JP2016010937A - 画像形成装置及びヘッド駆動制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】隣接クロストークを低減するために駆動周波数が低下して印刷速度が低下する。
【解決手段】共通駆動波形Vcomは、1駆動周期内で、同じサイズの滴種、ここでは相対的に最も小さい滴(小滴)を吐出させる駆動パルスである第1吐出パルスP1と第2吐出パルスP2とを含む波形であり、順次並ぶ4つのノズル1ないし4を奇数番目と偶数番目とに分けたとき、他方のノズルである奇数番目のノズル1、3については第2吐出パルスP2を選択して与え、一方のノズルである偶数番目のノズル2、4には第1吐出パルスP1を選択して与える。
【選択図】図8
【解決手段】共通駆動波形Vcomは、1駆動周期内で、同じサイズの滴種、ここでは相対的に最も小さい滴(小滴)を吐出させる駆動パルスである第1吐出パルスP1と第2吐出パルスP2とを含む波形であり、順次並ぶ4つのノズル1ないし4を奇数番目と偶数番目とに分けたとき、他方のノズルである奇数番目のノズル1、3については第2吐出パルスP2を選択して与え、一方のノズルである偶数番目のノズル2、4には第1吐出パルスP1を選択して与える。
【選択図】図8
Description
本発明は画像形成装置及びヘッド駆動制御方法に関する。
画像形成装置として、液滴を吐出する液体吐出ヘッドを記録ヘッドに用いた液体吐出記録方式の画像形成装置、例えばインクジェット記録装置などが知られている。
ところで、液体吐出ヘッドでは高画質画像を形成するためにノズル密度の高密度化が進んでおり、ノズル間ピッチが狭くなり、各ノズルが通じる個別液室間の隔壁幅が薄くなる傾向にある。
そのため、ノズルから液滴を吐出させるとき、当該ノズルに隣接するノズルが液滴を吐出するノズルであるか、液滴を吐出しないノズルであるかによって、滴速度が変化してしまい、着弾位置がずれるクロストークが発生しやすくなっている。
そこで、従来、隣接するノズル間で駆動周期を異ならせることによって隣接クロストークの影響を低減しようとするものが知られている(特許文献1)。
しかしながら、隣接するノズル間で駆動周期を異ならせるのでは駆動周波数が低下して印刷速度が低下し、また、液滴の着弾位置もずれるためにドット間ピッチが増大するという課題がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、ドット間ピッチの増大を伴わずに隣接クロストークを低減することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、
液滴を吐出する複数のノズルと、前記ノズルが通じる個別液室と、前記個別液室内の液体を加圧する圧力を発生する圧力発生手段と、を有する液体吐出ヘッドと、
1駆動周期内で液滴を吐出させる複数の吐出パルスを時系列で含む共通駆動波形を生成し、前記共通駆動波形から1又は2以上の前記吐出パルスを選択して前記圧力発生手段に与えるヘッド駆動制御手段と、を備え、
前記ヘッド駆動制御手段は、
サイズが同じ種類の液滴を吐出させる少なくとも2つの第1吐出パルス及び第2吐出パルスを含む前記共通駆動波形を生成し、
ノズル配列方向で隣り合う2つのノズルから前記サイズが同じ種類の液滴を吐出させるとき、一方のノズルについては前記第1吐出パルスを前記圧力発生手段に与え、他方のノズルについては前記第2吐出パルスを前記圧力発生手段に与える
構成とした。
液滴を吐出する複数のノズルと、前記ノズルが通じる個別液室と、前記個別液室内の液体を加圧する圧力を発生する圧力発生手段と、を有する液体吐出ヘッドと、
1駆動周期内で液滴を吐出させる複数の吐出パルスを時系列で含む共通駆動波形を生成し、前記共通駆動波形から1又は2以上の前記吐出パルスを選択して前記圧力発生手段に与えるヘッド駆動制御手段と、を備え、
前記ヘッド駆動制御手段は、
サイズが同じ種類の液滴を吐出させる少なくとも2つの第1吐出パルス及び第2吐出パルスを含む前記共通駆動波形を生成し、
ノズル配列方向で隣り合う2つのノズルから前記サイズが同じ種類の液滴を吐出させるとき、一方のノズルについては前記第1吐出パルスを前記圧力発生手段に与え、他方のノズルについては前記第2吐出パルスを前記圧力発生手段に与える
構成とした。
本発明によれば、ドット間ピッチの増大を伴わずに隣接クロストークを低減することができる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明に係る画像形成装置の一例について図1を参照して説明する。図1は同画像形成装置の概略説明図である。
この画像形成装置は、フルライン型インクジェット記録装置であり、装置本体1と乾燥時間を稼ぐ出口ユニット2とを並置している。
この画像形成装置においては、連続紙である被記録媒体10は、元巻きローラ11から巻き出され、搬送ローラ12〜18によって搬送されて、巻取りローラ21にて巻き取られる。
この被記録媒体10は、搬送ローラ13と搬送ローラ14との間で、搬送ガイド部材19上を画像形成部5に対向して搬送され、画像形成部5から吐出される液滴によって画像が形成される。
ここで、画像形成部5には、例えば、媒体搬送方向上流側から、4色分のフルライン型記録ヘッド51K、51C、51M、51Y(以下、色の区別しないときは「記録ヘッド51」という。)が配置されている。各記録ヘッド51は、それぞれ、搬送される被記録媒体10に対してブラックK,シアンC、マゼンタM、イエローYの液滴を吐出する。なお、色の種類及び数はこれに限るものではない。
記録ヘッド51は、例えば、図2に示すように、1つのフルライン型記録ヘッドであっても良い。また、図3に示すように、複数の短尺ヘッド100をベース部材52上に千鳥状に並べてヘッドアレイとすることで媒体幅分のフルライン型記録ヘッドとして構成したものでも良い。また、記録ヘッド51は、液体吐出ヘッドとこの液体吐出ヘッドに液体供給するヘッドタンクを有する液体吐出ヘッドユニットで構成しているが、これに限るものではなく、液体吐出ヘッド単独の構成でもよい。
次に、記録ヘッドを構成している1つの液体吐出ヘッド(ヘッドチップ)の一例について図4及び図5を参照して説明する。図4は同ヘッドのノズル配列方向と直交する方向(液室長手方向)の断面説明図、図5は同じくノズル配列方向(液室短手方向)の断面説明図である。
この液体吐出ヘッドは、ノズル板101と、流路板(液室基板)102と、振動板部材103とを接合している。そして、振動板部材103を変位させる圧電アクチュエータ111と、共通流路部材としてフレーム部材120とを備えている。
これにより、液滴を吐出する複数のノズル104に通じる個別液室(圧力室、加圧室などとも称される。)106、個別液室106に液体を供給する流体抵抗部を兼ねた液体供給路107と、液体供給路107に通じる液導入部108とを形成している。隣り合う個別液室106はノズル配列方向で隔壁106Aによって隔てられている。
そして、フレーム部材120の共通流路としての共通液室110から振動板部材103に形成したフィルタ部109を通じて、液導入部108、液体供給路107を経て複数の個別液室106に液体を供給する。
圧電アクチュエータ111は、振動板部材103の個別液室106の壁面を形成する変形可能な振動領域130を挟んで、個別液室106とは反対側に配置されている。
この圧電アクチュエータ111は、ベース部材113上に接合した複数の積層型圧電部材112を有し、圧電部材112にはハーフカットダイシングによって溝加工して1つの圧電部材112に対して所要数の柱状圧電素子(圧電柱)112A、112Bを所定の間隔で櫛歯状に形成している。
圧電部材112の圧電柱112A、112Bは、同じものであるが、駆動波形を与えて駆動させる圧電柱を駆動圧電柱(駆動柱)112A、駆動波形を与えないで単なる支柱として使用する圧電柱を非駆動圧電柱(非駆動柱)112Bとして区別している。
そして、駆動柱112Aを振動板部材103の振動領域130に形成した島状の凸部103aに接合している。また、非駆動柱112Bを振動板部材103の凸部103bに接合している。
この圧電部材112は、圧電層と内部電極とを交互に積層したものであり、内部電極がそれぞれ端面に引き出されて外部電極が設けられ、駆動柱112Aの外部電極に駆動信号を与えるための可撓性を有するフレキシブル配線基板としてのFPC115が接続されている。
フレーム部材120は、例えばエポキシ系樹脂或いは熱可塑性樹脂であるポリフェニレンサルファイト等で射出成形により形成し、図示しないヘッドタンクや液体カートリッジから液体が供給される共通液室110が形成されている。
このように構成した液体吐出ヘッドにおいては、例えば駆動柱112Aに印加する電圧を基準電位から下げることによって駆動柱112Aが収縮し、振動板部材103の振動領域130が下降して個別液室106の容積が膨張することで、個別液室106内に液体が流入する。
その後、駆動柱112Aに印加する電圧を上げて駆動柱112Aを積層方向に伸長させ、振動板部材103の振動領域130をノズル104方向に変形させて個別液室106の容積を収縮させる。これにより、個別液室106内の液体が加圧され、ノズル104から液滴が吐出(噴射)される。
そして、駆動柱112Aに印加する電圧を基準電位に戻すことによって振動板部材103の振動領域130が初期位置に復元し、個別液室106が膨張して負圧が発生するので、共通液室110から液体供給路107を通じて個別液室106内に液体が充填される。そこで、ノズル104のメニスカス面の振動が減衰して安定した後、次の液滴吐出のための動作に移行する。
なお、このヘッドの駆動方法については上記の例(引き−押し打ち)に限るものではなく、駆動波形の与えた方によって引き打ちや押し打ちなどを行なうこともできる。
次に、この画像形成装置の制御部の概要について図6を参照して説明する。なお、図6は同制御部のブロック説明図である。
この制御部は、この画像形成装置全体の制御を司る本発明におけるヘッド駆動制御手段を兼ねるマイクロコンピュータ、画像メモリ、通信インタフェースなどで構成した主制御部(システムコントローラ)501を備えている。主制御部501は、外部の情報処理装置(ホスト側)などから転送される画像データ及び各種コマンド情報に基づいて用紙に画像を形成するために、印刷制御部502に印刷用データを送出する。
印刷制御部502は、主制御部501から受領した画像データをシリアルデータで転送するとともに、この画像データの転送及び転送の確定などに必要な転送クロックやラッチ信号、制御信号などをヘッドドライバ503に出力する。また、印刷制御部502は、ROMに格納されている共通駆動波形のパターンデータをD/A変換するD/A変換器及び電圧増幅器、電流増幅器等で構成される駆動波形生成部を含み、1の駆動パルス或いは複数の駆動パルスで構成される駆動信号をヘッドドライバ503に対して出力する。
ヘッドドライバ503は、シリアルに入力される1つの記録ヘッド51に相当する画像データに基づいて印刷制御部502から与えられる駆動波形を構成する駆動パルスを選択して圧力発生手段としての圧電部材112に対して与え液滴を吐出させる。このとき、駆動波形を構成するパルスの一部又は全部或いはパルスを形成する波形要素の全部又は一部を選択することによって、例えば、大滴、中滴、小滴など、大きさの異なるドットを打ち分けることができる。
また、主制御部501は、モータドライバ504を介して、元巻きローラ11、搬送ローラ12〜18、巻取りローラ21などの各ローラ類510を駆動制御する。
また、主制御部501には各種センサからなるセンサ群506からの検出信号が入力され、また、操作部507との間で各種情報の入出力及び表示情報のやり取りを行う。
次に、印刷制御部502及びヘッドドライバ503の一例について図7のブロック説明図を参照して説明する。
印刷制御部502は、共通駆動波形を生成出力する駆動波形生成部701と、印刷画像に応じた2ビットの画像データ(階調信号0、1)と、クロック信号、ラッチ信号(LAT)、共通駆動波形を構成する駆動パルスを選択する選択信号0〜7を出力するデータ転送部702を備えている。
ここで、駆動波形生成部701からは、1印刷周期(1駆動周期)内に液滴を吐出させる複数の駆動パルス(これを吐出パルスという。)が時系列で配置された共通駆動波形Vcomが生成出力される。
なお、選択信号0〜7は、ヘッドドライバ503の後述するスイッチ手段であるアナログスイッチ715の開閉を滴毎に指示する信号である。共通駆動波形Vcomの印刷周期に合わせて選択すべきパルス(又は波形要素で)Hレベル(ON)に状態遷移し、非選択時にはLレベル(OFF)に状態遷移する。
ヘッドドライバ503は、シフトレジスタ711と、ラッチ回路712と、デコーダ713と、レベルシフタ714と、アナログスイッチ715とを備えている。
シフトレジスタ711は、データ転送部702からの転送クロック(シフトクロック)及びシリアル画像データ(階調データ:2ビット/1チャンネル(1ノズル)を入力する。ラッチ回路712は、シフトレジスタ711の各レジスト値をラッチ信号によってラッチする。デコーダ713は、階調データと選択信号0〜7をデコードして結果を出力する。レベルシフタ714は、デコーダ713のロジックレベル電圧信号をアナログスイッチ715が動作可能なレベルへとレベル変換する。アナログスイッチ715は、レベルシフタ714を介して与えられるデコーダ713の出力でオン/オフ(開閉)される。
このアナログスイッチ715は、各圧電部材112の選択電極(個別電極)に接続され、駆動波形生成部701からの共通駆動波形Vcomが入力されている。したがって、シリアル転送された画像データ(階調データ)と選択信号0〜7をデコーダ713でデコードした結果に応じてアナログスイッチ715がオンにする。これにより、共通駆動波形Vcomを構成する所要の駆動パルス(あるいは波形要素)が通過して(選択されて)圧電部材112に印加される。
次に、本発明の第1実施形態について図8を参照して説明する。図8は同実施形態における共通駆動波形とノズル配列方向で連続して並ぶ4つのノズルの各圧力発生手段に与える駆動信号の一例の説明に供する説明図である。
ここでは、3周期T1〜T3分の小滴を吐出させる駆動パルス(吐出パルス)の共通駆動波形Vcomを示している。
共通駆動波形(共通駆動信号)Vcomは、図8(a)に示すように、1駆動周期(1印刷周期)内で、同じサイズの滴種、ここでは相対的に最も小さい滴(小滴)を吐出させる駆動パルスである2つの第1吐出パルスP1と第2吐出パルスP2とを含む波形である。
ここで、第1吐出パルスP1と第2吐出パルスP2とは時間的に前後関係が存するが、吐出された液滴(小滴)が着弾面(被記録媒体10の紙面)にタイミングが同じになるように一致するように速度差が設定されている。なお、速度差は、波形要素(立ち下げ波形要素、立ち上げ波形要素、ホールド波形要素など)を異ならせることで設定できる。
そして、例えば図8(b)に示すように、ノズル配列方向で連続して並ぶ4つのノズルの(これを、ノズル1からノズル4とする)について、隣り合うノズルの一方には第2吐出パルスP2を選択して圧力発生手段に与え、他方には第1吐出パルスP1を選択して圧力発生手段に与える。
そして、ここでは、複数(4つ)のノズルを奇数番目と偶数番目とに分けたとき、他方のノズルである奇数番目のノズル1、3については第2吐出パルスP2を選択して与え、一方のノズルである偶数番目のノズル2、4には第1吐出パルスP1を選択して与える。
次に、本実施形態の作用について図9及び図10も参照して説明する。図9は図8(b)の駆動信号を与えたときの滴の飛翔状態の説明に供する説明図、図10は同じく着弾状態の説明に供する説明図である。
図8(b)の例では、周期T1ではノズル1ないしノズル4のいずれも液滴を吐出させ、周期T2ではノズル1は非吐出とし、ノズル2ないしノズル4からは液滴を吐出させ、周期T3ではノズル2は非吐出とし、ノズル1、ノズル3、ノズル4からは液滴を吐出させる。なお、液滴を吐出するノズルを吐出ノズルと称し、液滴を吐出しないノズルを非吐出ノズルと称する。
これにより、図9に示すように、第1吐出パルスP1でノズル2、ノズル4から液滴が吐出された後、第2吐出パルスP2でノズル1、ノズル3から液滴が吐出される。なお、図9中の破線〇印は滴が吐出されていないことを示している。
そして、飛翔中に、速度差によって、第2吐出パルスP2でノズル1、3から吐出された液滴が第1吐出パルスP1でノズル2、4から吐出された液滴に追い付き、着弾面にはほぼ同時(同時を含む)に着弾する。
ここで、各ノズル1ないしノズル4から液滴を吐出するとき、吐出タイミングがずれることによって隣り合うノズルは必ず非吐出ノズルであるので、隣り合うノズルの吐出/非吐出によらずに、当該吐出ノズルから吐出される液滴の滴速度が一定となる。
これによって、図10に示すように、ノズル1ないしノズル4から吐出された液滴で形成されるドットは媒体搬送方向での着弾位置ずれがない(若しくは小さい)状態になる。
このようにして、非吐出ノズルに隣接する吐出ノズルからの着弾ドットの着弾遅れを低減することができ、着弾位置精度が大幅に向上して、色むらやライン画像の画像品質が向上する。
ここで、比較例1について図11ないし図13を参照して説明する。図11は同比較例1における共通駆動波形とノズル配列方向で連続して並ぶ4つのノズルの各圧力発生手段に与える駆動信号の一例の説明に供する説明図、図12は図11(b)の駆動信号を与えたときの滴の飛翔状態の説明に供する説明図、図13は同じく着弾状態の説明に供する説明図である。
この比較例1では、図11(a)に示すように、1つの小滴用吐出パルスP10を含む共通駆動波形Vcomを生成出力する。そして、液滴(小滴)を吐出するノズルについては吐出パルスP10を選択して与えている。
ここでは、図11(b)に示すように、周期T1ではノズル1ないしノズル4のいずれも液滴を吐出させ、周期T2ではノズル1は非吐出とし、ノズル2ないしノズル4から液滴を吐出させ、周期T3ではノズル2は非吐出とし、ノズル1、ノズル3、ノズル4から液滴を吐出させる。
このとき、周期T2におけるノズル2に隣接するノズル1は非吐出状態であり、周期T3におけるノズル1、ノズル3に隣接するノズル2は非吐出状態である。そのため、個別液室106を加圧したときに隔壁106Aがノズル2に対応する個別液室106側に変形して圧力が逃げることになる。
その結果、図12に示すように、周期T2ではノズル2から吐出する液滴の滴速度が相対的に低下して、ノズル3、ノズル4から吐出される液滴と同じタイミング(仮想線図示)に対して遅れが生じる(隣接クロストーク現象が発生する)。同様に、周期T3ではノズル1、ノズル3から吐出される液滴の滴速度が相対的に低下する(隣接クロストーク現象が発生する)。
そうすると、図13に示すように、非吐出ノズルに隣接するノズルからの吐出滴の着弾が遅れて、隣り合うドットとの間隔が乱れ、画像品質が低下することになる。特に、線画像については乱れが顕著に現れることになる。
次に、比較例2について図14ないし図16を参照して説明する。図14は同比較例2におけるノズル配列方向で連続する4つのノズルの各圧力発生手段に対する吐出パルスの与え方の説明に供する説明図、図15は同じく液滴の飛翔状態の説明に供する説明図、図16は同じく着弾状態の説明に供する説明図である。
比較例2では、1周期内で、各ノズルの圧力発生手段に与える吐出パルスP11の印加タイミングをずらして、隣接するノズルに同時に吐出パルスP11が与えられないようにしている。
この比較例2の構成では、図15に示すように、1周期の長さが長くなって駆動周波数が低下することになり、印刷速度が低下する。
また、図16に示すように、媒体搬送方向では4ノズル分の吐出タイミングのずれを確保する必要があり、ノズル列方向では隣り合うノズルからのドットは斜めに配置されるために、ドット間ピッチが増大し、画像濃度が低下することになる。この場合、ドット間の隙間を埋めてベタ濃度を確保するためには、吐出量を増大させてドット径を太らせる必要があるが、ドット径が太ると、粒状度が低下する(粒状度が悪化する)ことになり、画像品質が低下する。
これらの比較例1、2に対して、本実施形態では、隣り合うノズルの一方のノズルについては第1吐出パルスで液滴を吐出させ、他方のノズルについては第2吐出パルスで吐出させる。これにより、隣接クロストークを抑えることができて画像品質の低下を抑制でき、また、駆動周期の増加も抑えられるので駆動周波数の低下による印刷速度の低下も抑えることができる。
ここで、複数の色を重ねる画像では、着弾位置がずれると、異なる色のドットが重なったり重ならなかったりして、色味がばらつくことになる。このとき、吐出量が大きく被覆面積が大きいほど、着弾位置ずれ量に対する色味のばらつき量は小さくなるが、吐出量が小さく被覆面積が小さいドットほど、着弾位置ずれ量に対する色味の変化量が大きくなってしまう。さらに、吐出量の小さいドットほど、クロストークによる吐出特性(速度、吐出量)のばらつきが大きくなる。そのため、小滴ほど、更には高画質用の小滴ほど色味ばらつきが大きくなってしまう。
そこで、上述したように、本実施形態では、第1吐出パルス及び第2吐出パルスを使用するサイズの滴種を小滴としている。これによって、色味のばらつきを抑えることができ、また、中滴や大滴に適用しないことで、無用に駆動周期が長くなることを防止できる。
また、本実施形態では、奇数番目のノズルと偶数番目のノズルとで与える吐出パルスを異ならせているので、簡単な制御で、隣り合うノズルについて異なる吐出パルスを与えることができる。
次に、本発明の第2実施形態について図17を参照して説明する。図17は同実施形態における共通駆動波形とノズル配列方向で連続して並ぶ4つのノズルの各圧力発生手段に与える駆動信号の一例の説明に供する説明図である。
本実施形態では、前記第1実施形態において、共通駆動波形Vcomに小滴用の第1吐出パルスP1及び第2吐出パルスP2の他に、小滴用の吐出パルス以外の吐出パルスP3を含む構成としている。
このようにしても、前記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
次に、本発明の第3実施形態について図18を参照して説明する。図18は同実施形態における共通駆動波形とノズル配列方向で連続して並ぶ4つのノズルの各圧力発生手段に与える駆動信号の一例の説明に供する説明図である。
本実施形態では、隣接ノズルが液滴を吐出する吐出ノズルであるか、液滴を吐出しない非吐出ノズルであるかを判別して、吐出ノズルであるときには第1吐出パルスP1を選択して与え、非吐出ノズルであるときには第2吐出パルスP2を選択して与えている。
隣接ノズルが吐出ノズルであるか、非吐出ノズルであるかは、印字データから判別することができる。
ここで、隣接ノズルが非吐出ノズルとなる吐出ノズルの圧力発生手段に与える第2吐出パルスP2は、隣接ノズルが吐出ノズルとなる吐出ノズルの圧力発生手段に与える第1吐出パルスP1よりも、吐出エネルギーが強い吐出パルスとしている。
これにより、隣接ノズルが非吐出ノズルで個別液室の圧力が上がらない状態でも、吐出エネルギーの強い吐出パルスが与えられることで、圧力が上がりにくい個別液室に通じるノズルからの吐出でも滴速度低下を低減することができる。
なお、第1吐出パルスP1、第2吐出パルスP2のいずれで吐出される液滴も着弾面での着弾タイミングがほぼ同じ(同じを含む)になるように吐出パルスの強さが設定されていることを前記第1実施形態と同様である。
このようにしても、前記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
次に、本発明の第4実施形態について図19を参照して説明する。図19は同実施形態における共通駆動波形とノズル配列方向で連続して並ぶ4つのノズルの各圧力発生手段に与える駆動信号の一例の説明に供する説明図である。
本実施形態では、前記第3実施形態において、共通駆動波形Vcomに小滴用の第1吐出パルスP1及び第2吐出パルスP2の他に、小滴用の吐出パルス以外の吐出パルスP3を含む構成としている。
このようにしても、前記第3実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
なお、本願において、用紙、被記録媒体、記録媒体、記録紙、記録用紙などは同義とし、同様に、画像形成、記録、印字、印写、印刷は同義とする。
また、「画像形成装置」は媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味する。また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。
また、「画像」とは平面的なものに限らず、立体的に形成されたものに付与された画像、また立体自体を三次元的に造形して形成された像も含まれる。
また、画像形成装置には、特に限定しない限り、シリアル型画像形成装置及びライン型画像形成装置のいずれも含まれる。
10 連続した被記録媒体
51 記録ヘッド(液体吐出ヘッド)
500 制御部
502 印刷制御部
503 ヘッドドライバ
701 駆動波形生成部
702 データ転送部
51 記録ヘッド(液体吐出ヘッド)
500 制御部
502 印刷制御部
503 ヘッドドライバ
701 駆動波形生成部
702 データ転送部
Claims (6)
- 液滴を吐出する複数のノズルと、前記ノズルが通じる個別液室と、前記個別液室内の液体を加圧する圧力を発生する圧力発生手段と、を有する液体吐出ヘッドと、
1駆動周期内で液滴を吐出させる複数の吐出パルスを時系列で含む共通駆動波形を生成し、前記共通駆動波形から1又は2以上の前記吐出パルスを選択して前記圧力発生手段に与えるヘッド駆動制御手段と、を備え、
前記ヘッド駆動制御手段は、
サイズが同じ種類の液滴を吐出させる少なくとも2つの第1吐出パルス及び第2吐出パルスを含む前記共通駆動波形を生成し、
ノズル配列方向で隣り合う2つのノズルから前記サイズが同じ種類の液滴を吐出させるとき、一方のノズルについては前記第1吐出パルスを前記圧力発生手段に与え、他方のノズルについては前記第2吐出パルスを前記圧力発生手段に与える
ことを特徴とする画像形成装置。 - 複数のノズルを奇数番目のノズルと偶数番目のノズルとに分けたとき、一方のノズルについては前記第1吐出パルスを前記圧力発生手段に与え、他方のノズルについては前記第2吐出パルスを前記圧力発生手段に与えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 複数のノズを、隣接するノズルが吐出状態となるノズルと隣接するノズルが非吐出状態となるノズルとに分けたとき、一方のノズルについては前記第1吐出パルスを前記圧力発生手段に与え、他方のノズルについては前記第2吐出パルスを前記圧力発生手段に与えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記第1吐出パルス及び前記第2吐出パルスは、相対的に最も小さいサイズの種類の液滴を吐出させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記第1吐出パルスで吐出される液滴と前記第2吐出パルスで吐出される液滴とが同じタイミングで着弾面に着弾することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 液滴を吐出する複数のノズルと、前記ノズルが通じる個別液室と、前記個別液室内の液体を加圧する圧力を発生する圧力発生手段と、を有する液体吐出ヘッドを駆動制御するヘッド駆動制御方法であって、
サイズが同じ種類の液滴を吐出させる少なくとも2つの第1吐出パルス及び第2吐出パルスを含む前記共通駆動波形を生成し、
ノズル配列方向で隣り合う2つのノズルから前記サイズが同じ種類の液滴を吐出させるとき、一方のノズルについては前記第1吐出パルスを前記圧力発生手段に与え、他方のノズルについては前記第2吐出パルスを前記圧力発生手段に与える
ことを特徴とするヘッド駆動制御方法。
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