JP2004093324A - 温度履歴表示体とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、対象物に貼り付け、対象物が管理温度外の環境に曝された場合、不可逆的な変化を生じる温度履歴表示媒体で、かつ工業生産が容易なものを供給する。
【解決手段】本発明では、支持体上に特定温度に融点を有する物質(以下、感温物質という。)を含む層を形成、その上に部分的に画像として形成された層を形成、さらにその上に粘着層と透明な保護層が形成されたことを特長とする温度履歴表示体を提供する。また、本温度履歴表示媒体のそれぞれの層の形成を感温物質の融点以下の環境下で製造する方法を提供する。本表示体が感温物質の融点を超える環境に曝された場合、感温層が融解し、画像層に不可逆的変化を生ずる。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明では、支持体上に特定温度に融点を有する物質(以下、感温物質という。)を含む層を形成、その上に部分的に画像として形成された層を形成、さらにその上に粘着層と透明な保護層が形成されたことを特長とする温度履歴表示体を提供する。また、本温度履歴表示媒体のそれぞれの層の形成を感温物質の融点以下の環境下で製造する方法を提供する。本表示体が感温物質の融点を超える環境に曝された場合、感温層が融解し、画像層に不可逆的変化を生ずる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の温度に曝された場合に不可逆的な変化が生じることにより、温度履歴を表示することができる温度履歴表示体とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
冷凍技術や冷蔵技術の発展に伴って多くの低温保存食品が長期間にわたって、その品質や安全性を保つことができるようになってきた。また、低温輸送技術の発達と普及により、色々な種類の低温保存食品が製品化されてきている。
【0003】
一方、近年食品の安全性が一段と大きな問題となってきている。毎年生物要因によって、罹病する人の数は1万人程度であり、食品の取り扱いが改善されているにもかかわらず、年々増加の傾向にある。この要因は、細菌に対する抵抗力の弱い人が増大していること、即ち、過度な減菌等により、菌に対する免疫力の低下、あるいは添加物を使用しない社会的傾向によるものと考えられる。細菌による事故は細菌数と密接な関係があり、一般的には食品1g当たり105以下であれば、健康な人には発症はしないと考えられている。細菌の分裂は適温、水分、養分の3つが必要条件である。このうちの1つでも欠如すると分裂は抑止される。そこで細菌の分裂を抑え、細菌数を抑止するために、低温(細菌は一般に3℃以下では分裂は起こらない。)や塩乾等の方法が採られてきた。
【0004】
食品の味に影響を与えず、添加薬品の不要な細菌分裂抑止方法として、低温保存による方法が特に注目を集めている。この方法の最大の課題は、特定された一定温度を保持することにある。例えば、3℃の保存温度に保っている場合、この温度を超えて10℃に温度が変化すれば、大腸菌であれば2時間で2倍程度の細菌数になると共に、食品中の水分が膨張することによって、食品の間に隙間を作り、そこからも毛管現象によって食品の養分を食品表面に押し出す。次に温度を下げると、表面に流出した水分の何割かが再び食品の内部に引き込まれるため、細菌の汚染を食品内部に拡大する。また、細菌も低温状態から適温に変化すると、反作用が起こり分裂速度を速める。即ち、食品保存にとって温度の上げ下げは行わない方が良いということである。
【0005】
次に食品の流通を見た場合、食品工場で例えば3℃に温度保持を行うことは困難なことではない。しかし、その食品が工場を出て輸送段階にはいると、この温度保持ははなはだ難しいものになる。冷凍装置の設置されたトラックでも、直射日光の下では温度を一定に保つことは困難であり、温度のバラツキが生じる。また、スーパー、コンビニエンスストアやその他小売店で販売される状態において、常に3℃以下を保つことは容易なことではない。
【0006】
消費者が食品を消費するまでに、当該食品がどのような温度履歴を経てきたかということは、消費者が知ることができないのが現状である。食品が経てきた温度履歴を知るために様々な工夫がなされてきており、その一つとして温度履歴表示体というものが開発されてきている。例えば、特開平10−287863号公報には、所定温度での複数の物質の反応により不可逆的に発色する温度履歴表示体において、発色剤層、検温剤層および顕色剤層とを備えた温度履歴表示体についての発明が開示されている。この発明は、発色剤層と顕色剤層を検温剤層で区切っておき、所定温度以上になると検温剤が溶解して発色剤層と顕色剤層が接触して発色し、この発色反応が不可逆的に起こることから、所定温度以上になったか否かを温度履歴表示体の発色により知ることができるというものである。
【0007】
この方法は不可逆的であり有効な方法であるが、発色剤および顕色剤を使用することを必須としており、温度履歴表示体の構造が複雑で、工業生産には複雑な装置と工程が必要で、実用的な方法ということはできない。また、その他の温度履歴表示体においても、いずれも感温色剤や発色剤が使用されており、現実的な普及に至っていないのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、対象物に付け、対象物が管理温度外の環境に曝された場合、不可逆的な変化を生じる温度履歴表示媒体で、かつ工業生産が容易なものを供給する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。本発明では、支持体上に、特定温度に融点を有する物質(以下、感温物質という。)を含む層(以下、感温層という。)、部分的に画像として形成された層(以下、画像層という。)、粘着層、透明な保護層が順次形成されたことを特長とする温度履歴表示体を提供する。本媒体を低温保存食品などの対象物に貼り付けた場合、対象物の所定温度(感温物質の融点)以上の環境に曝された場合、感温層が崩れ感温層上の画像層が不可逆的に変形し、目視や機械を使って容易に判定が可能となる。また、本発明の温度履歴表示体は、感温物質の融点以下の環境下で、融点以上に保たれ液状になった感温物質を含む液(以下、感温層液という。)を支持体面に形成した後凝固させ、該層から上の層を形成して製造する方法が好ましい。本製造方法はラベラーやインクジェットの様なプリンターなどの既存の技術を応用し、装置は小型設備に作ることが可能である。従って、本温度履歴表示体は、本表示体を付ける対象物の包装現場や、流通センターなど対象物が低温保存される環境下に置かれた場所で製造することが可能となる。別な言い方をすれば、本発明の製造方法では、温度履歴表示媒体を対象物に付ける場所にて製造が可能である。従って、特別に製造設備を作る場所を設けたり、製造した温度履歴表示体の特別な保管場所を設けたり、特別な運搬手段で運ぶことが不要となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図を用いて説明する。図1〜3に温度履歴表示体の層構成を示す。図1における温度履歴表示体は、支持体(1)上に、感温層(2)が形成され、その上に画像層(3)、粘着層(4)、保護層(5)が順次形成されたものである。図2、図3における温度履歴表示体は、図1に示した温度履歴表示体の最上層に粘着層(6)が形成されたものと、最下層に粘着層(6)が形成されたものであり、本粘着層は低温保存食品などに貼り付けるためのものである。
【0011】
本発明に用いられる支持体は、特に限定するものではないが、各種の紙やプラスチックフィルム、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン−1、アイオノマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ABS樹脂、ポリスチレン、AS樹脂、メタクリル樹脂、ポリビニルアルコール、EVA、セルロース系プラスチック、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ユリア・メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルフォン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルケトン、ポリエステル、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアリルエーテルニトリル、ポリベンゾイミダール、紙などを単独あるいは2種以上配合されたものからなるフィルム、あるいはこれらのフィルムを組み合わせた複合シートなどの使用が考えられる。本発明の温度履歴表示体が支持体の裏面に粘着層を形成したものである場合、貼り付けた対象物からの温度が支持体の熱伝導性に影響されるので、支持体を選択する場合、考慮する必要がある。
【0012】
本発明の温度履歴表示体は、感温物質の融点以下の環境下で、融点以上の温度に保った感温物質を含む液を支持体上に塗布し凝固させ、感温層を形成する。さらに、その上に画像層を形成して製造することを特長とする。本温度履歴表示体は、環境温度が感温層に含まれる感温物質の融点より高くなった場合、保護層から環境温度が伝わり、感温層に到達し、感温物質が融解することで感温層上に形成された画像層に不可逆的変化が生ずる。即ち、本温度履歴表示体を貼り付けた対象物が所定以外の環境に曝されたかどうかを、画像の判読により判定する。画像の判読方法としては、特に限定しないが、文字情報や図形情報(バーコード情報を含む)を人や機械により行う方法が考えられる。
【0013】
感温層液は感温物質を主成分とする。本発明に使用される感温物質は所定温度を超えると融解し、感温層上に形成された画像に不可逆的変化を及ぼす。本感温物質は特定の温度領域でシャープな融点を持つ化合物あるいは高分子化合物である。融点の範囲としては、中心値±1.5℃以下が好ましく、より好ましくは中心値±1.0℃以下である。本発明の感温物質としては、1種類の化合物からなるものであってもよいし、2種類以上の物質の混合物であってもよい。本感温物質は感温層に存在する添加物により、融点が変化する可能性があり、感温層組成物の融点として確認が必要である。
【0014】
本発明に使用される感温物質はシャープな融点を有するあらゆる化合物の使用が考えられ、炭化水素類、アルコール類、脂肪酸類、ケトン類、エーテル類、エステル類、アミン類、不飽和アルデヒド類、芳香族炭化水素類、芳香族アルコール類、芳香族カルボン酸類、シクロヘキサン誘導体類、シクロヘキサノール誘導体類、尿素化合物類等及びそれらの塩類などの有機物質、塩化物や水酸化物などの無機物質が考えられる。本発明の温度履歴表示体を食品製品や医薬品などに利用する場合には、人体に対する安全性の高いものがより好ましいが、安全性が十分でない物質であっても、保護層や支持体により感温物質を密封することにより、使用することも考えられる。
【0015】
本発明の感温物質としては、例えば各種融点を持つパラフィン類、ポリエチレングリコール、ジメチルスルフォキシド(融点、約10℃)、オレイン酸(融点、約10℃)、オレイルアルコール(融点、約4℃)、1−デナコール(融点、約7℃)、5−イソプロピル−2−メチルフェノール(融点、約4℃)、o−s−ブチルフェノール(融点、12℃)、カルバクロール(融点、4℃)、2−クロロフェノール(98%)(融点、12℃)、m−クレゾール(融点、12℃)、o−ハイドロアセトフェノン(融点、12℃)、2−メトキシ−4−メチルフェノール(融点、6℃)、o−ニトロアニソール(融点、10℃)などの単独使用や2種以上の併用使用が考えられる。
【0016】
本発明が推奨する感温層の形成方法は、本感温層に含まれる感温物質の融点以下の環境下で、本感温物質の融点以上に保った液状の感温層液を支持体面に形成する方法であれば特に限定はしないが、例えば、ロールなどで転写する方法が考えられる。転写された感熱層液は環境温度により冷却され、支持体表面で凝固し固着する。
【0017】
本発明の画像層液は、染料あるいは顔料とそれらを分散あるいは溶解する溶媒あるいは分散媒からなる。使用される溶媒あるいは分散媒として、融点が感温層に使用される感温剤の融点と同等以上を有するものを使用し、感温層上に本画像層を凝固して固着させる方法が考えられる。また、別な方法として、溶媒あるいは分散媒に揮発性の高い溶剤を使用し、溶剤が揮発することで、染料あるいは顔料成分を固着させることも考えられる。溶媒あるいは分散媒として使用されるものとして、炭化水素類、アルコール類、脂肪酸類、ケトン類、エーテル類、エステル類、アミン類、不飽和アルデヒド類、芳香族炭化水素類、芳香族アルコール類、芳香族カルボン酸類、シクロヘキサン誘導体類、シクロヘキサノール誘導体類、尿素化合物類等及びそれらの塩類などの有機物質、塩化物や水酸化物などの無機物質が考えられる。さらに画像層液には上述のもの以外に、公知の合成樹脂や流動性などを改良するなどの目的で添加剤などの使用が考えられる。
【0018】
本発明の画像層に用いられる染料は繊維、紙等の染色や印刷インク、塗装などに用いられる染料の使用が考えられる。色相は黒色が好ましいが、それ以外にも赤色、青色、茶色、黄色などの色相の使用も可能である。さらに、蛍光染料の使用も考えられる。本発明に使用する染料として、特に限定するものではないが、例えば、アゾ染料、アントラキノン染料、カルボニウム染料、インジゴイド染料、硫化染料、フタロシアニン染料、その他アジン、オキサジン、チアジン、ニトロ、ニトロソ、キノリン、スチルベン、ポリメチン、アミノケトン、酸化染料用塩基などに属する染料などが考えられ、これらを単独あるいは2種以上混合して使用する。
【0019】
本発明の画像層に用いられる顔料は繊維、紙等の染色や印刷インク、塗装などに用いられる顔料の使用が考えられる。色相は染料と同じく、黒色が好ましいが、赤色、青色、茶色、黄色などの色相の使用も可能である。さらに、蛍光顔料の使用も考えられる。本発明に使用される顔料としては、特に限定するものではないが、例えば、無機顔料としては、カーボンブラック、クロムイエロー、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ベンガラ、カドミウムレッド、硫化水銀カドミウム、モリブデンオレンジ、紺青、群青など、有機顔料として、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、金属錯塩顔料、トリフェニルメタン系顔料などが考えられ、これらを単独あるいは2種以上混合して使用する。
【0020】
本発明の温度履歴表示体は、画像層の上に粘着層を設け、透明乃至半透明の保護層を設ける。本粘着層は、低温で保護層と支持体を接着するものなら特に限定されず、一般にシールラベル用に用いられる粘着剤などが考えられる。具体的には天然ゴム系粘着剤、合成イソプレンゴム系粘着剤、SBRゴム系粘着剤、ポリアクリル酸エステル系粘着剤、またはそれらの共重合体、シリコーンゴム系粘着剤、ビニールエーテル共重合体系粘着剤などの単独や2種以上混合したものからなることが考えられる。
【0021】
本発明の保護層は感温層や画像層が物理的接触により損傷したり、外部環境により変質するのを防止する。また、一時的に本温度履歴表示体が対象物の所定外の温度環境に曝された場合には感温層からなる画像が即座に不可逆的に変化することを防止するという目的にも使うことも考えられる。即ち、本温度履歴表示媒体を付ける対象物(低温保存食品など)は、対象物の管理温度内で保管されるが、搬送などの作業においては、常温環境での放置は時間を限定して許容されている。この許容時間内で感温層が不可逆的変化を起こさないよう保護層を形成する。本発明の保護層はその断熱性を変化させることで、外部温度が感温層に伝達する速度をコントロールすることが可能である。本保護層の断熱性を変化させる方法は特に限定しないが、例えば、断熱層の厚みを変化させる、断熱性の高い材質のフィルムを使用する、空気層を形成するなどの方法が考えられる。
【0022】
本発明の保護層として透明あるいは半透明なフィルムの使用を使用する。保護層として使用する透明フィルムとしては、透明あるいは半透明であれば特に限定はしないが、前述の支持体に使われるものとして列挙したもの等の使用が考えられる。
【0023】
本発明の温度履歴表示体は支持体面あるいは保護層の上に粘着層を形成し、低温保存食品などの外装に貼り付けて使用することが考えられる。本粘着層も画像層の上の粘着層と基本的に同様のものが考えられる。
【0024】
【実施例】
以下に本発明を実施例を使用し詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。なお、以下に示す部、%はいずれも質量基準である。塗工量は絶乾塗工量である。
【0025】
(1)画像層液の作成
25℃の環境下で、融点20±1℃のパラフィン100部に対し、黒色顔料としてカーボンブラック0.1部をミキサーでよく混合し、この液を画像層液とする。
【0026】
実施例1
5℃の環境下で、感温層液として融点10±1℃のパラフィンを表面を15℃に温めたロールの表面に皮膜として形成し、白色ポリエステルフィルム(厚み、50μm)の支持体上に付着量が10g/m2になるよう転写する。感温層液は環境温度により、支持体面上に凝固し固定される。一方、この画像層液を25℃に温め、インクジェットでノズルから感温層上に噴射しバーコードを描く。画像層は感温層面に固定される。形成された画像層の上に片面に粘着層を施したポリエステルフィルム(厚さ、50μm)を、粘着層を下にして支持体と貼り合わせ、感温層を本フィルムで被覆し、温度履歴表示体を作製する。できた温度履歴表示体を5℃の環境下と、15℃の環境下に放置する。5℃の環境下のものはバーコードがバーコードリーダーでいつまでも読み取れるが、15℃の環境下のものはバーコードが徐々に崩れ読み取りが不能になる。
【0027】
【発明の効果】
本発明の、支持体上に感温層が形成され、その上に画像層が画像として形成され、さらにその上に粘着層と保護層が形成された温度履歴表示体は所定温度に曝された場合、感温層が溶解することで、その上に形成された画像層の画像が不可逆的変化を生じ、目視や機械などの判読ができなくなることで、所定温度に曝された履歴を不可逆的に表示することができる。また、バリア層の断熱性を変化させることで、外部環境に対する時間の制御が可能である。本温度履歴表示体は、使用直前に感温物質の融点以下の雰囲気で、感温層から上を形成することにより、容易に製造が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の温度履歴表示体の断面の層構造を示し、感温層上に画像層が画像として形成されたものを示す。
【図2】図2は、本発明の温度履歴表示体の断面の層構造を示し、図1に示す温度履歴表示体の保護層の上に粘着層が形成されたものを示す。この粘着層を使用して対象物に貼り付ける。
【図3】図3は、本発明の温度履歴表示体の断面の層構造を示し、図1に示す温度履歴表示体の支持体の粘着層が形成されたものを示す。この粘着層を使用して対象物に貼り付ける。
【符号の説明】
1 支持体
2 感温層
3 画像層
4 粘着層
5 保護層
6 粘着層
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の温度に曝された場合に不可逆的な変化が生じることにより、温度履歴を表示することができる温度履歴表示体とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
冷凍技術や冷蔵技術の発展に伴って多くの低温保存食品が長期間にわたって、その品質や安全性を保つことができるようになってきた。また、低温輸送技術の発達と普及により、色々な種類の低温保存食品が製品化されてきている。
【0003】
一方、近年食品の安全性が一段と大きな問題となってきている。毎年生物要因によって、罹病する人の数は1万人程度であり、食品の取り扱いが改善されているにもかかわらず、年々増加の傾向にある。この要因は、細菌に対する抵抗力の弱い人が増大していること、即ち、過度な減菌等により、菌に対する免疫力の低下、あるいは添加物を使用しない社会的傾向によるものと考えられる。細菌による事故は細菌数と密接な関係があり、一般的には食品1g当たり105以下であれば、健康な人には発症はしないと考えられている。細菌の分裂は適温、水分、養分の3つが必要条件である。このうちの1つでも欠如すると分裂は抑止される。そこで細菌の分裂を抑え、細菌数を抑止するために、低温(細菌は一般に3℃以下では分裂は起こらない。)や塩乾等の方法が採られてきた。
【0004】
食品の味に影響を与えず、添加薬品の不要な細菌分裂抑止方法として、低温保存による方法が特に注目を集めている。この方法の最大の課題は、特定された一定温度を保持することにある。例えば、3℃の保存温度に保っている場合、この温度を超えて10℃に温度が変化すれば、大腸菌であれば2時間で2倍程度の細菌数になると共に、食品中の水分が膨張することによって、食品の間に隙間を作り、そこからも毛管現象によって食品の養分を食品表面に押し出す。次に温度を下げると、表面に流出した水分の何割かが再び食品の内部に引き込まれるため、細菌の汚染を食品内部に拡大する。また、細菌も低温状態から適温に変化すると、反作用が起こり分裂速度を速める。即ち、食品保存にとって温度の上げ下げは行わない方が良いということである。
【0005】
次に食品の流通を見た場合、食品工場で例えば3℃に温度保持を行うことは困難なことではない。しかし、その食品が工場を出て輸送段階にはいると、この温度保持ははなはだ難しいものになる。冷凍装置の設置されたトラックでも、直射日光の下では温度を一定に保つことは困難であり、温度のバラツキが生じる。また、スーパー、コンビニエンスストアやその他小売店で販売される状態において、常に3℃以下を保つことは容易なことではない。
【0006】
消費者が食品を消費するまでに、当該食品がどのような温度履歴を経てきたかということは、消費者が知ることができないのが現状である。食品が経てきた温度履歴を知るために様々な工夫がなされてきており、その一つとして温度履歴表示体というものが開発されてきている。例えば、特開平10−287863号公報には、所定温度での複数の物質の反応により不可逆的に発色する温度履歴表示体において、発色剤層、検温剤層および顕色剤層とを備えた温度履歴表示体についての発明が開示されている。この発明は、発色剤層と顕色剤層を検温剤層で区切っておき、所定温度以上になると検温剤が溶解して発色剤層と顕色剤層が接触して発色し、この発色反応が不可逆的に起こることから、所定温度以上になったか否かを温度履歴表示体の発色により知ることができるというものである。
【0007】
この方法は不可逆的であり有効な方法であるが、発色剤および顕色剤を使用することを必須としており、温度履歴表示体の構造が複雑で、工業生産には複雑な装置と工程が必要で、実用的な方法ということはできない。また、その他の温度履歴表示体においても、いずれも感温色剤や発色剤が使用されており、現実的な普及に至っていないのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、対象物に付け、対象物が管理温度外の環境に曝された場合、不可逆的な変化を生じる温度履歴表示媒体で、かつ工業生産が容易なものを供給する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。本発明では、支持体上に、特定温度に融点を有する物質(以下、感温物質という。)を含む層(以下、感温層という。)、部分的に画像として形成された層(以下、画像層という。)、粘着層、透明な保護層が順次形成されたことを特長とする温度履歴表示体を提供する。本媒体を低温保存食品などの対象物に貼り付けた場合、対象物の所定温度(感温物質の融点)以上の環境に曝された場合、感温層が崩れ感温層上の画像層が不可逆的に変形し、目視や機械を使って容易に判定が可能となる。また、本発明の温度履歴表示体は、感温物質の融点以下の環境下で、融点以上に保たれ液状になった感温物質を含む液(以下、感温層液という。)を支持体面に形成した後凝固させ、該層から上の層を形成して製造する方法が好ましい。本製造方法はラベラーやインクジェットの様なプリンターなどの既存の技術を応用し、装置は小型設備に作ることが可能である。従って、本温度履歴表示体は、本表示体を付ける対象物の包装現場や、流通センターなど対象物が低温保存される環境下に置かれた場所で製造することが可能となる。別な言い方をすれば、本発明の製造方法では、温度履歴表示媒体を対象物に付ける場所にて製造が可能である。従って、特別に製造設備を作る場所を設けたり、製造した温度履歴表示体の特別な保管場所を設けたり、特別な運搬手段で運ぶことが不要となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図を用いて説明する。図1〜3に温度履歴表示体の層構成を示す。図1における温度履歴表示体は、支持体(1)上に、感温層(2)が形成され、その上に画像層(3)、粘着層(4)、保護層(5)が順次形成されたものである。図2、図3における温度履歴表示体は、図1に示した温度履歴表示体の最上層に粘着層(6)が形成されたものと、最下層に粘着層(6)が形成されたものであり、本粘着層は低温保存食品などに貼り付けるためのものである。
【0011】
本発明に用いられる支持体は、特に限定するものではないが、各種の紙やプラスチックフィルム、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン−1、アイオノマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ABS樹脂、ポリスチレン、AS樹脂、メタクリル樹脂、ポリビニルアルコール、EVA、セルロース系プラスチック、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ユリア・メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルフォン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルケトン、ポリエステル、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリアリルエーテルニトリル、ポリベンゾイミダール、紙などを単独あるいは2種以上配合されたものからなるフィルム、あるいはこれらのフィルムを組み合わせた複合シートなどの使用が考えられる。本発明の温度履歴表示体が支持体の裏面に粘着層を形成したものである場合、貼り付けた対象物からの温度が支持体の熱伝導性に影響されるので、支持体を選択する場合、考慮する必要がある。
【0012】
本発明の温度履歴表示体は、感温物質の融点以下の環境下で、融点以上の温度に保った感温物質を含む液を支持体上に塗布し凝固させ、感温層を形成する。さらに、その上に画像層を形成して製造することを特長とする。本温度履歴表示体は、環境温度が感温層に含まれる感温物質の融点より高くなった場合、保護層から環境温度が伝わり、感温層に到達し、感温物質が融解することで感温層上に形成された画像層に不可逆的変化が生ずる。即ち、本温度履歴表示体を貼り付けた対象物が所定以外の環境に曝されたかどうかを、画像の判読により判定する。画像の判読方法としては、特に限定しないが、文字情報や図形情報(バーコード情報を含む)を人や機械により行う方法が考えられる。
【0013】
感温層液は感温物質を主成分とする。本発明に使用される感温物質は所定温度を超えると融解し、感温層上に形成された画像に不可逆的変化を及ぼす。本感温物質は特定の温度領域でシャープな融点を持つ化合物あるいは高分子化合物である。融点の範囲としては、中心値±1.5℃以下が好ましく、より好ましくは中心値±1.0℃以下である。本発明の感温物質としては、1種類の化合物からなるものであってもよいし、2種類以上の物質の混合物であってもよい。本感温物質は感温層に存在する添加物により、融点が変化する可能性があり、感温層組成物の融点として確認が必要である。
【0014】
本発明に使用される感温物質はシャープな融点を有するあらゆる化合物の使用が考えられ、炭化水素類、アルコール類、脂肪酸類、ケトン類、エーテル類、エステル類、アミン類、不飽和アルデヒド類、芳香族炭化水素類、芳香族アルコール類、芳香族カルボン酸類、シクロヘキサン誘導体類、シクロヘキサノール誘導体類、尿素化合物類等及びそれらの塩類などの有機物質、塩化物や水酸化物などの無機物質が考えられる。本発明の温度履歴表示体を食品製品や医薬品などに利用する場合には、人体に対する安全性の高いものがより好ましいが、安全性が十分でない物質であっても、保護層や支持体により感温物質を密封することにより、使用することも考えられる。
【0015】
本発明の感温物質としては、例えば各種融点を持つパラフィン類、ポリエチレングリコール、ジメチルスルフォキシド(融点、約10℃)、オレイン酸(融点、約10℃)、オレイルアルコール(融点、約4℃)、1−デナコール(融点、約7℃)、5−イソプロピル−2−メチルフェノール(融点、約4℃)、o−s−ブチルフェノール(融点、12℃)、カルバクロール(融点、4℃)、2−クロロフェノール(98%)(融点、12℃)、m−クレゾール(融点、12℃)、o−ハイドロアセトフェノン(融点、12℃)、2−メトキシ−4−メチルフェノール(融点、6℃)、o−ニトロアニソール(融点、10℃)などの単独使用や2種以上の併用使用が考えられる。
【0016】
本発明が推奨する感温層の形成方法は、本感温層に含まれる感温物質の融点以下の環境下で、本感温物質の融点以上に保った液状の感温層液を支持体面に形成する方法であれば特に限定はしないが、例えば、ロールなどで転写する方法が考えられる。転写された感熱層液は環境温度により冷却され、支持体表面で凝固し固着する。
【0017】
本発明の画像層液は、染料あるいは顔料とそれらを分散あるいは溶解する溶媒あるいは分散媒からなる。使用される溶媒あるいは分散媒として、融点が感温層に使用される感温剤の融点と同等以上を有するものを使用し、感温層上に本画像層を凝固して固着させる方法が考えられる。また、別な方法として、溶媒あるいは分散媒に揮発性の高い溶剤を使用し、溶剤が揮発することで、染料あるいは顔料成分を固着させることも考えられる。溶媒あるいは分散媒として使用されるものとして、炭化水素類、アルコール類、脂肪酸類、ケトン類、エーテル類、エステル類、アミン類、不飽和アルデヒド類、芳香族炭化水素類、芳香族アルコール類、芳香族カルボン酸類、シクロヘキサン誘導体類、シクロヘキサノール誘導体類、尿素化合物類等及びそれらの塩類などの有機物質、塩化物や水酸化物などの無機物質が考えられる。さらに画像層液には上述のもの以外に、公知の合成樹脂や流動性などを改良するなどの目的で添加剤などの使用が考えられる。
【0018】
本発明の画像層に用いられる染料は繊維、紙等の染色や印刷インク、塗装などに用いられる染料の使用が考えられる。色相は黒色が好ましいが、それ以外にも赤色、青色、茶色、黄色などの色相の使用も可能である。さらに、蛍光染料の使用も考えられる。本発明に使用する染料として、特に限定するものではないが、例えば、アゾ染料、アントラキノン染料、カルボニウム染料、インジゴイド染料、硫化染料、フタロシアニン染料、その他アジン、オキサジン、チアジン、ニトロ、ニトロソ、キノリン、スチルベン、ポリメチン、アミノケトン、酸化染料用塩基などに属する染料などが考えられ、これらを単独あるいは2種以上混合して使用する。
【0019】
本発明の画像層に用いられる顔料は繊維、紙等の染色や印刷インク、塗装などに用いられる顔料の使用が考えられる。色相は染料と同じく、黒色が好ましいが、赤色、青色、茶色、黄色などの色相の使用も可能である。さらに、蛍光顔料の使用も考えられる。本発明に使用される顔料としては、特に限定するものではないが、例えば、無機顔料としては、カーボンブラック、クロムイエロー、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ベンガラ、カドミウムレッド、硫化水銀カドミウム、モリブデンオレンジ、紺青、群青など、有機顔料として、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、金属錯塩顔料、トリフェニルメタン系顔料などが考えられ、これらを単独あるいは2種以上混合して使用する。
【0020】
本発明の温度履歴表示体は、画像層の上に粘着層を設け、透明乃至半透明の保護層を設ける。本粘着層は、低温で保護層と支持体を接着するものなら特に限定されず、一般にシールラベル用に用いられる粘着剤などが考えられる。具体的には天然ゴム系粘着剤、合成イソプレンゴム系粘着剤、SBRゴム系粘着剤、ポリアクリル酸エステル系粘着剤、またはそれらの共重合体、シリコーンゴム系粘着剤、ビニールエーテル共重合体系粘着剤などの単独や2種以上混合したものからなることが考えられる。
【0021】
本発明の保護層は感温層や画像層が物理的接触により損傷したり、外部環境により変質するのを防止する。また、一時的に本温度履歴表示体が対象物の所定外の温度環境に曝された場合には感温層からなる画像が即座に不可逆的に変化することを防止するという目的にも使うことも考えられる。即ち、本温度履歴表示媒体を付ける対象物(低温保存食品など)は、対象物の管理温度内で保管されるが、搬送などの作業においては、常温環境での放置は時間を限定して許容されている。この許容時間内で感温層が不可逆的変化を起こさないよう保護層を形成する。本発明の保護層はその断熱性を変化させることで、外部温度が感温層に伝達する速度をコントロールすることが可能である。本保護層の断熱性を変化させる方法は特に限定しないが、例えば、断熱層の厚みを変化させる、断熱性の高い材質のフィルムを使用する、空気層を形成するなどの方法が考えられる。
【0022】
本発明の保護層として透明あるいは半透明なフィルムの使用を使用する。保護層として使用する透明フィルムとしては、透明あるいは半透明であれば特に限定はしないが、前述の支持体に使われるものとして列挙したもの等の使用が考えられる。
【0023】
本発明の温度履歴表示体は支持体面あるいは保護層の上に粘着層を形成し、低温保存食品などの外装に貼り付けて使用することが考えられる。本粘着層も画像層の上の粘着層と基本的に同様のものが考えられる。
【0024】
【実施例】
以下に本発明を実施例を使用し詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。なお、以下に示す部、%はいずれも質量基準である。塗工量は絶乾塗工量である。
【0025】
(1)画像層液の作成
25℃の環境下で、融点20±1℃のパラフィン100部に対し、黒色顔料としてカーボンブラック0.1部をミキサーでよく混合し、この液を画像層液とする。
【0026】
実施例1
5℃の環境下で、感温層液として融点10±1℃のパラフィンを表面を15℃に温めたロールの表面に皮膜として形成し、白色ポリエステルフィルム(厚み、50μm)の支持体上に付着量が10g/m2になるよう転写する。感温層液は環境温度により、支持体面上に凝固し固定される。一方、この画像層液を25℃に温め、インクジェットでノズルから感温層上に噴射しバーコードを描く。画像層は感温層面に固定される。形成された画像層の上に片面に粘着層を施したポリエステルフィルム(厚さ、50μm)を、粘着層を下にして支持体と貼り合わせ、感温層を本フィルムで被覆し、温度履歴表示体を作製する。できた温度履歴表示体を5℃の環境下と、15℃の環境下に放置する。5℃の環境下のものはバーコードがバーコードリーダーでいつまでも読み取れるが、15℃の環境下のものはバーコードが徐々に崩れ読み取りが不能になる。
【0027】
【発明の効果】
本発明の、支持体上に感温層が形成され、その上に画像層が画像として形成され、さらにその上に粘着層と保護層が形成された温度履歴表示体は所定温度に曝された場合、感温層が溶解することで、その上に形成された画像層の画像が不可逆的変化を生じ、目視や機械などの判読ができなくなることで、所定温度に曝された履歴を不可逆的に表示することができる。また、バリア層の断熱性を変化させることで、外部環境に対する時間の制御が可能である。本温度履歴表示体は、使用直前に感温物質の融点以下の雰囲気で、感温層から上を形成することにより、容易に製造が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の温度履歴表示体の断面の層構造を示し、感温層上に画像層が画像として形成されたものを示す。
【図2】図2は、本発明の温度履歴表示体の断面の層構造を示し、図1に示す温度履歴表示体の保護層の上に粘着層が形成されたものを示す。この粘着層を使用して対象物に貼り付ける。
【図3】図3は、本発明の温度履歴表示体の断面の層構造を示し、図1に示す温度履歴表示体の支持体の粘着層が形成されたものを示す。この粘着層を使用して対象物に貼り付ける。
【符号の説明】
1 支持体
2 感温層
3 画像層
4 粘着層
5 保護層
6 粘着層
Claims (2)
- 支持体上に、特定温度に融点を有する物質を含む層、部分的に画像として形成された層、粘着層、透明な保護層が順次形成されたことを特長とする温度履歴表示体。
- 特定温度に融点を有する物質の該融点以下の環境下で、該物質の融点以上の温度に保った該物質を含む液を支持体面に固着させて層を形成した後、該層から上の層を形成することを特徴とする請求項1に記載の温度履歴表示体の製造方法。
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JP2002254468A JP2004093324A (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | 温度履歴表示体とその製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2018110200A1 (ja) * | 2016-12-14 | 2018-06-21 | 株式会社日立製作所 | 温度検知材料、それを用いた温度検知インク、温度インジケータ、温度検知材料の製造方法、及び物品管理システム |
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2002
- 2002-08-30 JP JP2002254468A patent/JP2004093324A/ja active Pending
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