JP2016016951A - 紙管及び衛生紙ロール - Google Patents

紙管及び衛生紙ロール Download PDF

Info

Publication number
JP2016016951A
JP2016016951A JP2014141675A JP2014141675A JP2016016951A JP 2016016951 A JP2016016951 A JP 2016016951A JP 2014141675 A JP2014141675 A JP 2014141675A JP 2014141675 A JP2014141675 A JP 2014141675A JP 2016016951 A JP2016016951 A JP 2016016951A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
side base
base paper
surface side
spiral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014141675A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6441597B2 (ja
Inventor
石田 和人
Kazuto Ishida
和人 石田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daio Paper Corp
Original Assignee
Daio Paper Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daio Paper Corp filed Critical Daio Paper Corp
Priority to JP2014141675A priority Critical patent/JP6441597B2/ja
Publication of JP2016016951A publication Critical patent/JP2016016951A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6441597B2 publication Critical patent/JP6441597B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Sanitary Thin Papers (AREA)
  • Storage Of Web-Like Or Filamentary Materials (AREA)
  • Paper (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、十分な強度を備えるスパイラル紙管、さらには生産効率が高く潰れ難い衛生紙ロールを提供することを課題とする。【解決手段】本発明に係るスパイラル紙管は、外面側基紙及び内面側基紙を接着剤により互いに貼り合わせつつ螺旋状に巻き付けて形成され、衛生紙ロールの巻芯として用いられるスパイラル紙管であって、上記外面側基紙及び内面側基紙が片艶紙であり、上記外面側基紙の艶面と上記内面側基紙の艶面とを貼り合わせることを特徴とする。上記外面側基紙及び内面側基紙がクラフトパルプを含む原料パルプを抄紙して形成されることが好ましく、上記原料パルプ中のクラフトパルプの含有量としては、50質量%以上100質量%以下が好ましく、上記外面側基紙及び内面側基紙の坪量としては、100g/m2以上180g/m2以下が好ましく、上記接着剤の塗工量としては、3g/m2以上10g/m2以下が好ましい。【選択図】図3

Description

本発明は、紙管及び衛生紙ロールに関する。
例えばトイレットペーパー、キッチンペーパー等のウェブ状の衛生紙を紙製の巻芯の周囲に巻き付けた衛生紙ロールが市販されている。このような衛生紙ロールの巻芯としては、衛生紙ロールの潰れを防止できるよう十分な強度を備えるものが求められる。
上記衛生紙ロール用の巻芯として、複数の基紙を螺旋状に巻き付けて形成したスパイラル紙管が使用されている。このようなスパイラル紙管としては、2枚の基紙を接着剤により互いに貼り合わせつつ螺旋状に巻き付けて形成される2層構造のスパイラル紙管がある(特開2011−105340号公報参照)。
特開2011−105340号公報に記載のスパイラル紙管は、外面側基紙及び内面側基紙として2枚の片艶紙を使用し、内面側基紙の非艶面と外面側基紙の艶面とを貼り合わせて形成している。しかしながら、内面側基紙の非艶面と外面側基紙の艶面とを貼り合わせたスパイラル紙管では、2枚の基紙を貼り合わせる接着剤の種類や塗工量によっては十分な強度が得られないという問題がある。
特開2011−105340号公報
上記問題点に鑑みて、本発明は、十分な強度を備えるスパイラル紙管、さらには生産効率が高く潰れ難い衛生紙ロールを提供することを課題とする。なお、本願においてスパイラル紙管の「強度」とは、径方向の押し潰し力に対する「潰れ強度」等の機械的強度を主に意図する。
上記課題を解決するためになされた本発明は、外面側基紙及び内面側基紙を接着剤により互いに貼り合わせつつ螺旋状に巻き付けて形成され、衛生紙ロールの巻芯として用いられるスパイラル紙管であって、上記外面側基紙及び内面側基紙が片艶紙であり、上記外面側基紙の艶面と上記内面側基紙の艶面とを貼り合わせることを特徴とする。
当該スパイラル紙管は、片艶紙からなる外面側基紙及び内面側基紙の艶面同士を貼り合わせて形成されているので、接着剤が2枚の基紙の艶面の表層にアンカー力を発揮できる程度に僅かに浸透するに留まり、深層には浸透し難く、少ない接着剤でも2枚の基紙の間を埋めることができる。このため、2枚の基紙の接着に接着ムラができ難く、貼り合わせた紙管の強度が大きくなる。また、当該スパイラル紙管は、外周面及び内周面に非艶面を有するので、衛生紙を巻き付ける際に衛生紙の始端を接着するための接着剤の非艶面への浸透が多くなり、衛生紙への浸透を低く抑えられるため、衛生紙への過度の接着剤の付着を防止できると共に外周面への均一な塗布が容易であり、かつ当該スパイラル紙管をマンドレルシャフトに巻き付けて形成する際にマンドレルシャフトとの滑り性を向上させるための滑剤の内周面への一様な塗布が可能で、衛生紙ロールの生産効率向上に寄与することができる。
上記外面側基紙及び内面側基紙が50質量%以上100質量%以下のクラフトパルプを含む原料パルプを抄紙して形成され、上記外面側基紙及び内面側基紙の坪量がそれぞれ100g/m以上180g/m以下であり、上記接着剤の塗工量が3g/m以上10g/m以下であるとよい。このように低坪量の片艶クラフト紙を使用しながら接着剤の使用量を少なくすることにより、外面側基紙及び内面側基紙の艶面同士を貼り合わせることで大きな強度を得られ、生産効率が高く潰れ難い効果が顕著となる。
抄紙薬品として内添サイズ剤を含有し、動的液体浸透性測定装置により測定した艶面の浸透特性曲線のピーク出現時間が0.1秒以上2秒以下であるとよい。このように、内添サイズ剤を含有し、上記浸透特性曲線のピーク出現時間が上記範囲内であることにより、接着剤の基紙への浸透を必要最小限とし、少ない接着剤で十分な接着強度が得られる。
上記外面側基紙及び内面側基紙の艶面のベック平滑度が40秒以上100秒以下であり、上記外面側基紙及び内面側基紙の非艶面のベック平滑度が5秒以上20秒以下であり、上記外面側基紙及び内面側基紙の密度が0.5g/cm以上1.0g/cm以下であるとよい。このように、基紙の平滑度及び密度を上記範囲とすることによって、艶面への接着剤の浸透を抑制しながら、非艶面の十分な浸透性を確保できる。
また、本発明による衛生紙ロールは、上記スパイラル紙管と、このスパイラル紙管の周囲に巻き付けられているウェブ状の衛生紙とを備えることを特徴とする。
当該衛生紙ロールは、上記スパイラル紙管が大きな強度を有するので、潰れ難く高い生産性を提供できる。また、当該衛生紙ロールは、スパイラル紙管の外周面が外面側基紙の非艶面により構成されているので、衛生紙の一端をスパイラル紙管に接着する接着剤の均一な塗工が容易であり、衛生紙の接着性を向上できるため生産効率が高く、より安価に提供できる。
上記衛生紙がトイレットペーパーであり、上記スパイラル紙管の外周面に香料が含浸しているとよい。当該衛生紙ロールは、スパイラル紙管の外周面が外面側基紙の非艶面により構成されているので、スパイラル紙管が香料の含浸性に優れ、非艶面に香料を留めることにより香料の過剰な揮発を抑制して長時間に亘って香りを維持できる。
ここで、「艶面」とは、抄紙後の乾燥工程においてヤンキードライヤーに当接した面をいい、「非艶面」とは、その反対側の面をいう。「質量%」とは、乾燥質量の割合である。「坪量」とは、JIS−P−8124(2011)に準拠して測定される値である。「塗工量」とは、塗工された接着剤等の単位面積当たりの乾燥質量の値である。「動的液体浸透性測定装置により測定した艶面の浸透特性曲線のピーク出現時間」とは、例えばEmtec社の「SURFACE AND SIZING TESTER(EST−12)」を使用して超音波透過強度として測定される液体浸透性の軌跡において液体浸透性が最大値を示す時間である。また、「ベック平滑度」とは、JIS−P−8119(1998)に準拠して測定される値である。「密度」とは、JIS−P−8118(1998)に準拠して測定される値である。
本発明のスパイラル紙管は、上述のように、外面側基紙及び内面側基紙の艶面同士を貼り合わせて形成されるので、比較的大きな強度を有する。また、本発明の衛生紙ロールは、上記スパイラル紙管を巻芯として使用するので、潰れ難く、高い生産性を提供できる。
本発明の一実施形態のスパイラル紙管を示す模式的斜視図である。 図1のスパイラル紙管の製造方法を示す模式的平面図である。 図1のスパイラル紙管の層構造を示す模式的断面図である。 本発明のスパイラル紙管の外面側基紙及び内面側基紙浸透特性曲線を例示する図である。 図1のスパイラル紙管を備える衛生紙ロールの模式的斜視図である。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。
[スパイラル紙管]
図1のスパイラル紙管1は、公知のラングストン装置によって、図2に模式的に示すように、円柱状のマンドレルシャフトSの上で、外面側基紙2及び内面側基紙3を接着剤4により互いに貼り合わせつつ螺旋状に巻き付けて形成される。このスパイラル紙管1は、例えばトイレットペーパーロール、キッチンペーパーロール等の衛生紙ロールの巻芯として用いられる。
当該スパイラス紙管1の潰れ強度としては、1.0kg/cm以上3.0kg/cm以下が好ましい。潰れ強度が上記下限に満たない場合、当該スパイラル紙管1が衛生紙を巻き付ける際に潰れやすくなるおそれがある。また、潰れ強度が上記上限を超える場合、当該スパイラル紙管1の強度が必要以上に大きくなり、断裁加工等の加工に対する適性が低下するおそれがある。なお、「潰れ強度」とは、スパイラル紙管を定盤の上に中心軸が水平となるよう寝かせて載置し、先端に平面形状が円形で面積が1cmの平治具を取り付けたプッシュプルゲージにより、スパイラル紙管を長さ方向中心位置において垂直に押し潰し、プッシュプルゲージの先端を元のスパイラル紙管中心軸位置まで押し込んだ(径方向に半分に押し潰した)時の圧力として測定される値である。
<基紙>
外面側基紙2は、片艶紙であり、艶面2aと非艶面2bとを有する。また、内面側基紙3も、片艶紙であって、艶面3aと非艶面3bとを有する。当該スパイラル紙管1は、図3に示すように、外面側基紙2の艶面2aと内面側基紙3の艶面3aとを貼り合わせて形成される。
外面側基紙2及び内面側基紙3は、クラフトパルプを含む原料パルプ含有するパルプスラリーを抄紙して、ヤンキードライヤーを用いて乾燥することによって形成される。外面側基紙2と内面側基紙3とは、同一の条件で抄紙したものであってもよく、異なる条件で抄紙したものであってもよい。上記パルプスラリーには、種々の抄紙薬品を配合してもよい。また、外面側基紙2及び内面側基紙3は、いわゆる多層抄きの紙であってもよい。
外面側基紙2及び内面側基紙3の原料パルプ中のクラフトパルプとしては、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹半晒クラフトパルプ(LSBKP)、針葉樹半晒クラフトパルプ(NSBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)等が挙げられ、これらの1種又は複数種を用いることができる。
上記クラフトパルプ以外の原料パルプとしては、ストーングランドパルプ(SGP)、加圧ストーングランドパルプ(PGW)、リファイナーグランドパルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミグランドパルプ(CGP)、砕木パルプ(GP)等の機械パルプ、茶古紙、クラフト封筒古紙、雑誌古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、段ボール古紙、上白古紙、ケント古紙、模造古紙、地券古紙等から製造される離解古紙パルプ、離解・脱墨古紙パルプ、離解・脱墨・漂白古紙パルプ、あるいはケナフ、麻、葦等の非木材繊維から製造されたパルプ等が挙げられ、これらの1種又は複数種を用いることができる。
外面側基紙2及び内面側基紙3の原料パルプ中のクラフトパルプの含有量の下限としては、50質量%が好ましく、70質量%がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。一方、原料パルプ中のクラフトパルプの含有量の上限としては、100質量%である。原料パルプ中のクラフトパルプの含有量が上記下限に満たない場合、外面側基紙2及び内面側基紙3の強度等を所望の範囲内とすることができず、結果として当該スパイラル紙管1の強度が不十分となるおそれがある。
また、上記クラフトパルプとしては、針葉樹クラフトパルプを含むことがより好ましい。外面側基紙2及び内面側基紙3の原料パルプ中の針葉樹クラフトパルプの含有量の下限としては、20質量%が好ましく、30質量%がより好ましい。一方、外面側基紙2及び内面側基紙3の原料パルプ中の針葉樹クラフトパルプの含有量の上限としては特に限定されない。上記原料パルプ中の針葉樹クラフトパルプの含有量が上記下限に満たない場合、外面側基紙2及び内面側基紙3ひいては当該スパイラル紙管1の強度が不十分となるおそれがある。
外面側基紙2及び内面側基紙3は、pH調整剤、サイズ剤、紙力増強剤、染料、スライムコントロール剤、ピッチコントロール剤、消泡剤等の抄紙薬品を含んでもよい。
外面側基紙2及び内面側基紙3は、抄紙薬品として特に内添サイズ剤(パルプスラリーに添加されるサイズ剤)を含有することが好ましい。内添サイズ剤は、外面側基紙2及び内面側基紙3の吸湿を抑制し、当該スパイラル紙管1の吸湿による強度低下を抑制する。
サイズ剤としては、例えば、ロジン系サイズ剤、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水琥珀酸等が挙げられ、これらの1種又は複数種を用いることができる。特に、ヤンキードライヤーの熱により原料パルプ繊維の表面にサイズ剤の被膜を形成しやすいロジンエマルジョン型サイズ剤が好適に用いられる。表面サイズ剤の併用も可能であるが、非艶面への接着剤の適度な浸透性を得るために、内填サイズ剤でサイズ効果を調整することが好ましい。
パルプスラリーにおけるサイズ剤の添加量の下限としては、原料パルプに対して0.1質量%が好ましく、0.2質量%がより好ましい。一方、上記サイズ剤の添加量の上限としては、原料パルプ100質量部に対して0.5質量%が好ましく、0.4質量%がより好ましい。上記サイズ剤の添加量が上記下限に満たない場合、外面側基紙2及び内面側基紙3の艶面への接着剤の浸透性が大きくなり、当該スパイラル紙管1の強度が不十分とおそれがある。また、上記サイズ剤の添加量が上記上限を超える場合、外面側基紙2の非艶面への接着剤の浸透性が小さくなり、当該スパイラル紙管1に衛生紙の始端を確実に接着できなくなるおそれがある。
紙力増強剤としては、カチオン澱粉、酸化澱粉、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、スチレンマレイン酸系共重合体等の乾燥紙力増強剤や、ポリアミドエピクロロヒドリン等の湿潤紙力増強剤が挙げられ、これらの1種又は複数種を用いることができる。
また、外面側基紙2の非艶面2b及び内面側基紙3の非艶面3bには、滑りを阻害しない範囲で表面処理剤を塗工してもよい。
外面側基紙2及び内面側基紙3の坪量の下限としては、100g/mが好ましく、120g/mがより好ましい。一方、外面側基紙2及び内面側基紙3の坪量の上限としては、180g/mが好ましく、170g/mがより好ましい。外面側基紙2及び内面側基紙3の坪量が上記下限に満たない場合、外面側基紙2及び内面側基紙3ひいては当該スパイラル紙管1の強度が不十分となるおそれがある。また、外面側基紙2及び内面側基紙3の坪量が上記上限を超える場合、外面側基紙2及び内面側基紙3ひいては当該スパイラル紙管1の強度が必要以上に大きくなり、断裁加工等の加工に対する適性が低下するおそれがある。
外面側基紙2の艶面2a及び内面側基紙3の艶面3aの浸透特性曲線(液体浸透性の時間変化であって、液体浸透性の値のピーク値を100%として示すもの)が、図4に例示するように、ピークを有するよう一旦上昇してから下降することが好ましい。外面側基紙2の艶面2a及び内面側基紙3の艶面3aの浸透特性曲線のピーク出現時間の下限としては、0.1秒が好ましく、0.3秒がより好ましい。一方、外面側基紙2の艶面2a及び内面側基紙3の艶面3aの浸透特性曲線のピーク出現時間の上限としては、2秒が好ましく、1.5秒がより好ましい。艶面2a及び艶面3aの浸透特性曲線のピーク出現時間が上記下限に満たない場合、外面側基紙2と内面側基紙3とを貼り合わせるための接着剤が艶面2a及び艶面3aに過度に浸透しやすく、外面側基紙2と内面側基紙3との接着強度が不十分となるおそれや、接着剤の必要量が過大となるおそれがある。また、艶面2a及び艶面3aの浸透特性曲線のピーク出現時間が上記上限を超える場合、外面側基紙2及び内面側基紙3に接着剤が浸透し難いため、艶面2a及び艶面3aの接着剤に対する接着性が不十分となり、当該スパイラル紙管1が衛生紙を巻き付ける際に潰れやすくなるおそれがある。
外面側基紙2の非艶面2b及び内面側基紙3の非艶面3bの浸透特性曲線としては、図4に合わせて例示するように、単調減少することが好ましい。外面側基紙2の非艶面2bの浸透特性曲線が単調減少することによって、当該スパイラル紙管1の外周面に香料等を染み込ませることができる。また、内面側基紙3の非艶面3bの浸透特性曲線が単調減少することによって、当該スパイラル紙管1の製造時にマンドレルシャフトSとの滑り性を向上させるための滑剤を内面側基紙3の非艶面3bに一様に塗布することが可能である。
外面側基紙2の艶面2a及び内面側基紙3の艶面3aのベック平滑度の下限としては、40秒が好ましく、50秒がより好ましい。一方、外面側基紙2の艶面2a及び内面側基紙3の艶面3aのベック平滑度の上限としては、100秒が好ましく、90秒がより好ましい。艶面2a及び艶面3aのベック平滑度が上記下限に満たない場合、艶面2a及び艶面3aに接着剤が浸透しやすく、外面側基紙2と内面側基紙3との十分な接着強度を得るために必要とされる接着剤の量が多くなるおそれがある。また、艶面2a及び艶面3aのベック平滑度が上記上限を超える場合、艶面2a及び艶面3aに対する接着剤の接着強度が不十分となり、当該スパイラル紙管1の強度が不十分となるおそれがある。
外面側基紙2の非艶面2bのベック平滑度の下限としては、5秒が好ましく、8秒がより好ましい。一方、外面側基紙2の非艶面2bのベック平滑度の上限としては、20秒が好ましく、15秒がより好ましい。外面側基紙2の非艶面2bのベック平滑度が上記下限に満たない場合、当該スパイラル紙管1に衛生紙の始端を接着するための接着剤が外面側基紙2に過度に浸透しやすく、接着不良により当該スパイラル紙管1の生産性が低下するおそれや、多量の接着剤が必要となるおそれがある。また、外面側基紙2の非艶面2bのベック平滑度が上記上限を超える場合、衛生紙の始端を接着するための接着剤の外面側基紙2への浸透性が低く、やはり接着不良により当該スパイラル紙管1の生産性が低下するおそれがある。
内面側基紙3の非艶面3bのベック平滑度の下限としては、5秒が好ましく、8秒がより好ましい。一方、内面側基紙3の非艶面3bのベック平滑度の上限としては、20秒が好ましく、15秒がより好ましい。内面側基紙3の非艶面3bのベック平滑度が上記下限に満たない場合、当該スパイラル紙管1を製造する際に、マンドレルシャフトSとの滑り性を確保するための滑剤が内面側基紙3の内部に浸透して、内面側基紙3のマンドレルシャフトSに対する滑りが不十分となり、当該スパイラル紙管1の生産性が低下するおそれがある。また、内面側基紙3の非艶面3bのベック平滑度が上記上限を超える場合、マンドレルシャフトSとの密着性が上がることとなり、滑り性を確保するために必要とされる滑剤の塗工量が増えることにより、当該スパイラル紙管の製造コストが増大するおそれがある。
外面側基紙2及び内面側基紙3の密度の下限としては、0.5g/cmが好ましく、0.6g/cmがより好ましい。一方、外面側基紙2及び内面側基紙3の密度の上限としては、1.0g/cmが好ましく、0.9g/cmがより好ましい。外面側基紙2及び内面側基紙3の密度が上記下限に満たない場合、艶面2a及び艶面3aに接着剤が浸透しやすく、外面側基紙2と内面側基紙3との十分な接着強度を得るために必要とされる接着剤の量が多くなるおそれがある。また、外面側基紙2及び内面側基紙3の密度が上記上限を超える場合、外面側基紙2及び内面側基紙3ひいては当該スパイラル紙管1の強度が必要以上に大きくなり、断裁加工等の加工に対する適性が低下するおそれがある。
外面側基紙2の非艶面2b及び内面側基紙3の非艶面3bの接触時間2分で測定したコッブ吸水度の下限としては、30g/mが好ましく、40g/mがより好ましい。一方、外面側基紙2の非艶面2b及び内面側基紙3の非艶面3bの接触時間2分で測定したコッブ吸水度の上限としては、70g/mが好ましく、50g/mがより好ましい。非艶面2b及び非艶面3bの上記コッブ吸水度が上記下限に満たない場合、紙管を古紙としてリサイクルする際にパルプ繊維が離解し難くなるおそれがある。また、非艶面2b及び非艶面3bの上記コッブ吸水度が上記上限を超える場合、当該スパイラル紙管1に衛生紙の始端を接着するための接着剤の使用量が過度に多くなるおそれや、接着不良により衛生紙ロールの生産性が低下するおそれがある。なお、「コッブ吸水度」とは、JIS−P−8140(1998)に準拠して測定される値である。
<接着剤>
接着剤4としては、水にバインダーを溶解した水溶性接着剤が使用される。バインダーとしては、水溶性バインダー、ラテックス系バインダー等が使用できる。水溶性バインダーとしては、例えば、ゼラチン、アルブミン、カゼイン等のプロテイン類、α化澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース類等のセルロース類、寒天、アルギン酸、アラビアゴムなどの水溶性天然高分子化合物、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、マレイン酸共重合体等の水溶性合成高分子化合物などが挙げられる。ラテックス系バインダーとしては、例えばスチレンブタジエンラテックス、アクリロニトリル・ブタジエンラテックス、アクリル酸エステル系ラテックス、酢酸ビニル系ラテックス、塩化ビニリデン系ラテックス、メチルメタクリレート・ブタジエンラテックス、及びこれらのカルボキシ変性ラテックスなどが挙げられる。これらの中でも、当該スパイラル紙管1を古紙としてリサイクルする際に水に溶解しやすい澱粉類が好ましい。
当該スパイラル紙管1における接着剤4の塗工量の下限としては、3g/mが好ましく、5g/mがより好ましい。一方、当該スパイラル紙管1における接着剤4の塗工量の上限としては、10g/mが好ましく、8g/mがより好ましい。当該スパイラル紙管1における接着剤4の塗工量が上記下限に満たない場合、外面側基紙2と内面側基紙3との接着が不十分となり当該スパイラル紙管1の強度が不足するおそれがある。また、当該スパイラル紙管1における接着剤4の塗工量が上記上限を超える場合、当該スパイラル紙管1のコストが不必要に増大するおそれがある。
<スパイラル紙管の製造方法>
当該スパイラル紙管1の製造方法は、外面側基紙2及び内面側基紙3を構成する片艶紙を形成する工程と、外面側基紙2及び内面側基紙3を貼り合わせて紙管に成形する工程とを備える。
(片艶紙形成工程)
片艶紙形成工程は、パルプスラリーを調製する工程と、調製したパルプスラリーを抄紙する工程と、抄紙された紙を加圧して搾水する工程と、搾水した紙をヤンキードライヤーで乾燥する工程とを有する。
〔パルプスラリー調製工程〕
パルプスラリー調製工程では、クラフトパルプを含む原料パルプを水に分散し、抄紙薬品を添加することによって、パルプスラリーを調製する。
〔抄紙工程〕
抄紙工程では、調製したパルプスラリーを金網により抄紙する。
〔搾水工程〕
搾水工程では、抄紙された紙を圧搾して水分を搾り取る。
〔乾燥工程〕
乾燥工程では、ヤンキードライヤーにより、搾水された紙を例えば12%以下の含水率に乾燥する。このとき、紙のヤンキードライヤーに当接した面が艶面となる。
(紙管成形工程)
紙管成形工程は、上記片艶紙形成工程で得られた片艶紙を、外面側基紙2及び内面側基紙3とし、外面側基紙2の艶面2a又は内面側基紙3の艶面3aに接着剤4を塗工する工程と、内面側基紙3の非艶面2bに滑剤(ワックス又は油)を塗工する工程と、外面側基紙2及び内面側基紙3を円柱状のマンドレルシャフトSに螺旋状に巻き付けることによって外面側基紙2及び内面側基紙3を貼り合わせる工程と、外面側基紙2及び内面側基紙3とが張り合わされた筒状体を所定の長さに切断する工程とを有する。
〔接着剤塗工工程〕
接着剤塗工工程では、外面側基紙2の艶面2a又は内面側基紙3の艶面3aに外面側基紙2と内面側基紙3とを貼り合わせるための接着剤4を塗工する。
〔滑剤塗工工程〕
滑剤塗工工程では、内面側基紙3の非艶面3bに、マンドレルシャフトSに対する滑りを向上させる滑剤を塗布する。この滑剤としては、例えば流動パラフィン等が挙げられる。また、滑剤の塗工量としては、例えば0.005g/m以上0.05g/m以下とされる。
〔貼り合わせ工程〕
貼り合わせ工程では、マンドレルシャフトSに内面側基紙3及び外面側基紙2を螺旋状に巻き付けることにより、両者を互いに張り合わせて長尺の筒状体を連続的に形成する。このとき、形成される筒状体は、マンドレルシャフトSから軸方向に引き抜かれる。
〔切断工程〕
切断工程では、連続的に形成されて伸長する上記筒状体を所定の長さに切断することによって、当該スパイラル紙管1を形成する。
[衛生紙ロール]
図5の衛生紙ロールは、上記スパイラル紙管1と、このスパイラル紙管1の周囲に巻き付けられているウェブ状の衛生紙5とを備える
<衛生紙>
衛生紙5としては、例えばトイレットペーパー、キッチンペーパー等が挙げられる。
当該衛生紙ロールにおいて、衛生紙5の始端は、スパイラル紙管1の外周面、つまり外面側基紙2の非艶面2bに接着剤により接着される。
このようにスパイラル紙管1に衛生紙5を巻き始める際に塗布される接着剤としては、水にバインダーを溶解した水溶性接着剤が使用される。バインダーとしては、水溶性バインダー、ラテックス系バインダー等が使用できる。水溶性バインダーとしては、例えば、ゼラチン、アルブミン、カゼイン等のプロテイン類、α化澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース類などのセルロース類、寒天、アルギン酸、アラビアゴムなどの水溶性天然高分子化合物、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、マレイン酸共重合体などの水溶性合成高分子化合物などが挙げられる。ラテックス系バインダーとしては、スチレンブタジエンラテックス、アクリロニトリル・ブタジエンラテックス、アクリル酸エステル系ラテックス、酢酸ビニル系ラテックス、塩化ビニリデン系ラテックス、メチルメタクリレート・ブタジエンラテックス及びこれらのカルボキシ変性ラテックス等が挙げられる。これらの中でも、当該スパイラル紙管1を古紙としてリサイクルする際に水に溶解しやすい澱粉類が好ましい。
当該スパイラル紙管1に衛生紙5を巻き始める際に塗布される接着剤の塗布量としては、0.2g/m以上0.6g/m以下が好ましい。上記接着剤の塗布量が上記下限に満たない場合、衛生紙5の始端が剥がれることにより当該衛生紙ロールの製造効率が低下するおそれがある。また、上記接着剤の塗布量が上記上限を超える場合、衛生紙に接着剤が浸透し過ぎるために衛生紙同士が貼りつき衛生紙を一般消費者が使用する際に問題が発生する。
また、当該衛生紙ロールにおいて、スパイラル紙管1の外周面、つまり外面側基紙2の非艶面2bには、香料が含浸していてもよい。
<利点>
当該スパイラル紙管1は、外面側基紙2の艶面2aと内面側基紙3の艶面3aとを接着剤4により接着して形成されるので、接着剤4の外面側基紙2及び内面側基紙3への浸透が少ない。これにより、当該スパイラル紙管1は、接着剤4の使用量を減じて安価に製造できると共に、外面側基紙2及び内面側基紙3が堅固に接着されて大きな強度を備える。
また、当該スパイラル紙管1は、内周に内面側基紙3の非艶面3bが配置されるので、貼り合わせ工程におけるマンドレルシャフトS上での滑り性を確保するための滑剤を均一に塗布することが容易である。これにより、当該スパイラル紙管1は、生産効率が向上し、より安価に提供できる。
また、当該スパイラル紙管1は、接着剤の使用量が少なく、溶解して古紙としてリサイクルしやすい。
また、当該衛生紙ロールは、上記スパイラル紙管1の周囲、つまり外面側基紙2の非艶面2bに衛生紙5を巻き付けて形成されるので、衛生紙5の始端を巻き初めに衛生紙5の始端をスパイラル紙管1に接着するための接着剤の塗布が容易かつ確実である。これにより、当該衛生紙ロールは、生産効率が高く、安価に提供できる。
また、外面側基紙2の非艶面2bは、適度な吸水性を有する。このため、外面側基紙2の非艶面2bに香料等を含浸させることによって当該衛生紙ロールに香りを付けることが容易であり、かつ外面側基紙2の非艶面2bが香料を緩慢に揮発させるので当該衛生紙ロールの香りが長持ちする。
[その他の実施形態]
上記実施形態は、本発明の構成を限定するものではない。従って、上記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて上記実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらはすべて本発明の範囲に属するものと解釈されるべきである。
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。
(基紙)
外面側基紙及び内面側基紙として、同一の配合のパルプスラリーを抄紙して形成された片艶紙を用意した。
基紙の原料パルプとしては、カナダ標準ろ水度が600mLの針葉樹晒クラフトパルプ30質量%と、カナダ標準ろ水度が450mLの広葉樹晒クラフトパルプ70質量%とを使用した。「カナダ標準ろ水度」とは、JIS−P−8121−2(2012)に準拠して測定される値である。
上記原料パルプを溶解したパルプスラリーには、内添サイズ剤、pH調整剤及び紙力増強剤を添加した。
内添サイズ剤としては、酸性ロジンサイズ剤を原料パルプに対して0.3質量%添加した。
pH調整剤としては、硫酸バンドを使用して、パルプスラリーのpHを5.0に調整した。
紙力増強剤としては、ポリアクリルアミド系紙力増強剤を原料パルプに対して0.08質量%添加した。
上記パルプスラリーを抄紙して、坪量が160g/cmの内面側基紙及び坪量が140g/cmの外面側基紙を得た。
この内面側基紙及び外面側基紙の艶面及び非艶面のベック平滑度をJIS−P−8119(1998)に準拠して測定した。この結果、内面側基紙は、艶面のベック平滑度が43秒であり、非艶面のベック平滑度が8秒であった。一方、外面側基紙は、艶面のベック平滑度が46秒であり、非艶面のベック平滑度が10秒であった。
また、内面側基紙及び外面側基紙の密度をJIS−P−8118(1998)に準拠して測定した。この結果、内面側基紙の密度は0.80g/cmであり、外面側基紙の密度は0.81g/cmであった。
(実施例1〜3)
表1に示すように、上記内面側基紙の艶面と外面側基紙の艶面とを塗工量3g/mの接着剤により張り合わせつつ螺旋状に巻き付けることによって、2層構造のスパイラル紙管の実施例1を得た。また、上記内面側基紙の艶面と外面側基紙の艶面とを塗工量6g/mの接着剤により張り合わせつつ螺旋状に巻き付けることによってスパイラル紙管の実施例2を得た。さらに、上記内面側基紙の艶面と外面側基紙の艶面とを塗工量10g/mの接着剤により張り合わせつつ螺旋状に巻き付けることによってスパイラル紙管の実施例3を得た。
(比較例1〜4)
また、上記内面側基紙の艶面と外面側基紙の非艶面とを塗工量3g/mの接着剤により張り合わせつつ螺旋状に巻き付けることによって、スパイラル紙管の比較例1を得た。さらに、上記内面側基紙の艶面と外面側基紙の非艶面とを塗工量11g/mの接着剤により張り合わせつつ螺旋状に巻き付けることによってスパイラル紙管の比較例2を得た。また、上記内面側基紙の非艶面と外面側基紙の艶面とを塗工量3g/mの接着剤により張り合わせつつ螺旋状に巻き付けることによって、スパイラル紙管の比較例3を得た。さらに、上記内面側基紙の非艶面と外面側基紙の艶面とを塗工量11g/mの接着剤により張り合わせつつ螺旋状に巻き付けることによってスパイラル紙管の比較例4を得た。
これらのスパイラル紙管の実施例1〜3及び比較例1〜4について、潰れ強度を測定した結果を同じ表1に示す。潰れ強度の測定法としては、スパイラル紙管を定盤の上に中心軸が水平となるよう寝かせて載置し、先端に平面形状が円形で面積が1cmの平治具を取り付けたプッシュプルゲージにより、スパイラル紙管を長さ方向中心位置において垂直に押し潰し、プッシュプルゲージの先端を元のスパイラル紙管中心軸位置まで押し込んだ(径方向に半分に押し潰した)時の圧力を測定した。この測定を、それぞれ5カ所ずつ行い、その平均値を潰れ強度とした。
さらに、上記スパイラル紙管の実施例1〜3及び比較例1〜4を用いて衛生紙ロール(トイレットペーパーロール)を試作し、必要とされた滑剤の塗工量及び衛生紙の始端を接着するために必要とされた接着剤の塗布量を同じく表1に示す。
Figure 2016016951
表に示すように、塗工量3g/mの接着剤により内面側基紙及び外面側基紙の艶面同士を接着したスパイラル紙管の実施例1の潰れ強度は、1.0kg/cmであり、塗工量6g/mの接着剤により内面側基紙及び外面側基紙の艶面同士を接着したスパイラル紙管の実施例2の潰れ強度は1.5kg/cmであり、塗工量10g/mの接着剤により内面側基紙及び外面側基紙の艶面同士を接着したスパイラル紙管の実施例3の潰れ強度は1.8kg/cmであり、いずれも衛生紙ロール用紙管として好ましい強度を有していた。これに対し、塗工量11g/mの接着剤により内面側基紙及び外面側基紙の艶面と非艶面とを接着したスパイラル紙管の比較例2及び比較例4の潰れ強度は、共に1.8kg/cmであり、衛生紙ロール用紙管として好ましい強度を有していたが、塗工量3g/mの接着剤により内面側基紙及び外面側基紙の艶面と非艶面とを接着したスパイラル紙管の比較例1及び比較例3の潰れ強度は共に0.8kg/cmであり、衛生紙ロール用紙管として好ましい強度を有していなかった。つまり、内面側基紙及び外面側基紙の艶面同士を貼り合わせることにより、少ない接着剤で高い強度が得られることが確認された。
また、内面側基紙の艶面を外面側基紙に接着した実施例1〜3及び比較例1、2は、必要とされる滑剤の塗工量が0.02g/mであったのに対して、内面側基紙の非艶面を外面側基紙に接着した比較例3、4は、必要とされる滑剤の塗工量が0.06g/mと好ましい範囲を超えることが確認された。
また、内面側基紙に外面側基紙の艶面を接着した実施例1〜3及び比較例3、4は、衛生紙の始端を接着するために必要とされる接着剤の塗布量が0.4g/mであったのに対し、内面側基紙に外面側基紙の非艶面を接着した比較例1、2は、衛生紙の始端を接着するために必要とされる接着剤の塗布量が0.7g/mと好ましい範囲を超えることが確認された。
本発明に係るスパイラル紙管は、衛生紙ロールの巻芯として広く利用できる。
1 スパイラル紙管
2 外面側基紙
2a 艶面
2b 非艶面
3 内面側基紙
3a 艶面
3b 非艶面
4 接着剤
5 衛生紙

Claims (6)

  1. 外面側基紙及び内面側基紙を接着剤により互いに貼り合わせつつ螺旋状に巻き付けて形成され、衛生紙ロールの巻芯として用いられるスパイラル紙管であって、
    上記外面側基紙及び内面側基紙が片艶紙であり、
    上記外面側基紙の艶面と上記内面側基紙の艶面とを貼り合わせることを特徴とするスパイラル紙管。
  2. 上記外面側基紙及び内面側基紙が50質量%以上100質量%以下のクラフトパルプを含む原料パルプを抄紙して形成され、
    上記外面側基紙及び内面側基紙の坪量がそれぞれ100g/m以上180g/m以下であり、
    上記接着剤の塗工量が3g/m以上10g/m以下である請求項1に記載のスパイラル紙管。
  3. 抄紙薬品として内添サイズ剤を含有し、
    動的液体浸透性測定装置により測定した艶面の浸透特性曲線のピーク出現時間が0.1秒以上2秒以下である請求項1又は請求項2に記載のスパイラル紙管。
  4. 上記外面側基紙及び内面側基紙の艶面のベック平滑度が40秒以上100秒以下であり、
    上記外面側基紙及び内面側基紙の非艶面のベック平滑度が5秒以上20秒以下であり、
    上記外面側基紙及び内面側基紙の密度が0.5g/cm以上1.0g/cm以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載のスパイラル紙管。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のスパイラル紙管と、このスパイラル紙管の周囲に巻き付けられているウェブ状の衛生紙とを備える衛生紙ロール。
  6. 上記衛生紙がトイレットペーパーであり、
    上記スパイラル紙管の外周面に香料が含浸している請求項5に記載の衛生紙ロール。
JP2014141675A 2014-07-09 2014-07-09 紙管及び衛生紙ロール Active JP6441597B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014141675A JP6441597B2 (ja) 2014-07-09 2014-07-09 紙管及び衛生紙ロール

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014141675A JP6441597B2 (ja) 2014-07-09 2014-07-09 紙管及び衛生紙ロール

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016016951A true JP2016016951A (ja) 2016-02-01
JP6441597B2 JP6441597B2 (ja) 2018-12-19

Family

ID=55232453

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014141675A Active JP6441597B2 (ja) 2014-07-09 2014-07-09 紙管及び衛生紙ロール

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6441597B2 (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018183514A (ja) * 2017-04-27 2018-11-22 日本製紙クレシア株式会社 キッチンタオルロール
JP2018198860A (ja) * 2017-05-29 2018-12-20 日本製紙クレシア株式会社 トイレットロール
JP2019005259A (ja) * 2017-06-26 2019-01-17 日本製紙クレシア株式会社 トイレットロール
JP2019013336A (ja) * 2017-07-04 2019-01-31 日本製紙クレシア株式会社 キッチンタオルロール
JP6477859B1 (ja) * 2017-12-28 2019-03-06 王子ホールディングス株式会社 トイレットロール
JP2019058588A (ja) * 2017-09-28 2019-04-18 大王製紙株式会社 家庭紙ロール用紙管
JP2019118542A (ja) * 2017-12-28 2019-07-22 王子ホールディングス株式会社 トイレットロール
JP6617223B1 (ja) * 2018-06-27 2019-12-11 日本製紙株式会社 紙筒用原紙、及び紙筒
WO2020004107A1 (ja) * 2018-06-27 2020-01-02 日本製紙株式会社 紙筒用原紙、及び紙筒
JP2020108825A (ja) * 2016-07-06 2020-07-16 日本製紙クレシア株式会社 トイレットロールの製造方法
JP2020108826A (ja) * 2016-07-28 2020-07-16 日本製紙クレシア株式会社 トイレットロールの製造方法
JP2022058845A (ja) * 2017-12-28 2022-04-12 王子ホールディングス株式会社 トイレットロール
CN115652685A (zh) * 2022-11-07 2023-01-31 汇胜集团股份有限公司 一种纸管用表层防静电纸及其制备工艺

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63178592U (ja) * 1987-05-11 1988-11-18
JP2011105340A (ja) * 2009-11-17 2011-06-02 Marusumi Paper Co Ltd スパイラル紙管
JP2014001462A (ja) * 2012-06-15 2014-01-09 Marusumi Paper Co Ltd 紙軸用原紙
JP2014070316A (ja) * 2012-09-28 2014-04-21 Daio Paper Corp ライナー及び段ボールシート

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63178592U (ja) * 1987-05-11 1988-11-18
JP2011105340A (ja) * 2009-11-17 2011-06-02 Marusumi Paper Co Ltd スパイラル紙管
JP2014001462A (ja) * 2012-06-15 2014-01-09 Marusumi Paper Co Ltd 紙軸用原紙
JP2014070316A (ja) * 2012-09-28 2014-04-21 Daio Paper Corp ライナー及び段ボールシート

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020108825A (ja) * 2016-07-06 2020-07-16 日本製紙クレシア株式会社 トイレットロールの製造方法
JP2020108826A (ja) * 2016-07-28 2020-07-16 日本製紙クレシア株式会社 トイレットロールの製造方法
JP7237442B2 (ja) 2017-04-27 2023-03-13 日本製紙クレシア株式会社 キッチンタオルロール
JP2018183514A (ja) * 2017-04-27 2018-11-22 日本製紙クレシア株式会社 キッチンタオルロール
JP2021112575A (ja) * 2017-04-27 2021-08-05 日本製紙クレシア株式会社 キッチンタオルロール
JP2018198860A (ja) * 2017-05-29 2018-12-20 日本製紙クレシア株式会社 トイレットロール
JP2019005259A (ja) * 2017-06-26 2019-01-17 日本製紙クレシア株式会社 トイレットロール
JP2019013336A (ja) * 2017-07-04 2019-01-31 日本製紙クレシア株式会社 キッチンタオルロール
JP2019058588A (ja) * 2017-09-28 2019-04-18 大王製紙株式会社 家庭紙ロール用紙管
JP7078370B2 (ja) 2017-09-28 2022-05-31 大王製紙株式会社 家庭紙ロール用紙管
JP2019118540A (ja) * 2017-12-28 2019-07-22 王子ホールディングス株式会社 トイレットロール
JP2019118542A (ja) * 2017-12-28 2019-07-22 王子ホールディングス株式会社 トイレットロール
JP7020116B2 (ja) 2017-12-28 2022-02-16 王子ホールディングス株式会社 トイレットロール
JP2022058845A (ja) * 2017-12-28 2022-04-12 王子ホールディングス株式会社 トイレットロール
JP6477859B1 (ja) * 2017-12-28 2019-03-06 王子ホールディングス株式会社 トイレットロール
WO2020004107A1 (ja) * 2018-06-27 2020-01-02 日本製紙株式会社 紙筒用原紙、及び紙筒
JP6617223B1 (ja) * 2018-06-27 2019-12-11 日本製紙株式会社 紙筒用原紙、及び紙筒
TWI812742B (zh) * 2018-06-27 2023-08-21 日商日本製紙股份有限公司 紙筒
CN115652685A (zh) * 2022-11-07 2023-01-31 汇胜集团股份有限公司 一种纸管用表层防静电纸及其制备工艺
CN115652685B (zh) * 2022-11-07 2023-08-29 汇胜集团股份有限公司 一种纸管用表层防静电纸及其制备工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JP6441597B2 (ja) 2018-12-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6441597B2 (ja) 紙管及び衛生紙ロール
JP5969243B2 (ja) トイレットロールの製造方法
JP5574215B2 (ja) スパイラル紙管
JP2009242999A (ja) 液体容器用原紙
CN108301255B (zh) 一种高松厚冷藏包装纸及其制备方法
JP2005200773A (ja) ライナー
JP6637245B2 (ja) 衛生薄葉紙及び衛生薄葉紙の製造方法
JP2018031092A (ja) 耐水耐油紙及び紙製容器
JP3902218B1 (ja) キャリアテープ用紙およびキャリアテープ
JP2018131715A (ja) 水分吸収シート用原紙および水分吸収シート
JP2007055686A (ja) チップ型電子部品収納台紙、チップ型電子部品収納台紙用紙基材の製造方法、及びチップ型電子部品収納台紙用紙基材
JP6118617B2 (ja) 多層紙及び多層紙の製造方法
JP4117325B2 (ja) キャリアテープ用紙およびキャリアテープ
JP5477717B2 (ja) 紙軸用原紙
JP6193076B2 (ja) 水離解性繊維シート及び容器
JP7172818B2 (ja) カップ用基材、液体用カップ容器およびその製造方法
JP4533937B2 (ja) 床材用含浸紙
JPWO2021241531A5 (ja)
JP2019163578A (ja) 発泡断熱紙容器用紙基材、発泡断熱紙容器用シートおよび発泡断熱紙容器
JP2019166698A (ja) セルロースナノファイバー成形体の製造方法
JP2009084745A (ja) 加工用紙
JP7243581B2 (ja) ライナー原紙用紙およびライナー原紙
KR100399480B1 (ko) 계면박리지 및 그 제조방법
JP4371826B2 (ja) 耐水板紙及びその製造方法
JP7123964B2 (ja) 熱可塑性繊維シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170630

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180425

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180515

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181122

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6441597

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250