JP2016007729A - マーキング、マーキング方法、およびインクジェットプリンタ - Google Patents

マーキング、マーキング方法、およびインクジェットプリンタ Download PDF

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Abstract

【課題】
低温保管しなければならない医薬品、冷凍食品が規定温度以上の高温にさらされたことを発色により示すサーモクロミックマーキングにおいて、
高速で、且つ平坦でない部材にも印字可能で、しかも扱いを簡便にするためマーキングに用いる材料を常温に貯蔵していても印字前に発色してしまわないサーモクロミックマーキング方法の開発、及びそのマーキングを可能とする装置。
【解決手段】
基材に形成されるマーキングにおいて、
前記マーキングが前記基材の上に形成される顕色剤層、
バリア層、発色剤層からなり、
前記バリア層が前記顕色剤層と発色剤層に相溶せず、
前記顕色剤層と発色剤層が接すると発色剤層が発色することを特徴とするマーキング、
及び前記マーキングを形成する装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、ある一定以上の温度に曝されると不可逆的に発色、或いは変色するサーモクロミックマーキングに関する。具体的にはサーモクロミックマーキングを形成する方法、及び形成に用いる装置に関する。
医薬品、冷凍食品等、世の中には冷蔵、或いは冷凍保存する必要のある商品が多い。工場で製造されたこれらの商品は、そのまま保冷機能を有する車両で病院、スーパー、卸売業者等の顧客に輸送されるが、一部は工場内の倉庫で一時保管された後、顧客に輸送される。
ここで輸送、或いは保管の際、適正な温度で管理されなければ商品は変質していく。例えば、医薬品の場合は薬効の低下や有害な物質が発生、或いは増加する問題が生じる。また冷凍食品の場合も変性による味、風味の劣化、腐敗等の変質の問題が生じる。
医薬品に関しては、EUでは適切な温度管理等を定めたGood Distribution Practice of Medical Products for Human Use(2013/C 68/01)が2013年9月より施行されている。これにより、医薬品を輸送するコンテナ内の温度管理は温度センサによるリアルタイム管理、ペンレコーダー等による記録が行われるようになってきた。しかし、工場からかなりの数がまとまって輸送される場合はこのような管理ができても、卸売り業者から1個〜数個ずつの管理で病院等に搬送される場合はここまで厳密な管理は人員・コスト両面から見て困難な状況である。
そこで、ある一定の温度(保存上限温度)に達した場合に不可逆的着色を起こす不可逆的サーモクロミックマーキングが検討されている。これは保管温度が適切であれば発色しないが、保管温度が適正値を超えると発色し、再び冷却してもその発色が消色しないマーキングである。このようなマーキングを行うことにより適正な保管温度を超えた履歴が残り、商品の変性が起こった場合の原因を判断することが可能となる。
このようなマーキングとして、特許文献1に、ある一定温度以上になると、顕色剤層と発色剤層が接触して不可逆的に発色するサーモクロミックマーキングが記載されている。
特開平10−287863号公報 特開2009−196208号公報
特許文献1の技術は、単に不可逆的な発色により保存の上限温度を超えたことを示すものであり、それ以外の情報を付加するという発想はなかった。しかし、発色剤層を細かなドット等で形成できれば、記号や文字の形で発色させることが可能となるため、単に発色による保管温度の管理状況が判るだけでなく、商品を製造した工場名、製造番号、製造年月日等の情報も隠し文字として入れることが可能となる。また、バーコード、マトリックス型二次元コード等の情報も印字可能なので、これらを読み取るリーダーを商品受け渡し場所に備えることで物流の管理が容易になる。
本発明の一つの側面は、基材上に規定した温度以上になると発色するマーキングを形成する方法である。この方法は、基材に顕色剤または発色剤を含む第1の部材を形成する第1の工程と、第1の部材を被覆するバリア層を形成する第2の工程と、バリア層に顕色剤または発色剤のうち第1の部材と異なる方を含む第2の部材を形成する第3の工程とを備える。そして、第1の工程または第3の工程の少なくとも片方は、顕色剤または発色剤を含む液体を液滴化する工程と、液体の液滴を基材またはバリア層に被着させる工程とを有する。
本発明の他の側面は、インクを格納するインク容器と、インクの液滴を吐出するインクジェットヘッドと、インク容器から前記インクジェットヘッドにインクを供給するインク供給路を有し、インクの液滴により被印字物上に任意のパターンを形成するインクジェットプリンタである。このプリンタは、インクの少なくとも一部を、摂氏15℃未満の温度に保持するよう冷却可能な冷却装置を有する。
本発明の他の側面は、基材に形成されるマーキングである。このマーキングは、基材の上に形成される顕色剤層、バリア層、発色剤層からなる。バリア層は第1の温度では顕色剤層と発色剤層とを非接触に保ち、第2の温度では顕色剤層と発色剤層とを接触させる構成を有する。顕色剤層および発色剤層のうち少なくとも一方は複数のドット形状で形成され、複数のドットにより所定パターンが形成されている。そして、第2の温度で顕色剤層と発色剤層が接すると発色剤層が発色し、所定パターンを可視化することを特徴とする。
ここでドット形状とは、層が水平方向に断続的な構造をしていることをいう。インクジェットプリンタを用いてパターンを描画した場合の典型的な例としては、ドットは直径0.3〜0.5mmの概略円形状、ドット間隔は0.3〜0.5mmである。ただし、本発明ではドットの形状、サイズ、及び間隔はこれに限定されるものではない。
本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」などの表記は、構成要素を識別するために付するものであり、必ずしも、数または順序を限定するものではない。
本明細書で発色剤とは、医薬品、冷凍食品などの製品(以下、印字基材と記述)に接触する際は無色、或いは淡色であり、酸性、或いは塩基性の薬品と接することにより発色する薬剤と定義する。また本明細書で顕色剤とは酸性、或いは塩基性を示す無色、或いは淡色の薬剤と定義する。
本発明ではバリア層が温度以上になると溶解、或いは軟化することにより顕色剤と発色剤が接触し、発色剤の発色が開始する仕組みである。
層の構成は、印字機材の表面に顕色剤、バリア層、発色剤の順、或いはその逆に発色剤、バリア層、顕色剤の順とすることができる。
本発明によると、単に発色による保管温度の管理状況が判るだけでなく、その他の追加情報を付加することが可能となる。
本発明のマーキングの形成方法を示す断面図である。 本発明のマーキングの形成方法を示す断面図である。 マーキングの断面構造図である。 本発明のマーキングの断面構造図である。 本発明のマーキングの断面構造図である。 本発明のマーキングの形成方法を示す断面図である。 本発明のマーキングの形成方法を示す断面図である。 本発明のマーキングの断面構造図である。 本発明のマーキングの断面構造図である。 本発明のマーキング形成装置のバリア層形成機構の模式図である。 本発明のマーキング形成装置の顕色剤層形成機構の模式図である。 本発明のマーキングの顕色剤層が形成されたフィルム断面の模式図である。 本発明のマーキング形成装置の模式図である。 本発明のマーキング形成装置の模式図である。 本発明のマーキング形成装置の模式図である。
以下、図面等を用いて、本発明の実施形態について説明する。
ただし、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。本発明の思想ないし趣旨から逸脱しない範囲で、その具体的構成を変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。
以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、重複する説明は省略する場合がある。
図面等において示す各構成の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
本明細書で引用した刊行物、特許および特許出願は、そのまま本明細書の説明の一部を構成する。
1.マーキングの形成方法
大きく分けて2種類あるのでそれぞれごとに説明する。
(1)印字基材に対し顕色剤層、バリア層、発色剤層の順に形成する方法
始めに印字機材の表面に対して、顕色剤の層を形成する。保存温度に冷却した後、顕色剤層の上に、ある一定温度以上になると溶解、或いは軟化するバリア層を形成する。最後に発色剤を帯電制御方式のインクジェットプリンタ等により印字する。
図1にこの形成プロセス、及び形成状態を示す。
始めに基材1に顕色剤層2を形成する。形成の際は顕色剤を溶解した溶液を塗布した後乾燥する方法、或いは顕色剤を吸収した多孔質剤を貼付する等の方法で形成する。
この上にバリア層3を形成する。形成の際はロールコーティング等の塗布方法が好ましい。顕色剤層とバリア層は基本的にはほぼ均一な厚さの層に形成する。
この上に発色剤層4を形成する。これは均一な層構造では単なる温度履歴のみの情報表示となる。そこで多くの記録情報を形成するために細かなドットを形成する形が望ましい。
ここで例えばバリア層が5℃で溶解する性質がある場合、5℃以上でバリア層が溶解し、顕色層と、細かなドット構造の発色剤層が接触し、発色層が発色する。
図2はフィルム構造を利用した例である。
図2に示すように表面に顕色剤層2を形成し、裏面に接着剤層5を形成したフィルム100を予め形成しておく。これを基材1に貼付し、その上にバリア層3、発色剤層4を形成することにより、本発明のマーキングは完成する。顕色層剤2を貼付により形成可能なので、本発明のマーキングの形成が容易になる利点がある。なお、図2では図示していないが、顕色剤層2と接着剤層5の間には、ポリエチレン、ポリプロピレン等で形成されたフィルム基体があってもよい。この場合、フィルム基体の片面に顕色剤層2が、反対の面に接着剤層5が形成されることになる。
図3は作成されたマーキングの断面構造の他の例を示す図である。
図1では、顕色剤層2はバリア層3に覆われた形を示していた。ここで図3のように、顕色剤層2がバリア層3より大きい場合、マーキング部位が擦られると、発色剤層4がバリア層3から外れ、顕色剤層2の上に付着する可能性がある。その場合はバリア層3が溶解しなくても発色する恐れがある。そのため、顕色剤層2はバリア層3に覆われた構造、つまり顕色剤層2はバリア層3より小さいことが望ましい。
また、発色剤層4は商品運搬の際、指などで擦られ、剥離してしまう恐れもある。この場合は、発色の効果が失われる恐れもある。
図4はマーキングへの指などの接触を考慮した、マーキングの断面構造を示す図である。
図3の構成では、商品の運搬作業の際、印字したマーキング部分に手をかける可能性もあり、その場合、バリア層が破れて発色が起こってしまう。しかし、発色しなければどこにマーキングがあるか目視では判らない可能性もあるので、このような不具合を完全に防ぐのは困難である。そこで、図4に示すように発色剤層4の上にカバー層6を設けてもかまわない。カバー層の材料は発色層の発色が目視で確認できるよう可視領域で透明、或いはほぼ透明である必要がある。
図5はマーキングへの指などの接触を考慮した、マーキングの断面構造の他の例を示す図である。
指などが発色剤層4に直接接触することを防ぐために、図5のように顕色剤層2の端部を盛り上がらせる方法も挙げられる。これは顕色剤層を塗布するときに端部を複数回塗り重ねるなどして作成できる。このような構造とすることにより、顕色剤層2がバリア層3より大きくなっても耐擦性が向上するので好適である。
盛り上がらせる形としては、(a)のように単に断面が長方形となるものに比べると、(b)のように擦れの際のエネルギーを分散できる点で角を若干落とした構造、(c)のように端部の角を完全に落とした構造、加えて(d)のようにカバー層6を設けた構造等が挙げられる。ここに示す4つの中ではカバー層6を設けた(d)が擦れに最も強い構造を取れる可能性がある。しかし形成には最も手間がかかるのでこれを形成する商品のうちでも価格がある程度高額のものに限定される可能性はある。
図5では盛り上がる部分は顕色剤層2の一部としたが、発色剤層4の保護という観点からは、顕色剤である必要はなく、なんらかの盛り上がり部があればよい。ただし、工程の簡略化のためには、顕色剤で構成するのがよい。
(2)印字基材に対し発色剤層、バリア層、顕色剤層の順に形成する方法
電制御方式のインクジェットプリンタ等を用いて発色剤層を形成し、保存温度に冷却した後に、ある一定温度以上になると溶解、或いは軟化するバリア層を設け、その後顕色剤層を形成する。
図6に形成プロセス断面図を示す。
印字基材1の表面に対して、初めに発色剤層4を形成する。発色剤層4の上にバリア層3をロールコーティング等による塗布により形成する。最後に顕色剤を溶解した溶液を塗布等して顕色剤層2を形成する。
図7に他の形成プロセスの断面図を示す。
図6と同様に、発色剤層4とバリア層3を形成する。
ここでカバー層6の裏面に、顕色層2と接着剤層5を形成したフィルム101を用いる。フィルム101のカバー層6が最表面になるため、フィルム101がマーキングの耐擦性を高めるための保護層となる点で好適である。この場合、バリア層3が顕色剤層2とカバー層6に完全に覆われる形が望ましい。これにより、マーキング部位が擦られても、フィルム101がマーキングを保護するので、バリア層3が溶解、或いは軟化しなくても発色する不具合が抑制できる。このフィルム101では、フィルム基材をカバー層6としてマーキング保護のために利用している。
なお、この構造にする場合は、発色剤層が発色したとき、それを認識できるよう、発色層の上に重ねられるバリア層、顕色剤層、フィルム等は可視領域での吸収が僅かな材料を選ぶ必要がある。また透明性が低く濁った材料の場合は光が散乱されて、発色の有無を判断できない場合もあるので、散乱が低い材料であることも望まれる。
(3)マーキングの形成方法の応用
本発明の構造を改良することにより複数の温度履歴情報を得ることが可能となる。溶解、或いは軟化する温度の異なるバリア層を用いる。
図8は本発明のマーキングの断面構造の例である。
図8のマーキングの幾何学的構成は、図2の例と同じである。相違点は、複数のマーキング801と802で、バリア層3の溶解温度が異なる点である。例えばバリア層3aはA℃で溶解し、もう一つのバリア層3bはB℃で溶解するとする。またB℃の方がA℃より高いと仮定する。まずバリア層3aをある顕色剤層2aの上に塗布する。次にバリア層3bを別の顕色剤層2bの上に塗布する。
商品を冷蔵で搬送したところ、バリア層3aを塗布したマーキング801は発色し、バリア層3bを塗布したマーキング802は発色しなかったとすると、その商品は温度がA℃以上でB℃未満の環境に置かれた事が判る。図8ではバリア層3に2種類のバリア層材料を用いているが、これらと溶解する温度が異なる別のバリア層材料を用いることにより、更に細かく保管温度の履歴を調べることが可能となる。
図9は本発明のマーキングの断面構造の他の一例である。
図9のマーキングの幾何学的構成は、図7の例と同じである。相違点は、複数のマーキング901と902で、バリア層3の溶解温度が異なる点である。例えばバリア層3aはA℃で溶解し、もう一つのバリア層3bはB℃で溶解するとする。またB℃の方がA℃より高いと仮定する。まずバリア層3aをある発色剤層4aの上に塗布する。次にバリア層3bを別の発色剤層4bの上に塗布する。
図9の例も、図8の例と同様に細かく温度履歴を調べることができる。また、溶解する温度が異なるバリア層材料の種類を増やせば、更に細かく保管温度の履歴を調べることが可能となる。
2.マーキングに用いる材料
次に本発明のマーキングに用いる発色剤層、顕色剤層、バリア層を形成するための材料について説明する。
(1)発色剤層材料
ここに示す材料は、通常目視では無色、或いは淡色であるが、酸性物質、或いは塩基性物質に触れることにより構造が変化し目視で発色する物質が該当する。ただし、ここではおおよそpH5以上pH8未満の中性付近ではほぼ無色或いは淡色で、おおよそpH5未満で発色する物質を「酸性材料に触れて発色する物質」とし、おおよそpH8以上で発色する物質を「塩基性材料に触れて発色する物質」とする。また物質によっては酸性、中性付近、塩基性でそれぞれ異なる発色を示す化合物もあるので、「酸性材料に触れて発色する物質」と「塩基性材料に触れて発色する物質」両方に記す物質もある。
また、マーキング形成後の商品を種々の角度に傾けて保管する時に流れてしまったりしないよう商品の保管環境では固体のものが望ましい。
A)酸性材料と触れて発色する物質
これに該当する物質としては、メチルバイオレットカルビノールベース、マラカイトグリーンカルビノールベース、チモールブルー、メチルイエロー、メチルオレンジ等が挙げられる。
なお、酸性物質に触れて発色する物質は空気中の炭酸ガス、或いはSOX、NOXといった酸性のガスに接触しても発色する。そのため、本来着色しない温度領域に保存していても発色してしまい、本来の温度管理の目的が達せられない恐れもある。濃度が低い場合でもこれら酸性のガスに長時間暴露されると着色が進行する。
そこで、この問題を抑制するため、発色剤層が酸性物質と接触すると発色する場合、発色剤層に塩基性の高分子を混合することが考えられる。たとえば、発色剤層の材料にはアミノ基を有する高分子を混合するのが好適である。アミノ基は塩基性を示すためアミノ基を有する化合物を共存させることにより、マーキング形成後も発色剤層材料が常に塩基性に保てる。このため、酸性ガス暴露による発色を抑制することが可能となる。
その際、アミノ基を有する化合物が結晶性が低い、或いは非晶質の高分子であれば、発色剤層材料と混合後、ほぼ均一に分散した状態で発色剤層を形成できるので好適である。逆に結晶性の高い材料を用いると、混合した時は均一に近くとも、次第に相分離していく傾向があるので好ましくない。
アミノ基を有する高分子としては、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン等が好適である。
B)塩基性材料に触れて発色する物質
チモールブルー、フェノールレッド、フェノールフタレイン、ナフトールフタレイン、クレゾールレッド、アリザニンイエロー等が挙げられる。
(2)顕色剤層材料
ここに示す材料は酸性物質、或いは塩基性物質であり、これもマーキング形成後の商品を種々の角度に傾けて保管する時に流れてしまったりしないよう商品の保管環境では固体のものが望ましい。例えば、商品を常温で保管する場合には、常温(おおよそ30℃以下)では固体のものが望ましい。また、ほぼ均一な層構造を形成するため非晶質であることが望ましい。
A)酸性物質
これに該当する酸性物質としては、カルボキシル基やスルホン酸基を有する高分子が挙げられる。具体的には、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、スチレンとポリアクリル酸の共重合物、アクリル酸メチルとアクリル酸の共重合物、アクリル酸エチルとアクリル酸の共重合物、アクリル酸プロピルとアクリル酸の共重合物、アクリル酸ブチルとアクリル酸の共重合物、アクリル酸ヘキシルとアクリル酸の共重合物、アクリル酸オクチルとアクリル酸の共重合物、メタクリル酸メチルとアクリル酸の共重合物、メタクリル酸エチルとアクリル酸の共重合物、メタクリル酸プロピルとアクリル酸の共重合物、メタクリル酸ブチルとアクリル酸の共重合物、メタクリル酸ヘキシルとアクリル酸の共重合物、メタクリル酸オクチルとアクリル酸の共重合物、スチレンとポリメタクリル酸の共重合物、アクリル酸メチルとメタクリル酸の共重合物、アクリル酸エチルとメタクリル酸の共重合物、アクリル酸プロピルとメタクリル酸の共重合物、アクリル酸ブチルとメタクリル酸の共重合物、アクリル酸ヘキシルとメタクリル酸の共重合物、アクリル酸オクチルとメタクリル酸の共重合物、メタクリル酸メチルとメタクリル酸の共重合物、メタクリル酸エチルとメタクリル酸の共重合物、メタクリル酸プロピルとメタクリル酸の共重合物、メタクリル酸ブチルとメタクリル酸の共重合物、メタクリル酸ヘキシルとメタクリル酸の共重合物、メタクリル酸オクチルとメタクリル酸の共重合物、スチレンとスチレンスルホン酸の共重合物、アクリル酸メチルとスチレンスルホン酸の共重合物、アクリル酸エチルとスチレンスルホン酸の共重合物、アクリル酸プロピルとスチレンスルホン酸の共重合物、アクリル酸ブチルとスチレンスルホン酸の共重合物、アクリル酸ヘキシルとスチレンスルホン酸の共重合物、アクリル酸オクチルとスチレンスルホン酸の共重合物、メタクリル酸メチルとスチレンスルホン酸の共重合物、メタクリル酸エチルとスチレンスルホン酸の共重合物、メタクリル酸プロピルとスチレンスルホン酸の共重合物、メタクリル酸ブチルとスチレンスルホン酸の共重合物、メタクリル酸ヘキシルとスチレンスルホン酸の共重合物、メタクリル酸オクチルとスチレンスルホン酸の共重合物、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリビニルフェノール等が挙げられる。
また、常温で固体の脂肪族カルボン酸、具体的には融点が30℃のデカン酸、これより炭素数の大きなドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸等も結晶性が低いので顕色層を形成しやすく好適である。更にこれらジカルボン酸を混合して用いることにより結晶性が低下するのでより好ましい。
カルボキシル基を2個有するジカルボン酸は炭素数が2個と最も小さなシュウ酸でも融点が189〜190℃であり、常温では固体である。しかし、結晶性が高いため炭素数の大きなジカルボン酸が好適である。
アジピン酸等は炭素数が短いと結晶化しやすい。そこで、炭素数が大きなジカルボン酸、具体的には炭素数10個のセバシン酸、12個のドデカン酸、14個のテトラデカン酸、16個のヘキサデカン酸等が挙げられる。更にカルボン酸の場合と同様、これらジカルボン酸を混合して用いることにより結晶性が低下するのでより好ましい。
B)塩基性物質
次に塩基性物質としては、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、キトサン、ポリリシン、ポリアルギニン、ポリアニリン等のアミノ基を有する高分子が挙げられる。また、
常温で固体の脂肪族ジアミン、具体的にはジアミノヘキサン、ジアミノオクタン、ジアミノデカン、ジアミノドデカン等も結晶性が低いので顕色剤層が形成しやすく好適である。
モノアミンは炭素数がかなり大きくならないと融点が常温以上にならないが、炭素数14以上では常温で固体であるので好適である。具体的には炭素数14で融点が37℃のテトラデシルアミン、炭素数16のヘキサデシルアミン、炭素数18のオクタデシルアミン等が挙げられる。
ところで、発色剤層の材料は発色の際、酸性或いは塩基性の顕色剤層に接触しただけでは発色が弱く、視認性が低い場合がある。その際は、水分を共存させることにより発色が高くなる発色剤材料もある。例えばフェノールフタレインは水分を共存させないと、ごく薄いピンク色の発色であるが、水分を僅か共存させると良くピンク色発色するようになる。
(3)バリア層材料
ここに示す材料は顕色剤層、発色剤層の間に設けられ、規定の温度になるまでは両者が接触しないようにバリアの役目を果たす。また、バリア層材料はカルボキシル基やスルホン酸基、フェノール性水酸基といった酸性基や、アミノ基のような塩基性基を極力持たない構造が好ましい。これはバリア層が軟化、或いは溶解しなくても、これら酸性基、或いは塩基性基が発色剤と反応して、発色剤が着色してしまう可能性があるからである。
そこでバリア層の候補材料としては、酸性基や、塩基性基を含まない長鎖の炭化水素、或いは幾つかの分岐のある炭化水素が挙げられる。そのほか長鎖炭化水素鎖、或いは分岐炭化水素鎖を有するアルコール、或いはジオール、ケトン、長鎖炭化水素鎖或いは分岐炭化水素鎖を有するアミド、或いはエーテル、エステル等が挙げられる。
例えば、バリア層材料の構成としては、炭素数10〜18の炭化水素からなるものを使用する。あるいは、バリア層材料の構成としては、炭素数10〜18の炭化水素のうち、2種類以上の混合物からなるものを使用する。
長鎖或いは分岐炭化水素鎖、或いは環状炭化水素鎖の炭化水素としては、デカン(-30℃)、2-メチルノナン(46℃)、シクロデカン(9℃)、ドデカン(-12℃)、テトラデカン(6℃)、ヘキサデカン(17℃)、オクタデカン(28℃)等が挙げられる。なおカッコ内は融点である。末端が水酸基のアルコール、或いはジオールとしては、1,3-プロパンジオール(-59℃)、1,4-ブタンジオール(20℃)、1,6-ヘキサンジオール(40℃)、1,2-オクタンジオール(37℃)、1-オクタノール(-16℃)、1-デカノール(6℃)、1-ドデカノール(24℃)、1,2-ドデカンジオール(58℃)、1,12-ドデカンジオール(82℃)、5,6-ドデカンジオール(47℃)、1-テトラデカノール(38℃)、2-テトラデカノール(34℃)、7-テトラデカノール(42℃)、1-ヘキサデカノール(50℃)等が挙げられる。ケトン構造を有する材料としては、2-オクタノン(-16℃)、3-オクタノン(-23℃)、2-デカノン(3℃)、2-ドデカノン(-20℃)、3-ドデカノン(-19℃)、2-テトラデカノン(35℃)、3-テトラデカノン(34℃)、3-ヘキサデカノン(43℃)、プロピオフェノン(18℃)、ブチロフェノン(12℃)、イソブチロフェノン(1℃)、ヘキサノフェノン(26℃)、オクタノフェノン(22℃)、デカノフェノン(35℃)、ドデカノフェノン(45℃)、テトラデカノフェノン(53℃)、ヘキサデカノフェノン(59℃)等が挙げられる。かっこ内には融点の温度を示す。
これらバリア層材料の選定は、マーキングする商品の保管上限温度によって異なる。
例えば、肉類を原料とする冷凍食品の場合は−16℃前後なので、融点が−16℃の1−オクタノール、或いは2−オクタノンといった化合物をバリア層に設ける。魚介類でもう少し低温で保管する場合は、融点が−23℃の3−オクタノンが候補となる。炭水化物系の商品の場合、もう少し高温で保管を考える場合は融点が−12℃のドデカンが候補となる。これらバリア材料はそれのみで使用することも可能であるが、それよりも高融点の化合物を混合させることにより結晶性が低下し、非晶質性となるため、バリア層が緻密となり、発色剤層と顕色剤層の間の遮蔽性が向上するので好ましい。
特に類似の構造の化合物を混合することにより非晶質性が高まる。例えば融点が−12℃のドデカンに対して融点が6℃のテトラデカン、或いは融点が17℃のヘキサデカンを添加することによりバリア層が非晶質性となり、発色剤層と顕色剤層の間の遮蔽性が向上する。
バリア層材料が種々の物質の混合物となっている場合のバリア層が軟化する温度は、混合されている材料の融点、添加率によって変わる。例えばお互いに相溶性の高い融点がA℃の材料aと融点がB℃の材料bを等量混合した場合は、融点は概ねAとBのほぼ中間となる。ただし、2つの材料の融点の差が大きい場合、具体的には50℃以上になると、バリア層の軟化・或いは溶解する温度は融点の低い方の材料の融点とほぼ同じになる。また相溶性の低い材料同士を用いた場合もバリア層の軟化・或いは溶解する温度は融点の低い方の材料の融点とほぼ同じになる。
マーキングする商品が10℃未満の保管を要求される医薬品の場合、融点が6℃のテトラデカン、或いは1−デカノール、または融点が3.5℃の2−ドデカンに融点が17℃のヘキサデカン、或いは融点が19℃の3−ドデカノン、20℃の2−ドデカノンを添加して融点をほぼ10℃に調整する。
(4)フィルム材料
顕色剤層はフィルム上に形成することにより、商品に貼付しやすくなる。
例えば図2に示すように初めに商品に顕色剤層が貼付される場合、フィルムの顕色剤層の形成されていない面は接着層を形成しておく。これにより顕色剤層を有するフィルムが商品に容易に貼付しやすくなる。また図7に示すように発色剤層、バリア層を形成した後で顕色剤層を形成する場合は、顕色剤層を形成している面と同じ側に、商品と接着するための接着層部位を設けることにより、商品への貼付が容易となる。
特に図7の場合は、最表面がフィルムとなるので、本発明のマーキングの物理的強度が向上し、少々擦れても最表面のフィルムがガードしてくれるので好適である。
フィルムの色は、図2の場合は、発色剤層の発色と類似の色の場合、発色の有無が確認しにくい。それ以外の色であれば発色の有無が確認しやすいので好適である。図7の場合は発色の有無を確認するには実質的に透明である必要がある。
フィルムの材料は、安価で種々の有機溶媒に耐えられる点でポリエチレン、ポリプロピレン等の材質が好ましい。ただ種々の接着剤材料を弾くので密着性に難がある。また結晶性の高分子なので厚くなるとフィルムが白っぽくなり、光透過性が低下し、マーキングが発色しているか否かの判断がしにくくなる。そこで対溶剤性に加えて密着性、透明性を付与しやすい樹脂としてポリエチレンテレフタレート(PET)性のフィルムが挙げられる。この樹脂は非晶質であるため、透明性が高く、しかも耐溶剤性も高く、アセトン、アルコール等の汎用有機溶媒には不溶である。またポリエチレン、ポリプロピレン等の炭化水素系樹脂に比べ、臨界表面張力が大きいので接着性に優れる。
(5)カバー層材料
図4、7に示すカバー層6は発色剤層の発色が目視で確認できるよう、目視で透明或いは淡色であることが望まれる。人間の目は400〜700nmの波長の可視光に対する感受性が高いので、この波長域で極力吸収の無い材料がカバー層材料の候補となる。また視認性を高めるため結晶性の高い材料よりは非晶質の材料の方が好ましい。具体的には結晶性の高分子であるポリエチレンやポリプロピレン等よりは、非晶質のPET樹脂、或いはポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等が好ましい。ただ、結晶性の樹脂でもカバー層を薄く形成することにより、光の透過性を向上させることによって使用は可能である。
また、カバー層材料は発色剤層、バリア層、顕色剤層を溶解しない部材であることも必須条件となる。更にカバー層材料を有機溶媒等に溶解し、発色剤層、バリア層、顕色剤層を形成した上に塗布し、カバー層を形成する場合は、カバー層材料を溶解している溶媒が発色剤層、バリア層、顕色剤層を溶解しないものを選ぶ必要がある。
3.マーキングの形成装置
次に、本発明のマーキングを形成する装置について説明する。
マーキングを形成する装置は、顕色剤層を形成する装置、バリア層を形成する装置、発色剤層を形成する装置が必要となる。また場合によってはカバー層を形成する装置も必要となる。
マーキングする際、印字部分は平らなものばかりでなく、アンプル等の場合は円筒形の曲面に印字する必要も出てくる。
また、医薬品のアンプル等、複数の対象物に印字する際は、かなりの速度で印字を行わねばならない。
上記の要求に対応するために、種々の形状に高速に印字できる構成として、本実施例ではインクジェットプリンタの原理を応用した例を示す。ただし、通常のインクジェットプリンタでは、内蔵するポンプ、電子基板等からの発熱のため、室温が20℃程度でも装置内部の温度が40〜50℃と高くなっている。そのためインクタンクを装置の外に出したとしても、インクは20℃以上になる場合がある。
このため、対象物側に、既にバリア層が形成されており、その上に印字する場合、インクの熱でバリア層を損なわないための、インクの温度管理が必要となる。
また、対象物側に印字してからバリア層を形成する場合であっても、印字されたインクの熱が後に形成されるバリア層に影響を与えないように、インクの温度に配慮することが望ましい。
なお、インクを冷却する公知例として、例えば、特許文献2がある。特許文献2では、印字品質を保つために、インクの温度を規定温度(15〜40℃)に設定する構成を示す。しかしながら、例えば医薬品の品質保持のための温度は15℃未満、好ましくは10℃以下であり、マーキングはこの温度以下で形成する必要がある(すなわちバリア層をこの温度以下に保つ必要がある)。例えば、日本工業規格(JIS K0050 化学分析方法通則)では、冷所は1℃〜15℃としている。医薬品の種類にもよるが、2℃〜8℃で保存できれば理想的である。
また、流通過程における冷凍食品の品質保持のための温度は、0℃以下、好ましくはマイナス20℃以下であり、マーキングはこの温度以下で形成する必要がある。例えば日本工業規格(JIS 9607 電気冷蔵庫及び電気冷凍庫)では、家庭用の冷凍室の温度として、マイナス6℃以下、12℃以下、18℃以下の3種類を規定している。よって、通常の印刷用途ではなく、温度履歴管理のためのマーキングを形成可能な本実施例の装置では、通常の印刷用インクの規定温度を下回る温度で冷却を可能とする必要がある。
また、マーキングの形成は、商品の品質保持に適した温度に保たれた環境下で行うことが望ましい。よって、本実施例のマーキング形成装置は、例えば、医薬品においては10℃以下、冷凍食品においては0℃以下の環境下で使用される。
(1)顕色剤層、及びバリア層を形成する装置
顕色剤層を形成する場合は、図1に示すように顕色剤材料を直接商品の基材上に塗布する場合、及び図2に示すように顕色剤層を形成したフィルムを貼付する場合で装置が異なる。そこで、それぞれについて説明する。
(A)顕色剤を塗布する場合
図10は本発明のマーキング形成装置の層形成機構の模式図である。
まず、顕色剤の充填されたホッパー10の開口部11から、顕色剤12を排出することにより、基材1の上に塗布する。顕色剤層2の幅、厚さは開口部11のサイズで制御する。顕色剤層2を所望の長さまで塗布したら、ホッパー10を立てることによりスキージ13で顕色剤の帯を切断する。
なお、用いる顕色剤材料のタンク、及びタンクからホッパーに顕色剤材料を送る際に用いるコンプレッサー等の汎用機器はこの図では省略している。
また、ここでは顕色剤は何らかの有機溶媒に溶解、または懸濁した形で使用する。またバリア層材料は溶解していなければ、ホッパー等のバリア層材料が接する部分が加熱可能な加熱機構を設けた構造とする。塗布の際は加熱機構を働かせ、バリア層材料を溶解し、塗布する。
図10で示す装置以外に、バーコーターやアプリケーター等でも形成可能であるが、これらは少量ロットの場合は使えるが、大量ロット生産には向かないので、量産性を考慮すると、図10のような形が好ましい。
(B)顕色剤層を形成したフィルムを貼付する場合
図11は本発明のマーキング形成装置の顕色剤層形成機構の模式図である。
この装置構成は、顕色剤層を形成したフィルムを一定の長さで切断する機構、切断したフィルムを、基材、或いはバリア層上に貼付する機構、一定の厚さのバリア層を塗布形成する機構、発色剤層を発色剤の液滴の形で基材、或いはバリア層に形成する機構、を備える。
図11を用いて説明する。まず、顕色剤層2を形成したフィルム100を巻いた円筒14からフィルム100を引き出し、回転カッター15の刃16の手前のフィルム端部貼付部位17にフィルム100を貼付する。フィルム100は図2で示した構成を用いた。回転カッターを反時計回りに90°回転し、回転カッター15の刃18でフィルム100をカットする。カットされたフィルム100は、回転カッター15を下げて基材1にフィルム100を接触させるか、基材1を上に持ち上げ、基材1にフィルム100を接触させることにより基材に貼付される。このとき、フィルムの粘着層により、回転カッター15の刃18には、円筒14側のフィルム100が塗布された状態になる。このようにして、次々に基体1上にフィルム100を張り付けることができる。
図12に、図11で用いる本発明の顕色層が形成されたフィルムの一例の、断面の模式図を示す。
図12に示すように、フィルム100は、顕色剤層2が形成されたフィルム基材19の裏面に粘着層20が設けられており、商品に貼付できるようになっている。このフィルムが、ロール状に巻かれている場合、粘着層20と顕色剤層2の離形性が低く、剥離しにくい場合がある。このような場合には、粘着層20の上に離形フィルム21を設ける。これにより粘着層20と顕色剤層2が強く接着してしまい、剥がす際に顕色剤層2が破損する不具合を防ぐことが可能となる。離形フィルム21を設けた場合、例えば図11の例では、基材1にフィルム100を張り付ける前に、離形フィルム21を剥がす工程を追加すればよい。離形フィルム21は臨界表面張力の小さなポリエチレン、或いはポリプロピレン製のものが好適であり、これにポリジメチルシロキサン鎖を基本骨格とするシリコーン油を薄く塗布したものは離形性をより高められるので更に好適である。
(2)発色剤層を形成する装置
発色剤層を形成する装置は、単に温度上昇によるバリア層の軟化、溶解による色調の変化を所望する場合は目視しやすいようベタ塗りが好適である。この場合は上記顕色剤層を形成する装置が有効である。
温度上昇による色調変化の際、単に発色するだけでなく文字の形で発色することができれば、温度上昇に加えて、その商品を製造した工場の番号、製造ラインの番号、製造に携わった人たちの情報等も管理することが可能となる。その場合は、発色剤を溶解した液をインクとして印字方法が好適であり、その一つがインクジェットプリンタである。その際用いるインクジェットプリンタは表面凹凸が大きい、或いは円筒形等、平坦で無い商品へも印字可能な帯電制御方式のインクジェットプリンタが好適である。
図13に本発明のマーキング形成装置の発色剤層形成機構による印字プロセスの模式図を示す。
装置内のポンプ(図13では図示省略)で加圧されたインクは装置内部の振動子で所望のサイズのインク滴22となりノズル23から吐出され、帯電電極24で電荷を付与され、その後、偏向電極25で方向を制御され、被印字物26に着弾する。印字されないインクはガター27から回収され、インクタンク(図13では図示省略)に戻される。偏向電極25によるインク滴22の飛翔方向の制御によって、被印字物26上にインクによるドットを形成するか否かを制御できる。さらに、ノズル23と被印字物26の相対的位置を制御することにより、被印字物26上にインク滴22によって任意のパターンを描画することができる。
この場合、発色剤層材料は、何らかの有機溶媒に溶解し、溶液化した状態で印字する。その際の粘度は望ましくは5mPa・s以下とする。これより粘度が高い場合は吐出しにくくなるだけでなく、インクの切れ方が不安定となり、インク滴のサイズが一定ではなくなるため、商品基材に形成されるドットサイズがばらつき印字が見にくくなる。
図14は本発明のマーキング形成装置の発色剤層形成機構の模式図である。インクジェットプリンタの形態で構成しておりインク流路、及び溶剤流路を示す。
本発明のインクジェットプリンタはインクジェットプリンタの本体28とインクジェットヘッド29からなる。
ノズル23から吐出するインク滴22の圧力を制御するため、インク供給路30には供給ポンプ31、及び調整弁32が設けられている。
本体28にはインクを収容するサブ容器33が配置されている。インクの補給は、通常ユーザがサブ容器33にインクを補給することによって行われる。補給されたインクは図示しないフィルター等を通過して夾雑物を除去し、メイン容器37に蓄積される。メイン容器37のインクは、インク供給路30に接続されたインク補給路34によりノズル23に供給されるようになっている。メイン容器のインク残量が足りない場合は、サブ容器33内のインクをノズル23に供給することもできる。
印字に使用されずガター27に補足されたインクを回収するために、ガター27にはインク回収路35が接続されており、ガター27に補足されたインクは回収ポンプ36によりメイン容器37に回収される。
本体28にはインクの溶剤を収納する溶剤容器38が配置されている。インク供給路30に設けられたインク流路切換え弁39には、溶剤容器38内の溶剤をノズル23に供給するため溶剤供給路40が接続されている。溶剤容器38内の溶剤はインク流路切換え弁39を介してノズル23に供給される。また、溶剤容器38内の溶剤は、溶剤供給路40に接続された分岐路41によりメイン容器37に供給される。
溶剤容器38からメイン容器37への溶剤の供給は印字動作により揮発した溶剤を補給するための機構である。補給はメイン容器37内のインクの粘度が溶剤揮発により規定値より高くなった場合に自動的に行われる。インクの粘度を随時計測するため、メイン容器37内には粘度計測機構(この図では図示していない)が設けられている。
なお、本実施例では、サブ容器33、メイン容器37、溶剤容器38は、ポリエチレンやポリプロピレンなどの樹脂で形成した。本実施例で用いる発色剤を格納するためには、金属製よりも、腐食性に優れる樹脂製のほうが望ましい。
ノズル23に供給された余分のインクや溶剤をメイン容器37に戻すため、吸引ポンプ42が設けられ、インクの戻し流路43がノズル23に接続されている。ノズル23でのインク吐出が停止した時には、溶剤容器38内の溶剤がインク流路切換え弁39を介してノズル23に供給され、ノズル23が洗浄される。洗浄後の溶剤は吸引ポンプ42によりメイン容器37に戻される。インク供給路30とインク回収路35の間には補給路44が接続されており、サブ容器33内のインクは補給路44を介してメイン容器37内に補給される。それぞれの流路には流路内のインク、溶剤等の液体の流れに応じて流路を開閉するための開閉弁(この図では図示していない)が設けられている。また、流路に設けられた各種の弁46は、矢印に示す方向に液体の搬送を制御する。
本実施例では、発色剤は非常に小さなインク滴22となって被印字物26上のバリア層に着弾するため、バリア層の融点がかなり低くなければ、バリア層を溶解する恐れは小さい。また含有する溶媒の気化により、インク滴自身も冷えるのでインクジェットプリンタ内部のインクの温度に比べると、商品に着弾したインク滴の方が低温である。
しかし、タンパク質成分を高濃度含む腐敗しやすい冷凍食品のように-30℃以下で冷凍している場合は、着弾したインク滴がバリア層を溶解し、顕色剤層と発色層が触れてしまい、規定温度で低温保管しているにも関わらず発色してしまう可能性がある。そこで、印字する発色剤の溶液はインクジェットプリンタ内部でも極力冷却することにより、マーキング形成時にバリア層を軟化或いは溶解する恐れが低くなるので好適である。
そのため、本実施例では、ノズル23の手前のインク流路と溶剤流路、及び各種弁、サブ容器33、メイン容器37、更に溶剤容器38までを冷却する。これらをまとめて冷却部分45を点線で囲んだ。溶剤容器からメイン容器37等への溶剤の供給が行われるので、その際の溶剤も冷却しておくことでインクの安定性が高まる。冷却温度は、バリア層が溶解、或いは軟化する温度以下にしておくことが望ましい。
冷却部分45を冷却する方式としては、冷媒配管142により冷却部分45に冷媒を供給し、冷媒を圧縮、液化、減圧、気化させる公知の熱交換機により、室外機143に熱を排熱する。あるいは、ペルチェ素子等を用いてもよい。
図14の例では、供給ポンプ31の圧力と帯電電極24の静電気力で、インク滴22に運動エネルギーを与えている。別の方法としては、発熱体から発生する熱エネルギーにより、ノズルからインクを吐出するように構成してもよい。
図15は本発明のマーキング形成装置の発色剤層形成機構の他の例を示す模式図である。基本構成は図14と類似するため、図14と同じ構成は同じ符号を付して、説明を省略する。
図14では、本体28の全部とインクジェットヘッド29の一部を、冷却部分45として冷却した。この方法では安定して全体を冷却できるが、要求される温度や装置の大きさによっては、熱交換器の負担が大きくなる。
図15ではより効率的な冷却方式を示す。冷却する必要性の大きい部分は、インクを格納し、熱容量の大きいタンク類である。特にメイン容器37はノズル23に直結しているため重要である。また、サブ容器33、溶媒容器38も冷却することが望ましい。
装置内で熱源となる部分は、各流路に設置されている圧力ポンプ31,42,36等である。これらは発熱するため、断熱または冷却することが望ましい。
流路のうち冷却または断熱の必要性の大きいのは、メイン容器37とノズル23を接続するインク供給路30である。
図15の例では、マーキング形成中の前記マーキングの発色を防ぐために、液体またはバリア層の少なくとも一部を冷却する機構を備える。
このため、サブ容器33とメイン容器37を断熱壁150で隔離し、熱交換器により冷却する。また、圧力ポンプ31,42,36もそれぞれ断熱壁151で隔離し、図示しない熱交換器により冷却する。また、インク供給路30は断熱材によって断熱構造とした。
なお、インクの冷却温度にもよるが、インクジェットプリンタの内部温度と動作環境温度との差が大きい場合であって、環境の湿度が高い場合には結露の問題がある。よって、インクジェットプリンタの筐体も、断熱構造としたほうがよい場合がある。例えば、動作環境(装置外)温度が0度以上程度であると、結露の可能性がある。インク容器を内蔵する低温な本体と、動作環境温度であるヘッド側に温度格差が生じる場合には、ヘッド側の結露を防ぐため、本体とヘッドとの間の少なくとも一部に断熱壁を設ければよい。
例えば、冷却されているインクジェットプリンタの本体28を、断熱壁154で隔離する。本明細書では断熱とは、熱の移動を妨げることをいい、効率的に断熱する例としては、グラスウールなどの繊維系断熱材で構成される壁構造や、ウレタンフォームなど発泡系断熱材で構成される壁構造や、中空構造で形成された壁構造がある。
冷却すべき温度は、装置のサイズ、装置の材質やインクの比熱、インク滴の大きさ、被印字物上のバリア層の厚さ等、を基に計算で求めることができる。
また、例えばメイン容器37の温度を変化させながら、被印字物26上のバリア層にためし書きを行い、良好に印字できた温度を目標に、温度制御を行えばよい。これらの制御は、制御端末152により、冷却装置を制御する命令を入力することにより、実行することができる。
図15では、被印字物26自体を冷却する冷却部材153を備えている。冷却部材153とインクジェットプリンタ側の冷却機構を併用すればより冷却効果が高まる。また、印字によりバリア層が変質、発色しなければ、冷却部材153とインクジェットプリンタ側の冷却機構のうち、一方を省略してもよい。
(3)カバー層を形成する装置
カバー層は樹脂を何らかの有機溶媒に溶解し、その溶液をディスペンサー等を使って、マーキングの上に流しこむ。その後、乾燥して内部に含まれている有機溶媒を揮発させることによりカバー層を形成することができる。また光等のエネルギーを利用して光硬化させる等の汎用の方法で形成することができる。
以上のような実施例の構成によれば、高速で、且つ平坦でない部材にもマーキングの形成が可能となる。
本発明の具体的な実施例を以下に示す。
(1)マーキング形成プロセス
顕色剤材料として平均分子量250,000のポリアクリル酸(10g)を水(190g)と混合し、約60℃に加温しながらオーバーヘッドスターラーで撹拌してポリアクリル酸を溶解させ、5重量%ポリアクリル酸水溶液を調製する。これを図10に示す装置に充填し、厚さ125μmで、裏面に粘着層と離形フィルムを有するPETフィルムに溶液厚さが約40μmとなるよう塗布する。塗布後、60℃で8時間乾燥し、平均厚さが2μmのポリアクリル酸からなる顕色剤層がPETフィルム上に形成される。このPETフィルムを図11に示す装置で医薬品の紙パッケージに貼付する。
なお、ポリアクリル酸はカルボキシル基を有する酸性の高分子である。
次に融点が9℃のシクロデカンと融点が6℃のテトラデカンを同重量ガラス容器に入れ、オーバーヘッドスターラーで撹拌、混合し、バリア層材料を調製する。調製されたバリア層材料の融点を調べたところ、約8℃であった。これを図10に示す装置に充填し、医薬品の紙パッケージに貼付されている顕色剤層を形成したPETフィルムの上に塗布する。塗布後のバリア層の厚さは平均40μmである。
なお、塗布の際の室温は5℃以下に制御する。顕色剤層を形成したPETフィルムを貼付した医薬品の紙パッケージも表面温度は5℃以下に制御する。こうして顕色剤層の上にバリア層が形成される。
次に発色剤層を形成する。発色剤材料としてマラカイトグリーンカルビノールベース(10g)を2-ブタノン190gに溶解し、マラカイトグリーンカルビノールベースの5重量%2-ブタノン溶液を調製する。この溶液を図14に示すインクジェットプリンタに充填する。インクジェットプリンタの冷却部分45を0〜5℃となるよう冷却後、バリア層の上に数字で「123456789」と印字する。こうして本発明のサーモクロミックマーキングが完了する。
この状態では数字「123456789」は視認されない。
なお、マラカイトグリーンカルビノールベースは2-ブタノン溶液の状態では淡褐色であるが、酸性物質と接触すると、濃い緑色に変色する。
(2)サーモクロミック確認実験
サーモクロミックマーキングが完了した医薬品の紙パッケージを室温25℃の部屋に移す。すると、移して約1分後、サーモクロミックマーキングを形成した部分に緑色で数字の「123456789」が現れた。再び室温5℃の部屋に戻したが数字は消えなかった。
サーモクロミックマーキング部分を分析したところ、バリア層が溶解しており、これにより、マラカイトグリーンカルビノールベースとポリアクリル酸が接触し、緑色の発色を示したと判断される。
以上より、本発明の不可逆性のサーモクロミックマーキングの機能が確認された。
基本的に実施例1と同様の方法である。ただし、バリア層材料を、融点が9℃のシクロデカンと融点が6℃の1-デカノールを同重量用いる。バリア層材料以外は実施例1と同様のプロセスで、医薬品の紙パッケージ上にサーモクロミックマーキングを形成した。なお、調製されたバリア層材料の融点を調べたところ、約7℃であった。
これを実施例1と同様に室温25℃の部屋に移す。すると、移して約1分後、サーモクロミックマーキングを形成した部分に緑色で数字の「123456789」が現れた。再び室温5℃の部屋に戻したが数字は消えなかった。
以上より、本発明の不可逆性のサーモクロミックマーキングの機能が確認された。
(1)マーキング形成プロセス
顕色剤材料として実施例1と同様に平均分子量250,000のポリアクリル酸(10g)を水(190g)と混合し、約60℃に加温しながらオーバーヘッドスターラーで撹拌してポリアクリル酸を溶解させ、5重量%水溶液を調製する。これを図10に示す装置に充填し、厚さ125μmで裏面に粘着層と離形フィルムを有するPETフィルムに溶液厚さが約40μmとなるよう塗布する。塗布後、60℃で8時間乾燥し、平均厚さが2μmのポリアクリル酸からなる顕色剤層がPETフィルム上に形成される。このPETフィルムを図11に示す装置で冷凍食品のPETフィルムパッケージに貼付する。
次に融点が-16℃の1-オクタノールと融点が-20℃の2-ドデカノンを同重量ガラス容器に入れ、オーバーヘッドスターラーで撹拌、混合し、バリア層材料を調製する。調製されたバリア層材料の融点を調べたところ、約-19℃であった。これを図10に示す装置に充填し、医薬品の紙パッケージに貼付されている顕色剤層を形成したPETフィルムの上に塗布する。塗布後のバリア層の厚さは平均40μmである。
なお、塗布の際の室温は-20℃以下に制御する。顕色剤層を形成したPETフィルムを貼付した冷凍食品のPETフィルムパッケージも表面温度は-20℃以下に制御する。こうして顕色剤層の上にバリア層が形成される。
次に発色剤層を形成する。マラカイトグリーンカルビノールベース(10g)を2-ブタノン190gに溶解し、マラカイトグリーンカルビノールベースの5重量%2-ブタノン溶液を調製する。この溶液を図14に示すインクジェットプリンタに充填する。インクジェットプリンタの冷却部分45を-5〜0℃となるよう冷却後、バリア層の上に数字で「123456789」と印字する。こうして本発明のサーモクロミックマーキングが完了する。
この状態では数字「123456789」は視認されない。
なお、理想的にはインクジェットプリンタの冷却部分45は-20℃以下が望ましいが、この実施例で行ったように-5〜0℃でも本発明のサーモクロミックマーキング形成は可能である。これは、印字でバリア層に着弾するマラカイトグリーンカルビノールベースの5重量%2-ブタノン溶液が僅かなのでバリア層を溶解するほどの熱量を有していない。またバリア層に着弾後2-ブタノンが揮発する際の気化熱をバリア層から奪うのでむしろ若干冷却される。ただ、0℃を超えるとこの実施例のバリア層を用いた場合はバリア層が若干溶解しはじめるので、本実施例の条件の場合はインクジェットプリンタの冷却部分は0℃以下とする必要がある。
(2)サーモクロミック確認実験
サーモクロミックマーキングが完了した冷凍食品のPETフィルムパッケージを室温5℃の部屋に移す。すると、移して約1分後、サーモクロミックマーキングを形成した部分に緑色で数字の「123456789」が現れた。再び室温-20℃の部屋に戻したが数字は消えなかった。
サーモクロミックマーキング部分を分析したところ、バリア層が溶解しており、これにより、マラカイトグリーンカルビノールベースとポリアクリル酸が接触し、緑色の発色を示したと判断される。
以上より、本発明の不可逆性のサーモクロミックマーキングの機能が冷凍食品にも適用可能であることが確認された。
基本的に実施例1と同様の方法である。ただし、顕色剤材料として平均分子量250,000のポリアクリル酸の代わりに平均分子量70,000のポリエチレンイミンを用い、発色剤材料としてマラカイトグリーンカルビノールベースの代わりにフェノールフタレインを用いた。顕色剤と発色剤以外は実施例1と同様にしてマーキングを形成した。
なお、ポリエチレンイミンは分子内にアミノ基を有する塩基性の高分子である。またフェノールフタレインは塩基性物質と接触することによりピンク色に発色する。
次にマーキングの形成された紙パッケージを室温5℃の部屋から25℃の部屋に移したところ、約1分後、マーキングを形成した部分にピンク色で数字の「123456789」が現れた。再び室温5℃の部屋に戻したが数字は消えなかった。
以上より、顕色剤として酸性物質の代わりに塩基性物質を使っても発色剤を考慮すれば不可逆のサーモクロミックマーキングが形成できることを確認した。
同じ紙パッケージ中、2か所にサーモクロミックマーキングを形成する。1か所は実施例1で示したマーキングを、もう1か所は実施例3で示したマーキングを形成する。
この紙パッケージを-20℃の部屋から5℃の部屋に移すと、実施例3で示した方法で形成したマーキングは緑色の数字の「123456789」が現れたが、実施例1で示した方法で形成したマーキングの方は数字が現れなかった。
更にこの紙パッケージを25℃の部屋に移すと実施例1で示した方法で形成したマーキングは緑色の数字の「123456789」が現れた。
このように異なる融点のバリア層を利用することにより、異なる温度で発色が制御できるサーモクロミックマーキングが形成可能であることが確かめられた。
基本的に実施例1と同様の方法である。ただし、発色剤層を形成する発色剤材料として、マラカイトグリーンカルビノールベース(10g)を2-ブタノン190gに溶解したマラカイトグリーンカルビノールベースの5重量%2-ブタノン溶液の代わりに、マラカイトグリーンカルビノールベース(10g)とポリエチレンイミン(2g)をアセトン100gとエタノール88gの混合液に溶解したマラカイトグリーンカルビノールベースの5重量%溶液を用いた。発色剤材料以外は、実施例1と同様にしてサーモクロミックマーキングを形成する。
なお、ここで用いるポリエチレンイミンは、構造中に塩基性のアミノ基を多数有する塩基性高分子である。
実施例1でサーモクロミックマーキングを形成した紙パッケージをパッケージ1、本実施例でサーモクロミックマーキングを形成した紙パッケージをパッケージ2とする。これらパッケージを二酸化窒素濃度が0.6ppm、気温30℃、相対湿度が60%の雰囲気中に放置し、3日間経過後取り出した。するとパッケージ1は緑色の数字「123456789」が現れていた。しかしパッケージ2は緑色の数字が現れていなかった。二酸化窒素は水分と結合し硝酸となるため、雰囲気は酸性となる。そのため、パッケージ1では、マーキングの表面のマラカイトグリーンカルビノールベースが緑色の化学構造に変化し、緑色の数字「123456789」が現れたと考えられる。しかしパッケージ2では、共存している塩基性のポリエチレンイミンによって、酸性のガスに接しても、マラカイトグリーンカルビノールベースが緑色の化学構造に変化する反応が、抑制されていると考えられる。
二酸化窒素の大気中での濃度基準は0.06ppm以下なので、今回の実験の0.6ppmは通常環境に比べて過酷である。よって、パッケージ1のマーキングが実用に耐えられないほど酸性のガス暴露により誤発色してしまう可能性は低いが、マーキングの保存安定性のため塩基性の高分子を添加することは有効と考えられる。
以上の説明において、発色剤層と顕色剤層の膜構造は、入れ替えても発色の効果は得られる。ただし、現状では発色剤は顕色剤よりも100倍近く高価である。よって、顕色剤は均一な層とし、発色剤をドット構成としてマーキングを構成し、発色剤の消費量を節約する経済的な効果は大きい。図14,15の実施例で説明したインクジェットプリンタのように、未使用のインクを回収するガター27などの構成が付加されていると、さらに発色剤を節約することが可能となる。
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることが可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の実施例の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…基材
2…顕色剤層
3…バリア層
4…発色剤層
6…カバー層
10…ホッパー
11…開口部
12…顕色剤
13…スキージ
14…円筒
15…回転カッター
16…刃
17…フィルム端部貼付部位
18…回転カッターの刃
19…顕色剤層が形成されたフィルム基材
20…粘着層
21…離形フィルム
22…インク滴
23…ノズル
24…帯電電極
25…偏向電極
26…被印字物
27…ガター
28…インクジェットプリンタの本体
29…インクジェットヘッド
30…インク供給路
31…供給ポンプ
32…調整弁
33…サブ容器
34…インク補給路
35…インク回収路
36…回収ポンプ
37…メイン容器
42…吸引ポンプ
45…冷却部分

Claims (15)

  1. 基材上に規定した温度以上になると発色するマーキングを形成する方法において、
    前記基材に顕色剤または発色剤を含む第1の部材を形成する第1の工程と、
    前記第1の部材を被覆するバリア層を形成する第2の工程と、
    前記バリア層に顕色剤または発色剤のうち前記第1の部材と異なる方を含む第2の部材を形成する第3の工程とを備え、
    前記第1の工程または第3の工程の少なくとも片方は、
    前記顕色剤または発色剤を含む液体を液滴化する工程と、
    前記液体の液滴を前記基材またはバリア層に被着させる工程と、
    を有することを特徴とするマーキング方法。
  2. マーキング形成中の前記マーキングの発色を防ぐために、前記液体またはバリア層の少なくとも一部を冷却することを特徴とする、
    請求項1記載のマーキング方法。
  3. 前記発色剤として、酸性物質あるいは塩基性物質に触れることにより構造が変化し目視で発色する物質を用い、
    前記発色剤を含む溶液を前記液体として用いることを特徴とする、
    請求項1記載のマーキング方法。
  4. 前記第2の工程および前記第3の工程は、摂氏10℃以下の環境温度下で実行されることを特徴とする、
    請求項1記載のマーキング方法。
  5. 前記第2の工程および前記第3の工程は、摂氏0℃以下の環境温度下で実行されることを特徴とする、
    請求項1記載のマーキング方法。
  6. インクを格納するインク容器と、前記インクの液滴を吐出するインクジェットヘッドと、前記インク容器から前記インクジェットヘッドに前記インクを供給するインク供給路を有し、前記インクの液滴により被印字物上に任意のパターンを形成するインクジェットプリンタであって、
    前記インクの少なくとも一部を、摂氏15℃未満の温度に保持するよう冷却可能な冷却装置を有することを特徴とする、インクジェットプリンタ。
  7. 前記インクの少なくとも一部を、摂氏0℃以下の温度に保持するよう冷却可能な冷却装置を有することを特徴とする、
    請求項6記載のインクジェットプリンタ。
  8. 前記冷却装置は、
    冷媒を循環させる冷媒経路を備え、前記冷媒を圧縮、液化、減圧、気化させることにより冷却を行うことを特徴する、
    請求項6記載のインクジェットプリンタ。
  9. 前記インクに圧力を印加するために前記インク供給路に設けられた供給ポンプを有し、
    前記供給ポンプを冷却するポンプ冷却装置、および、前記供給ポンプを断熱するポンプ断熱部材の少なくとも一つを有する、
    請求項6記載のインクジェットプリンタ。
  10. 前記インク容器を内蔵する本体と、前記インクジェットヘッドとの間の少なくとも一部に断熱壁を有する、
    請求項6記載のインクジェットプリンタ。
  11. 基材に形成されるマーキングにおいて、
    前記マーキングが前記基材の上に形成される顕色剤層、バリア層、発色剤層からなり、
    前記バリア層は第1の温度では前記顕色剤層と発色剤層とを非接触に保ち、第2の温度では前記顕色剤層と発色剤層とを接触させる構成を有し、
    前記顕色剤層および発色剤層のうち少なくとも一方は複数のドット形状で形成され、該複数のドットにより所定パターンが形成されており、
    前記第2の温度で前記顕色剤層と発色剤層が接すると前記発色剤層が発色し、前記所定パターンを可視化することを特徴とするマーキング。
  12. 請求項11記載のマーキングにおいて、
    前記基材の上に前記顕色剤層が形成されており、
    前記顕色剤層の上に前記バリア層が形成されており、
    前記バリア層の上に前記発色剤層が形成されており、
    前記顕色剤層、バリア層、および発色剤層がカバー層によって覆われていることを特徴とするマーキング。
  13. 請求項11記載のマーキングにおいて、
    前記顕色剤層が裏面に接着剤層を有し、表面に前記顕色剤からなる層を形成されたフィルムで形成されていることを特徴とするマーキング。
  14. 前記バリア層が炭素数10〜18の炭化水素を少なくとも一種含むことを特徴とする請求項11記載のマーキング。
  15. 前記発色剤層が酸性物質と接触すると発色する物質である場合、前記発色剤層に塩基性の高分子が混合されていることを特徴とする請求項11記載のマーキング。
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