JP2016009722A - 光電変換膜、固体撮像素子、および電子機器 - Google Patents

光電変換膜、固体撮像素子、および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】撮像特性が向上した光電変換膜、固体撮像素子、および電子機器を提供する。【解決手段】下記一般式(1)で表されるサブフタロシアニン誘導体を含む、光電変換膜。Xは、ハロゲン、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、置換もしくは無置換からなる、アルコキシ基もしくアリールオキシ基もしくはアルキル基もしくはアルキルアミン基もしくはアリールアミン基もしくはアルキルチオ基およびアリールチオ基、からなる群より選択されるいずれかの置換基であり、R1〜R3は、互いに独立して、置換または無置換の環構造であり、少なくとも1つ以上は、環構造中に少なくとも1つ以上のヘテロ原子を含む。【選択図】なし

Description

本開示は、光電変換膜、固体撮像素子、および電子機器に関する。
近年、固体撮像素子の多画素化が進むに伴い、固体撮像素子の画素の大きさはますます縮小している。しかし、広く用いられている平面型の固体撮像素子では、光電変換部を2次元的に配列して画素としているため、画素の大きさが縮小した場合、光電変換部の面積も縮小していた。そのため、平面型の固体撮像素子では、多画素化が進むにつれ、開口率、および集光効率が低下し、感度が低下していた。
そこで、近年、有機材料によって形成された光電変換膜を用いた光電変換部を積層させることにより、光の入射方向で分光を行う縦分光型の固体撮像素子が提案されている。
例えば、特許文献1には、青色光、緑色光および赤色光をそれぞれ吸収する有機光電変換膜を積層した固体撮像素子が開示されている。特許文献1に開示された固体撮像素子では、それぞれの有機光電変換膜において各色に対応する光を光電変換することにより、各色の信号を取り出している。
また、特許文献2には、緑色光を吸収する有機光電変換膜、およびシリコンフォトダイオードを積層した固体撮像素子が開示されている。特許文献2に開示された固体撮像素子では、まず、有機光電変換膜にて緑色光の信号を取り出し、次にシリコンフォトダイオードにて光進入深さの差を用いて青色光および赤色光を色分離し、青色光および赤色光の信号をそれぞれ取り出している。
特開2003−234460号公報 特開2005−303266号公報
ここで、縦分光型の固体撮像素子における光電変換部は、撮像特性を向上させるために、それぞれ対応する特定の波長領域の光を選択的に吸収し、かつ吸収する波長領域以外の光を透過させることが求められる。
特に、緑色光に対応する光電変換部は、緑色光を選択的に吸収して光電変換し、短波長側の青色光、および長波長側の赤色光を十分透過させることが求められる。具体的には、緑色光を選択的に吸収することが可能な光電変換膜が求められていた。このような光電変換膜を用いることにより、固体撮像素子は、緑色光、青色光、および赤色光それぞれの感度が向上し、撮像特性を向上させることができる。
そこで、本開示では、固体撮像素子の撮像特性を向上させることが可能な、新規かつ改良された光電変換膜、該光電変換膜を含む固体撮像素子、および該固体撮像素子を備える電子機器を提供する。
本開示によれば、下記一般式(1)で表されるサブフタロシアニン誘導体を含む、光電変換膜が提供される。
Figure 2016009722
前記一般式(1)において、
Xは、ハロゲン、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルキルアミン基、置換もしくは無置換のアリールアミン基、置換もしくは無置換のアルキルチオ基、および置換もしくは無置換のアリールチオ基からなる群より選択されるいずれかの置換基であり、
〜Rは、互いに独立して、置換または無置換の環構造であり、
〜Rのうち少なくとも1つ以上は、前記環構造中に少なくとも1つ以上のヘテロ原子を含む。
また、本開示によれば、上記一般式(1)で表されるサブフタロシアニン誘導体を含む光電変換膜を備える固体撮像素子が提供される。
また、本開示によれば、上記一般式(1)で表されるサブフタロシアニン誘導体を含む光電変換膜を備える固体撮像素子と、
前記固体撮像素子に入射光を導く光学系と、
前記固体撮像素子からの出力信号を演算処理する演算処理回路と、を備える電子機器が提供される。
本開示によれば、光電変換膜は、緑色光を選択的に吸収し、かつ、青色光および赤色光を十分透過させることができる。
以上説明したように本開示によれば、固体撮像素子の撮像特性を向上させることが可能である。
なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、または本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。
本開示の一実施形態に係る光電変換素子を含む固体撮像素子(A)、および比較例に係る固体撮像素子(B)を説明する説明図である。 SubPc−Clの光吸収スペクトルを示すグラフ図である。 本開示の一実施形態に係る光電変換素子の一例を示す概略図である。 サブフタロシアニン誘導体の光吸収スペクトルを示すグラフ図である。 実施例9に係る光電変換素子のバイアス電圧に対する電流密度の変化を示したグラフ図である。 本開示の一実施形態に係る光電変換素子が適用される固体撮像素子の構造を示す概略図である。 本開示の一実施形態に係る光電変換素子が適用された固体撮像素子の単位画素における概略構造を示した断面図である。 本開示の一実施形態に係る光電変換素子が適用される電子機器の構成を説明するブロック図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.本開示の技術的背景
2.本開示の一実施形態
2.1.本開示の一実施形態に係る光電変換膜
2.2.本開示の一実施形態に係る光電変換素子
2.3.本開示の一実施形態に係る実施例
3.本開示に係る一実施形態に係る光電変換膜の適用例
3.1.固体撮像素子の構成
3.2.電子機器の構成
4.まとめ
<1.本開示の技術的背景>
図1および2を参照して、本開示の技術的背景について説明する。図1(A)は、本開示の一実施形態に係る縦分光型の固体撮像素子の概略図であり、図1(B)は、比較例に係る平面型の固体撮像素子の概略図である。
なお、本明細書において、「ある波長の光を吸収する」とは、その波長の光の約70%以上を吸収することを表す。また、逆に「ある波長の光を透過させる」または「ある波長の光を吸収しない」とは、その波長の光の約70%以上を透過させ、吸収する光が約30%未満であることを表す。
まず、図1(A)を参照して、本開示の一実施形態に係る固体撮像素子1について説明する。図1(A)に示すように、本開示の一実施形態に係る固体撮像素子1は、緑色光2Gを吸収する緑色光電変換素子3Gと、青色光2Bを吸収する青色光電変換素子3Bと、赤色光2Rを吸収する赤色光電変換素子3Rと、が積層された構成を有する。
緑色光電変換素子3Gは、例えば、450nm以上600nm未満の波長の緑色光を選択的に吸収する光電変換素子であり、青色光電変換素子3Bは、400nm以上450nm未満の波長の青色光を選択的に吸収する光電変換素子であり、赤色光電変換素子3Rは、600nm以上の波長の赤色光を選択的に吸収する光電変換素子である。
なお、本開示の一実施形態に係る固体撮像素子1において、青色光電変換素子3Bおよび赤色光電変換素子3Rは、固体撮像素子1に対する光の進入深さの差を用いて青色光2Bおよび赤色光2Rを色分離するフォトダイオードであってもよい。例えば、フォトダイオードは、例えば、1100nm以下の波長の光を吸収するシリコンフォトダイオードである。
具体的には、赤色光2Rは、青色光2Bよりも波長が長いため散乱されにくく、入射表面から離れた深さまで進入する。一方、青色光2Bは、赤色光2Rよりも波長が短く散乱されやすいため、より入射表面に近い深さまでしか進入しない。したがって、赤色光電変換素子3Rを固体撮像素子1の入射表面から離れた深い位置に配置することにより、赤色光2Rを青色光2Rから分離して検出することができる。したがって、青色光電変換素子3Bおよび赤色光電変換素子3Rにシリコンフォトダイオード等を用いた場合でも光の進入深さの差を用いて青色光2Bと赤色光2Rとを分離し、各色の信号を取り出すことができる。
次に、図1(B)を参照して、比較例に係る平面型の固体撮像素子について説明する。図1(B)に示すように、平面型の固体撮像素子5は、フォトダイオード7R、7G、7Bと、フォトダイオード7R、7G、7B上に形成されたカラーフィルタ6R、6G、6Bと、を備える。
カラーフィルタ6R、6G、6Bは、特定の波長領域の光のみを選択的に透過させる膜である。例えば、カラーフィルタ6Rは、600nm以上の波長の赤色光2Rを選択的に透過させ、カラーフィルタ6Gは、450nm以上600nm未満の波長の緑色光2Gを選択的に透過させ、カラーフィルタ6Bは、400nm以上450nm未満の波長の青色光2Bを選択的に透過させる。
また、フォトダイオード7R、7G、7Bは、幅広い波長領域の光を吸収する光検出素子である。例えば、フォトダイオード7R、7G、7Bは、1100nm以下の波長の光を吸収するシリコンフォトダイオードであってもよい。
ここで、図1(B)で示す固体撮像素子5では、フォトダイオード7R、7G、7Bが幅広い波長領域の光を吸収するため、フォトダイオード7R、7G、7B単独では色分離を行うことができない。そこで、固体撮像素子5では、カラーフィルタ6R、6G、6Bによって各色に対応する光のみを選択的に透過させることによって色分離を行っている。フォトダイオード7R、7G、7Bには、カラーフィルタ6R、6G、6Bにより各色に対応する赤色光2R、緑色光2G、青色光2Bのみが入射するため、フォトダイオード7R、7G、7Bは、各色の信号を取り出すことができるようになる。
しかし、図1(B)で示す固体撮像素子5では、フォトダイオード7R、7G、7Bに入射する光以外の光は、カラーフィルタ6R、6G、6Bによって吸収されてしまう。具体的には、フォトダイオード7Rには赤色光2Rしか入射せず、緑色光2Gおよび青色光2Bはカラーフィルタ6Rに吸収されてしまう。また、フォトダイオード7Gには緑色光2Gしか入射せず、赤色光2Rおよび青色光2Bはカラーフィルタ6Gに吸収され、フォトダイオード7Bには青色光2Bしか入射せず、赤色光2Rおよび緑色光2Gはカラーフィルタ6Bに吸収されてしまう。
そのため、フォトダイオード7R、7G、7Bは、実質的に入射光の1/3しか光電変換に利用することができず、図1(B)で示す固体撮像素子5では、各色の検出感度の向上には限界があった。
一方、本開示の一実施形態に係る固体撮像素子1では、光電変換素子それぞれが赤色、緑色、青色に対応した特定の波長領域の光を選択的に吸収することができる。そのため、本開示の一実施形態に係る固体撮像素子1では、光電変換素子に入射する光を色分離するためのカラーフィルタが必要ないため、入射光すべてを光電変換に用いることができる。したがって、本開示の一実施形態に係る固体撮像素子1は、比較例に係る固体撮像素子5に対して、光電変換に利用できる光を約3倍に増加させることができるため、各色の検出感度をさらに向上させることができる。
このような本開示の一実施形態に係る固体撮像素子1では、光電変換素子3G、3B、3Rは、それぞれが赤色、緑色、青色に対応した特定の波長領域の光を選択的に吸収し、かつ吸収する波長領域以外の光を透過させることが求められる。
特に、緑色光電変換素子3Gは、緑色光電変換素子3Gの下方に配置される青色光電変換素子3Bおよび赤色光電変換素子3Rにおける色分離を向上させるためにも、緑色光を十分に吸収し、青色光および赤色光を十分に透過させることが求められていた。具体的には、緑色光電変換素子3Gは、450nm〜600nmの波長領域に急峻なピークを有する吸収スペクトルを有することが求められていた。
例えば、以下で構造式を示すサブフタロシアニンクロライド(SubPc−Cl)が、緑色光電変換素子3Gにおける緑色光吸収材料として提案されている。
Figure 2016009722
ここで、SubPc−Clの光吸収特性を図2に示す。図2は、可視紫外分光光度計にて測定したSubPc−Clの光吸収スペクトルを示すグラフ図である。なお、図2で示すSubPc−Clの光吸収スペクトルは、石英基板上にSubPc−Clを50nm蒸着したサンプルを用いて測定し、極大吸収波長における吸光度が90%となるように規格化して図示した。
図2の結果を参照すると、SubPc−Clは、全体的に長波長側にピークを有する光吸収特性を有しており、緑色光よりも長波長領域の光を強く吸収することがわかる。具体的には、SubPc−Clは、600nmの波長の近傍に極大吸収波長を有し、600nm以上の波長の光も強く吸収することがわかる。そのため、SubPc−Clを用いて緑色光電変換素子3Gを形成した場合、緑色光電変換素子3Gは赤色光に対応する波長の光も吸収してしまうため、下方の赤色光電変換素子3Rにおいて赤色光の感度が低下する可能性があった。
そのため、SubPc−Clよりも吸収領域が短波長側に存在し、長波長領域の光の吸収が低減された緑色光電変換素子3Gに好適なサブフタロシアニン誘導体が求められていた。
本開示の発明者らは、上記事情を鑑みて、緑色光電変換素子3Gに好適な光電変換膜について鋭意検討を重ねた結果、本開示に係る技術を想到するに至った。以下では、かかる固体撮像素子の緑色光電変換素子3Gに好適な光電変換膜について説明する。
<2.本開示の一実施形態>
[2.1.本開示の一実施形態に係る光電変換膜]
本開示の一実施形態に係る光電変換膜は、下記一般式(1)で表されるサブフタロシアニン誘導体を含む光電変換膜である。
Figure 2016009722
上記一般式(1)において、
Xは、ハロゲン、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルキルアミン基、置換もしくは無置換のアリールアミン基、置換もしくは無置換のアルキルチオ基、および置換もしくは無置換のアリールチオ基からなる群より選択されるいずれかの置換基であり、
〜Rは、互いに独立して、置換または無置換の環構造であり、
〜Rのうち少なくとも1つ以上は、前記環構造中に少なくとも1つ以上のヘテロ原子を含む。
なお、上記一般式(1)において、中心のほう素と窒素との結合のうち、1つは配位結合である。
後述する実施例にて実証されるように、一般式(1)で表されるサブフタロシアニン誘導体は、R〜Rの環構造中に少なくとも1つ以上のヘテロ原子を含むことにより、緑色光を吸収する光電変換膜として好適な光吸収特性を有することができる。具体的には、一般式(1)で表されるサブフタロシアニン誘導体は、長波長領域の光の吸収が低減し、緑色光領域(例えば、波長が450nm以上600未満)の光を選択的に吸収することが可能な光吸収特性を有する。
また、上記一般式(1)において、R〜Rのうち少なくとも1つ以上は、置換基を有する環構造であることが好ましい。具体的には、R〜Rのうち少なくとも1つ以上が置換基を有する環構造である場合、後述する合成方法において、一般式(1)で表されるサブフタロシアニン誘導体は、より高い収率で合成することができる。特に、R〜Rのうち少なくとも1つ以上が電子求引基にて置換された環構造である場合、一般式(1)で表されるサブフタロシアニン誘導体は、さらに高い収率で合成することができるため好ましい。例えば、上記一般式(1)において、R〜Rのうち少なくとも1つ以上は、ハロゲンを置換基として有する環構造であってもよい。
ここで、上記一般式(1)において、R〜Rは、一部の水素が置換基に置換された環構造であってもよいし、全ての水素が置換基に置換された環構造であってもよい。また、置換基は、一般式(1)で表されるサブフタロシアニン誘導体が対称性を有するようにR〜Rの環構造に対して置換されていてもよいし、対称性を有さないようにR〜Rの環構造に対して置換されていてもよい。
また、上記一般式(1)において、R〜Rは、π共役系構造を有する環構造であることが好ましい。R〜Rがπ共役系構造を有する環構造である場合、一般式(1)で表されるサブフタロシアニン誘導体は、450nm以上600nm未満の波長の緑色光を吸収するために好適な吸収スペクトルを有することができる。一方、R〜Rの少なくとも1つ以上がπ共役系構造を有さない環構造である場合、一般式(1)で表されるサブフタロシアニン誘導体は、分子全体での共役系の長さが短くなることにより、吸収領域が短波長側に大きく移動する。そのため、一般式(1)で表されるサブフタロシアニン誘導体は、緑色光よりも短波長領域である青色光の吸収が増加してしまうため、好ましくない。
また、上記一般式(1)において、R〜Rは、任意の環構成原子数の環構造であってもよい。さらに、R〜Rは、単環構造であってもよいし、縮合環構造であってもよい。ただし、R〜Rは、環構成原子数が3以上8以下の環構造であることが好ましく、環構成原子数が6の環構造であることがさらに好ましい。例えば、環構成原子数が6よりも少ない場合、環構造にひずみが生じやすく、一般式(1)で表されるサブフタロシアニン誘導体が不安定化するため好ましくない。また、環構成原子数が6よりも多い場合、一般式(1)で表されるサブフタロシアニン誘導体の分子量が大きくなり、取り扱いが容易ではなくなるため、好ましくない。
さらに、R〜Rの環構造中に含まれるヘテロ原子は、窒素原子であることが好ましい。R〜Rの環構造中に窒素原子が含まれる場合、一般式(1)で表されるサブフタロシアニン誘導体は、吸収領域が短波長側に移動し、長波長領域の光の吸収が低減するため、緑色光を吸収する光電変換膜に好適に用いることができる。
なお、R〜Rが環構造中に含むヘテロ原子は、一般式(1)で表されるサブフタロシアニン誘導体が対称性を有するようにR〜Rの環構造に対して含まれていてもよいし、対称性を有さないようにR〜Rの環構造に対して含まれていてもよい。
ここで、一般式(1)で表されるサブフタロシアニン誘導体の環構造の具体例を以下の構造例(1)〜(17)にて示す。本開示の一実施形態に係る光電変換膜が含むサブフタロシアニン誘導体は、以下の構造例(1)〜(17)で表される環構造を含む化合物である。しかしながら、本開示の一実施形態に係るサブフタロシアニン誘導体の環構造は、下記の構造例(1)〜(17)に限定されるものではない。
Figure 2016009722
Figure 2016009722
なお、上記構造例(1)〜(17)において、
Xは、ハロゲン、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルキルアミン基、置換もしくは無置換のアリールアミン基、置換もしくは無置換のアルキルチオ基、および置換もしくは無置換のアリールチオ基からなる群より選択されるいずれかの置換基である。
また、一般式(1)で表されるサブフタロシアニン誘導体の具体的な化合物例を以下の一般式(2)〜(7)で示す。しかしながら、本開示の一実施形態に係るサブフタロシアニン誘導体が下記の一般式(2)〜(7)で表される化合物例に限定されるものではない。
Figure 2016009722
ここで、上記一般式(2)〜(7)において、
Xは、ハロゲン、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルキルアミン基、置換もしくは無置換のアリールアミン基、置換もしくは無置換のアルキルチオ基、および置換もしくは無置換のアリールチオ基からなる群より選択されるいずれかの置換基である。
なお、上記一般式(1)〜(7)、および構造例(1)〜(17)において、Xは、上述した置換基に限定されるものではなく、ほう素(B)に結合可能な置換基であれば、任意の置換基であってもよい。ただし、Xは、ハロゲンであることが好ましい。Xがハロゲンである場合、一般式(1)で表されるサブフタロシアニン誘導体の熱的安定性が向上するため、光電変換膜の安定性を向上させることができる。
以上で説明した一般式(1)で表されるサブフタロシアニン誘導体を含む光電変換膜は、一般式(1)で表されるサブフタロシアニン誘導体をn型光電変換材料として含むバルクヘテロ混合膜として形成されてもよい。
バルクヘテロ混合膜とは、例えば、混合膜を形成するp型光電変換材料およびn型光電変換材料のうち、一方が結晶微粒子状態となり、他方がアモルファス状態となることで、結晶微粒子の表面をアモルファス層が均一に覆う微細構造が形成された膜を表す。このようなバルクヘテロ混合膜では、電荷分離を誘起するpn接合の面積が微細構造によって大きくなるため、より効率良く電荷分離を誘起し、光電変換効率を向上させることができる。なお、バルクヘテロ混合膜は、膜を形成するp型光電変換材料およびn型光電変換材料が共に微細結晶状態となって混合された微細構造を有する膜であってもよい。
本開示の一実施形態に係る光電変換膜において、一般式(1)で表されるサブフタロシアニン誘導体がn型光電変換材料として含まれる場合、p型光電変換材料として含まれる化合物は、電荷輸送性を有する多様な化合物を用いることが可能である。
具体的には、本開示の一実施形態に係る光電変換膜に含まれるp型光電変換材料は、吸収する波長に依らず、正孔輸送性および電子輸送性の少なくともいずれか一方を有することが好ましい。例えば、p型光電変換材料は、キナクリドン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、スクアリリウム誘導体、ナフタレンまたはペリレン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、ローダミン誘導体、ジフェニルメタンまたはトリフェニルメタン誘導体、キサンテン誘導体、アクリジン誘導体、フェノキサジン誘導体、キノリン誘導体、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、オキサジン誘導体、チアジン誘導体、ベンゾキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、インジゴまたはチオインジゴ誘導体、ピロール誘導体、ピリジン誘導体、ジピリン誘導体、インドール誘導体、ジケトピロロピロール誘導体、クマリン誘導体、フルオレン誘導体、フルオランテン誘導、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、トリフェニルアミン、ナフチルアミンおよびスチリルアミンなどのトリアリールアミン誘導体、カルバゾール誘導体、フェニレンジアミン誘導体またはベンジジン誘導体、フェナントロリン誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾリン誘導体、チアゾリン誘導体、トリアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チオフェン誘導体、セレノフェン誘導体、シロール誘導体、ゲルモール誘導体、スチルベン誘導体またはフェニレンビニレン誘導体、ペンタセン誘導体、ルブレン誘導体、チエノチオフェン誘導体、ベンゾジチオフェン誘導体、キサンテノキサンテン誘導体、フラーレン誘導体などであってもよい。また、p型光電変換材料は、上述した置換基をユニット構造として有する連結体、多量体、重合体、共重合体、またはブロックコポリマーなどであってもよい。特に、本開示の一実施形態に係る光電変換膜に含まれるp型光電変換材料としては、キナクリドン誘導体が好ましい。
また、本開示の一実施形態に係る光電変換膜は、n型光電変換材料である一般式(1)で表されるサブフタロシアニン誘導体と、p型光電変換材料とを積層させることでヘテロ接合が形成された平面ヘテロ接合膜であってもよい。なお、本開示の一実施形態に係る光電変換膜は、一般式(1)で表されるサブフタロシアニン誘導体をp型光電変換材料として含んでもよいことは言うまでもない。
さらに、本開示の一実施形態に係る光電変換膜は、一般式(1)で表されるサブフタロシアニン誘導体のみを含む単層膜として形成されてもよい。
以上説明したように、本開示の一実施形態に係る光電変換膜は、一般式(1)で表されるサブフタロシアニン誘導体を含むことにより、長波長領域の光の吸収が低減し、緑色光を選択的に吸収することができる。したがって、本開示の一実施形態に係る光電変換膜は、固体撮像素子の緑色光電変換素子として好適であり、各色光の色分離を改善することにより、固体撮像素子の感度を向上させ、撮像特性を向上させることができる。
[2.2.本開示の一実施形態に係る光電変換素子]
次に、図3を参照して、本開示の一実施形態に係る光電変換素子について説明する。図3は、本開示の一実施形態に係る光電変換素子の一例を示す概略図である。
図3に示すように、本開示の一実施形態に係る光電変換素子100は、基板102と、基板102上に配置された下部電極104と、下部電極104上に配置されたpバッファ層106と、pバッファ層106上に配置された光電変換層108と、光電変換層108上に配置されたnバッファ層110と、nバッファ層110上に配置された上部電極112とを備える。
なお、図3で示した光電変換素子100の構造は、あくまでも一例であって、本開示の一実施形態に係る光電変換素子100の構造が、図3で示す構造に限定されるものではない。例えば、pバッファ層106、およびnバッファ層110は、いずれか1つ以上が省略されてもよい。
基板102は、光電変換素子100を構成する各層が積層配置される支持体である。基板102は、一般的な光電変換素子にて使用されるものを使用可能である。例えば、基板102は、高歪点ガラス基板、ソーダガラス基板、およびホウケイ酸ガラス基板等の各種ガラス基板、石英基板、半導体基板、ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルアルコール、ポリイミド、およびポリカーボネート等のプラスチック基板などであってもよい。なお、光電変換素子100において、入射光を反対側へ透過させる場合、基板102は、透明材料で構成されることが好ましい。
下部電極104および上部電極112は、導電性材料で構成される。また、下部電極104は、基板102上に配置され、上部電極112は、nバッファ層110上に配置される。具体的には、下部電極104および上部電極112は、少なくともいずれか一方が酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)等の透明導電性材料で構成される。なお、光電変換素子100において入射光を反対側へ透過させる場合、下部電極104および上部電極112は、いずれもITO等の透明導電性材料で構成されることが好ましい。
透明導電性材料としては、酸化スズ(TinOxide:TO)、ドーパントが添加された酸化スズ(SnO)系材料、または酸化亜鉛(ZnO)にドーパントが添加された酸化亜鉛系材料が用いられてもよい。酸化亜鉛系材料としては、例えば、ドーパントとしてアルミニウム(Al)が添加されたアルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、ガリウム(Ga)が添加されたガリウム亜鉛酸化物(GZO)、インジウム(In)が添加されたインジウム亜鉛酸化物(IZO)を挙げることができる。また、この他にも、透明導電性材料として、CuI、InSbO、ZnMgO、CuInO、MgIN、CO、ZnSnO等が用いられてもよい。さらに、透明導電性材料として、酸化インジウムガリウム亜鉛(IGZO)、酸化インジウムガリウム(IGO)、酸化アルミニウムガリウム亜鉛(AGZO)、グラフェン、金属薄膜、およびPEDOTが用いられてもよい。
また、下部電極104および上部電極112には、バイアス電圧が印加されている。例えば、バイアス電圧は、光電変換層108で発生した電荷のうち、電子が上部電極112に移動し、正孔が下部電極104に移動するように極性が設定されている。
なお、バイアス電圧は、光電変換層108で発生した電荷のうち、正孔が上部電極112に移動し、電子が下部電極104に移動するように極性が設定されてもよいことは言うまでもない。このような場合、図3で示した光電変換素子100において、pバッファ層106およびnバッファ層110の位置が入れ替わる。
pバッファ層106は、下部電極104上に配置され、光電変換層108から効率良く正孔を取り出す機能を果たす層である。具体的には、pバッファ層106は、正孔輸送性および電子輸送性の少なくともいずれか一方を有するp型光電変換材料を含む。p型光電変換材料としては、例えば、キナクリドン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、スクアリリウム誘導体、ナフタレンまたはペリレン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、ローダミン誘導体、ジフェニルメタンまたはトリフェニルメタン誘導体、キサンテン誘導体、アクリジン誘導体、フェノキサジン誘導体、キノリン誘導体、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、オキサジン誘導体、チアジン誘導体、ベンゾキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、インジゴまたはチオインジゴ誘導体、ピロール誘導体、ピリジン誘導体、ジピリン誘導体、インドール誘導体、ジケトピロロピロール誘導体、クマリン誘導体、フルオレン誘導体、フルオランテン誘導、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、トリフェニルアミン、ナフチルアミンおよびスチリルアミンなどのトリアリールアミン誘導体、カルバゾール誘導体、フェニレンジアミン誘導体またはベンジジン誘導体、フェナントロリン誘導体、イミダゾール誘導体、オキサゾリン誘導体、チアゾリン誘導体、トリアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チオフェン誘導体、セレノフェン誘導体、シロール誘導体、ゲルモール誘導体、スチルベン誘導体またはフェニレンビニレン誘導体、ペンタセン誘導体、ルブレン誘導体、チエノチオフェン誘導体、ベンゾジチオフェン誘導体、キサンテノキサンテン誘導体、フラーレン誘導体などを例示することができる。また、p型光電変換材料は、上述した置換基をユニット構造として有する連結体、多量体、重合体、共重合体、またはブロックコポリマーなどであってもよい。なお、p型光電変換材料が吸収する光の波長帯域については特に限定されず、任意の波長帯域であってもよい。
より具体的には、pバッファ層106は、正孔輸送性材料で構成されてもよく、アリールアミン、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、スチルベン、ポリアリールアルカン、ポルフィリン、アントラセン、フルオレノン、ヒドラゾンまたはこれらの誘導体などで構成されてもよい。例えば、pバッファ層106は、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)、4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(αーNPD)、4,4’,4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、テトラフェニルポルフィリン銅、フタロシアニン、銅フタロシアニンなどで構成されてもよい。
光電変換層108は、pバッファ層106上に配置され、緑色光(例えば、波長が450nm以上600nm未満の光)を選択的に吸収し、吸収した光を光電変換する機能を果たす層である。本開示の一実施形態に係る光電変換素子において、光電変換層108は、上記で説明した一般式(1)で表されるサブフタロシアニン誘導体を含む。例えば、光電変換層108は、一般式(1)で表されるサブフタロシアニン誘導体をn型光電変換材料として含み、キナクリドン誘導体をp型光電変換材料として含むバルクヘテロ混合膜であってもよい。
光電変換層108は、n型光電変換材料、およびp型光電変換材料が単一の比率で混合された単一層として形成されてもよい。また、光電変換層108は、n型光電変換材料、およびp型光電変換材料の混合比率が積層方向に変更された複数層にて形成されてもよい。例えば、光電変換層108は、pバッファ層106側からp型光電変換材料にて形成されたp層、n型光電変換材料およびp型光電変換材料が混合されたi層、n型光電変換材料にて形成されたn層が積層された多層構造で形成されてもよい。
なお、本開示の一実施形態に係る光電変換素子において、光電変換層108は、一般式(1)で表されるサブフタロシアニン誘導体を含んでいれば、バルクヘテロ混合膜に限定されず、単層膜、平面ヘテロ接合膜等で形成されてもよい。
nバッファ層110は、光電変換層108上に配置され、光電変換層108から効率良く電子を取り出す機能を果たす層である。具体的には、nバッファ層110は、電子輸送性材料で構成され、例えば、フラーレン、カーボンナノチューブ、オキサジアゾール、トリアゾール化合物、アントラキノジメタン、ジフェニルキノン、ジスチリルアリーレン、シロール化合物またはこれらの誘導体などで構成されてもよい。具体的には、nバッファ層110は、1,3−ビス(4−tert−ブチルフェニル−1,3,4−オキサジアゾリル)フェニレン(OXD−7)、バソクプロイン、バソフェナントロリン、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム(Alq3)などで構成されてもよい。
なお、図3にて示した光電変換素子100の構造のうち、光電変換層108を除いた各層を形成する材料については、特に限定されるものではなく、公知の光電変換素子用の材料を利用することも可能である。
ここで、上述した本開示の一実施形態に係る光電変換素子100の各層は、真空蒸着、スパッタ、各種塗布法など、材料に応じた適切な成膜方法を選択することにより形成することができる。
例えば、本開示の一実施形態に係る光電変換素子100を構成する各層のうち、下部電極104および上部電極112は、例えば、電子ビーム蒸着法、熱フィラメント蒸着法、および真空蒸着法を含む蒸着法、スパッタリング法、化学的気相成長法(CVD法)およびイオンプレーティング法とエッチング法との組合せ、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法、およびメタルマスク印刷法といった各種印刷法、メッキ法(電気メッキ法および無電解メッキ法)等により形成することが可能である。
また、本開示の一実施形態に係る光電変換素子100を構成する各層のうち、pバッファ層106、光電変換層108、およびnバッファ層110等の各層は、例えば、真空蒸着法等の蒸着法、スクリーン印刷法およびインクジェット印刷法といった印刷法、レーザ転写法、およびスピンコート法等の塗布法などにより形成することが可能である。
以上にて、本開示の一実施形態に係る光電変換素子100の構成の一例について説明した。
[2.3.本開示の一実施形態に係る実施例]
以下では、実施例および比較例を参照しながら、本開示の一実施形態に係るサブフタロシアニン誘導体、光電変換膜、および光電変換素子について具体的に説明する。なお、以下に示す実施例は、あくまでも一例であって、本開示の一実施形態に係る光電変換膜および光電変換素子が下記の例に限定されるものではない。
[シミュレーション解析]
まず、本開示の一実施形態に係るサブフタロシアニン誘導体の分光特性をシミュレーション解析にて評価した。具体的には、以下で構造式を示すサブフタロシアニン誘導体に対してシミュレーション解析を行い、極大吸収波長λmaxを計算した。なお、比較のために、比較例に係るサブフタロシアニン誘導体(SubPc−Cl、SubPc−F)についてもシミュレーション解析を行い、極大吸収波長λmaxを計算した。
Figure 2016009722
なお、シミュレーション解析には、密度汎関数法(DFT:Density functional theory)を用いた分子軌道計算を用いた。計算プログラムとしては、Gaussian03を用い、基底関数には「6−311++G」を用い、汎関数には「B3LYP」を用いた。
具体的には、まず、各サブフタロシアニン誘導体に対して、SCF(Self−Consistent Field)による構造最適化計算を実施し、各分子軌道のエネルギーレベルを算出した。次に、時間依存密度汎関数法(TD−DFT:Time−Dependent DFT)を実施し、可視紫外吸収(UV−VIS)スペクトルを計算し、極大吸収波長λmaxを算出した。
シミュレーション解析によって算出した各サブフタロシアニン誘導体の極大吸収波長λmaxを以下の表1にて示す。なお、表1で示す各サブフタロシアニン誘導体の極大吸収波長λmaxは、単分子におけるシミュレーション解析結果であるため、後述する溶液中で実測した吸収スペクトルの実測値とは、絶対値は一致しない。しかしながら、後述する溶液中における吸収スペクトルの実測値からわかるように、以下のシミュレーション解析結果と、実測結果とは傾向は一致する。
Figure 2016009722
表1に示す結果を参照すると、実施例1〜8に係るサブフタロシアニン誘導体は、比較例1および2に係るサブフタロシアニン誘導体に対して、極大吸収波長λmaxが短波長化しており、長波長領域の光の吸収が低減されていることがわかる。
具体的には、実施例1、および比較例1、2を比較すると、中心のほう素に結合している置換基に依らずに、一般式(1)におけるR〜Rの環構造にヘテロ原子である窒素原子が導入されたことにより、λmaxが短波長化していることがわかる。また、実施例1、および5〜7を比較すると、一般式(1)におけるR〜Rの環構造に置換基が導入されていても、同様にλmaxが短波長化することがわかる。さらに、実施例1〜4を比較すると、一般式(1)におけるR〜Rの環構造の環構成原子数に依らずに、また、R〜Rの環構造に含まれるヘテロ原子の数および位置に依らずに、λmaxが短波長化していることがわかる。
したがって、本開示の一実施形態に係るサブフタロシアニン誘導体は、一般式(1)におけるR〜Rの環構造の少なくとも1つ以上にヘテロ原子が1つ以上含まれることにより、極大吸収波長を短波長化することが可能であることがわかる。
[サブフタロシアニン誘導体の合成]
次に、本開示の一実施形態に係るサブフタロシアニン誘導体の合成方法について説明する。本開示の一実施形態に係るサブフタロシアニン誘導体は、下記の反応式1で表される一般化された合成方法により合成することができる。なお、以下に述べる合成方法はあくまでも一例であって、本開示の一実施形態に係るサブフタロシアニン誘導体の合成方法が下記の例に限定されるものではない。
Figure 2016009722
反応式1で示されるように、2,3−ジシアノピラジン誘導体と、三塩化ほう素とを溶媒中で混合し、加熱還流することにより、本開示の一実施形態に係るサブフタロシアニン誘導体を合成することができる。なお、上記の反応式1では、2,3−ジシアノピラジン誘導体に置換される置換基Yは、同一であるとして説明するが、2,3−ジシアノピラジン誘導体における置換基Yは、互いに異なってもよいことは言うまでもない。
さらに、具体的な化合物を例示することにより、本開示の一実施形態に係るサブフタロシアニン誘導体の具体的な合成方法について説明する。
SubNPc−Clの合成
以下の方法により、下記に構造式を示すSubNPc−Clを合成した。
Figure 2016009722
フラスコに2,3−ジシアノピラジン(上記反応式1において、Y=H)3mmolと、三塩化ほう素(ジクロロメタン溶液)1mmol(1ml)とを加え、溶媒に1−クロロナフタレン3mlを用いて加熱還流した。フラスコの口にはジムロート冷却器を接続し、さらにジムロート冷却器の上部をゴム管によってドラフトの排気口に導くことにより、低沸点成分が次第に留去されるようにした。フラスコのバス温度を190℃に設定し、約16時間加熱還流した。
加熱還流後、混合物を一夜放置し、ろ過を行い、さらにジクロロメタンによって洗浄した。ろ液をカラムクロマトグラフィによって精製することで赤色成分のSubNPc−Clを6mg(収率1.3%)得た。得られたSubNPc−Clに対して、CDCl溶媒にてH−NMR(Nuclear Magnetic Resonance)測定を行ったところ、主なピークは、芳香族領域のシングレット1本(δ=9.240)であり、反応生成物がSubNPc−Clであることが確認された。
6Cl−SubNPc−Clの合成
また、SubNPc−Clと同様の合成方法により、下記に構造式を示す6Cl−SubNPc−Clを合成した。
Figure 2016009722
上記のSubNPc−Clの合成において、2,3−ジシアノピラジンに代えて5,6−ジクロロ−2,3−ジシアノピラジン(上記反応式1において、Y=Cl)を出発物質として用いた以外は同様の方法で合成を行い、6Cl−SubNPc−Clを得た。なお、6Cl−SubNPc−Clの収率は、11%であった。
2Cl−SubNPc−Cl、4Cl−SubNPc−Clの合成
また、例えば、下記反応式2で表される合成方法により、R〜Rの環構造が互いに異なるサブフタロシアニン誘導体(2Cl−SubNPc−Cl、および4Cl−SubNPc−Cl)を合成することができる。
Figure 2016009722
フラスコにフタロニトリルと5,6−ジクロロ−2,3−ジシアノピラジンとの混合物(モル比1:1)3mmolと、三塩化ほう素(ジクロロメタン溶液)1mmol(1ml)とを加え、溶媒に1−クロロベンゼン3mlを用いて加熱還流した。フラスコの口にはジムロート冷却器を接続し、さらにジムロート冷却器の上部をゴム管によってドラフトの排気口に導くことにより、低沸点成分が次第に留去されるようにした。フラスコのバス温度を190℃に設定し、約16時間加熱還流した。
加熱還流後、混合物を一夜放置し、ろ過を行い、さらにジクロロメタンによって洗浄した。ろ液をカラムクロマトグラフィによって精製することにより反応式2における4種類の誘導体(SubPc−Cl、2Cl−SubNPc−Cl、4Cl−SubNPc−Cl、6Cl−SubNPc−Cl)をそれぞれ得た。以上の合成方法により、R〜Rの環構造が互いに異なる2Cl−SubNPc−Clおよび4Cl−SubNPc−Clを合成することができた。
[サブフタロシアニン誘導体の評価]
次に、上記で合成したSubNPc−Cl、6Cl−SubNPc−Clの分光特性を溶液法により評価した。また、比較のために、同様の方法でSubPc−Clについても分光特性を評価した。
具体的には、各サブフタロシアニン誘導体をo−キシレンに溶解し、石英セルを用いて可視紫外分光光度計にて光吸収スペクトルを取得した。取得した各サブフタロシアニン誘導体の光吸収スペクトルを図4に示す。なお、図4に示した光吸収スペクトルは、各サブフタロシアニン誘導体の極大吸収波長における吸光度が1となるように規格化している。
図4に示す結果を参照すると、本開示の一実施形態に係るサブフタロシアニン誘導体であるSubNPc−Cl、および6Cl−SubNPc−Clは、比較例に係るSubPc−Clに対して極大吸収波長が短波長化していることがわかる。また、測定された6Cl−SubNPc−ClおよびSubPc−Clの極大吸収波長の傾向は、上記のシミュレーション解析の実施例5および比較例1の極大吸収波長の傾向と一致しており、上記のシミュレーション解析が適切であることがわかる。
[光電変換素子の評価]
また、上記で合成した6Cl−SubNPc−Clを用いて、本開示の一実施形態に係る光電変換素子を作製し、光電変換素子として機能することを確認した。
(実施例9)
まず、石英基板上にスパッタリング法によって酸化インジウムスズ(ITO)を100nm成膜し、成膜したITO薄膜をフォトリソグラフィ法によってパターニングした後、エッチングを行うことで透明な下部電極を形成した。次に、形成した透明電極をUV/オゾン処理にて洗浄し、シャドウマスクを用いて6Cl−SubNPc−Cl、およびキナクリドンを成膜比率が1:1となるように真空蒸着して光電変換層を形成した。
続いて、光電変換層上にシャドウマスクを用いてアルミニウム(Al)を真空蒸着して上部電極を形成した。以上の作製方法により、光電変換素子を作製した。
Figure 2016009722
続いて、作製した実施例9に係る光電変換素子の光電変換機能を評価した。具体的には、半導体パラメータアナライザに接続したプローバを用いて、実施例1に係る光電変換素子の上部電極および下部電極にバイアス電圧を印加し、暗時、および石英基板を通した光照射時の電流値を測定した。
実施例9に係る光電変換素子の光電変換機能の評価結果を図5に示す。図5は、実施例9に係る光電変換素子のバイアス電圧に対する電流密度の変化を示したグラフ図である。
図5の結果を参照すると、実施例9に係る光電変換素子は、バイアス電圧が0〜−3Vの範囲で光照射時の電流密度が暗時の電流密度よりも増加しており、光電変換機能を備えていることがわかる。したがって、本開示の一実施形態に係るサブフタロシアニン誘導体は、光電変換膜に含まれる光電変換材料として好適に用いることができることがわかる。
以上の結果からわかるように、本開示の一実施形態に係る光電変換膜は、一般式(1)で表されるサブフタロシアニン誘導体を含むことにより、長波長領域の光の吸収を低減させ、緑色光を選択的に吸収することができる。したがって、本開示の一実施形態に係る光電変換膜は、固体撮像素子の緑色光電変換素子に好適に用いることができ、固体撮像素子の撮像特性を向上させることができることがわかる。
<3.本開示に係る光電変換素子の適用例>
以下では、図6〜8を参照して本開示の一実施形態に係る光電変換膜を含む光電変換素子の適用例について説明する。
[3.1.固体撮像素子の構成]
まず、図6および7を参照して、本開示の一実施形態に係る光電変換素子が適用される固体撮像素子の構成について説明する。図6は、本開示の一実施形態に係る光電変換素子が適用される固体撮像素子の構造を示す概略図である。
図6において、画素領域201、211、231は、本開示の一実施形態に係る光電変換膜を含む光電変換素子が配置される領域である。また、制御回路202、212、242は、固体撮像素子の各構成を制御する演算処理回路であり、ロジック回路203、223、243は、画素領域において光電変換素子が光電変換した信号を処理するための信号処理回路である。
例えば、図6Aに示すように、本開示の一実施形態に係る光電変換素子が適用される固体撮像素子は、1つの半導体チップ200内に、画素領域201と、制御回路202と、ロジック回路203とが形成されていてもよい。
また、図6Bに示すように、本開示の一実施形態に係る光電変換素子が適用される固体撮像素子は、第1半導体チップ210内に、画素領域211と、制御回路212とが形成され、第2半導体チップ220内にロジック回路223が形成された積層型固体撮像素子であってもよい。
さらに、図6Cに示すように、本開示の一実施形態に係る光電変換素子が適用される固体撮像素子は、第1半導体チップ230内に、画素領域231が形成され、第2半導体チップ240内に制御回路242と、ロジック回路243とが形成された積層型固体撮像素子であってもよい。
図6Bおよび5Cにて示した固体撮像素子では、制御回路およびロジック回路の少なくともいずれか一方が形成された半導体チップとは別の半導体チップに画素領域が形成される。したがって、図6Bおよび5Cで示した固体撮像素子は、図6Aで示した固体撮像素子よりも画素領域を拡大することができるため、画素領域に搭載される画素を増加させ、固体撮像素子の平面分解能を向上させることができる。そのため、本開示の一実施形態に係る光電変換素子が適用される固体撮像素子は、図6Bおよび5Cで示した積層型固体撮像素子であることがより好ましい。
続いて、図7を参照して、本開示の一実施形態に係る光電変換素子が適用された固体撮像素子の具体的な構造について説明する。図7は、本開示の一実施形態に係る光電変換素子が適用された固体撮像素子の単位画素の概略構造を示した断面図である。なお、図7で示す固体撮像素子300は、画素トランジスタ等が形成された面とは反対側の面から光が入射する裏面照射型の固体撮像素子であり、図面に対して上側が受光面であり、下側が画素トランジスタおよび周辺回路が形成される回路形成面である。
図7に示すように、固体撮像素子300は、光電変換領域320において、半導体基板330に形成された第1フォトダイオードPD1を含む光電変換素子、半導体基板330に形成された第2フォトダイオードPD2を含む光電変換素子、および半導体基板330の裏面側に形成された有機光電変換膜310を含む光電変換素子が光の入射方向に積層された構成を有する。
第1フォトダイオードPD1および、第2フォトダイオードPD2は、シリコンからなる半導体基板330の第1導電型(例えば、p型)半導体領域であるウェル領域331に形成される。
第1フォトダイオードPD1は、半導体基板330の受光面側に形成された第2導電型(例えば、n型)不純物によるn型半導体領域332と、一部が半導体基板330の表面側に達するように延長して形成された延長部332aとを有する。延長部332aの表面には、電荷蓄積層となる高濃度のp型半導体領域334が形成される。また、延長部332aは、第1フォトダイオードPD1のn型半導体領域332に蓄積された信号電荷を半導体基板330の表面側に抜き出すための抜出層として形成される。
第2フォトダイオードPD2は、半導体基板330の受光面側に形成されたn型半導体領域336と、電荷蓄積層として半導体基板330の表面側に形成される高濃度のp型半導体領域338と、にて構成される。
第1フォトダイオードPD1および第2フォトダイオードPD2において、半導体基板330の界面にp型半導体領域が形成されることにより、半導体基板330界面で発生する暗電流を抑制することができる。
ここで、受光面から最も離れた領域に形成された第2フォトダイオードPD2は、例えば、赤色光を吸収し、光電変換する赤色光電変換素子である。また、第2フォトダイオードPD2よりも受光面側に形成された第1フォトダイオードPD1は、例えば、青色光を吸収し、光電変換する青色光電変換素子である。
有機光電変換膜310は、反射防止膜302および絶縁膜306を介して半導体基板330の裏面上に形成される。また、有機光電変換膜310は、上部電極312および下部電極308にて挟持されることにより光電変換素子を形成する。ここで、有機光電変換膜310は、例えば、450nm以上600nm未満の波長の緑色光を吸収し、光電変換する有機膜であり、上記で説明した本開示の一実施形態に係る光電変換膜で形成される。また、上部電極312および下部電極308は、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)等の透明導電性材料で形成される。
また、下部電極308は、反射防止膜302を貫通するコンタクトプラグ304を介して、半導体基板330の裏面側から表面側にかけて形成された縦型転送路348に接続される。縦型転送路348は、半導体基板330の裏面側から接続部340、電位障壁層342、電荷蓄積層344、p型半導体領域346の積層構造にて形成される。
接続部340は、半導体基板330の裏面側に形成された高不純物濃度のn型不純物領域からなり、コンタクトプラグ304とオーミックコンタクトのために形成される。電位障壁層342は、低濃度のp型不純物領域からなり、接続部340と電荷蓄積層344との間においてポテンシャルバリアを形成する。電荷蓄積層344は、有機光電変換膜310から転送された信号電荷を蓄積し、接続部340よりも低濃度のn型不純物領域で形成される。なお、半導体基板330の表面には、高濃度のp型半導体領域346が形成される。かかるp型半導体領域346により、半導体基板330界面で発生する暗電流が抑制される。
ここで、半導体基板330の表面側には、層間絶縁層351を介して複数層に積層された配線358を含む多層配線層350が形成される。また、半導体基板330表面近傍には、第1フォトダイオードPD1、第2フォトダイオードPD2、および有機光電変換膜310に対応する読出回路352、354、356が形成される。読出回路352、354、356は、それぞれの光電変換素子から出力信号を読み出し、ロジック回路(図示せず)に転送する。さらに、多層配線層350の表面には、支持基板360が形成される。
一方、上部電極312の受光面側には、第1フォトダイオードPD1の延長部332aおよび縦型転送路348を遮光するように遮光膜316が形成される。ここで、遮光膜316同士によって区切られた領域が光電変換領域320となる。また、遮光膜316上には、平坦化膜314を介してオンチップレンズ318が形成される。
以上にて、本開示の一実施形態に係る光電変換素子が適用される固体撮像素子300について説明した。なお、本開示の一実施形態に係る光電変換素子が適用される固体撮像素子300は、単位画素において縦方向に色分離が行われるため、カラーフィルタ等が形成されない。
[3.2.電子機器の構成]
続いて、図8を参照して、本開示の一実施形態に係る光電変換素子が適用される電子機器の構成について説明する。図8は、本開示の一実施形態に係る光電変換素子が適用される電子機器の構成を説明するブロック図である。
図8に示すように、電子機器400は、光学系402と、固体撮像素子404と、DSP(Digital Signal Processor)回路406と、制御部408と、出力部412と、入力部414と、フレームメモリ416と、記録部418と、電源部420とを備える。
ここで、DSP回路406、制御部408、出力部412、入力部414、フレームメモリ416、記録部418および電源部420は、バスライン410を介して相互に接続されている。
光学系402は、被写体からの入射光を取り込み、固体撮像素子404の撮像面上に結像させる。また、固体撮像素子404は、本開示の一実施形態に係る光電変換素子を含み、光学系402によって撮像面上に結像された入射光の光量を画素単位で電気信号に変換して画素信号として出力する。
DSP回路406は、固体撮像素子404から転送された画素信号を処理し、出力部412、フレームメモリ416、および記録部418等に出力する。また、制御部408は、例えば、演算処理回路等で構成され、電子機器400の各構成の動作を制御する。
出力部412は、例えば、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等のパネル型表示装置であり、固体撮像素子404にて撮像された動画または静止画を表示する。なお、出力部412は、スピーカおよびヘッドフォン等の音声出力装置を含んでもよい。また、入力部414は、例えば、タッチパネル、ボタン等のユーザが操作を入力するための装置であり、ユーザの操作に従い、電子機器400が有する様々な機能について操作指令を発する。
フレームメモリ416は、固体撮像素子404にて撮像された動画または静止画等を一時的に記憶する。また、記録部418は、固体撮像素子404にて撮像された動画または静止画等を磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記憶媒体に記録する。
電源部420は、DSP回路406、制御部408、出力部412、入力部414、フレームメモリ416、および記録部418の動作電源となる各種電源をこれらの供給対象に対して適宜供給する。
以上にて、本開示の一実施形態に係る光電変換素子が適用される電子機器400について説明した。本開示の一実施形態に係る光電変換素子が適用される電子機器400は、例えば、撮像装置などであってもよい。
<4.まとめ>
以上説明したように、本開示の一実施形態に係る光電変換膜は、一般式(1)で表されるサブフタロシアニン誘導体を含むことにより、長波長側の吸収を低下させ、緑色光領域の光を選択的に吸収することができる。
また、本開示の一実施形態に係る光電変換膜は、緑色光を選択的に吸収することができるため、固体撮像素子の緑色光電変換素子として好適に用いることができる。したがって、本開示の一実施形態に係る光電変換膜は、各色光の色分離を改善することができるため、固体撮像素子の感度を向上させ、撮像特性を向上させることができる。特に、本開示の一実施形態に係る光電変換膜は、長波長側の赤色光の透過性が向上しているため、固体撮像素子において赤色光の感度を向上させることができる。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
下記一般式(1)で表されるサブフタロシアニン誘導体を含む、光電変換膜。
Figure 2016009722
前記一般式(1)において、
Xは、ハロゲン、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルキルアミン基、置換もしくは無置換のアリールアミン基、置換もしくは無置換のアルキルチオ基、および置換もしくは無置換のアリールチオ基からなる群より選択されるいずれかの置換基であり、
〜Rは、互いに独立して、置換または無置換の環構造であり、
〜Rのうち少なくとも1つ以上は、前記環構造中に少なくとも1つ以上のヘテロ原子を含む。
(2)
前記R〜Rのうち少なくとも1つ以上は、置換基を有する環構造である、前記(1)に記載の光電変換膜。
(3)
前記R〜Rが有する置換基は、ハロゲンである、前記(2)に記載の光電変換膜。
(4)
前記R〜Rは、π共役系構造を有する環構造である、前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の光電変換膜。
(5)
前記R〜Rは、環構成原子数が3以上8以下の環構造である、前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の光電変換膜。
(6)
前記R〜Rは、環構成原子数が6の環構造である、前記(5)に記載の光電変換膜。
(7)
前記R〜Rの環構造中に含まれるヘテロ原子は、窒素原子である、前記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の光電変換膜。
(8)
前記Xは、ハロゲンである、前記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の光電変換膜。
(9)
下記一般式(1)で表されるサブフタロシアニン誘導体を含む光電変換膜を備える固体撮像素子。
Figure 2016009722
前記一般式(1)において、
Xは、ハロゲン、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルキルアミン基、置換もしくは無置換のアリールアミン基、置換もしくは無置換のアルキルチオ基、および置換もしくは無置換のアリールチオ基からなる群より選択されるいずれかの置換基であり、
〜Rは、互いに独立して、置換または無置換の環構造であり、
〜Rのうち少なくとも1つ以上は、前記環構造中に少なくとも1つ以上のヘテロ原子を含む。
(10)
前記光電変換膜は、450nm以上600nm以下の波長の緑色光を吸収し、吸収した緑色光を光電変換する、前記(9)に記載の固体撮像素子。
(11)
前記光電変換膜が形成された第1チップと、
前記光電変換膜によって光電変換された信号を処理する信号処理回路が形成され、前記第1チップと積層される第2チップと、
を備え、積層型固体撮像素子として構成された、前記(9)または(10)に記載の固体撮像素子。
(12)
下記一般式(1)で表されるサブフタロシアニン誘導体を含む光電変換膜を備える固体撮像素子と、
前記固体撮像素子に入射光を導く光学系と、
前記固体撮像素子からの出力信号を演算処理する演算処理回路と、を備える電子機器。
Figure 2016009722
前記一般式(1)において、
Xは、ハロゲン、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルキルアミン基、置換もしくは無置換のアリールアミン基、置換もしくは無置換のアルキルチオ基、および置換もしくは無置換のアリールチオ基からなる群より選択されるいずれかの置換基であり、
〜Rは、互いに独立して、置換または無置換の環構造であり、
〜Rのうち少なくとも1つ以上は、前記環構造中に少なくとも1つ以上のヘテロ原子を含む。
100 光電変換素子
102 基板
104 下部電極
106 pバッファ層
108 光電変換層
110 nバッファ層
112 上部電極

Claims (12)

  1. 下記一般式(1)で表されるサブフタロシアニン誘導体を含む、光電変換膜。
    Figure 2016009722
    前記一般式(1)において、
    Xは、ハロゲン、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルキルアミン基、置換もしくは無置換のアリールアミン基、置換もしくは無置換のアルキルチオ基、および置換もしくは無置換のアリールチオ基からなる群より選択されるいずれかの置換基であり、
    〜Rは、互いに独立して、置換または無置換の環構造であり、
    〜Rのうち少なくとも1つ以上は、前記環構造中に少なくとも1つ以上のヘテロ原子を含む。
  2. 前記R〜Rのうち少なくとも1つ以上は、置換基を有する環構造である、請求項1に記載の光電変換膜。
  3. 前記R〜Rが有する置換基は、ハロゲンである、請求項2に記載の光電変換膜。
  4. 前記R〜Rは、π共役系構造を有する環構造である、請求項1に記載の光電変換膜。
  5. 前記R〜Rは、環構成原子数が3以上8以下の環構造である、請求項1に記載の光電変換膜。
  6. 前記R〜Rは、環構成原子数が6の環構造である、請求項5に記載の光電変換膜。
  7. 前記R〜Rの環構造中に含まれるヘテロ原子は、窒素原子である、請求項1に記載の光電変換膜。
  8. 前記Xは、ハロゲンである、請求項1に記載の光電変換膜。
  9. 下記一般式(1)で表されるサブフタロシアニン誘導体を含む光電変換膜を備える固体撮像素子。
    Figure 2016009722
    前記一般式(1)において、
    Xは、ハロゲン、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルキルアミン基、置換もしくは無置換のアリールアミン基、置換もしくは無置換のアルキルチオ基、および置換もしくは無置換のアリールチオ基からなる群より選択されるいずれかの置換基であり、
    〜Rは、互いに独立して、置換または無置換の環構造であり、
    〜Rのうち少なくとも1つ以上は、前記環構造中に少なくとも1つ以上のヘテロ原子を含む。
  10. 前記光電変換膜は、450nm以上600nm以下の波長の緑色光を吸収し、吸収した緑色光を光電変換する、請求項9に記載の固体撮像素子。
  11. 前記光電変換膜が形成された第1チップと、
    前記光電変換膜によって光電変換された信号を処理する信号処理回路が形成され、前記第1チップと積層される第2チップと、
    を備え、積層型固体撮像素子として構成された、請求項9に記載の固体撮像素子。
  12. 下記一般式(1)で表されるサブフタロシアニン誘導体を含む光電変換膜を備える固体撮像素子と、
    前記固体撮像素子に入射光を導く光学系と、
    前記固体撮像素子からの出力信号を演算処理する演算処理回路と、を備える電子機器。
    Figure 2016009722
    前記一般式(1)において、
    Xは、ハロゲン、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルキルアミン基、置換もしくは無置換のアリールアミン基、置換もしくは無置換のアルキルチオ基、および置換もしくは無置換のアリールチオ基からなる群より選択されるいずれかの置換基であり、
    〜Rは、互いに独立して、置換または無置換の環構造であり、
    〜Rのうち少なくとも1つ以上は、前記環構造中に少なくとも1つ以上のヘテロ原子を含む。
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