JP2016009784A - 半導体デバイスの製造方法 - Google Patents
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Description
そのため、スピンコート等で有機物のパッシベーション膜を塗布した後に、基板の周囲をエッジリンスすることが一般に行われている。このときエッジリンスは、リンス液が基板の外周端から数百μm程度の位置に当るように調整し、その状態で基板を回転させ、基板の周囲に渡ってエッジリンスすることが行われている。
さらに、複数形成された半導体デバイスの内、オリフラに沿って形成された一列分の半導体デバイスをカットし除去することで、有機物のパッシベーション膜が残存堆積する領域を除去することも考えられる。しかしながら、当該方法では本来使えるはずであった半導体デバイスを同時に除去することとなり、歩留りが低下してしまう。
即ち、本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
オリフラ部は直線状であり、特に複雑な形状を有していない。そのため、当該オリフラ部以外の部分を遮光したマスクアライナーを用いることで、非常に簡単にオリフラ部に溜まったポジ感光体を一度に露光することができる。
なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
尚、前述の様にパッシベーション膜としては、SiO2などの酸化膜やSi3N4の様な窒化膜も用いられ、ポリイミドなどの有機物の膜と併用されることがある。以下の説明においては、SiO2膜をパッシベーション膜の一つとして用いた構造を例示している。このパッシベーション膜のうち、有機物の膜ではないSiO2膜は、本発明で注目している有機物の膜であるポジ感光体膜と区別する。
図1は、オリフラが形成された基板の平面模式図である。基板1は、その外周部にオリフラ(オリエンテーションフラット)1aと称するへいたん直線部が設けられている。また第2オリフラ(インデックスフラット)1bと称する直線部が設けられていてもよい。オリフラ1aは、結晶軸の方向が分かるように設けられている。また、第2オリフラ1bとの位置関係により、基板1の結晶方位や表裏を判断することができる。
近年、シリコン基板では、ノッチと呼ばれる切欠き部を形成することも行われているが、SiC基板ではオリフラ1aが形成されているものが一般的である。
ここで、半導体デバイスは特に限定されるものではなく、発光ダイオード素子、太陽電池素子、トランジスタ素子等を作製することができる。以下では、SiC基板上に形成されたショットキーバリアダイオード(SBD)を例に説明する。
またp型不純物拡散領域3は、p型不純物のドープ量(濃度)の違いによって、高濃度p型不純物拡散領域3aと、この高濃度p型不純物拡散領域3aを囲繞する低濃度p型不純物拡散領域3bとから構成されている。
まず、基板1上に基板1の一面にCVD法等を用いてn型SiCエピタキシャル層2をエピタキシャル成長させる。次に、n型SiCエピタキシャル層2の一部にイオン注入を行うことで、高濃度p型不純物拡散領域3aと、この高濃度p型不純物拡散領域3aを囲繞する低濃度p型不純物拡散領域3bとを形成する。このとき、所定の位置にのみイオン注入を行うのは、レジストパターンにより所定の形状が作製された酸化膜を介してイオン注入することで実現することができる。
次に、p型不純物領域3の面上に複数のp型オーミック電極4を並べて形成する。p型オーミック電極4は、レジストパターン等を介してスパッタすることで、形成することができる。p型オーミック電極4としては、Ti、Alまたはこれらの積層体等を用いることができる。
さらに、この複数のp型オーミック電極4を覆うように、スパッタ法または蒸着法でショットキー電極5及び表面パッド電極6を積層する。このとき、レジストパターン等を用いて所定の領域のみに積層を行う。ショットキー電極5としては、例えばMoを用いることができ、表面パッド電極6としては、例えばNi,Ti,Al膜の積層体等を用いることができる。
n型オーミック電極7は、p型オーミック電極4を形成する前に形成することが一般的である。具体的には、基板1の裏面に、例えば、スパッタ法または蒸着法によりNi膜を形成し、熱処理を不活性ガス又は真空雰囲気中で行うことで形成することができる。
また、裏面パッド電極8は、後述するポジ感光体膜を形成した後に、スパッタ法によりAgなどからなる金属層を成膜することで形成することができる。
ポジ感光体膜に加えて、SiO2膜のパッシベーション膜11を形成してもよい。SiO2膜は、SiCエピタキシャル膜の表面に接するように、SiCエピタキシャル膜とポジ感光体膜の間に形成することができる。SiO2膜は、耐湿性に優れるため、ポジ感光体膜と合わせて、パッシベーション効果をより高めることができる。
SiO2膜は、公知のフォトレジスト工程によるマスクの形成とCVDによるSiO2膜の成膜、マスクの除去により作成することができる。SiO2膜はSiCエピタキシャル層の表面を覆う様にもうけられる。図2では、SiO2膜の厚さは、p型オーミック電極と表面パッド電極を合わせた厚さと同じ厚さの場合を示したが、これよりも薄くてもよく、また厚くして表面パッド電極の端の部分を一部被覆する形状としてもよい。
次に、半導体デバイス(ショットキーバリアダイオード)10を覆うようにポジ感光体膜20を形成する。
ポジ感光体膜20は、スピンコート等を用いて基板1上全面に塗布することができる。図3は、ポジ感光体膜塗布後の最もオリフラ側に形成されたショットキーバリアダイオードのオリフラ端部を拡大した断面模式図である。図示、右側がオリフラ1a側である。基板1の基板1外周部には、表面張力によってポジ感光体が溜まる。中でも図3に示すように、オリフラ部1cは平面視で直線部が形成されているため、その他の円弧を有する外周部よりもポジ感光体膜20が基板1の外へ流れにくい。そのため、ポジ感光体が溜まり堆積部20bが形成されやすい。堆積部20b以外の場所は、スピンコートによりほぼ平坦に形成されており、平坦部20aとなる。
オリフラ部1cに形成された堆積部20bの厚さは、平坦部20aの2倍程度の厚さになる。たとえば、ポジ感光体膜の平坦部の厚さを8〜9μmで設計しスピンコートを行うと、基板1の外周端から0.8mmの幅でポジ感光体膜が溜まり、その頂部の高さが16〜18μm程度となる。ポジ感光体膜の厚さは、4〜12μmとすることができ、6から10μmが好ましく、7〜9μmがさらに好ましい。
ここで、「オリフラ部」とはオリフラ部分の基板の外周端から数百μm幅を有する領域であって、ポジ感光体が溜まって堆積部が形成された領域を意味する。また、「堆積部」とは、基板中央部の膜厚に対して1.5倍以上の厚みとなる領域を意味する。
脱水ベークを行うことで、半導体デバイス内部に残存する水分を除去することができ、さらに脱水ベーク後にポジ感光体膜20を形成することで、外部環境からの水分も遮断することができる。
次に基板1の周囲をエッジリンスする。図4は、基板の周囲をエッジリンスする工程を模式的に示した平面図である。エッジリンスは、前述のポジ感光体膜20の塗布工程によって外周部に溜まったポジ感光体を除去するために行う。
図4に示すように、基板1の外周部にリンス液を吐出する吐出口30が備えられ、リンス液は、吐出口30から基板1の外周端から所定の幅に吐出される。リンス液が外周端から所定の幅に吐出された状態で基板1を回転させることで、基板1の外周端に溜まったポジ感光体を除去することができる。
ここで、「所定の幅」とはポジ感光体が溜まって膜厚が厚くなっている部分の幅をカバーできる幅であり、ポジ感光体膜の膜厚が基板中央部に対して1.5倍以上の厚みとなる場合を「ポジ感光体が溜まった状態」とする。
塗布したポジ感光体膜は、パターン露光前の工程の前にプリベークする。プリベークの条件は、100℃〜150℃の温度で5分〜20分間行うことが好ましい。プリベークを行うことで、塗布後のポジ感光体が十分に固化される。また当該条件範囲内で行うことでポジ感光体中に残っている溶媒を蒸発させて膜を緻密にすることができる。
次に、半導体デバイスのパッド電極上に形成されたポジ感光体膜をパターン露光する。半導体デバイス10のパッド電極(表面パッド電極)6上に形成されたポジ感光体膜20を除去することは、半導体デバイス10に配線を接続するために行われる。当該工程を行わないと、半導体デバイスとして機能しないため、必須の工程である。
図5は、パターン露光工程を模式的に図示した模式図である。図5に示すように、パッド電極(表面パッド電極)6上に形成されたポジ感光体膜20をパターン露光する。パターン露光は、遮光部が形成された露光マスクを用いて行うことができる。また基板1上に形成された複数の半導体デバイス10に対しては、ステッパーを用いて半導体デバイス10毎にショットすることで、基板1全面に渡って所定の領域をパターン露光することができる。このとき、露光焦点はポジ感光体膜の平坦部の基板1と反対側の面に合せている。遮光部は、一般にCr等が用いられる。
次に、基板1のオリフラ部に溜まったポジ感光体の堆積部を部分露光する。部分露光は、マスクアライナーを用いて行ってもよく、ステッパーでブランクマスクを用いて行ってもよい。
このとき、ステッパーを用いると、所定の領域毎にショットすることができるため、オリフラ部1c、1dのみを限定してショットすることができる。すなわち、高価な遮光マスクを必要とせず、安価にオリフラ部に溜まったポジ感光体膜を部分露光することができる。また部分露光の前の工程のパターン露光工程は、ステッパーで行うことが一般的なので、部分露光工程もステッパーを用いることで、工程ごとに装置を変更する必要が無い。さらに、パターン露光工程における露光マスクを除去するだけで、部分露光を行うことができるため、工程を簡略化することができる。
上記のように露光されたポジ感光体膜を現像、キュアする。現像を行うことで、ポジ感光体膜のパターン露光および部分露光で露光された部分を除去することができる。現像後は純水リンスすることが好ましい。また純水リンス後の半導体デバイスは、ブロー乾燥することがより好ましい。純水リンスすることで、現像液では流れ落ちなかった不純物を除去することができる。また、ブロー乾燥で水分を除去することで、キュア工程におけるポジ感光体膜の加熱を均一に行うことができる。
また現像後のポジ感光体膜をキュアすることで、完全にポジ感光体膜を硬化させる。当該工程により、外部環境からの半導体デバイスの影響を抑制することができる。
最後に、複数の半導体デバイスをダイシングにより各半導体デバイスを分断する。各半導体デバイスのダイシングは、一般に用いられる方法を用いることができ、ダイシングブレードを高速回転させながら、純水で冷却および切削屑の除去を行いながら行うことができる。
4インチの基板上に、ショットキーダイオードの半導体デバイスを作製した。次に、このショットキーダイオードが作製された4インチ基板をホットプレートで150℃1分間脱水ベークを行った。脱水ベークされた4インチ基板上に、ポジ感光体として東レ社製のポジポリイミドをスピンコートで塗布した。スピンコートの条件は、2200rpmで40秒回転した後に、3000rpmで1秒間回転した。このスピンコートによりポジポリイミド膜が形成された基板を、ホットプレートと120℃5秒間加熱した後、エッジリンスを行った。
実施例2は、部分露光をマスクアライナーで行った点のみが実施例1と異なる。このときの露光条件は、積算露光量7500mJ/cm2で一回のみの照射とした。
実施例3は、部分露光時に焦点位置を変更していない点が実施例1と異なる。すなわち、パターン露光工程の焦点と同一の焦点で部分露光工程を行った。
比較例1は、部分露光工程を行っていない点が実施例1と異なる。
なお、実施例2の場合は、実施例1の場合(図8)と同様の写真が得られた(図示略)。
Claims (4)
- オリフラが形成された基板上に半導体デバイスを形成する工程と、
前記半導体デバイスを覆うようにポジ感光体膜を形成する工程と、
前記基板の周囲をエッジリンスする工程と、
前記半導体デバイスのパッド電極上に形成されたポジ感光体膜をパターン露光する工程と、
前記基板のオリフラ部に溜まったポジ感光体の堆積部を部分露光する工程と、
前記ポジ感光体膜を現像、キュアする工程とを有する半導体デバイスの製造方法。 - 前記部分露光において、前記堆積部に露光焦点を合わせることを特徴とする請求項1に記載の半導体デバイスの製造方法。
- 前記部分露光をマスクアライナーで行うことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の半導体デバイスの製造方法。
- 前記部分露光をステッパーで行うことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の半導体デバイスの製造方法。
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