またブロック間のアニーリング温度の差も0.2℃以上であれば同一であっても同一でなくてもよい。最初のサイクルと最後のサイクルの温度差が2から10℃となるのが好ましい。PCRのサイクル数としては20−60の間が好ましい。
本発明の核酸増幅法においては、逆転写反応工程からPCRの最終サイクルまでが3時間以内に終了することが好ましい。
また、本発明の別の実施形態のひとつは、上記で説明した核酸増幅法を実施するための反応液を含むキットである。本発明のキットの形態は特に限定されない。
前記キットは、1つの組成物に上記で説明した核酸増幅法を実施するために必要なすべての物質を含むものであっても良いし、2種類以上の複数の組成物を組合せたものであって、使用時に適宜混合することで核酸増幅法を実施するための反応液を調製できるよう構成されているものであっても良い。その際に各組成物の構成は溶液であっても固形物(粉末、凍結乾燥品など)であっても良い。固形物の場合は使用時に精製水または予め調製された別の溶液組成物に溶解して調製できるよう構成されていれば良い。
実施例1. マルチプレックス−ツーステップRT−PCRによるノロウイルス遺伝子の増幅
(1)ノロウイルスゲノムRNA
RNAポリメラーゼにより人工的に合成したRNA断片を用いた。GIタイプとGIIタイプのそれぞれを用いた。
(2)糞便サンプル
ノロウイスル陰性であることが確認されている糞便サンプルを10%(w/v)となるように蒸留水に懸濁した。これを8,000gで3分間遠心分離して得られた上清を糞便サンプルとして以下の検討に用いた。
(3)タンパク質変性処理
グリシン 10mM、EGTA 5mMを含む水溶液(前処理液)を調製した。
前処理液4 μlと(2)で処理した糞便液1 μlとを混合し、85℃で1分間インキュベートした。
(4)逆転写反応
5X buffer(東洋紡)4μl、
各1.0mM dATP, dGTP, dCTP, dTTP、
0.3μM COG1Fプライマー(GI検出用)、
0.3μM COG2Fプライマー(GII検出用)、
ReverTra Ace(東洋紡)10unit、
人工合成したノロウイルス遺伝子RNA断片250コピー
を含む反応液20μlを50℃5分間インキュベートし、cDNAを合成した。
(5)PCR
10Xbuffer(東洋紡) 5ul、
各0.2mM dATP, dGTP, dCTP, dTTP、
0.3μM COG1Fプライマー(GI検出用)、
0.3μM COG1Rプライマー(GI検出用)、
0.3μM COG2Fプライマー(GII検出用)、
0.3μM COG2Rプライマー(GII検出用)、
0.3μM 内部標準Fプライマー、
0.3μM 内部標準Rプライマー、
(前記6種3組のプライマーのセットは融解曲線解析により、内部標準は85℃、ノロウイルスG2陽性は80℃、ノロウイルスG1陽性は77℃にピークを与える。)
0.01% SYBRGREEN(ライフテクノロジー)、
rTaq DNA polymerase(東洋紡)5 unit、
anti Taq high(東洋紡)1μl、
上記(4)の逆転写反応で作製したcDNA合成反応液2μl、
内部標準プラスミドpBR322 50コピー
を含む反応液50μlを以下の温度サイクルで反応した。
95℃ 5分、
94℃ 10秒−54℃ 45秒 45サイクル、
(6)融解曲線解析
反応終了後、直ちに70℃ 0.5℃/秒 90℃融解曲線解析に供した。すなわち、70℃から 0.5℃/秒 で90℃まで上昇させた。
(7)結果
図1にその結果を示す。使用したプライマーセットは、ノロウイルスG1タイプが存在すると76℃付近にピークを与えること、ノロウイルスG2タイプが存在すると80℃付近にピークを与えること、内部標準は85℃付近にピークを与えることがわかっている。
逆転写反応とPCRをそれぞれ至適の条件で行うツーステップRT−PCRであれば、マルチプレックスPCRにおいても通常のサイクルでノロウイルスRNAを検出できた。
実施例2. 通常サイクルによるマルチプレックス−ワンステップRT−PCRによるノロウイルス遺伝子の増幅
(1)ノロウイルスゲノムRNA
RNAポリメラーゼにより人工的に合成したRNA断片を用いた。GIタイプとGIIタイプのそれぞれを用いた。
(2)糞便サンプル
ノロウイスル陰性であることが確認されている糞便サンプルを10%(w/v)となるように蒸留水に懸濁した。これを8,000g 3分間遠心分離して得られた上清を糞便サンプルとして以下の検討に用いた。
(3)タンパク質変性処理
グリシン 10mM、EGTA 5mMを含む水溶液(前処理液)を調製した。
前処理液4 μlと(2)で処理した糞便液1 μlとを混合し、85℃で1分間インキュベートした。
(4)ワンステップRT−PCR
75mM トリス硫酸(pH7.5)、
3.75mM 硫酸マグネシウム、
0.25mg/ml ウシ血清アルブミン、
各0.2mM dATP, dGTP, dCTP, dTTP 、
0.3μM COG1Fプライマー(GI検出用)、
0.3μM COG1Rプライマー(GI検出用)、
0.3μM COG2Fプライマー(GII検出用)、
0.3μM COG2Rプライマー(GII検出用)、
0.3μM 内部標準Fプライマー、
0.3μM 内部標準Rプライマー、
(前記6種3組のプライマーのセットは融解曲線解析により、内部標準は85℃、ノロウイルスG2陽性は80℃、ノロウイルスG1陽性は77℃にピークを与える。)
0.01% SYBRGREEN(ライフテクノロジー)、
rTaq DNA polymerase(東洋紡)10 unit、
anti Taq high(東洋紡) 10 unit、
RevertraAce(東洋紡) 2.5unit、
人工合成したノロウイルス遺伝子RNA断片250コピーを含む反応液45μl
を、上記(3)でタンパク質変性処理を行った液5μlに添加した。
これを以下の温度サイクルで反応した。
50℃ 5分、
95℃ 5分、
94℃ 10秒−54℃ 45秒 45サイクル、
(5)融解曲線解析
反応終了後、直ちに70℃ 0.5℃/秒 90℃融解曲線解析に供した。
すなわち、70℃から 0.5℃/秒 で90℃まで上昇させた。
(6)結果
図2 にその結果を示す。逆転写反応とPCRを同一の反応液中で連続し行うワンステップRT−PCRの場合、マルチプレックスPCRでは通常のサイクルでは非特異増幅が多くノロウイルスRNAを検出できなかった。
実施例3. タッチダウンサイクルを用いたマルチプレックス−ワンステップRT−PCRによるノロウイルス遺伝子の増幅
(1)ノロウイルスゲノムRNA
RNAポリメラーゼにより人工的に合成したRNA断片を用いた。GIタイプとGIIタイプのそれぞれを用いた。
(2)糞便サンプル
ノロウイスル陰性であることが確認されている糞便サンプルを10%(w/v)となるように蒸留水に懸濁した。これを8,000g 3分間遠心分離して得られた上清を糞便サンプルとして以下の検討に用いた。
(3)タンパク質変性処理
グリシン 10mM、EGTA 5mMを含む水溶液(前処理液)を調製した。前処理液4 μlと(2)で処理した糞便液1 μlとを混合し、85℃で1分間インキュベートした。
(4)ワンステップRT−PCR
75mM トリス硫酸(pH7.5)、
3.75mM 硫酸マグネシウム、
0.25mg/ml ウシ血清アルブミン、
各0.2mM dATP, dGTP, dCTP, dTTP 、
0.3μM COG1Fプライマー(GI検出用)、
0.3μM COG1Rプライマー(GI検出用)、
0.3μM COG2Fプライマー(GII検出用)、
0.3μM COG2Rプライマー(GII検出用)、
0.3μM 内部標準Fプライマー、
0.3μM 内部標準Rプライマー、
(前記6種3組のプライマーのセットは融解曲線解析により、内部標準は85℃、ノロウイルスG2陽性は80℃、ノロウイルスG1陽性は77℃にピークを与える。)
0.01% SYBRGREEN(ライフテクノロジー)、
rTaq DNA polymerase(東洋紡)10 unit、
anti Taq high(東洋紡) 10 unit、
RevertraAce(東洋紡) 2.5unit、
人工合成したノロウイルス遺伝子RNA断片250コピーを含む反応液45μl
を、上記(3)でタンパク質変性処理を行った液5μlに添加した。
これを以下の温度サイクルで反応した。
50℃ 5分、
95℃ 5分、
94℃ 10秒−58℃ 45秒 5サイクル、
94℃ 10秒−56℃ 45秒 10サイクル、
94℃ 10秒−54℃ 45秒 15サイクル、
94℃ 10秒−52℃ 45秒 20サイクル
(5)融解曲線解析
反応終了後、直ちに70℃ 0.5℃/秒 90℃融解曲線解析に供した。すなわち、70℃から 0.5℃/秒 で90℃まで上昇させた。
(6)結果
図3にその結果を示す。逆転写反応とPCRを同一の反応液中で連続し行うワンステップRT−PCRの場合、タッチダウンサイクルを用いれば、マルチプレックスPCRでも非特異増幅を抑制しノロウイルスRNAを検出できた。
本発明は、生命科学研究、臨床診断や食品衛生検査、環境検査等に利用できる。

Claims (11)

  1. 2以上の標的核酸を増幅する方法であって、
    (a) 試料中のRNAをcDNAに逆転写するために必要な組成、および該cDNAの少なくとも一部の配列部分を増幅するために必要な組成のすべてを含む反応液に試料を添加する工程
    (b) 20℃から65℃の温度で1分以上インキュベートする逆転写反応工程
    (c) 90℃から100℃の間で選ばれる熱変性温度と、50℃から75℃の間で選ばれるアニーリング兼伸長反応温度との間で変化する1または複数サイクルの熱サイクリング反応を行う工程
    (d) 上記工程(c)に続き、90℃から100℃の間で選ばれる熱変性温度と、前回サイクルのアニーリング兼伸長反応温度と同等かまたは0.2℃以上低い第二のアニーリング兼伸長反応温度との間で変化する1または複数サイクルの熱サイクリング反応を行う工程
    (e) 工程(d)を少なくとも20回以上繰りかえし、工程(c)の1回目の熱サイクルのアニーリング兼伸長反応温度よりも少なくとも3℃低くなるようなアニーリング兼伸長反応温度で最終サイクルを行う工程
    を含む、ワンステップRT−PCRによる核酸増幅法。
  2. 2以上の標的核酸を増幅する方法であって、
    (a) 試料中のRNAをcDNAに逆転写するために必要な組成、および該cDNAの少なくとも一部の配列部分を増幅するために必要な組成のすべてを含む反応液に試料を添加する工程
    (b) 20℃から65℃の温度で1分以上インキュベートする逆転写反応工程
    (c) 90℃から100℃の間で選ばれる熱変性温度と、45℃から75℃の間で選ばれるアニーリング温度と、50℃から80℃の間で選ばれる伸長反応温度(ここで、アニーリング温度は伸長反応温度を超えない。)との間で変化する2サイクル以上の熱サイクリング反応を行う工程(ここで、n回目のサイクルのアニーリング温度はn−1回目のアニーリング温度と同等かまたは0.2℃以上低いアニーリング温度である。)
    (d) 工程(c)を少なくとも20サイクル以上繰りかえし、最終サイクルのアニーリング温度が1回目の熱サイクルのアニーリング温度よりも少なくとも3℃低くなるような最終サイクルを行う工程
    を含む、ワンステップRT−PCRによる核酸増幅法。
  3. 試料が核酸抽出の工程を経ることなく得られた試料である、請求項1または2に記載の核酸増幅法。
  4. 工程(b)からPCRの最終サイクルまでが3時間以内に終了する、請求項1から3のいずれかに記載の核酸増幅法。
  5. 工程(a)の反応液に蛍光インターカーレーターを含む、請求項1から4のいずれかに記載の核酸増幅法。
  6. 蛍光融解曲線法により標的RNAの増幅を検出する、請求項5に記載の核酸増幅法。
  7. 工程(a)の反応液に内部標準として増幅される核酸およびそれを増幅するためのプライマーを含む、請求項1から6のいずれかに記載の核酸増幅法。
  8. 標的RNAがRNAウイルスのゲノムRNAの全部または一部である、請求項1から7のいずれかに記載の核酸増幅法。
  9. RNAウイルスが腸管病原性ウイルスである、請求項8に記載の核酸増幅法。
  10. 腸管病原性ウイルスがノロウイルス、サポウイルス、ロタウイルスから選ばれる、請求項9に記載の核酸増幅法。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の核酸増幅法を実施するための反応液を含むキット。
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