JP2016011215A - 単結晶の製造装置および製造方法 - Google Patents

単結晶の製造装置および製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高品質で長尺な単結晶を再現性良く得ることができる単結晶の製造装置および製造方法を提供する。【解決手段】坩堝10の内部空間に単結晶の原料21が収容される。坩堝10の内部空間は、中空状の坩堝蓋によって覆われる。坩堝蓋が有する台座14に単結晶の種結晶22が設置される。坩堝蓋の内方側に筒状の原料ガイド15が設けられる。坩堝10の側壁部には、側壁部の延在方向に沿って軸線が延びる筒状の蓋本体12が接続される。蓋本体12の坩堝10の側壁部に接続される側と反対側の端部には、上蓋13が接続される。台座14は、原料ガイド15の径方向内方側で原料ガイド15との間に隙間が形成されるように、上蓋13によって支持される。上蓋13は、台座14と原料ガイド15との隙間と連通した閉空間であって、昇華ガスが流入可能なガス流入部19を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、炭化珪素(SiC)などの単結晶の製造装置および製造方法に関する。
炭化珪素(SiC)は、熱的および化学的に優れた特性を有し、禁制帯幅が珪素(Si)に比べて大きく、電気的にも優れた特性を有する半導体材料として知られている。特に、4H型のSiC(以下「4H−SiC」という場合がある)は、電子移動度および飽和電子速度が比較的大きいことから、パワーデバイス向けの半導体材料として実用化が始まっている。
半導体としての単結晶を得る方法として、改良レイリー法と呼ばれる昇華法が広く用いられている。単結晶から切出されたSiC基板としては、直径が100mmまでの基板が市販されており、直径が150mmの基板も製品化されつつある。これらの基板は、依然として結晶欠陥密度が高く、半導体装置用として用いるには、さらに結晶欠陥密度を低くする必要がある。
昇華法によってSiCの単結晶を製造するときには、SiCの種結晶と原料とを坩堝内に対向させて配置する。そして、原料側が種結晶側よりも高温となる温度勾配を設けた状態で、原料を約2300℃付近まで加熱することによって昇華させる。昇華によって発生した原料ガスを種結晶上で再結晶化させることによって、結晶成長させる。これによって、SiC単結晶が製造される。
坩堝の加熱方法としては、高周波による誘導加熱法(以下「高周波誘導加熱法」という場合がある)が用いられる。高周波誘導加熱法は、高周波によって導電体中に発生する誘導電流によって、導電体が発熱することを利用した加熱方法である。したがって、坩堝の材質としては、導電性があり、かつ高温に耐え得ることが必要とされる。このような坩堝の材料としては、グラファイトが用いられている。
坩堝の形状としては、高周波誘導加熱法を用いた加熱による表皮効果に起因する温度の不均一を無くし、さらに加工を容易にする観点から、円筒状の坩堝が用いられる。さらに、坩堝からの熱輻射を抑制し、効率良く加熱するために、坩堝は断熱材で覆われている。この断熱材としては、導電性が低く、かつ2400℃の高温に耐え得る必要があるので、グラファイト断熱材が用いられる。
SiC基板の低コスト化を図るためには、長尺なSiCインゴットを成長させる必要がある。また、半導体装置用として用いるためには、SiCインゴットが低欠陥密度である必要がある。低欠陥でかつ長尺なSiCインゴットを成長させるために、種々の研究がなされ、数多くの報告がなされている(たとえば、特許文献1,2参照)。
特許第3792699号公報 特開2011−105524号公報
特許文献1,2に開示される技術では、高品質の単結晶を成長させるために、円筒状のガイドを用いて、原料ガスを効率良く台座上に導き、単結晶部と多結晶部との一体化を防止し、単結晶部が独立して成長するようにしている。
ガイドを用いた場合、ガイドの内壁に多結晶が析出すると、多結晶が単結晶部と一体化し、単結晶に応力を加えることがある。また、ガイドと結晶部との熱膨張係数の差に起因する応力によって、単結晶部の品質が劣化することがある。
これらの問題を解決するために、特許文献1,2に開示される技術では、ガイドの温度を単結晶部よりも高くすることによって、原料ガスを種結晶上に、より効率良く集め、ガイドの内壁への多結晶の析出を防止している。
特許文献1,2に開示される技術では、単結晶の成長に寄与しない原料ガスは、ガイドと単結晶部との隙間を経て、種結晶が取り付けられた台座周囲の空間に到達し、この台座の周囲の空間において多結晶として結晶化する。
単結晶部を長尺化するにつれて、この台座の周囲の空間における多結晶の堆積量が増加し、多結晶で埋め尽くされてしまうという問題がある。そして、単結晶部をさらに長尺化する場合には、成長に寄与しない原料ガスは、台座の周囲の空間には到達できず、ガイドの内壁において結晶化し、単結晶の品質を悪化させる。
したがって、特許文献1,2に開示される技術では、高品質かつ長尺な単結晶を成長させることは困難である。
本発明の目的は、高品質で長尺な単結晶を再現性良く得ることができる単結晶の製造装置および製造方法を提供することである。
本発明の単結晶の製造装置は、単結晶の原料を内部空間に収容する坩堝と、単結晶の種結晶を設置する台座を有し、前記坩堝の内部空間を覆う中空状の坩堝蓋と、前記坩堝蓋の内方側に設けられ、前記原料が昇華することによって発生した昇華ガスを前記台座側に導く筒状の原料ガイドとを備え、前記坩堝蓋は、前記坩堝の側壁部に接続され、前記側壁部の延在方向に沿って軸線が延びる筒状の蓋本体と、前記蓋本体の前記坩堝の側壁部に接続される側と反対側の端部に接続され、前記台座を、前記原料ガイドの径方向内方側で前記原料ガイドとの間に隙間が形成されるように支持する上蓋とを有し、前記上蓋は、前記台座と前記原料ガイドとの隙間と連通した閉空間であって、前記昇華ガスが流入可能なガス流入部を有することを特徴とする。
本発明の単結晶の製造方法は、前記本発明の単結晶の製造装置を用いて、成長速度が0.1mm/h以上0.5mm/h以下の範囲で結晶を成長させる結晶成長工程を備えることを特徴とする。
本発明の単結晶の製造装置によれば、坩堝の内部空間に単結晶の原料が収容される。坩堝の内部空間は、中空状の坩堝蓋によって覆われる。坩堝蓋が有する台座に単結晶の種結晶が設置される。坩堝蓋の内方側に筒状の原料ガイドが設けられる。坩堝の側壁部には、側壁部の延在方向に沿って軸線が延びる筒状の蓋本体が接続される。蓋本体の坩堝の側壁部に接続される側と反対側の端部には、上蓋が接続される。台座は、原料ガイドの径方向内方側で原料ガイドとの間に隙間が形成されるように、上蓋によって支持される。上蓋は、台座と原料ガイドとの隙間と連通した閉空間であって、昇華ガスが流入可能なガス流入部を有する。
原料が昇華することによって発生した昇華ガスは、原料ガイドによって台座側に導かれ、台座と原料ガイドとの隙間を通って、上蓋のガス流入部に流入する。これによって、原料ガイドの内周面部に多結晶を析出させることなく、種結晶に結晶を成長させることができるので、種結晶上に単結晶部を独立して成長させることができる。したがって、欠陥密度が少なく高品質で長尺な結晶を再現性良く得ることができる。
本発明の単結晶の製造方法によれば、結晶成長工程において、本発明の単結晶の製造装置を用いて、成長速度が0.1mm/h以上0.5mm/h以下の範囲で結晶が成長される。これによって、原料ガイドの内周面部に多結晶を析出させることなく、種結晶に結晶を成長させることができるので、種結晶上に単結晶部を独立して成長させることができる。したがって、欠陥密度が少なく高品質で長尺な結晶を再現性良く得ることができる。
本発明の第1の実施の形態における単結晶製造装置1の構成を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態における2回目の結晶成長工程で使用される単結晶製造装置1Aの構成を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態における3回目の結晶成長工程で使用される単結晶製造装置1Bの構成を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態における単結晶製造装置2の構成を示す断面図である。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態における単結晶製造装置1の構成を示す断面図である。単結晶製造装置1は、坩堝10、坩堝蓋11、原料ガイド15、ガイド断熱材16および底部ガイド17を備えて構成される。坩堝蓋11は、蓋本体12と、台座14を有する上蓋13とを備える。ガイド断熱材16は、ガイド断熱部に相当する。
坩堝10は、内部空間に単結晶の原料21を収容する。坩堝蓋11は、坩堝10上に設けられる。坩堝蓋11は、中空状であり、坩堝10の内部空間を覆う。具体的には、坩堝蓋11を構成する蓋本体12が、坩堝10の側壁部に接続される。蓋本体12は、坩堝10の側壁部の延在方向に沿って軸線が延びる筒状、具体的には円筒状である。蓋本体12は、円筒状に限定されるものではなく、筒状であればよく、たとえば角筒状であってもよい。
上蓋13は、蓋本体12の、坩堝10の側壁部に接続される側と反対側の端部に接続される。上蓋13は、後述するガス流入部19を構成する閉空間を中心部の周囲に内包する中空の板状である。上蓋13の中心部には、上蓋13を厚み方向に貫通する貫通孔20が形成されている。貫通孔20の側壁部の坩堝10側の端部は、種結晶22を設置する台座14を支持する。台座14は、坩堝10の内部空間に収容される原料21に対向するように支持される。
原料ガイド15は、坩堝蓋11の内方側、具体的には蓋本体12の内方側に設けられる。原料ガイド15は、筒状、具体的には円筒状である。原料ガイド15は、原料21が昇華することによって発生した昇華ガスを、台座14側に導く。原料ガイド15は、その軸線方向が鉛直方向に一致するように配置される。以下の説明では、原料ガイド15の鉛直方向下方側の端部を、軸線方向の一端部といい、鉛直方向上方側の端部を、軸線方向の他端部という場合がある。
上蓋13は、台座14を、原料ガイド15の径方向内方側、具体的には半径方向内方側で、原料ガイド15との間に隙間(以下「原料ガス通過用隙間」という場合がある)18が形成されるように支持する。上蓋13は、原料21が昇華することによって発生した昇華ガスが流入可能なガス流入部19を有する。ガス流入部19は、中空状であり、台座14と原料ガイド15との隙間に連通した閉空間である。本実施の形態では、ガス流入部19は、貫通孔20の側壁部と、上蓋13の外壁部13cと、上蓋13の天蓋部13bとの内側に形成される。
原料21は、原料ガイド15の軸線方向の一端部である鉛直方向下方側の端部に対向して配置される。種結晶22と原料21とは、互いに向かい合わせに配置されている。種結晶22と、種結晶22が取付けられた台座14とは、原料ガイド15の軸線方向の他端部である鉛直方向上方側の端部において、原料ガイド15の半径方向内方側に設置される。
台座14の周囲には、前述のように原料ガス通過用隙間18が形成されている。原料ガイド15の単結晶が成長する側と反対側、すなわち原料ガイド15の外周面部には、ガイド断熱材16が設けられている。
ガイド断熱材16を設けることによって、原料ガイド15から坩堝蓋11側への放熱を抑制することができるので、原料ガイド15を高温に保つことができる。これによって、原料ガイド15の内壁への意図しない結晶成長を抑制することができる。
また、原料ガイド15の裏面のガイド断熱材16がエッチングされると、単結晶内にカーボンインクルージョンが析出し、欠陥の原因となる。ガイド断熱材16は、原料ガスとの反応性が高いので、原料ガスがガイド断熱材16に到達しない構造としている。
本実施の形態の単結晶製造装置1では、原料21が昇華することによって発生した昇華ガスが種結晶22上で結晶化することによって、結晶成長が進行する。
また、種結晶22および台座14と原料ガイド15との間には、原料ガス通過用隙間18が形成されているので、種結晶22上に到達せず、成長に寄与しない原料ガスが発生しても、その成長に寄与しない原料ガスを上蓋13のガス流入部19内に流入させることができる。
これによって、原料ガイド15と単結晶部との一体化、および原料ガイド15の内壁への多結晶の析出を抑制することができる。したがって、台座14上に、周囲に多結晶が存在しない単結晶部のみが独立した結晶を成長させることができる。本実施の形態では、種結晶22として、4H−SiC単結晶を用いる。
本発明の実施の一形態である単結晶の製造方法は、本実施の形態の単結晶製造装置1によって実現される。具体的には、単結晶の製造方法は、本実施の形態の単結晶製造装置1を用いて、成長速度が0.1mm/h以上0.5mm/h以下の範囲で結晶を成長させる結晶成長工程を備える。
結晶成長工程では、まず、坩堝10の周囲に、不図示の断熱材を設置し、結晶成長を実行する炉内に配置し、炉内の圧力を、たとえば10−4Pa台まで真空引きする。その後、炉内に不活性ガス、たとえばアルゴンを充填し、炉内の雰囲気圧力を、たとえば800hPaに保つ。
炉内の雰囲気圧力を、たとえば800hPaに保持したまま、誘導加熱によって、坩堝10の底部の中心温度を、SiCの昇華温度である2400℃にまで加熱する。坩堝10の底部の中心温度は、パイロメーターによって測定される。
続いて、坩堝10の底部の温度を維持したまま、炉内の雰囲気圧力を、たとえば3.3hPaまで減圧し、炉内の雰囲気圧力が成長圧力に達した時点で、SiCの単結晶の成長が開始したとする。
予め定める時間、たとえば100時間成長させた後、炉内の圧力を、たとえば800hPaに上昇し、たとえば24時間かけて室温まで温度を下げ、坩堝10を取り出す。たとえば、直径が80mmの種結晶22を用いて、結晶を成長させた場合、インゴットの直径は、80.2mmに拡大した。また、中心部は、22.5mm成長していた。原料ガイド15の内壁には、多結晶は析出しておらず、単結晶部分のみが独立して成長した。
得られた結晶をワイヤーソーによって、厚み寸法がたとえば約1.5mmになるようにスライスし、インゴットの上部付近から得られたウェーハのシリコン面を研削し、研磨する。その後、化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing;略称:CMP)加工を行う。
前述の例の場合、CMP加工後のウェーハをX線回折法によってロッキングカーブのマッピング測定を行うと、半値幅の平均値は、15.3秒と高品質であった。また、同じサンプルに溶融KOHエッチング処理を行い、マイクロパイプ密度を求めると、0.04/cmと少なかった。これは、単結晶部が独立して成長し、多結晶および坩堝10からの応力を防止できたので、高品質な結晶を得られたものと考えられる。
原料ガイド15と台座14との隙間である原料ガス通過用隙間18の寸法は、原料ガイド15の軸線方向に垂直な方向における台座14の最大寸法の0.6%以上1.4%以下とすることが好ましく、0.75%以上1.25%以下とすることがより好ましい。本実施の形態では、台座14は円柱状であるので、原料ガイド15の軸線方向に垂直な方向における台座14の最大寸法は、台座14の直径である。したがって、原料ガス通過用隙間18の寸法は、台座14の直径の0.6%以上1.4%以下とすることが好ましく、0.75%以上1.25%以下とすることがより好ましい。
原料ガス通過用隙間18が、台座14の直径の1.25%を超えた場合、原料ガスの上蓋13内への流れ抵抗が小さくなりすぎ、原料ガスが上蓋13内へ容易に到達する。これによって、成長に寄与しない原料ガスが増加し、原料ガスが種結晶22上で結晶化せず、結晶成長が進行しないおそれがある。この現象は、特に、原料ガス通過用隙間18が、台座14の直径の1.4%を超えた場合に顕著となる。
逆に、原料ガス通過用隙間18が、台座14の直径の0.75%未満である場合、特に0.6%未満である場合、原料ガスの上蓋13内への流れ抵抗が大きくなりすぎ、原料ガスが上蓋13内に到達し難い。この場合、原料ガイド15の内壁に多結晶が析出し、単結晶部の高品質化および長尺化が困難になる。この現象は、原料ガス通過用隙間18が、台座14の直径の0.6%未満である場合に顕著となる。
したがって、原料ガス通過用隙間18は、台座14の直径の0.6%以上1.4%以下の範囲であることが好ましく、0.75%以上1.25%以下の範囲であることがより好ましい。
この原料ガス通過用隙間18の値としては、室温ではなく、結晶成長温度での熱膨張を考慮に入れた値を用いることが好ましい。これによって、原料ガスの流れ抵抗を、より高精度に制御することが可能となる。ここで、「室温」とは、たとえば25℃である。
本実施の形態では、種結晶22および台座14の直径は、たとえば80mmであり、原料ガス通過用隙間18は、たとえば0.7mmである。この場合、原料ガス通過用隙間18は、台座14の直径の0.875%である。
また本実施の形態では、台座14と原料ガイド15とには、同じ材質の材料、たとえば同じ型式のグラファイトが用いられる。したがって、台座14と原料ガイド15とは、熱膨張係数が同じである。
上蓋13と台座14とは、熱膨張係数が等しい材料から成ることが好ましい。上蓋13の熱膨張係数と、台座14の熱膨張係数とが異なると、結晶成長時に、上蓋13と台座14との間に歪みが生じ、台座14上に成長した結晶に応力が加わり、欠陥密度増加の原因となるおそれがある。
したがって、上蓋13と台座14とは、熱膨張係数が等しい材料から成ることが好ましい。上蓋13と台座14とを、熱膨張係数が等しい材料で形成することによって、結晶成長時に、上蓋13と台座14との間に歪みが生じることを防ぎ、台座14上に成長した結晶に応力が加わることを防ぐことができる。これによって、欠陥密度増加を抑えることができる。
上蓋13の中心部に形成される貫通孔20の直径R0は、上蓋13の厚み方向に垂直な方向における台座14の最大寸法、本実施の形態では台座14の直径の35%以上65%以下であることが好ましい。
上蓋13の中心部の貫通孔20の直径が台座14の直径の65%を超えると、上蓋13のガス流入部19内において堆積可能な多結晶の量が少なくなり、長尺なインゴットの成長が困難となる。したがって、上蓋13の貫通孔20の直径R0は、台座14の直径の65%以下であることが好ましい。これによって、ガス流入部19内に堆積可能な多結晶の量を増加させることができる。
また、上蓋13の中心部の貫通孔20の直径R0が台座14の直径の35%未満であると、台座14の裏面からの放熱が十分に行われず、原料ガイド15と台座14との温度差が小さくなるので、原料ガイド15の内壁に多結晶が析出しやすくなる。したがって、上蓋13の中心部の貫通孔20の直径R0は、台座14の直径の35%以上であることが好ましい。本実施の形態では、貫通孔20の直径を、たとえば40mmとする。
また、上蓋13を蓋本体12の軸線方向に長くする、すなわち蓋本体12の軸線方向における上蓋13の寸法(以下「上蓋13の長さ」という場合がある)を大きくすることによって、堆積可能な多結晶の量を増加する方法も考えられるが、上蓋13の長さは、蓋本体12の温度分布に影響を与えることが確認できている。
上蓋13の長さを長くしすぎると、蓋本体12の温度が低下し、原料ガイド15の温度も低下する。これによって、台座14と原料ガイド15との温度差が小さくなり、原料ガイド15の内壁に多結晶が析出しやすくなる。
したがって、上蓋13の長さは、20mm以上40mm以下であることが好ましい。本実施の形態では、上蓋13の長さは、たとえば31mmである。
原料ガイド15の熱膨張係数は、種結晶22の熱膨張係数以下であることが好ましい。本実施の形態では、種結晶22は炭化珪素(SiC)であるので、原料ガイド15の熱膨張係数は、SiCの熱膨張係数以下であることが好ましい。
種結晶22上に成長する結晶は、原料ガイド15の形状に沿った形状となるが、原料ガイド15の熱膨張係数が種結晶22、本実施の形態ではSiCよりも大きいと、結晶成長時には、原料ガイド15の内径がSiCの直径よりも拡大率が大きく、成長するインゴットの径が大きくなりやすい。
この場合、結晶成長終了後の冷却過程において、原料ガイド15が、種結晶22上に成長した結晶を締め付けることになる。これによって、成長した結晶に応力が加わり、欠陥密度増加の原因となり得る。したがって、原料ガイド15の熱膨張係数は、種結晶22の熱膨張係数以下であることが好ましい。
また、原料ガイド15の内壁は、原料ガスに曝されるので、エッチングが生じやすい。エッチングによって発生した余分な炭素が結晶内に取り込まれると、カーボンインクルージョンとなり、結晶の欠陥密度の増加の原因となり得る。
したがって、原料ガイド15の内周面部、すなわち原料ガイド15の単結晶が成長する側の内壁面には、単結晶、本実施の形態ではSiCの昇華温度よりも融点が高い高融点材料から成るガイド高融点部を設けることが好ましい。ガイド高融点部は、前述の高融点材料を原料ガイド15の内周面部にコーティングまたは設置することによって形成される。これによって、原料ガイド15の内壁のエッチングを防止することができる。高融点材料は、熱膨張係数が大きいので、材料の選出は、特に注意する必要がある。
本実施の形態では、原料ガイド15の形状は、内径が軸線方向に変化しない円筒形状であるが、軸線方向の一方側から他方側に向かって、たとえば種結晶22側から原料21側に向かって口径が拡大するテーパー形状であってもよい。
成長速度は、0.1mm/h以上0.5mm/h以下がよい。原料ガス流量が増加するにつれて、成長速度は増加する。つまり、成長速度が大きくなるにつれて、成長に寄与しない原料ガス流量が増加し、上蓋13のガス流入部19内への多結晶23の堆積量が増加する。
単結晶部を独立して成長するためには、多結晶23によって原料ガス通過用隙間18が封止されることを防止する必要がある。しかし、成長速度が0.5mm/hよりも大きい場合、上蓋13のガス流入部19内の多結晶23の堆積可能量を増加する必要がある。この場合、上蓋13をさらに長く、あるいは中心部の貫通孔20の直径を小さくする必要があり、適切な温度分布を得ることができなくなる。
成長速度が0.1mm/hよりも小さい場合においては、長尺インゴットを成長するために、より長時間が必要となるので、コストの増加の原因となる。したがって、成長速度は、0.1mm/h以上0.5mm/h以下であることが好ましい。
また、蓋本体12と上蓋13とに囲まれた空間であるガス流入部19内には、成長に寄与しない原料ガスが到達するが、この原料ガスは反応性が高いので、ガス流入部19の内壁面のエッチングが生じやすい。エッチングされることによって生じた炭素原子は、単結晶内に取り込まれ、カーボンインクルージョンとなり、欠陥密度増加の原因となり得る。
したがって、ガス流入部19の内壁面部に、単結晶、本実施の形態ではSiCの昇華温度よりも融点が高い炭化タンタル(TaC)などの高融点材料から成る上蓋高融点部を設けることが好ましい。上蓋高融点部は、たとえば、前述の高融点材料をガス流入部19の内壁面部にコーティングする、または設置することによって形成される。
本実施の形態では、特にエッチングが激しい蓋本体12の上面部に、たとえば厚み寸法が0.2mmの金属Taを配置することによって上蓋高融点部を構成し、カーボンインクルージョンの発生を抑制する。
<第2の実施の形態>
図2は、本発明の第2の実施の形態における2回目の結晶成長工程で使用される単結晶製造装置1Aの構成を示す断面図である。図3は、本発明の第2の実施の形態における3回目の結晶成長工程で使用される単結晶製造装置1Bの構成を示す断面図である。
本実施の形態では、長尺のインゴット、たとえば高さが60mmのインゴットを得るために、複数回、たとえば合計3回の結晶成長工程を実施する。1回目の結晶成長工程は、第1の実施の形態と同様にして、前述の図1に示す単結晶製造装置1を用いて実施される。この1回目の結晶成長工程によって、たとえば、直径が80.1mm、高さが23.5mmのインゴット34を得た。このとき、原料ガイド15の内壁面部には、多結晶は析出していなかった。
2回目の結晶成長工程は、図2に示すように、図1に示す単結晶製造装置1に第1延長部材31を装着した単結晶製造装置1Aを用いて実施される。具体的には、筒状、たとえば円筒状の第1延長部材31を用いて、坩堝10を、たとえば20mm延長し、原料21を再充填することによって結晶成長を行う。このとき、第1延長用ガイド32を用いて、原料ガイド15も延長する。
第1延長用ガイド32および原料ガイド15の単結晶が成長する側と反対側に、1回目の結晶成長工程で用いられる図1に示す単結晶製造装置1と同様に、ガイド断熱材16Aが設置される。ガイド断熱材16Aは、ガイド断熱部に相当する。
1回目の結晶成長時に、上蓋13に取り付けられていた台座14を上蓋13から取り外し、2回目の成長時には、新品の上蓋33に台座14および台座14上に成長したインゴット34のセットを取り付ける。新品の上蓋33と蓋本体12とを含んで坩堝蓋11Aが構成される。結晶成長時の坩堝10の底部の温度、および雰囲気圧力は、1回目と同じ条件とする。たとえば120時間成長させることによって、18.7mm成長し、合計の高さが42.2mm、最大直径が80.6mmのインゴット34を得る。この成長においても、原料ガイド15の内壁面部には、多結晶は析出していなかった。
3回目の結晶成長工程は、図3に示すように、図1に示す単結晶製造装置1に第1延長部材31および第2延長部材32を装着した単結晶製造装置1Bを用いて実施される。具体的には、2回目に用いた第1延長部材31から、さらに第2延長部材41および第2延長用ガイド42を用いて、坩堝10をたとえば20mm延長する。
1回目の結晶成長工程および2回目の結晶成長工程における単結晶製造装置1,1Aと同様に、図3に示す単結晶製造装置1Bでは、原料ガイド15、第1延長用ガイド32および第2延長用ガイド42の単結晶が成長する側と反対側に、ガイド断熱材16Bが設置されている。ガイド断熱材16Bは、ガイド断熱部に相当する。
3回目の結晶成長工程においても、2回目に用いた上蓋33を新品の上蓋43に交換した後、台座14および、2回目の結晶成長で成長した結晶成長部44を含むインゴット45のセットを取り付けている。新品の上蓋43と蓋本体12とを含んで坩堝蓋11Bが構成される。坩堝10の底部の温度、および雰囲気圧力を、1回目および2回目と同じとして、たとえば120時間結晶成長を行うことによって、たとえば23.8mm成長し、合計の高さが66mm、最大直径が81.2mmのインゴットを得る。この成長においても、原料ガイド15の内壁面部には、多結晶は析出していなかった。
坩堝10および坩堝蓋11Bを解体することによって、成長したインゴット45を取り出すと、台座14上に結晶成長した単結晶部のみを、独立した状態で得ることができた。このインゴットを第1の実施の形態と同様に、ワイヤーソーを用いて、厚み寸法がたとえば約1.5mmになるようにスライスし、インゴットの上部付近から得られたウェーハのシリコン面を研削し、研磨した後、CMP加工を行う。
これをX線回折法によってロッキングカーブのマッピング測定を行うと、半値幅の平均値は、15.1秒と高品質であった。また、同じサンプルに溶融KOHエッチング処理を行い、マイクロパイプ密度を求めると、0.04/cmと少なかった。結晶品質を劣化させることなく、高さが66mmにまで長尺化したインゴットを得ることに成功した。本実施の形態においても、単結晶部が独立して成長し、多結晶および坩堝からの応力を防止できたため、高品質な結晶を得られたと考えられる。
本実施の形態では、長尺インゴットを製造するために、再成長する方法を選択したが、その理由を以下に述べる。
長尺なインゴットを製造するためには、原料を大量に充填し、長時間成長させる方法が考えられる。しかし、この場合、原料を大量に充填するために、坩堝を大型化する必要があり、高品質の単結晶の成長に必要な温度分布の制御が困難となる。また、成長初期と後期とでは、原料の状態が変化するので、結晶成長に良好な原料ガス蒸気圧の維持が困難となり、長尺かつ高品質な単結晶が得られなくなる。
したがって、本実施の形態のように、一度結晶成長した後、坩堝を取り出し、原料を再充填し、良好な坩堝の温度分布および原料ガス蒸気圧が得られるように、坩堝を延長するなどして、再び結晶成長を実行することが有効である。
上蓋13,33,43については、再成長毎に交換することが望ましい。1回の成長で上蓋13,33,43の内部に多結晶が堆積することによって、堆積可能な多結晶の量が減少し、その後の成長で、成長に寄与しない原料ガスが上蓋内に到達できなくなり、長尺インゴットの成長を阻害するおそれがあるためである。さらに、1回の成長で内壁面がエッチングされるので、単結晶部へのカーボンインクルージョンの析出の原因となり、単結晶の欠陥密度の増加に繋がる。
前述の特許文献1および特許文献2に開示される方法では、成長するにつれて、台座の周囲の空間への多結晶の堆積量が増加する。さらに成長を継続すると、台座の周囲の空間が多結晶で埋め尽くされ、原料ガスが台座の周囲の空間に到達しなくなり、成長に寄与しない原料ガスが、ガイドの内壁に多結晶として析出するという問題が生じる。この問題は、インゴットを長尺化するときに顕著になる。
本実施の形態では、台座14の周囲ではなく、上蓋13,33,43の内部に多結晶が成長し、さらに上蓋13,33,43は、再成長毎に交換可能であるので、前述の問題は発生しない。
すなわち、本実施の形態のように、上蓋13,33,43を交換可能に構成することによって、上蓋13,33,43のガス流入部内に堆積可能な多結晶の量が減少することを防ぐことができる。これによって、その後の成長で、成長に寄与しない原料ガスが上蓋13,33,43のガス流入部内に到達できなくなることを防ぎ、長尺のインゴットの成長が阻害されることを防ぐことができる。また、結晶成長時にガス流入部の内壁面がエッチングされた場合でも、単結晶部へのカーボンインクルージョンの析出を防ぐことができるので、単結晶の欠陥密度の増加を防ぐことができる。
また、上蓋13,33,43内で堆積した多結晶23が台座14に接触すると、上蓋13,33,43から台座14を取り外せなくなるおそれがあり、上蓋13,33,43を成長毎に交換できなくなる。これを防ぐために、上蓋13,33,43には、図1〜図3に示すように、台座14の取り付け部分に、折返し部13a,33a,43aを設けている。この際、上蓋13,33,43と台座14とを螺子によって取り付けると、脱着が容易になる。
また、本実施の形態の単結晶製造装置1A,1Bは、蓋本体12と坩堝10との間に、着脱可能な延長部材31,41を備える。これによって、再成長毎に坩堝10を延長することができる。
このように、坩堝10は、再成長毎に延長することが好ましい。なぜなら、インゴットが成長した分だけ坩堝10を延長することによって、原料と種結晶またはインゴット表面との距離を成長毎に一定にすることが可能となる。これによって、成長毎の急激な温度分布の変化が生じず、原料ガス蒸気圧および成長速度の制御が容易となる。したがって、長尺な高品質の結晶を容易に得ることが可能となる。
本実施の形態の単結晶製造装置1A,1Bは、台座14と原料ガイド15との隙間の寸法を変更可能に構成される。これによって、原料ガイド15と台座14との隙間を、1つ前の結晶成長時よりも拡大することができる。したがって、より効率良く、原料ガイド15の内壁への多結晶の析出の抑制が可能となる。
具体的に述べると、インゴットの長尺化につれて、原料ガイド15の内壁とインゴットの側面とが対向する面積の増加、あるいは、インゴットの直径の拡大によって、原料ガスの上蓋13内への流れ抵抗が増加し、原料ガイド15の内壁に多結晶が析出しやすくなる。再成長時には、増加した原料ガスの流れ抵抗の低下を目的とし、その前の成長から原料ガイド15と台座14との隙間を拡大することによって、より効率良く、原料ガイド15の内壁への多結晶の析出を抑制することができる。本実施の形態では、台座14と原料ガイド15との隙間の寸法は、1回目0.7mm、2回目1.2mm、3回目1.7mmとした。
2回目の成長以降の台座14と原料ガイド15との隙間26,35の、1回目の成長時の台座14と原料ガイド15との隙間18からの拡大率Rは、成長前のインゴットの長さLに依存し、以下の式(1)によって求めることができる。
R=aL+b …(1)
式(1)は、台座14の軸線方向における寸法および軸線方向に垂直な方向における寸法、ならびにガイド断熱材16,16A,16Bおよび坩堝10の構造、材質のばらつきにも影響される。したがって、式(1)における係数aおよび係数bは、一意的には決定されないが、係数aの値は、2.8以上4.5以下であることが好ましく、係数bの値は、−17以上−14.5以下であることが好ましい。
このように複数の前記結晶成長工程を順次行うときに、台座14と原料ガイド15との隙間を、前記式(1)に従って求められる拡大率で順次拡大することによって、再成長時においても、原料ガイド15の内壁面部に多結晶を析出させることなく、結晶を成長させることができる。したがって、長尺で、高品質の単結晶を、容易に製造することができる。
台座14と原料ガイド15との隙間の寸法は、たとえば、原料ガイド15の側壁部の厚み寸法を変更することによって変更される。具体的には、原料ガイド15を、側壁部の厚み寸法がより小さい原料ガイド15に交換することによって、台座14と原料ガイド15との隙間の寸法を大きくすることができる。この場合、底部ガイド17も、原料ガイド15の厚み寸法の減少分に対応して、軸線方向に垂直な方向における寸法がより小さい底部ガイド17に交換される。
<第3の実施の形態>
図4は、本発明の第3の実施の形態における単結晶製造装置2の構成を示す断面図である。本実施の形態の単結晶製造装置2は、第1の実施の形態の単結晶製造装置1と構成が類似しているので、同一の構成には同一の参照符号を付して、共通する説明を省略する。
本実施の形態の単結晶製造装置2においても、坩堝10内に原料21が充填され、坩堝10の上部に、坩堝蓋11Cが設置される。坩堝蓋11Cの上部には、中心部が貫通した形状の上蓋51が設置されている。
本実施の形態では、上蓋51の外径R1は、蓋本体12の外径R2よりも小さい。上蓋51の中心部に、種結晶22を取り付ける台座14が設置されている。種結晶22および原料21は、原料ガイド15を介して対向して配置されている。
台座14の周囲には、原料ガス通過用隙間18が形成されている。原料ガイド15の単結晶が成長する側と反対側には、ガイド断熱材16が設置されている。本実施の形態においても、ガイド断熱材16がエッチングされないように、原料ガスがガイド断熱材16に到達しない構造としている。
本実施の形態では、上蓋51の外径R1は、原料ガイド15の外径R3以上、蓋本体12の外径R2未満である。上蓋51の外周部であって、蓋本体12の天蓋部の上蓋51が設けられていない部分には、断熱材料から成る蓋断熱部53が設けられている。これによって、原料ガイド15の内壁に多結晶を析出させることなく、結晶成長を行うことができるので、単結晶部を独立して成長させることができる。したがって、欠陥密度の少ない高品質な結晶を長尺に製造することができる。
本実施の形態の単結晶製造装置2の構造では、第1の実施の形態と同様に、原料21が昇華することによって発生した昇華ガスが種結晶22上で結晶化することによって、結晶成長が進行する。また、成長に寄与しない原料ガスが発生しても、種結晶22および台座14と原料ガイド15との間には、原料ガス通過用隙間18が形成されているので、成長に寄与しない原料ガスを上蓋51のガス流入部内に導入し、原料ガイドと単結晶部との一体化およびガイドの内壁への多結晶の析出を抑制することができる。
さらに、リング状の坩堝上部断熱材53を配置することによって、坩堝蓋11Cの蓋本体12の上部を高温に保つことが可能となる。これによって、原料ガイド15をより高温に保つことが可能となる。したがって、より効果的に、原料ガイド15の内壁への意図しない多結晶の析出を抑制することが可能となる。
上蓋51の外径R1は、原料ガイド15の外径R3以上、坩堝10の外径R2以下であることが好ましい。上蓋51の外径R1を、原料ガイド15の外径R3以上、坩堝10の外径R2以下とすることによって、原料ガイド15の内壁に多結晶を析出させることなく、結晶成長を行うことができるので、単結晶部を独立して成長させることができる。したがって、欠陥密度の少ない高品質な結晶を長尺に製造することができる。
以上に述べた各実施の形態の単結晶の製造装置および製造方法は、炭化珪素の単結晶の製造に好適であるが、他の半導体の単結晶の製造にも適用することができる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせることが可能である。また、各実施の形態の任意の構成要素を適宜、変更または省略することが可能である。
1,1A,1B,2 単結晶製造装置、10 坩堝、11,11A,11B,11C 坩堝蓋、12 蓋本体、13,33,43,51 上蓋、13a,33a,43a,51a 折返し部、13b,33b,43b 天蓋部、13c,33c,43c 外壁部、14 台座、15 原料ガイド、16,16A,16B ガイド断熱材、17 底部ガイド、18 原料ガス通過用隙間、19 ガス流入部、20 貫通孔、21 原料、22 種結晶、23 多結晶、31 第1延長部材、32 第1延長用ガイド、34,45 インゴット、41 第2延長部材、42 第2延長用ガイド、44 結晶成長部、53 坩堝上部断熱材。

Claims (19)

  1. 単結晶の原料を内部空間に収容する坩堝と、
    単結晶の種結晶を設置する台座を有し、前記坩堝の内部空間を覆う中空状の坩堝蓋と、
    前記坩堝蓋の内方側に設けられ、前記原料が昇華することによって発生した昇華ガスを前記台座側に導く筒状の原料ガイドとを備え、
    前記坩堝蓋は、
    前記坩堝の側壁部に接続され、前記側壁部の延在方向に沿って軸線が延びる筒状の蓋本体と、
    前記蓋本体の前記坩堝の側壁部に接続される側と反対側の端部に接続され、前記台座を、前記原料ガイドの径方向内方側で前記原料ガイドとの間に隙間が形成されるように支持する上蓋とを有し、
    前記上蓋は、前記台座と前記原料ガイドとの隙間と連通した閉空間であって、前記昇華ガスが流入可能なガス流入部を有することを特徴とする単結晶の製造装置。
  2. 前記上蓋は、前記閉空間を中心部の周囲に内包する中空の板状であり、
    前記上蓋の前記中心部には、前記上蓋を厚み方向に貫通する貫通孔が形成され、
    前記ガス流入部は、前記貫通孔の側壁部と、前記上蓋の外壁部と、前記上蓋の天蓋部との内側に形成され、
    前記台座は、前記貫通孔の側壁部の前記坩堝側の端部によって、前記坩堝の内部空間に収容される前記原料に対向するように支持されることを特徴とする請求項1に記載の単結晶の製造装置。
  3. 前記貫通孔の開口径は、前記上蓋の厚み方向に垂直な方向における前記台座の最大寸法の35%以上65%以下であることを特徴とする請求項2に記載の単結晶の製造装置。
  4. 前記原料ガイドと前記台座との隙間の寸法は、前記原料ガイドの軸線方向に垂直な方向における前記台座の最大寸法の0.6%以上1.4%以下であることを特徴する請求項1から3のいずれか1つに記載の単結晶の製造装置。
  5. 前記上蓋と前記台座とは、熱膨張係数が等しい材料から成ることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の単結晶の製造装置。
  6. 前記蓋本体の軸線方向における前記上蓋の寸法は、20mm以上40mm以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の単結晶の製造装置。
  7. 前記上蓋の外径は、前記原料ガイドの外径以上、前記蓋本体の外径以下であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の単結晶の製造装置
  8. 前記上蓋の外径は、前記原料ガイドの外径以上、前記蓋本体の外径未満であり、
    前記上蓋の外周部であって、前記蓋本体の天蓋部の前記上蓋が設けられていない部分に設けられ、断熱材料から成る蓋断熱部を備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の単結晶の製造装置。
  9. 前記原料ガイドの熱膨張係数は、前記種結晶の熱膨張係数以下であることを特徴する請求項1から8のいずれか1つに記載の単結晶の製造装置。
  10. 前記原料ガイドの内周面部に、前記単結晶の昇華温度よりも融点が高い高融点材料から成るガイド高融点部を備えることを特徴する請求項1から9のいずれか1つに記載の単結晶の製造装置。
  11. 前記原料ガイドの外周面部と前記蓋本体とによって形成される空間に充填され、断熱材料から成るガイド断熱部を備えることを特徴とする請求項1から10のいずれか1つに記載の単結晶の製造装置。
  12. 前記ガス流入部の内壁面部に、前記単結晶の昇華温度よりも融点が高い高融点材料から成る上蓋高融点部を備えることを特徴とする請求項1から11のいずれか1つに記載の単結晶の製造装置。
  13. 前記上蓋は、交換可能に構成されることを特徴とする請求項1から12のいずれか1つに記載の単結晶の製造装置。
  14. 前記上蓋は、前記台座との接触部分に、折返し部を有することを特徴とする請求項1から13のいずれか1つに記載の単結晶の製造装置。
  15. 前記蓋本体と前記坩堝との間に、着脱可能な延長部材を備える請求項1から14のいずれか1つに記載の単結晶の製造装置。
  16. 前記台座と前記原料ガイドとの隙間の寸法を変更可能に構成されることを特徴とする請求項1から15のいずれか1つに記載の単結晶の製造装置。
  17. 前記単結晶は、炭化珪素であることを特徴とする請求項1から16のいずれか1つに記載の単結晶の製造装置。
  18. 請求項1から17のいずれか1つに記載の単結晶の製造装置を用いて、成長速度が0.1mm/h以上0.5mm/h以下の範囲で結晶を成長させる結晶成長工程を備えることを特徴とする単結晶の製造方法。
  19. 複数の前記結晶成長工程を備え、
    複数の前記結晶成長工程を順次行うときに、前記台座と前記原料ガイドとの隙間を式(1)に従って求められる拡大率で順次拡大することを特徴とする請求項18に記載の単結晶の製造方法。
    R=aL+b …(1)
    (ここで、Rは、台座と原料ガイドとの隙間の1回目成長時からの拡大率を示し、Lは、成長前のインゴット長さを示す。係数aの値は2.8以上4.5以下であり、係数bの値は−17以上−14.5以下である。)
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