JP2022515851A - 歯科用コーティング組成物及びそれを含む歯科材料 - Google Patents
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Abstract
Description
一方、歯科表面のコーティング材料として、様々な光照射波長条件に応じて使用できるモノマーと光重合開始剤などに対する様々な化合物が提案されてきた。紫外線波長条件での光重合が可能なオリゴマー、光重合が可能なモノマー、及び紫外線反応型光重合開始剤などで構成してアクリル系ハードコーティング技術として多く使用されている。
一方、不均一表面及び未硬化層の問題を解決するために、光重合型歯科表面コーティング材料を構成する組成物に対して、改善によって、光重合型歯科表面コーティング材料は使用条件および発生する問題点を解決してきた。しかし、オリゴマー、モノマー開始剤などだけで組成物を構成する場合に、口腔内の様々な条件で使用されながら、表面劣化に起因する素材の着色及び汚染問題が発生し、硬化後の歯科表面コーティング物質の耐久性が低下するという問題点があった。
前記フィラーは、第1平均粒径(average particle diameter、r1)を有する第1フィラーと、第2平均粒径(average particle diameter、r2)を有する第2フィラーと、を含み、
第1平均粒径が第2平均粒径よりも小さいものである、歯科用組成物が提供できる。
また、第1フィラーの平均粒径r1に対する第2フィラーの平均粒径r2の比r2/r1が10~100であることができる。
また、第1フィラーの平均粒径r1に対する第2フィラーの平均粒径r2の比r2/r1が20~30であることができる。
また、前記フィラーは、第1フィラーの含有量m1に対する第2フィラーの含有量m2の比m2/m1が0.3~2.0であることができる。
また、前記フィラーは、第1フィラーの含有量m1に対する第2フィラーの含有量m2の比m2/m1が0.5~1.0であることができる。
また、前記第1フィラーの平均粒径が0.01~0.05μmであることができる。
また、前記第2フィラーの平均粒径が0.2~5μmであることができる。
また、前記第2フィラーの平均粒径が0.2~1μmであることができる。
また、前記歯科用組成物は、前記不飽和二重結合化合物100重量部に対して前記フィラー5~60重量部を含むことができる。
また、前記歯科用組成物は、前記重合開始剤0.01~5重量部をさらに含むことができる。
また、前記歯科用組成物は、酸化防止剤0.01~5重量部をさらに含むことができる。
また、前記歯科用組成物は、前記第1フィラー及び前記第2フィラーとはそれぞれ異なる平均粒径を有する第3フィラーをさらに含むことができる。
また、前記フィラーは、無機フィラーまたは有機フィラーを含むことができる。
また、前記不飽和二重結合化合物は、メタクリレート系化合物またはアクリレート系化合物を含むことができる。
また、前記歯科用組成物は、歯のコーティング用として使用できる。
本発明の他の態様によれば、本発明の歯科用組成物を含む歯科材料が提供できる。
また、以下で使用された第1、第2などの序数を含む用語は、様々な構成要素を説明するために使用できるが、これらの構成要素は、上記の用語によって限定されない。上記の用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲から外れることなく、第1構成要素は第2構成要素と命名でき、同様に第2構成要素も第1構成要素と命名できる。
単数の表現は、文脈上明白に異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするもので、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組み合わせの存在又は付加の可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
本発明の歯科用組成物は、不飽和二重結合を有するモノマー、及び不飽和二重結合を有するモノマーのオリゴマーよりなる群から選択された1種以上を含む不飽和二重結合化合物と;フィラーと;を含み、前記フィラーは、第1平均粒径(average particle diameter)を有する第1フィラーと、第2平均粒径(average particle diameter)を有する第2フィラーと、を含み、第1平均粒径が第2平均粒径よりも小さいことができる。
本発明の歯科用組成物は、不飽和二重結合化合物を含むことができる。前記不飽和二重結合化合物は、本発明において、前記不飽和二重結合を有するモノマーまたはモノマーオリゴマーは二重結合を2つ以上有する化合物であれば種類に制限されず、二重結合を有するモノマーまたはオリゴマーとしてメタクリレート系化合物またはアクリレート系化合物を使用することができる。
本発明の歯科用組成物は、フィラーを含むことができる。ここで、前記歯科用組成物は、前記不飽和二重結合化合物100重量部に対して前記フィラー5~60重量部を含むことができる。
前記フィラーは、第1平均粒径(average particle diameter)を有する第1フィラーと、第2平均粒径(average particle diameter)を有する第2フィラーと、を含み、第1平均粒径が第2平均粒径よりも小さいことができる。
また、前記フィラーは、第1フィラーの含有量m1に対する第2フィラーの含有量m2の比m2/m1が0.1~3.0、好ましくは0.3~2.0、より好ましくは0.5~1.0であることができる。ここで、前記第1フィラーの含有量m1に対する第2フィラーの含有量m2の比m2/m1が0.1未満である場合には、2種のフィラーの混合による多分散効果が減少して機械的物性が低下するので好ましくなく、3.0を超える場合には、2種のフィラーによる多分散状態にならなくて機械的物性が低下するので好ましくない。
また、前記第2フィラーよりも平均粒径の小さい前記第1フィラーの平均粒径は、0.005~0.1μm、好ましくは0.01~0.05μmであることができ、ここで、第1フィラーの平均粒径が0.005μm未満である場合には、第1フィラーによる粘度が高くなってコーティング後にも流れ跡が発生するので好ましくなく、0.1μmを超える場合には、第2フィラーとの平均粒径の差が大きくなくて平均粒径の差がないため、フィラーの含有量を高めることができなくて機械的物性が低下するので好ましくない。
また、前記歯科用組成物は、前記第1フィラー及び前記第2フィラーとはそれぞれ異なる平均粒径を有する第3フィラーをさらに含むことができる。
また、前記フィラーとして、無機フィラーまたは有機フィラーを単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
また、前記フィラーとして、合成非晶質シリカ(Synthetic amorphous silica)、結晶性シリカ(Crystalline silica)及びジルコニアを単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
前記歯科用組成物は、前記重合開始剤を0.01~5重量部、好ましくは0.01~3重量部、より好ましくは0.01~1重量部をさらに含むことができる。
本発明において、光重合方法は、紫外線重合または可視光線重合によって行われることができる。紫外線重合の場合は、ベンゾインアルキルエーテルなどの光重合開始剤によって重合可能であり、可視光線重合の場合は、カンファーキノンなどの光重合開始剤によって重合可能である。この光重合開始剤を単独でまたは2種混合して使用することができる。また、前記光重合開始剤の含有量は、重合反応を誘導しながら生成物の物性に影響を及ぼさない範囲内で調節されなければならない、
前記重合開始剤の含有量が0.01重量部未満である場合には、光重合開始剤が発生しないという問題があり、前記重合開始剤の含有量が5重量部を超える場合には、添加される含有量に応じて効果が増大せず、組成物の物性に悪影響を及ぼすおそれがあって好ましくない。
本発明の歯科用組成物は、酸化防止剤0.01~5重量部をさらに含むことができる。また、前記酸化防止剤として、フェノール系防止剤またはホスフェート系防止剤を単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。酸化防止剤としては、代表的に2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール(BHT、2,6-di-tert-butyl-p-cresol)または2,6-ジ-tert-ブチル-4メチルフェノールブチル化ヒドロキシトルエンを使用することができる。
この他にも、本発明の歯科用組成物は、通常の添加剤を含有することができるが、重合禁止剤、調色剤、蛍光剤、フッ素添加剤などがあり、色調節のための顔料としては、黄色、紺色、赤色を示す酸化鉄又は酸化チタンを組成物に添加して色を調節することができる。
また、前記歯科用組成物は、歯のコーティング用として使用できる。
本発明の他の態様によれば、本発明の歯科用組成物を含む歯科材料が提供できる。
実施例1
本発明に係る歯科用組成物として、モノマーはウレタンジメタクリレート70重量部、光重合開始剤はカンファーキノン1重量部、酸化防止剤はBHT(2,6-di-tert-butyl-p-cresol)0.4重量部、フィラーは平均粒径0.02μmのシリカ15重量部と平均粒径0.5μmのシリカ13.6重量部を含むように、歯科用組成物を製造した。
モノマーはウレタンジメタクリレート90重量部、光重合開始剤はカンファーキノン1重量部、酸化防止剤はBHT(2,6-di-tert-butyl-p-cresol)0.4重量部、フィラーは平均粒径0.02μmのシリカ6重量部と平均粒径0.5μmのシリカ4重量部を含むように、歯科用組成物を製造した。
モノマーはウレタンジメタクリレート30重量部とメチルメタクリレート40重量部、光重合開始剤はカンファーキノン1重量部、酸化防止剤はBHT(2,6-di-tert-butyl-p-cresol)0.4重量部、フィラーは平均粒径0.02μmのシリカ6重量部と平均粒径0.5μmのシリカ4重量部を含むように、歯科用組成物を製造した。
モノマーはウレタンジメタクリレート70重量部、光重合開始剤はカンファーキノン1重量部、酸化防止剤はBHT(2,6-di-tert-butyl-p-cresol)0.4重量部、フィラーは平均粒径0.02μmのシリカ28.6重量部を含むように、歯科用組成物を製造した。
モノマーはウレタンジメタクリレート70重量部、光重合開始剤はカンファーキノン1重量部、酸化防止剤はBHT(2,6-di-tert-butyl-p-cresol)0.4重量部、フィラーは平均粒径0.5μmのシリカ28.6重量部を含むように、歯科用組成物を製造した。
モノマーはウレタンジメタクリレート70重量部、光重合開始剤はカンファーキノン1重量部、酸化防止剤はBHT(2,6-di-tert-butyl-p-cresol)0.4重量部、フィラーは平均粒径0.02μmのシリカ5重量部と平均粒径10μmのシリカ23.6重量部を含むように、歯科用組成物を製造した。
試験例1:未硬化の測定
実施例1~3と比較例1~3に対してコーティング厚さは0.05mmとなるようにし、UV Light(波長400nm台)によって常温で5分間照射して硬化させた後、同じ時間での硬化反応後の表面状態の未硬化有無を比較した。
実施例1~3と比較例1~3に対して試験例1と同様の方法で硬化させた後、対面角136°のピラミッド型ダイヤモンド圧子を材料の表面に軽く当てて窪み(pit)を作り、荷重を490.3mNに10秒間維持してから除去した後、圧痕に対して横(d1)と縦(d2)の長さで測定して、下記式1を用いて硬度を計算することにより、下記表2に比較した。
一方、実施例1~3の組成物から確認された硬度値は、比較例1~3に比べて高い硬度値であった。これは、サイズの異なるフィラーが混合されて充填密度が増加するにつれて機械的物性が増加し、相対的に一つのフィラーの種類又は一定のサイズ以上のフィラーが過量混合される場合には、充填密度が相対的に低いため硬度値が低く現れたのである。
本発明の範囲は、上記の詳細な説明よりは、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその均等概念から導き出されるすべての変更または変形形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
Claims (17)
- 不飽和二重結合を有するモノマー、及び不飽和二重結合を有するモノマーのオリゴマーよりなる群から選択された1種以上を含む不飽和二重結合化合物と;
フィラーと;を含み、
前記フィラーは、第1平均粒径(average particle diameter、r1)を有する第1フィラーと、第2平均粒径(average particle diameter、r2)を有する第2フィラーと、を含み、
第1平均粒径が第2平均粒径よりも小さいものである、歯科用組成物。 - 前記第1フィラーの平均粒径(r1)に対する前記第2フィラーの平均粒径(r2)の比(r2/r1)が5~300であることを特徴とする、請求項1に記載の歯科用組成物。
- 前記第1フィラーの平均粒径(r1)に対する前記第2フィラーの平均粒径(r2)の比(r2/r1)が10~100であることを特徴とする、請求項2に記載の歯科用組成物。
- 前記第1フィラーの平均粒径(r1)に対する前記第2フィラーの平均粒径(r2)の比(r2/r1)が20~30であることを特徴とする、請求項3に記載の歯科用組成物。
- 前記フィラーは、前記第1フィラーの含有量(m1)に対する前記第2フィラーの含有量(m2)の比(m2/m1)が0.1~3.0であることを特徴とする、請求項1に記載の歯科用組成物。
- 前記フィラーは、前記第1フィラーの含有量(m1)に対する前記第2フィラーの含有量(m2)の比(m2/m1)が0.3~2.0であることを特徴とする、請求項5に記載の歯科用組成物。
- 前記フィラーは、前記第1フィラーの含有量(m1)に対する前記第2フィラーの含有量(m2)の比(m2/m1)が0.5~1.0であることを特徴とする、請求項6に記載の歯科用組成物。
- 前記第1フィラーの平均粒径が0.005~0.1μmであることを特徴とする、請求項1に記載の歯科用組成物。
- 前記第1フィラーの平均粒径が0.01~0.05μmであることを特徴とする、請求項8に記載の歯科用組成物。
- 前記第2フィラーの平均粒径が0.2~5μmであることを特徴とする、請求項1に記載の歯科用組成物。
- 前記第2フィラーの平均粒径が0.2~1μmであることを特徴とする、請求項10に記載の歯科用組成物。
- 前記歯科用組成物が重合開始剤をさらに含み、
前記不飽和二重結合化合物100重量部と、
前記フィラー5~60重量部と、
前記重合開始剤0.01~5重量部と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の歯科用組成物。 - 前記歯科用組成物が、前記第1フィラー及び前記第2フィラーとはそれぞれ異なる平均粒径を有する第3フィラーをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の歯科用組成物。
- 前記フィラーが、合成非晶質シリカ(synthetic amorphous silica)、結晶性シリカ(crystalline silica)、バリウムシリケート(barium silicate)、バリウムボロシリケート(barium borosilicate)、バリウムフルオロアルミノボロシリケート(barium fluoroaluminoborosilicate)、バリウムアルミノボロシリケート(barium aluminoborosilicate)、ストロンチウムシリケート(strontium silicate)、ストロンチウムボロシリケート(strontium borosilicate)、ストロンチウムアルミノボロシリケート(strontium aluminoborosilicate)、カルシウムシリケート(calcium silicate)、アルミノシリケート(alumino silicate)、窒化ケイ素(silicon nitrides)、二酸化チタン(titanium dioxide)、カルシウムヒドロキシアパタイト(calcium hydroxy apatite)、ジルコニア(zirconia)、及び生理活性ガラス(Bioactive glass)よりなる群から選択された1種以上を含むことを特徴とする、請求項1に記載の歯科用組成物。
- 前記不飽和二重結合を有する化合物は、
2,2-ビス[4-(2-ヒドロキシ-3-メタクリルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン(Bis-GMA)、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)、エチレングリコールジアクリレート(EDGA)、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、トリエチレングリコールジアクリレート(TEGDA)、エトキシレートビスフェノールAジメタクリレート(Bis-EMA)、ウレタンジメタクリレート(UDMA)、ポリウレタンジアクリレート(PUDA)、ジペンタエリトリトールペンタアクリレートモノホスフェート(dipentaerythritol pentaacrylate monophosphate、PENTA)、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(2-hydroxyethyl methacrylate、HEMA)、ポリアルケン酸(polyalkenoic acid)、ビフェニルジメタクリレート(biphenyl dimethacrylate、BPDM)、ビフェニルジアクリレート(biphenyl diacrylate、BPDA)、及びグリセロールホスフェートジメタクリレート(glycerol phosphate dimethacrylate、GPDM)よりなる群から選択された1種以上を含むことを特徴とする、請求項1に記載の歯科用組成物。 - 前記歯科用組成物が歯のコーティング用として使用されることを特徴とする、請求項1に記載の歯科用組成物。
- 請求項1に記載の歯科用組成物を含む歯科材料。
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