JP2006035803A - インクジェットヘッド及びその製造方法 - Google Patents

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Toshiji Sumiya
利治 住谷
Tomohiko Koda
智彦 甲田
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Satoru Hida
悟 飛田
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Abstract

【課題】本発明の課題は、圧電素子の変形を用いてインクを吐出するインクジェットヘッドにおいて、圧電素子を単独で駆動した場合のインクの吐出速度と、複数の圧電素子を同時に駆動したときのインクの吐出速度の変動比を低減することにある。
【解決手段】隣接する圧電素子同士を弾性体で連結することにより、流路形成基板の変形に起因する第1のクロストークを、圧電素子間の弾性体により生ずる第2のクロストークで相殺する構造にした。
【選択図】図1

Description

本発明はインク滴を飛翔させ記録紙等の媒体上にインク像を形成するインクジェット記録ヘッド及びその製造方法に関するものである。
従来から、圧電素子などの圧力発生手段により、圧力室の容積を変化させ、ノズルからインクを吐出させるインクジェットヘッドが知られている。
図8は圧電素子を用いたインクジェットヘッドの一例を示す。流路形成基板3は一枚以上の薄板を接合して形成され、ノズルプレート2、チャンバプレート5、リストリクタプレート7、ダイアフラムプレート10及びサポートプレート11よりなる。図8の例では、まずノズル1を有するノズルプレート2、圧力室4が形成されたチャンバプレート5、及び共通インク通路13と圧力室4とを連結して圧力室4へのインク流入を制御するリストリクタ6を形成したリストリクタプレート7とを位置決めして接合する。更に、圧電アクチュエータ14の圧力を圧力室4に伝えるための振動板8を形成したダイアフラムプレート10と、振動板8の振動領域を規定するサポート穴部11aを有するサポートプレート11とを位置決めして接合する。これらの薄板を貼り合わせることで流路形成基板3を形成し、共通インク通路13を形成したハウジング12を同じように位置決めして接合する。ハウジング12はインク導入パイプ19を有し、図示されないインクタンクよりインクが供給される。
これらの薄板はステンレスやニッケルなどの金属材料よりなり、エッチングやプレス加工、レーザや電鋳加工などの精密加工を利用して製作できる。或いはシリコン等の材料を用い、エッチング加工を利用して複数の機能を有する部材を一体で製作しても良い。また、振動板にはポリイミドなどの樹脂材を用いてもよい。
最後に、複数の圧電素子15とそれを固定する支持基板16からなる圧電アクチュエータ14を位置決めして接着剤により接合する。圧電アクチュエータ14は複数の圧電素子15からなり、各々の圧電素子15は圧力室4の一つずつに対応するようになっている。各圧電素子15は個別電極17及び裏側に共通電極が接続されており、個別電極17に選択的な電気信号を加えることで、圧電素子15を変形させる。圧電素子15の変形が振動板8を介し圧力室4に伝わり、インクはノズル1からインク滴として吐出する。各圧電素子15の先端には圧力室4の幅より狭い圧力伝達部材を設けてもよい。これにより、圧電素子15の幅をノズル間のピッチ近くまで広げることが可能となる。
上記のような圧電素子15の変形を利用したインクジェットヘッドは、高密度化に伴い、単独の圧電素子を駆動する時のインク滴吐出速度と、複数の圧電素子を駆動する時のインク滴吐出速度とが異なってしまうという、いわゆるクロストークの課題を有している。
クロストークが発生する第1の原因は、流路形成基板3の剛性が不足することに起因している。つまり流路形成基板3の剛性が不足すると、複数の圧電素子15を駆動したときに振動板8だけでなく、流路形成基板3自体が変形してしまうため、単独で圧電素子を駆動する場合に比べ圧電素子15の見かけの変形量が減少して、インク吐出速度が低下してしまうためである。
クロストークが発生する第2の原因は、サポート穴部11aを乗り越えた接着剤で、圧電素子15同士が繋がることに起因している。つまり、サポート穴部11aを乗り越えた接着剤により隣接する圧電素子15が繋がると、圧電素子15同士が干渉し、信号を印加された圧電素子15の変形が阻害されて、圧電素子15の変形量が減少する。また隣接する圧電素子15を同時に駆動した場合は、2本の圧電素子15で間の接着剤を引っ張る形になり、単独で駆動するよりも圧電素子15の変形量が増加してインク吐出速度が増加する。
以下、説明の便宜上、上記第1の原因に起因するクロストーク、つまり流路形成基板の剛性が不足し、単独で圧電素子を駆動する場合より複数の圧電素子を駆動したときの方がインク吐出速度が低下する該流路形成基板自体が変形することによるクロストークを第1のクロストークと称し、第2の原因に起因するクロストーク、つまり隣接する圧電素子15同士が接着剤で繋がることにより単独で圧電素子を駆動する場合より複数の圧電素子を駆動したときの方がインク吐出速度が増加するクロストークを第2のクロストークと称する。
一般にインク吐出速度の低下の方が速度が増加する場合に比べてインク滴の着地位置精度に悪影響を及ぼすので、通常は第1の原因に起因するインク吐出速度の低下の方がクロストークの重要な課題になる。
従来、このような課題に対して、いろいろな対応策が提案されている。
特許文献3には、図9に示すように圧電素子115と不動圧電素子130を交互に列状に配置して流路形成基板基板103の変形を防ぐ構造が開示されている。圧電素子115の間に配置される不動圧電素子130が流路形成基板103を直接支えるため、圧電素子115の駆動による変形を防ぐ効果がある。しかしながら、この構造は圧電素子115のピッチを倍にする必要があり、高密度化には不向きである。
特許文献4には、図10に示すように流路形成基板103の隣接する圧力室104を隔てる隔壁105の一部に厚肉部105aを設ける構造が開示されている。このような構造にすることにより流路形成基板103自体の剛性を高めることができる。
特許文献5には、図11に示すように圧力室形成部材105とノズル形成部材102の間に強化部材140を設ける構造が開示されている。複数の圧力室104をもつ圧力室形成部材105と各圧力室104に対応した複数のノズル101の間に、ノズル101に対応した連通穴141を有する強化部材140を設けることにより流路形成基板103の剛性を高めている。
特許文献6には、図12に示すように弾性板110の圧電素子115が接着される面側に、枠状部111aを有する弾性材111を配置する構造が開示されている。枠状部111aは圧力室104の隔壁を支持し流路形成基板103の剛性を補う効果がある。なお図10〜図12において115は圧電素子、112はハウジングを示す。
上記の方法は何れも流路形成基板103の剛性を高めた分だけ、第1の原因に基づくクロストークを減少させることは可能であるが、更に、十分な剛性を得るためには、ある程度の板厚や部材の追加が必要になってしまう。しかしながら、例えばエッチング加工により流路形成基板を形成する場合、一般に板厚と加工する穴とのアスペクト比が1:1を超えると加工が次第に困難になり、1:2程度が限界である。従って高密度化に伴い、流路形成基板の剛性を高めるのに各部材の板厚を増加するという方法には自ずから限界がある。
特開平1−115638号公報
米国特許第4418355号 特開平9−174837号公報 特開2001−199063号公報 特開平6−99578号公報 特開平6−297710号公報
本発明の目的は、複数の圧電素子を駆動して複数のノズルからインクを同時に吐出した時に、インク吐出速度の低下を極力防止し得るインクジェットヘッドを提供することにある。
本発明の他の目的は、圧電素子を単独で駆動したときのインクの吐出速度と、複数の圧電素子を駆動したときのインクの吐出速度との変動の割合の小さいインクジェットヘッドを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、流路基板と圧電アクチュエータとを有し、前記流路基板は、インク滴を吐出するノズルが複数個列状に配置されたノズルプレートと、前記ノズルに対応してインクを蓄える圧力室を備える圧力室プレートと、前記圧力室の壁面の一部を形成する振動板と、前記圧力室にインクを供給する流路を備えるリストリクタプレートとを備え、前記圧電アクチュエータは前記圧力室に対向配置された複数個の圧電素子を有し、前記圧電素子に印加される電気信号に応じて前記ノズルからインク滴を吐出するように構成されたインクジェットヘッドにおいて、前記圧電素子と互いに隣接する圧電素子とを弾性部材で連結すると共に該弾性部材と前記振動板との間に間隙を形成したことに一つの特徴がある。
本発明の他の特徴は、振動板と対向する側の圧電素子に凸状のフットを設け、各々のフットを両隣のフットと弾性部材で連結したことにある。
本発明の他の特徴は、前記弾性部材を、前記振動板と前記圧電素子、又は振動板と凸状フットとを接合する接着剤と同じ材料より構成したことにある。
本発明の他の特徴は、前記フットを、前記圧電素子に接合され、該圧電素子より幅の狭い第1フット部と、該第1フット部に接合され該第1フット部より幅の狭い第2フット部より構成したことにあり、更に第1フット部は、圧電素子側の幅が第2フット部側の幅より大きい台形状の断面形状としたことにある。
本発明の他の特徴は、前記フットの高さをH1,隣接するフット間も最も狭い部分の間隔をLとしたときL<H1の関係に満たすようにし、さらに、第2フット部の高さをH2,前記振動板の振動領域を規定するサポートプレートの厚さをH3としたときH2>H3の関係を満たすようにしたことにある。
本発明の他の特徴は、複数個の圧電素子と、該圧電素子の先端に接合されたフットであって該圧電素子の幅より狭い第1のフット部と、該第1のフット部に接合され第1のフット部より狭い幅を有する第2のフット部より構成されるフットを有し、隣接するフット間を弾性部材で連結した圧電アクチュエータを有するインクジェットの製造方法であって、所定の厚さtに維持された接着剤の中に前記フットを漬し、該フットに接着剤を転写することによって前記弾性部材を形成することにある。
本発明の他の特徴は、前記フットの高さをH1,前記第2フット部の高さをH2,隣接するフット間の最も狭い部分の間隔をLとしたときH2<t<H1の関係を満たすように弾性部材を形成するとともに、L/2<t<H1の関係を満たすように弾性部材を形成するインクジェットヘッドの製造方法にある。
本発明のインクジェットヘッドは、隣接する圧電素子同士を弾性体で連結したため、隣接する圧電素子を同時に駆動した場合、流路形成基板の変形による第1のクロストークと、圧電素子間に弾性体を介した速度増加の第2のクロストークが発生し、第1及び第2のクロストークが互いに相殺されるため、全体としてインクの吐出速度の変動を小さくできるという利点がある。
以下本発明にかかるインクジェットヘッドの第1の実施例を参照して説明する。図1において、1はノズル、2はノズルプレート、3は流路形成基板、4は圧力室、8は振動板、15は圧電素子である。ノズルプレート2には、インクを吐出するノズル1が複数個列状に設けられ、ノズル1に対応して圧力室4が設けられている。流路形成基板3はノズル1を有するノズルプレート2、圧力室4、振動板8及びサポート穴部11aを有するサポートプレート11を備えている。振動板8には圧力室4に対向するように圧電アクチュエータ14が接着されている。
圧電アクチュエータ14は各圧力室4に対応するように配置された圧電素子15を有する。50は圧電素子15と振動板8を接着する接着剤である。本発明においては、第1のクロストークと第2のクロストークを互いに相殺するために、上記流路形成基板3の剛性を適当な範囲に設定して、第1クロストークを抑制すると共に、隣接する圧電素子15の間を弾性体51により連結し、且つ弾性体51と振動板8との間には適当な間隙を形成して第2クロストークを第1クロストークの大きさに見合う程度の大きさになるように調整している。
まず、本実施例の流路形成基板3の剛性について説明する。
図1の圧電素子15が収縮した時に、振動板8を介して流路形成基板3に力がかかるため、ノズルプレート2を含む流路形成基板3が変形する。流路形成基板3の剛性が不足する程、ノズルプレート2表面での変形は大きくなる。流路形成基板3が変形すると、振動板8の変形量が減少し、圧力室4の圧力変動が小さくなり吐出速度の減少となることは前述の通りである。
本実施例では第1クロストークによる速度変動比、つまり単独の圧電素子を駆動する場合のインクの吐出速度Vと複数の圧電素子を駆動する場合のインクの吐出速度Vの比が10%以内となるように流路形成基板3の剛性を設定する。
図5は従来のインクジェットヘッドにおいて流路形成基板3の剛性を変えたときのノズルプレート2の変形量と、インクの吐出速度の変動量の関係を示す実験結果である。図5の縦軸は圧電素子を単独で駆動した時の吐出速度Vに対する、複数の圧電素子を駆動した時の吐出速度Vの比(%)を、横軸は圧電素子の変形量lに対するノズルプレート2表面の最大変形量lの比(%)を示している。図5よりノズルプレート2に発生する変形が小さくなればなるほど、吐出速度の変動V/Vが小さくなることが分かる。
この実験結果より、クロストークによる速度変動V/Vを10%以内に抑えるためにはノズルプレート2の変形量lと圧電素子の変形量lの比l/lを5%以下に抑えることが必要である。
つまり、本実施例では、圧電素子15の変形lに対し、ノズルプレート2自体は極力変形しないほうが望ましいが、変形してもその量lはlの5%程度以内となるように流路形成基板3の剛性を設計する。
図6はこのように設計したときの第1クロストークの特性を示し、横軸に圧電素子の駆動本数をとり、縦軸にインクの吐出速度の変動率V/Vをとってある。この図から明らかなように本実施例においては圧電素子15の駆動本数が増加するに従って速度変動率V/Vは低下するが、Vに対するVの低下の割合は10%以内である。
次に本実施例では弾性体51が隣接する圧電素子15の間に形成されているために第2のクロストークが発生する。つまり圧電素子15を単独で駆動したときのインクの吐出速度Vよりも複数個の圧電素子15を同時に駆動したときのインクの吐出速度Vの方が上昇する。
図4−1のA−Aは圧電素子15aを単独駆動した場合の圧電素子15aの変形量を示す。圧電素子15aが上方に変位しようとすると、両脇の弾性体51により下方に引っ張られる力を受けるため弾性体51がない場合よりも変形量が減少する。一方、図4−2のように両隣の隣接する圧電素子15b,15cも同時に駆動した場合は、圧電素子15aの両脇の弾性体51も同時に変位するため、弾性体51による干渉が無く、従って圧電素子15aは弾性体51がない場合と同じ変形量となって、その変形量はA’−A’となり単独で駆動する場合より増大する。
図7は第2のクロストークの特性を示すもので横軸に圧電素子の駆動本数をとり、縦軸に速度変動比V/Vをとってある。
図のaは第2のクロストークがない場合を示し、b、c、dは第2のクロストークがある場合を示している。例えばcの曲線を見ると、駆動素子が1体のときの吐出速度を100%として2本、3本と増えるに従って増加する。更に4本、5本・・・と駆動本数が増加するに従って徐々に吐出速度は低下するが駆動素子が1本の場合よりも高い値を維持する。本実施例においては1つの圧電素子を駆動した時の吐出速度をV1、隣の圧電素子と同時に駆動した時の吐出速度をV2、両隣各1本ずつと駆動した時の吐出速度をV3とすると、V1<V2<V3の関係になる。また両隣各2本ずつ合計5本駆動した時の速度をV5とすると、V5<V3となる。
上記のように、弾性体51によりV/Vは増加するから、弾性体51の形状、材質及びギャップ11aの大きさ等を適当に選定することによりbの曲線のようにすることが可能であり、この結果、第1のクロストークと第2のクロストークが略相殺されてインク吐出速度の変動比が極めて小さいインクジェットヘッドを実現することが可能となる。
図2は本発明に係るインクジェットヘッドの第2の実施例を示すもので、圧電アクチュエータ14の圧電素子15の先端に、凸状のフット18が設けられている。フット18は、圧電素子15に連結され、相対的に大きな幅を有する第1のフット部18aと、該第1のフット部18aに連結され、相対的に小さい幅を有する第2のフット部18bから構成される。このようなフット部18を設けることにより、より細長い振動板8に対しても、圧電素子15の変位を有効に伝達することができる。
この実施例においてはフット18同士が、弾性体51により互いに連結されている。ここで圧電素子15同士は他の部材を介さず弾性体51により直接繋がっていることが望ましい。但し、隣接する圧電素子15の間に弾性体を充填する構造とは異なり、振動板8との間に適当な間隙を有する。
図1及び図2に示す実施例において、弾性体51の材料としては、例えば圧電素子15またはフット18と振動板8とを接着する接着剤と同じ材料が用いられる。同じ接着剤を用いて弾性体51を図1及び図2のような形状に硬化、形成するためには、接着剤の塗布条件及び形状の管理が必要となる。
圧電アクチュエータ14と振動板8とを接合するときに、圧電アクチュエータ14の先端に所定の厚さに保たれた接着剤を転写することにより塗布量を管理できる。更に、所定の時間で接合することで、硬化時の接着剤50の広がりを管理できる。広がりを一定とするためには、接着剤の温度及び湿度の管理が必要であり、2液性の接着剤の場合は混合比等の管理も重要である。
図3−1は圧電アクチュエータ14に接着剤50を転写により塗布する例を示し、圧電アクチュエータ14を接着剤50に漬けることにより転写する方法を示す。この場合、接着剤50の転写量はフット18の全体の高さをH1、第2フット部18bの高さをH2、隣接するフット18の最小間隔つまり第1フット部18aの最小間隔をL、転写する接着剤の厚さをtとした時、次の式(1)及び(2)を満たすことが望ましい。
H2<t<H1・・・(1)
L/2<t・・・(2)
上記(1)式のようにフット18を越えない程度に接着剤50を転写することで、接着剤50が毛管現象で圧電素子15の間に入り込むことがなくなり、塗布量の管理がし易くなる。図3−2は接着剤50の転写後にフット18に塗布された接着剤50の状態を示し、(2)式のようにL/2以上の量の接着剤50に漬けることにより、隣接するフット18はそれぞれL/2以上の幅の接着剤50が転写されて隣接するフット18が接着剤50で繋がることになる。
更に、フット18を以下のような形状とすることで、上記弾性体51の構成がより実現しやすくなる。まず、フット18の高さH1と、隣接するフット18間の最小間隔Lとの関係をL<H1となるようにする。この関係を満たすことで、接着剤50の塗布量の調整量を大きくできる。また、台形形状をした第1フット部18aの圧電素子15側の幅を、圧電素子15の幅より狭くする。このような形状とすることにより、圧電素子15と第1フット部18aとの境界部に段差が形成され、この段差によってフット18に塗布した接着剤50が圧電素子15側に流入するのをせき止める効果がある。
更に、第1フット部18aは振動板8と接合される第2フット部18b側の辺を、圧電素子15側の辺の長さより長くすることにより概略台形の形成とすることが望ましい。このような形状とすることで、隣接するフット18同士が台形の長辺を起点にして直接接着剤50で繋がりやすくなる。
また、第2フット部18bの高さH2は、サポート穴部11aの段差(サポートプレートの高さ)H3よりも高くすることが望ましい。これにより、サポート穴部11aを介さずに隣接する第1フット部18a同士を直接繋ぐことができる。
次に、第1のクロストークと第2のクロストークを相殺するには第2のクロストーク量を調整することが必要であるが、第2のクロストークの量はフット18間を繋いでいる弾性体51の剛性により、調整することができる。接着剤50の量を増やすと第2のクロストークによる増速量が増え、減らすと増速量が減る。第2のクロストークによる増速量は、第2のクロストークが発生しない条件において第1のクロストークによって減速する量の半分程度が望ましい。
図7は接着剤の量を変えた場合の、同時に駆動する圧電素子の駆動本数を増やしていった時の吐出速度の変化を示す。横軸は同時に駆動する圧電素子の本数を示し、縦軸は単独で圧電素子を駆動した時の吐出速度を100%とした時の複数駆動時の吐出速度(%)を示す。また、tの値は接着剤の量を示す。実験では、室温硬化型2液性エポキシ接着剤(セメダイン社製のEP001)を用いた。t=0.1mmは0.1mmの厚さの接着剤に転写したことを示す。
同図の曲線aは、t=0.1mmの場合であり、接着剤で繋がらないために第2のクロストークは発生していない。この時の第1のクロストークによる減速量は−8%程度である。t=0.15、0.2、0.3mmの場合はb、c、dに示すように第2クロストークの発生により速度変動率が上昇している。
図中t=0.15mmの場合、+3%程の度第2のクロストークが発生している。一方で第1のクロストークによる速度低下は−5%程度となっている。つまり、第1のクロストークを第2のクロストークで相殺することでトータルのクロストークを±5%以内に抑えることを実現できている。
一方、t=0.2、0.3mmは第2のクロストークによる増速量が大き過ぎるため、第1のクロストークを適当に相殺できない。従って第1クロストークを相殺するためには接着剤の塗布量を調整する必要がある。適当な塗布量はインクジェットヘッドの寸法・剛性・接着剤の種類によって変わるが図7の例のように、実験により直接接着剤の量を決定すればよい。
本発明インクジェットヘッドの第1実施例を示した断面図である。 本発明インクジェットヘッドの第2実施例を示した断面図である。 本発明のインクジェットの組み立て方法を示した図である。 本発明のインクジェットの組み立て方法を示した図である。 本発明インクジェットヘッドの原理を示す断面図である。 本発明インクジェットヘッドの原理を示す断面図である。 従来のインクジェットヘッドのノズルプレートの変形とクロストークの関係を示す図である。 従来のインクジェットのクロストークによる速度変化を示す図である。 本発明のインクジェットのクロストークによる速度変化を示す図である。 従来例を示した斜視図である。 従来例を示した断面図である。 従来例を示した平面図及び断面図である。 従来例を示した斜視図である。 従来例を示した斜視図である。
符号の説明
1:ノズル
2:ノズルプレート
3:流路形成基板
4:圧力室
5:チャンバプレート
6:リストリクタ
7:リストリクタプレート
8:振動板
9:フィルタ部
10:ダイアフラムプレート
11:サポートプレート
12:ハウジング
13:共通インク通路
14:圧電アクチュエータ
15:圧電素子
16:支持基板
17:個別電極
18:フット
50:接着剤
51:弾性体

Claims (10)

  1. 流路基板と圧電アクチュエータとを有し、前記流路基板は、インク滴を吐出するノズルが複数個列状に配置されたノズルプレートと、前記ノズルに対応してインクを蓄える圧力室を備える圧力室プレートと、前記圧力室の壁面の一部を形成する振動板と、前記圧力室にインクを供給する流路を備えるリストリクタプレートとを備え、前記圧電アクチュエータは前記圧力室に対向配置された複数個の圧電素子を有し、前記圧電素子に印加される電気信号に応じて前記ノズルからインク滴を吐出するように構成されたインクジェットヘッドにおいて、前記圧電素子と互いに隣接する圧電素子とを弾性部材で連結すると共に、該弾性部材と前記振動板との間に間隙を形成したことを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 流路基板と圧電アクチュエータとを有し、前記流路基板は、インク滴を吐出するノズルが複数個列状に配置されたノズルプレートと、前記ノズルに対応してインクを蓄える圧力室を備える圧力室プレートと、前記圧力室の壁面の一部を形成する振動板と、前記圧力室にインクを供給する流路を備えるリストリクタプレートとを備え、前記圧電アクチュエータは前記圧力室に対向配置された複数個の圧電素子を有し、前記圧電素子に印加される電気信号に応じて前記ノズルからインク滴を吐出するように構成されたインクジェットヘッドにおいて、前記圧電素子は、前記振動板と対向する側に凸状のフットを有し、各々のフットは両隣のフットと弾性部材で連結されていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  3. 請求項1又は2において前記弾性部材は、前記振動板と前記圧電素子、又は振動板と凸状フットとを接合する接着剤と同じ材料より構成されたことを特徴とするインクジェットヘッド。
  4. 請求項2において前記フットは、前記圧電素子に接合され、該圧電素子より幅の狭い第1フット部と、該第1フット部に接合され該第1フット部より幅の狭い第2フット部よりなることを特徴とするインクジェットヘッド。
  5. 請求項4において、前記第1フット部は、圧電素子側の幅が第2フット部側の幅より大きい台形状の断面形状をしていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  6. 請求項3において、前記フットの高さをH1,隣接するフット間も最も狭い部分の間隔をLとしたときL<H1の関係に満たすことを特徴とするインクジェットヘッド。
  7. 請求項4において第2フット部の高さをH2,前記振動板の振動領域を規定するサポートプレートの厚さをH3としたときH2>H3の関係を満たすことを特徴とするインクジェットヘッド。
  8. 複数個の圧電素子と、該圧電素子の先端に接合されたフットであって該圧電素子の幅より狭い第1のフット部と、該第1のフット部に接合され第1のフット部より狭い幅を有する第2のフット部より構成されるフットを有し、隣接するフット間を弾性部材で連結した圧電アクチュエータを有するインクジェットの製造方法であって、所定の厚さtに維持された接着剤の中に前記フットを漬し、該フットに接着剤を転写することによって前記弾性部材を形成することを特徴とするにインクジェットヘッドの製造方法。
  9. 請求項8において、前記フットの高さをH1,前記第2フット部の高さをH2としたときH2<t<H1の関係を満たすように弾性部材を形成することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  10. 請求項8において、前記フットの高さをH1,隣接するフット間の最も狭い部分の間隔をLとしたときL/2<t<H1の関係を満たすように弾性部材を形成することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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