JP2016012433A - 有機el表示パネル及び有機el表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】水分の有機EL層への浸透をさらに抑制した有機EL表示パネル及びそれを用いた有機EL表示装置を提供する。【解決手段】対向配置された下部基板101及び上部基板107と、有機EL素子を複数有し上部基板107と下部基板101との間に配置された有機EL層103と、無機材料を含み有機EL層103の上面及び側面を覆う無機封止層104と、上部基板107及び下部基板101と密着しつつ、有機EL層103の側面を囲む封止壁108と、上部基板107、下部基板101及び封止壁108に囲まれた領域内に配置され吸湿性を有する吸湿壁109とを備え、吸湿壁109が少なくとも下部基板101上から無機封止層104の周縁部104aに接するまでの領域を含んで配置された有機EL表示パネル10。【選択図】図2

Description

本発明は、有機EL素子の発光を利用した有機EL表示パネル及び有機EL表示装置に関し、特に有機EL表示パネルの封止技術に関する。
有機EL(Electroluminescence:電界発光)素子の発光を利用した有機EL表示パネルは、応答性・視野角・コントラスト比・耐衝撃性などに優れ、薄型軽量化やフレキシブル化が可能などの特徴を持ち、研究開発が盛んに行われている。
有機EL表示パネルでは、ガラスや樹脂などの基板上に、有機EL素子を複数有する有機EL層が配置される。有機EL層は活性が高く不安定な材料を含むことが多く、水分の浸透により劣化すると、輝度低下領域や非発光領域が形成されてしまう。したがって、有機EL表示パネルの発光寿命を向上させるためには、水分の有機EL層への浸透を抑制する封止構造が重要となる。
有機EL表示パネルにおいては、有機EL層を配置する下部基板と、下部基板と対向して配置された上部基板とで有機EL層を挟み、硬化性樹脂やガラスフリットなどを用いて有機EL層の側面を囲む封止壁を形成する封止構造が一般的に用いられる。
また、上記封止構造に加え、有機EL層の上面及び側面を窒化シリコンの薄膜などの無機封止層で覆う構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、上記封止構造内に、吸湿性を有する吸湿壁を配置する構成が開示されている(例えば、特許文献2参照)。さらに、上記封止構造に加えて無機封止層及び吸湿壁の両方を備える構成が開示されている。(例えば、特許文献3参照)。
特開2007−59094号公報 特開2013−218796号公報 特開2007−73459号公報
特許文献3のように、封止構造に加えて無機封止層及び吸湿壁の両方を備える構成を用いれば、有機EL層への水分の浸透を相当低減できる。ただし、本願の発明者は、上記構成においても、水分が有機EL層まで浸透しやすい経路が存在することを発見した。発光寿命は、有機EL表示パネルの基本的な品質の一つであり、できるだけ向上させることが好ましい。したがって、有機EL層への水分の浸透は可能な限り抑制することが望ましい。
そこで、本発明の目的は、水分の有機EL層への浸透をさらに抑制した有機EL表示パネル及びそれを用いた有機EL表示装置を提供することにある。
本発明の一態様に係る有機EL表示パネルは、下部基板と、下部基板と対向して配置された上部基板と、有機EL素子を複数有し上部基板と下部基板との間に配置された有機EL層とを備える。また、当該有機EL表示パネルは、無機材料を含み有機EL層の上面及び側面を覆う無機封止層と、上部基板及び下部基板と密着しつつ有機EL層の側面を囲む封止壁と、上部基板、下部基板及び封止壁に囲まれた領域内に配置され吸湿性を有する吸湿壁とを備える。さらに、当該有機EL表示パネルでは、吸湿壁が、少なくとも下部基板上から無機封止層の周縁部に接するまでの領域を含んで配置されている。
上記態様に係る有機EL表示パネルでは、水分が浸透しやすい下部基板と無機封止層との間隙が吸湿壁で封止されており、当該間隙を通じた水分の有機EL層への浸透が抑制される。
実施の形態1に係る有機EL表示パネル10を示す模式上面図である。 (a)は図1のX−X線における模式断面図であり、(b)は図2(a)の一部拡大図である。 (a)は変形例に係る有機EL表示パネル10Xを示す模式断面図であり、(b)は図3(a)の一部拡大図である。 変形例に係る有機EL表示パネル10Yを示す模式断面図である。 変形例に係る有機EL表示パネル10Zを示す模式断面図である。 実施の形態2に係る有機EL表示装置1の構成を示す模式ブロック図である。 比較例に係る有機EL表示パネル90aを示す模式断面図である。 比較例に係る有機EL表示パネル90bを示す模式断面図である。 有機EL表示パネル90cを示す模式断面図である。 有機EL表示パネル90cの角付近を撮影した上面写真であって、(a)は発光状態を撮影した写真であり、(b)は落射型顕微鏡を用いて撮影した写真である。 有機EL表示パネル90cの辺付近を撮影した上面写真であって、(a)は発光状態を撮影した写真であり、(b)は落射型顕微鏡を用いて撮影した写真である。
<本発明の一態様に至った経緯>
本願の発明者(以下、「本発明者」という。)は、無機封止層及び吸湿壁の両方を備える有機EL表示パネルにおいても、水分が有機EL層まで浸透しやすい経路が存在することを発見した。以下にその詳細を示す。
(1)考えられる構成
まず、本発明者は無機封止層及び吸湿壁の両方を備える有機EL表示パネルとして、有機EL表示パネル90a、90bを検討した。図7、図8はそれぞれ、有機EL表示パネル90a、90b(以下、それぞれ「パネル90a」、「パネル90b」とする。)を示す模式断面図である。
パネル90a、90bでは、基本的な構成要素は共通し、下部基板101と、下部基板101に対向して配置された上部基板107と、上部基板107と下部基板101との間に配置された有機EL層103とを備える。また、パネル90a、90bは、無機材料を含み、有機EL層103の上面及び側面を覆う無機封止層904と、上部基板107及び下部基板101と密着しつつ、有機EL層103の側面を囲む封止壁908a、908bとを備える。
さらに、パネル90a、90bは、上部基板107、下部基板101及び封止壁908a、908bに囲まれた領域(以下、「封止領域」という。)内である封止壁908の内側に配置され、吸湿性を有する吸湿壁909a、909bを備える。この他に、パネル90a、90bは、下部基板101と有機EL層103との間に配置され有機材料からなる層間絶縁層102と、封止領域に充填された接着層105と、上部基板107と無機封止層104との間に配置されたカラーフィルタ層106とを備える。
ここで、パネル90a、90bは、アクティブマトリクス方式を採用するものとし、下部基板101は、支持部材である基板本体101aと、基板本体101a上に形成されたTFT層101bとからなる。このとき、TFT層101bの最上層は、水分の透過性が低い無機材料からなり、基板本体101a上面全体を覆うパッシベーション層(不図示)となっている。また、上部基板107は水分の透過性が低いガラス材料などからなる。これにより、パネル90a、90bでは、封止領域の下方及び上方から有機EL層103への水分の浸透を抑制している。
また、パネル90a、90bでは、封止壁908a、908b及び吸湿性を有する吸湿壁909a、909bにより、封止領域の側面方向から有機EL層103への水分の浸透を低減している。さらに、パネル90a、90bでは、無機封止層904により、封止領域内において有機EL層103の上面及び側面からの水分の浸透をさらに低減している。
なお、パネル90a、90bでは、無機封止層904の周縁部904aが下部基板101上にある。すなわち、無機封止層904は有機EL層103の上面及び側面だけではなく、層間絶縁層102の側面を覆っており、これにより層間絶縁層102の側面を介した有機EL層103への水分の浸透を抑制できる。
一方、パネル90aとパネル90bとでは、封止壁908a、908b及び吸湿壁909a、909bの配置箇所が異なっている。まず、図7に示すように、パネル90aでは、吸湿壁909aが、無機封止層904上に配置されている。すなわち、無機封止層904の周縁部904aは吸湿壁909aの外周よりも外側に位置しており、周縁部904aにおける下部基板101と無機封止層904との界面端は封止壁908aに封止されている。
上記パネル90aの構成は、有機EL層103に対して、封止壁908a、吸湿壁909aを接近させたものであり、有機EL層103上面(表示領域)の面積に対する下部基板101及び上部基板107の必要面積を小さくすることを目的とする。表示パネル一般には、挟額縁化が要請されており、パネル90aの構成は、これに対応するものである。
次に、図8に示すように、パネル90bでは、吸湿壁909bが下部基板101上に配置されている。すなわち、無機封止層904の周縁部904aは吸湿壁909bの内周よりも内側に位置しており、下部基板101と無機封止層904との界面端は接着層105に封止されている。
パネル90bの構成は、封止壁908b及び吸湿壁909bの配置箇所を、膜質が不均一となる場合がある無機封止層904の周縁部904aから、下部基板101に変えることで、封止性を安定させるものである。
具体的には、無機封止層904は、例えばメタルマスクなどのマスクを用いたPECVD(プラズマ化学気相成長)で形成される。このとき、マスク開口端においてはプラズマ放電が起こりにくく、周縁部904a付近では、十分に反応できなかった未反応の原料ガスが無機封止層904内に含まれ、膜質が不均一となる場合がある。このような周縁部904a付近の無機封止層904と、封止壁908a又は吸湿壁909bとでは、密着力が低下しやすい。そこで、パネル90bの構成は、封止壁908a及び吸湿壁909bを下部基板101上に配置することで、下地層との密着力の安定、すなわち封止性の安定を図るものである。
以上のように、パネル90a、90bは、それぞれ挟額縁化、封止性の安定を目的としており、無機封止層904と吸湿壁909a、909bを備える有機EL表示パネルとして、考えられる構成である。
(2)水分の浸透経路
次に、本発明者は、パネル90a、90bの構成において、無機封止層904の周縁部904aにおける下部基板101と無機封止層904との界面に着目した。例えば窒化シリコンなどの無機封止層904は、バルクでは緻密な構造を有するが、材料の異なる他の層との界面では緻密な構造を形成することができず、界面はいわば分子レベルの隙間である微視的な間隙となっていると考えられる。すなわち、無機封止層904は、厚み方向については水分の浸透を抑制することができるが、界面に沿う方向については周縁部904aにおける他の層との界面端から水分が比較的浸透しやすい。
特に、無機封止層904をCVD(化学気相成長)で形成する場合、無機封止層904を下地の下部基板101との界面において分子レベルで結合させるためには、プラズマ、熱、光などにより活性化エネルギーを与え、化学的に結合させる必要がある。一方、パネル90a、90bは有機材料を含んで構成されるため、耐熱性、耐光性、耐プラズマ耐性は無機材料のみで構成されるデバイスに比べて低く、過剰なエネルギーを与えることができない。また、上述のようにマスク開口端近傍において、熱、光、プラズマ等のエネルギー強度は小さくなる傾向にあり、原料ガスの化学反応が充分に進まず、周縁部904a付近では、無機封止層904の膜質が低下しやすくなるとともに、無機封止層904と下地の下部基板101との密着力は低下する傾向にある。すなわち、この場合、周縁部904aにおける下部基板101と無機封止層904との界面端から水分がより浸透しやすい。なお、本発明者は、実デバイスにおいて、無機封止層904の周縁部904aが下地層から剥離しやすいことにより、上記周縁部904aの膜質・密着力の低下を確認している。
そして、本発明者は、上記界面を通じた水分の浸透が発生することで、次に示すように、パネル90a、90bの構成において、水分が有機EL層103まで浸透しやすい経路が存在することを発見した。
a.パネル90aにおける浸透経路
パネル90aでは、下部基板101と無機封止層904との界面端は封止壁908aに封止されている。封止壁908aの材料には、封止性の高いガラスフリットを用いることもできるが、ガラスフリットを溶着する際のレーザ光のエネルギーにより、歪みや損傷が発生し、当該箇所を水分が通過する場合がある。また、封止壁908aの材料に樹脂などの有機材料を用いることもできるが、有機材料はガラスや窒化シリコン薄膜などの無機材料に比べて水分の透過性が高い。したがって、封止壁908aは水分を完全に封止することはできず、水分は、封止壁908a内を拡散した後、定常的にある一定量が封止壁908aを介して封止領域側に浸透し続けることになる。
このとき、外気中の水分は、封止壁908a内を浸透することで、下部基板101と無機封止層904との界面端に達する。したがって、図7の矢印で示すように、当該水分が、当該界面を伝って層間絶縁層102に浸入し、有機EL層103の隔壁103dなどを通過して、機能層103bや共通電極103cなどに浸透する。
b.パネル90bにおける浸透経路
パネル90bでは、パネル90aと異なり、無機封止層904の周縁部904aが、吸湿壁909bより内側にあるため、外気中の水分は下部基板101と無機封止層904との界面端に到達する前に吸湿壁909bに吸着される。一方、有機EL表示パネルで問題となる水分は、外気中のものだけではなく、パネル内部の封止領域にも存在する。特に、接着層105やカラーフィルタ層106は、製造プロセスに由来して水分を相当量含有する。また、接着層105は有機材料であり、水分は接着層105の内部で拡散することができる。
カラーフィルタ層106中の水分濃度が接着層105中の水分濃度に比べて大きいとき、カラーフィルタ層106中の水分は接着層105内に浸透する。そして、図8の矢印に示すように、接着層105及びカラーフィルタ層106に含有される水分は、接着層105内を浸透して下部基板101と無機封止層904との界面端に達する。界面端に達した水分濃度が層間絶縁層102の水分濃度に比べて大きいとき、下部基板101と無機封止層904との界面を伝って水分が層間絶縁層102に侵入する。そして、侵入した水分が有機EL層103の隔壁103dなどを通過して、機能層103bや共通電極103cなどに浸透する。
c.パネル90a、90bに共通する浸透経路
層間絶縁層102は、有機材料からなり、接着層105やカラーフィルタ層106と同様に、製造プロセスに由来して水分を相当量含有する。したがって、パネル90a、90bでは、層間絶縁層102に含有される水分が、有機EL層103の隔壁103dなどを通過して、機能層103bや共通電極103cなどに浸透する。
以上のように、無機封止層及び吸湿壁の両方を備えるパネル90a、90bであっても、水分が有機EL層まで浸透しやすい経路は存在する。特に、下部基板101と無機封止層904との界面を伝う水分の浸透について、本発明者は実際に次のように実験用の有機EL表示パネル90cを製造して確認した。
図9は、有機EL表示パネル90cを示す模式断面図である。有機EL表示パネル90c(以下、「パネル90c」とする。)は、封止壁908c及び吸湿壁909cの位置を除いて、パネル90a、90bと同様の構成である。一方、パネル90cでは、封止壁908c及び吸湿壁909cが、パネル90aよりもさらにパネル内側に配置している。これにより、無機封止層904の周縁部904aが、封止壁908cの外周よりも外側に位置し、外気中に晒される状態となっている。
また、パネル90cでは、吸湿壁909cが、有機EL層103の上方に配置されており、特に表示領域11と重なるように配置されている。ここで、表示領域11とは、有機EL層103のうち、図7、8に示す画素電極103a、機能層103b及び共通電極103cの一組から構成される有機EL素子が複数配列された領域であり、パネル90cにおいて、画像が表示される領域である。パネル90cでは、表示領域11は、上面から見た際に矩形状となっている。なお、図9では、下部基板101における基板本体101a及びTFT層101b、有機EL層103における画素電極103a、機能層103b及び共通電極103c並びにカラーフィルタ層106の図示は省略している。
本発明者は、このようなパネル90cを高温状態(温度80℃、湿度40%)に置き、一定時間経過後の状態を観察した。図10は、パネル90cの角付近を撮影した上面写真であって、(a)は発光状態を撮影した写真であり、(b)は落射型顕微鏡を用いて撮影した写真である。図11は、パネル90cの辺付近を撮影した上面写真であって、(a)は発光状態を撮影した写真であり、(b)は落射型顕微鏡を用いて撮影した写真である。なお、パネル90cの角、辺とは、パネル90cの上面における表示領域11の角、辺を指している。また、図10(a)と図10(b)、図11(a)と図11(b)は、概ね、同一の部分を同一の寸法で撮影している。また、図10及び図11に示す白い点線は表示領域11の境界である。
図10(a)、図11(a)より、一定時間経過後のパネル90cでは、表示領域11の一部に、輝度低下領域及び非発光領域(以下、「輝度低下領域等」とする。)が形成されていることが分かる。この輝度低下領域等は、表示領域のうち、水分が浸透したことにより有機EL素子が劣化した領域である。また、図10(b)、図11(b)より、輝度低下領域等は、吸湿壁909cの内周側から発生するのではなく、表示領域11の端から発生していることが分かる。
特に、図10(b)、図11(b)では、吸湿壁909cが占める領域の一部(図10(b)の左下、図11(b)の下方)で色が薄くなっている。これは、パネル90cにおいて、吸湿壁909cの下方にある有機EL層103に配置した電子注入層内にはアルカリ金属(又はアルカリ土類金属)が含有されているが、これらは水分と反応しやすく、かつ水分を吸着して透明化するためである。一方、この状態において、吸湿壁909cにおいては変色等が起こっておらず、吸湿壁909cそのものは水分を吸着していない。つまり、電子注入層中のアルカリ金属(又はアルカリ土類金属)の透明化、すなわち有機EL層103への水分の浸透は、吸湿壁909cが水分を吸着する前に発生している。
これらのことと、図9の構造から、輝度低下領域等を発生させた水分は、吸湿壁909cを浸透して有機EL層103に達したのではなく、周縁部904aにおける下部基板101と無機封止層904との界面を浸透して有機EL層103に達したことが分かる。したがって、周縁部904aにおける下部基板101と無機封止層904との界面は、水分が浸透しやすい経路であることが確認された。
そこで、本発明者は、水分の有機EL層への浸透をさらに抑制した有機EL表示パネル及び有機EL表示装置を提供すべく、以下に説明する本発明の一態様に至ったのである。
<本発明の一態様の概要>
本発明の一態様に係る有機EL表示パネルは、下部基板と、下部基板と対向して配置された上部基板と、有機EL素子を複数有し上部基板と下部基板との間に配置された有機EL層とを備える。また、当該有機EL表示パネルは、無機材料を含み有機EL層の上面及び側面を覆う無機封止層と、上部基板及び下部基板と密着しつつ有機EL層の側面を囲む封止壁と、上部基板、下部基板及び封止壁に囲まれた領域内に配置され吸湿性を有する吸湿壁とを備える。さらに、当該有機EL表示パネルでは、吸湿壁が、少なくとも下部基板上から無機封止層の周縁部に接するまでの領域を含んで配置されている。
上記態様に係る有機EL表示パネルでは、水分が浸透しやすい下部基板と無機封止層との間隙が吸湿壁で封止されており、当該間隙を通じた水分の有機EL層への浸透が抑制される。
また、本発明の別の態様に係る有機EL表示パネルは、上記態様において、吸湿壁が、無機封止層の外周に渡って、下部基板上から無機封止層の周縁部に接するまでの領域を含んで配置されている。上記態様に係る有機EL表示パネルでは、無機封止層の外周に渡って、下部基板と無機封止層との間隙が吸湿壁で封止されており、有機EL層への水分の浸透がさらに抑制される。
また、本発明の別の態様に係る有機EL表示パネルは、上記態様において、無機封止層の周縁部が、下部基板上にある。上記態様に係る有機EL表示パネルでは、下部基板と無機封止層によって有機EL層を一定程度封止できる。特に、吸湿壁の吸湿能力が飽和した後においても、有機EL層への水分の浸透を低減できる。また、このような構成は比較的簡易に形成でき、製造上有利である。
また、本発明の別の態様に係る有機EL表示パネルは、上記態様において、さらに、下部基板と有機EL層との間に配置され、有機材料からなる層間絶縁層を備え、無機封止層の周縁部が、層間絶縁層上にある。上記態様に係る有機EL表示パネルでは、吸湿壁が、下部基板と無機封止層との間隙において層間絶縁層と面で接するため、層間絶縁層の水分を容易に吸着することができる。
また、本発明の別の態様に係る有機EL表示パネルは、上記態様において、吸湿壁が、吸湿によって化学反応を起こす化学的乾燥剤を含む。
また、本発明の別の態様に係る有機EL表示パネルは、上記態様において、化学的乾燥剤が、酸化リン、酸化カルシウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム又は硫酸カルシウムのいずれかである。上記態様に係る有機EL表示パネルでは、水との反応性が高く、吸湿能力の高い化学的乾燥剤を備えることで、吸湿壁の吸湿性がさらに向上する。
また、本発明の別の態様に係る有機EL表示パネルは、上記態様において、吸湿壁が、化学的乾燥剤を10質量%以上含む。
また、本発明の別態様に係る有機EL表示パネルは、上記態様において、化学的乾燥剤が粒状であり、化学的乾燥剤の平均粒径が、10nm以上20μm以下である。
上記態様に係る有機EL表示パネルでは、吸湿壁内に化学的乾燥剤が密に存在するため、吸湿壁に浸透した水分が隣接する化学的乾燥剤と連鎖的に反応し、吸湿壁内で効率良く水分が吸着される。
また、本発明の別の態様に係る有機EL表示パネルは、上記態様において、無機材料が、珪素、炭素又はアルミニウムの酸化物、窒化物又は酸窒化物である。上記態様に係る有機EL表示パネルでは、無機封止層における水分の透過性をより低減することができる。
また、本発明の別の態様に係る有機EL表示パネルは、上記態様において、吸湿壁が、上部基板及び下部基板と密着している。上記態様に係る有機EL表示パネルでは、封止領域に水分が浸透することを抑制できる。また、吸湿壁の体積を大きくすることで、吸湿能力が向上する。
また、本発明の別の態様に係る有機EL表示パネルは、上記態様において、さらに、上部基板と無機封止層との間に配置されたカラーフィルタ層を備える。上記態様に係る有機EL表示パネルでは、カラーフィルタによって画像の発光色やコントラストを調整できる上に、カラーフィルタ層に含まれる水分の有機EL層への浸透を抑制できる。
また、本発明の別の態様に係る有機EL表示装置は、上記態様のいずれかに記載の有機EL表示パネルを備える。上記態様に係る有機EL表示装置では、発光寿命が向上し、高い表示品質を実現できる。
なお、本願において「上」「下」とは、絶対的な空間認識における上方向(鉛直上方)を指すものではなく、有機EL表示パネルの積層構造における積層順を基に、相対的な位置関係により規定されるものである。また、本願における「側面」とは上記「上」「下」に対応するものであり、絶対的なものではなく、相対的に規定される。
また、本願において「間隙」とは、巨視的な視点での間隙を指すだけではなく、界面のように異なる層が密着する境界(隙間)などの微視的な視点での間隙も含む。
<実施の形態1>
以下では、実施の形態1として、本発明の一態様である有機EL表示パネル10について、図1及び図2を用いて説明する。図1は有機EL表示パネル10を示す模式上面図であり、図2(a)は図1のX−X線における模式断面図であり、図2(b)は図2(a)の一部拡大図である。なお、本願の図面はすべて模式的なものであり、部材の縮尺、縦・横の比率などは、実際のものとは異なる場合がある。
1.有機EL表示パネル10の構成
(1)全体構成
有機EL表示パネル10(以下、「パネル10」という。)は、図1の二点鎖線で示す矩形状の表示領域11に画素を二次元配列した表示パネルであって、各画素の輝度の組み合わせにより表示領域11に画像が表示される。また、パネル10は、アクティブマトリクス方式を採用し、各有機EL素子の発光は、当該有機EL素子の下方に形成されたTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)素子(不図示)を用いて制御される。さらに、パネル10は、トップエミッション方式を採用し、図に示す上面(上部基板107側)に画像を表示する。
パネル10は、図2(a)に示すように、下部基板101と、下部基板101に対向して配置された上部基板107と、有機EL素子を複数有し、上部基板107と下部基板101との間に配置された有機EL層103とを備える。また、パネル10は、無機材料を含み、有機EL層103の上面及び側面を覆う無機封止層104と、上部基板107及び下部基板101と密着しつつ、有機EL層103の側面を囲む封止壁108とを備える。さらに、パネル10は、上部基板107、下部基板101及び封止壁108に囲まれた封止領域内に配置され、吸湿性を有する吸湿壁109を備える。
この他に、パネル10は、下部基板101と有機EL層103との間に配置され、有機材料からなる層間絶縁層102と、封止領域に充填された接着層105と、上部基板107と無機封止層104との間に配置されたカラーフィルタ層106とを備える。
(2)各部の説明
a.下部基板101
下部基板101は、パネル10における各部材、各機能素子などを配置する支持部材である平板状の基板本体101aと、基板本体101a上に配置されたTFT層101bとからなる。また、下部基板101は、封止構造の一部として、有機EL層103の下方を封止している。
TFT層101bは、各有機EL素子へ供給する電流を制御するために、TFT素子、容量素子、配線などからなる電子回路が形成された層である。TFT層101bでは、半導体、導電体、絶縁体の積層構造によって電子回路が形成されている。また、TFT層101bの最上層は、無機材料からなり、基板本体101a上面全体を覆うパッシベーション層(不図示)となっており、下部基板101としての水分封止性を確保している。
b.層間絶縁層102
層間絶縁層102は、TFT層101b及び有機EL層103を電気的に絶縁し、かつTFT層101bによる下部基板101の凹凸(不図示)を平坦化する役割を有する。層間絶縁層102は、TFT層101bの上面を覆う有機材料の層である。なお、層間絶縁層102には、TFT層101bの電子回路と、有機EL層103の有機EL素子とを電気的に接続するため、一部にコンタクトホール(不図示)が形成されている。
c.有機EL層103
有機EL層103は、内部に有機EL素子を複数有する層であり、画素電極103a、機能層103b、共通電極103c、隔壁103dなどからなり、層間絶縁層102上に配置される。
画素電極103aは、層間絶縁層102上に二次元配列された電極であり、表示領域11の画素を規定する。また、画素電極103aは、層間絶縁層102のコンタクトホールを介して、TFT層101bの対応するTFT素子と電気的に接続されており、画素電極103aには、TFT素子によって制御された電流が供給される。機能層103bは、少なくとも有機材料からなる有機発光層を含む層であり、各画素電極103a上に対応して配置される。なお、この際、機能層103bは各画素電極103aに一対一に対応して配置されてもよいし、一つの機能層103bが複数の画素電極103a上に配置されてもよい。共通電極103cは、機能層103bをすべて覆うように配置された電極である。隔壁103dは、機能層103bを囲むように配置され、機能層103b同士を電気的に分離している。
画素電極103a、機能層103b及び共通電極103cはそれぞれの組み合わせごとに1つの有機EL素子を構成している。したがって、有機EL層103では、下部基板101の上面に沿って、有機EL素子が複数配列されている。各有機EL素子においては、画素電極103a及び共通電極103cから機能層103bへ供給された電子及び正孔が、機能層103bの有機発光層で再結合し、再結合によって生じたエネルギーによって有機材料が発光する。
各有機EL素子の発光量は、対応するTFT素子から供給される電流によって定まり、各有機EL素子の発光量の組み合わせが、表示領域11において画像となる。なお、有機EL素子ごとに有機発光層に用いる有機材料を変えることで、各有機EL素子の発光色を例えば赤、緑、青のいずれかとし、各色の発光領域を順に並べて3色で1画素とすれば、表示領域11に有色の画像を表示することが可能である。ただし、パネル10における有機EL素子の発光色は特に限定されず、上記3色以外に、例えば赤一色や、赤、緑、青、黄の4色などであってもよい。
なお、機能層103bは、有機発光層以外にも有機EL素子の低電圧駆動、高発光効率、高寿命を目的に、正孔・電子注入層、正孔・電子輸送層、正孔・電子阻止層などを有していてもよい。また、画素電極103a、共通電極103cはそれぞれ陽極、陰極とすることが一般的であるが、これとは逆であってもよい。
特に、電子注入層や電子輸送層は、仕事関数の小さい材料で構成され、一般的に、アルカリ金属やアルカリ土類金属を含む材料で構成される。それらの金属のイオン化エネルギーは、水素のイオン化エネルギーに比べて小さいため、水と反応し酸化されやすい。これは、有機発光層への電子注入性を低下させ、有機ELの発光効率の低下や非発光現象を引き起こす一因となる。
d.無機封止層104
無機封止層104は、緻密な内部構造により、膜厚方向に対して水分の透過性が低い層であり、製造時などの封止構造形成前に有機EL層103が外気と接触すること、及び封止構造形成後の封止構造内外からの水分の有機EL層103への浸透を防ぐ。
パネル10では、無機封止層104は、有機EL層103の上面及び側面、層間絶縁層102の上面及び側面を覆う位置に配置され、その周縁部104aは下部基板101上に位置する。このような無機封止層104の周縁部104aの位置は、例えばCVDやPVD(物理蒸着)においてメタルマスクなどのマスクを使用することにより、調整可能である。
e.接着層105
接着層105は、封止領域における無機封止層104、カラーフィルタ層106及び吸湿壁109を除いた領域に充填され、高い透光性を有する有機材料からなる。接着層105は、下部基板101と上部基板107との密着性を高め、有機EL層103を外部からの物理的衝撃に対して保護するほか、有機EL層103からの発光を効率良く外部に取り出すための光学層としての役割を果たす。
f.カラーフィルタ層106
カラーフィルタ層106は、有機EL層103の上方に配置される層であり、表示領域11に表示する画像の発光色やコントラストを調整する。カラーフィルタ層106は、赤、緑、青のいずれかの光を透過する着色領域と、光を遮蔽するブラックマトリクス領域とを有し、着色領域は、対応する色に発光する有機EL素子の上方に、ブラックマトリクス領域は有機EL素子間の上方に、それぞれ配置される。
g.上部基板107
上部基板107は、封止構造の一部として、有機EL層103の上方を封止する平板状の部材である。パネル10では、カラーフィルタ層106と上部基板107とが一体となってカラーフィルタ基板を形成し、当該カラーフィルタ基板が接着層105、封止壁108及び吸湿壁109の上方に配置されている。
h.封止壁108
封止壁108は、封止構造の一部として、有機EL層の側面を封止する壁状の部分であり、下部基板101及び上部基板107と密着してこれらを固定し、封止構造を維持する部材である。図2(a)に示すように、パネル10では、封止壁108が、無機封止層104やカラーフィルタ層106を介さずに平坦な下部基板101及び上部基板107と密着することで、封止性を向上させている。
i.吸湿壁109
吸湿壁109は、水分を吸着する吸湿性を有し、有機EL層103への水分の浸透を防ぐ部材である。図2(b)に示すように、パネル10では、吸湿壁109が、下部基板101上から無機封止層104の周縁部104aに接するまでの領域を含んで配置されている。また、図1に示すように、吸湿壁109(図のドット模様部)は、無機封止層104(図の斜点線部)の外周104Aに渡って同様に配置されている。
ここで、上記のように吸湿壁109を配置する方法としては、例えば、以下のようにすればよい。まず、無機封止層104まで形成した下部基板101を用意し、無機封止層104の外周104Aに渡って、周縁部104aをまたぐように、下部基板101上と無機封止層104上に吸湿壁109の材料を塗布する。次に接着層105、封止壁108の材料を、吸湿壁109を挟むようにそれぞれ無機封止層104上、下部基板101上に塗布する。そしてカラーフィルタ層106を配置した上部基板107を下部基板101の上部に密着させた後、圧着・固化・溶着などを行えば、吸湿壁109を備えたパネル10が完成する。吸湿壁109の材料を塗布する方法としては、ディスペンス法、スクリーン印刷法などを用いることができる。
なお、吸湿壁109の配置方法はこれに限られない。例えば、まず上部基板107において、周縁部104aに対応する領域を含むように吸湿壁109の材料を塗布し、その外側の上部基板107上に封止壁108の材料を塗布する。次に、接着層105までを形成した下部基板101と上部基板107とを密着させた後、圧着・固化・溶着などを行えば、吸湿壁109を備えたパネル10が完成する。また、例えば、吸湿壁109の材料を塗布する前に封止壁108の材料を塗布してもよい。
さらにパネル10では、図2(a)に示すように、吸湿壁109の下端は、下部基板101と密着し、その上端は、上部基板107と密着している。さらに、吸湿壁109の内周は、有機EL層103の隔壁103dの上方に達し、その外周は、封止壁108と密着している。このように吸湿壁109の配置空間を大きくとることで、吸湿壁109の吸湿能力を確保することができる。ただし、吸湿壁109は一般に、水分の吸着の有無により光学特性が変わるため、表示領域11と重なる位置、すなわち画素電極103a上にある機能層103bの上方への配置は避けることが好ましい。
また、吸湿壁109が、上部基板107及び下部基板101と密着する場合は、封止壁108を通過する水分は吸湿壁109で吸着され、封止領域に水分が浸透することを抑制できる。
(3)各部の材料
a.下部基板101
下部基板101の基板本体101aには、電気絶縁性を有する材料又はシリコンなどの半導体材料を用いることができる。また、電気絶縁性を有する材料をコーティングしたアルミニウムやステンレスなどの金属材料などを用いてもよい。電気絶縁性を有する材料としては、例えば、無アルカリガラス、ソーダガラス、無蛍光ガラス、燐酸系ガラス、硼酸系ガラス、石英、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコーン系樹脂、酸化アルミニウムなどである。
なお、基板本体101aには、水分の透過性が低い材料、例えばガラスや金属などの材料を用いることが好ましい。又は、樹脂材料の上面に、例えば窒化シリコン、酸化シリコン、酸窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの水分の浸透を防ぐ薄膜をコーティングしたものを用いることが好ましい。
下部基板101のTFT層101bは、電子回路を形成する半導体、導電体、絶縁体の積層構造と、最上層のパッシベーション層により構成される。半導体としては、例えば、シリコン、インジウム−亜鉛−ガリウム酸化物などの酸化物半導体、多環芳香族化合物など平面方向に広がったπ電子共役系を有する有機半導体などを用いることができる。導電体としては、例えば、アルミニウム、銅、金などの金属、黒鉛、カーボンナノチューブなどの炭素、酸化インジウムスズ(ITO)や酸化インジウム亜鉛(IZO)などの導電性酸化物などを用いることができる。また、絶縁体としては、例えば、窒化シリコン、酸化シリコン、酸窒化シリコン、酸化アルミニウム、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、シロキサン系樹脂、フェノール系樹脂などを用いることができる。
パッシベーション層には、水分の透過性が低い緻密な構造を有する無機材料を用いることができ、例えば、珪素、炭素又はアルミニウムの酸化物、窒化物又は酸窒化物などを用いることができる。パッシベーション層の具体的な材料としては、例えば、窒化シリコン、酸化シリコン、酸窒化シリコン、酸化炭素、窒化炭素、酸化アルミニウムなどである。
b.層間絶縁層102
層間絶縁層102には、電気絶縁性を有するパターニング可能な材料、例えば、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、シロキサン系樹脂、フェノール系樹脂などの有機材料を用いることができる。
c.有機EL層103
画素電極103a及び共通電極103cには、導電性を有する材料を用いることができる。例えば、アルミニウム、銀、モリブデン、タングステン、チタン、クロム、ニッケル、亜鉛などの金属、ネオジウム−アルミニウム、金−アルミニウム、マグネシウム−銀などの合金、ITOやIZOなどの導電性酸化物を用いることができる。また、これらを積層した多層構造などであってもよい。
なお、キャリア生成の観点から、画素電極103a及び共通電極103cのうち、陽極には仕事関数の高い材料を、陰極には仕事関数の低い材料を用いることが好ましい。また、パネル10は、トップエミッション型であるため、画素電極103aには、光反射性を有する材料を、共通電極103cには、光透過性を有する材料を用いることが好ましい。
機能層103bの有機発光層には、電界発光現象によって発光する有機材料を用いる。具体的には、例えば、オキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物、アザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、チオキサンテン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、8−ヒドロキシキノリン化合物の金属錯体、2−ビピリジン化合物の金属錯体、シッフ塩とIII族金属との錯体、オキシン金属錯体、希土類錯体等の蛍光物質(いずれも特開平5−163488号公報に記載)などの公知の蛍光物質、燐光物質を用いることができる。また、例えば、上記の蛍光物質、燐光物質をドーパントとした有機化合物の混合層を用いてもよい。
隔壁103dには、電気絶縁性を有し、加工により微細なパターンが形成可能な材料を用いることができる。例えば、層間絶縁層102の材料として例示した有機材料を用いることができる。なお、隔壁103dの材料は、有機溶剤への耐性を有し、エッチング処理やベーク処理に対して過度に変形、変質などをしないものが好ましい。また、有機発光層の形成に湿式プロセスを用いる場合は、隔壁103dの表面にフッ素処理などを行うか、隔壁103dにフッ素を含有する材料を用い、隔壁103dに撥液性を持たせることが好ましい。
d.無機封止層104
無機封止層104には、膜厚方向に対する水分の透過性が低い材料として、緻密な構造を有する無機材料を用いることができる。特に、無機封止層104の材料は、水分の透過性の低い珪素、炭素又はアルミニウムの酸化物、窒化物又は酸窒化物を含むことが好ましい。上記無機材料の具体例としては、例えば、窒化シリコン、酸化シリコン、酸窒化シリコン、酸化炭素、窒化炭素、酸化アルミニウムなどである。
また、無機封止層104は、上記無機材料からなる層を含む多層構成であってもよい。このとき、上記無機材料からなる層を複数積層すれば、より欠陥数の少ない無機封止層104を形成することができる。さらに、無機材材料からなる層を、プラズマCVDやALD(原子層体積法)を用いて形成すれば、より緻密な膜を構成できる。なお、上記無機材料からなる層を複数積層する際は、異なる無機材料からなる層を組み合わせてもよいし、同じ無機材料からなる層を複数組み合わせてもよい。また、多層構成において、上記無機材料からなる層に有機材料からなる層を組み合わせてもよい。この際、有機材料からなる層は、例えば、蒸着法、スクリーン印刷法、ダイコート法などを用いて形成することができる。
また、パネル10はトップエミッション型であるため、無機封止層104には、光透過率が高く、隣接層との屈折率の差が小さい材料を用いることが好ましい。
e.接着層105
接着層105には、例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂などの有機材料などを用いることができる。なお、パネル10はトップエミッション型であるため、接着層105も無機封止層104と同様に、光透過率が高く、隣接層との屈折率の差が小さい材料を用いることが好ましい。
f.カラーフィルタ層106
カラーフィルタ層106の着色領域には、公知の有機材料、例えば、市販のカラーレジスト等を用いることができる。また、カラーフィルタ層106のブラックマトリクス領域には、遮光性を有する材料を用いることができ、例えば黒色顔料を含む有機材料などを用いることができる。
g.上部基板107
上部基板107には、例えば、下部基板101の材料として例示したものを用いることができる。なお、パネル10はトップエミッション型であるため、上部基板107には、光透過率が高く、隣接層との屈折率の差が小さい材料を用いることが好ましい。
h.封止壁108
封止壁108には、下部基板101及び上部基板107と良好な密着性を有し、かつ外圧によりパネル10の封止領域を維持できるように一定の剛性を有する材料を用いることができる。具体的には、例えば、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂などの各種硬化性樹脂を用いることができる。また、例えば、下部基板101及び上部基板107がガラス材料などであれば、これらと溶着可能なガラスフリットなどを用いることができる。
i.吸湿壁109
吸湿壁109には、吸湿性を有する材料を用いることができる。例えば、酸化カルシウム、塩化カルシウムなどの化学的乾燥剤や、シリカゲル、酸化アルミニウム、ゼオライトなどの物理的乾燥剤を、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂などの樹脂中に包含させたものを用いることができる。また、乾燥剤の粉体を用いてもよい。ただし、吸湿壁109が、乾燥剤を含有する樹脂であれば、吸湿壁109をペースト状にして塗布することが可能となり、製造が容易である。
なお、化学的乾燥剤とは、吸湿によって化学反応が生じる乾燥剤であり、物理的乾燥剤とは、吸湿によって化学反応が生じない乾燥剤をいう。ここで、パネル10では、吸湿壁109が化学的乾燥剤を含むことが好ましい。具体的には、化学的乾燥剤は、例えば、酸化リン、酸化カルシウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム又は硫酸カルシウムなどである。
このとき、吸湿壁109は、化学的乾燥剤を10質量%以上含むことが好ましく、また、化学的乾燥剤は粒状であり、その平均粒径が10nm以上20μm以下であることが好ましい。上記の場合、吸湿壁109内に化学的乾燥剤が密に存在するため、吸湿壁109に浸透した水分が隣接する化学的乾燥剤と連鎖的に反応し、吸湿壁109内で効率良く水分が吸着される。
以上、パネル10を構成する各部の材料について説明したが、これらは例示であって、各部の材料を限定するものではなく、同様の機能を有する材料を用いてもよい。
2.得られる効果
(1)吸湿壁109が界面G1端を封止する効果
パネル10では、吸湿壁109が、下部基板101上から無機封止層104の周縁部104aに接するまでの領域を含んで配置されてきる。すなわち、下部基板101と無機封止層104との界面G1には隙間(間隙)が存在し、吸湿壁109は、界面G1端を封止することで、当該間隙を封止している。以下、この構成による効果を説明する。
a.無機封止層104の外部領域からの浸透抑制効果
パネル10では、吸湿壁109内の水分は短時間で乾燥剤により吸着され、吸湿壁109内で自由に伝搬できる水分量は極めて低くなる。したがって、吸湿壁109と接する接着層105、カラーフィルタ層106、封止壁108に含まれる水分は、実質的に水分濃度の低い吸湿壁109へと拡散され、吸湿壁109内の乾燥剤に吸着される。
それゆえ、例えば外気、接着層105、カラーフィルタ層106、封止壁108など、有機EL層103に対して無機封止層104より外部の領域に存在する水分は、比較的水分が浸透しやすい界面G1に達する前に吸湿壁109に吸着される。したがって、パネル10では、無機封止層104の外部領域からの水分の有機EL層103への浸透が抑制される。
b.無機封止層104の内部領域における浸透抑制効果
上記構成により、パネル10では、例えば層間絶縁層102や隔壁103dなど、下部基板101及び無機封止層104に囲まれた領域(以下、「無機封止層104の内部領域」という。)に存在する水分の有機EL層103への浸透も抑制される。
具体的には、界面G1は水分が浸透しやすいことから、図2(b)の矢印に示すように、無機封止層104の内部領域に存在する水分のうち、まず界面G1に近い位置にあるものが、界面G1を浸透して吸湿壁109に吸着される。これにより、無機封止層104の内部領域において、界面G1付近の水分の濃度が低くなる。水分は、濃度の高い方から濃度の低い方へ拡散することから、無機封止層104の内部領域に存在する水分は、界面G1に向かって移動する。そして、界面G1に移動した水分は、界面G1を浸透して吸湿壁109に吸着される。このように、無機封止層104の内部領域に存在する水分は、界面G1を通じて吸湿壁109に吸着されるため、パネル10では、無機封止層104の内部領域における水分の有機EL層103への浸透が抑制される。
(2)その他の効果
a.吸湿壁109が外周104Aに渡って界面G1を封止する効果
図1に示すように、パネル10では、吸湿壁109が、無機封止層104の外周104Aに渡って、下部基板101上から無機封止層104の周縁部104aに接するまでの領域を含んで配置されている。このとき、パネル10では、下部基板101と無機封止層104との界面G1端が無機封止層104の周縁部104aを一周分取り囲むように、吸湿壁109で封止される。これにより、パネル10では、有機EL層103への水分の浸透がさらに抑制される。
b.周縁部104aが下部基板101上にある効果
図2に示すように、パネル10では、無機封止層104の周縁部104aが下部基板101上にある。これにより、水分の透過性が低い下部基板101と無機封止層104によって、有機EL層103を一定程度封止できる。特に、吸湿壁109の吸湿能力が飽和した後においても、有機EL層103への水分の浸透を低減できる。また、このような無機封止層104は、例えばCVDやPVDにおいてメタルマスクなどのマスクを用いることにより、比較的簡易に形成でき、製造上有利である。
3.変形例
本発明の一態様に係る有機EL表示パネルは、その本質的な特徴的構成要素を除き、本実施の形態に係るパネル10に何ら限定を受けるものではない。以下では、本発明の別の態様として、パネル10の変形例を説明する。なお、パネル10と同様の部分については、同じ符号を付して説明を簡略又は省略する。
(1)無機封止層
パネル10では、無機封止層104の周縁部104aが下部基板101上にあったが、本発明の一態様に係る有機EL表示パネルはこれに限られない。図3(a)は変形例に係る有機EL表示パネル10X(以下、「パネル10X」という。)を示す模式断面図であり、図3(b)は図3(a)の二点鎖線を拡大した一部拡大図である。
図3(a)に示すとおり、パネル10Xでは、無機封止層304の周縁部304aが層間絶縁層102の側面上にあり、吸湿壁309は、無機封止層304から露出する層間絶縁層102の側面に接している。なお、無機封止層304の周縁部304aの配置箇所は、例えばCVDやPVDにおいてメタルマスクなどのマスクを用いることにより、適宜調整することができる。なお、パネル10Xは、無機封止層304及び吸湿壁309を除いてはパネル10と同じ構成である。
パネル10Xにおいても、図3(b)に示すように、吸湿壁309は、下部基板101上から無機封止層304の周縁部304aに接するまでの領域を含んで配置され、下部基板101と無機封止層304との間隙G2を封止している。したがって、吸湿壁309は、吸湿壁109と同様に、無機封止層304の外部領域からの浸透及び内部領域における浸透を抑制する効果を有し、パネル10Xでは、水分の有機EL層103への浸透が抑制される。なお、吸湿壁309は、間隙G2において、層間絶縁層102と面で接しているため、層間絶縁層102の水分を容易に吸着することができる。
(2)吸湿壁
パネル10では、吸湿壁109が上部基板107及び下部基板101と密着していたが、本発明の一態様に係る有機EL表示パネルはこれに限られない。図4は変形例に係る有機EL表示パネル10Y(以下、「パネル10Y」という。)を示す模式断面図である。
図4に示すとおり、パネル10Yでは、吸湿壁409が、無機封止層104の周縁部104a付近にのみ配置されており、カラーフィルタ層106、上部基板107及び封止壁108とは接していない。このような吸湿壁409については、例えば、ディスペンス法において、吸湿壁409の材料をペースト状にしたものの塗布量を適宜調整すれば、形成することが可能である。
なお、パネル10Yでは、吸湿壁409と、カラーフィルタ層106、上部基板107及び封止壁108との間には、接着層405が配置されており、接着層405及び吸湿壁409の形状を除いてはパネル10と同じ構成である。
パネル10Yにおいても、吸湿壁409は、下部基板101から無機封止層104の周縁部104aに接するまでの領域を含んで配置されており、下部基板101と無機封止層104との界面G1に存在する間隙を封止している。したがって、吸湿壁409は、吸湿壁109と同様に、無機封止層104より外部領域からの浸透及び内部領域における浸透を抑制する効果を有し、パネル10Yでは、水分の有機EL層103への浸透が抑制される。
(3)その他
本発明の一態様に係る有機EL表示パネルは、以上の実施の形態や変形例に限られない。例えば、図5に示すように、パネル10Yの構成において、無機封止層をパネル10Xと同じ無機封止層304とした有機EL表示パネル10Zであってもよい。有機EL表示パネル10Zにおいても、吸湿壁509が、下部基板101上から無機封止層304の周縁部304aに接する領域を含んで配置され、下部基板101と無機封止層304との間隙G2を封止している。したがって、吸湿壁509は、吸湿壁109と同様に、無機封止層304より外部領域からの浸透及び内部領域における浸透を抑制する効果を有し、パネル10Zでは、水分の有機EL層103への浸透が抑制される。
また、パネル10では、封止壁108及び吸湿壁109が、下部基板101のTFT層101b上に配置されていたが、これに限られない。例えば、TFT層101bが、下部基板101の周縁にて基板本体101aを露出する形状であり、当該露出する基板本体101a上に、封止壁108又は吸湿壁109あるいはその両方が配置されていてもよい。
また、無機封止層304は、周縁部304aが層間絶縁層102の側面上にあったが、例えば無機封止層の周縁部は有機EL層103の側面上にあってもよい。ただし、無機封止層104、304のように有機EL層103の側面すべてを覆う場合は、吸湿壁の吸湿能力が飽和した後においても、有機EL層103への直接的な水分の浸透を防ぐことができる。
また、上記実施の形態1及び変形例では、吸湿壁、封止壁、各基板、各層及び表示領域の外周が矩形状であったが、本発明の一態様に係る有機EL表示パネルはこれに限られず、例えば、多角形状、円形状、楕円形状などであってもよい。また、各部材の外周形状が独立して別の形状となることも妨げない。
また、上記実施の形態1及び変形例では、アクティブマトリクス型及びトップエミッション型を採用したが、本発明の一態様に係る有機EL表示パネルはこれに限られず、例えばパッシブマトリクス型、ボトムエミッション型などを採用してもよい。なお、ボトムエミッション型を採用する場合は、吸湿壁が、無機封止層の上面を覆うように配置されていてもよい。また、パッシブマトリクス型では、下部基板はパネル10の基板本体101aに相当する部分だけからなり、封止壁及び吸湿壁は、当該基板本体上に配置される。
<実施の形態2>
以下では、実施の形態2として、本発明の一態様に係る有機EL表示装置1について、図6を用いて説明する。図6は有機EL表示装置1の構成を示すブロック図である。
1.全体構成
有機EL表示装置1は、実施の形態1に係るパネル10を備えた表示装置であって、例えばテレビジョン機器、電子看板・大型スクリーンなどの業務用ディスプレイ、携帯型電子機器の表示部などである。有機EL表示装置1は、パネル10の周囲に、パネル10に接続された制御回路部20を備える。制御回路部20は、パネル10に接続された4つの駆動回路21と、駆動回路21及び外部機器に接続された制御回路22とを有する。ただし、有機EL表示装置1が備える制御回路部20の配置については、これに限られない。
駆動回路21は、各有機EL素子に電力を供給する電源回路、制御回路22からの信号を所定のレベルの電圧信号に変換して各有機EL素子に印加する信号回路、一定の間隔ごとに電圧信号を印加する有機EL素子を切り替える走査回路などを有する。制御回路22は、外部から入力された画像情報を含むデータを、駆動回路21に対応した信号に変換・分配することで、表示領域11に表示する画像を制御する。
2.得られる効果
有機EL表示装置1は、水分の有機EL層への浸透を抑制したパネル10を備える。したがって、有機EL表示装置1では、発光寿命が向上し、高い表示品質を実現できる。
本発明に係る有機EL表示パネル及び有機EL表示装置は、例えば、テレビジョン機器、業務用ディスプレイ、パーソナルコンピュータ、携帯型電子機器などの装置又はその他表示機能を有する様々な電子機器などに広く利用することができる。
1 有機EL表示装置
10、10X、10Y、10Z、90a、90b 有機EL表示パネル
11 表示領域
101 下部基板
102 層間絶縁層
103 有機EL層
104、304、904 無機封止層
104A 外周
104a、304a、904a 周縁部
106 カラーフィルタ層
107 上部基板
108、908a、908b、908c 封止壁
109、309、409、509、909a、909b、909c 吸湿壁

Claims (12)

  1. 下部基板と、
    前記下部基板と対向して配置された上部基板と、
    有機EL素子を複数有し、前記上部基板と前記下部基板との間に配置された有機EL層と、
    無機材料を含み、前記有機EL層の上面及び側面を覆う無機封止層と、
    前記上部基板及び前記下部基板と密着しつつ、前記有機EL層の側面を囲む封止壁と、
    前記上部基板、前記下部基板及び前記封止壁に囲まれた領域内に配置され、吸湿性を有する吸湿壁と、
    を備え、
    前記吸湿壁が、少なくとも前記下部基板上から前記無機封止層の周縁部に接するまでの領域を含んで配置された、
    有機EL表示パネル。
  2. 前記吸湿壁が、前記無機封止層の外周に渡って、前記下部基板上から前記無機封止層の周縁部に接するまでの領域を含んで配置された、
    請求項1に記載の有機EL表示パネル。
  3. 前記無機封止層の周縁部が、前記下部基板上にある、
    請求項1又は請求項2のいずれかに記載の有機EL表示パネル。
  4. さらに、前記下部基板と前記有機EL層との間に配置され、有機材料からなる層間絶縁層を備え、
    前記無機封止層の周縁部が、前記層間絶縁層上にある、
    請求項1又は請求項2のいずれかに記載の有機EL表示パネル。
  5. 前記吸湿壁が、吸湿によって化学反応を起こす化学的乾燥剤を含む、
    請求項1から請求項4のいずれかに記載の有機EL表示パネル。
  6. 前記化学的乾燥剤が、酸化リン、酸化カルシウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム又は硫酸カルシウムのいずれかである、
    請求項5に記載の有機EL表示パネル。
  7. 前記吸湿壁が、前記化学的乾燥剤を10質量%以上含む、
    請求項5又は請求項6に記載の有機EL表示パネル。
  8. 前記化学的乾燥剤が粒状であり、前記化学的乾燥剤の平均粒径が10nm以上20μm以下である、
    請求項5から請求項7のいずれかに記載の有機EL表示パネル。
  9. 前記無機材料が、珪素、炭素又はアルミニウムの酸化物、窒化物又は酸窒化物である、
    請求項1から請求項8のいずれかに記載の有機EL表示パネル。
  10. 前記吸湿壁が、前記上部基板及び前記下部基板と密着している、
    請求項1から請求項9に記載の有機EL表示パネル。
  11. さらに、前記上部基板と前記無機封止層との間に配置されたカラーフィルタ層を備える、
    請求項1から請求項10のいずれかに記載の有機EL表示パネル。
  12. 請求項1から請求項11のいずれかに記載の有機EL表示パネルを備える、
    有機EL表示装置。
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