JP2009183228A - Lamp法による甲殻類病原性ウイルスの検出方法及び検出試薬キット - Google Patents

Lamp法による甲殻類病原性ウイルスの検出方法及び検出試薬キット Download PDF

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Abstract

【課題】甲殻類病原性ウイルスの高感度で、且つ定量的な検出方法を提供する。
【解決手段】LAMPに用いられる甲殻類病原性ウイルス検出用プライマーセットと検体用核酸とを含有するサンプルをLAMPに供する工程と、当該LAMPによって増幅産物が産生されたか否かを検出する工程とを含む、LAMPにおける甲殻類病原性ウイルス検出方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば環状型等温増幅反応(Loop-Mediated Isothermal Amplification:以下、「LAMP」という)法による甲殻類病原性ウイルスの検出方法及び当該検出方法で使用するための甲殻類病原性ウイルス検出用試薬キットに関する。
急性ウイルス血症原因ウイルス(White spot disease virus:以下、「WSDV」という)、伝染性皮下造血器壊死症ウイルス(Infectious hypodermal and hematopoietic necrosis virus:以下、「IHHNV」という)、イエローヘッド病原因ウイルス(Yellow head virus:以下、「YHV」という)及びタウラ症候群原因ウイルス(Taura syndrome virus:以下、「TSV」という)は、エビ等の甲殻類に強い病原性を有するウイルスである。特に、IHHNV、YHV及びTSVのそれぞれによって発症する疾病は、特定疾病に指定されている。
海外からのこれらウイルスの伝播を防ぐべく、当該ウイルスに対する高感度で、且つ定量的な検出方法の開発が望まれている。
一方、従来より遺伝子の検出には、遺伝子増幅方法であるPCRが用いられてきた。しかしながら、PCRは感度が低いといった問題があった。
そこで、高感度な遺伝子増幅方法として、LAMP法が開発された(特許文献1及び2)。当該LAMP法は、特定の遺伝子領域を増幅するための複数のプライマー、鋳型DNA、鎖置換型DNA合成酵素、dNTP等を混合し、一定温度(65℃付近)で一定時間反応させ、反応液の濁度により増幅を検出する方法である。
例えば、特許文献3には、LAMP法を用いたジフテリア毒素遺伝子検出方法及び当該検出方法に用いられるプライマーセットが開示されている。また、特許文献4には、LAMP法を用いた百日咳菌遺伝子検出方法及び当該検出方法に用いられるプライマーセットが開示されている。さらに、特許文献5には、LAMP法を用いたリステリア・モノサイトゲネス検出方法及び当該検出方法に用いられるプライマーセットが開示されている。
そこで、本願発明者らは、LAMP法を用いてWSDV(非特許文献1)及びYHV(非特許文献2)を検出すべく、それぞれのウイルスの特定の遺伝子領域に特異的なLAMP用プライマーセットを設計し、検出を行った。しかしながら、これらLAMP用プライマーセットは、高感度で且つ定量的なウイルス検出に用いることができなかった。
特許第3313358号公報 特開2001-242169号公報 特開2007-228868号公報 特開2007-124970号公報 特開2005-95105号公報 Tomoya Konoら, 「Journal of Virological Methods」, 2004年, 第115巻, p.59-65 Tohru Mekataら, 「Journal of Virological Methods」, 2006年, 第135巻, p.151-156
上述したように、甲殻類病原性ウイルスの高感度で、且つ定量的な検出方法の開発が望まれている。
本発明は、上述した実情に鑑み、LAMP法による甲殻類病原性ウイルスの高感度で且つ定量的な検出方法及び当該検出方法で使用するための甲殻類病原性ウイルス検出用試薬キットを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、WSDV、IHHNV、YHV及びTSVのそれぞれについて特定の遺伝子領域にLAMP用プライマーセットを設計し、当該プライマーセットをLAMPに用いることで、これら甲殻類病原性ウイルスを高感度で且つ定量的な検出を行うことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、配列番号1〜4に示される塩基配列を有する4つのプライマーを含む、LAMPにおけるWSDV検出用プライマーセットに関する。当該プライマーセットは、配列番号5及び6に示される塩基配列を有する2つのプライマーをさらに含むことができる。
また、本発明は、配列番号7〜10に示される塩基配列を有する4つのプライマーを含む、LAMPにおけるIHHNV検出用プライマーセットに関する。
さらに、本発明は、配列番号11〜14に示される塩基配列を有する4つのプライマーを含む、LAMPにおけるYHV検出用プライマーセットに関する。当該プライマーセットは、配列番号15及び16に示される塩基配列を有する2つのプライマーをさらに含むことができる。
また、本発明は、配列番号17〜20に示される塩基配列を有する4つのプライマーを含む、LAMPにおけるTSV検出用プライマーセットに関する。
上述した各プライマーセットは、各ウイルス検出用試薬キットとして提供することができる。
さらに、本発明は、上述した各プライマーセットと検体用核酸とを含有するサンプルをLAMPに供し、LAMPによって増幅産物が産生されたか否かを検出することを含む、LAMPにおける各ウイルス検出方法に関する。当該検出は、定量的に行うことができる。
本発明によれば、高感度で且つ定量的に甲殻類病原性ウイルスを検出することができる。また、本発明によれば、国内外のエビ等の甲殻類の輸入/輸出や漁業の現場において、簡便且つ迅速に甲殻類病原性ウイルスの感染の有無を検出することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係るプライマーセットは、WSDV、IHHNV、YHV及びTSVから成る群より選択される甲殻類病原性ウイルスの特定の遺伝子領域に対して設計した複数のプライマーを含む、LAMPにおける甲殻類病原性ウイルス検出用プライマーセットである。
本発明に係るLAMPにおけるWSDV検出用プライマーセット(以下、「WSDV検出用プライマーセット」という)は、FIP(配列番号1)、BIP(配列番号2)、F3 primer(配列番号3)及びB3 primer(配列番号4)を含む。さらに、当該WSDV検出用プライマーセットは、ループプライマー(Loop Primer)と呼ばれるLF primer(配列番号5)及びLB primer(配列番号6)を含むことで、LAMPにおいて増幅時間を大幅に短縮することができる。
WSDVは、Nimaviridae科Whispovirus属に属するウイルスであり、二本鎖DNAウイルスである。WSDVに感染すると、急性ウイルス血症を発症することとなる。
本発明では、プライマー設計支援ソフトPrimerExplorer V4(https://primerexplorer.jp/lamp4.0.0/index.html)を用いて、WSDVゲノムDNA(GenBank accession number: AF369029)上の塩基番号55000〜55279(配列番号21)に対してLAMP用のプライマーを設計することで、WSDV検出用プライマーセットを得た。
図1には、WSDV検出用プライマーセットに含まれる各プライマーのWSDVゲノムDNAに対するアニーリング位置を示す。図1を用いて、WSDVの検出を一例として、LAMPの原理を説明する。なお、LAMPの原理は、特許文献1及び栄研化学株式会社のホームページ(http://loopamp.eiken.co.jp/lamp/index.html)に詳細に説明されている。
ここで、「内部(内側)」、「外部(外側)」とは、WSDVゲノムDNA上の塩基番号55000〜55279の増幅標的配列の中心に対する位置を意味する。
図1に示すように、LAMPでは、先ず検体用核酸であるWSDVゲノムDNAに対して、FIP(配列番号1)(「内部プライマー」に相当する)がアニーリングし、そこから鎖置換型DNAポリメラーゼの作用により伸長する。ここで、FIPは、WSDVゲノムDNA上の「F2c領域」に相補的な「F2領域」を3'末端側に有し、且つ5'末端側にWSDVゲノムDNA上の「F1c領域」と同一の領域を有する。また、鎖置換型DNAポリメラーゼとは、伸長方向に二本鎖領域が存在する場合に、当該二本鎖を解離しながら、相補鎖合成を行うことができるDNA合成酵素を意味する。
次いで、FIPの外側に位置するF3 primer(配列番号3)(「外部プライマー」に相当する)が相補的な配列(「F3c領域」)に対してアニーリングし、鎖置換型DNAポリメラーゼの作用により、既に合成されたFIPから伸長した一本鎖DNAを剥がす一方で、F3 primerより伸長する。F3 primerは、WSDVゲノムDNA上の「F3c領域」に相補的な「F3領域」を有する。剥がされたFIPからの一本鎖DNAは、FIPが有する5'末端側の「F1c領域」と伸長部分の「F1領域」とが相補的であることから、自己アニーリングすることでループを形成することとなる。
当該ループを形成した一本鎖DNAに、もう一方の内部プライマーであるBIP(配列番号2)がアニリーングし、そこから鎖置換型DNAポリメラーゼの作用により伸長する。BIPは、WSDVゲノムDNA上の「B2c領域」に相補的な「B2領域」を3'末端側に有し、且つ5'末端側にWSDVゲノムDNA上の「B1c領域」と同一の領域を有する。
さらに、BIPの外側に位置するB3 primer(配列番号4)が当該ループを形成した一本鎖DNAにアニーリングし、鎖置換型DNAポリメラーゼの作用により、既に合成されたBIPからの一本鎖DNAを剥がす一方で、B3 primerより伸長する。B3 primerは、WSDVゲノムDNA上の「B3c領域」に相補的な「B3領域」を有する。剥がされたBIPから伸長した一本鎖DNAは、両端でそれぞれ相補的な配列を有するので(すなわち、3'末端側における「F1c領域」と「F1領域」及び5'末端側における「B1領域」と「B1c領域」)、それぞれが自己アニーリングすることでループを形成することとなる。すなわち、当該剥がされたBIPから伸長した一本鎖DNAは、両端にループを形成することでダンベル型構造となる。このダンベル型構造が、LAMPにおける増幅サイクルの起点構造となる。当該ダンベル型構造を起点として、一連のLAMP増幅サイクルが行われる。
さらに、ループプライマーLF primer(配列番号5:図1において「Loop Primer F」)及びLB primer(配列番号6:図1において「Loop Primer B」)をプライマーセットに含むことで、DNA合成の起点を増やすことができる。当該ループプライマーは、上述のダンベル型構造の5'末端側のループの一本鎖部分に相補的な配列を有するものである。LF primerは、WSDVゲノムDNA上の「F1領域」と「F2領域」との間の「FL領域」に相補的な「FLc領域」を有する。一方、LB primerは、WSDVゲノムDNA上の「B1領域」と「B2領域」との間の「BLc領域」に相補的な「BL領域」を有する。
なお、以下で説明するIHHNV、YHV及びTSVのそれぞれのLAMPにおける検出用プライマーセットの各プライマーの名称は、上述のWSDV検出用プライマーセットに含まれる各プライマーと同様の位置及び機能を有するプライマーの名称に準じて称する。
一方、本発明に係るLAMPにおけるIHHNV検出用プライマーセット(以下、「IHHNV検出用プライマーセット」という)は、FIP(配列番号7)、BIP(配列番号8)、F3 primer(配列番号9)及びB3 primer(配列番号10)を含む。
IHHNVは、Parvoviridae科Densovirinae亜科Brevidensovirus属に属するウイルスであり、一本鎖DNAウイルスである。IHHNVに感染すると、伝染性皮下造血器壊死症を発症することとなる。
上記と同様に、プライマー設計支援ソフトPrimerExplorer V4を用いて、IHHNVゲノムDNA(GenBank accession number: AF218266)上の塩基番号901〜1110(配列番号22)に対してLAMP用のプライマーを設計することで、IHHNV検出用プライマーセットを得た。
図2には、IHHNV検出用プライマーセットに含まれる各プライマーのIHHNVゲノムDNAに対するアニーリング位置を示す。
また、本発明に係るLAMPにおけるYHV検出用プライマーセット(以下、「YHV検出用プライマーセット」という)は、FIP(配列番号11)、BIP(配列番号12)、F3 primer(配列番号13)及びB3 primer(配列番号14)を含む。さらに、当該YHV検出用プライマーセットは、ループプライマーであるLF primer(配列番号15)及びLB primer(配列番号16)を含むことで、LAMPにおいて増幅時間を大幅に短縮することができる。
YHVは、Roniviridae科Okavirus属に属するウイルスであり、一本鎖RNAプラス鎖ウイルスである。YHVに感染すると、イエローヘッド病を発症することとなる。
上記と同様に、プライマー設計支援ソフトPrimerExplorer V4を用いて、YHVの構造糖タンパク質遺伝子(GenBank accession number: AF540644)の塩基番号1501〜1750(配列番号23)に対してLAMP用のプライマーを設計することで、YHV検出用プライマーセットを得た。
図3には、YHV検出用プライマーセットに含まれる各プライマーのYHV構造糖タンパク質遺伝子に対するアニーリング位置を示す。
本発明に係るLAMPにおけるTSV検出用プライマーセット(以下、「TSV検出用プライマーセット」という)は、FIP(配列番号17)、BIP(配列番号18)、F3 primer(配列番号19)及びB3 primer(配列番号20)を含む。
TSVは、Dicistroviridae科に属するウイルスであり、一本鎖RNAプラス鎖ウイルスである。TSVに感染すると、タウラ症候群を発症することとなる。
上記と同様に、プライマー設計支援ソフトPrimerExplorer V4を用いて、TSVの外被タンパク質遺伝子(GenBank accession number: AF277378)の塩基番号471〜700(配列番号24)に対してLAMP用のプライマーを設計することで、TSV検出用プライマーセットを得た。
図4には、TSV検出用プライマーセットに含まれる各プライマーのTSV外被タンパク質遺伝子に対するアニーリング位置を示す。
なお、以上に説明した本発明に係るプライマーセットの各プライマーは、例えば化学合成により作製することができる。さらに、本発明に係るプライマーセットには、上述した各プライマーの配列番号で示される塩基配列において1又は数個(例えば、1〜10個、好ましくは1〜5個、特に好ましくは1〜3個)の塩基が欠失、置換及び/又は付加した塩基配列を有し、且つLAMPにおけるそれぞれのプライマー機能を有するプライマーを代替的に含むことができる。
また、本発明に係るプライマーセットは、単独で、又はLAMPで必要な試薬と共に、LAMPにおける上述の甲殻類病原性ウイルス検出用試薬キットとして提供することができる。LAMPで必要な試薬としては、例えば、鎖置換型DNA合成酵素、dNTP、緩衝液、蒸留水、検体用核酸がRNAである場合の逆転写酵素等が挙げられる。
一方、本発明に係る方法では、本発明に係るプライマーセットを用いてLAMPを行う。本発明に係る方法では、先ず検体用核酸を準備する。検体用核酸は、例えば、上述の甲殻類病原性ウイルスに感染しているか否かを検査すべき甲殻類、又は当該甲殻類病原性ウイルスに感染しているが、感染の程度を確認すべき甲殻類から得られる核酸である。ここで、検体用核酸が由来するエビ類としては、上述した甲殻類病原性ウイルスに感染するものであればいずれの種類であってよく、例えば、クルマエビ、ウシエビ、バナメイエビ、コウライエビ、シバエビ等が挙げられる。また、例えば、カニ類、ザリガニ類、動物性プランクトン等のエビ類以外の甲殻類及びそれらの幼生も上述した甲殻類病原性ウイルスに感染するので、これら甲殻類から得た核酸も検体用核酸とすることができる。
検体用核酸は、例えば、検査対象である甲殻類から常法により抽出されたゲノムDNA等のDNAとすることができる。あるいは、YHV及びTSVは一本鎖RNAプラス鎖ウイルスである。従って、検査対象より抽出したRNAを逆転写酵素を用いたRT-PCRに供する。このようにして得られたcDNAを検体用核酸とすることができる。
また、LAMPに供する際に、逆転写酵素をサンプルに添加することで、逆転写酵素によるcDNAの作製と同時にLAMPを行うことができる。この場合には、検査対象より抽出したRNAを検体用核酸とすることができる。
次いで、本発明に係る方法では、本発明に係るプライマーセット、検体用核酸、鎖置換型DNA合成酵素及びdNTP(並びに検体用核酸がRNAである場合には、逆転写酵素)を含有するサンプルを準備する。鎖置換型DNA合成酵素としては、例えば、BST DNA polymerase(栄研化学株式会社)、Bst DNA Polymerase, Large Fragment (New England Biolabs)、Bca BEST DNA Polymerase (TaKaRa)等が挙げられる。また、サンプル中のこれら構成成分の組成は適宜決定することができるが、例えば、サンプル25μl当たり、本発明に係るプライマーセットに含まれる各プライマー1.0〜50pmol(好ましくは5〜40pmol)、検体用核酸10fg〜30μg(好ましくは0.1〜1μg)、鎖置換型DNA合成酵素0.5〜15U(ユニット)(好ましくは6.0〜10U)、最終濃度1.0〜10mM(好ましくは4.0〜6.0mM)のdNTPが挙げられる。また、逆転写酵素がサンプルに含まれる場合には、例えばサンプル25μl当たり逆転写酵素1.0〜10U(好ましくは4.0〜6.0U)とする。
さらに、本発明に係る方法では、準備したサンプルをLAMPに供することで、増幅産物を産生する。LAMPの条件としては、例えば、温度60℃〜65℃(好ましくはWSDV、IHHNV及びYHVについては63℃、TSVについては60℃)で15〜80分(好ましくは20〜60分)が挙げられる。
LAMP後のサンプルを各検出手段に供することで、サンプル中の増幅産物を検出することできる。例えば、サンプルをアガロースゲル/エチジウムブロマイド電気泳動に供することにより、目視により増幅産物を検出することができる。また、サンプルを濁度計に供することで、濁度を指標として増幅産物を検出することができる。さらに、サンプルをLAMPに供する際にリアルタイム濁度測定装置を用いて、リアルタイムで濁度を測定することで、増幅産物を検出することができる。このように検出した増幅産物の有無により、上述した甲殻類病原性ウイルス感染の有無を判断することができる。
また、陽性対照サンプル(例えば、増幅対象の標的配列を含むプラスミドを含む)を、様々な核酸濃度でリアルタイム濁度測定装置(例えば、栄研化学株式会社製のリアルタイム濁度測定装置(LA-200))を用いたLAMPに供する。得られた各核酸濃度サンプルの濁度を縦軸とし、当該核酸濃度を横軸とすることで、検量線を作成する。次いで、当該検量線に対して、LAMP後の検体用核酸を含むサンプルの濁度を比較することで、定量的に増幅産物(すなわち、ウイルス量)を検出することができる。
以上に説明した本発明によれば、高感度で甲殻類病原性ウイルスを検出することができる。また、本発明ではLAMPを用いることで、増幅ステップが一定温度で一定時間であるので、変性、アニーリング及び増幅の段階のサイクルを行うPCRと比較して簡便である。
さらに、本発明によれば、定量的に甲殻類病原性ウイルスを検出でき、感染の程度を知ることができる。このことによって、上述した甲殻類病原性ウイルスの蔓延防止や病気の予防に本発明は貢献することができる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕LAMP法によるWSDVの検出(以下、「WSDV-LAMP」という)
1.材料及び方法
PrimerExplorer V4(https://primerexplorer.jp/lamp4.0.0/index.html)により、WSDVのゲノムDNA(GenBank accession number: AF369029)の塩基番号55000〜55279(配列番号21)に対するLAMP用プライマーを作製した。設計したプライマーは以下の(1)〜(6)のプライマーである。以下で説明するLAMPでは、当該(1)〜(6)のプライマーから成るプライマーセットを使用した。
(1) FIP:TCCGTCTTCAGGGAATACATATGCTCAGGGAAGAAATAGACCATG(配列番号1)
(2) BIP:GGACCCAAATCGAAATATAAGGCCTATGTTGCCCAAGATCCAC(配列番号2)
(3) F3 primer:AAACACCGGATGGGCTAA(配列番号3)
(4) B3 primer:CAAGGCAATACAGAATGCG(配列番号4)
(5) LF primer:GTTAAGAATGATGCATCTAGTGCGA(配列番号5)
(6) LB primer:TGGAACAAAAGATGCTGCTCA(配列番号6)
次いで、WSDV感染エビよりDNAを抽出し、得られたDNAを鋳型とし、且つ上記プライマーセットを用いたWSDV-LAMPにおける最適反応温度の検討を行った。LAMPは、試薬としてLoopamp DNA増幅試薬キット(栄研化学株式会社)を用いて、当該試薬のプロトコールに従った。具体的には、緩衝液・dNTP混液(12.5μl)、FIP/BIP(40pmol)(1.0μl)、F3 primer/B3 primer(5pmol)(1.0μl)、LF primer/LB primer(20pmol)(1.0μl)、BST DNA polymerase(1.0μl)、dH2O(3.5μl)及び鋳型DNA(2μl)を加え、計25 μlとした反応液をリアルタイム濁度測定装置(LA-200)に供し、60℃、63℃又は65℃で60分間反応させた。
また、WSDV感染エビ、IHHNV感染エビ及び健常エビからそれぞれ得たDNAを用いて、上記プライマーセットを用いたWSDV-LAMPの特異性について検討した。LAMPは、上記と同様の反応液を作製し、当該反応液をサーマルサイクラー(MyCycler)(BIO RAD)に供し最適条件(63℃)下で反応した後、95℃で2分間加熱し、その後反応を停止させることで行った。次いで、2%アガロースゲル/エチジウムブロマイド電気泳動により各増幅産物のラダーの有無を確認した。
さらに、定量LAMPのスタンダード系列作製のために、上記のF3 primer及びB3 primerを用い、上記WSDV-LAMPでの標的遺伝子配列を含むプラスミドの構築を行った。プラスミドのコピー数を、以下の方法に基づき算出し、1×106〜1×1010(copies/μl)のプラスミド溶液を作製した。
1μl当たりのコピー数=OD260測定で得られたプラスミド濃度(ng/μl)/プラスミド分子量×6.02×1014(copies/μl)
得られたプラスミド溶液を鋳型とし、上記と同様に反応液を作製し、当該反応液をリアルタイム濁度測定装置に供することで、定量WSDV-LAMPにおける検量線の作成を行った。
2.結果
図5は、WSDV-LAMPにおける反応温度の検討結果を示す。図5において、横軸は反応時間(分)を示し、縦軸は濁度(O.D.)を示す。
図5に示すように、最適な反応温度を検討した結果、63℃において約20分間の反応で最も迅速な反応が確認された。
図6は、WSDV-LAMPの特異性に関する電気泳動写真である。各レーンは、以下の通りである。Marker:分子量マーカー、WSDV:WSDV感染エビ由来DNAを鋳型として含有するサンプル、IHHNV:IHHNV感染エビ由来DNAを鋳型として含有するサンプル、Healthy: 健常エビ由来DNAを鋳型として含有するサンプル、Negative:陰性対照サンプル(鋳型DNAを含有しないサンプル)
図6に示すように、WSDV-LAMPの特異性について検討した結果、WSDV感染エビ由来のDNAにのみ陽性反応が確認され、IHHNV感染エビ又は健常エビ由来のDNAにおいて反応は認められなかった。
図7は、定量WSDV-LAMPにおける検量線を示す。図7(A)は、上記WSDV-LAMPでの標的遺伝子配列を含むプラスミドの各コピー数を用いたLAMPの結果を示す。図7(A)において、横軸は反応時間(分)を示し、縦軸は濁度(O.D.)を示す。一方、図7(B)は、図7(A)の結果に基づいて作成した定量WSDV-LAMPの検量線を示す。図7(B)において、横軸は上記プラスミドのコピー数を示し、縦軸は閾値時間(分)を示す。
図7に示すように、1×106〜1×1010(copies/μl)のプラスミド溶液を鋳型としたリアルタイムLAMP法により、定量WSDV-LAMPにおける検量線が作成された。
〔実施例2〕LAMP法によるIHHNVの検出(以下、「IHHNV-LAMP」という)
1.材料及び方法
PrimerExplorer V4により、IHHNVのゲノムDNA(GenBank accession number: AF218266)の塩基番号901〜1110(配列番号22)に対するLAMP用プライマーを作製した。設計したプライマーは以下のの(1)〜(4)のプライマーである。以下で説明するLAMPでは、当該(1)〜(4)のプライマーから成るプライマーセットを使用した。
(1) FIP:GAAAACTGGAACAGTTCTTCAGACAAATCAAGACCCTAAACCCAC(配列番号7)
(2) BIP:ACGAGGAAGACAACTCTCAAACTGTTATCCACGCAGACCTTAG(配列番号8)
(3) F3 primer:TCTCCAAGCCTTCTCACC(配列番号9)
(4) B3 primer:TCCCTCTCGAATTCCCAG(配列番号10)
次いで、IHHNV感染エビよりDNAを抽出し、得られたDNAを鋳型とし、且つ上記プライマーセットを用いたIHHNV-LAMPにおける最適反応温度の検討を行った。LAMPは、試薬としてLoopamp DNA増幅試薬キット(栄研化学株式会社)を用いて、当該試薬のプロトコールに従った。具体的には、緩衝液・dNTP混液(12.5μl)、FIP/BIP(40pmol)(1.0μl)、F3 primer/B3 primer(5pmol)(1.0μl)、BSTDNA polymerase(1.0μl)、dH2O(5.5μl)及び鋳型DNA(2μl)を加え、計25μlとした反応液をリアルタイム濁度測定装置(LA-200)に供し、60℃、63℃又は65℃で80分間反応させた。
また、IHHNV感染エビ、WSDV感染エビ及び健常エビからそれぞれ得たDNAを用いて、上記プライマーセットを用いたIHHNV-LAMPの特異性について検討した。LAMPは、上記と同様の反応液を作製し、当該反応液をサーマルサイクラー(MyCycler)(BIO RAD)に供し最適条件(63℃)下で反応した後、95℃で2分間加熱し、その後反応を停止させることで行った。次いで、2%アガロースゲル/エチジウムブロマイド電気泳動により各増幅産物のラダーの有無を確認した。
さらに、定量LAMPのスタンダード系列作製のために、新たに設計したプライマーIHHNV682F(CATTCTACCGTGGTGCTTCA:配列番号25)及びIHHNV1670R(GCTCTGGCAGCAAAGGTAAC:配列番号26)を用い、上記IHHNV-LAMPでの標的遺伝子配列を含むプラスミドの構築を行った。プラスミドのコピー数は、実施例1に記載の方法に準じて算出し、1×107〜1×1010(copies/μl)のプラスミド溶液を作製した。
得られたプラスミド溶液を鋳型とし、上記と同様に反応液を作製し、当該反応液をリアルタイム濁度測定装置に供することで、定量IHHNV-LAMPにおける検量線の作成を行った。
2.結果
図8は、IHHNV-LAMPにおける反応温度の検討結果を示す。図8において、横軸は反応時間(分)を示し、縦軸は濁度(O.D.)を示す。
図8に示すように、最適な反応温度を検討した結果、63℃において約45分間の反応で最も迅速な反応が確認された。
図9は、IHHNV-LAMPの特異性に関する電気泳動写真である。各レーンは、以下の通りである。Marker:分子量マーカー、IHHNV:IHHNV感染エビ由来DNAを鋳型として含有するサンプル、WSDV:WSDV感染エビ由来DNAを鋳型として含有するサンプル、Healthy: 健常エビ由来DNAを鋳型として含有するサンプル、Negative:陰性対照サンプル(鋳型DNAを含有しないサンプル)
図9に示すように、IHHNV-LAMPの特異性について検討した結果、IHHNV感染エビ由来のDNAにのみ陽性反応が確認され、WSDV感染エビ又は健常エビ由来のDNAにおいて反応は認められなかった。
図10は、定量IHHNV-LAMPにおける検量線を示す。図10(A)は、上記IHHNV-LAMPでの標的遺伝子配列を含むプラスミドの各コピー数を用いたLAMPの結果を示す。図10(A)において、横軸は反応時間(分)を示し、縦軸は濁度(O.D.)を示す。一方、図10(B)は、図10(A)の結果に基づいて作成した定量IHHNV-LAMPの検量線を示す。図10(B)において、横軸は上記プラスミドのコピー数を示し、縦軸は閾値時間(分)を示す。
図10に示すように、1×107〜1×1010(copies/μl)のプラスミド溶液を鋳型としたリアルタイムLAMP法により、定量IHHNV-LAMPにおける精度の高い検量線が作成された。
〔実施例3〕LAMP法によるYHVの検出(以下、「YHV-LAMP」という)
1.材料及び方法
PrimerExplorer V4により、YHVの構造糖タンパク質遺伝子(GenBank accession number: AF540644)の塩基番号1501〜1750(配列番号23)に対するLAMP用プライマーを作製した。設計したプライマーは以下の(1)〜(6)のプライマーである。以下で説明するLAMPでは、当該(1)〜(6)のプライマーから成るプライマーセットを使用した。
(1) FIP:GACGTGTGGATGCATAAATTTCATGTATCAAATTTTCCTTGAACCTGG(配列番号11)
(2) BIP:CGATTGCCGTTACAACATGATGTTGGAATGGTCTCATGAAGG(配列番号12)
(3) F3 primer:TTCCGTAATGCCGGTGAT(配列番号13)
(4) B3 primer:AACGCTAGGAGTATAACCG(配列番号14)
(5) LF primer:AGGTATGTTCTACCGAGCCAG(配列番号15)
(6) LB primer:TGGTATAAACCTCGGAGATGACG(配列番号16)
次いで、YHV感染エビよりRNAを抽出し、得られたRNAを逆転写酵素に対する鋳型とし、且つ上記プライマーセットを用いたYHV-LAMPにおける最適反応温度の検討を行った。LAMPは、試薬としてLoopamp RNA増幅試薬キット(RT-LAMP)(栄研化学株式会社)を用いて、当該試薬のプロトコールに従った。具体的には、緩衝液・dNTP混液(12.5μl)、FIP/BIP(40pmol)(1.0μl)、F3 primer/B3 primer(5pmol)(1.0μl)、LF primer/LB primer(20pmol)(1.0μl)、Enzyme Mix(BST DNA polymeraseとAMV reverse transcriptaseの混合物)(1.0μl)、dH2O(3.5μl)及び鋳型RNA(2μl)を加え、計25μlとした反応液をリアルタイム濁度測定装置(LA-200)に供し、60℃、63℃又は65℃で60分間反応させた。
また、YHV感染エビ及びTSV感染エビからそれぞれ得たRNA並びに健常エビから得たRNAを用いて、上記プライマーセットを用いたYHV-LAMPの特異性について検討した。LAMPは、上記と同様の反応液を作製し、当該反応液をサーマルサイクラー(MyCycler)(BIO RAD)に供し最適条件(63℃)下で反応した後、95℃で2分間加熱し、その後反応を停止させることで行った。次いで、2%アガロースゲル/エチジウムブロマイド電気泳動により各増幅産物のラダーの有無を確認した。
さらに、定量LAMPのスタンダード系列作製のために、新たに設計したYHV560F(CTGTTGCCCATGATAGACATA:配列番号27)及びB3 primerを用い、上記YHV-LAMPでの標的遺伝子配列を含むプラスミドの構築を行った。プラスミドのコピー数は、実施例1に記載の方法に準じて算出し、1×106〜1×1010(copies/μl)のプラスミド溶液を作製した。
得られたプラスミド溶液を鋳型とし、上記と同様に反応液(ただし、逆転写酵素を含まない)を作製し、当該反応液をリアルタイム濁度測定装置に供することで、定量YHV-LAMPにおける検量線の作成を行った。
2.結果
図11は、YHV-LAMPにおける反応温度の検討結果を示す。図11において、横軸は反応時間(分)を示し、縦軸は濁度(O.D.)を示す。
図11に示すように、最適な反応温度を検討した結果、63℃において約20分間の反応で最も迅速な反応が確認された。
図12は、YHV-LAMPの特異性に関する電気泳動写真である。各レーンは、以下の通りである。Marker:分子量マーカー、YHV:YHV感染エビ由来RNAを鋳型として含有するサンプル、TSV:TSV感染エビ由来RNAを鋳型として含有するサンプル、Healthy:健常エビ由来RNAを鋳型として含有するサンプル、Negative:陰性対照サンプル(鋳型RNAを含有しないサンプル)
図12に示すように、YHV-LAMPの特異性について検討した結果、YHV感染エビ由来RNAにのみ陽性反応が確認され、TSV感染エビ由来RNA又は健常エビ由来のRNAにおいて反応は認められなかった。
図13は、定量YHV-LAMPにおける検量線を示す。図13(A)は、上記YHV-LAMPでの標的遺伝子配列を含むプラスミドの各コピー数を用いたLAMPの結果を示す。図13(A)において、横軸は反応時間(分)を示し、縦軸は濁度(O.D.)を示す。一方、図13(B)は、図13(A)の結果に基づいて作成した定量YHV-LAMPの検量線を示す。図13(B)において、横軸は上記プラスミドのコピー数を示し、縦軸は閾値時間(分)を示す。
図13に示すように、1×106〜1×1010(copies/μl)のプラスミド溶液を鋳型としたリアルタイムLAMP法により、定量YHV-LAMPにおける検量線が作成された。
〔実施例4〕LAMP法によるTSVの検出(以下、「TSV-LAMP」という)
1.材料及び方法
PrimerExplorer V4により、TSVの外被タンパク質遣伝子(GenBank accession number: AF277378)の塩基番号471〜700(配列番号24)に対するLAMP用プライマーを作製した。設計したプライマーは以下の(1)〜(4)のプライマーである。以下で説明するLAMPでは、当該(1)〜(4)のプライマーから成るプライマーセットを使用した。
(1) FIP:AGTTCATCTCAATGCCAGGAAATGAAGACATCAATTATTCGACGC(配列番号17)
(2) BIP:GCAGTCTGAAGCTCGAGCTATTGTTATTCACATTTCTGGGGTT(配列番号18)
(3) F3 primer:TGGAATAAGATGAATGCTAAGC(配列番号19)
(4) B3 primer:GACTCAGAACGGAAAGCC(配列番号20)
次いで、TSV感染エビよりRNAを抽出し、得られたRNAを逆転写酵素に対する鋳型とし、且つ上記プライマーセットを用いたTSV-LAMPにおける最適反応温度の検討を行った。LAMPは、試薬としてLoopamp RNA増幅試薬キット(RT-LAMP)(栄研化学株式会社)を用いて、当該試薬のプロトコールに従った。具体的には、緩衝液・dNTP混液(12.5μl)、FIP/BIP(40pmol)(1.0μl)、F3 primer/B3 primer(5pmol)(1.0μl)、Enzyme Mix(BST DNA polymeraseとAMV reverse transcriptaseの混合物)(1.0μl)、dH2O(5.5μl)及び鋳型RNA(2μl)を加え、計25μlとした反応液をリアルタイム濁度測定装置(LA-200)に供し、60℃、63℃又は65℃で60分間反応させた。
また、TSV感染エビ及びYHV感染エビからそれぞれ得たRNA並びに健常エビから得たRNAを用いて、上記プライマーセットを用いたTSV-LAMPの特異性について検討した。LAMPは、上記と同様の反応液を作製し、当該反応液をサーマルサイクラー(MyCycler)(BIO RAD)に供し最適条件(60℃)下で反応した後、95℃で2分間加熱し、その後反応を停止させることで行った。次いで、2%アガロースゲル/エチジウムブロマイド電気泳動により各増幅産物のラダーの有無を確認した。
さらに、定量LAMPのスタンダード系列作製のために、F3 primer及び新たに設計したTSV1791R(TGGAGCACGCGTTACTGAAA:配列番号28)を用い、TSV-LAMPでの標的遺伝子配列を含むプラスミドの構築を行った。プラスミドのコピー数は、実施例1に記載の方法に準じて算出し、1×106〜1×1010(copies/μl)のプラスミド溶液を作製した。
得られたプラスミド溶液を鋳型とし、上記と同様に反応液(ただし、逆転写酵素を含まない)を作製し、当該反応液をリアルタイム濁度測定装置に供することで、定量TSV-LAMPにおける検量線の作成を行った。
2.結果
図14は、TSV-LAMPにおける反応温度の検討結果を示す。図14において、横軸は反応時間(分)を示し、縦軸は濁度(O.D.)を示す。
図14に示すように、最適な反応温度を検討した結果、60℃において約20分間の反応で最も迅速な反応が確認された。
図15は、TSV-LAMPの特異性に関する電気泳動写真である。各レーンは、以下の通りである。Marker:分子量マーカー、TSV:TSV感染エビ由来RNAを鋳型として含有するサンプル、YHV:YHV感染エビ由来RNAを鋳型として含有するサンプル、Healthy:健常エビ由来RNAを鋳型として含有するサンプル、Negative:陰性対照サンプル(鋳型RNAを含有しないサンプル)
図15に示すように、TSV-LAMPの特異性について検討した結果、TSV感染エビ由来RNAにのみ陽性反応が確認され、YHV感染エビ由来RNA又は健常エビ由来のRNAにおいて反応は認められなかった。
図16は、定量TSV-LAMPにおける検量線を示す。図16(A)は、上記TSV-LAMPでの標的遺伝子配列を含むプラスミドの各コピー数を用いたLAMPの結果を示す。図16(A)において、横軸は反応時間(分)を示し、縦軸は濁度(O.D.)を示す。一方、図16(B)は、図16(A)の結果に基づいて作成した定量TSV-LAMPの検量線を示す。図16(B)において、横軸は上記プラスミドのコピー数を示し、縦軸は閾値時間(分)を示す。
図16に示すように、1×106〜1×1010(copies/μl)のプラスミド溶液を鋳型としたリアルタイムLAMP法により、定量TSV-LAMPにおける検量線が作成された。
本発明に係るLAMPにおけるWSDV検出用プライマーセットに含まれる各プライマーのWSDVゲノムDNAに対するアニーリング位置を示す模式図である。 本発明に係るLAMPにおけるIHHNV検出用プライマーセットに含まれる各プライマーのIHHNVゲノムDNAに対するアニーリング位置を示す模式図である。 本発明に係るLAMPにおけるYHV検出用プライマーセットに含まれる各プライマーのYHV構造糖タンパク質遺伝子に対するアニーリング位置を示す模式図である。 本発明に係るLAMPにおけるTSV検出用プライマーセットに含まれる各プライマーのTSV外被タンパク質遺伝子に対するアニーリング位置を示す模式図である。 WSDV-LAMPにおける反応温度の検討結果を示す特性図である。 WSDV-LAMPの特異性に関する電気泳動写真である。 定量WSDV-LAMPにおける検量線を示す特性図である。 IHHNV-LAMPにおける反応温度の検討結果を示す特性図である。 IHHNV-LAMPの特異性に関する電気泳動写真である。 定量IHHNV-LAMPにおける検量線を示す特性図である。 YHV-LAMPにおける反応温度の検討結果を示す特性図である。 YHV-LAMPの特異性に関する電気泳動写真である。 定量YHV-LAMPにおける検量線を示す特性図である。 TSV-LAMPにおける反応温度の検討結果を示す特性図である。 TSV-LAMPの特異性に関する電気泳動写真である。 定量TSV-LAMPにおける検量線を示す特性図である。

Claims (18)

  1. 配列番号1〜4に示される塩基配列を有する4つのプライマーを含む、環状型等温増幅反応における急性ウイルス血症原因ウイルス検出用プライマーセット。
  2. 配列番号5及び6に示される塩基配列を有する2つのプライマーをさらに含む、請求項1記載のプライマーセット。
  3. 請求項1又は2記載のプライマーセットを含む、環状型等温増幅反応における急性ウイルス血症原因ウイルス検出用試薬キット。
  4. 請求項1又は2記載のプライマーセットと検体用核酸とを含有するサンプルを環状型等温増幅反応に供する工程と、
    前記環状型等温増幅反応によって増幅産物が産生されたか否かを検出する工程と、
    を含む、環状型等温増幅反応における急性ウイルス血症原因ウイルス検出方法。
  5. 前記検出が定量的検出であることを特徴とする、請求項4記載の方法。
  6. 配列番号7〜10に示される塩基配列を有する4つのプライマーを含む、環状型等温増幅反応における伝染性皮下造血器壊死症ウイルス検出用プライマーセット。
  7. 請求項6記載のプライマーセットを含む、環状型等温増幅反応における伝染性皮下造血器壊死症ウイルス検出用試薬キット。
  8. 請求項6記載のプライマーセットと検体用核酸とを含有するサンプルを環状型等温増幅反応に供する工程と、
    前記環状型等温増幅反応によって増幅産物が産生されたか否かを検出する工程と、
    を含む、環状型等温増幅反応における伝染性皮下造血器壊死症ウイルス検出方法。
  9. 前記検出が定量的検出であることを特徴とする、請求項8記載の方法。
  10. 配列番号11〜14に示される塩基配列を有する4つのプライマーを含む、環状型等温増幅反応におけるイエローヘッド病原因ウイルス検出用プライマーセット。
  11. 配列番号15及び16に示される塩基配列を有する2つのプライマーをさらに含む、請求項10記載のプライマーセット。
  12. 請求項10又は11記載のプライマーセットを含む、環状型等温増幅反応におけるイエローヘッド病原因ウイルス検出用試薬キット。
  13. 請求項10又は11記載のプライマーセットと検体用核酸とを含有するサンプルを環状型等温増幅反応に供する工程と、
    前記環状型等温増幅反応によって増幅産物が産生されたか否かを検出する工程と、
    を含む、環状型等温増幅反応におけるイエローヘッド病原因ウイルス検出方法。
  14. 前記検出が定量的検出であることを特徴とする、請求項13記載の方法。
  15. 配列番号17〜20に示される塩基配列を有する4つのプライマーを含む、環状型等温増幅反応におけるタウラ症候群原因ウイルス検出用プライマーセット。
  16. 請求項15記載のプライマーセットを含む、環状型等温増幅反応におけるタウラ症候群原因ウイルス検出用試薬キット。
  17. 請求項15記載のプライマーセットと検体用核酸とを含有するサンプルを環状型等温増幅反応に供する工程と、
    前記環状型等温増幅反応によって増幅産物が産生されたか否かを検出する工程と、
    を含む、環状型等温増幅反応におけるタウラ症候群原因ウイルス検出方法。
  18. 前記検出が定量的検出であることを特徴とする、請求項17記載の方法。
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