以下に添付図面を参照して、この発明に係る開閉体制御システムの実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、〔III〕最後に、実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態に係る開閉体制御システムは、開口部を開閉する開閉装置の開閉体を制御するシステムである。
「開閉装置」とは、開口部を開閉する開閉体を備える装置であり、代表的には、開閉体としてのシャッターカーテンを備えたシャッター装置であるが、その他にも、例えば、開閉体としてのスクリーンを備えたロールスクリーン装置を含む。また、シャッター装置は、複数の異なる種類の装置を併用させた装置である限りにおいて、任意の目的、設置場所、構造等を取ることができるが、以下では、災害発生時に自重降下して防火・防煙区画を形成することを目的とする防火・防煙シャッター(重量シャッター)と、遠隔制御により開口部を開閉可能することを目的とする無人制御式シャッターとを併用させた装置として構成されているものとする。ただし、上記の2種に限られず、その他の重量シャッター(例えば、気密用シャッター、管理用シャッター、防音シャッター)、軽量シャッター、グリルシャッター、あるいは防煙たれ壁等を適宜併用させた装置として構成されていても構わない。また、シャッターカーテンの開閉方向も任意であり、鉛直方向や水平方向を含む。以下では、開閉体制御システムを、シャッターカーテンを鉛直方向に沿って開閉させる、防火・防煙シャッター(重量シャッター)と無人制御式シャッターとを併用させたシャッター装置に適用した例について説明する。
〔II〕本実施の形態の具体的内容
次に、本実施の形態の具体的内容について説明する。
(構成−シャッター装置)
初めに、本実施の形態に係る開閉体制御システムが適用されるシャッター装置の構成について説明する。ただし、シャッター装置は従来と同様に構成することが可能であり、特記しない構成や処理については従来と同様であるものとする。図1は、本実施の形態に係るシャッター装置10、火災報知システム20、無人制御システム30、第1のシャッター障害物検知システム40、及び第2のシャッター障害物検知システム50を概念的に示す正面図である。
このシャッター装置10は、建築物に設けられた開口部2を火災発生時に全閉状態とすることで、この建築物に防火区画を形成する電動式の防火シャッター装置であると共に、予め設定された時刻に遠隔制御により開閉することで、盗難防止区画を形成する電動式の無人制御シャッター装置である。具体的には、このシャッター装置10は、シャッター収納部11、シャッターカーテン12、開閉機13、自動閉鎖装置14、手動閉鎖装置15、シャッター制御用制御盤16、無人制御用制御盤17、連動中継器18、下限リミットスイッチ19、及びエマーゼンシスイッチ(図示省略)を備えて構成されている。なお、以下の説明では、図1におけるX−X’方向を「幅方向」と称し、特にX方向を「右方向」、X’方向を「左方向」と称する。また、図1においては図示しないY−Y’方向(すなわち、X−Z平面に直交する方向)を「奥行き方向」と称し、特にY方向(正面視において手前方向)を「前方向(又は屋内側方向)」、Y’方向(正面視において奥方向)を「後方向(又は屋外側方向)」と称する。また、Z−Z’方向を「高さ方向」と称し、特にZ方向を「上方向」、Z’方向を「下方向」と称する。
なお、無人制御用制御盤17と連動中継器18とは、後述するリレーR1、リレー接点R1a、及びリレー接点R1bと、これら無人制御用制御盤17及び連動中継器18を相互に接続する配線を除いて、従来のそれぞれの単独システムと全く同じものを使用可能である。なお、これらのリレーR1、リレー接点R1a、リレー接点R1b、及び配線は、これら無人制御用制御盤17及び連動中継器18に対して後付け可能であり、あるいはこれらの外部に取り付け可能である。また、手動閉鎖装置15は、従来から無人制御用制御盤17に接続されていた操作装置(いずれも後述する上昇スイッチ15a、下降スイッチ15b、及び停止スイッチ15cを備える装置)と、従来から連動中継器18に接続されていた操作装置(いずれも後述する表示灯15d、非常閉鎖スイッチ15e、及び復旧スイッチ15fを備える装置)とを一体形成した装置であるものとして本実施の形態では説明するが、これらの操作装置を別々に分離して構成しても構わない。
シャッター収納部11は、シャッター装置10の各部を収容するための中空体であり、開口部2の上端近傍位置に取り付けられている。このシャッター収納部11の内部には、開閉機13、自動閉鎖装置14、シャッター制御用制御盤16、無人制御用制御盤17、連動中継器18、下限リミットスイッチ19、巻き取り軸(図示省略)、及び第1のシャッター障害物検知システム40の後述する受信機43、及び第2のシャッター障害物検知システム50のコードリール52が収容されている。また、巻き取り軸にてシャッターカーテン12が巻き取られた状態では、シャッターカーテン12も、第1のシャッター障害物検知システム40の後述する送信機42と共に、シャッター収納部11の内部に収容される。シャッター収納部11の下方には、その屋内側寄りの位置と屋外側寄りの位置とにそれぞれまぐさ(図示省略)が固定されており、このまぐさには、開口部2の幅方向全長に渡って、スリット状のまぐさ開口(図示省略)が形成されていて、このまぐさ開口を介してシャッターカーテン12の出し入れが行われる。
シャッターカーテン12は、巻き取り軸によって巻き取り又は巻き出しされることで、開口部2を、全開状態、全閉状態、あるいはこれらの2状態の間の状態とする遮蔽手段である。このシャッターカーテン12の幅方向の両端部は、開口部2の左右内縁において上下方向に沿って設けられたガイドレール3の溝部に挿入されており、上下方向においてはガイドレール3の溝部をスライド移動可能であり、かつ、前後方向においてはガイドレール3の外部に脱落しないように規制されている。このシャッターカーテン12の下端部には、水平状の座板12aが設けられており、この座板12aには、第1のシャッター障害物検知システム40の後述する第1の座板スイッチ41と、第2のシャッター障害物検知システム50の後述する第2の座板スイッチ51が取り付けられている。ここで、シャッターカーテン12を全閉状態とした際に、当該シャッターカーテン12によって閉鎖される面(具体的には、開口部2の天井面、床面、及び側壁(いずれも図示省略)により囲まれた平面)を以下では「閉鎖面」と称して説明する。なお、シャッターカーテン12の具体的な構造については公知であるため、その詳細な説明を省略する。
また、開閉機13は、巻き取り軸(図示省略)を回転駆動することによって電動でシャッターカーテン12を昇降させる昇降手段であり、巻き取り軸の回転を制動する図示しないブレーキを備えている。自動閉鎖装置14は、シャッターカーテン12の自重降下を制御する手段であり、連動中継器18からの制御信号に基づいて、開閉機13のブレーキレバーを引くことによりブレーキを解除させることで、シャッターカーテン12を自重降下させ、あるいは、連動中継器18からの制御信号に基づいて、開閉機13のブレーキレバーを戻すことによりブレーキを作動させることで、シャッターカーテン12の自重降下を停止させる。
シャッターカーテン12を電動で昇降させる場合、自動閉鎖装置14は作動せず、開閉機13は自身でブレーキを解除すると共に、巻き取り軸を所定の巻き取り方向又は繰り出し方向に駆動することにより、シャッターカーテン12を電動で上昇又は降下させて開口部2を全開状態又は全閉状態する。
手動閉鎖装置15は、シャッターカーテン12を操作する操作手段である。図2は、手動閉鎖装置15、無人制御用制御盤17、及び連動中継器18の相互間の配線を概略的に示す図である。なお、この図2においては、各装置の端子や配線のみに着目して図示しており、その他の部分については適宜図示を省略している。また、手動閉鎖装置15、無人制御用制御盤17、及び連動中継器18の端子やスイッチは、信号線60から信号線68により図示のように接続されているが、これらの各信号線の構造や接続方法は公知であるため詳細な説明を省略する。この図2に示すように、手動閉鎖装置15は、シャッターカーテン12を電動で上昇させる上昇スイッチ15a、電動で降下させる下降スイッチ15b、及び昇降中のシャッターカーテン12を停止させる停止スイッチ15cを備え、これら上昇スイッチ15a、下降スイッチ15b又は停止スイッチ15cがユーザによって押圧された場合に、当該押圧されたスイッチに応じた操作信号を無人制御用制御盤17に出力することで、開閉機13を介してシャッターカーテン12が電動で上昇及び下降し、又はシャッターカーテン12の昇降を停止する。なお、これらの3つのスイッチのうち、上昇スイッチ15a及び下降スイッチ15bはユーザによって押圧された場合に閉状態となるa接点のスイッチにより構成され、停止スイッチ15cはユーザによって押圧された場合に開状態となるb接点のスイッチにより構成される。
また、手動閉鎖装置15には、異常発生を報知するための表示灯15dが設けられている。
また、手動閉鎖装置15は、自重降下を開始させる非常閉鎖スイッチ15e、及び自重降下を停止させる復旧スイッチ15fを備え、これら非常閉鎖スイッチ15e又は復旧スイッチ15fがユーザによって押圧された場合に、当該押圧されたスイッチに応じた操作信号を連動中継器18に出力することで、シャッターカーテン12の自重降下が開始又は停止する。なお、これらの非常閉鎖スイッチ15e及び復旧スイッチ15fはいずれもa接点のスイッチにより構成される。
シャッター制御用制御盤16は、開閉機13の正転と逆転とを切換えるための切換え手段(モーター)であって、無人制御用制御盤17と電気的に接続され、無人制御用制御盤17から送信される信号に基づいて開閉機13の正転と逆転とを切換えることにより、シャッターカーテン12の巻き取りと巻き出しとを切換える。
無人制御用制御盤17は、無人制御システム30をシャッター装置10に連動させる中継手段であると共に、第1の制御条件が充足された場合に開閉機13に対して第1の制御を行う第1制御手段であって、手動閉鎖装置15と、シャッター制御用制御盤16と、連動中継器18と、無人制御システム30の後述する人感センサ31及び警備会社システム32と、第1のシャッター障害物検知システム40の後述する受信機43と、下限リミットスイッチ19と、に対して電気的に接続されている。ここで、後述するように、警備会社システム32からこの無人制御用制御盤17に対して、開口部2を開放する開放時刻が到来したことを示す開放時刻到来信号と、開口部2を閉鎖する閉鎖時刻が到来したことを示す閉鎖時刻到来信号とが送信されるが、「第1の制御条件」とは、本実施の形態においては、このうち開放時刻到来信号を無人制御用制御盤17が受信したこと、あるいは、ユーザによって手動閉鎖装置15の上昇スイッチ15aが押圧されたことであるものとする。また、「第1の制御」とは、第1の制御条件が充足された場合に第1制御手段により実行される制御であり、具体的には開閉機13によりシャッターカーテン12の巻き取りを行わせ、開口部2の開放を行わせる制御である。
この無人制御用制御盤17は、シャッター制御用制御盤16に制御信号を出力することで、シャッターカーテン12を電動降下又は電動上昇させ、あるいは、シャッターカーテン12の電動降下又は電動上昇を停止させる。
図3は、無人制御用制御盤17を機能概念的に示すブロック図である。この図3に示すように、無人制御用制御盤17は、概略的に、入出力部17a、制御部17b、及び記憶部17cを備えて構成されている。
入出力部17aは、無人制御用制御盤17に対して信号を入出力するための入出力手段であり、上述した図2に示すように、入出力部17aとしては、停止端子SS、共通端子BS、閉鎖端子BD、開放端子BU、異常検知端子E、異常有端子EY、及び異常無端子ENを備えて構成されているが、これらはいずれも公知の端子として構成できるため、その詳細な説明を省略する。なお、入出力部17aとしては、上記の各端子の他にも、例えば人感センサ31からの入力を受け付ける端子や、受信機43からの入力を受け付ける端子等といった様々な端子を備えているが、これらの端子については、図2において図示を省略している。
図3に戻り、制御部17bは、無人制御用制御盤17を制御する制御手段であり、例えば、記憶部17cに記憶されたプログラムを実行するCPUによって構成されている。
ここで、無人制御用制御盤17の制御部17bは、上述した停止端子SS、閉鎖端子BD、及び開放端子BUに電流が流れているか否かを監視する。そして、無人制御用制御盤17の制御部17bは、停止端子SSに電流が流れている場合には、シャッター制御用制御盤16に対していかなる信号も送信せず、一方、停止端子SSに電流が流れていない場合には、シャッターカーテン12の停止を要求する停止要求信号をシャッター制御用制御盤16に対して送信する。また、無人制御用制御盤17の制御部17bは、閉鎖端子BDに電流が流れたことを検知した場合には、シャッターカーテン12の閉鎖を要求する閉鎖要求信号をシャッター制御用制御盤16に対して送信して開閉機13によるシャッターカーテン12の電動降下を開始させ、一方、閉鎖端子BDに電流が流れていない場合には、シャッター制御用制御盤16に対していかなる信号も送信しない。また、無人制御用制御盤17の制御部17bは、開放端子BUに電流が流れたことを検知した場合には、シャッターカーテン12の開放を要求する開放要求信号をシャッター制御用制御盤16に対して送信して開閉機13によるシャッターカーテン12の電動上昇を開始させ、一方、開放端子BUに電流が流れていない場合には、シャッター制御用制御盤16に対していかなる信号も送信しない。
ここで、初期状態(すなわち、火災発生時でなく、手動閉鎖装置15のいずれのスイッチも押圧されていない場合)においては、停止スイッチ15cはb接点のスイッチとして構成されているため閉状態であり、開放スイッチ及び閉鎖スイッチはa接点のスイッチとして構成されているため開状態である。よって、共通端子BSから、信号線60、停止スイッチ15c、及び信号線61を介して、停止端子SSに電流が流れており、閉鎖端子BDや開放端子BUには電流は流れていない。このため、上述したように、初期状態においては、無人制御用制御盤17からシャッター制御用制御盤16に対してはいかなる信号も送信されておらず、無人制御用制御盤17による開閉機13の制御は行われていない。なお、制御部17bにより実行される具体的な処理の内容については後述する。
また、無人制御用制御盤17には、開閉体制御システム1の異常の有無に応じて切り換えられるスイッチESが設けられており、このスイッチESは異常未発生時には図2に図示するように上の接点に接続されており、異常検知端子Eから異常無端子ENに電流が流れるが、異常発生時には切り換えられて下の接点に接続され、異常検知端子Eから異常有端子EYに電流が流れる。ここで、「異常発生時」とは、例えば、エマーゼンシスイッチが作動した場合や、第1のシャッター障害物検知システム40の後述する送信機42の投光部の電池残量が基準以下となった場合である。そして、無人制御用制御盤17の制御部17bは、上述した異常有端子EYに電流が流れているか否かを監視し、電流が流れている場合には、開閉体制御システム1に異常が発生していると判断し、警備会社システム32に異常検知信号を送信する。なお、このように異常を検知する機構については、従来の無人制御用制御盤に設けられているものをそのまま用いることができる。
記憶部17cは、無人制御用制御盤17を動作させるために必要な各種のプログラムやデータを不揮発的に記憶する記憶手段であり、例えば、EEPROMとして構成されている。
連動中継器18は、火災報知システム20をシャッター装置10に連動させる中継手段であると共に、第2の制御条件が充足された場合に開閉機13に対して第2の制御を行う第2制御手段である。この連動中継器18は、無人制御用制御盤17とは相互に異なる筐体に設けられており、自動閉鎖装置14と、手動閉鎖装置15と、無人制御用制御盤17と、火災報知システム20の後述する防災盤22と、第2のシャッター障害物検知システム50の後述するコードリール52と、下限リミットスイッチ19とに、電気的に接続されている。ここで、「第2の制御条件」とは、上述した第1の制御条件とは異なる条件であり、かつ第1の制御条件と少なくとも重畳する条件である限りにおいて任意であるが、本実施の形態においては、火災感知システムの後述する火災感知器21にて火災の発生が感知されたこと、あるいは、ユーザによって手動閉鎖装置15の非常閉鎖スイッチ15eが押圧されたことであるものとして説明する。なお、「重畳する条件」とは、2つの条件が同時に発生し得ることを示し、例えば開放時刻が到来して警備会社システム32が開放時刻到来信号を送信している際に火災が発生し、火災感知器21が火災の発生を感知することが有り得るため、本実施の形態に係る第1の制御条件と第2の制御条件は重畳すると云える。また、「第2の制御」とは、第2の制御条件が充足された場合に連動中継器18により実行される制御であり、具体的には開閉機13に取り付けられたブレーキを解除することにより、開閉機13にシャッターカーテン12の自重降下を行わせ、開口部2の閉鎖を行わせる制御である。
この連動中継器18は、シャッターカーテン12の自重降下中に、後述する第2のシャッター障害物検知システム50の第2の座板スイッチ51の検知信号を信号線53を介して受信した場合には、自動閉鎖装置14に制御信号を出力してブレーキを作動させることで、シャッターカーテン12の自重降下を停止させる。
図4は、連動中継器18を機能概念的に示すブロック図である。この図4に示すように、連動中継器18は、概略的に、入出力部18a、制御部18b、及び記憶部18cを備えて構成されている。
入出力部18aは、連動中継器18に対して信号を入出力するため入出力手段であり、上述した図2に示すように、入出力部18aとしては、スタート端子ST、リセット端子R、コモン端子C、ランプ端子BL、リミットスイッチ端子SF、リレー端子SFC、及びリレー端子DIを備えて構成されているが、これらはいずれも公知の端子として構成できるため、その詳細な説明を省略する。なお、入出力部18aとしては、上記の各端子の他にも、例えば防災盤22からの入力を受け付ける端子や、コードリール52からの入力を受け付ける端子等といった様々な端子を備えているが、これらの端子については、図2において図示を省略している。
図3に戻り、制御部18bは、連動中継器18を制御する制御手段であり、例えば、記憶部18cに記憶されたプログラムを実行するCPUによって構成されている。なお、制御部18bにより実行される具体的な処理の内容については後述する。
記憶部18cは、連動中継器18を動作させるために必要な各種のプログラムやデータを不揮発的に記憶する記憶手段であり、例えば、EEPROMとして構成されている。
ここで、図2に示されたリレーR1、リレー接点R1a、及びリレー接点R1bについて概略的に説明する。リレーR1は、リレー端子SFCとリレー端子DIとを接続するように設けられたリレーであって、連動中継器18が防災盤22から移報信号を受信した際にリレー端子SFCからリレーR1を介してリレー端子DIに電流が流れることにより作動し、リレー接点R1a、及びリレー接点R1bの開状態及び閉状態を切換える。また、リレー接点R1aは、停止スイッチ15cと停止端子SSとを相互に接続する信号線61に形成されたリレー接点であって、火災の非発生時には閉状態となっており、火災の発生時にはリレーR1の作用により開状態となる。また、リレー接点R1bは、異常検知端子Eと異常有端子EYとを相互に接続する信号線に形成されたリレー接点であって、火災の非発生時には開状態となっており、火災の発生時にはリレーR1の作用により閉状態となる。なお、これらのリレーR1、リレー接点R1a、及びリレー接点R1bによる機能の詳細については後述する。
図1において、下限リミットスイッチ19は、シャッターカーテン12の下端が、床面から所定距離(数cm)だけ上方側に設定された所定位置(以下、下限位置)に対して、上方と下方のいずれの側に位置しているかを検出するためのスイッチである。この下限リミットスイッチ19は、例えば、シャッターカーテン12の巻き取り軸の回転量を検出するポテンショメータやカウンター式リミットスイッチを含んで構成されており、シャッターカーテン12の下端が下限位置より下方側に位置している場合に、下限リミット信号を無人制御用制御盤17又は連動中継器18に出力する。
エマーゼンシスイッチ(図示省略)は、シャッターカーテン12の開閉機能の異常を検知するためのエマーゼン検知手段であり、例えば、シャッター収納部11の内部に配置されたマイクロスイッチとして構成されており、シャッターカーテン12が過大に巻き出された場合に当該シャッターカーテン12によって押圧されることによって、オーバーラン検知信号を出力する。
また、エマーゼンシスイッチ17は、例えば、まぐさ開口から所定距離だけ上方側に設置された検知レバーを備えて構成されており、シャッターカーテン12が巻き上げられた際に、シャッターカーテン12の下端の座板12aによって検知レバーが上方向に向けて押圧された場合には、シャッターカーテン12が過大に巻き取られたと判断し、異常検知信号を無人制御用制御盤17又は連動中継器18に出力する。
(構成−火災報知システム)
次に、本実施の形態に係る火災報知システム20の構成について説明する。ただし、火災報知システム20は従来と同様に構成することが可能であり、特記しない構成及び処理については従来と同様であるものとする。この火災報知システム20は、建築物に設定された監視領域における火災発生を感知して報知するシステムであり、火災感知器21と、防災盤22を備えて構成されている。火災感知器21は、監視領域における火災発生を感知した場合に防災盤22に火災感知信号を出力し、監視領域における火災発生を感知しなくなった場合に当該火災感知信号の出力を停止する。防災盤22は、火災感知器21から火災感知信号を受信した場合に、防災盤22の記憶部(図示省略)に格納される火災フラグをONにすることで火災モードに設定される。この火災モードに設定されている限り、防災盤22は警報音の出力や火災表示灯の点灯を行うと共に、シャッターカーテン12を全閉して防火区画を形成して火災の延焼拡大を防止するため火災発生の旨を報知する移報信号を連動中継器18に出力し続ける。なお、防災盤22に設けられた火災復旧スイッチ(図示省略)が押圧されると、防災盤22は火災が終了したものと判定して上述した火災フラグをOFFにし、火災モードが解除される。このように火災モードが解除されると、防災盤22は上述した警報音の出力や火災表示灯の点灯を解除する。
(構成−無人制御システム)
次に、本実施の形態に係る無人制御システム30の構成について説明する。ただし、無人制御システム30は従来と同様に構成することが可能であり、特記しない構成及び処理については従来と同様であるものとする。この無人制御システム30は、シャッターカーテン12を遠隔制御により操作して開口部2を開閉させるためのシステムであり、人感センサ31、及び警備会社システム32を備えて構成されている。人感センサ31は、監視領域における人の存在を感知した場合に、無人制御用制御盤17に人感知信号を出力する。警備会社システム32は計時を行うタイマー(図示省略)を備え、開放時刻が到来した際には、開口部2の開放を求める開放時刻到来信号を無人制御用制御盤17に送信し、この信号を受信した無人制御用制御盤17はシャッター制御用制御盤16を介して開閉機13にシャッターカーテン12を上昇させる。また、閉鎖時刻が到来した際には、開口部2の閉鎖を求める閉鎖時刻到来信号を無人制御用制御盤17に送信し、この信号を受信した無人制御用制御盤17はシャッター制御用制御盤16を介して開閉機13にシャッターカーテン12を電動降下させる。ただし、無人制御用制御盤17は、閉鎖時刻到来信号を受信している場合であっても、人感センサ31から人感知信号を受信している場合には、開口部2を閉鎖してしまうと監視領域に人が閉じ込められてしまうため閉鎖すべきでないと判断して上述した電動降下を行わせず、警備会社システム32に表示灯(図示省略)の点灯等を行わせて警備会社システム32の管理者に注意喚起する。
(構成−第1のシャッター障害物検知システム)
次に、本実施の形態に係る第1のシャッター障害物検知システム40の構成について説明する。この第1のシャッター障害物検知システム40は、開口部2を開閉するシャッターカーテン12に対する障害物を検知して、検知信号を無人制御用制御盤17に送信するシステムである。なお、「障害物を検知する」とは、開口部2を開閉するシャッターカーテン12に対する障害になり得る人や物を検知することを意味し、任意の目的や法令に基づく障害物検知を対象とすることができる。以下では、シャッター装置10に、シャッターカーテン12の電動降下時における障害物検知を目的とする第1のシャッター障害物検知システム40が設けられている場合について説明する。
この第1のシャッター障害物検知システム40は、第1の座板スイッチ41、送信機42、及び受信機43を備えて構成されている。なお、これら送信機42及び受信機43は、閉鎖面に対して直交する方向(すなわち、奥行き方向)に沿って配置された2つの領域であり、シャッターカーテン12を挟んで位置する2つの領域(すなわち、シャッターカーテン12の前の領域と後の領域)のうち同一の領域に配置される。なお、本実施の形態においては、これら送信機42及び受信機43は、いずれも、シャッターカーテン12の前側(屋内側)の領域に配置されるものとして説明する。
第1の座板スイッチ41は、シャッターカーテン12の閉鎖作動時における先端部(本実施の形態では座板12a)が、障害物に接触したことを検知する障害物センサである。この第1の座板スイッチ41は、例えば従来と同様に構成されており、シャッターカーテン12の閉鎖作動時に座板12aが障害物に接触してシャッターカーテン12に対して相対的に上方に持ち上げられた際の変位を機械的に検知(本実施の形態では、マイクロスイッチによる検知)し、この検知結果に応じた出力を行う。
具体的には、送信機42の入出力部の2つの端子(図示省略)と第1の座板スイッチ41の2つの端子(図示省略)とがそれぞれ信号線44を介して接続される。そして、送信機42における2つの端子の所定の一方を介して送電された電流が、信号線44を介して第1の座板スイッチ41の2つの端子の所定の一方に入力される。この電流は、第1の座板スイッチ41が障害物を検知していることによって閉状態となっている場合には、当該第1の座板スイッチ41に流れ、第1の座板スイッチ41の2つの端子の所定の他方から信号線44を介して送信機42における2つの端子の所定の他方に入力される。あるいは、送信機42における2つの端子の所定の一方を介して送電された電流は、第1の座板スイッチ41が障害物を検知していないために開状態となっている場合には、電流が流れなくなる。このように、第1の座板スイッチ41が開状態である場合と閉状態である場合とで、電流の有無が変わるため、送信機42の後述する電流検出部においてこの電流変化を検知することで、第1の座板スイッチ41が開状態である場合の出力(=障害物未検知時の出力。以下、座板スイッチオフ出力)と第1の座板スイッチ41が閉状態である場合の出力(=障害物検知時の出力。以下、座板スイッチオン出力)とを区別することができる。
なお、第1の座板スイッチ41に代えて、障害物を検知するための任意の検知手段を用いることができ、例えば、超音波センサ、静電容量センサや光学センサによって、シャッターカーテン12の下端部よりも下方に障害物が存在することを検知してもよい。この点については、第2の障害物検知システムの後述する第2の座板スイッチ51についても同様である。
送信機42は、障害物センサによる障害物の検知状態を示す情報を含む信号(以下、障害物検知状態信号)を無線(赤外線)にて送信する第1通信手段である。このように、本実施の形態においては、無線媒体は赤外線であるものとして説明するが、これに限定されず、例えば無線媒体は無線電波や可視光等であっても構わない。この点については、受信機43の無線媒体についても同様である。
ここで、送信機42は、概略的に、電流検出部及び投光部(いずれも図示省略)を備えて構成されている。電流検出部は、信号線44を介して第1の座板スイッチ41と接続される部分であって、信号線44からの電流の有無を検出する検出手段である。また、投光部は、電流検出部にて電流が検出された場合に、赤外線信号を送信する投光手段であって、受信機43の後述する受光部に対して赤外線信号が当たるように投光角度が調節されている。また、図示は省略するが、送信機42に接続されたバッテリから赤外線信号を送信するための電源が供給される。
受信機43は、障害物検知状態信号を無線(赤外線)にて受信する第2通信手段である。この受信機43は、概略的に、投光部から送信された赤外線信号を感知する受光部を備えて構成されている。
ここで、第1の座板スイッチ41により障害物が検知された際の、これら送信機42及び受信機43により実行される処理について説明する。まず、第1の座板スイッチ41が障害物を検知して閉状態となっている場合には、上述したように電流検出部が第1の座板スイッチ41からの電流を検出するので、投光部は赤外線信号を送信する。よって、受光部により赤外線信号が受光され、受信機43から無人制御用制御盤17に障害物検出信号が出力される。また、第1の座板スイッチ41が障害物を検知せず開状態となっている場合には、上述したように電流検出部が第1の座板スイッチ41からの電流を検出しないので、投光部は赤外線信号を送信しない。よって、受光部により赤外線信号が受光されず、受信機43から無人制御用制御盤17に障害物検出信号が出力されない。このように、無人制御用制御盤17は、第1の座板スイッチ41が障害物を検知している場合にのみ受信機43から障害物検出信号を受信することができ、開口部2に障害物が存在するか否かを区別することができる。
また、投光部の電池の電圧が所定電圧以下に低下している状態で第1の座板スイッチ41が障害物を検出して閉状態となった場合には、投光部は上述した赤外線信号に、電池残量低下を示す情報を付して受光部に投光することで、投光部の電池残量低下を受光部に報知する。なお、受光部は無人制御用制御盤17と有線接続されており電源供給を受けているので、電池残量低下の問題は生じない。
(構成−第2のシャッター障害物検知システム)
次に、本実施の形態に係る第2のシャッター障害物検知システム50の構成について説明する。この第2のシャッター障害物検知システム50は、開口部2を開閉するシャッターカーテン12に対する障害物を検知して、検知信号を連動中継器18に送信するシステムである。なお、「障害物を検知する」とは、開口部2を開閉するシャッターカーテン12に対する障害になり得る人や物を検知することを意味し、建築基準法の防火戸に義務付けられている「危害防止」のための障害物検知を含むが、危害防止に限定されず、任意の目的や法令に基づく障害物検知を対象とすることができる。以下では、シャッター装置10に、シャッターカーテン12の自重降下時における危害防止を目的とする第2のシャッター障害物検知システム50が設けられている場合について説明する。
この第2のシャッター障害物検知システム50は、第2の座板スイッチ51、及びコードリール52を備えて構成されている。
第2の座板スイッチ51は、シャッターカーテン12の閉鎖作動時における先端部(本実施の形態では座板12a)が、障害物に接触したことを検知する障害物センサである。この第2の座板スイッチ51は、例えば従来と同様に構成されており、シャッターカーテン12の閉鎖作動時に座板12aが障害物に接触してシャッターカーテン12に対して相対的に上方に持ち上げられた際の変位を機械的に検知(本実施の形態では、マイクロスイッチによる検知)し、この検知結果に応じた出力を行う。
具体的には、コードリール52と第2の座板スイッチ51とを接続する2本の信号線53の相互間には終端抵抗(図示省略)が設けられている。そして、座板12aが障害物に接触していない状態では、第2の座板スイッチ51が開状態となる。この場合、連動中継器18からコードリール52を介して信号線53に流れた電流は、開状態の第2の座板スイッチ51には流れず、終端抵抗を介してコードリール52に戻り、連動中継器18に入力される。一方、座板12aが障害物に接触している状態では、座板12aが上方に持ち上げられることで第2の座板スイッチ51が閉状態となる。この場合、第2の座板スイッチ51の抵抗の方が終端抵抗より小さいために、連動中継器18からコードリール52を介して信号線53に流れた電流は、閉状態の第2の座板スイッチ51を介してコードリール52に戻り、連動中継器18に入力される。このように、第2の座板スイッチ51が開状態である場合と閉状態である場合とで、電流が流れる経路の抵抗が異なることになるため、連動中継器18においてこの抵抗変化を検知することで、座板スイッチオフ出力と座板スイッチオン出力とを区別することができる。
コードリール52は、障害物検知状態信号を有線にて連動中継器18に送信する通信線を巻装する巻装手段である。具体的には、このコードリール52は、第2の座板スイッチ51と連動中継器18とを信号線53により相互に接続する手段であり、シャッターカーテン12の開閉に伴って第2の座板スイッチ51が上下動しても、信号線53の巻き出し長さが常に適切な長さに維持されるように、信号線53の巻き取り又は巻き出しを行うものである。この信号線53は、第2の座板スイッチ51と連動中継器18を有線通信可能に接続する線路である。そして、シャッターカーテン12の自重降下中に、第2の座板スイッチ51の検知信号が当該信号線53を介して連動中継器18に送信されると、連動中継器18は開閉機13に制御信号を出力してブレーキを作動させることで、シャッターカーテン12の自重降下を停止させる。
(処理)
次に、上記のように構成された開閉体制御システム1において実行される処理について説明する。この処理は、無人制御処理、及び火災感知処理に大別される。以下、各処理について順次説明する。
(処理−無人制御処理)
次に、無人制御処理について説明する。この無人制御処理は、無人制御用制御盤17の制御部17bにより実行される処理であって、警備会社システム32からの信号や、手動閉鎖装置15の入力内容等に基づいてシャッターカーテン12を昇降させるための処理である。図5は、無人制御処理を概略的に示すフローチャートである。この処理は、無人制御用制御盤17の電源が投入された時に起動され、繰り返し実行される。
図5に示すように、ユーザによって無人制御用制御盤17の電源が投入された場合に、無人制御用制御盤17は、入出力部17aの停止端子SSに電流が流れているか否かを判定する(SA1)。この判定の具体的な方法は任意であるが、例えば停止端子SSの電流値を公知の測定手段により測定しても良い。なお、上述したように、初期状態(すなわち、火災発生時でもなく、ユーザによる手動閉鎖装置15の操作も行われていない状態)においては、図2に示すリレー接点R1a、及び停止スイッチ15cは閉状態であり、無人制御用制御盤17の共通端子BSから、信号線60、停止スイッチ15c、及び信号線61を介して、停止端子SSに電流が流れている。
そして、電流が流れていないと判定した場合(SA1、No)、すなわち、ユーザによって手動閉鎖装置15の停止スイッチ15cが押圧されることで停止スイッチ15cが開状態となった場合、又は連動中継器18の制御によりリレー接点R1aが開状態となった場合(又はこれら両方を満たす場合)、無人制御用制御盤17は、シャッターカーテン12が昇降している場合にはシャッターカーテン12を停止させ、シャッターカーテン12が既に停止している場合には停止を維持させる(SA2)。具体的には、無人制御用制御盤17は、停止要求信号を開閉機13に送信し、これを受けて開閉機13がシャッターカーテン12の巻き取り又は巻き出しを停止させる。
次に、無人制御用制御盤17が無効制御状態に設定される(SA3)。具体的には、無人制御用制御盤17の記憶部17cに記憶されるフラグであって、無人制御用制御盤17が無効制御状態に設定されているか否かを示す無効制御状態フラグをONとする。ここで、この「無効制御状態」とは、停止端子SSに電流が流れていない状態であって、手動閉鎖装置15の上昇スイッチ15a及び下降スイッチ15bによる操作に基づくシャッターカーテン12の昇降を無効とすると共に、警備会社システム32からの開放要求信号及び閉鎖要求信号に基づくシャッターカーテン12の昇降を無効とする状態である。すなわち、この無効制御状態に設定されている限り、上昇スイッチ15aや下降スイッチ15bが押圧されて開放端子BUや閉鎖端子BDに電流が流れたとしても、無人制御用制御盤17からシャッター制御用制御盤16に対して開放要求信号や閉鎖要求信号は送信されず、停止要求信号が優先されて送信され、シャッターカーテン12が電動開閉されない状態に維持される。
また、電流が流れていると判定した場合(SA1、Yes)、すなわち、連動中継器18の制御によりリレー接点R1aが閉鎖しており、かつユーザによって停止スイッチ15cが押圧されていない場合、無人制御用制御盤17が無効制御状態から解除される(SA4)。具体的には、無人制御用制御盤17の記憶部17cに記憶される無効制御状態フラグをOFFとする。ここで無効制御状態から解除された状態とは、停止端子SSに電流が流れている状態であって、手動閉鎖装置15の上昇スイッチ15a及び下降スイッチ15bによる操作が有効となる状態である。すなわち、この無効制御状態が解除された状態においては、上昇スイッチ15aが押圧されて開放端子BUに電流が流れた場合、無人制御用制御盤17からシャッター制御用制御盤16に対して開放要求信号が送信され、下降スイッチ15bが押圧されて閉鎖端子BDに電流が流れた場合、無人制御用制御盤17からシャッター制御用制御盤16に対して閉鎖要求信号が送信される。
次に、無人制御用制御盤17は、警備会社システム32からの信号、手動閉鎖装置15の入力状況、及び無効制御状態の設定状況に基づいて、シャッターカーテン12を制御する(SA5)。
具体的には、まず、無人制御用制御盤17が上述した無効制御状態に設定されている場合、警備会社システム32からの信号の有無、及び手動閉鎖装置15の上昇スイッチ15aや下降スイッチ15bの押圧の有無に関わらず、無人制御用制御盤17はシャッター制御用制御盤16に停止要求信号を送信し続け、シャッターカーテン12が電動開閉されない状態に維持される。
また、上述した無効制御状態が解除されている場合(すなわち、リレーR1が閉鎖しており、かつ停止スイッチ15cが押圧されていない場合)には、電動降下処理、電動上昇処理、閉鎖時刻到来処理、又は開放時刻到来処理のいずれかが、それぞれに対応する条件を充足した際に実行され、これらいずれの条件も充足しない場合には無人制御用制御盤17によるシャッターカーテン12の制御は行われず、開閉機13に取り付けられたブレーキによりシャッターカーテン12は停止状態に維持される。以下ではこれらの各処理について説明する。
まず、電動降下処理は、下降スイッチ15bが押圧された際に実行される処理である。具体的には、ユーザが手動閉鎖装置15の下降スイッチ15bを押圧した場合、手動閉鎖装置15から無人制御用制御盤17に操作信号が出力され、無人制御用制御盤17からシャッター制御用制御盤16に閉鎖要求信号が送信される。そして、開閉機13は、ブレーキを解除した状態で巻き取り軸を巻き出し方向に駆動することにより、シャッターカーテン12を電動降下させる。
その後、第1の座板スイッチ41からの出力が座板スイッチオン出力になり、送信機42から受信機43に赤外線信号が送信されて、無人制御用制御盤17が障害物検知信号を受信した場合には、シャッターカーテン12の下端が障害物に接触した可能性があるため、シャッターカーテン12の電動降下を一旦停止する。その後、無人制御用制御盤17は、シャッター制御用制御盤16に起動信号を出力し、開閉機13が、ブレーキを解除した状態で巻き取り軸を所定量だけ巻き取り方向に駆動して停止する動作(タッチアップ動作)を行うことにより、シャッターカーテン12を所定量だけ電動上昇させて、障害物への危害を一層確実に防止する。
また、開閉機13は、上述したように所定量だけ電動上昇させるのではなく、シャッターカーテン12の下端が上限位置に至るまでシャッターカーテン12を電動上昇させ、当該上限位置においてシャッターカーテン12を停止させても良い。このようにシャッターカーテン12の下端が上限位置に位置しているか否かを判定する方法は公知であるが、例えば図示しない公知の上限リミットスイッチを用いて判定できる。そして、このように上限位置までシャッターカーテン12を電動上昇させた場合、シャッターカーテン12の下端が上限位置で停止してから所定時間(例えば、10秒)経過後に、開閉機13は再びブレーキを解除した状態で巻き取り軸を巻き出し方向に駆動することにより、シャッターカーテン12を電動降下させる。
また、電動降下中に無人制御用制御盤17が人感センサ31から人感知信号を受信した場合には、同様に上述したようなタッチアップ動作、あるいは上限位置での停止動作を行う。そして、人感センサ31からの人感知信号を受信しなくなってから所定時間(例えば、10秒)経過後に、開閉機13は再びブレーキを解除した状態で巻き取り軸を巻き出し方向に駆動することにより、シャッターカーテン12を電動降下させる。
一方、シャッターカーテン12の下端が下限位置より下方側に位置していることが下限検知リミットスイッチにより検出されている場合には、シャッターカーテン12の下端が床面に接触したものと考えられるため、シャッターカーテン12の電動降下を停止する動作(タッチストップ動作)を行う。
なお、上述したようなタッチアップ動作を行うことでシャッターカーテン12が停止している場合、必要に応じて、ユーザが手動閉鎖装置15を再び操作することでシャッターカーテン12を電動降下させても良い。
また、電動上昇処理は、上昇スイッチ15aが押圧された際に実行される処理である。具体的には、ユーザが手動閉鎖装置15の上昇スイッチ15aを押圧した場合、手動閉鎖装置15から無人制御用制御盤17に操作信号が出力され、無人制御用制御盤17からシャッター制御用制御盤16に開放要求信号が送信される。そして、開閉機13は、ブレーキを解除した状態で巻き取り軸を巻き取り方向に駆動することにより、シャッターカーテン12を電動上昇させる。
また、閉鎖時刻到来処理は、無人制御用制御盤17が警備会社システム32から閉鎖時刻到来信号を受信した際に実行される処理である。具体的には、閉鎖時刻が到来すると、警備会社システム32から無人制御用制御盤17に閉鎖時刻到来信号が出力され、無人制御用制御盤17がシャッター制御用制御盤16に閉鎖要求信号を出力し、開閉機13が、ブレーキを解除した状態で巻き取り軸を巻き出し方向に駆動することにより、シャッターカーテン12を電動降下させる。ただし、上述したように、無人制御用制御盤17に閉鎖時刻到来信号を受信した場合であっても、人感センサ31から人感知信号を受信している場合には、無人制御用制御盤17はシャッター制御用制御盤16に閉鎖要求信号を出力せず、代わりに警備会社システムに人感知信号を送信して人の挟み込みや閉じ込め等の可能性があることを促す。なお、電動降下開始後の処理については、上述した電動降下処理と同様に実行することができるため、説明を省略する。
また、開放時刻到来処理は、無人制御用制御盤17が警備会社システム32から開放時刻到来信号を受信した際に実行される処理である。具体的には、開放時刻が到来すると、警備会社システム32から無人制御用制御盤17に開放時刻到来信号が出力され、無人制御用制御盤17がシャッター制御用制御盤16に開放要求信号を出力し、開閉機13が、ブレーキを解除した状態で巻き取り軸を巻き取り方向に駆動することにより、シャッターカーテン12を電動上昇させる。
以上で無人制御処理の説明を終了する。
(処理−火災感知処理)
次に、火災感知処理について説明する。この火災感知処理は、連動中継器18の制御部18bにより実行される処理であって、火災発生時に無人制御用制御盤17を無効制御状態に設定して無人制御用制御盤17による制御を無効とするための処理である。図6は、火災感知処理を概略的に示すフローチャートである。この処理は、連動中継器18の電源が投入された時に起動され、繰り返し実行される。
図6に示すように、まず連動中継器18は火災が発生しているか否かを判定する(SB1)。この判定は具体的には、防災盤22が火災モードに設定されている際に防災盤22から送信される移報信号を、連動中継器18が受信しているか否かを判定することにより行う。そして、火災が発生していないと判定した場合(SB1、No)、火災の発生を検知するまで待機する。
そして、火災が発生していると判定した場合(SB1、Yes)、連動中継器18はリレー接点R1aを開状態に設定する(SB2)。具体的には、連動中継器18は、防災盤22から移報信号を受信している場合には、リレー端子SFCからリレーR1を介してリレー端子DIに電流を流し続け、このことによりリレーR1と相互に信号線64で接続されたリレー接点R1aの状態が切り替わって、リレー接点R1aは開状態となる。このようにリレー接点R1aが開状態となると、停止端子SSに電流が流れなくなり、上述したように無人制御用制御盤17が無効制御状態に設定される(無効制御状態フラグをONに設定する。上述した図5のSA3参照)。すなわち、連動中継器18による制御が優先になる。
また、リレーR1に電流が流れることで、リレーR1と相互に信号線64で接続されたリレー接点R1bの状態も切り替わって、リレー接点R1bは閉状態となる。このようにリレー接点R1bが閉状態となると、異常検知端子Eからリレー接点R1bを介して異常有端子EYに電流が流れ、警備会社システム32に異常検知信号が送信される。この異常検知信号を受信した警備会社システム32は、警報音の出力や警報灯の点灯等を行うことにより、警備会社システム32の管理者に注意喚起することが可能となる。ここで、上述したように、異常検知端子E、異常有端子EY、及び異常無端子ENは、エマーゼンシスイッチの作動や送信機42の投光部の電池残量低下を検知するために従来の無人制御用制御盤17に設けられていた機構である。すなわち、本実施の形態のように、従来の無人制御用制御盤17に設けられていた異常検知端子E、異常有端子EY、及び異常無端子ENを流用して警備会社システム32に異常検知信号を送信することで、新たに形成する機構を削減して火災の発生を警備会社システム32に伝達することができ、システムの構築に要する手間や費用を削減することができる。ただし、このように異常検知端子Eや異常有端子EYを流用せずに、無人制御用制御盤17に新たに2つの端子を形成し、これら2つの端子を接続する信号線にリレー接点R1bを形成し、これら2つの端子に電流が流れるか否かに基づいて無人制御用制御盤17から警備会社システム32に異常検知信号が送信される構成としても構わない。
次に、連動中継器18は開口部2を閉鎖する制御を行う(SB3)。具体的には、連動中継器18が自動閉鎖装置14に起動信号を出力し、自動閉鎖装置14が開閉機13のブレーキを解除して、シャッターカーテン12の自重降下を開始させる。なお、この自重降下中に下端部が障害物に接触したことが第2の座板スイッチ51によって検知された場合には、連動中継器18は、下限リミットスイッチ19の検出状態と、公知の方法で特定したシャッター装置10における停電の有無とに基づいて、シャッターカーテン12の自重降下を制御する。具体的には、シャッターカーテン12の下端が下限位置より上方側に位置していることが下限リミットスイッチ19により検出されている場合であって、シャッター装置10が停電していない場合には、自動閉鎖装置14に制御信号を出力し、自動閉鎖装置14が開閉機13のブレーキを作動させてシャッターカーテン12の自重降下を一旦停止させ、開閉機13を駆動して所定時間だけ上昇させたのち停止する動作(タッチアップ動作)を行う。あるいは、シャッターカーテン12の下端が下限位置より上方側に位置していることが下限リミットスイッチ19により検出されている場合であって、シャッター装置10が停電している場合には、自動閉鎖装置14に制御信号を出力し、自動閉鎖装置14が開閉機13のブレーキを作動させてシャッターカーテン12の自重降下を一旦停止させる動作(タッチストップ動作)を行う。一方、シャッターカーテン12の下端が下限位置より下方側に位置していることが下限リミットスイッチ19により検出されている場合には、シャッター装置10が停電しているか否かに関わらず、シャッターカーテン12の下端が下限位置を通過した後の所定時間経過後に、自動閉鎖装置14に制御信号を出力し、自動閉鎖装置14が開閉機13のブレーキを作動させてシャッターカーテン12の自重降下を停止させる動作(完全停止動作)を行う。この際の所定時間は、第2の座板スイッチ51が床面に接して座板スイッチオンとなる位置よりも、さらに下方でシャッターカーテン12を停止させるように設定される。このような所定時間経過後の停止を行うのは、床面が斜めになっている場合であっても、座板と床面の間に隙間が出来ないようにするためである。このように隙間の発生を防止することで、火災発生時における煙の侵入を防ぐことが可能となる。
なお、第2の座板スイッチ51が座板スイッチオンとなった後に座板スイッチオフとなった場合、障害物が除去されたと判断し、所定時間(例えば10秒)経過後に自動閉鎖装置14が開閉機13のブレーキを解除して自重降下を再開させる。このように所定時間の経過を待つのは、直ちに自重降下を再開すると、障害物(例えば、人)がシャッターカーテン12の閉鎖方向から未だに移動出来ていない可能性が有るためである。
このように、火災発生時にはリレー接点R1aを開状態として無人制御用制御盤17を無効制御状態に設定し、手動閉鎖装置15の上昇スイッチ15aや停止スイッチ15cを無効とした上でシャッターカーテン12を自重降下させるので、火災発生時にユーザが上昇スイッチ15aや停止スイッチ15cを押圧してしまう事に伴って、火災発生時にも関わらず開口部2が閉鎖されない事態の発生を防止することができる。
また、火災発生時には無人制御用制御盤17を無効制御状態に設定し、警備会社システム32からの開放時刻到来による開放要求や、閉鎖時刻到来による閉鎖要求に関わらずシャッターカーテン12を自重降下させるので、無人制御用制御盤17の制御に関わらず、開口部2を閉鎖して防火区画を確実に形成することができる。
次に、連動中継器18は、火災が終了したか否かを判定する(SB4)。この判定の具体的な方法は任意であるが、本実施の形態では、連動中継器18は、防災盤22から出力される上述した移報信号を受信している場合には火災が終了しておらず、受信していない場合には火災が終了したと判定する。そして、火災が終了していない場合(SB4、No)、火災が終了するまで待機する。
そして、火災が終了した場合(SB4、Yes)、例えば防災盤22の火災復旧スイッチ(図示省略)が押圧された場合、連動中継器18は、復旧信号を受信したか否かを判定する(SB5)。この復旧信号とは、ユーザが手動閉鎖装置15の復旧スイッチ15fを押圧した際に手動閉鎖装置15から連動中継器18に送信される信号である。ここで、復旧信号を受信していないと判定した場合(SB5、No)、復旧信号を受信するまで待機する。そして、復旧信号を受信した場合(SB5、Yes)、火災から復旧したものと判断し、無人制御用制御盤17の無効制御状態を解除すべく、リレー接点R1aを閉状態に設定する(SB6)。具体的には、リレー端子SFCからリレーR1を介してリレー端子DIに流れていた電流を解除し、このことによりリレーR1と相互に信号線で接続されたリレー接点R1aの状態が元の状態に切り替わって、リレー接点R1aは閉状態となる。このようにリレー接点R1aが閉状態となると、停止端子SSに電流が流れ、上述したように無人制御用制御盤17の無効制御状態が解除される(無効制御状態フラグをOFFに設定する。上述した図5のSA4参照)。すなわち、無人制御用制御盤17による制御が優先になる。また、同時にリレー接点R1bの状態も元の状態に切り替わって、リレー接点R1bは開状態となり、異常検知信号の出力が解除される。以上にて、火災感知処理の説明を終了する。
なお、以上では、第2の制御条件は火災の発生が感知されたことであるものとして、火災発生時に無人制御用制御盤17を無効制御状態とした上でシャッターカーテン12を閉鎖させたが、第2の制御条件は他の条件であっても良い。例えば、第2の制御条件は非常閉鎖スイッチ15eが押圧されたことであるものとしてもよい。具体的には、非常閉鎖スイッチ15eが押圧された場合に、連動中継器18は無人制御用制御盤17を無効制御状態とした上で、開閉機13に取り付けられたブレーキを解除してシャッターカーテン12を自重降下させる。なお、このような、連動中継器18により実行される処理(無人制御用制御盤17を無効制御状態とした上でシャッターカーテン12を自重降下させる処理)の詳細については、上述した図6に示す火災感知処理のSB2やSB3と同様であるため、説明を省略する。
(実施の形態の効果)
このように本実施の形態によれば、第2の制御条件が充足された場合には、第1の制御を無効として第2の制御を行うので、相互に異なる制御を開閉機13に対して実行する複数の制御手段を併設した場合であっても各制御手段による制御が混在してしまうことを防止でき、各制御手段による制御を好適に実行可能となる。また、無人制御用制御盤17と連動中継器18とは相互に異なる筐体に設けられたものを用いるので、相互に独立して形成された既存の無人制御用制御盤17及び連動中継器18をそのまま用いて当該開閉体制御システム1を構築でき、無人制御用制御盤17の機能及び連動中継器18の機能を一挙に包含する新規の制御手段を形成する場合と比べて、システムの構築に要する手間や費用を削減することが可能となる。
また、開口部2の周囲領域において異常(例えば、火災)が発生している場合に、連動中継器18は無人制御用制御盤17による第1の制御を無効にしてシャッターカーテン12の自重降下を行わせるので、第1の制御に関わらず、従来の自重降下式の防火・防煙シャッター装置と同様に、開口部2を閉鎖して防火区画を確実に形成することが可能となる。
また、連動中継器18によって第1の制御が無効とされていない場合において、開放時刻が到来した場合には、無人制御用制御盤17はシャッターカーテン12を開放するので、従来の無人制御式のシャッター装置と同様に、所望の時刻にシャッターカーテン12を開放することが可能となる。
また、手動閉鎖装置15と無人制御用制御盤17とを相互に接続する信号線61を利用して無人制御用制御盤17による第1の制御を無効とする処理を行うので、第1の制御を無効とするために新たに形成すべき機構を削減でき、システムの構築に要する手間や費用をより削減することが可能となる。
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
(第1の条件及び第2の条件について)
上記実施の形態では、第1の条件を、予め設定された開放時刻が到来したこととし、第2の条件を、火災感知器21にて火災が感知されたこととしたが、第1の条件と第2の条件は、相互に重畳する限りにおいて適宜変更しても構わない。例えば、第1の条件を、予め設定された閉鎖時刻が到来したこととし、第2の条件を、非常時開放システム(いわゆるパニックオープンシステム)が作動したこととしても良い。
上記実施の形態では、第2の条件(すなわち、火災の発生)を充足した場合には、連動中継器18は有線を介してリレー接点R1aを開状態にして無人制御用制御盤17を無効制御状態としたが、これに限られない。例えば無線によりリレー接点R1aを開状態としても構わない。
(異常感知手段について)
上記実施の形態では、異常感知手段は火災感知器21であることとしたが、その他の異常を感知する手段、例えば煙感知器やガス感知器であっても構わない。
(第1のシャッター障害物検知システム及び第2のシャッター障害物検知システムについて)
上記実施の形態では、第1のシャッター障害物検知システム40は無線媒体(赤外線)により通信を行う送信機42及び受信機43を用いて信号を伝送するシステムであり、第2のシャッター障害物検知システム50は有線により通信を行うコードリール52を用いて信号を伝送するシステムであるものとしたが、これらに限定されない。例えば、これらを相互に入れ替えても構わないし、これらの両方を同一のシステムとしても構わないし、無線媒体として電波を利用した送信機42及び受信機43を用いても構わない。このような電波式の送信機42及び受信機43を用いる場合には、送信機42と受信機43は1対1で通信を行うものとし、通信相手となる送信機42又は受信機43を登録する処理を行う必要があるが、このような登録処理は、例えば本出願人の出願に係る公開特許公報(特開2014−070338号公報等)に記載の登録処理と同様に実行できるため、詳細な説明を省略する。また、第1のシャッター障害物検知システム40と第2のシャッター障害物検知システム50のいずれかを省略していずれか一方のみを設け、無線制御用制御盤17及び連動中継器18に対する検知信号の送信を兼用するシステムとしても構わない。
(座板スイッチについて)
上記実施の形態では、第1の座板スイッチ41と第2の座板スイッチ51の2つの座板スイッチを設けるものとしたが、これら2つの座板スイッチを統合して単一の座板スイッチとして構成し、この統合された座板スイッチから送信機42及びコードリール52に対して信号を送信しても構わない。
(無人制御システムについて)
上記実施の形態では、警備会社システム32がタイマーを備えており、開放時刻又は閉鎖時刻が到来した際に無人制御用制御盤17に送信された場合に無人制御用制御盤17がシャッター制御用制御盤16に対して開放要求信号や閉鎖要求信号を送信するものとして説明したが、これに限定されない。例えば、無人制御用制御盤17の記憶部17cに予め開放時刻及び閉鎖時刻が記憶されており、制御部17bがこれら開放時刻又は閉鎖時刻が到来したと判定した場合に、シャッター制御用制御盤16に対して開放要求信号や閉鎖要求信号を送信しても構わない。
(付記)
付記1の開閉体制御システムは、開口部を開閉する開閉装置の開閉体を制御する開閉体制御システムであって、前記開閉体の巻き取り又は巻き出しを行うことにより、前記開口部を開放又は閉鎖させるための開閉機と、前記開閉機を制御して前記開口部を開放又は閉鎖可能な第1制御手段であって、第1の制御条件が充足された場合に、前記開閉機に対して第1の制御を行う第1制御手段と、前記第1制御手段とは異なる筐体に設けられ、前記開閉機を制御して前記開口部を開放又は閉鎖可能な第2制御手段であって、前記第1の制御条件と相互に重畳し得る第2の制御条件が充足された場合に、前記開閉機に対して前記第1の制御とは異なる第2の制御を行う第2制御手段と、を備え、前記第2の制御条件が充足された場合、前記第2制御手段は、前記第1制御手段による第1の制御を無効とさせると共に、前記第2の制御を行う。
また、付記2の開閉体制御システムは、付記1の開閉体制御システムにおいて、前記開口部の周囲領域における異常の発生を感知する異常感知手段を備え、前記第2の制御条件は、前記異常感知手段にて異常の発生を感知したことであり、前記第2の制御は、前記開閉機に取り付けられた自動閉鎖装置のブレーキを解除することにより、前記開閉機に前記開閉体の自重降下を行わせ、前記開口部の閉鎖を行わせる制御である。
また、付記3の開閉体制御システムは、付記1又は2の開閉体制御システムにおいて、前記第1の制御条件は、前記開口部を開放する開放時刻が到来したことであり、前記第1の制御は、前記開閉機に前記開口部の開放を行わせる制御である。
また、付記4の開閉体制御システムは、付記1から3のいずれか一項の開閉体制御システムにおいて、操作信号線を介して前記第1制御手段と相互に接続される操作手段であって、ユーザによる操作を受け付けて前記操作信号線の状態を切換えることにより、前記第1制御手段による前記第1の制御を無効とさせる操作手段と、を備え、前記第2の制御条件が充足された場合、前記第2制御手段は、前記操作信号線の状態を切換えることにより、前記第1制御手段による前記第1の制御を無効とさせる。
(付記の効果)
付記1の開閉体制御システムによれば、第2の制御条件が充足された場合には、第1の制御を無効として第2の制御を行うので、相互に異なる制御を開閉機に対して実行する複数の制御手段を併設した場合であっても各制御手段による制御が混在してしまうことを防止でき、各制御手段による制御を好適に実行可能となる。また、第1制御手段と第2制御手段とは相互に異なる筐体に設けられたものを用いるので、相互に独立して形成された既存の第1制御手段及び第2制御手段をそのまま用いて当該開閉体制御システムを構築でき、第1制御手段の機能及び第2制御手段の機能を一挙に包含する新規の制御手段を形成する場合と比べて、システムの構築に要する手間や費用を削減することが可能となる。
付記2の開閉体制御システムによれば、開口部の周囲領域において異常(例えば、火災)が発生している場合に、第2制御手段は第1制御手段による第1の制御を無効にしてシャッターカーテンの自重降下を行わせるので、第1の制御に関わらず、従来の自重降下式の防火・防煙シャッター装置と同様に、開口部を閉鎖して防火区画を確実に形成することが可能となる。
付記3の開閉体制御システムによれば、第2制御手段によって第1の制御が無効とされていない場合において、開放時刻が到来した場合には、第1制御手段はシャッターカーテンを開放するので、従来の無人制御式のシャッター装置と同様に、所望の時刻にシャッターカーテンを開放することが可能となる。
付記4の開閉体制御システムによれば、操作手段と第1制御手段とを相互に接続する操作信号線を利用して第1制御手段による第1の制御を無効とする処理を行うので、第1の制御を無効とするために新たに形成すべき機構を削減でき、システムの構築に要する手間や費用をより削減することが可能となる。