JP2016072547A - 光電変換素子およびこれを用いたイメージセンサ - Google Patents

光電変換素子およびこれを用いたイメージセンサ Download PDF

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Abstract

【課題】高い電荷移動度を示し、光電変換効率の高い光電変換素子を提供する。
【解決手段】第一電極と第二電極の間に少なくとも一層の有機層が存在し、光を電気エネルギーに変換する光電変換素子であって、前記有機層に特定構造を有する化合物を含有する光電変換素子。
【選択図】なし

Description

本発明は、 光を電気エネルギーに変換できる光電変換素子に関する。より詳しくは、太陽電池、イメージセンサなどの分野に利用可能な光電変換素子に関するものである。
光を電気エネルギーに変換できる光電変換素子は太陽電池、イメージセンサなどに利用できる。特に、光電変換素子で入射光より発生した電流をCCDやCMOS回路で読み出すイメージセンサが広く用いられている。
従来、光電変換素子を用いたイメージセンサでは光電変換膜を構成する材料として無機物を利用していた。しかし、無機物は色の選択性(特定波長の吸収)が低いため、カラーフィルターを用いて入射光をそれぞれの色(赤、緑および青)を選択的に透過させ、光電変換膜でそれぞれの光吸収をする必要があった。しかし、カラーフィルターを用いると、きめ細かい対象物を撮影した時に対象物のピッチが撮像素子のピッチと干渉し、本来の画像とは異なる画像(モアレ欠陥)が発生する。それを抑制するために光学レンズなどが必要となるが、カラーフィルターと光学レンズにより光利用効率および開口率が低くなる短所がある。
一方、近年、イメージセンサの高解像度要求が高まってきており、画素の微細化が進んでいる。そのため、画素のサイズはより小さくなるが、小さくなることで各画素の光電変換素子に到達する光量が減少するため、感度の低下が問題になる。
これを解決するために、有機化合物を用いた光電変換素子の研究がなされている。有機化合物は分子構造により入射する光のうち特定波長領域の光を選択的に吸収できることからカラーフィルターが不要となり、更に吸収係数が高いことから、光利用効率を高くすることが可能である。この有機化合物を用いた光電変換素子としては、具体的には両極に挟まれた光電変換膜にpn接合構造やバルクへテロジャンクション構造を導入した素子構成が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。また、暗電流の低下のために、電荷阻止層を挿入した素子構成も知られている(例えば、特許文献4参照)。
特開2009−290190号公報 特開2011−077198号公報 特開2002−076391号公報 特開平5−129576号公報
しかしながら、有機化合物を用いた光電変換素子は、特にイメージセンサ用途については、原理的にその優位性は確認できているものの、実用化に向けた技術的な課題が多い。特に電荷移動度の向上が、高い光電変換効率を得る上で大きな課題の一つとなっている。
そこで本発明は、従来技術の問題を解決し、高い電荷移動度を示し、光電変換効率の高い光電変換素子を提供することを目的とする。
本発明は、 第一電極と第二電極の間に少なくとも一層の有機層が存在し、光を電気エネルギーに変換する光電変換素子であって、前記有機層に下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする光電変換素子である。
Figure 2016072547
(R〜R10はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、アミノ基、シリル基および−P(=O)R1112および下記一般式(2)で表される基からなる群より選ばれる基である。R〜R10は隣接する基が互いに結合して環構造を形成していても良い。R11およびR12はアリール基またはヘテロアリール基である。ただし、R〜R10は、そのうちいずれか1〜4個が下記一般式(2)で表される基である;
Figure 2016072547
Lはアルケニレン基、アリーレン基またはヘテロアリーレン基である。nは1または2である。)
本発明により、高光電変換効率を有する光電変換素子を提供することができる。
本発明の光電変換素子の一例を示す模式断面図。 本発明の光電変換素子の一例を示す模式断面図。 本発明の光電変換素子の一例を示す模式断面図。 本発明の光電変換素子の一例を示す模式断面図。 本発明のイメージセンサにおける光電変換素子の積層構造の一例を示す模式断面図。 本発明のイメージセンサにおける光電変換素子の積層構造の一例を示す模式断面図。
<光電変換素子>
本発明の光電変換素子は、第一電極と第二電極の間に少なくとも一層の有機層が存在し、光を電気エネルギーに変換する光電変換素子であって、前記有機層に後述の一般式(1)で表される化合物を含有するものである。一般式(1)で表される化合物は、可視領域(400nm〜700nm)における光の吸収係数が高い点で好ましい。
図1〜図4に本発明の光電変換素子の例を示す。図1は、第一電極10と第二電極20、およびそれらの間に介在する少なくとも一層の有機層15を有する光電変換素子の例である。該有機層に、光を電気エネルギーに変換する光電変換層が含まれる。以下、第一電極10が陰極、第二電極20が陽極である場合を例に説明する。
また、陰極と陽極の間には、光電変換層1層のみからなる構成の他に、図2ないし4のように電荷阻止層を挿入してもよい。この電荷阻止層とは、電子または正孔をブロックする機能を有する層であり、陰極と光電変換層との間に挿入される場合は電子阻止層13、陽極と光電変換層との間に挿入される場合は正孔阻止層17として機能する。光電変換素子はこれらの層のいずれか一種のみを含んでいても良いし、両方含んでいても良い。
さらに、光電変換層が2種以上の光電変換材料から構成される場合、該光電変換層は2種以上の光電変換材料が混合された1層でもよいし、それぞれ1種以上の光電変換材料からなる層が積層された複数層でもよい。さらには、混合層と各々の単独層が混合された構成でも良い。
(一般式(1)で表される化合物)
本発明における一般式(1)で表される化合物について詳細を説明する。
Figure 2016072547
〜R10はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、アミノ基、シリル基および−P(=O)R1112および下記一般式(2)で表される基からなる群より選ばれる基である。R〜R10は隣接する基が互いに結合して環構造を形成していても良い。R11およびR12はアリール基またはヘテロアリール基である。ただし、R〜R10は、そのうちいずれか1〜4個が下記一般式(2)で表される基である。
Figure 2016072547
Lはアルケニレン基、アリーレン基またはヘテロアリーレン基である。nは1または2である。
これらの置換基のうち、水素は重水素であってもよい。また、アルキル基とは、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などの飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。置換されている場合の追加の置換基には特に制限は無く、例えば、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基等を挙げることができ、この点は、以下の記載にも共通する。また、アルキル基の炭素数は特に限定されないが、入手の容易性やコストの点から、通常1以上20以下、より好ましくは1以上8以下の範囲である。
シクロアルキル基とは、例えば、シクロプロピル、シクロヘキシル、ノルボルニル、アダマンチルなどの飽和脂環式炭化水素基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。アルキル基部分の炭素数は特に限定されないが、通常、3以上20以下の範囲である。
複素環基とは、例えば、ピラン環、ピペリジン環、環状アミドなどの炭素以外の原子を環内に有する脂肪族環を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。複素環基の炭素数は特に限定されないが、通常、2以上20以下の範囲である。
アルケニル基とは、例えば、ビニル基、アリル基、ブタジエニル基などの二重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。アルケニル基の炭素数は特に限定されないが、通常、2以上20以下の範囲である。
シクロアルケニル基とは、例えば、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキセニル基などの二重結合を含む不飽和脂環式炭化水素基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。シクロアルケニル基の炭素数は特に限定されないが、通常、2以上20以下の範囲である。
アルキニル基とは、例えば、エチニル基などの三重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。アルキニル基の炭素数は特に限定されないが、通常、2以上20以下の範囲である。
アルコキシ基とは、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのエーテル結合を介して脂肪族炭化水素基が結合した官能基を示し、この脂肪族炭化水素基は置換基を有していても有していなくてもよい。アルコキシ基の炭素数は特に限定されないが、通常、1以上20以下の範囲である。
アルキルチオ基とは、アルコキシ基のエーテル結合の酸素原子が硫黄原子に置換されたものである。アルキルチオ基の炭化水素基は置換基を有していても有していなくてもよい。アルキルチオ基の炭素数は特に限定されないが、通常、1以上20以下の範囲である。
アリールエーテル基とは、例えば、フェノキシ基など、エーテル結合を介した芳香族炭化水素基が結合した官能基を示し、芳香族炭化水素基は置換基を有していても有していなくてもよい。アリールエーテル基の炭素数は特に限定されないが、通常、6以上40以下の範囲である。
アリールチオエーテル基とは、アリールエーテル基のエーテル結合の酸素原子が硫黄原子に置換されたものである。アリールエーテル基における芳香族炭化水素基は置換基を有していても有していなくてもよい。アリールエーテル基の炭素数は特に限定されないが、通常、6以上40以下の範囲である。
アリール基とは、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ターフェニル基などの芳香族炭化水素基を示す。アリール基は、置換基を有していても有していなくてもよい。アリール基の炭素数は特に限定されないが、通常、6以上40以下の範囲である。
ヘテロアリール基とは、フラニル基、チオフェニル基、ピリジル基、キノリニル基、ピラジニル基、ピリミニジニル基、トリアジニル基、ナフチリジル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、インドリル基などの炭素以外の原子を一個または複数個環内に有する環状芳香族基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。ヘテロアリール基の炭素数は特に限定されないが、通常、2以上30以下の範囲である。
ハロゲンとは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を示す。
アミノ基は置換基を有していても有していなくてもよく、置換基としては例えばアリール基、ヘテロアリール基などが挙げられ、これらの置換基はさらに置換されていてもよい。
シリル基とは、例えば、トリメチルシリル基などのケイ素原子への結合を有する官能基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。シリル基の炭素数は特に限定されないが、通常、3以上20以下の範囲である。また、ケイ素数は、通常、1以上6以下の範囲である。
−P(=O)R1112は置換基を有していても有していなくてもよく、置換基としては例えばアリール基、ヘテロアリール基などが挙げられ、これらの置換基はさらに置換されていてもよい。
アルケニレン基とは、例えば、ビニル基、アリル基、ブタジエニル基などの二重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基から導かれる2価または3価の基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。アルケニレン基の炭素数は特に限定されないが、通常、2以上20以下の範囲である。
アリーレン基とは、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、ターフェニル基、ピレニル基などの芳香族炭化水素基から導かれる2価または3価の基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。アリーレン基の炭素数は特に限定されないが、通常、6以上40以下の範囲である。
ヘテロアリーレン基とは、フラニル基、チオフェニル基、ピリジル基、キノリニル基、ピラジニル基、ピリミニジニル基、トリアジニル基、ナフチリジル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、インドリル基などの炭素以外の原子を一個または複数個環内に有する環状芳香族基から導かれる2価または3価の基を示し、これは置換基を有していても有していなくてもよい。ヘテロアリーレン基の炭素数は特に限定されないが、通常、2以上30以下の範囲である。
また、R〜R10は任意の隣接する基(例えば一般式(1)のRとR)が互いに結合して、共役または非共役の縮合環を形成していてもよい。縮合環の構成元素としては、炭素以外にも窒素、酸素、硫黄、リンおよびケイ素から選ばれる元素を含んでいてもよい。また、縮合環がさらに別の環と縮合してもよい。
〜R10の中で、いずれか1〜4個は上記一般式(2)で表される基である。一般式(2)で表される基は電子受容性であるシアノ基を含む。ピレン誘導体において一般式(2)で表される基の数を増やすほど、当該ピレン誘導体の吸収スペクトルが長波長化する。したがって、一般式(2)で表される基の数を調整することによって、一般式(1)で表される化合物の極大吸収波長を任意に選択することが可能となる。さらに、一般式(1)で表される化合物は分子内に電子受容性であるシアノ基を含むことにより、高い電子輸送性を有する。そのため、光電変換層で発生した電子を電極側へ効率良く運ぶことができ、高い光電変換効率を得られる。
一般式(2)で表される基が一般式(1)で表される化合物において複数含まれる場合、それぞれの基は同一であっても異なっていてもよい。
一般式(2)で表される基の中で、Lがアルケニレン基、アリーレン基またはヘテロアリーレン基であると、ピレン骨格同士の分子相互作用が抑制され、高い光電変換効率が可能となると同時に、安定な薄膜が形成できるため好ましい。中でも、炭素数1〜20のアルケニレン基、炭素数4〜14のアリーレン基または炭素数4〜14のヘテロアリーレン基であると、原料の入手や合成プロセスが容易になり、コストダウンが可能となるため、さらに好ましい。さらに可視領域の光を吸収しやすい点で、Lはアルケニレン基であることが好ましく、青色光を選択的に検出しやすい点からビニレン基であることが好ましい。また、一般式(2)で表される基においてnは1または2から選択されるが、nが2であると電子受容性がより優れ、後述するn型半導体材料としてより機能しやすいので好ましい。
一般式(2)で表される基はR〜R10のうちどの位置に配置されてもよいが、合成の容易さから、R、R、RおよびRのうちの少なくとも一つの位置、またはRおよびRのうちの少なくとも一つの位置に置換されることが好ましい。
また、R〜R10の少なくとも1つがアルキル基またはアリール基であると、一般式(1)で表される化合物同士の相互作用が抑制され、吸収スペクトルの幅が狭くなり、吸収波長の選択性がよくなるため好ましい。また、分子の凝集を防ぐことができるため、経時的に安定に高い光電変換効率が得られる点からも好ましい。特に可視領域における光の吸収係数がより高くなる点からR〜R10の少なくとも1つがアリール基であることがより好ましい。
中でも、R〜R10のうち2つがアリール基であると、分子の凝集を防ぐことができるため、経時的に安定に高い光電変換効率が得られるため好ましい。また、RおよびRの2箇所がアリール基であると、合成プロセスが容易になり、コストダウンが可能となるのでさらに好ましい。
また、R〜R10のうち残りの基は、水素、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、ヘテロアリール基、ハロゲン、アミノ基、シリル基および−P(=O)R1112の中から、いずれの基を選択しても良い。真空蒸着が容易になるという観点から、一般式(1)で表される化合物の分子量が300〜700になるように置換基が適宜組み合わされることか好ましい。これらの基の中でも吸収スペクトルにおいて狭い半値幅を得やすい点で水素が好ましい。また、吸収色を最適化するために、イオン化ポテンシャルを小さくしてバンドキャップを調節するためには、ヘテロアリール基やアミノ基が好ましい。
一般式(1)で表される化合物の一例を以下に示す。
Figure 2016072547
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一般式(1)で表される化合物は、可視領域での高い光吸収係数と高い電子輸送性を有することから、有機層の中でも特に光電変換層に用いられることが好ましい。さらに、光電変換層が2種類の光電変換素子材料で構成されており、そのうちの1種類が前記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。さらに、光電変換層がp型半導体材料およびn型半導体材料の2種類の光電変換材料から構成される場合、一般式(1)で表される化合物はn型半導体材料として用いられることが好ましい。一般式(1)で表される化合物は分子内に電子受容性であるシアノ基を含むことから、正孔よりも電子を輸送しやすい性質を持っているためである。なお、光電変換層のみに一般式(1)で表される化合物を含む構成には限られず、例えば正孔阻止層の電子輸送性を向上させたりキャリア発生数を増やしたりするために、正孔阻止層に一般式(1)で表される化合物を含む構成にしても良いし、素子全体の光吸収性を向上させる目的で電子阻止層や正孔阻止層に一般式(1)で表される化合物を含む構成にしても良い。
ここでいうn型半導体材料とは、電子受容性があって電子を受け取りやすい性質(電子親和力が大きい)を有する電子輸送性の半導体材料を示す。p型半導体材料とは、電子供与性があって電子を放出しやすい性質(イオン化ポテンシャルが小さい)を有する正孔輸送性の半導体材料を示す。光電変換層がp型半導体材料とn型半導体材料から構成される場合、入射光により光電変換層で生成された励起子が基底状態に戻っていく前に効率よく正孔と電子に分離させることができる。分離された正孔と電子はそれぞれp型半導体材料およびn型半導体材料を通って陰極と陽極に流れていくことで高い光電変換効率を得ることができる。
また、一般式(1)で表される化合物は、電荷輸送性の高いピレン骨格を有しているため、効率良く電荷を運ぶことができる。一般式(1)で表される化合物の電荷移動度は、1×10−9cm/Vs以上であることが好ましく、より好ましくは1×10−8cm/Vs以上、さらに好ましくは1×10−7cm/Vs以上である。この電荷輸送性の高いピレン骨格と、一般式(2)で表される置換基を導入することにより電子輸送に適した大きいLUMO準位になることの相乗効果で、優れた電子輸送能を発現することができ、高い光電変換効率を得ることができる。
本明細書における電荷移動度とは、空間電荷制限電流法(SCLC法)により測定された移動度であり、参考文献としては、Adv.Funct.Mater,Vol.16(2006)の701頁などが挙げられる。
次に、光電変換素子を構成する電極や有機層について説明する。
(陽極および陰極)
本発明の光電変換素子において、陰極と陽極は素子の中で作られた電子及び正孔を流し、十分に電流を流せるための役割を有するものであり、光を入らせるために少なくとも一方は透明または半透明であることが望ましい。通常、基板上に形成される陰極を透明電極とする。
陰極は、正孔を光電変換層から効率よく抽出できる材料、かつ光を入らせるために透明であればよい。材料としては酸化錫、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)などの導電性金属酸化物、あるいは金、銀、クロムなどの金属、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリンなどの導電性ポリマーなどが好ましく、ITOガラスやネサガラスを用いることが特に好ましい。透明電極の抵抗は素子で作られた電流を十分流せればよく、素子の光電変換効率の観点からは低抵抗であることが好ましい。例えば300Ω/□以下のITO基板であれば素子電極として機能するので、低抵抗品を使用することが特に好ましい。ITOの厚みは抵抗値に合わせて任意に選ぶ事ができるが、通常50〜300nmの間で用いられることが多い。また、ガラス基板はソーダライムガラス、無アルカリガラスなどが用いられ、また厚みも機械的強度を保つのに十分な厚みがあればよいので、0.5mm以上あれば十分である。ガラスの材質は、ガラスからの溶出イオンが少ない方がよいので無アルカリガラスが好ましく、またSiO2などのバリアコートを施したソーダライムガラスも使用できる。さらに、陰極が安定に機能するのであれば、基板はガラスである必要はなく、例えばプラスチック基板上に陽極を形成しても良い。ITO膜形成方法は、電子線ビーム法、スパッタリング法、化学反応法など特に制限を受けるものではない。
陽極は、電子を光電変換層から効率良く抽出できる物質が好ましく、白金、金、銀、銅、鉄、錫、亜鉛、アルミニウム、インジウム、クロム、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、セシウム、ストロンチウムなどがあげられる。電子抽出効率をあげて素子特性を向上させるためにはリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、セシウムまたはこれら低仕事関数金属を含む合金が有効である。しかし、これらの低仕事関数金属は、一般に大気中で不安定であることが多く、例えば、正孔阻止層に微量のリチウムやマグネシウム、セシウム(真空蒸着の膜厚計表示で1nm以下)をドーピングして安定性の高い電極を使用する方法が好ましい例として挙げることができる。またフッ化リチウムのような無機塩の使用も可能である。更に電極保護のために白金、金、銀、銅、鉄、錫、アルミニウム、インジウムなどの金属、またはこれら金属を用いた合金、そしてシリカ、チタニア、窒化ケイ素などの無機物、ポリビニルアルコール、塩化ビニル、炭化水素系高分子などを積層することが好ましい。これらの電極の作製法も抵抗加熱、電子線ビーム、スパッタリング、イオンプレーティング、コーティングなど導通を取ることができる方法がよい。
なお、イメージセンサとして使用する場合においては、陽極に対し陰極が負の電位になるように外部から電界を印加すると、光電変換層において発生した電子が陽極側に、正孔が陰極側に導かれやすくなるので、光電変換効率を向上させる効果が生じる。この場合、印加電圧としては10V/m以上10V/m以下であることが好ましい。印加電圧が10V/mより小さいと、発生した電荷を効率良く電極へ運べなくなるので光電変換効率が低下し、10V/mより大きいと、暗電流が多くなるためにS/N比が低下したり、電流リークが発生する確率が高くなる。また、陽極と陰極の間に電界を印加しなくても、陽極と陰極を繋いで閉回路にした時に内蔵電界によって光電変換素子に電荷が流れるので、光起電力性素子として使用することも可能である。
(光電変換層)
光電変換層とは入射光を吸収して電荷を発生する光電変換が生じる層である。これは単独の光電変換材料で構成されても良いが、p型半導体材料とn型半導体材料とで構成されることが好ましい。この際、p型半導体材料とn型半導体材料はそれぞれ単独でも複数でもよい。光電変換層では光電変換材料が光を吸収し、励起子を形成した後、電子と正孔がそれぞれn型半導体材料とp型半導体材料により、分離される。このように分離された電子と正孔はそれぞれ伝導準位と価電子準位を通して両極まで流され、電気エネルギーを発生させる。
光電変換層を構成する光電変換材料は上述の一般式(1)で表される化合物のほか、以前から光電変換材料として知られていた材料を併用しても良い。また、上述の一般式(1)で表される化合物が光電変換層以外の有機層に用いられる場合は、以前から光電変換材料として知られていた材料を単独もしくは混合物として用いることができる。光電変換材料の光吸収波長領域によって、光電変換層の吸収波長が決められるため、用いようとする色に対応する光吸収特性の材料を用いることが好ましい。例えば、青色の光電変換素子では400nm〜500nmで光を吸収する材料で光電変換層を構成する。また、光電変換層を2種以上の材料で構成する場合、p型半導体材料とn型半導体材料が含まれると、光電変換層で発生したキャリアのうち、正孔はp型半導体材料を流れやすくなり、電子はn型半導体材料を流れやすくなるために、正孔と電子を効率良く分離することができる。そのため、高い光電変換効率を得るためには、p型半導体材料とn型半導体材料のそれぞれのエネルギー準位が異なる材料で光電変換層が構成され、さらに光電変換層で発生した正孔と電子が電極側に移動できるように電荷輸送性の高い材料で光電変換層を構成する。
p型半導体材料はイオン化ポテンシャルが比較的に小さく、電子供与性があって正孔輸送性化合物であれば、どの有機化合物でも良い。p型有機半導体材料の例としてはナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、トリフェニレン、ペリレン、フルオランテン、フルオレン、インデンなどの 縮合多環芳香族誘導体を有する化合物やその誘導体、シクロペンタジエン誘導体、フラン誘導体、チオフェン誘導体、ピロール誘導体、ベンゾフラン誘導体、ベンゾチオフェン誘導体、インドール誘導体、ピラゾリン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、カルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、N,N’−ジナフチル−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミンなどの芳香族アミン誘導体、スチリルアミン誘導体、ベンジジン誘導体、ポルフィリン誘導体、フタロシアニン誘導体、 キナクリドン誘導体などを挙げられる。特に縮合多環芳香族誘導体を有する化合物や、キナクリドン誘導体は正孔輸送性に優れているので好ましい材料である。
ポリマー系では、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリチオフェン誘導体を挙げられるが特にこれらに限定されるものではない。
n型半導体材料は電子親和力が高く、電子輸送性の化合物であれば、どの材料でもよい。n型半導体材料の例としてはナフタレン、アントラセンなどの縮合多環芳香族誘導体、4,4’−ビス(ジフェニルエテニル)ビフェニルに代表されるスチリル系芳香環誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピロロピリジン誘導体、ペリノン誘導体、ピロロピロール誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、芳香族アセチレン誘導体、アルダジン誘導体、ピロメテン誘導体、ジケトピロロ[3,4−c]ピロール誘導体、イミダゾール、チアゾール、チアジアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾールなどのアゾール誘導体およびその金属錯体、アントラキノンやジフェノキノンなどのキノン誘導体、リンオキサイド誘導体、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム(III)などのキノリノール錯体、ベンゾキノリノール錯体、ヒドロキシアゾール錯体、アゾメチン錯体、トロポロン金属錯体およびフラボノール金属錯体などの各種金属錯体を挙げられる。
また分子内にニトロ基、シアノ基、ハロゲンまたはトリフルオロメチル基を有する有機化合物や、キノン系化合物、マレイン酸無水物、フタル酸無水物などの酸無水物系化合物、C60、PCBMなどのフラーレンおよびフラーレン誘導体、なども挙げられる。
また炭素、水素、窒素、酸素、ケイ素、リンの中から選ばれる元素で構成され、電子受容性窒素を含むヘテロアリール環構造を有する化合物もあげられる。ここで言う電子受容性窒素とは、隣接原子との間に多重結合を形成している窒素原子を表す。窒素原子が高い電子陰性度を有することから、該多重結合は電子受容的な性質を有する。それゆえ、電子受容性窒素を含む芳香族複素環は、高い電子親和性を有し、n型半導体材料として好ましい。
電子受容性窒素を含むヘテロアリール環としては、例えば、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、キノリン環、キノキサリン環、ナフチリジン環、ピリミドピリミジン環、ベンゾキノリン環、フェナントロリン環、イミダゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンズイミダゾール環、フェナンスロイミダゾール環などが挙げられる。
これらのヘテロアリール環構造を有する化合物としては、例えば、ベンズイミダゾール誘導体、ベンズオキサゾール誘導体、ベンズチアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、ピラジン誘導体、フェナントロリン誘導体、キノキサリン誘導体、キノリン誘導体、ベンゾキノリン誘導体、ビピリジンやターピリジンなどのオリゴピリジン誘導体、キノキサリン誘導体およびナフチリジン誘導体などが好ましい化合物として挙げられる。中でも、トリス(N−フェニルベンズイミダゾール−2−イル)ベンゼンなどのイミダゾール誘導体、1,3−ビス[(4−tert−ブチルフェニル)1,3,4−オキサジアゾリル]フェニレンなどのオキサジアゾール誘導体、N−ナフチル−2,5−ジフェニル−1,3,4−トリアゾールなどのトリアゾール誘導体、バソクプロインや1,3−ビス(1,10−フェナントロリン−9−イル)ベンゼンなどのフェナントロリン誘導体、2,2’−ビス(ベンゾ[h]キノリン−2−イル)−9,9’−スピロビフルオレンなどのベンゾキノリン誘導体、2,5−ビス(6’−(2’,2”−ビピリジル))−1,1−ジメチル−3,4−ジフェニルシロールなどのビピリジン誘導体、1,3−ビス(4’−(2,2’:6’2”−ターピリジニル))ベンゼンなどのターピリジン誘導体、ビス(1−ナフチル)−4−(1,8−ナフチリジン−2−イル)フェニルホスフィンオキサイドなどのナフチリジン誘導体が、電子輸送能の観点から好ましく用いられる。
好ましいn型半導体材料としては、上述の材料群が使用できるが特に限定されるものではない。
(電荷阻止層)
電荷阻止層とは、光電変換層で光電変換された電子および正孔を効率よくかつ安定に電極から取り出すために用いられる層であり、電子を阻止する電子阻止層と正孔を阻止する正孔阻止層とが挙げられる。これらは無機物から構成されても良いし、有機化合物から構成されても良い。さらに、無機物と有機化合物の混合層からなってもよい。
正孔阻止層とは、光電変換層で生成された正孔が陽極側に流れ、電子と再結合するのを阻止するための層であり、各層を構成する材料の種類によっては、この層を挿入することにより正孔と電子の再結合が抑制され、光電変換効率が向上する。したがって、正孔阻止性材料は光電変換材料よりもHOMOレベルがエネルギー的に低いものがよい。光電変換層からの正孔の移動を効率よく阻止できる化合物が好ましく、具体的には8−ヒドロキシキノリンアルミニウムに代表されるキノリノール誘導体金属錯体、トロポロン金属錯体、フラボノール金属錯体、ペリレン誘導体、ペリノン誘導体、ナフタレン誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アルダジン誘導体、ビススチリル誘導体、ピラジン誘導体、ビピリジン、ターピリジンなどのオリゴピリジン誘導体、フェナントロリン誘導体、キノリン誘導体、芳香族リンオキサイド化合物などがある。これらの正孔阻止材料は単独でも用いられるが、異なる正孔阻止材料と積層または混合して使用しても構わない。
電子阻止層とは、光電変換層で生成された電子が陰極側に流れ、正孔と再結合するのを阻止するための層であり、各層を構成する材料の種類によっては、この層を挿入することにより正孔と電子の再結合が抑制され、光電変換効率が向上する。したがって、電子阻止性材料は光電変換材料よりもLUMOレベルがエネルギー的に高いものがよい。光電変換層からの電子の移動を効率よく阻止できる化合物が好ましく、具体的にはN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミン、N,N’−ビス(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジフェニル−1,1’−ジアミンなどのトリフェニルアミン類、ビス(N−アリルカルバゾール)またはビス(N−アルキルカルバゾール)類、ピラゾリン誘導体、スチルベン系化合物、ジスチリル誘導体、ヒドラゾン系化合物、オキサジアゾール誘導体やフタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体に代表される複素環化合物、ポリマー系では前記単量体を側鎖に有するポリカーボネートやスチレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリシランなどが挙げられるが、素子作製に必要な薄膜を形成し、光電変換層から正孔を抽出できて、さらに正孔を輸送できる化合物であれば良い。これらの電子阻止材料は単独でも用いられるが、異なる電子阻止材料と積層または混合して使用しても構わない。
以上の正孔阻止層、電子阻止層は単独または二種類以上の材料を積層、混合するか、高分子結着剤としてポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルフォン、ポリフェニレンオキサイド、ポリブタジエン、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリサルフォン、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン樹脂などの溶剤可溶性樹脂や、フェノール樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などの硬化性樹脂などに分散させて用いることも可能である。
有機層の形成方法は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング、分子積層法、コーティング法など特に限定されるものではないが、通常は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着が特性面で好ましい。層の厚みは、有機物質の抵抗値にも影響されるが、1〜1000nmの間から選ばれる。
<イメージセンサ>
本発明の光電変換素子はイメージセンサに好適に利用できる。イメージセンサは光学的な映像を電気的な信号に変換する半導体素子である。一般的にイメージセンサは光を電気エネルギーに変換する前述の光電変換素子と電気エネルギーを電気信号に読み出す回路で構成される。イメージセンサの用途によって、複数の光電変換素子を一次元直線または二次元平面に配列することができる。また、モノカラーのイメージセンサの場合は1種の光電変換素子で構成されてもよいが、カラーイメージセンサの場合は、2種以上の光電変換素子で構成され、例えば赤色光を検出する光電変換素子、緑色光を検出する光電変換素子、および青色光を検出する光電変換素子で構成される。各色の光電変換素子は積層構造を有する、すなわち一つの画素に積層されていてもよいし、横に並んでマトリクス構造で構成されてもよい。
なお、光電変換素子が一つの画素に積層された構造の場合は、図5に示すように、緑色光を検出する光電変換素子32、青色光を検出する光電変換素子33、赤色光を検出する光電変換素子31を順次積層した3層構造でも良く、図6に示すように緑色光を検出する光電変換素子32を上層に全面配置し、赤色光を検出する光電変換素子31、青色光を検出する光電変換素子33をマトリクス構造で形成された2層構造でも良い。この構造は、緑色光を検出する光電変換素子が入射光に対して最も近い層に配置されているものである。各色の積層の順序はこれに限らず、図5とは異なっていても良いが、最上層の光電変換素子が特定色を吸収し、かつ特定色以外の長波長光および短波長光を透過させる色フィルタとしての機能を有する観点から、緑色の光電変換素子を最上層に配置する構成が好ましい。また、短波長の検出しやすさの観点で、青色の光電変換素子を最上層に配置する構成をとっても良い。
またマトリクス構造の場合は、ベイヤー配列、ハニカム配列、ストライプ状配列、デルタ配列などの配列から選択することができる。また、緑色光を検出する光電変換素子に有機光電変換材料を使用し、赤色光を検出する光電変換素子および青色光を検出する光電変換素子については、従来用いられている無機系の光電変換材料や有機光電変換材料から適宜組み合わせて用いてもよい。
本発明のイメージセンサは、2種類以上の光電変換素子で構成され、そのうちの少なくとも1種類の光電変換素子が前述の光電変換素子であることが好ましい。また、その2種類以上の光電変換素子が積層構造を有していることが好ましい。特に、一般式(1)で表される化合物は、特に青色光を選択的に検出する能力に優れているので、青色光を検出する光電変換素子に使用することが好ましい。したがって、一般式(1)で表される化合物が含まれるイメージセンサは、赤色光、緑色光、青色光を検出する光電変換素子で構成され、前記積層構造のうちの1種類の光電変換素子が、青色光を検出する光電変換素子であることが好ましい。
以下、実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお、下記の各実施例にある化合物の番号は前記に記載した化合物の番号を指すものである。また構造分析に関する評価方法を下記に示す。
H−NMRは超伝導FTNMR EX−270(日本電子(株)製)を用い、重クロロホルム溶液にて測定を行った。
吸収スペクトルはU−3200形分光光度計(日立製作所(株)製)を用い、石英基板上に50nmの膜厚で蒸着して測定を行った。吸収係数は Lambert−Beer Lawにより計算した。
合成例1
化合物[82]の合成方法
1,6−ジブロモピレン(5.0g)、フェニルボロン酸(4.2g)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(25mg)、2.0M炭酸ナトリウム水溶液(35ml)、ジメトキシエタン(35ml)の混合溶液を窒素気流下、3時間還流した。反応溶液を室温まで冷却した後、水を加え固体を析出させ、ろ過した。得られた個体を水とメタノールで洗浄した後、ろ過した。得られた固体をトルエンに加熱溶解し、活性炭1gを加えて1時間還流した後、ろ過した。得られた固体を真空乾燥し、白色粉末4.3gを得た。
次に、上記白色粉末(4.3g)、ジクロロメチルメチルエーテル(1.8g)、メチレンクロリド(120ml)の混合溶液を窒素気流下、0℃で攪拌した。この混合溶液に四塩化チタンの1.0Mメチレンクロリド溶液を滴下した後、0℃で2時間攪拌した。反応溶液を氷水に加え、30分間攪拌した後、メチレンクロリドで抽出した。得た溶液を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過後溶媒を留去した。得た固体をトルエンで再結晶した後、真空乾燥して黄色粉末3.5gを得た。
次に、上記黄色粉末(3.5g)、マロノニトリル(0.6g)、β―アラニン(12mg)、エタノール220mlの混合溶液を窒素気流下、4時間還流した。反応溶液を室温まで冷却した後、ろ過した。得た固体に酢酸ブチル(200ml)を加え、2時間還流し、更に室温で2時間した後、ろ過した。得た固体を真空乾燥し、赤色粉末2.9gを得た。
得られた粉末のH−NMR分析結果は次の通りであり、上記で得られた赤色粉末が化合物[82]であることが確認された。
H−NMR(CDCl(d=ppm)):7.52−7.57(m,2H),7.59−7.68(m,8H),8.11−8.13(d,1H),8.23−8.29(m,3H),8.36−8.38(d,1H),8.43−8.45(d,1H),8.75(s,1H),8.94(s,1H)
また、化合物[82]の光吸収特性は以下のようになった。
最大吸収波長:λmax489nm(薄膜:50nm)
最大吸収波長における半値幅:105nm
最大吸収波長における吸収係数:6.51×10/cm
実施例1
化合物[82]を用いた光電変換素子を次のように作製した。ITO透明導電膜を150nm堆積させたガラス基板(旭硝子(株)製、15Ω/□、電子ビーム蒸着品)を30×40mmに切断、エッチングを行った。得られた基板をアセトン、”セミコクリーン(登録商標)56”(フルウチ化学(株)製)で各々15分間超音波洗浄してから、超純水で洗浄した。続いて、イソプロピルアルコールで15分間超音波洗浄してから熱メタノールに15分間浸漬させて乾燥させた。この基板を、素子を作製する直前に1時間UV−オゾン処理し、真空蒸着装置内に設置して、装置内の真空度が5×10−5Pa以下になるまで排気した。抵抗加熱法によって、電子阻止層として酸化モリブデンを30nm蒸着した。次に、光電変換層としてp型半導体材料である化合物D−1とn型半導体材料である化合物[82]を蒸着速度比1:1で70nm共蒸着した。次に、アルミニウムを60nm蒸着して陰極とし、2×2mm角の光電変換素子を作製した。ここで言う膜厚は、水晶発振式膜厚モニター表示値である。
また、吸収スペクトル測定用の基板作製のために、光電変換層の蒸着と同時に同一チャンバー内に石英基板を置き、70nmの薄膜を作製した。
紫外・可視分光光度計にて、石英基板上の蒸着膜の400nm〜700nmの吸収スペクトルを測定したところ、光吸収特性は以下のようになった。
最大吸収波長:495nm
最大吸収波長における半値幅:105nm
最大吸収波長における吸収係数:4.37×10/cm。
光電変換素子にバイアス電圧(−3V)を印加したときの分光感度特性は以下の通りとなった。
最大感度波長:490nm
最大感度波長における外部量子効率:22%。
Figure 2016072547
比較例1
光電変換層を蒸着する時、化合物[82]の代わりにA−1を蒸着したこと以外は実施例1と同様にして光電変換素子を作製した。
また、実施例1と同様に400nm〜700nmの吸収スペクトルを測定したところ、光吸収特性は以下のようになった。
最大吸収波長:512nm
最大吸収波長における半値幅:52nm
最大吸収波長における吸収係数:4.72×10/cm。
光電変換素子にバイアス電圧(−3V)を印加したときの分光感度特性は以下の通りとなった。
最大感度波長:510nm
最大感度波長における外部量子効率:10%。
Figure 2016072547
本発明の光電変換素子はイメージセンサや太陽電池などの分野に応用可能であり、具体的には、携帯電話、スマートフォン、タブレット型パソコン、デジタルスチルカメラなどに搭載された撮像素子や、光起電力発生器、可視光センサなどのセンシングデバイスなどの分野に利用可能である
10 第一電極
13 電子阻止層
15 有機層
17 正孔阻止層
20 第二電極
31 赤色光を検出する光電変換素子
32 緑色光を検出する光電変換素子
33 青色光を検出する光電変換素子

Claims (11)

  1. 第一電極と第二電極の間に少なくとも一層の有機層が存在し、光を電気エネルギーに変換する光電変換素子であって、前記有機層に下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする光電変換素子。
    Figure 2016072547
    (R〜R10はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲン、アミノ基、シリル基および−P(=O)R1112および下記一般式(2)で表される基からなる群より選ばれる基である。R〜R10は隣接する基が互いに結合して環構造を形成していても良い。R11およびR12はアリール基またはヘテロアリール基である。ただし、R〜R10は、そのうちいずれか1〜4個が下記一般式(2)で表される基である;
    Figure 2016072547
    Lはアルケニレン基、アリーレン基またはヘテロアリーレン基である。nは1または2である。)
  2. 一般式(1)のR、R、RおよびRのうち少なくとも1つが一般式(2)で表される請求項1記載の光電変換素子。
  3. 一般式(1)のRおよびRのうち少なくとも1つが一般式(2)で表される請求項1記載の光電変換素子。
  4. 一般式(1)のR〜R10の少なくとも1つがアルキル基またはアリール基である請求項1〜3のいずれかに記載の光電変換素子。
  5. 前記有機層が光電変換層を含み、該光電変換層に前記一般式(1)で表される化合物を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の光電変換素子。
  6. 前記光電変換層が2種類の光電変換素子材料で構成されており、そのうちの1種類が前記一般式(1)で表される化合物である請求項5記載の光電変換素子。
  7. 前記2種類の光電変換素子材料がそれぞれp型半導体材料およびn型半導体材料の誘導体であり、前記一般式(1)で表される化合物がn型半導体材料であることを特徴とする請求項6記載の光電変換素子。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の光電変換素子を有するイメージセンサ。
  9. 2種類以上の光電変換素子で構成され、そのうちの少なくとも1種類の光電変換素子が請求項1〜7のいずれかに記載の光電変換素子である請求項8記載のイメージセンサ。
  10. 前記2種類以上の光電変換素子が積層構造を有し、そのうち少なくとも1種類の光電変換素子が請求項1〜7のいずれかに記載の光電変換素子である請求項9記載のイメージセンサ。
  11. 赤色光、緑色光、青色光を検出する光電変換素子で構成され、前記積層構造のうちの1種類の光電変換素子が、青色光を検出する光電変換素子であることを特徴とする請求項10記載のイメージセンサ。
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