JP6511408B2 - 温度履歴表示体、その製造方法、およびその使用方法 - Google Patents

温度履歴表示体、その製造方法、およびその使用方法 Download PDF

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Description

本発明は、温度履歴を不可逆的に表示する温度履歴表示体、その製造方法、及びその使用方法に関する。
医薬品、食品等の商品物流において、冷蔵或いはチルド冷蔵など、種々の低温保存温度が利用されている。物流の輸送或いは保管の際、適正な管理温度を逸脱すれば、医薬品の場合は薬効の低下、食品の場合は風味の劣化、腐敗などの変質、細菌等の繁殖の問題が生じる。そのため、適正な管理温度を逸脱した場合に温度履歴を表示することができる技術が必要とされている。
この問題を解決するため、管理温度を逸脱した場合に不可逆的な変化が生じるサーモクロミックマーキング(温度履歴表示体)が検討されている。これは、商品の保管温度が設定温度未満であれば発色しないが、設定温度以上となると発色し、再度冷却しても発色したままである。商品が適正な管理温度を逸脱した場合、その履歴が残る。この温度履歴表示体を用いることにより、適正な温度で管理されているかを把握することができる。
また、温度履歴表示体は室温で保管できること要求されている。室温保管ができない場合、温度履歴表示体の製造後から使用者が被測定対象物である商品に添付するまで、温度履歴表示体を設定温度未満に維持しなければならない。そのため温度履歴表示体の温度管理が煩雑となる。
特許文献1には、特定温度以下で液状化する高級脂肪酸金属塩を含む検温剤層と、発色剤層と、顕色剤と熱融解成分とを含む顕色剤層と、を備えた温度履歴表示体が開示されている。高級脂肪酸金属塩の臨界温度以下の環境におかれると検温剤層が溶解して、顕色剤層と発色剤層とが接触しやすい状態(「スイッチオン」の状態)となる。その状態で温度履歴表示体が、顕色層中の熱溶融成分の溶融温度以上におかれた場合には、顕色剤を含む熱溶融成分が流動して発色層と接触し、反応して発色すると記載されている。
特許文献2には、インジケーターインク層が部分的に付着している基材シートにインク浸透シートが接着し、基材シートとインク浸透シートとの間に、少なくともインジケーターインク層を覆って剥離可能に介在する離型シートを有している温度履歴インジケーターシートが開示されている。離型シートを曳き剥がすことにより被検物の温度履歴を監視できる状態にすることが開示されている。
特開平10−287863号公報 特開平10−267761号公報
特許文献1に開示された温度履歴表示体は、特定温度以下の環境に置かれればスイッチオンの状態となってしまうため、使用者が意図しないときにスイッチオンの状態となってしまう虞がある。
特許文献2に開示された温度履歴表示体は、離型シートを曳き剥がすことにより任意のタイミングで動作可能である。しかしながら、一度インク浸透シートを持ち上げてから、離型シートを曳き剥がし、その後、インク浸透シートを基材上に接着する必要がある。温度履歴表示体は医薬品又は食品等の既存製造ラインで用いることが想定されているが、製造ラインのライン速度を落とさずに動作可能な状態とすることは困難である。また、下層のインク層のインクを上層のインク浸透層に拡散させる場合、インクのにじみが発生し、高精細な印字情報を保持することは困難である。
そこで、本発明は、室温保管が可能で、任意のタイミングで簡便に動作可能な温度履歴表示体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る温度履歴表示体は、基材と、発色剤を含む発色層と、発色剤の発色又は変色を促す顕色剤と、所定温度を超えると融解する感温剤とを含む感温層と、発色層と感温層の間に配置され、顕色剤の発色層へ拡散を防止する拡散防止層と、を備え、基材、感温層、拡散防止層、発色層の順に積層しており、感温層の積層体の側面は非多孔質部材に覆われており、拡散防止層は感温剤の凝固点以下で剥離する粘着剤により非多孔質部材に固定されていることを特徴とする。
本発明によれば、室温保管が可能で任意のタイミングで簡便に動作可能な温度履歴表示体を提供できる。
一実施形態に係る室温保管時の温度履歴表示体の上面図である。 図1に係る温度履歴表示体のA−A´断面図である。 図2に係る温度履歴表示体のB−B´断面図である。 一実施形態に係る室温保管時の温度履歴表示体のA−A´断面図である。 一実施形態に係る管理温度の逸脱を検知する前の温度履歴表示体の断面図である。 一実施形態に係る管理温度の逸脱を検知する前の温度履歴表示体の上面図である。 一実施形態に係る管理温度の逸脱を検知した後の温度履歴表示体の断面図である。 一実施形態に係る管理温度の逸脱を検知した後の温度履歴表示体の上面図である。 温度履歴表示体の使用方法の一例を示す図である。 一実施形態に係る室温管理時の温度履歴表示体の断面図である。 一実施形態に係る室温管理時の温度履歴表示体の上面図である。
以下、図面を用いて、本発明の実施形態について説明する。図1に本発明の一実施形態に係る室温保管時の温度履歴表示体の上面図を示す。図2は、図1に係る温度履歴表示体のA−A´断面図、図3はB−B´断面図である。温度履歴表示体は、基材2と、感温層12、拡散防止層6と、発色層7と、を備える。基材2上に、感温層12と拡散防止層6と発色層7とが、この順に積層されている。基材2下には粘着層1が設けられている。
感温層12は、発色剤の発色又は変色を促す顕色剤と、所定温度以上で融解する感温剤を含む。図2及び図3において、感温層は、顕色剤を含む第1の層3と、第1の層3上に積層され、感温剤を含む第2の層4とから構成される。第2の層4は、発色層と顕色剤とを隔てる役割を担う。感温層の側面は非多孔質部材11で覆われている。図2において、感温層の側面を覆う非多孔質部材は基材と一体となっている。なお感温層の側面を覆う非多孔質部材と基材は一体でなくても良い。
拡散防止層6は、室温保管時に融解した感温剤が発色層に拡散することを防ぐ役割を担う。拡散防止層6は粘着剤5により非多孔質部材に固定されている。粘着剤5は、感温剤の凝固点以下で剥離する性質を有する。粘着剤により拡散防止層を非多孔質部材に粘着することにより、拡散防止層6及び基材2で囲まれた空間に感温剤を確実に閉じ込めることができる。
図3に示すように、発色層は、感温剤の側面を覆う非多孔質部材の少なくとも一部と接着している。発色層が非多孔質部材に固定されていることにより、拡散防止層を引き抜いた際の発色層のずれを抑制できる。温度履歴表示体を上から見た形状が四角形状である場合は、拡散防止層は非多孔質部材に粘着剤により一辺で固定されていても良いし(図4)、二辺で固定されていても良い(図1)。図4のように拡散防止層と非多孔質部材とが1辺で接着している場合は、発色層と非多孔質部材は他の三辺で接着されていることが好ましい。また、図1のように拡散防止層と非多孔質部材とが2辺で接着している場合は、図3のように発色層と非多孔質部材は他のニ辺で接着していることが好ましい。
図1に係る温度履歴表示体は、使用時に、感温剤の凝固点以下に冷却する。第2の層が固化した状態で被測定対象物に粘着層1を介して貼付した後、拡散防止層6を抜き取ることにより、温度検知可能な状態となる。本実施形態に係る温度履歴表示体は、感温層及び発色層を有する層構造となっており、拡散防止層の引き抜き時に各層の接触界面が乱れて発色条件が変化してしまう虞がある。粘着剤5は感温剤の凝固点以下で剥離するため、各層に応力を及ぼさずに拡散防止層を容易に引き抜くことができる。
図2に係る温度履歴表示体の温度逸脱前の状態を示す5に、その上面図を図6に示す。感温剤としては、管理したい温度の上限値で融解する物質を用いる。適正な温度で保管されている場合、感温剤は固体のままであるため、第2の層が顕色剤と発色層の接触を抑制し、顕色剤が発色層に拡散することはない。そのため、発色剤は発色又は変色しない。
図2に係る温度履歴表示体の温度逸脱後の状態を示す断面図を図7に、その上面図を図8に示す。適正な管理温度より高い温度で保管されると、感温剤が溶融する。その結果、顕色剤が第2の層をとおり発色層に拡散し、発色剤と顕色剤とが反応して発色剤が発色又は変色する。その結果、発色剤8は発色又は変色した発色剤9になる。以上のように温度逸脱を検知、表示することができる。
適正な温度で管理された被測定対象物に貼付されていた温度履歴表示体は、拡散防止層を発色層と感温層との間に戻すことにより、再度使用することができる。
以下、実施形態に係る温度履歴表示体を構成する部材について記述する。
<発色層>
発色層は、発色剤と表面に発色剤を保持する担体とを含む。
発色剤としては、目視では無色或いは淡色であるが、酸性物質或いは塩基性物質に触れることで構造が変化し、目視で発色あるいは変色する物質を用いることができる。ここで、pHが約5以上8未満の中性付近では無色或いは淡色で、pHが約5未満で発色或いは変色する物質を「酸性材料に触れて発色する物質」とする。また、pHが約8以上で発色或いは変色する物質を「塩基性材料に触れて発色する物質」とする。また、物質によっては酸性、中性、塩基性で異なる発色を示す化合物もあるので、「酸性材料に触れて発色する物質」と「塩基性材料に触れて発色する物質」の両方に該当する物質もある。「酸性材料に触れて発色する物質」としては、メチルバイオレットカルビノールベース、マラカイトグリーンカルビノールベース、チモールブルー、メチルイエロー、メチルオレンジ等が挙げられる。「塩基性材料に触れて発色する物質」としては、チモールブルー、フェノールレッド、フェノールフタレイン、ナフトールフタレイン、クレゾールレッド、アリザニンイエロー、チモールフタレイン、ブロモフェノールブルー、ブロモチモールブルー等が挙げられる。
発色剤は、酸性或いは塩基性の顕色剤層に接触しただけでは発色が弱く、視認性が低い場合がある。その際は、水分を共存させてもよい。水分を含むことにより発色が良くなる発色剤もある。例えば、フェノールフタレインは水分を共存させないと、ごく薄いピンク色の発色であるが、水分を僅か共存させると良くピンク色に発色するようになる。
発色剤を保持する担体としては、発色剤を保持できるような細孔が存在する多孔質部材を用いることができる。顕色剤が浸透できるように連続多孔質となっていることが好ましい。材質としては、顕色剤、発色剤が長期間接触していても変性しないような材質が求められる。例えば、ポリエチレン、或いはポリプロピレン、セルロースなど、通常の有機溶媒に溶解しにくい高分子、二酸化珪素などの無機化合物が好適である。
また、顕色剤の発色層への拡散の観点から、厚さ方向への拡散性が優れる材料であることが好ましい。また、印字のにじみ抑制の観点から、面内方向へ発色剤及び顕色剤が拡散しにくい材料が好ましい。具体的には、インクジェットプリント紙やマット紙が好ましい。インクジェットプリント紙は、紙面の厚さ方向にタルクやシリカなどの無機物質が充填されている。そのため、液体の拡散が面内方向よりも厚さ方向に液体が拡散しやすいので、印字の滲みを抑制できる。また、印字紙の厚さを調整することにより、顕色剤と発色剤が接触する時間を調整でき、設定温度からの逸脱から発色にいたるまでの時間を制御することができる。
発色層は、アミノ基を有する高分子を含有することが好ましい。酸性物質に触れて発色する物質は空気中の炭酸ガス、或いはSO、NOといった酸性のガスに接触しても発色するため、本来着色しない温度領域に保存していても発色する虞がある。アミノ基は塩基性を示すためアミノ基を有する化合物を共存させることによりマーキング形成後も発色剤層材料が常に塩基性に保てる。その結果、酸性ガス暴露による発色を抑制することが可能となる。アミノ基を有する化合物は結晶性が低い高分子、或いは非晶質の高分子であることが好ましい。結晶性が低い或いは非晶質の高分子は、発色剤層材料と混合後、ほぼ均一に分散した状態で発色剤層を形成できる。アミノ基を有する高分子としては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン等が好適である。
発色剤には、さらに導電剤を含むことが好ましい。導電剤を含むことにより、帯電制御方式のインクジェットプリンタで印字することができる。発色剤をインクジェットプリンタで印字することにより、文字、記号、1次元コード、2次元コード等として印字することができる。その結果、温度履歴表示体の温度情報以外の情報を付与することができる。さらに、2次元コード等にすることにより、温度逸脱の有無を読み取り装置を用いてデータ化することが可能となる。
導電剤としては、金属塩構造の化合物が好ましい。溶媒への溶解性及び部材の腐食を考慮すると、金属塩構造の化合物を形成する陰イオンとしては、硝酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフェニルホウ酸イオンが好ましい。金属塩構造の化合物を形成する陽イオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、アンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオンが好ましい。その他、発色剤には、発色剤の分散性を向上させるための界面活性剤の他、被印字基材に対しインクが着弾した後の形状を制御するためのレベリング剤を含んでもよい。
発色層は、温度により変化しないコードを備えてもよい。コードは、管理温温度(感温剤の融点)、発色剤の位置、数、種類等の情報を有することが好ましい。例えば、発色剤の位置情報(コードに対する相対位置)を有するコードを備えることにより、読み取り装置での色データ等の読み取りが容易となる。
<感温層>
感温層は、感温剤と、顕色剤と、これらを保持する担体とを含む。感温剤は、顕色剤と顕色剤を含浸させた担体とから構成される第1の層と、感温剤と感温剤を含浸させた担体とから構成される第2の層を含むことが好ましい。以下、第1の層と第2の層について説明する。
(1)第2の層
感温剤としては、所定温度を超えると融解する物質を用いることができる。例えば、例えば、酸性基や、塩基性基を含まない長鎖の炭化水素、或いは幾つかの分岐のある炭化水素が好ましい。そのほか長鎖炭化水素鎖、或いは分岐炭化水素鎖を有するアルコール、或いはジオール、ケトン、長鎖炭化水素鎖或いは分岐炭化水素鎖を有するアミド、或いはエーテル、エステル等を用いることができる。長鎖或いは分岐炭化水素鎖、或いは環状炭化水素鎖の炭化水素としては、シクロデカン(9℃)、ドデカン、テトラデカン(6℃)、ヘキサデカン(17℃)、オクタデカン(28℃)等が挙げられる。なおカッコ内は融点である。末端が水酸基のアルコール、或いはジオールとしては、1,4−ブタンジオール(20℃)、1−デカノール(6℃)、1−ドデカノール(24℃)、1,2−ドデカンジオール(58℃)、2−テトラデカノール(34℃)等が挙げられる。ケトン構造を有する材料としては、2−デカノン(3℃)、プロピオフェノン(18℃)、ブチロフェノン(12℃)、イソブチロフェノン(1℃)、ヘキサノフェノン(26℃)、オクタノフェノン(22℃)、デカノフェノン(35℃)等が挙げられる。
これらのなかでも、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ペンタデカンが感温剤としては好ましい。
感温剤の選定は、温度管理する商品の管理設定温度の上限によって異なる。例えば、肉類等の冷凍食品の場合は管理設定温度の上限が−16℃前後なので、融点が−16℃の1−オクタノール、或いは2−オクタノンといった化合物を感温剤として用いるとよい。魚介類等の冷凍食品の場合は、融点が−23℃の3−オクタノンが候補となる。炭水化物系の商品の場合、もう少し高温で保管を考える場合は融点が−12℃のドデカンが候補となる。温度管理したい商品が10℃未満の保管を要求される医薬品の場合、融点が6℃のテトラデカン、或いは1−デカノール、または融点が3.5℃の2−ドデカンに融点が17℃のヘキサデカン、或いは融点が19℃の3−ドデカノン、20℃の2−ドデカノンを添加して融点をほぼ10℃に調整するとよい。
これらの感温剤は単独で使用することも可能であるが、それよりも高融点の化合物を混合したものを用いても良い。高融点の化合物を混合させることにより結晶性が低下し、非晶質性となるため、感温剤が緻密となり、発色剤と顕色剤間の遮蔽性が向上するためである。特に類似の構造の化合物を混合することにより非晶質性が高まる。例えば融点が−12℃のドデカンに対して融点が6℃のテトラデカン、或いは融点が17℃のヘキサデカンを添加することにより感温層が非晶質性となり、発色剤層と顕色剤層の間の遮蔽性が向上する。複数の感温剤を含む感温層が軟化する温度は、混合されている材料の融点、添加率によって変わる。例えば、お互いに相溶性の高く、融点がA℃の材料aと融点がB℃の材料bを等量混合した場合は、融点は概ねAとBのほぼ中間となる。ただし、2つの材料の融点の差が大きい場合、具体的には50℃以上になると、感温層の軟化する温度又は溶融する温度は融点の低い方の材料の融点とほぼ同じになる。また相溶性の低い材料同士を用いた場合も感温層の軟化する温度又は溶融する温度は融点の低い方の材料の融点とほぼ同じになる。
また、感温剤と顕色剤は相溶性の低い必要がある。たとえば、感温剤が疎水性の材料の場合、顕色剤は親水性の材料を用いる。相溶性の低い場合、感温剤と顕色剤が混ざり合わないため、感温剤が発色層に拡散した後に、顕色剤が発色層に拡散することができなくなる。互いに相溶性の低い感温剤と顕色剤を用いることにより、拡散防止層を除去する前の室温保管時に感温剤が溶融しても、感温剤と顕色剤とが混ざり合わないため顕職剤が第2の層に拡散することを抑制できる。 感温剤を含浸する担体としては、顕色剤の発色層への拡散を妨げない多孔質部材であればよい。例えば、天然繊維や有機系の化学繊維のほか、炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維で構成される不織布、または、セルロース繊維で構成される紙が望ましい。二酸化珪素、ポリエチレン、ポリプロピレンの粉体を同様の化学構造のバインダーで保持して連続多孔質体を形成し、使用することも可能である。本発明で使用する感温剤は管理温度を逸脱したときに融解して発色層に拡散する構成であり、拡散した感温剤により発色インクを押し流してしまうことがある。このため、第2の層に用いられる担体に保持される感温剤の液量は少ないことが望ましい。一方、温度履歴表示体が管理温度以下にあるとき、凝固点以下で固化した状態の第2の層にはピンホールがなく、確実に顕色剤の拡散を防ぐことが重要である。このため、感温剤含浸担体の繊維で構成された細孔の直径は小さいことが望ましい。
また、感温剤を含浸させる担体の細孔メジアン径は水銀圧入法により測定したときに11μm以上18μm以下であることが好ましい。18μm以下にすることにより、ピンホール形成を抑制できる。11μm以上とすることにより所望の拡散速度をえることができる。
また、第2の層の厚さを調整することにより、温度逸脱してから発色までの時間を調整することも可能である。
(2)第1の層
顕色剤は、酸性物質、或いは塩基性物質であり、発色剤に合わせて選択する。酸性物質としては、カルボキシル基やスルホン酸基を有する高分子が挙げられる。具体的には、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、スチレンとポリアクリル酸の共重合物、アクリル酸メチルとアクリル酸の共重合物、アクリル酸エチルとアクリル酸の共重合物、アクリル酸プロピルとアクリル酸の共重合物、アクリル酸ブチルとアクリル酸の共重合物、アクリル酸ヘキシルとアクリル酸の共重合物、アクリル酸オクチルとアクリル酸の共重合物、メタクリル酸メチルとアクリル酸の共重合物、メタクリル酸エチルとアクリル酸の共重合物、メタクリル酸プロピルとアクリル酸の共重合物、メタクリル酸ブチルとアクリル酸の共重合物、メタクリル酸ヘキシルとアクリル酸の共重合物、メタクリル酸オクチルとアクリル酸の共重合物、スチレンとポリメタクリル酸の共重合物、アクリル酸メチルとメタクリル酸の共重合物、アクリル酸エチルとメタクリル酸の共重合物、アクリル酸プロピルとメタクリル酸の共重合物、アクリル酸ブチルとメタクリル酸の共重合物、アクリル酸ヘキシルとメタクリル酸の共重合物、アクリル酸オクチルとメタクリル酸の共重合物、メタクリル酸メチルとメタクリル酸の共重合物、メタクリル酸エチルとメタクリル酸の共重合物、メタクリル酸プロピルとメタクリル酸の共重合物、メタクリル酸ブチルとメタクリル酸の共重合物、メタクリル酸ヘキシルとメタクリル酸の共重合物、メタクリル酸オクチルとメタクリル酸の共重合物、スチレンとスチレンスルホン酸の共重合物、アクリル酸メチルとスチレンスルホン酸の共重合物、アクリル酸エチルとスチレンスルホン酸の共重合物、アクリル酸プロピルとスチレンスルホン酸の共重合物、アクリル酸ブチルとスチレンスルホン酸の共重合物、アクリル酸ヘキシルとスチレンスルホン酸の共重合物、アクリル酸オクチルとスチレンスルホン酸の共重合物、メタクリル酸メチルとスチレンスルホン酸の共重合物、メタクリル酸エチルとスチレンスルホン酸の共重合物、メタクリル酸プロピルとスチレンスルホン酸の共重合物、メタクリル酸ブチルとスチレンスルホン酸の共重合物、メタクリル酸ヘキシルとスチレンスルホン酸の共重合物、メタクリル酸オクチルとスチレンスルホン酸の共重合物、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリビニルフェノール等が挙げられる。
塩基性物質としては、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、キトサン、ポリリシン、ポリアルギニン、ポリアニリン等のアミノ基を有する高分子が挙げられる。これらをアルコール系の溶剤に溶解したものを顕色剤として用いることができる。また、常温で固体の脂肪族ジアミンの場合、具体的にはジアミノヘキサン、ジアミノオクタン、ジアミノデカン、ジアミノドデカン等が挙げられ、これらをアルコール系の溶剤に溶解したものを顕色剤として用いることができる。脂肪族モノアミンの場合、具体的にはオクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン等が挙げられ、これらをアルコール系の溶剤に溶解したものを顕色剤として用いることができる。
これらのなかでも顕色剤としては、ポリメタクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、スチレンとポリアクリル酸の共重合物、アクリル酸メチルとアクリル酸の共重合物、アクリル酸エチルとアクリル酸の共重合物、キトサン、ポリリシン、ポリアルギニン、ポリアニリンが好ましく、ポリアクリル酸、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミンがさらに好ましい。
本発明では、顕色剤が発色層中に液体拡散することにより顕色剤と発色剤とが反応する。したがって、顕色剤を水、エタノールなどの溶媒に溶解させて使用するとよい。用いる溶媒は、設定する管理温度によって選択することができる。例えば、冷蔵保存の温度トレーサビリティでは水を溶媒として用いることが好ましい。
顕色剤を含浸させる担体としては、多孔質部材であり、発色剤が発色するために十分な顕色剤を保持できる材料であればよい。例えば、天然繊維や有機系の化学繊維のほか、炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維で構成される不織布、または、セルロース繊維で構成される紙が望ましい。なお、医薬品或いは食品の温度トレーサビリティマーキングに用いる場合は、材料の安全性が重要となる。即ち、人体に無害であることが重要な選択基準となる。
<基材及び感温層の側面を覆う部材>
基材及び感温層の側面を覆う部材としては、非多孔質部材であればよい。例えば、ポリエチレンなど安価で種々の有機溶媒に対する耐性の高いフィルムが望ましい。また、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略す)は低温耐久性が優れており、また、密着性及び透明性を付与しやすいため好適である。さらに、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、環状オレフィン樹脂などを用いることができる。
また、基材は裏面に粘着層を備えることが好ましい。粘着層により、管理対象物への温度履歴表示体の貼付が容易となる。
<粘着剤>
粘着剤は、感温剤の凝固点以下で剥離する性質を有するものであれば特に限定されない。
ここで、感温剤の凝固点における粘着力(N/mm)は、感温剤の凝固点よりも20℃高い温度における粘着力よりも小さいことが好ましい。具体的には、感温剤の凝固点における粘着力(N/mm)は、感温剤の凝固点よりも20℃高い温度における粘着力の1/10以下であることが好ましい。このような粘着剤を用いることにより、感温層が固化した状態でスムーズに拡散防止層を抜き取ることができる。また、感温剤の凝固点以下における拡散防止層との粘着力は、非多孔質部材(基材)との粘着力よりも弱く、粘着剤は非多孔質部材の上に残留することが好ましい。
粘着剤としては、例えば、アクリル酸メチル及びアクリル酸エステルを含む粘着層を備える感温性粘着テープを用いることができる。この感温性粘着テープは、基材と粘着テープを接着した後、この接着温度から15〜20℃冷却することにより、接着時の剥離強度の90%以下となる特性を有するものである。上記効果をPET基材とポリイミド基材で比較するとポリイミド基材で顕著である。このため、拡散防止層をポリイミドテープとし、基材をPETテープとした構成とすることがさらに好ましい。この場合、接着温度から15〜20℃冷却して拡散防止層を引き抜いた場合、ポリイミドテープは感温粘着テープのから剥離され、PETテープに感温性粘着テープが残ることとなる。
<拡散防止層>
拡散防止層は、発色層と感温層とを遮断できればよい。例えば、ガラス板、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの樹脂フィルム、樹脂シート、樹脂テープ、ゴムシート等を用いることができる。これらのなかでも特に、ポリイミド基材であることが好ましい。
また、拡散防止層の端部には、拡散防止層よりも摩擦係数の高い部材を設けることが好ましい。温度履歴表示体は温度検知の開始時に拡散防止層を抜き去ることが必要である。製造ラインで高速で拡散防止層を抜きとるためには、ラベル剥離装置などを用い、拡散防止層の一部を保持しながら引き抜くこととなる。このため、拡散防止層の端部は摩擦係数が高いことが好ましい。
また、拡散防止層の厚さは以下の理由から薄いことが望ましい。即ち、温度検知の開始時には拡散防止層を抜き去り、温度逸脱時には感温剤及び顕色剤が印字紙に拡散することが必要である。このため、拡散防止層を抜き去った後の発色層と感温層の空隙が小さいことが望ましく、薄い拡散防止層が望ましい。但し、前述したように、製造ラインで拡散層を抜きとるためには強度も必要であり、薄さと強度の両立から、拡散防止層の厚さは5μm以上10μmm以下であることが好ましい。
<温度履歴体の製造方法>
実施形態に係る温度履歴表示体の製造方法は、感温剤を凝固点以下に冷却して感温層を形成する感温層形成工程と、印字紙に発色剤を印字する発色層形成工程と、基材と感温層と拡散防止層を積層する積層工程と、積層工程後に室温下で拡散防止層上に印字紙を積層する印字紙積層工程と、を備える。
上記方法によれば、感温層形成工程と積層工程以外は、室温で温度履歴表示体を製造できる。なお、発色層形成工程は、印字紙積層工程後に行っても良い。
<温度履歴表示体の使用方法>
温度履歴表示体は例えば次のように使用することができる。温度管理対象物又はその容器に温度履歴表示体貼付し、拡散防止層を引き抜くことにより温度履歴表示体を温度検知可能な状態にする。そして、発色層の変色又は発色の有無から適切な温度で管理されたか否かを判断する。
図9は温度履歴表示体の使用方法の一例を示す図である。まず、発色層に発色剤が印字されていない温度履歴表示体を作製する。アンプル等の温度管理対象物の容器13にラベラーで温度履歴表示体14を貼付する。インクジェットプリンタ等の印字装置15で発色層に発色剤を印字する。このとき、温度履歴表示体14の貼付及び発色層への印字は室温で行うことができる。次に温度管理下で、温度管理対象物を容器に入れる。その後、フィルム除去装置17等で拡散防止層6を除去する。このようにすることにより、製造ライン中で、温度履歴表示体を温度管理対象物に貼付でき、温度逸脱を検知可能な状態とすることができる。
<温度履歴表示体の製造方法>
インクを以下の手順で調製した。ブロモフェノールブルー(和光純薬製、4g)をエタノール(和光純薬製、240g)に溶解し、さらに、導電材として硝酸リチウム(和光純薬製、1.4g)を添加し、発色剤を含むインクとした。このインクを用い、日立産機製、連続型インクジェットプリンタ、PX−R型でインクジェット用プリンタ紙(厚さ0.3mm、幅10mm、長さ20mm)の中心、5x10mmの領域に印字し、発色層を形成した。
次に、30%ポリエチレンイミン水溶液(平均分子量:約70000、和光純薬製、2g)を蒸留水20gで希釈し、顕色剤液を調製した。40g/mの上質紙を幅5mm、長さ10mmに切断し、顕色剤液に含浸させて第1の層を形成した。これをPET製の基材テープ上に配置した。次に、幅6mm、長さ11mmに切断した20g/mの薄葉紙を、ミリスチン酸イソプロピル(和光純薬製、融点9℃)に含浸させて第2の層を形成し、これを上記第1の層上に積層した。次に、厚さ5μmのポリイミドテープ(東レ・デュポン製)に感温性粘着テープであるインテリマーテープ(ニッタ株式会社製)を貼付して拡散防止層を準備した。これを感温層上に配置するとともに、基材テープと感温性粘着テープを25℃以上で接着した。この上に発色層として前期の方法で発色インクを印字した印字紙を積層し、拡散防止層の動きを妨げないよう、印字紙と基材テープを粘着テープで固定し、図1に示す温度履歴表示体を完成させた。
次に、このテープを0℃に設定した恒温槽に1時間保管して感温層の感温剤を固化させた。
<サーモクロミック確認実験>
上記の温度履歴表示体を4℃に設定した恒温槽に移し、測定体対象物である医薬品瓶の曲面に温度履歴表示体を貼付した。次に、拡散防止層を引き抜き、図2に示すように温度履歴表示体の温度検知を動作させた。4℃で24時間、恒温槽で保管したが、温度履歴表示体に変化はなかった。次に、恒温槽の設定温度を9℃としたところ、感温剤が融解し始め、図3に示すように30分後に顕色剤が拡散して発色剤である印字インクと接触してのインクの変色を確認した。
拡散防止層上に印字紙(インクジェット用プリンタ紙)を積層した後、発色剤を含むインクを印字したこと以外実施例1と同様に温度履歴表示体を作製した。
まず、発色層に発色剤を含むインクが印字されていない温度履歴表示体を作成した。この温度履歴表示体を0℃に設定した恒温槽に1時間保管して感温剤を固化させた。次に、この温度履歴表示体を4℃に設定した恒温槽に移し、測定体対象物である医薬品瓶の曲面に温度履歴表示体を貼付した。実施例1で記述した連続型インクジェットプリンタのプリンタヘッドを恒温槽の中に入れ、発色層を構成する印字紙に発色剤を含むインクを印字した。
実施例1と同様の方法でサーモクロミック実験を行い、インクの変色を確認した。この方法では、医薬品瓶にロット番号、製造年月日を発色インクで直接印字することができた。
(比較例1)
粘着剤として、感温性を有しない、天然ゴム系粘着テープ(ピコペール100(理化ハキュレス製)を含有)を用いて拡散防止層を基材に貼付したこと以外実施例1と同様に温度履歴表示体を作製し、サーモクロミック確認実験を行った。
比較例1に係る温度履歴表示体は、実施例1と同じ感温剤を用いているため、9℃以上となると発色層の変色するはずである。しかしながら、4℃の状態でインクの変色を確認した。これは、拡散防止層の引き抜き時に感温層が傷ついためであると考えられる。
発色剤を含むインクとして、ブロモチモールブルー(和光純薬製、6g)をエタノール(和光純薬製、230g)に溶解し、さらに、導電材として硝酸リチウム(和光純薬製、1.5g)を添加することによって得られたインクを用いたこと以外、実施例1と同様に温度履歴表示体を作製し、サーモクロミック確認実験を行った。
4℃で24時間、恒温槽で保管したが、温度履歴表示体に変化がなかった。その後、9℃に保管すると、6分後にインクが黄色から青に変化し始めた。さらに、14分後に印字の変色が完了した。再び、設定温度を4℃としたが、印字は青色のままであった。この後、恒温槽から温度履歴表示体を取り出し、分析した結果、感温層が融解して印字紙に拡散し、さらに、顕色剤が発色剤である印字インクと接触して発色していたことが確認された。
感温剤にパルミチン酸イソプロピル(和光純薬製、融点12℃)を用いたこと以外、実施例1と同様の方法で温度履歴表示体を作製した。また、設定温度を5℃から12℃まで変化させ、また、拡散防止層を引き抜く温度を5℃としたこと以外実施例1と同様にサーモクロミック確認実験を行った。
はじめに、5℃で24時間、恒温槽で保管したが、温度履歴表示体には変化がなかった。その後、設定温度11℃までは温度履歴表示体に変化はなかったが、12℃に保管すると、9分後にインクが無色から青に変化し始めた。さらに、18分後に印字の変色が完了した。再び、設定温度を4℃としたが、印字は青色のままであった。この後、恒温槽からテープを取り出し、分析した結果、感温層が融解して印字紙に拡散し、さらに、顕色剤が印字インクと接触して発色していたことが確認された。
以上のように、テープ基材上に顕色剤を含む第1の層、感温剤を含む第2の層、感温粘着テープを貼付した拡散防止層及び発色インクが印字された発色層が積層された温度履歴表示体では、室温保管後に感温剤の凝固点以下で感温剤を固化させた後、拡散防止層を除去することで温度検知が開始し、被測定対象物の管理温度からの逸脱を検知できることが確認できた。また、用いる感温剤の種類を選択することにより、設定温度を調整できることが分かった。
拡散防止層の端部5mmにガラス繊維強化シリコーンにシリコーン系粘着剤を塗布したテープ(3M社製、滑り止めテープ)を貼付し、実施例1と同様の方法で温度履歴表示体を作製した。作製した温度履歴表示体の断面図を図10に、上面図を図11に示す。図10及び図11において、拡散防止層6の端部には、滑り止めテープ10を備える。拡散防止層よりも摩擦係数の高い部材を設けることにより、確実に拡散層抜き取ることが可能となった。
1…粘着層、2…基材、3…第1の層、4…第2の層、5…粘着剤、6…拡散防止層、7…発色層、8…発色剤、9…発色又は変色した発色剤、10…滑り止めテープ、11…非多孔質部材、12…感温層、13…容器、14…温度履歴表示体、15…印字装置、16…注入装置、17…フィルム除去装置

Claims (15)

  1. 基材と、
    発色剤を含む発色層と、
    前記発色剤の発色又は変色を促す顕色剤と、所定温度を超えると融解する感温剤と、を含む感温層と、
    前記発色層と前記感温層の間に配置され、前記顕色剤の前記発色層への拡散を防ぐ拡散防止層と、を備え、
    前記基材上に、前記感温層、前記拡散防止層、前記発色層の順に積層しており、
    前記感温層の側面は非多孔質部材に覆われており、
    前記拡散防止層は前記感温剤の凝固点以下で剥離する粘着剤により前記非多孔質部材に固定されていることを特徴とする温度履歴表示体。
  2. 請求項1に記載の温度履歴表示体であって、
    前記凝固点における前記粘着剤の粘着力は、前記凝固点よりも20℃高い温度における前記粘着剤の粘着力よりも低いことを特徴とする温度履歴表示体。
  3. 請求項1に記載の温度履歴表示体であって、
    前記感温層は、前記顕色剤を含む第1の層と、前記第1の層上に積層され前記感温剤を含む第2の層を含むことを特徴とする温度履歴表示体。
  4. 請求項1に記載の温度履歴表示体であって、
    前記拡散防止層は、ガラス板、樹脂フィルム、樹脂シート、ゴムシートのいずれかであることを特徴とする温度履歴表示体。
  5. 請求項3に記載の温度履歴表示体であって、
    前記拡散防止層の厚さは5μm以上10μmm以下であることを特徴とする温度履歴表示体。
  6. 請求項1に記載の温度履歴表示体であって、
    前記粘着剤は多層構造であって、前記非多孔質部材に対する粘着力よりも前記拡散防止層に対する粘着力が弱いことを特徴とする温度履歴表示体。
  7. 請求項1に記載の温度履歴表示体であって、
    前記基材と前記非多孔質部材は一体となっていることを特徴とする温度履歴表示体。
  8. 請求項1に記載の温度履歴表示体であって、
    前記発色剤は、導電剤を含むことを特徴とする温度履歴表示体。
  9. 請求項1に記載の温度履歴表示体でであって、
    前記感温剤の融点は10℃以下であることを特徴とする温度履歴表示体。
  10. 請求項1に記載の温度履歴表示体であって、
    前記発色層は前記発色剤を保持する担体に前記発色剤が印字されたものであることを特徴とする温度履歴表示体。
  11. 請求項1に記載の温度履歴表示体であって、
    前記拡散防止層の端部に、前記拡散防止層よりも摩擦係数の高い部材を備えることを特徴とする温度履歴表示体。
  12. 請求項1に記載の温度履歴表示体であって、
    前記顕色剤は、ポリアクリル酸、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミンのいずれかを含むであることを特徴とする温度履歴表示体。
  13. 請求項1に記載の温度履歴表示体であって、
    前記感温剤は、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ペンタデカンのいずれかを含むことを特徴とする温度履歴表示体。
  14. 請求項1に記載の温度履歴表示体であって、
    前記発色剤は、チモールブルー、ブロモチモールブルー、ブロモチモールブルーの少なくともいずれかを含むことを特徴とする温度履歴表示体。
  15. 請求項1乃至14のいずれか一項に記載の温度履歴表示体であって、
    前記感温剤の融点又は前記発色剤の位置に関する情報を有し、温度により変化しないコードを前記発色層の表面に備えることを特徴とする温度履歴表示体。
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