JP2016016952A - ラベル作成具 - Google Patents

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Abstract

【課題】文字などの記載部分の耐久性を高め、使い勝手を向上させたラベル作成具を提供する。
【解決手段】ラベル作成具1は、インクで記載された剥離可能な記載物を粘着テープ33の粘着面に転写してラベルを作成するものであって、粘着テープ33をロール状に巻回したロール体30が回転自在に支持される第1軸部12と、第1軸部12に支持されたロール体30から引き出された粘着テープ33の粘着面が貼着可能であり、インクによって記載物が記載される筆記面15aと、筆記面15aに対向して形成され、載置面に載置される底部15bと、を備え、底部15bから筆記面15aまでの厚さは10mm以下である。
【選択図】図2

Description

本発明は、ラベル作成具に関する。
従来、このような分野の技術として、特開平10−291719号公報がある。この公報に記載されたラベル作成具は、ケース内に設けられたリールによってテープが回転自在に支持され、ケースには、リールから離れた位置にカッター部が設けられている。そして、ケースの上面には、リールとカッター部との間に仮接着部が配置され、この仮接着部には、テープから引き出された部分がテープの粘着部によって仮接着される。このような状態で、仮接着部上に配置されたテープの表面に油性マーカー等で文字や図形等を記載し、記載後に仮接着部からテープを剥がし、テープを記載分だけ引き出してカッター部でテープをカットする。このようにして、所望のラベルを簡単に作り出すことができる。
特開平10−291719号公報
しかしながら、前述した従来のラベル作成具では、例えば、文字などがラベルの表面に記載されているので、擦れにより文字などの記載部分が消え易く、記載部分の耐久性が乏しくなるなど使い勝手が悪いという問題があった。
本発明は、文字などの記載部分の耐久性を高め、使い勝手を向上させたラベル作成具を提供することを目的とする。
本発明のラベル作成具は、インクで記載された剥離可能な記載物を粘着テープの粘着面に転写してラベルを作成するラベル作成具であって、粘着テープをロール状に巻回したロール体が回転自在に支持される軸部と、軸部に支持されたロール体から引き出された粘着テープの粘着面が貼着可能であり、インクによって記載物が記載される筆記面と、筆記面に対向して形成され、載置面に載置される底部と、を備え、底部から筆記面までの厚さは10mm以下であることを特徴とする。
このようなラベル作成具では、インクによって記載物が記載される筆記面に対して、ロール体から引き出された粘着テープの粘着面が貼着可能となっている。そのため、剥離可能な記載物が記載された筆記面に粘着テープが貼着されることで、粘着テープの粘着面側に記載物が転写される。粘着テープの粘着面側に記載物が転写されているため、粘着テープを所望の場所に貼着した際に、記載物は粘着テープに被覆されることになり、擦れなどによって記載物が消えることがない。また、底部から筆記面までの厚さが10mm以下となっていることで、載置面(例えば机など)から筆記面までの距離も10mm以下となる。この場合、載置面と筆記面との高さの差が小さくなっていることで、載置面と筆記面との高さの差が大きい場合に比べて、筆記面に記載物を記載しやすくなる。よって、このようなラベル作成具によれば、文字などの記載部分の耐久性が高まり、使い勝手が向上する。
また、ロール体から引き出された粘着テープにおける粘着面と反対の面に当接し、粘着テープをカットするカッター部をさらに備えてもよい。これによれば、粘着テープの粘着面がカッター部に接触しない状態で粘着テープをカットすることができるため、粘着テープをカットしやすい。
また、ロール体から引き出された粘着テープが筆記面に貼着された状態で、粘着テープが貼着された位置よりも基端側の位置で粘着テープの粘着面に貼着可能な第1仮留め部をさらに備え、引き出された粘着テープがカッター部と第1仮留め部とによって挟持可能な構成であってもよい。これによれば、粘着テープが貼着された位置よりも基端側の位置で粘着テープをカットできるため、カットする際に粘着テープをさらに引き出す必要がない。また、カットされた粘着テープがロール体に巻き戻ってしまうことが抑制される。
また、ロール体から引き出された粘着テープが仮留め部に貼着された状態で、第1仮留め部の位置よりも先端側の位置で粘着テープの粘着面に貼着可能な第2仮留め部をさらに備えてもよい。これによれば、第1仮留め部に仮留めされた粘着テープのさらに先端側も仮留めすることができ、カットされた粘着テープを適切に保持することができる。
また、筆記面には、筆記面から底部に向かって切欠部が形成されてもよい。これによれば、筆記面に貼着された粘着テープを剥がす際に、切欠部を覆う部分を起点にすることができ、使い勝手が向上する。
また、ラベル作成具は、粘着テープがロール状に巻回されたロール体を回転自在に支持する第1軸部が形成された第1ケースと、第1軸部に対して回転可能に嵌合される第2軸部が形成された第2ケースと、を備え、第1ケースには、ロール体から引き出された粘着テープの粘着面が貼着される筆記面と、筆記面に対向して形成され、載置面に載置される底部とが形成された板状部が突設され、板状部の基端には前記ロール体から引き出された粘着テープの粘着面に貼着可能な仮留め部が形成され、第2ケースは、ロール体から引き出された粘着テープにおける粘着面と反対の面に当接して粘着テープをカットするカッター部を有し、第2軸部の第1軸部に対する回転は、カッター部が仮留め部に当接することで規制され、底部から筆記面までの厚さは10mm以下であることを特徴とする。
このようなラベル作成具よれば、底部から筆記面までの厚さが10mm以下となっていることで、載置面から筆記面までの距離も10mm以下となる。この場合、載置面と筆記面との高さの差が小さくなっていることで、載置面と筆記面との高さの差が大きい場合に比べて、筆記面に記載物を記載しやすくなる。また、板状部の基端に形成された仮止め部に対してカッター部が当接することができる。これにより、筆記面が形成された板状部の基端で粘着テープをカットできるため、粘着テープをカットする際に粘着テープをさらに引き出す必要がない。
本発明によれば、文字などの記載部分の耐久性を高め、使い勝手を向上させたラベル作成具を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るラベル作成具の斜視図である。 ラベル作成具の分解斜視図である。 ラベル作成具における軸部の断面図である。 (a)は、ラベル作成具が閉じている状態を示す縦断面図である。(b)は、ラベル作成具が開いている状態を示す縦断面図である。 (a)〜(d)は、ラベル作成具の使用方法の手順を示す模式図である。
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。便宜上、実質的に同一の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図1及び図2に示されるように、ラベル作成具1は、文字等の記載及び粘着テープ33の切断に耐えうる強度を有する材料によって形成される、第1ケース10及び第2ケース20を備えている。ラベル作成具1の材料としては、例えば樹脂、金属等を用いることができ、具体的には、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ABS樹脂、AS樹脂等の樹脂や、アルミニウム、ステンレス等の金属などが挙げられる。本実施形態では、第1ケース10及び第2ケース20が一体となって構成されるケース状のラベル作成具1の内側にロール体30が収容される(例えば、図5参照)。ロール体30は、筒状の軸心31に対して、透明な粘着テープ33が粘着面を内側としてロール状に巻回されたものであり、任意の長さの粘着テープ33を引き出すことが可能である。また、ラベル作成具1は、内側のロール体30の減り具合が分かるように構成されるものであり、本実施形態では、第2ケース20が透明又は半透明の材料で形成されることでラベル作成具1の外側からロール体30が見えるようになっている。
図2に示されるように、第1ケース10は、板状に形成された側壁部11と、この側壁部11から一側面側に突出するように設けられる第1軸部12、周壁部13及び底板部14とを備えている。本実施形態では、ラベル作成具1がロール体30全体を収容する構成である。そのため、側壁部11は、ロール体30の収容が予定される略円形状の第1部分11aと、ロール体30から引き出された粘着テープ33の収容が予定される第2部分11bとを備えている。なお、本実施形態では、側壁部11が略涙滴型となっている。
第1軸部12は、ロール体30を回転自在に支持するものであり、略円筒状をなしている。第1軸部12の軸の中心は、側壁部11における第1部分11aの円の中心と一致している。第1軸部12の外径は軸心31の内径より小さく、第1軸部12の軸方向の長さは軸心31の軸方向の長さより長くなるように設計される。第1軸部12の基端側には、第1軸部12を全周にわたって囲む環状の段部12aが側壁から突出するように設けられている。この段部12aは、ロール体30と側壁部11とのスペーサとして機能する。
周壁部13は、第1軸部12の軸方向における長さと略同じ長さだけ側壁部11から突出して形成される。周壁部13は、側壁部11における第1部分11aの縁の一部に沿って円弧状に形成されている。周壁部13の周方向の一方側の端部13aには、周壁部13の端部13aを基端として、周壁部13と同じ長さだけ側壁部11から突出した板状の底板部14が連続して形成されている。
底板部14は、その基端側が側壁部11の縁に沿って直線状に形成されており、その先端側はそのまま連続して形成されることで外方に向かって突設された状態となっている。この突設された部分(以下、特に底板部14と区別して説明する場合には「板状部15」とする)の一方側の面(上面)は筆記面15aとなっており、筆記面15aに対向する他方側の面(下面)は底部15bとなっている。
筆記面15aは、筆記面15aから剥離可能な記載物(文字など)を記載するためのものであり、インクを吸収しないように平滑に仕上げられている。そのため、筆記面15aは、記載された記載物を認識しやすいことが好ましく、本実施形態では白色のような高い明度を有している。記載物は、例えば、筆記面15aから剥離可能な成分を有するインクを備えた筆記具A(図5参照)によって記載される。この筆記具Aのインクには、例えば、溶剤(主にアルコール)と顔料と樹脂と剥離剤とを主成分とし、均質な状態で混ざり合ったものが用いられる。このようなインクを用いた場合、筆記面15aにインクで記載物を記載すると、筆記面15a上のインクの溶剤が揮発し、樹脂が顔料分をつなぐバインダーの役割を果たすことで、顔料の皮膜が形成される。このとき、皮膜は筆記面15aから浮き上がり、剥離剤だけが筆記面15aに付着している状態になる。ここで、筆記面15aには、第1軸部に支持されたロール体30から引き出された粘着テープ33を、粘着テープ33が捩れない状態で貼着することができる。粘着テープ33の粘着面は、筆記面15aに対するインクの付着力より強い粘着力をもっている。そのため、粘着テープ33が筆記面15aに貼着されると、粘着テープ33の粘着面に記載物が転写される。なお、粘着テープ33は筆記面15aにおける幅方向の所定の範囲に貼着されるものであり、筆記面15aの両端縁に貼着されることは想定されていない。
図2に示されるように、筆記面15aの幅方向の一方側の端縁には、筆記面15aの基端側と先端側との2か所に、筆記面15aから底部15bに向かう切欠部15c,15dが形成されている。切欠部15c,15dは、所定の深さを有する段部であり、例えば0.5mm程度の深さとなっている。また、切欠部15c,15dは、筆記面15aにおける粘着テープ33が貼着される範囲と一部重複するようになっている。このような構成により、筆記面15aに粘着テープ33が貼着された場合には、粘着テープ33の縁が切欠部15c,15dの一部を覆うことになり、切欠部15c,15dと粘着テープ33の粘着面との間に間隙Sが形成される(図5(c)参照)。
底板部14において、板状部15の基端の位置には第1仮留め部16が形成されている。第1仮留め部16は、底板部14の幅方向全域にわたって形成されており、底板部14の上面(底部15bと反対側の面)から突出して設けられている。この第1仮留め部16の幅方向の一端は、側壁部11の第2部分11bに連続している。このように形成された第1仮留め部16は、ロール体30から引き出された粘着テープ33の粘着面に貼着可能となっている。
また、底板部14において、第1仮留め部16の位置よりも先端側の位置には、第2仮留め部17が形成されている。第2仮留め部17は、底板部14の幅方向全域にわたって形成されており、底板部14の上面から突出して設けられている。この第2仮留め部17の幅方向の一端は、側壁部11の第2部分11bに連続している。第2仮留め部17は第1仮留め部16よりも突出の度合いが小さくなっている。このように形成された第2仮留め部17は、ロール体30から引き出された粘着テープ33の粘着面に貼着可能となっている。ロール体30から引き出された粘着テープ33が第1仮留め部16に貼着された状態で、粘着テープ33の先端側を第2仮留め部17に貼着させると、引き出された粘着テープ33が略一直線状となる。
また、底板部14において、筆記面15aの先端の位置には、第3仮留め部18が形成されている。第3仮留め部18は、筆記面15aの幅方向全域にわたって形成されており、底板部14の上面から突出して設けられている。この第3仮留め部18は第2仮留め部17と同程度の突出の度合いとなっている。このように形成された第3仮留め部18は、ロール体30から引き出された粘着テープ33が筆記面15aに貼着された状態で、粘着テープ33先端に貼着可能となっている。
底板部14は、基端、中央及び先端にそれぞれ幅方向に延びるリブ14a,14b,14cを備えている。また、図4に示されるように、底板部14は、幅方向の一方側において長さ方向に延びるリブ14dを備えている。ラベル作成具1を机等の載置面に載置する場合には、これらのリブ14a〜14dが載置面に当接することになる。なお、本実施形態では、幅方向の一方側のみに長さ方向に延びるリブ14dが形成されているが、リブ14dは幅方向の他方側にも形成されてよい。
底部15bにおけるリブ14a〜14dの端部から筆記面15aまでの厚さT(換言すると載置面から筆記面15aまでの高さ)は、筆記具Aを持った手の小指の付け根が載置面に接した状態で、筆記具Aの先端(ペン先)が筆記面15aを不自由なく移動できる程度となっており、例えば10mm以下となっており、より好ましくは7mm以下となっている。載置面から筆記面15aまでの高さが低ければ、より自然な状態で筆記面15aに記載物を書くことができるため、リブ14a〜14dの端部から筆記面15aまでの厚さTはより薄いことが好ましい。本実施形態では、リブ14a〜14dの端部から筆記面15aまでの厚さTが約5mmとなっている。
図2に示されるように、第2ケース20は、板状に形成された側壁部21と、この側壁部21から一側面側に突出するように設けられる第2軸部22及び周壁部23とを備えている。側壁部21は、第1ケース10における側壁部11と対をなすものであり、側壁部11と略同じ形状を有する。側壁部21の他側面側には、湾曲した凹状の指当て部21aが形成されている。指当て部は滑り止めとして機能するもので、第2ケース20を回転させる際に指当て部21aに指を置くことで、第2ケース20を回転させ易くなっている。
第2軸部22は、第1軸部12に対して嵌合されものであり、第1軸部12と略同じ長さの略円筒状をなしている。第1軸部12と第2軸部22との嵌合によって第1ケース10と第2ケース20とが一体となって構成される。第2軸部22の外径は第1軸部12の内径より若干小さくなっており、第1軸部12の内側に第2軸部22が嵌合された状態で、第1軸部12と第2軸部22との間に若干のクリアランスが生じるようになっている。第2軸部22の基端側には、第1軸部12と第2軸部22とが嵌合された際に第1軸部12を全周にわたって囲むように、環状の段部22aが側壁から突出するように設けられている。この段部22aは、ロール体30と側壁部21とのスペーサとして機能する。第2軸部22の先端側には、第2軸部22を周方向に均等に分割する複数の溝22bが、軸方向に延びて形成されている。本実施形態では、溝が90°間隔で形成されており、第2軸部22の先端側が4つに分割されている。これにより、第2軸部22は、径方向に所定の弾性を有することになる。
図3に示されるように、第2軸部22の先端側の外周には、第1軸部12との係止のための溝22cが周方向に形成されている。また、第1軸部12の基端側の内側には、溝22cに対応する帯状の突起12cが周方向に形成されている。第1軸部12と第2軸部22とが嵌合したときには、溝22cと突起12cとが係合することで第1ケース10と第2ケース20とが外れ難くなっている。なお、ロール体30を取り換える場合のように、第1ケース10と第2ケース20とを分解する場合には、第2軸部22を径が小さくなるように押圧することで溝22cと突起12cとの係合を解除することができる。このような構成により、第2ケース20は第1ケース10に対して回転可能となっている。
周壁部23は、第1ケース10の周壁部13と略同じ長さだけ側壁部21から突出して形成される。図4に示されるように、周壁部23は、第1ケース10と第2ケース20とが嵌合された際に、第1ケース10の周壁部13及び底板部14に相対するように側壁部21の縁に略半周にわたって形成されている。これにより、ラベル作成具1においては、第1ケース10の周壁部13及び底板部14と、第2ケース20の周壁部23とによって側壁部21が囲繞されるため、第1ケース10の側壁部11、周壁部13及び底板部14と、第2ケース20の側壁部21及び周壁部23とによって、ロール体30を収容する空間が形成される。そして、ラベル作成具1は、第2ケース20の回転にともなって、ロール体30を収容する空間が閉じた閉状態(図4(a)参照)と空間が開いた開状態(図4(b)参照)とに変形することができる。
図4(b)に示されるように、ラベル作成具1を開状態にするときには、周壁部23の周方向一方側の端部23aが第1ケース10の底板部14の端部14e(実施形態ではリブの側面)に当接することで第2ケース20の回転が規制される。また、図4(a)に示されるように、ラベル作成具1を閉状態にするときには、周壁部23の周方向他方側の端部23bが第1ケース10の底板部14に当接することで第2ケース20の回転が規制される。本実施形態においては、周壁部23の周方向他端にカッター部24が形成されており、ラベル作成具1が閉状態のときには、このカッター部24が第1仮留め部16に当接するものである。より詳しくは、カッター部24は、ロール体30から引き出された粘着テープ33における粘着面と反対の面(背面)に当接して粘着テープ33をカットする刃部24aと、粘着テープ33のカットの位置より基端側(ロール体30側)の位置で粘着テープ33の背面に当接可能な当接部24bとを備えている。そして、この当接部24bが底板部14に形成された第1仮留め部16に当接されるものである。このとき、ロール体30から粘着テープ33が引き出されている状態では、カッター部24の当接部24bと第1仮留め部16とによって粘着テープ33が挟持されることになる。この閉状態においては、刃部24aが底板部14に当接することなく、刃部24aの先端と第2仮留め部17とに僅かな間隙が生じている。また、刃部24aの先端の位置は、第2仮留め部17の先端(載置された状態における上端)よりも筆記面15aに近くなっている。
図1に示されるように、周壁部23には、幅方向(第2軸部22の軸方向)に延びる突起状の指当て部23cが外周面側に向かって突出するように形成されている。指当て部23cは滑り止めとして機能するもので、第2ケース20を回転させる際に指当て部23cに指を当てることで、第2ケース20を回転させ易くなっている。
次に、図5を参照しながら本実施形態におけるラベル作成具1の使用方法について説明する。なお、第2ケース20は、透明又は半透明の材料によって形成されているため、第2ケース20側からロール体30及び第1ケース10の一部が透過して目視できるが、図5では、透過している部分について破線で表現している。
図5(a)は、筆記具Aによって筆記面15aに記載物が記載されているところを示したものである。この状態では、ロール体30及びロール体30から引き出された粘着テープ33はラベル作成具1の内側に収容されている。粘着テープ33の先端は、第2仮留め部17に貼着されている。また、粘着テープ33における先端より基端側の位置は、粘着面が第1仮留め部16に貼着されるとともに、背面が当接部24bに当接されることで、第1仮留め部16及び当接部24bによって挟持されている。
図5(b)は、筆記面15aに記載物が記載され終わった後の状態を示したものである。記載後は、第2ケース20が第1ケース10に対して矢印方向に回転されることで、ラベル作成具1が開状態とされる。そして、例えば、第1仮留め部16と第2仮留め部17との間の粘着テープ33が浮き上がっている部分がつままれて、ロール体30からさらに粘着テープ33が引き出される。粘着テープ33は、少なくとも記載物が記載されている位置の全てを覆う程度まで引き出される必要がある。粘着テープ33は、筆記面15aの上方の空間に引き出されるため、引き出された粘着テープ33の先端の位置と、記載物が記載されている位置との比較が容易となっている。
図5(c)は、ロール体30から引き出された粘着テープ33が記載物の記載された筆記面15aに貼着された状態を示したものである。図示例では、粘着テープ33が筆記面15aの先端まで貼着されている。第3仮留め部18よりも先端側となる粘着テープ33は、後工程での剥がしやすさのために、浮き上がった状態にされている。また、切欠部15c,15dの筆記面15a側は、粘着テープ33に覆われており、切欠部15c,15dと粘着テープ33との間に間隙Sが形成されている。なお、図面の見やすさのために、切欠部15c,15dのうち、筆記面15aに貼着された粘着テープ33を透過して視認できるはずの部分については、図5(c)では省略している。
筆記面15aに貼着された粘着テープ33には、筆記面15aに記載された剥離可能な記載物が転写されることになるが、記載物の状態や粘着テープ33の貼着の状態によっては、図示例のように指などで粘着テープ33の背面側を擦ってもよい。また、第1ケース10は図5(b)とは反対側(矢印方向)に回転されており、ラベル作成具1が閉状態となっている。これにより、粘着テープ33は、第1仮留め部16及び第2仮留め部17に貼着されるとともに、第1仮留め部16及び当接部24bによって挟持される。
図5(d)は、筆記面15aに記載された記載物が粘着テープ33の粘着面に転写された後に、粘着テープ33が筆記面15aから剥がされ、カッター部24によってカットされる様子を示したものである。粘着テープ33がカッター部24によってカットされると、カットされた粘着テープ33をラベルとして利用できる。図示例では、粘着テープ33の先端(第3仮留め部18より先端側で浮き上がっていた部分)がつままれて、粘着テープ33が剥がされている。粘着テープ33を剥がす場合には、粘着テープ33の先端側だけではなく、切欠部15c,15dと粘着テープ33との間隙Sから剥がし始めてもよい。特に、粘着テープ33を筆記面15aに貼着する際に先端側を浮き上がらせていない場合には、切欠部15c,15dと粘着テープ33との間隙Sを利用することで利便性が向上する。切欠部15c,15dは筆記面15aの先端側と基端側とにそれぞれ形成されているため、貼着された粘着テープ33の長さに応じていずれかを利用すればよい。粘着テープ33がカットされると、ロール体30及びロール体30から引き出された粘着テープ33がラベル作成具1の内側に収容された状態となる。この状態は、図5(a)と同じ状態であるため、そのまま次のラベル作成に取り掛かることができる。
以上、本実施形態によるラベル作成具1によれば、インクによって記載物が記載される筆記面15aに対して、ロール体30から引き出された粘着テープ33の粘着面が貼着可能となっている。そのため、剥離可能な記載物が記載された筆記面15aに粘着テープ33が貼着されることで、粘着テープ33の粘着面側に記載物が転写される。粘着テープ33の粘着面側に記載物が転写されているため、粘着テープ33を所望の場所に貼着した際に、記載物は粘着テープ33に被覆されることになり、擦れなどによって記載物が消えることがない。また、ラベル作成具1が載置面(例えば机など)に載置された状態で、載置面に当接する部分(底部15bにおけるリブ14a〜14dの端部)から筆記面15aまでの厚さTが10mm以下となっていることで、載置面から筆記面15aまでの距離も10mm以下となる。この場合、載置面と筆記面15aとの高さの差が小さくなっていることで、載置面と筆記面15aとの高さの差が大きい場合に比べて、筆記面15aに記載物を記載しやすくなる。よって、このようなラベル作成具1によれば、文字などの記載部分の耐久性が高まるとともに、使い勝手が向上する。
また、ロール体30から引き出された粘着テープ33の背面に当接するカッター部24によって粘着テープ33がカットされるため、粘着テープ33の粘着面がカッター部24に接触しない状態で粘着テープ33をカットすることができ、粘着テープ33をカットしやすい。
また、第1仮留め部16は、ロール体30から引き出された粘着テープ33が筆記面15aに貼着された状態で、筆記面15aよりも基端側(ロール体30側)の位置で粘着テープ33の粘着面に貼着可能となっており、カッター部24と第1仮留め部16とによって粘着テープ33が挟持可能となっている。そのため、粘着テープ33が貼着された位置よりも基端側の位置(板状部15の基端)で粘着テープ33をカットでき、カットする際に粘着テープ33をさらに引き出す必要がない。また、カットされた粘着テープ33がロール体30に巻き戻ってしまうことが抑制される。
また、第1仮留め部16の位置よりも先端側の位置で粘着テープ33の粘着面に貼着可能な第2仮留め部17を備えているため、第1仮留め部16に仮留めされた粘着テープ33のさらに先端側も仮留めすることができる。この位置は、カッター部24によって粘着テープ33がカットされたときに、粘着テープ33の先端となる。第2仮留め部17が形成されていない場合には、粘着テープ33がカットされたときに粘着テープ33の先端が浮いた状態となる。本実施形態では、第2仮留め部によって、粘着テープ33の先端が仮留めされるため、カット後の粘着テープ33が適切に保持される。
また、筆記面15aには、筆記面15aから下側の底部15bに向かって段部状の切欠部15c,15dが形成されているため、筆記面15aに貼着された粘着テープ33を剥がす際に、切欠部15c,15dを覆う部分を起点にすることができ、使い勝手が向上する。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形を適用できる。例えば、記載物が筆記具によって記載される文字等である例を示したが、これに限定されない。例えば、剥離可能なインクを用いたスタンプなどであってもよい。
また、転写された記載物が背面側から見えるように、粘着テープが透明である例を示したが、これに限定されず、例えば半透明であってもよい。ここで、「半透明」とは、透明に比べて光の透過性が低いものであり、記載物が記載された筆記面15a上に粘着テープ33が貼着された状態で、記載物が判読できることをいう。また、粘着テープは、無色に限らず、識別性を高めるために、赤、黄、青、若葉、黄緑、白、ピンクなどの有色でもよく、柄が入っていてもよい。
また、筆記面15aが白色である例を示したが、これに限定されず、白色以外のどのような色であってもよい。例えば、記載物として白色のような明度の高いものが想定される場合には、黒色のような明度の低い筆記面としてもよい。また、筆記面は透明であってもよい。この場合には、例えば下書きを筆記面の下に敷くことで、その下書きをなぞるようにして記載物を記載することができる。
また、切欠部15c,15dが板状部15の幅方向の一方側端縁のみに形成されている例を示したが、これに限定されず、切欠部は板状部15の幅方向の両端縁に形成されてもよい。この場合、一方側端縁に形成された切欠部と他方側端縁に形成された切欠部とで、長さ方向の位置をずらす構成としてもよい。
1…ラベル作成具、10…第1ケース、12…第1軸部(軸部)、15…板状部、15a…筆記面、15c,15d…切欠部、16…第1仮留め部、17…第2仮留め部、20…第2ケース、22…第2軸部、24…カッター部、30…ロール体、33…粘着テープ、T…厚さ。

Claims (6)

  1. インクで記載された剥離可能な記載物を粘着テープの粘着面に転写してラベルを作成するラベル作成具であって、
    前記粘着テープをロール状に巻回したロール体が回転自在に支持される軸部と、
    前記軸部に支持された前記ロール体から引き出された前記粘着テープの前記粘着面が貼着可能であり、前記インクによって前記記載物が記載される筆記面と、
    前記筆記面に対向して形成され、載置面に載置される底部と、を備え、
    前記底部から前記筆記面までの厚さは10mm以下であることを特徴とするラベル作成具。
  2. 前記ロール体から引き出された前記粘着テープにおける粘着面と反対の面に当接し、前記粘着テープをカットするカッター部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のラベル作成具。
  3. 前記ロール体から引き出された前記粘着テープが前記筆記面に貼着された状態で、前記粘着テープが貼着された位置よりも基端側の位置で前記粘着テープの粘着面に貼着可能な第1仮留め部をさらに備え、
    前記引き出された粘着テープが前記カッター部と前記第1仮留め部とによって挟持可能であることを特徴とする請求項2に記載のラベル作成具。
  4. 前記ロール体から引き出された前記粘着テープが前記第1仮留め部に貼着された状態で、前記第1仮留め部の位置よりも先端側の位置で前記粘着テープの粘着面に貼着可能な第2仮留め部をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載のラベル作成具。
  5. 前記筆記面には、前記筆記面から前記底部に向かって切欠部が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のラベル作成具。
  6. 粘着テープがロール状に巻回されたロール体を回転自在に支持する第1軸部が形成された第1ケースと、前記第1軸部に対して回転可能に嵌合される第2軸部が形成された第2ケースと、を備え、
    前記第1ケースには、前記ロール体から引き出された前記粘着テープの粘着面が貼着される筆記面と、前記筆記面に対向して形成され、載置面に載置される底部とが形成された板状部が突設され、
    前記板状部の基端には前記ロール体から引き出された前記粘着テープの粘着面に貼着可能な仮留め部が形成され、
    前記第2ケースは、前記ロール体から引き出された前記粘着テープにおける前記粘着面と反対の面に当接して前記粘着テープをカットするカッター部を有し、
    前記第2軸部の前記第1軸部に対する回転は、前記カッター部が前記仮留め部に当接することで規制され、
    前記底部から前記筆記面までの厚さは10mm以下であることを特徴とするラベル作成具。
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