JP2012116040A - 記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動信号を遅延させて加圧部に送る制御を行ない、かつ複数の液体吐出孔から吐出される液滴で、記録媒体上の1画素を形成する際に、記録精度のよい記録装置を提供する。
【解決手段】複数の液体吐出孔8と複数の液体加圧室と加圧部とを含み、複数の液体吐出孔8は、第1の方向に等間隔でかつ第1の方向に直交する第2の方向に重ならないように2次元的に配置されている複数の液体吐出孔群7を構成しており、一つの液体吐出孔群7に属する液体吐出孔8は、他の液体吐出孔群7に属する液体吐出孔8とそれぞれ第2の方向に重なるように配置されている液体吐出ヘッドと搬送部と制御部とを有し、制御部は、隣接する液体加圧室の加圧部に同時に駆動信号を送らないように、駆動信号に遅延を与え、往路と復路の印刷で、第2の方向に重なっている液体吐出孔8の加圧部に送る駆動信号に与える遅延の有無を逆にする記録装置である。
【選択図】図7

Description

本発明は、液滴を吐出させることにより画像を印刷する記録装置に関するものである。
近年、インクジェットプリンタやインクジェットプロッタなどの、インクジェット記録方式を利用した印刷装置が、一般消費者向けのプリンタだけでなく、例えば電子回路の形成や液晶ディスプレイ用のカラーフィルタの製造、有機ELディスプレイの製造といった工業用途にも広く利用されている。
このようなインクジェット方式の印刷装置には、液体を吐出させるための液体吐出ヘッドが印刷ヘッドとして搭載されている。この種の印刷ヘッドには、インクが充填されたインク流路内に加圧手段としてのヒータを備え、ヒータによりインクを加熱、沸騰させ、インク流路内に発生する気泡によってインクを加圧し、インク吐出孔より、液滴として吐出させるサーマルヘッド方式と、インクが充填されるインク流路の一部の壁を変位素子によって屈曲変位させ、機械的にインク流路内のインクを加圧し、インク吐出孔より液滴として吐出させる圧電方式が一般的に知られている。
また、このような液体吐出ヘッドには、記録媒体の搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に液体吐出ヘッドを移動させつつ記録を行なうシリアル式、および記録媒体より主走査方向に長い液体吐出ヘッドを固定した状態で、副走査方向に搬送されてくる記録媒体に記録を行なうライン式がある。ライン式は、シリアル式のように液体吐出ヘッドを移動させる必要がないので、高速記録が可能であるという利点を有する。
シリアル式、ライン式のいずれの方式の液体吐出ヘッドであっても、液滴を高い密度で印刷するには、液体吐出ヘッドに形成されている、液滴を吐出する液体吐出孔の密度を高くする必要がある。
そこで液体吐出ヘッドを、マニホールドおよびマニホールドから複数の液体加圧室をそれぞれ介して繋がる液体吐出孔を有し、前記複数の液体加圧室がマトリックス状に配置されて開口している金属の流路部材と、前記液体加圧室をそれぞれ覆うように設けられた複数の変位素子を有する圧電アクチュエータユニットとを積層して構成したものが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。この液体吐出ヘッドでは、複数の液体吐出孔にそれぞれ繋がった液体加圧室がマトリックス状に配置され、それを覆うように設けられた圧電アクチュエータユニットの変位素子を圧電体の変形により変位させることで、各液体吐出孔からインクを吐出させ、主走査方向に600dpiの解像度で印刷が可能とされている。また、変位素子は、流路部材側から、振動板、共通電極、圧電セラミック層、液体加圧室に対向した位置にある個別電極本体と個別電極本体より引き出されて外部配線と接続される引出電極からなる個別電極が積層された構造をしている。
特開2003−305852号公報
しかし、特許文献1に記載されているような液体吐出ヘッドでは、一つの液体吐出孔から1回の駆動信号により記録媒体上に1画素として着弾させることのできる液体の量が少
なく、画像などを好ましい状態で記録することができないことがあった。
これに対して、複数の液体吐出孔から吐出させた液滴を、記録媒体上の近接した位置に着弾させることにより、より大きな記録媒体上の1画素を形成させることが考えられる。また、複数の液体吐出孔から吐出させた液滴を、記録媒体上の近接した位置に着弾させることにより、記録媒体上の1画素の大きさを変える以外に、1画素の大きさを変える階調表現を、より広範囲にすることができる。すなわち、1つの液体吐出孔から吐出される液滴により、1画素に対して4段階の階調表現が可能であった場合、2つの液体吐出孔から吐出される液滴により、1画素を形成すれば、8段階の階調表現が可能になる。このように複数の液体吐出孔から吐出させた液滴により、記録媒体上に1画素を形成させる記録装置には、様々の利点がある。
また、液体加圧室間に生じるクロストークを抑制するために、液体加圧室の中の液体を加圧する加圧部を駆動する駆動信号を遅延させて送ることが知られている。しかし、上述のような記録装置においては、遅延の与え方を適切に制御しないと、異なる液体吐出孔から吐出させた液滴で、記録媒体上に1画素を形成させて、良好な記録を得られないおそれがある。特に、液体吐出ヘッドと記録媒体とを相対的に往復運動させて、往路および復路のいずれにおいても記録する際に、往路と復路とで記録精度が異なるおそれがあった。
したがって、本発明の目的は、一部の駆動信号を遅延させて加圧部に送る制御に行なっており、かつ複数の液体吐出孔から吐出される液滴で、記録媒体上の1画素を形成する際に記録精度のよい記録装置を提供することにある。
本発明の記録装置は、複数の液体吐出孔と、該複数の液体吐出孔にそれぞれ繋がっている複数の液体加圧室と、該複数の液体加圧室の中の液体をそれぞれ加圧する加圧部とを含み、前記複数の液体吐出孔は、第1の方向に等間隔で、かつ前記第1の方向に直交する第2の方向に重ならないように2次元的に配置されている複数の液体吐出孔群を構成しており、一つの前記液体吐出孔群に属する前記液体吐出孔は、他の前記液体吐出孔群に属する前記液体吐出孔と、それぞれ前記第2の方向に重なるように配置されている液体吐出ヘッドと、記録媒体に対して前記液体吐出ヘッドを第2の方向に相対的に往復移動させる搬送部と、前記液体吐出ヘッドおよび前記搬送部を制御する制御部とを有し、該制御部は、一つの前記液体加圧室に対応する前記加圧部に駆動信号を送る際に、隣接する前記液体加圧室に対応する前記加圧部に同時に駆動信号を送らないように、遅延させて駆動信号を送るとともに、往復移動のいずれの際にも記録を行なわせ、かつ前記第2の方向に重なっている前記液体吐出孔から吐出される液体を記録媒体上で重なるように着弾させる際に、往路で当該第2の方向に重なっている前記液体吐出孔に繋がっている前記液体加圧室に対応する前記加圧部に送る駆動信号に対して、遅延させるか否かが一致していない場合、復路で当該加圧部に送る駆動信号に対して、遅延させるか否かを往路の逆にすることを特徴とする。
前記液体吐出孔群は、それぞれ複数の前記液体吐出孔が前記第1の方向に並んでいるn列(nは2以上の整数)の液体吐出孔列を構成し、前記液体吐出孔群に属する前記液体吐出孔に繋がっている前記液体加圧室は、それぞれ複数の前記液体加圧室が並んでいるn列の液体加圧室列を構成しており、1つの前記液体吐出孔列に含まれている前記液体吐出孔は、1つの前記液体加圧室列に含まれている前記液体加圧室にそれぞれ繋がっており、前記制御部は、1つの前記液体加圧室列に送る駆動信号を同時に送ることが好ましい。 nが4以上の偶数であり、前記液体吐出孔群がm個(mは2以上の整数)であり、前記液体加圧室列を前記第2の方向に順に1〜m×n列目の液体加圧室列とするとき、2×m×i+j列目(iは1〜n/2の整数、jは0か1)、2×m×i+j+2列目・・・2×m
×i+j+2×(n/2−1)列目の少なくとも2列以上の液体加圧室列の各列に属する前記液体加圧室に繋がっている前記液体吐出孔がそれぞれ前記第2の方向に重なって配置されていることが好ましい。
nが4以上の偶数であり、前記液体吐出孔群がm個(mは2以上の整数)であり、前記液体加圧室列を前記第2の方向に順に1〜m×n列目の液体加圧室列とするとき、k列目(kは1〜nの整数)、k+n列目・・・k+n×(m−1)列目の少なくとも2列以上の液体加圧室列に繋がっている前記液体加圧室がそれぞれ前記第2の方向に重なって配置されていることが好ましい。
往路で記録する際に与える遅延時間を、遅延させない場合も含めて時間が短い方から順に、T1秒(=0秒)、T2秒・・r・Tp秒(pは2以上の整数)とし、往路でTq(qは1〜pの整数)の遅延時間を与えた駆動信号を送る前記加圧部に対して、復路で(Tp−Tq)秒の遅延時間を与えた駆動信号を送ることが好ましい。
本発明の記録装置によれば、記録媒体上で1画素となるように吐出される液滴を吐出する液体加圧室に対応する加圧部に送られる駆動信号に対して、遅延させるか否かが異なっている場合、往路と復路とで遅延させるか否かを逆にすることにより、往路と復路で形成される画素差が少なくなり、記録精度がよくなる。
本発明の一実施形態に係る記録装置であるプリンタの概略構成図である。 図1の液体吐出ヘッドを構成する流路部材および圧電アクチュエータユニットの平面図である。 図2の一点鎖線に囲まれた領域の拡大図である、説明のため一部の流路を省略した図である。 図2の一点鎖線に囲まれた領域の拡大図であり、説明のため一部の流路を省略した図である。 図3のV−V線に沿った縦断面図である。 本発明の一実施形態の液体吐出孔の配置と、その液体吐出孔から吐出された液滴による記録が進行する状態を示した模式図である。 本発明の一実施形態の液体吐出孔の配置の模式図である。 本発明の他の実施形態の液体吐出孔の配置と、その液体吐出孔から吐出された液滴による記録が進行する状態を示した模式図である。
図1は、本発明の一実施形態による液体吐出ヘッドを含む記録装置であるカラーインクジェットプリンタの概略構成図である。このカラーインクジェットプリンタ1(以下、プリンタ1とする)は、4つの液体吐出ヘッド2を有している。これらの液体吐出ヘッド2は、キャリッジ18に固定されており、キャリッジ18は、記録媒体である印刷用紙Pの搬送方向に対して、直交する方向、すなわち、図1の手前から奥へ向かう方向に往復移動可能に設置されている。4つの液体吐出ヘッド2はキャリッジ18の往復移動可能方向に沿って並べられ、プリンタ1に固定されている。液体吐出ヘッド2は、印刷用紙Pの搬送方向に細長い形状を有している。この長い方向を長手方向と呼ぶことがある。
このようなプリンタ1においては、印刷用紙Pを停止させた状態で、キャリッジ18を移動させるとともに印刷を行なう動作と、印刷しない状態で印刷用紙Pを搬送する動作を繰り返すことにより、印刷用紙Pに対して印刷することができる。印刷は、キャリッジ18の往復動作の両方向で行なわれる。
プリンタ1には、印刷用紙Pの搬送経路に沿って、給紙ユニット114、搬送ユニット120および紙受け部116が順に設けられている。また、プリンタ1には、液体吐出ヘッド2や給紙ユニット114などのプリンタ1の各部における動作を制御するための制御部100が設けられている。
給紙ユニット114は、複数枚の印刷用紙Pを収容することができる用紙収容ケース115と、給紙ローラ145とを有している。給紙ローラ145は、用紙収容ケース115に積層して収容された印刷用紙Pのうち、最も上にある印刷用紙Pを1枚ずつ送り出すことができる。
給紙ユニット114と搬送ユニット120との間には、印刷用紙Pの搬送経路に沿って、二対の送りローラ118aおよび118b、ならびに、119aおよび119bが配置されている。給紙ユニット114から送り出された印刷用紙Pは、これらの送りローラによってガイドされて、さらに搬送ユニット120へと送り出される。
搬送ユニット120は、エンドレスの搬送ベルト111と2つのベルトローラ106および107を有している。搬送ベルト111は、ベルトローラ106および107に巻き掛けられている。搬送ベルト111は、2つのベルトローラに巻き掛けられたとき所定の張力で張られるような長さに調整されている。これによって、搬送ベルト111は、2つのベルトローラの共通接線をそれぞれ含む互いに平行な2つの平面に沿って、弛むことなく張られている。これら2つの平面のうち、液体吐出ヘッド2に近い方の平面が、印刷用紙Pを搬送する搬送面127である。
ベルトローラ106には、図1に示されるように、搬送モータ174が接続されている。搬送モータ174は、ベルトローラ106を矢印Aの方向に回転させることができる。また、ベルトローラ107は、搬送ベルト111に連動して回転することができる。したがって、搬送モータ174を駆動してベルトローラ106を回転させることにより、搬送ベルト111は、矢印Aの方向に沿って移動する。
ベルトローラ107の近傍には、ニップローラ138とニップ受けローラ139とが、搬送ベルト111を挟むように配置されている。ニップローラ138は、図示しないバネによって下方に付勢されている。ニップローラ138の下方のニップ受けローラ139は、下方に付勢されたニップローラ138を、搬送ベルト111を介して受け止めている。2つのニップローラは回転可能に設置されており、搬送ベルト111に連動して回転する。
給紙ユニット114から搬送ユニット120へと送り出された印刷用紙Pは、ニップローラ138と搬送ベルト111との間に挟み込まれる。これによって、印刷用紙Pは、搬送ベルト111の搬送面127に押し付けられ、搬送面127上に固着する。そして、印刷用紙Pは、搬送ベルト111の回転に従って、液体吐出ヘッド2が設置されている方向へと搬送される。なお、搬送ベルト111の外周面113に粘着性のシリコンゴムによる処理を施してもよい。これにより、印刷用紙Pを搬送面127に確実に固着させることができる。
4つの液体吐出ヘッド2は、搬送ベルト111による搬送方向に沿って互いに近接して配置されている。各液体吐出ヘッド2は、下端に液体吐出ヘッド本体13を有している。液体吐出ヘッド本体13の下面には、液体を吐出する多数の液体吐出孔8が設けられている(図4、5および6参照)。
1つの液体吐出ヘッド2に設けられた液体吐出孔8からは、同じ色の液滴(インク)が吐出されるようになっている。各液体吐出ヘッド2には図示しない外部液体タンクから液体が供給される。各液体吐出ヘッド2の液体吐出孔8は、液体吐出孔面に開口しており、第1の方向(印刷用紙Pと平行でキャリッジ18の往復移動方向に直交する方向であり、液体吐出ヘッド2の長手方向)に等間隔で配置されて複数の液体吐出孔群7を形成しているため、1つの液体吐出孔群7から吐出される液滴で、第1の方向に等間隔に着弾した画素群を形成できるとともに、複数の液体吐出孔群7から吐出された液滴が、印刷用紙P上で1画素を形成するように近傍に着弾するので、一方方向に隙間なく印刷することができる。各液体吐出ヘッド2から吐出される液体の色は、それぞれ、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)およびブラック(K)である。各液体吐出ヘッド2は、液体吐出ヘッド本体13の下面と搬送ベルト111の搬送面127との間にわずかな隙間をおいて配置されている。
なお、キャリッジ18の往復運動の往路において、300dpiの間隔の印刷を行ない、復路において往路で印刷した300dpiの画素の間に着弾するように300dpiの間隔で印刷することで600dpiの解像度の印刷を行なってもよい。このようにすると、第1の方向に隣接する画素は、往復の異なる工程で印刷されたものになるため、クロストークの影響をより受けない状態で、印刷ができるので、より画質が良好になる。
搬送ベルト111によって搬送された印刷用紙Pは、液体吐出ヘッド2と搬送ベルト111との間の隙間を通過する。その際に、液体吐出ヘッド2を構成する液体吐出ヘッド本体13から印刷用紙Pの上面に向けて液滴が吐出される。これによって、印刷用紙Pの上面には、制御部100によって記憶された画像データに基づくカラー画像が形成される。
搬送ユニット120と紙受け部116との間には、剥離プレート140と二対の送りローラ121aおよび121bならびに122aおよび122bとが配置されている。カラー画像が印刷された印刷用紙Pは、搬送ベルト111によって剥離プレート140へと搬送される。このとき、印刷用紙Pは、剥離プレート140の右端によって、搬送面127から剥離される。そして、印刷用紙Pは、送りローラ121a〜122bによって、紙受け部116に送り出される。このように、印刷済みの印刷用紙Pが順次紙受け部116に送られ、紙受け部116に重ねられる。
なお、印刷用紙Pの搬送方向について最も上流側にある液体吐出ヘッド2とニップローラ138との間には、紙面センサ133が設置されている。紙面センサ133は、発光素子および受光素子によって構成され、搬送経路上の印刷用紙Pの先端位置を検出することができる。紙面センサ133による検出結果は制御部100に送られる。制御部100は、紙面センサ133から送られた検出結果により、印刷用紙Pの搬送と画像の印刷とが同期するように、液体吐出ヘッド2や搬送モータ174等を制御することができる。
次に本発明の液体吐出ヘッドを構成する液体吐出ヘッド本体13について説明する。図2は、液体吐出ヘッド本体13を示す上面図である。図3は、図2の一点鎖線で囲まれた領域の拡大透視図であり、液体吐出ヘッド本体13の一部である。図4は、図3と同じ位置の拡大透視図である。図3および4では分かり易いように、一部の流路などを省略して描いていおり、液体加圧室10の端10aは液体吐出孔7に繋がっている。なお、図3および図4において、図面を分かり易くするために、圧電アクチュエータユニット21の下方にあって破線で描くべき液体加圧室10、しぼり12および液体吐出孔8を実線で描いている。図5は、図4のV−V線に沿った縦断面図であるが、一つの個別流路32に属さない流路は省略して描いている。
液体吐出ヘッド本体13は、平板状の流路部材4と、流路部材4上に、圧電アクチュエ
ータユニット21とを有している。圧電アクチュエータユニット21は台形形状を有しており、その台形の1対の平行対向辺が流路部材4の長手方向に平行になるように流路部材4の上面に配置されている。また、流路部材4の長手方向に平行な2本の仮想直線のそれぞれに沿って2つずつ、つまり合計4つの圧電アクチュエータユニット21が、全体として千鳥状に流路部材4上に配列されている。流路部材4上で隣接し合う圧電アクチュエータユニット21の斜辺同士は、流路部材4の短手方向について部分的にオーバーラップしている。このオーバーラップしている部分の圧電アクチェータユニット21を駆動することにより印刷される領域では、2つの圧電アクチュエータユニット21により吐出された液滴が混在して着弾することになる。
流路部材4の内部には液体流路の一部であるマニホールド5が形成されている。マニホールド5は流路部材4の長手方向に沿って延び細長い形状を有しており、流路部材4の上面にはマニホールド5の開口5bが形成されている。開口5bは、流路部材4の長手方向に平行な2本の直線(仮想線)のそれぞれに沿って5個ずつ、合計10個形成されている。開口5bは、4つの圧電アクチュエータユニット21が配置された領域を避ける位置に形成されている。マニホールド5には開口5bを通じて図示されていない液体タンクから液体が供給されるようになっている。
流路部材4内に形成されたマニホールド5は、複数本に分岐している(分岐した部分のマニホールド5を副マニホールド5aということがある)。開口5bに繋がるマニホールド5は、圧電アクチュエータユニット21の斜辺に沿うように延在しており、流路部材4の長手方向と交差して配置されている。2つの圧電アクチュエータユニット21に挟まれた領域では、1つのマニホールド5が、隣接する圧電アクチュエータユニット21に共有されており、副マニホールド5aがマニホールド5の両側から分岐している。これらの副マニホールド5aは、流路部材4の内部の各圧電アクチュエータユニット21に対向する領域に互いに隣接して液体吐出ヘッド本体13の長手方向に延在している。
流路部材4は、複数の液体加圧室10がマトリクス状(すなわち、2次元的かつ規則的)に形成されている4つの液体加圧室群9を有している。液体加圧室10は、角部にアールが施されたほぼ菱形の平面形状を有する中空の領域である。液体加圧室10は流路部材4の上面に開口するように形成されている。これらの液体加圧室10は、流路部材4の上面における圧電アクチュエータユニット21に対向する領域のほぼ全面にわたって配列されている。したがって、これらの液体加圧室10によって形成された各液体加圧室群9は圧電アクチュエータユニット21とほぼ同一の大きさおよび形状の領域を占有している。また、圧電アクチュエータユニット21は複数の液体加圧室10を覆うように積層されるので、各液体加圧室10の開口は、圧電アクチュエータユニット21で閉塞されている。
本実施形態では、図3に示されているように、マニホールド5は、流路部材4の短手方向に互いに平行に並んだ4列のE1〜E4の副マニホールド5aに分岐し、各副マニホールド5aに繋がった液体加圧室10は、等間隔に流路部材4の長手方向に並ぶ液体加圧室10の列を構成し、その列は、短手方向に互いに平行に4列配列されている。副マニホールド5aに繋がった液体加圧室10の並ぶ列は副マニホールド5aの両側に2列ずつ配列されている。
全体では、マニホールド5から繋がる液体加圧室10は、等間隔に流路部材4の長手方向に並ぶ液体加圧室10の列を構成し、その列は、短手方向に互いに平行に16列配列されている。各液体加圧室列に含まれる液体加圧室10の数は、加圧部である変位素子50の外形形状に対応して、その長辺側から短辺側に向かって次第に少なくなるように配置されている。液体吐出孔8もこれと同様に配置されている。この配置については後で詳述するが、これによって、印刷用紙P上の画素を2つの液体吐出孔8から吐出させた液滴によ
って形成できるとともに、全体として、長手方向に300dpiの解像度で画像形成が可能となっている。
つまり、流路部材4の長手方向に平行な仮想直線に対して直交するように液体吐出孔8を投影すると、図3に示した仮想直線のR1あるいはR2の範囲に、各副マニホールド5a繋がっている4つの液体吐出孔8、つまり全部で16個の液体吐出孔8が第1の方向に直交する第2の方向2つの液体吐出孔8が重なっているとともに、重なっている8組の液体吐出孔8が300dpiの等間隔になっている。
圧電アクチュエータユニット21の上面における各液体加圧室10に対向する位置には後述する個別電極35がそれぞれ形成されている。すなわち、個別電極35は、圧電アクチュエータユニット21の上面に、第1の方向および第1の方向とは異なる方向にわたって形成されている。個別電極35は液体加圧室10より一回り小さく、液体加圧室10とほぼ相似な形状を有しており、圧電アクチュエータユニット21の上面における液体加圧室10と対向する領域内に収まるように配置されている。
流路部材4の下面には多数の液体吐出孔8が形成されている。これらの液体吐出孔8は、流路部材4の下面側に配置された副マニホールド5aと対向する領域を避けた位置に配置されている。また、これらの液体吐出孔8は、流路部材4の下面側における圧電アクチュエータユニット21と対向する領域内に配置されている。これらの液体吐出孔群7は圧電アクチュエータユニット21とほぼ同一の大きさおよび形状の領域を占有しており、対応する圧電アクチュエータユニット21の変位素子50を変位させることにより液体吐出孔8から液滴が吐出できる。液体吐出孔8の配置については後で詳述する。そして、それぞれの領域内の液体吐出孔8は、流路部材4の長手方向に平行な複数の直線に沿って等間隔に配列されている。
液体吐出ヘッド本体13に含まれる流路部材4は、複数のプレートが積層された積層構造を有している。これらのプレートは、流路部材4の上面から順に、キャビティプレート22、ベースプレート23、アパーチャ(しぼり)プレート24、サプライプレート25、26、マニホールドプレート27、28、29、カバープレート30およびノズルプレート31である。これらのプレートには多数の孔が形成されている。各プレートは、これらの孔が互いに連通して個別流路32および副マニホールド5aを構成するように、位置合わせして積層されている。液体吐出ヘッド本体13は、図5に示されているように、液体加圧室10は流路部材4の上面に、副マニホールド5aは内部の下面側に、液体吐出孔8は下面にと、個別流路32を構成する各部分が異なる位置に互いに近接して配設され、液体加圧室10を介して副マニホールド5aと液体吐出孔8とが繋がる構成を有している。
各プレートに形成された孔について説明する。これらの孔には、次のようなものがある。第1に、キャビティプレート22に形成された液体加圧室10である。第2に、液体加圧室10の一端から副マニホールド5aへと繋がる流路を構成する連通孔である。この連通孔は、ベースプレート23(詳細には液体加圧室10の入り口)からサプライプレート25(詳細には副マニホールド5aの出口)までの各プレートに形成されている。なお、この連通孔には、アパーチャプレート24に形成されたしぼり12と、サプライプレート25、26に形成された個別供給流路6とが含まれている。
第3に、液体加圧室10の他端から液体吐出孔8へと連通する流路を構成する連通孔であり、この連通孔は、以下の記載においてディセンダ(部分流路)と呼称される。ディセンダは、ベースプレート23(詳細には液体加圧室10の出口)からノズルプレート31(詳細には液体吐出孔8)までの各プレートに形成されている。第4に、副マニホールド
5aを構成する連通孔である。この連通孔は、マニホールドプレート27〜29に形成されている。
このような連通孔が相互に繋がり、副マニホールド5aからの液体の流入口(副マニホールド5aの出口)から液体吐出孔8に至る個別流路32を構成している。副マニホールド5aに供給された液体は、以下の経路で液体吐出孔8から吐出される。まず、副マニホールド5aから上方向に向かって、個別供給流路6を通り、しぼり12の一端部に至る。次に、しぼり12の延在方向に沿って水平に進み、しぼり12の他端部に至る。そこから上方に向かって、液体加圧室10の一端部に至る。さらに、液体加圧室10の延在方向に沿って水平に進み、液体加圧室10の他端部に至る。そこから少しずつ水平方向に移動しながら、主に下方に向かい、下面に開口した液体吐出孔8へと進む。
圧電アクチュエータユニット21は、図5に示されるように、2枚の圧電セラミック層21a、21bからなる積層構造を有している。これらの圧電セラミック層21a、21bはそれぞれ20μm程度の厚さを有している。圧電アクチュエータユニット21の圧電セラミック層21a、21bの積層体の厚さは40μm程度であり、100μm以下であることにより、変位量を大きくすることができる。圧電アクチュエータユニット21は、流路部材4の液体加圧室10の開口している平面状の面に積層されており、圧電セラミック層21a、21bのいずれの層も複数の液体加圧室10を跨ぐように延在している(図3参照)。これらの圧電セラミック層21a、21bは、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミックス材料からなる。
本発明は、上述のように複数の液体加圧室10を覆うように圧電アクチュエータユニット21が積層されている液体吐出ヘッド2を用いる記録装置において、隣接する液体加圧室10間に圧電アクチュエータユニット21を通じてクロストークが生じる際に、それを抑制するように駆動信号に遅延を与える記録装置により有効であるが、他の方式により液体加圧室10の中の液体を加圧するものであっても効果がある。なお、ここで言う隣接する液体加圧室10とは、間の距離が最も近い液体加圧室10のことであり、より具体的には、略菱形(より一般的には略平行四辺形の)の辺が対向して隣り合う液体加圧室10のことである。
圧電アクチュエータユニット21は、Ag−Pd系などの金属材料からなる共通電極34、Au系などの金属材料からなる個別電極35、個別電極35の上に形成されているAu系などの金属材料からなる接続電極を有している。個別電極35は上述のように圧電アクチュエータユニット21の上面における液体加圧室10と対向する位置に配置されている個別電極本体と、個別電極本体から液体加圧室10のない位置まで引き出されている引出電極とを含んでいる。引出電極の液体加圧室10のない位置には、接続電極36が形成されている。個別電極35の厚さは、0.3〜1μmである。接続電極36は例えばガラスフリットを含む金からなり、厚さが5〜15μm程度で凸状に形成されている。また、接続電極36は、図示されていない外部配線であるFPC(Flexible Printed Circuit)に設けられた電極と電気的に接合されている。詳細は後述するが、個別電極35には、制御部100からFPCを通じて駆動信号(駆動電圧)が供給される。駆動信号は、印刷用紙Pの搬送速度と同期して一定の周期で供給される。
共通電極34は、圧電セラミック層21aと圧電セラミック層21bとの間の領域に面方向のほぼ全面にわたって形成されている。すなわち、共通電極34は、圧電アクチュエータユニット21に対向する領域内の全ての液体加圧室10を覆うように延在している。共通電極34の厚さは2μm程度である。共通電極34は図示しない領域において接地され、グランド電位に保持されている。本実施形態では、圧電セラミック層21b上において、個別電極35からなる電極群を避ける位置に個別電極35とは異なる表面電極(不図
示)が形成されている。表面電極は、圧電セラミック層21bの内部に形成されたスルーホールを介して共通電極34と電気的に接続されているとともに、多数の個別電極35と同様に、外部配線内の別の電極と接続されている。
なお、以上は、圧電アクチュエータユニット21が2層の圧電セラミック層の場合の構造であるが、3相層以上の圧電セラミック層を積層して、個別電極35と共通電極34が交互になるように配置してもよい。
図5に示されるように、共通電極34と個別電極35とは、最上層の圧電セラミック層21bのみを挟むように配置されている。圧電セラミック層21bにおける個別電極35と共通電極34とに挟まれた領域は活性部と呼称され、その部分の圧電セラミックスには厚み方向に分極が施されている。本実施形態の圧電アクチュエータユニット21においては、最上層の圧電セラミック層21bのみが活性部を含んでおり、圧電セラミック21aは活性部を含んでおらず、振動板として働く。この圧電アクチュエータユニット21はいわゆるユニモルフタイプの構成を有している。
なお、後述のように、個別電極35に選択的に所定の駆動信号が供給されることにより、この個別電極35に対応する液体加圧室10内の液体に圧力が加えられる。これによって、個別流路32を通じて、対応する液体吐出口8から液滴が吐出される。すなわち、圧電アクチュエータユニット21における各液体加圧室10に対向する部分は、各液体加圧室10および液体吐出口8に対応する個別の変位素子50に相当する。つまり、2枚の圧電セラミック層からなる積層体中には、図5に示されているような構造を単位構造とする変位素子50が液体加圧室10毎に、液体加圧室10の直上に位置する振動板21a、共通電極34、圧電セラミック層21b、個別電極35により作り込まれており、圧電アクチュエータユニット21には変位素子50が複数含まれている。なお、本実施形態において1回の吐出動作によって液体吐出口8から吐出される液体の量は5〜7pL(ピコリットル)程度である。
本実施の形態における実際の駆動手順は、あらかじめ個別電極35を共通電極34より高い電位(以下高電位と称す)にしておき、吐出要求がある毎に個別電極35を共通電極34と一旦同じ電位(以下低電位と称す)とし、その後所定のタイミングで再び高電位とする。これにより、個別電極35が低電位になるタイミングで、圧電セラミック層21a、bが元の形状に戻り、液体加圧室10の容積が初期状態(両電極の電位が異なる状態)と比較して増加する。このとき、液体加圧室10内に負圧が与えられ、液体がマニホールド5側から液体加圧室10内に吸い込まれる。その後再び個別電極35を高電位にしたタイミングで、圧電セラミック層21a、bが液体加圧室10側へ凸となるように変形し、液体加圧室10の容積減少により液体加圧室10内の圧力が正圧となり液体への圧力が上昇し、液滴が吐出される。つまり、液滴を吐出させるため、高電位を基準とするパルスを含む駆動信号を個別電極35に供給することになる。このパルス幅は、液体加圧室10内において圧力波がマニホールド5から液体吐出孔8まで伝播する時間長さであるAL(Acoustic Length)が理想的である。これによると、液体加圧室10内部が負圧状態から正
圧状態に反転するときに両者の圧力が合わさり、より強い圧力で液滴を吐出させることができる。
こうよう駆動を行なうとクロストークが生じることがある。主なクロストークとしては、圧変位素子50が変位する際に、変位素子50が収縮するので、その応力が隣接する変位素子に影響するもの、液体加圧室10の中の液体の振動が流路部材4を通じて隣接する液体加圧室10に伝わるもの、液体加圧室10の中の液体の振動がしぼり12を介して副マニホールド5aに伝わり、さらに副マニホールド5aに繋がっている液体加圧室10に伝わるものがある。このようなクロストークを抑制するために、駆動信号に遅延を与えて
変位素子50に送ることが考えられる。これは、例えば、本来、ある時刻Tに駆動信号を送るところを時刻(T+遅延時間)に駆動信号を送るものであり、マトリックス状に配置された液体加圧室10のうち隣接した液体加圧室に繋がっている変位素子50に同時に駆動信号を送らないようにすることで、前述の主なクロストークのうち最初の2つのクロストークを抑制することに効果がある。
より具体的説明を、図6および7を使って行なう。図6は図4に示した液体吐出孔8の配置を一部であり、R1の範囲内にある液体吐出孔8のより行なわれる記録の進行状態を示したものである。図7は図4に示したR2の範囲内の液体吐出孔8とその周囲の液体吐出孔8を示したものである。図7においては、図2で示した下から3番目の圧電アクチュエータユニット21に対応した液体吐出孔8と、4番目の圧電アクチュエータユニット21に対応した液体吐出孔8とが混在しており、液体吐出ヘッド2においては異なる直線状に配置されている、異なる圧電アクチュエータに対応した液体吐出孔8も同じ直線状に示している。液体吐出孔8は、第1の方向に等間隔dで、かつ第1の方向に直交する第2の方向に重ならないように2次元的に配置されている液体吐出孔群7を構成しており、この液体吐出孔群7に属する液体吐出孔8は、他の液体吐出孔群に属する液体吐出孔(図6においては液体吐出孔群7に入っていない液体吐出孔8)と、それぞれ第2の方向に重なるように配置されている。ここれにより、液体吐出孔群7に属する液体吐出孔8により、印刷用紙P上に間隔Pで印刷が可能になるとともに、2つの液体吐出孔群から吐出される液滴により、印刷用紙P上の1画素を形成することができる。記録の進行状態は、R1の範囲内の液体吐出孔8により、1つの線が印刷される状態を示している。印刷用紙Pが液体吐出ヘッド2に対して相対的に移動し、所定の位置にくると、液体吐出孔列N1から液滴が吐出されて、画素が形成される。以降順次、液体吐出孔N2〜N16から、液滴が吐出される。液体吐出孔列N8から吐出された液滴は、印刷用紙P上で、液体吐出孔列N1により形成された画素の近傍(理想的には同一地点)に着弾し、合わさって1つの画素を形成する。以降同様にして、1つの画素が2つの液体吐出孔8から吐出された液滴で形成された1つの線が印刷できる。なお、印刷する対象によっては、1画素が一つの液体吐出孔8から吐出された液滴で形成されたものが混在することになる。
より具体的には、液体吐出孔群7に含まれる液体吐出孔8は、N1a〜N7aおよびN9aの8列の第1の方向に平行な液体吐出孔列を構成している、各液体吐出孔列の液体吐出孔8は等間隔8dで並んでいる。1つの液体吐出孔列(例えば液体吐出孔列N1a)に含まれている液体吐出孔8は、それぞれ1つの液体加圧室列(例えば液体加圧室列C1a)に含まれている液体加圧室10に繋がっている。液体加圧室列は必ずしも第1の方向に平行である必要はないが、第1の方向に平行にすれば、流路の構造の対称性が高まり、不規則な振動などが起こり難い。なお、第2の方向に順に、液体加圧室列をC1a〜C16aとし、液体加吐出列をN1a〜N16aとしているが、図3aおよび図4aに示した配置をしていることにより、液体加圧室列C4aは液体吐出孔N5aに対応し、液体加圧室列C5aは液体吐出孔N4aに対応し、液体加圧室列C8aは液体吐出孔N9aに対応し、液体加圧室列C9aは液体吐出孔N8aに対応し、液体加圧室列C12aは液体吐出孔N13aに対応し、液体加圧室列C13aは液体吐出孔N12aに対応している。このような構造にすることより、液体加圧室10をマトリックス状に稠密に配置することができ、全体のサイズを小さくすることができる。
1つの液体加圧室列には同時に駆動信号を送る(実際に電圧変化を生じさせるのは液滴が吐出される液体吐出孔に対応したものである。以下においても、このように表現することがある)。隣接する液体加圧室列では遅延の有無を異ならせる。遅延のさせ方は、例えば、図2の下から1、3番目の圧電アクチュエータユニット21では図2の左の列から順に遅延無し、遅延有り・・・交互にし、2、4番目の圧電アクチュエータユニット21では図2の左の列から順に遅延有り、遅延無し・・・と交互にする。これにより、隣接する
液体加圧室10に同時に駆動信号を送らなくでき、クロストークを抑制できる。図4〜7においては、液体加圧室列C1a、C3a、C5a、C7a、C9a、C11a、C13a、C15a、C2b、C4b、C6b、C8b、C10b、C12b、C14b、C16bの遅延は遅延0すなわち遅延しない駆動信号が送られ、液体加圧室列C2a、C4a、C6a、C8a、C10a、C12a、C14a、C16a、C1b、C3b、C5b、C7b、C9b、C11b、C13b、C15bは遅延1、すなわち所定の遅延時間させた駆動信号が送られる。よりクロストークを少なくするためには、遅延時間を3種類設定できるようにしておき、1つの副マニホールド5aに繋がっている液体加圧室列には、遅延しないものも含めて、遅延時間が異なるようにすればよい。
なお、駆動信号に遅延を与える際には、その遅延分、記録用紙P上の着弾位置がずれることになる。これを補正するように液体吐出孔列を第2の方向にあらかじめずらして配置するようにしてもよい。ただし、この場合に往復印刷すると、往路と復路とで、遅延を与えた画素と遅延を与えていない画素とで着弾位置に差が生じる。そこで、往路で記録する際に与える遅延時間を、遅延させない場合も含めて時間が短い方から順に、T1秒(=0秒)、T2秒・・・Tp秒(pは2以上の整数)とした場合に、往路では、Tq(qは1〜pの整数)の遅延時間を与えた駆動信号を送る前記液体加圧室に対して、復路で(Tp−Tq)秒の遅延時間を与えた駆動信号を送ることで、あらかじめずらした液体吐出孔8の位置のずれを相殺する方向に補正されるので好ましい。
しかし、遅延の有無により液体吐出特性に微妙な差異が生じることがある。遅延を与えた変位素子50は、遅延を与えていない変位素子50の後で駆動されるので、同時に駆動される場合に比べて、影響は少ないとはいえ、影響を受ける。例えば、遅延を与えた変位素子50により吐出される液滴の吐出速度がわずかに低くなるとすると、印刷用紙P上の着弾位置にずれが生じる。着弾位置のずれは、通常の印刷においてもよくないものであるが、印刷用紙P上の1画素を複数の液体吐出孔8から吐出させた液滴で形成する場合、1画素が極端な楕円形になったり、分離して1画素と認識されない状態になったりしないように、より少なくしなければならない。そして、1画素を複数の液体吐出孔8から吐出させた液滴で形成する場合、それらの液体吐出孔8に対応した変位素子50に送られる遅延の有無を同じにすること、すなわち、全ての変位素子50に遅延しない駆動信号を送るか、全ての変位素子50に遅延させた駆動信号を送るかのいずれかにすることで、1画素の形成精度を高くし、ひいては記録精度を高くすることができる。
なお、これは、前述のように遅延の有無の差により、吐出特性の差が生じるからであるが、遅延時間の長短によっても、ある程度吐出特性の差が生じる。そのため、遅延時間を2種類以上設定できるようにしておいた場合は、1画素を複数の液体吐出孔8から吐出させた液滴で形成する場合、それらの液体吐出孔8に対応した変位素子50に送られる遅延時間(遅延しない場合も含む)を同じにしておく方が記録精度が高くなる。すなわち、例えば遅延時間をT1秒(=0秒)、T2秒、T3秒とした場合、1画素を形成する液体吐出孔8に対応する変位素子50に送られる駆動信号の知念時間は、全てT1とするか、全てT2とするか、全てT3とするか、のいずれかにしておけばよい。
複数の液滴で1画素を形成する際に、液滴の着弾時間の際により画素の大きさなどがかわることがある、すなわち、前に着弾した液体が印刷用紙Pに広がりきった後に着弾するか、その途中で着弾するかにより差が生じることがある。影響の程度や、どちらの画素が大きくなるかなどは、記録用紙Pの種類などにより様々であるが、着弾時間間隔を同程度にしておけば、その影響度合いを少なくできる。
図4〜6に示した構成にすることにより、1画素を形成する液滴の着弾時間間隔の差を少なくできる。すなわち、第2の方向に1列目と9列目の液体加圧室列から吐出される液
滴で1画素を形成し、以下2列目と10列目との組み合わせ〜8列目と16列目との組み合わせにすることで、着弾時間間隔の差を少なくできる。これはより一般的に言えば、一つの液体吐出孔群にn列(nは4以上の偶数)の液体吐出孔列があり、m個(mは2以上の整数)の液体吐出孔群のある記録装置では、n×m列ある液体加圧室列を第2の方向に順に1〜m×n列目の液体加圧室列とするとき、k列目(kは1〜nの整数)からk+n×(m−1)列目までの列のうちの(m−1)列おきの液体加圧室列に繋がっている液体吐出孔8が第2の方向に重なっているようにすればよい。nが3以上である場合に、上述の影響が大きくなるため、このような配置は特にnが3以上である場合で有用である。
また、液体吐出ヘッド2を固定位置精度(角度の精度)の悪さや液体吐出ヘッド2の作製精度の悪さなどが記録に与えるを考慮した場合、1画素を形成する液滴が吐出される液体吐出孔8は、液体吐出ヘッド2上でできるだけ近い位置に合った方が記録精度をよくできる。
以上は主に圧電アクチュエータユニット21の境界付近において、1つの画素を、遅延の有無が異なる駆動信号で駆動した変位素子50からの吐出した液滴で形成した場合について説明したが、液体吐出孔8の配置を変えて、1つの圧電アクチュエータユニット21内でも同様にしてもよい。全ての画素を遅延有りの吐出と遅延無し吐出との混在した画素にすることで、画素の状態が近くなり。記録状態の見た目が向上する。
図8は、本発明の他の記録装置の実施形態における液体吐出孔208の配置の例と、R3の範囲内にある液体吐出孔208のより行なわれる記録の進行状態を示したものである。この記録装置は、液体吐出孔208の配置以外は図1〜5に示した記録装置と同じである。圧電アクチュエータユニット21の境目における駆動については、図6、7に示したものと同様である。図8では、液体吐出孔208は、第1の方向に等間隔dで、かつ第1の方向に直交する第2の方向に重ならないように2次元的に配置されている液体吐出孔群207を構成している。図7では、第2の方向に1列目と3列目の液体加圧室列から吐出される液滴で1画素を形成し、以下2列目と4列目、5列目と7列目〜14列目と16列目との組み合わせにすることで、1つの画素を形成する液体吐出孔8の吐出孔液体吐出ヘッド2上での位置を近くできる。これはより一般的に言えば、一つの液体吐出孔群にn列(nは4以上の偶数)の液体吐出孔列があり、m個(mは2以上の整数)の液体吐出孔群のある記録装置では、n×m列ある液体加圧室列を第2の方向に順に1〜m×n列目の液体加圧室列とするとき、2×m×i+j列目(iは1〜n/2の整数、jは0か1)から2×m×i+j+2×(n/2−1)列目までの列のうちの1列おきの液体加圧室列に繋がっている液体吐出孔8が第2の方向に重なっているようにすればよい。nが3以上である場合に、上述の影響が大きくなるため、このような配置は特にnが3以上である場合で有用である。
また、液体吐出孔8の配置から算出される遅延時間よりも、遅延時間を画素の直径の半分以下に対応する時間の分、遅延時間を短くするのが好ましい。遅延時間を短くする時間は、より好ましくは画素の直径の1/8から1/4に対応する時間である。遅延を与えた吐出は、遅延を与えていない吐出の後で行なわれるので、同時に吐出する場合と比較して影響は少なくなっているとはいえ、遅延を与えていない吐出の影響を受ける。その影響の結果は様々であるが、その一つに吐出した液滴の分滴、特に主な液滴に対して微小な液滴が分かれて印刷用紙P上に着弾し、サテライトと呼ばれる微小な点が印刷されてしまうものがある。この微小な液滴は主な液滴に対して飛翔速度が遅いため、主な液滴の後ろに印刷される。そこで遅延を与えていない液滴を、遅延を与えていない液滴の少し後ろに着弾させることにより、少し後ろのサテライトは1つの画素に含まれるようにさせることができる。これより、画素は第2の方向に少し大きくなるが、上述の範囲内であれば、サテライトが少なくなることによる画質向上の影響が大きくなるので好ましい。
1・・・プリンタ
2・・・液体吐出ヘッド
4・・・流路部材
5・・・マニホールド
5a・・・副マニホールド
5b・・・開口
8・・・液体吐出孔
9・・・液体加圧室群
10・・・液体加圧室
12・・・しぼり
21・・・圧電アクチュエータユニット
21a・・・圧電セラミック層(振動板)
21b・・・圧電セラミック層
22〜31・・・プレート
32・・・個別流路
34・・・共通電極
35・・・個別電極
36・・・接続電極
50・・・変位素子

Claims (5)

  1. 複数の液体吐出孔と、該複数の液体吐出孔にそれぞれ繋がっている複数の液体加圧室と、該複数の液体加圧室の中の液体をそれぞれ加圧する加圧部とを含み、前記複数の液体吐出孔は、第1の方向に等間隔で、かつ前記第1の方向に直交する第2の方向に重ならないように2次元的に配置されている複数の液体吐出孔群を構成しており、一つの前記液体吐出孔群に属する前記液体吐出孔は、他の前記液体吐出孔群に属する前記液体吐出孔と、それぞれ前記第2の方向に重なるように配置されている液体吐出ヘッドと、記録媒体に対して前記液体吐出ヘッドを第2の方向に相対的に往復移動させる搬送部と、前記液体吐出ヘッドおよび前記搬送部を制御する制御部とを有し、該制御部は、一つの前記液体加圧室に対応する前記加圧部に駆動信号を送る際に、隣接する前記液体加圧室に対応する前記加圧部に同時に駆動信号を送らないように、遅延させて駆動信号を送るとともに、往復移動のいずれの際にも記録を行なわせ、かつ前記第2の方向に重なっている前記液体吐出孔から吐出される液体を記録媒体上で重なるように着弾させる際に、往路で当該第2の方向に重なっている前記液体吐出孔に繋がっている前記液体加圧室に対応する前記加圧部に送る駆動信号に対して、遅延させるか否かが一致していない場合、復路で当該加圧部に送る駆動信号に対して、遅延させるか否かを往路の逆にすることを特徴とする記録装置。
  2. 前記液体吐出孔群は、それぞれ複数の前記液体吐出孔が前記第1の方向に並んでいるn列(nは2以上の整数)の液体吐出孔列を構成し、前記液体吐出孔群に属する前記液体吐出孔に繋がっている前記液体加圧室は、それぞれ複数の前記液体加圧室が並んでいるn列の液体加圧室列を構成しており、1つの前記液体吐出孔列に含まれている前記液体吐出孔は、1つの前記液体加圧室列に含まれている前記液体加圧室にそれぞれ繋がっており、前記制御部は、1つの前記液体加圧室列に送る駆動信号を同時に送ることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. nが4以上の偶数であり、前記液体吐出孔群がm個(mは2以上の整数)であり、前記液体加圧室列を前記第2の方向に順に1〜m×n列目の液体加圧室列とするとき、2×m×i+j列目(iは1〜n/2の整数、jは0か1)、2×m×i+j+2列目・・・2×m×i+j+2×(n/2−1)列目の少なくとも2列以上の液体加圧室列の各列に属する前記液体加圧室に繋がっている前記液体吐出孔がそれぞれ前記第2の方向に重なって配置されていることを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  4. nが4以上の偶数であり、前記液体吐出孔群がm個(mは2以上の整数)であり、前記液体加圧室列を前記第2の方向に順に1〜m×n列目の液体加圧室列とするとき、k列目(kは1〜nの整数)、k+n列目・・・k+n×(m−1)列目の少なくとも2列以上の液体加圧室列に繋がっている前記液体加圧室がそれぞれ前記第2の方向に重なって配置されていることを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  5. 往路で記録する際に与える遅延時間を、遅延させない場合も含めて時間が短い方から順に、T1秒(=0秒)、T2秒・・r・Tp秒(pは2以上の整数)とし、往路でTq(qは1〜pの整数)の遅延時間を与えた駆動信号を送る前記加圧部に対して、復路で(Tp−Tq)秒の遅延時間を与えた駆動信号を送ることを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
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