JP2016008211A - 歯科用修復材組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記式(1)で表される(メタ)アクリルアミド化合物(A)、該化合物(A)及び酸性基含有重合性単量体を除く重合性単量体(B)、平均粒子径0.10〜1.0μmの微粒子からなる充填材(C)及び重合開始剤(D)を含有する歯科用修復材組成物。
[R1はH又はメチル基;XはH又はC1〜C3の脂肪族基;Yは−R2−OR3;R2はC1〜C10の脂肪族基;R3はH又はC1〜C4の脂肪族基;X、R2及びR3の脂肪族基は−O−、−NR4−、−CO−NR4−等の結合基によって中断されていてもよい;R4はH又はC1〜C6の脂肪族基、XとYはR3を介して含窒素単環式複素環を形成していてもよい(但し、XとYが複素環を形成せず、かつXが脂肪族基である場合を除く)]
【選択図】なし
Description
で表される(メタ)アクリルアミド化合物(A)、前記(メタ)アクリルアミド化合物(A)及び酸性基含有重合性単量体を除く重合性単量体(B)、充填材(C)及び重合開始剤(D)を含有し、重合性単量体(B)100重量部に対して、充填材(C)が100〜900重量部含有されている歯科用修復材組成物である。
で表される(メタ)アクリルアミド化合物(A−1)であること、又は前記(メタ)アクリルアミド化合物(A)が式(1)において、R2が置換基を有していてもよいC1〜C4の直鎖又は分岐鎖の脂肪族基を表し、XとYがR3を介して結合して置換基を有していてもよい含窒素単環式複素環を形成する、複素環型(メタ)アクリルアミド化合物(A−2)であることが好ましい。また、前記歯科用修復材組成物は、重合性単量体(B)が、単官能性(メタ)アクリレート重合性単量体、二官能性(メタ)アクリレート重合性単量体、及び/又は三官能性以上の(メタ)アクリレート重合性単量体からなる群から選ばれる1種以上であることが好ましい。さらに、前記歯科用修復材組成物は、充填材(C)が、表面処理剤で表面処理を施されたものであることが好ましい。
本発明における(メタ)アクリルアミド化合物(A)は、下記式(1)
で表される化合物である。その中でも水溶性、すなわち25℃における水に対する溶解度が10重量%以上のものが好ましく、30重量%以上のものがさらに好ましく、任意の割合で水に溶解可能なものが最も好ましい。
で表される(メタ)アクリルアミド化合物(A−1)又は、
式(1)において、R2が置換基を有していてもよいC1〜C4の直鎖又は分岐鎖の脂肪族基を表し、XとYがR3を介して結合して置換基を有していてもよい含窒素単環式複素環を形成する、複素環型(メタ)アクリルアミド化合物(A−2)が好ましい。
本発明で用いられる、(メタ)アクリルアミド化合物(A)及び酸性基含有重合性単量体を除く重合性単量体(B)は、公知の重合性単量体がなんら制限なく用いられ、一般には、ラジカル重合性単量体が好適に用いられる。重合性単量体(B)に含まれない酸性基含有重合性単量体としては、酸性基を有するものであれば特に限定されないが、例えば、カルボン酸基含有重合性単量体、リン酸基含有重合性単量体(例えば、10−メタクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート等)、ホスホン酸基含有重合性単量体、ピロリン酸基含有重合性単量体、スルホン酸基含有重合性単量体、スルフィン酸基含有重合性単量体等が挙げられる。本発明の修復材組成物において、滑沢耐久性が低下するおそれがある、研磨性が低下するおそれがある等の点から、酸性基含有重合性単量体は含まれないことが好ましい。重合性単量体(B)におけるラジカル重合性単量体としては、例えば、α−シアノアクリル酸、(メタ)アクリル酸、α−ハロゲン化アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸、マレイン酸、イタコン酸等のエステル化合物、ビニルエステル類、ビニルエーテル類、モノ−N−ビニル誘導体、スチレン誘導体等が挙げられる。これらの中では、(メタ)アクリル酸エステルが好ましい。前記重合性単量体(B)は、いずれも、それぞれ単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。なお、本発明において(メタ)アクリルの表記は、メタクリルとアクリルの両者を包含する意味で用いられる。
(I)一官能性(メタ)アクリレート
メチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2,3−ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、エリトリトールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムブロマイド、(メタ)アクリロイルオキシドデシルピリジニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシヘキサデシルピリジニウムクロライド、(メタ)アクリロイルオキシデシルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
二官能性(メタ)アクリレートとしては、例えば、芳香族系の二官能(メタ)アクリレート性重合性単量体、脂肪族系の二官能性(メタ)アクリレート重合性単量体が挙げられる。芳香族系(芳香族環含有化合物)の二官能(メタ)アクリレート性重合性単量体としては、例えば、2,2−ビス[(メタ)アクリロイルオキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシテトラエトキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル]プロパン、2−〔4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル〕−2−〔4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル〕プロパン、2−〔4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル〕−2−〔4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシフェニル〕プロパン、2−〔4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル〕−2−〔4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシイソプロポキシフェニル]プロパン等が挙げられる。これらの中でも、2,2−ビス[4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]プロパン(通称「Bis−GMA」)、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−メタアクリロイルオキシポリエトキシフェニル]プロパン(エトキシ基の平均付加モル数が2.6のもの、通称「D−2.6E」)、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシテトラエトキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル]プロパンが好ましく、Bis−GMA、D−2.6Eがより好ましい。
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、N,N’−(2,2,4−トリメチルヘキサメチレン)ビス〔2−(アミノカルボキシ)プロパン−1,3−ジオール〕テトラメタクリレート、1,7−ジアクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラアクリロイルオキシメチル−4−オキシヘプタン等が挙げられる。
本発明の歯科用修復材組成物は、平均粒子径が0.10〜1.0μmからなる充填材(C)を含む。平均粒子径が0.10μm未満の場合には、硬化物の研磨性は十分なものになるものの、ペーストに粘度上昇が生じやすくコンポジットレジンに好適な粘度のペーストを得られなくなるおそれがあり、また充填材(C)の含有量を高くすることが難しくなって機械的強度が低下するおそれがある。平均粒子径が1.0μmより大きい場合には、十分な機械的強度が得られるものの、初期の光沢を得るための研磨性が低下するおそれがある。研磨性が低下すると、臨床の現場では、硬化物の光沢を得るために長時間の研磨を要し、処理時間が長くなるため好ましくない。加えて、臨床において重要となる長期間における研磨性、すなわち滑沢耐久性については、平均粒子径が1.0μmより大きい場合には、早期に低下してしまうおそれがある。平均粒子径は、組成物の硬化物の高い機械的強度、研磨性及び滑沢耐久性、ならびにペーストの高い操作性が得られやすいことから、0.11〜0.95μmの範囲がより好ましく、0.12〜0.80μmの範囲がさらに好ましく、0.13〜0.60μmの範囲がとりわけ好ましく、0.14〜0.39μmの範囲が特に好ましい。なお、充填材(C)の平均粒子径は、レーザー回折散乱法により、求めることができる。具体的には、レーザー回折式粒度分布測定装置(SALD−2100:島津製作所製)により、0.2%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を分散媒に用いて測定することができる。
本発明の歯科用修復材組成物は、重合硬化を容易にするために、重合開始剤(D)を含有する。
本発明の歯科用修復剤組成物は、平均粒子径が5〜50nmの無機超微粒子からなる平均粒子径が1.0〜10.0μmの凝集体(E)をさらに含有することができる。前記凝集体(E)の平均粒子径は、1.2〜8.0μmが好ましく、1.5〜5.0μmがより好ましい。前記無機超微粒子の平均粒子径は、10〜45nmが好ましく、15〜40nmがより好ましい。凝集体(E)及び無機超微粒子の平均粒子径の測定方法は、後記する実施例に記載のとおりである。凝集体(E)としては、比表面積が30〜600m2/g程度の範囲内にあるものが好ましく、40〜400m2/g程度の範囲内にあるものがより好ましく、50〜200m2/g程度の範囲内にあるものがさらに好ましい。比表面積の測定方法は、後記する無機超微粒子(F)と同様である。凝集体(E)は高い研磨性及び機械的物性を維持したまま、さらにペーストの取り扱い性を向上させることができる。凝集体(E)の配合量は、特に限定されないが、ペーストの操作性を向上させる効果が高いことから、重合性単量体(B)100重量部に対して、1〜100重量部が好ましく、2〜80重量部がより好ましく、5〜50重量部がさらに好ましい。
本発明の歯科用修復剤組成物は、平均粒子径が5〜50nmの無機超微粒子(F)をさらに含有することができる。前記無機超微粒子(F)の平均粒子径は、ペーストの操作性の向上効果が高く、高い機械的強度が得られる点から、10〜45nmが好ましく、15〜40nmがより好ましい。無機超微粒子(F)の平均粒子径の測定方法は、後記する実施例に記載のとおりである。無機超微粒子(F)は高い研磨性及び機械的物性を維持しながら、さらにペーストの取り扱い性を向上させるために、使用することができる。無機超微粒子(F)の配合量は、特に限定されないが、ペーストの操作性を向上させる効果が高いことから、重合性単量体(B)100重量部に対して、1〜100重量が好ましく、2〜80重量部がより好ましく、5〜50重量部がさらに好ましい。
HMAA:N−ヒドロキシメチルアクリルアミド
HBAA:N−ヒドロキシブチルアクリルアミド
DAAM:ジアセトンアクリルアミド
NMMA:N−メトキシメチルメタクリルアミド
DEAA:N,N−ジエチルアクリルアミド
ACMO:4−アクリロイルモルホリン
D−2.6E:2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン(エトキシ基の平均付加モル数=2.6)
TEGDMA:トリエチレングリコールジメタクリレート
Bis−GMA:2,2−ビス[4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]プロパン
DD:1,10−デカンジオールジメタクリレート
MDP:10−メタクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート
バリウムガラス(ショット社製、GM27884NF180)100重量部に対して、7重量部のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理し、平均粒子径0.18μmの充填材c−1を得た。
バリウムガラス(ショット社製、GM27884UF0.4)100重量部に対して、8重量部のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理し、平均粒子径0.40μmの充填材c−2を得た。
バリウムガラス(ショット社製、GM27884UF0.7)100重量部に対して、3重量部のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理し、平均粒子径0.70μmの充填材c−3を得た。
バリウムガラス(ショット社製、GM27884UF1.5)100重量部に対して、2重量部のγ―メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理し、平均粒子径1.50μmの充填材c−4を得た。
凝集シリカ(商品名:シリカマイクロビード P−500、超微粒子平均粒子径12nm、凝集体平均粒子径2μm、日揮触媒化成社製)100g、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン20g、及びトルエン200mLを三口フラスコに入れ、2時間、室温下で攪拌した。トルエンを減圧下で留去した後、40℃で16時間真空乾燥を行い、さらに90℃で3時間加熱し、平均粒子径1.6μm、屈折率1.44、比表面積99m2/g、細孔容積0.19mL/gのシラン処理無機凝集体e−1を得た。
略球状超微粒子ヒュームドシリカ(商品名:アエロジル130、平均粒子径16nm、日本アエロジル社製、比表面積130m2/g、屈折率1.45)100重量部に対して、40重量部のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理し、無機超微粒子f−1を得た。
表1又は2に示す重合性単量体(B)総量100重量部に対してカンファーキノン1重量部、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル1.5重量部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(MAPO)1.25重量部、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)0.25重量部、チヌビン326(Tinuvin 236、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)1.5重量部及び蛍光顔料ルミノックスブルー0.25重量部を混合し、重合性単量体組成物を得た。
平均粒子径は体積中位粒径のことであり、体積中位粒径とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。
測定機:SALD−2100型(島津製作所製)
解析方法:光透過式遠心沈降法
分散液:0.2%ヘキサメタリン酸ナトリウム
分散条件:前記分散液20mLに試料15mgを添加し、超音波分散機にて30分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記試料分散液を測定し、体積中位粒径及び0.03〜100μmの粒子径を有する粒子数の割合を求める。
無機超微粒子(F)の平均粒子径は、超微粒子の走査型電子顕微鏡(日立製作所製、S−4000型)写真を撮影し、その写真の単位視野内に観察される粒子(200個以上)の粒子径を、画像解析式粒度分布ソフトウェア(Macview(株式会社マウンテック))を用いて測定することにより、求めることができる。このとき、粒子の粒子径は、その粒子と同一の面積を持つ円の直径である円相当径として求められ、粒子の数とその粒子径より、平均一次粒子径が算出される。
充填操作のしやすさの観点から、金属製の充填器具を用いてプラスチック製の模擬窩洞(5級窩洞を模した3mm×4mm×2mmの穴)に、製造した歯科用修復材組成物を用いて25℃でペースト充填操作を行う。充填操作のしやすさの観点から、以下の基準に従い評価点をつける。実用的観点から、評価点のS、A又はBを合格とした。
S:充填器具から離れ易く、ベタツキを感じない
A:充填器具から離れることができ、ベタツキを感じない
B:充填器具から離れることができるが、ベタツキを少し感じる
C:充填器具から離れづらく、ベタツキを感じる
D:充填器具から離れず、ベタツキを感じる
製造した歯科用修復材組成物をステンレス製の金型(厚さ1mm、直径15mm)に充填した。上下面をスライドガラスで圧接し、片面から歯科用可視光照射器ペンキュア2000(モリタ社製)で、10秒光照射して硬化させた。硬化物を金型から取り出した後、600番の耐水研磨紙で研磨し、この研磨面を、コンポマスター(松風社製)を用いて5000rpmで研磨を10秒行った。この面の光沢を、光沢度計(日本電色(株)製、VG−2000)を用い、鏡を100%としたときの割合で示した。測定の角度は、60度とした。光沢度は60%以上を合格とし、65%以上がより好ましく、70%以上がさらに好ましい。
製造した歯科用修復材組成物をステンレス製の金型(厚さ1mm、直径15mm)に充填した。上下面をスライドガラスで圧接し、片面から歯科用可視光照射器ペンキュア2000(モリタ社製)で、10秒光照射して硬化させた。硬化物を金型から取り出した後、綺麗な平滑面を#1500研磨紙、#2000研磨紙、#3000研磨紙の順に乾燥条件下で研磨し、最後にダイヤモンドペーストで光沢度が90となるまで研磨した。光沢度は、研磨滑沢性試験の光沢度測定と同様に実施した。作製した試験片を、歯ブラシ磨耗試験{歯ブラシ:ビットウィーンライオン(硬さふつう)、歯磨き粉:デンタークリアーMAX(ライオン社製)、荷重250g、試験溶液:蒸留水/歯磨き粉=90/10wt%(50mL)、磨耗回数4万回}に供した。歯ブラシ摩耗試験後の試験片の光沢度を測定した。光沢度は45%以上を合格とし、50%以上がより好ましく、55%以上がさらに好ましい。
製造した歯科用修復材組成物をステンレス製の金型(2mm×2mm×30mm)に充填した。上下面をスライドガラスで圧接し、両面から歯科用可視光照射器ペンキュア2000(モリタ社製)で、5点10秒照射し硬化させた。試験片は、37℃の水中に24時間浸漬し、万能試験機(インストロン社製)を用いて、クロスヘッドスピードを1mm/minに設定して、支点間距離20mmで3点曲げ試験法により曲げ強さを測定した。曲げ強さは、130MPa以上を合格とし、135MPa以上がより好ましく、140MPa以上がさらに好ましい。
製造例7で得られた重合性単量体(B)の組成物に、下記表1〜2に示された、(メタ)アクリルアミド化合物(A)、充填材(C)、無機凝集体(E)及び無機超微粒子(F)を混合練和して均一にしたものを真空脱泡し、実施例1〜19及び比較例1〜10のペースト状の歯科用修復材組成物を調製した。調製した歯科用修復材組成物について特性評価試験を実施した。結果を下記表1〜2に示す。
Claims (12)
- 下記式(1)
で表される(メタ)アクリルアミド化合物(A)、前記(メタ)アクリルアミド化合物(A)及び酸性基含有重合性単量体を除く重合性単量体(B)、平均粒子径0.10〜1.0μmの微粒子からなる充填材(C)及び重合開始剤(D)を含有し、重合性単量体(B)100重量部に対して、充填材(C)が100〜900重量部含有されていることを特徴とする歯科用修復材組成物。 - 前記(メタ)アクリルアミド化合物(A)が、下記式(2)
で表される(メタ)アクリルアミド化合物(A−1)である請求項1に記載の歯科用修復材組成物。 - R3が、水素原子を表すことを特徴とする請求項2に記載の歯科用修復材組成物。
- 前記(メタ)アクリルアミド化合物(A)が、式(1)において、R2が置換基を有していてもよいC1〜C4の直鎖又は分岐鎖の脂肪族基を表し、XとYがR3を介して結合して置換基を有していてもよい含窒素単環式複素環を形成する、複素環型(メタ)アクリルアミド化合物(A−2)であることを特徴とする請求項1に記載の歯科用修復材組成物。
- Xが水素原子又は置換基を有していてもよいメチル基又はエチル基を表し、R3が水素原子又はメチル基、エチル基又はプロピル基を表すことを特徴とする請求項4に記載の歯科用修復材組成物。
- 重合性単量体(B)が、単官能性(メタ)アクリレート重合性単量体、二官能性(メタ)アクリレート重合性単量体、及び/又は三官能性以上の(メタ)アクリレート重合性単量体からなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の歯科用修復材組成物。
- 二官能性(メタ)アクリレート重合性単量体が、芳香族系の二官能(メタ)アクリレート性重合性単量体及び/又は脂肪族系の二官能性(メタ)アクリレート重合性単量体であることを特徴とする請求項6に記載の歯科用修復材組成物。
- 重合性単量体(B)が、芳香族系の二官能(メタ)アクリレート性重合性単量体及び脂肪族系の二官能性(メタ)アクリレート重合性単量体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の歯科用修復材組成物。
- 充填材(C)が、表面処理剤で表面処理を施されたものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の歯科用修復材組成物。
- 表面処理剤が、有機ケイ素化合物、有機チタン化合物、有機ジルコニウム化合物、及び有機アルミニウム化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機金属化合物であることを特徴とする請求項9に記載の歯科用修復材組成物。
- 前記歯科用修復材組成物が、さらに重合性単量体(B)100重量部に対して、平均粒子径が5〜50nmの無機超微粒子からなり、平均粒子径が1.0〜10.0μmの凝集体(E)を、1〜100重量部含有することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の歯科用修復材組成物。
- 前記歯科用修復材組成物が、さらに重合性単量体(B)100重量部に対して、平均粒子径が5〜50nmの無機超微粒子(F)を、1〜100重量部含有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の歯科用修復材組成物。
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