JP2016006408A - ウェアラブル着色評価装置及びウェアラブルウェアラブル着色評価方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】安価な着色評価システムを提供する。【解決手段】カラー信号発生器6と2次元色彩計7(撮像部)は、同一の演算処理部3より駆動することにより、同期を取り、カラー信号発生器6で、縦横のタイル状(例えば100x100程度)に分割されたRGB値の変化したカラータイルを2次元色彩計7で計測し、カラー信号発生器6のRGB値に全部XYZ値が関連づけられた変換テーブルを作成し、ウェアラブル端末で測定対象物を測定してrgb値を得て、このrgb値に対応するXYZ値を演算する。【選択図】図2
Description
本発明は、対象物の色の忠実なシミュレーションを可能とするウェアラブル着色評価装置及びウェアラブル着色評価方法に関する。
単に色を測定する計測器としては、分光測色計が一般に普及しているが、ある一定面積の平均的な色度値を求めるため、対象物に模様があったり、メタリック塗装であったり、人の肌のように反射が複雑であったりすると、目でみたような結果が得られないため、その評価は人の目で行うしかない検査が現在多く存在する。
従来のRGBカラーフィルター方式のデジタルカメラでは、色を測定する観点からすると負の感度が実現できないことによる、図30にも記載の、以下の2つの問題点がある。
1.色空間に歪みが生ずるため、RGBからXYZ空間への線形性がないため、測定値として使えない。
2.色を測定する場合には、RGBの三角形の外の値は、すべて三角形に張り付いた座標となり、三角形の内部の座標点しか、一意に捉えられない。
1.色空間に歪みが生ずるため、RGBからXYZ空間への線形性がないため、測定値として使えない。
2.色を測定する場合には、RGBの三角形の外の値は、すべて三角形に張り付いた座標となり、三角形の内部の座標点しか、一意に捉えられない。
つまり、従来のRGBデジタルカメラでは、XYZ等色関数に変換した場合の精度は色空間の歪みを補正することができないために、色差△Eは補正を行っても、5.0程度しか実現できないため、色測定への利用(化粧品、自動車塗装等)は困難であった(図31参照)。
すなわち、RGBカラーデジタルカメラでは、3角形の内側の色についての信号は捉えることができるが、これは色空間としては、負の感度を無視することにより、非線形な信号となっており、この信号を色度値として利用することが、精度上、困難である。
そこで、図32に示す通り、等色関数を用いた画像計測装置の設計、計測用センサーの設計開発により、ヒトの目でみた色をディスプレイ上に表現する技術が開発されている。特許文献1、2等に記載の通り、印刷用検版システムや、分光感度測定装置等が開発されてきている。本発明者は、ヒトの視覚領域をすべてカバー技術的する3フィルターXYZ方式の提案ならびに静岡大学工学部下平研究室に古くから関わり、デジタルカメラシステムとして製品化を行っている。この画像色再現技術を中心とした、デジタルカメラ、校正装置、色忠実ソフトウェアを特徴とし、その応用製品として2次元色彩計を化粧品、自動車、医療分野等での展開を行っている。これまで、ヒトの視覚の全域を正確に捉えられる色再現方式の2次元色彩計が開発されている。
応用製品としての3フィルターXYZ方式の2次元色彩計は精度が高く、従来に無かった色度分布解析等、色と質感の定量化に成功している。化粧品分野、自動車塗装分野、歯科材料評価分野等で、研究所、工場等の品質管理部門で導入されており、高い評価を受けている。いずれの市場でも、営業やインラインでの塗装工程、歯科技師等のさらに広い市場で拡販が期待されている。
しかしながら、上述の2次元色彩計の解析をさらに多くの市場に適用したいというニ一ズが、化粧品、歯科業界、塗装業界より数多く寄せられ、また、色域がRGBの3角形の内側の色(人の肌、鮮やかではない塗装色等)の場合に、コスト面で一層抑えることが必要であるにもかかわらず、コスト面から採用を断念しているのが実情である。
上述の2次元色彩計システムについては、そのフィルタが誘電体多層膜方式で高精度ながら、その製作に高コストの製品であることから、高精度測定器としてのマーケットにしか展開できないでいる。つまり、現行製品は、高精度測定器であるがゆえ、コストを抑えることは難しく、これらの市場へ投入する機会が難しい。
一方で、RGBカラーデジタルカメラでは、これを何らかの手段により、非線形補正処理方式を確立することが課題となる。そこで、通常のRGBデジタルカメラに色忠実技術を適用できないかといった声は多くの市場から期待されるに至っている。
上記背景に鑑み、本発明は、色忠実技術を応用した2次元色彩計の市場拡大のため、市販のRGBデジタルカメラに対し安価な色測定に利用できるシステム、ソフトウェアならびにサービスを提供することにより、広範囲の市場で展開できることを目的とする。つまり、本発明は、RGBデジタルカメラに色空間補正処理を組み込んだ計測ライブラリーならびに、廉価版の2次元色彩計を提供することである。2次元色彩計を原器として、これを利用して、市販RGBデジタルカメラについて、その3角形の内側のみに限定し、世界で類のない正確にXYZ等色関数に変換する方式を確立することが課題となる。
本発明者は、一般ウェアラブル端末2、工業用ITVで利用されているRGBカラーカメラにおいて、そのRGBの色域内の色データをXYZ等色関数の測色的データとして、利用できる補正機能をもたせるための、RGBカラー空間からXYZ色測色空間への正確な色変換色差(例えば、ΔE<1.6)での変換がおこなうことのできるRGBカラーでの測色計側システムを提供することを着想したものである。
本発明のウェアラブル着色評価装置は、撮像機能を備えるウェアラブル端末と、演算処理部と、演算処理部からの信号に基づいて、RGB計測信号を発生するカラー信号発生器と、演算処理部と接続可能でCIE XYZ等色関数と等価に線形変換された三つの分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))を有する撮像部と、前記カラー信号発生器と前記撮像部を前記演算処理部で同期しながら、カラー信号発生器で縦横に分割されたRGB値の変化した色票を撮像部によりXYZ値を計測し、前記色票をウェアラブル端末で撮像してrgb値を得ることにより、rgb値とXYZ値との変換テーブルを発生する色空間関数発生部と、撮像対象物をウェアラブル端末で撮像してrgb値を得、このrgb値から前記変換テーブルを利用してXYZ値を演算処理するXYZ演算部と、を備えたものである。
前記撮像部(例えば、2次元色彩計等)の色差△Eが、例えば、0.5以下で、色差△Eが0.8〜1.6の範囲に設定することが好ましい。
前記XYZ演算部が、前記ウェアラブル端末の撮像により得られた着色データのうち、特定された検査領域を設定し、測定対象物として、検査物と基準物について、それぞれ、前記検査領域の各画素のXYZ値より正規化されたxy値又はXYZ値そのものを検査領域について演算し、xy色度図のxy座標の検査領域を格子で区画し、各格子に属する前記検査物と基準物の画素数を積算することにより、xy色度ヒストグラム分布又はXYZ色度ヒストグラム3次元分布を作成し、前記検査物と基準物の2つのxy色度ヒストグラム分布又はXYZ色度ヒストグラム3次元分布の重なり合った割合を示す色分布一致指数を演算することにより、色を検査することが好ましい。
前記XYZ演算部が、前記測定対象物の撮像により得られた着色データのうち、特定された検査領域を設定し、測定対象物として、検査物と基準物について、それぞれ、前記検査領域の各画素のXYZ値をLabに変換し、Lab色度図のLab座標の検査領域を格子で区画し、各格子に属する前記検査物と基準物の画素数を積算することにより、Lab色度ヒストグラム分布を作成し、前記検査物と基準物の2つのLab色度ヒストグラム分布の重なり合った割合を示す色分布一致指数を演算することにより、色を検査することが好ましい。
前記色度ヒストグラム分布において、前記2つの画素の画素積算数を格子単位で比較し、小さい方の画素積算数を特定し、当該画素積算数を積算し、前記検査領域の全画素数に対する、前記積算された積算数の割合を演算することにより、前記色分布一致指数を演算することが好ましい。
前記色分布一致指数を示すデータを表示装置に表示し、通信回線を介してコンピュータ間で送受信することが好ましい。
前記ウェアラブル端末で生産ライン上を流れる検査物を撮像することが好ましい。
本発明のウェアラブル着色評価方法は、演算処理部からの信号に基づいて、カラー信号発生器でRGB計測信号を発生させるRGB計測信号発生ステップと、前記カラー信号発生器と前記撮像部を前記演算処理部で同期しながら、カラー信号発生器で縦横に分割されたRGB値の変化した色票を撮像部によりXYZ値を計測し、前記色票をウェアラブル端末で撮像してrgb値を得ることにより、rgb値とXYZ値との変換テーブルを発生する色空間関数発生ステップと、撮像対象物をウェアラブル端末で撮像してrgb値を得、このrgb値から前記変換テーブルを利用してXYZ値を演算処理するXYZ値発生処理ステップと、を備えたものである。
本発明では、CIE XYZ等色関数と等価に線形変換された三つの分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))を有する撮像部を利用する着色検査方法において、照明下で、前記ウェアラブル端末による撮像により取得した三つの分光感度を有する画像をCIE XYZ表色系における三刺激値XYZに変換した着色データを生成するステップと、前記測定対象物の撮像により得られた着色データのうち、特定された検査領域を設定するステップと、測定対象物として、検査物と基準物について、それぞれ、前記検査領域の各画素のXYZ値より正規化されたxy値又はXYZ値そのものを検査領域について演算するステップと、xy色度図のxy座標の検査領域を格子で区画し、各格子に属する前記検査物と基準物の画素数を積算することにより、xy色度ヒストグラム分布又はXYZ色度ヒストグラム3次元分布を作成し、前記検査物と基準物の2つのxy色度ヒストグラム分布又はXYZ色度ヒストグラム3次元分布の重なり合った割合を示す色分布一致指数を演算することにより、色を検査するステップと、備えたことを特徴とする。
照明下で、前記ウェアラブル端末による撮像により取得した三つの分光感度を有する画像をCIE XYZ表色系における三刺激値XYZに変換した着色データを生成するステップと、前記測定対象物の撮像により得られた着色データのうち、特定された検査領域を設定するステップと、測定対象物として、検査物と基準物について、それぞれ、前記検査領域の各画素のXYZ値をLabに変換するステップと、Lab色度図のLab座標の検査領域を格子で区画し、各格子に属する前記検査物と基準物の画素数を積算することにより、Lab色度ヒストグラム分布を作成するステップと、前記検査物と基準物の2つのLab色度ヒストグラム分布の重なり合った割合を示す色分布一致指数を演算することにより、色を検査するステップと、を備えたことが好ましい。
本発明は、2次元色彩計に代わる普及タイプであり、用途は、営業用ツール、インライン検査装置用普及装置、その他のウェアラブル端末2、通信メモリで管理された演色性の高い照明等である。
撮像部を利用した、RGBウェアラブル端末の色空間マッピング測定装置である。従来のRGBデジタルカメラに測定的な精度を付加する機能が加わる。構成要素としては、カラー信号発生器、それを組み込んだカラー信号計測システム、その計測信号を使った色空間関数発生装置、XYZ等色関数に変換色信号変換機能となる。
カラー信号発生器は、縦横に正確な階調でRGBの輝度値を制御して表示することが、その後の色空間でどれだけ正確かつ詳細に信号を発生できるかの鍵となる。
カラー信号計測システムの測定の精度は、撮像部の精度が反映されることになるが、カラー信号発生器と撮像部を効率良く同期して、対象となるウェアラブル端末のRGBデジタルカメラの色域を高精度にカバーすることができる。
本発明によるRGBデジタルカメラの補正方式をとることにより、RGBの三角形の領域内の判定精度は色差△Eが、例えば、0.8〜1.6(AA級許容差)程度の遥かに高精度な判定的な精度でのデジタルカメラに転換できる。
本発明では、ウェアラブル端末のデジタルカメラを従来のRGBカラー方式のものを採用し、光源と一体化・小型化することにより、従来の分光測色器とコストを同程度に抑えられ、さらに色忠実なXYZ系2次元色彩計のもつ機能を継承することにより、大きな市場のニーズに応えられる製品を提供できる。
本発明は、XYZ系撮像部、例えばXYZ系2次元色彩計(例えば、△Eが0.5以下)等を利用して、RGBデジタルカメラの色空間を補正する発明であるので、色判定精度が、色差ΔEで、例えば、AA級許容差0.8〜1.6程度になるため、安価で多くの市場での利用が可能となる画期的な発明である。
ここでいうウェアラブル端末は、身につけて持ち歩くことができる情報端末である。例えば、RGBデジタルカメラ、超小型パーソナルコンピュータ、ヘッドマウントディスプレイ、めがねが一体となったもの、その他、例えば、腕時計、リストバンド、指輪、メガネ、衣服などに適用された端末等を含む。RGBデジタルカメラの校正技術をウェアラブル端末に施すことにより、ウェアラブル端末がXYZ系撮像部として利用が可能となる。
本発明のウェアラブル着色評価方法の手順は以下の通りである。
1.カラー信号発生器を発光させ、XYZ撮像部で撮像し、演算装置の取り込み、XYZ色票データを作製する。
2.カラー信号発生器を発光させ、ウェアラブル端末で撮像し、演算装置の取り込み、RGB色票データを作製する。
3.上記1.2.から、RGB-XYZ変換テーブルを作成し、変換テーブルを演算装置に記憶させる。
4.基準物をウェアラブル端末で撮像し、XYZデータを演算する。
5.測定対象物をウェアラブル端末で撮像し、rgbデータをRGB-XYZ変換テーブルに従って、XYZデータに変換する。
6.このXYZデータを参照して、色一致度指数と色差ΔEを演算する。
1.カラー信号発生器を発光させ、XYZ撮像部で撮像し、演算装置の取り込み、XYZ色票データを作製する。
2.カラー信号発生器を発光させ、ウェアラブル端末で撮像し、演算装置の取り込み、RGB色票データを作製する。
3.上記1.2.から、RGB-XYZ変換テーブルを作成し、変換テーブルを演算装置に記憶させる。
4.基準物をウェアラブル端末で撮像し、XYZデータを演算する。
5.測定対象物をウェアラブル端末で撮像し、rgbデータをRGB-XYZ変換テーブルに従って、XYZデータに変換する。
6.このXYZデータを参照して、色一致度指数と色差ΔEを演算する。
色差ΔEだけでは、メタリック感などの評価ができないし、色一致指数だけでは、相対的な比較となるため、両方を評価する方式がより人の目の評価に近い。ウェアラブル端末では、基準画像と検査画像を同時に見ることが出来る。検査画像には、基準画像と同時に、色差ΔE、Lab値等の数値を表示できる。検査画像にオーバーレイしグラフィックを重ねて表示することが出来る。
本発明はウェアラブル端末で撮影したrgbデータは、色空間変換機能により、正確なXYZ値に変換され、この値を利用して、演算を行い、色分布一致指数、色差ΔEを求めることができる。この変換機能は、演算装置又はウェアラブル端末に内蔵されたコンピュータのソフトウェア処理により、行うことが出来る。
基準品と検査対象品の比較処理を行う場合、まず、基準品を撮影して変換測色し、この色を正確にウェアラブル端末に表示する。さらに検査対象品を並べて比較することが、目視で出来るようになる。ウェアラブル端末には画像の重ね合わせ機能があるので、基準画像を検査対象画像に対し、位置合わせをしてリアルタイムに重ね合わせることができる。さらに、この画像をON/OFFすることにより、目視で色の差を認知できる機能を設けことができる。
色差ΔEの数値化機能(マス目)を実現できる。検査画像に対し、マス目に切った領域について、色差や色分布一致指数を数値として、オーバーレイ表示で出力する。ここでいうオーバーレイ表示は画像データを重ね合わせて表示することをいう。さらにマス目の色自体を、色が合っているところを青系統、合わないところを赤系統へレインボー表示したり、ある特定の色差以上を赤枠にしたり、観測者の注意を促すようにすることができる。
色差ΔEの部分のラベリング表示を実現できる。検査画像に対し、色差ΔEが大きな領域について、チェッカー表示にし、赤色ベタ塗りとするなど、観測者の注意を促すようにすることができる。
本発明により、色忠実技術を応用した2次元色彩計の市場拡大のため、市販のRGBデジタルカメラに対し安価な色測定に利用できるシステム、ソフトウェアならびにサービスを提供することができ、広範囲の市場で展開できる。本発明は、RGBデジタルカメラに色空間補正処理を組み込んだ計測ライブラリーならびに、廉価版の2次元色彩計に等価なウェアラブル端末を提供できる。
ウェアラブル端末において、そのRGBの色域内の色データをXYZ等色関数の測色的データとして、利用できる補正機能をもたせるための、RGBカラー空間からXYZ色測色空間への正確な色変換色差(例えば、ΔE<1.6)での変換がおこなうことのできるRGBカラーでの測色計側システムを提供できる。
本発明の実施形態1であるウェアラブル着色評価装置1について図面を参照して説明する。図1、図2、図6に示すカラー信号発生器6はその表示画面が256×256に分割されたタイル状の構成である。演算処理部3(ここではパーソナルコンピュータである。)から色信号RGBを送信し、この色信号RGBによりカラー信号発生器6を発光させる。図3に示す通り、カラー信号発生器6はRを256階調、Gを256階調、Bを256階調に変化させるものであり、ブロック図で示すと、1枚目がB1、2枚目がB2、3枚目がB3…・256枚目がB255である。カラー信号発生器6は、精度の高い液晶表示装置等のモニターを使って、RGBの色票を作ることができる。ウェアラブル端末2のrgb値よりもカラー信号発生器6のRGB値の方が色域は広くなるようにカラー信号発生器6を製作することは、RGBカラーでの色空間の歪みを測定するために必要となる。このカラー信号発生器6が縦横に正確な諧調でRGBの輝度値を制御して表示することは、その後の色空間で正確かつ詳細に信号を発生できるかの鍵となる。
図2に示す通り、カラー信号発生器6の色信号RGBを1〜256階調に変化させた表示画面を撮像部としての2次元色彩計7で256回撮影することにより、RGB値が1〜256まで変化させたときの各タイルのXYZ値が2次元色彩計7により得られる。この2次元彩色計7はXYZフィルタ又はXYZフィルタと等価のフィルタを使用したものである。測定されたXYZ値は演算処理部3に取り込み、表示装置4に演算結果が表示される。この撮像部は、小型またはマイクロ・デジタルカメラである。2次元色彩計7では、縦横のタイルを同時に読み込むことができるので、これを並列と呼んでいる。カラー信号発生器6と2次元色彩計7は、同一の演算処理部3より駆動することにより、同期を取りながら、カラー信号発生器6で、縦横のタイル状(例えば100x100程度)に分割されたRGB値の変化したカラータイルを2次元色彩計7により1秒程度で計測できる。
カラー信号発生器6より発生した色信号を2次元色彩計7にて、高精度かつ高速に測定することにより、図5に示す通り、カラー信号発生器6の色信号RGBに、正確にXYZ等色関数の色度値XYZを割り当てることが可能となる。この測定の精度は、2次元色彩計7の精度が反映されることになるが、カラー信号発生器6と2次元色彩計7を効率良く同期して、対象となるウェアラブル端末2の色域を高精度にカバーすることができる。
2次元色彩計7の分光感度はルータ条件を満たすものであって、その分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))は、図32に示す通り、XYZ等色関数から、負の値を持たず、単独ピークを持つ山形であり、それぞれの分光感度曲線のピーク値が等しく、かつ分光感度の曲線の重なりはできるだけ少なくするという条件から等価変換したものである。分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))は具体的には以下の特性を持つ。
ピーク波長 半値幅 1/10幅
S1 582nm 523〜629nm 491〜663nm
S2 543nm 506〜589nm 464〜632nm
S3 446nm 423〜478nm 409〜508nm
ピーク波長 半値幅 1/10幅
S1 582nm 523〜629nm 491〜663nm
S2 543nm 506〜589nm 464〜632nm
S3 446nm 423〜478nm 409〜508nm
図6に示す通り、演算処理部3からの前述した同じ色信号でカラー信号発生器6を発光させ、2次元色彩計7と同じ色票をウェアラブル端末2の撮像部で撮像し、撮像データを演算処理部3に取り込み、rgb値を得る。
図1、図2、図6に示す通り、演算処理部3は、色信号RGBを発生し、これをカラー信号発生器6に送信して発光させ、2次元色彩計7で計測したXYZ値と色信号RGBのRGB値とを対応づける色空間関数測定機能を内蔵し、ウェアラブル端末2の撮像部で撮像したrgb値を取り込み、このrgb値から、対応するXYZ値を演算することで、rgb値からXYZへの数値化を行うものである。図4に示す通り、色空間関数測定機能は、RGBの三角形の領域をカバーする色空間からXYZ等色関数に変換する関数を測定するものである。
RGB値とXYZ値を変換する非線形関数は、多変数での変換方式や、効率的なテーブル方式がある。すべてのRGB値からXYZ値に変換するための変換テーブルをすべての変換点で作成し、その変換テーブルより、効率を考慮して変換方式を設定する。なお、図30に示す通り、RGB3バンド分光感度はxy色度図の三角形の中のマイナスの感度を潰しているので、この三角形の中は非線形である。2次元色彩計7は線形なXYZ空間であるので、これとRGB値は線形に結ばれることはない。
色信号RGBの各8ビットの階調をすべて変化させたタイルの色数は、1600万色のため、2次元色彩計7では、1600回の読み取りを行うことにより、測定が完了し、RGB値とXYZ値の変換テーブルが1時間足らずで作成できる。マス目を細かくすれば、倍々で高速に変換テーブルの作成が可能となり、演算処理部3で発生し、カラー信号発生器6に送信される色信号の全部のRGB値にXYZ値が対応づけられることから、カラー信号発生器6のRGB値に対応するXYZ値について、すべての変換テーブルを作成する。
この変換テーブルにより、RGB値の非線形のデータが全部、2次元色彩計7で測定したXYZ値と関連づけられるので、この変換テーブルは大きなテーブルになるころから、それを最終的にテーブルとして扱うか、その非線形な関数をフィッティングカーブで求めて、多項式で数値演算的に求めるかは、選択の問題であり、それはどちらでも問題はない。
図7に示す通り、ウェアラブル端末2でカラー信号発生器の測定値(出力値)であるr1g1b1値に対応するXYZ値を、変換テーブルから逆引きし、X1Y1Z1の値を求めることができる。このように、ウェアラブル端末2(非線形なデジタルカメラ)であっても、変換テーブルによって、XYZ値が求められる。
ところで、色票データのRGB値のすべてがウェアラブル端末2の測定値であるrgb値(各8bit256階調)に対応しているわけではないので、埋められなかったrgb値に対応するXYZ値を線形補間等の演算で計算する。たとえば、図8に示す通り、測定方式としては、完全テーブル補間方式を採る。たとえば、下記の数1の計算式による。
[数1]
X(rgb)=1/6[X(ri−1,gj+bk)+X(ri+1,gj+bk)+X(ri,gj−1+bk)+X(ri,gj+1+bk)+X(ri,gj+bk−1)+X(ri,gj+bk+1)]
6近傍で計算したが、斜めの近傍位置も入れて、26近傍で計算してもよい。さらに、最近傍との距離が2つ以上の場合には、その距離を考慮したものとなる。
[数1]
X(rgb)=1/6[X(ri−1,gj+bk)+X(ri+1,gj+bk)+X(ri,gj−1+bk)+X(ri,gj+1+bk)+X(ri,gj+bk−1)+X(ri,gj+bk+1)]
6近傍で計算したが、斜めの近傍位置も入れて、26近傍で計算してもよい。さらに、最近傍との距離が2つ以上の場合には、その距離を考慮したものとなる。
ウェアラブル端末2のデジタルカメラは、xy色度図の三角形の色域の領域(s-RGB)しかデータがとれないが、変換テーブルにより、本実施形態1では、前記の3角形以外のRGBで囲まれた領域全体のデータがとれる。したがって、デジタルカメラを備えるウェアラブル端末2で、2次元色彩計7と、三角形の色域内で同様な数値を取得することができ、2次元色彩計7に代えて、ウェアラブル端末2の安価なデジタルカメラでXYZ値が得られる。
2次元色彩計7の分光感度はルータ条件を満たすものであって、その分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))は、図10に示す通り、XYZ等色関数から、負の値を持たず、単独ピークを持つ山形であり、それぞれの分光感度曲線のピーク値が等しく、かつ分光感度の曲線の重なりはできるだけ少なくするという条件から等価変換したものである。分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))は具体的には以下の特性を持つ。
ピーク波長 半値幅 1/10幅
S1 582nm 523〜629nm 491〜663nm
S2 543nm 506〜589nm 464〜632nm
S3 446nm 423〜478nm 409〜508nm
ピーク波長 半値幅 1/10幅
S1 582nm 523〜629nm 491〜663nm
S2 543nm 506〜589nm 464〜632nm
S3 446nm 423〜478nm 409〜508nm
上記の分光特性S1のピーク波長を580±4nm、分光特性S2のピーク波長を543±3nm、分光特性S3のピーク波長を446±7nmとして取り扱うこともできる。
三つの分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))は次の数式2を用いて求められるものである。分光特性自体についての詳細は特開2005−257827号公報を参照されたい。
2次元色彩計7の仕様は、例えば、有効頻度値約500万画素、有効面積9.93mm×8.7mm、画像サイズ3.45μm×3.45μm、ビデオ出力12Bit、カメラインターフェイスGigE、フレーム数(ピント調整時)3〜7フレーム/sec、シャッタースピード1/15,600sec〜1/15sec、積算時間3秒まで、S/N比60dB以上、レンズマウントFマウント、動作温度0℃〜40℃、動作湿度20%〜80%である。
2次元色彩計7は、図9に示すように、撮影レンズ71と、この撮影レンズ71の後方に配置された三つの光学フィルタ72a、72b、72cと、光学フィルタ72a、72b、72cの後方に配置された撮像素子73(CCD、CMOSなど)と、を備えている。三つの分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))は、光学フィルタ72a、72b、72cの分光透過率と撮像素子73の分光感度との積により与えられるものである。図9における光学フィルタ72a、72b、72cと撮像素子73との配列的関係は模式的に示したものにすぎないものである。三つの分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))に従って画像情報を取得する方式について以下に具体例を挙げるが、本実施形態1ではこれらのうちいずれをも採ることができ、また、その他の方式を採ることもできる。2次元色彩計7は演算処理部74と、表示装置75を備えている。表示装置75は、分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))により取得した画像情報を表示し、演算処理部74でXYZ表色系における三刺激値XYZに変換し、これを演算処理部3に送信し、取得した三刺激値XYZによる画像データを変換処理によって正規化しxy値に変換する演算処理を行い、視覚化処理された画像を表示する。
図11(a)に示すものはダイクロイックミラーを用いる方式である。これはダイクロイックミラー72c´により特定の波長の光を反射し、透過した残りの光について、さらに別のダイクロイックミラー72a´により別の特定の波長の光を反射して分光し、撮像素子73a、73b、73cを三つ並列にして読み出す方式である。ここでは、ダイクロイックミラー72a´が光学フィルタ72a、72bに相当し、ダイクロイックミラー72c´が光学フィルタ72cに相当する。撮影レンズ71から入射する光はダイクロイックミラー72c´により分光感度S3に従う光が反射され、残りの光は透過する。ダイクロイックミラー72c´により反射された光を反射鏡76により反射して撮像素子73cにより分光感度S3を得る。一方、ダイクロイックミラー72c´を透過した光は、ダイクロイックミラー72a´において、分光感度S1に従う光が反射され、残りの分光感度S2に従う光は透過するため、それぞれ撮像素子73a、撮像素子73bにより撮像して分光感度S1、S2を得る。ダイクロイックミラーに代えて同様な特性を有するダイクロイックプリズムを用いて三つに分光し、それぞれの光が透過する位置に撮像素子73a、73b、73cを接着することとしてもよい。
図11(b)に示すものはフィルタターレット77を用いる方式である。撮影レンズ71からの入射光と同じ方向を回転軸に持つフィルタターレット77に光学フィルタ72a、72b、72cを設けてこれらを機械的に回転させ、順次透過する光について撮像素子73により三つの分光感度S1、S2、S3を得るものである。
図11(c)に示すものは光学フィルタ72a、72b、72cを撮像素子73に微視的に貼着する方式である。撮像素子73上における光学フィルタ72a、72b、72cは、ベイヤー配列型に設けられる。この配列は、格子状に分けた撮像素子73上の領域のうち半分に光学フィルタ72bを設け、残りの半分の領域に光学フィルタ72aと光学フィルタ72cとをそれぞれ均等に配置するものである。すなわち、配置量は光学フィルタ72a:光学フィルタ72b:光学フィルタ72c=1:2:1となる。光学フィルタ72a、72b、72cの配列をベイヤー配列以外のものとすることは本実施形態1において特に妨げられない。一つ一つの光学フィルタ72a、72b、72cは非常に微細であるため、印刷により撮像素子73に貼着される。ただし、本発明はこの配列に意味があるのではなく、分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))の特性のフィルタを撮像素子に貼着することにある。
ウェアラブル端末2は、メガネ形状であり、図12に示す通り、レンズ20、CPU,ROM,RAM等を備える演算部21等を備えたRGBデジタルカメラ22、入出力部23、ヘッドマウントディスプレイとしての表示装置24が一体となったものであり、ウェアラブル端末2が2次元色彩計として利用が可能となる。演算部21には、前記のように作成された変換テーブルが記憶され、ソフトウェアによる演算によって、演算部21がRGBデジタルカメラ22で撮像されたrgb値からXYZ値に変換する等、ウェアラブル端末2により取得した画像の任意の位置における輝度、色度等を演算し視覚化処理するものである。
測定対象物の自動車5に対して、図13、図14に示す通り、ウェアラブル端末2で撮像し、車が並んでいる中から適宜に自動車5を抽出して塗装が適切に施工されているか否かを測定し、塗装の抜き取り検査とする。
照明部の照明源はキセノンランプ(擬似太陽光)を採用する。照明部はキセノンランプのほかに、フレネルレンズ・アセンブリを備えている。キセノンランプは自動車5の斜め上から均一に照らすものとする。キセノンランプ以外にLEDの人工太陽灯でもよい。ロボットアーム等に取り付ける場合には、小型軽量でありながら、色彩評価用光源の条件を満たし、一般的なLEDで起きる色収差の問題も克服し、大変便利である。
表示装置24は演算部21と接続され、演算部21で処理された画像信号を受信して、画像を画面に表示するようになっている。演算部21または表示装置24は、適宜、入力手段(図示略)等を設けてもよいし、接続してもよい。入力手段はキーボード、マウス等である。なお、図示は略すが、検査の状況によっては、ウェアブル端末2に遮光カバーを取り付けてもよい。
ウェアラブル着色評価装置1の動作について具体例を挙げつつ説明する。ウェアラブル端末2におけるフローチャートを図15に示す。
ウェアラブル端末2の電源が入ると、図15に示す通り、初期化をする(初期化S110)。ウェアブル端末2のデジタルカメラ22により自動車5を撮像し(撮像処理S120)、撮像された画像データを変換テーブルによりrgb値からXYZ値に変換する(変換処理S130)。XYZ値に基づき検査画像は表示装置24に表示される。
撮像処理S120では、様々な自動車5のパネルの境目を測定する例が挙げられているが、撮像位置が相違する楕円で囲った特定領域について、相違する角度にてウェアラブル端末2で自動車5を撮像する。撮像箇所は複数個所であり、適宜数を選択できる。ここでは、正面(0度)、左45度、右45度の3方向から測定する。また、パネル測定の場所は、ウェアラブル端末2の0度の光軸は自動車5のボディー面に垂直になる。また、照明は、太陽光と同じく斜め上からの照明であることが特徴となる。
XYZ表色系では数値と色の関連がわかりにくいので、XYZ表色系から絶対的な色合いを表現するためのxyY表色系を用い、色度座標の色度値xyは下式より求める。
YはXYZのYをそのまま使う。すべての色は色度値xyによる2次元平面、および明度を示すYで表現できる。YはXYZのYをそのまま使う。xyYからXYZに変換することもできる。Labへの変換は、XYZ値に、Xn,Yn,Znの最大明度白色点のXYZ値より演算できる。
xyY値から色度xy座標ヒストグラムを計算し、色分布一致指数を計算し、表示装置24に表示するために必要な場合は、検査画像、基準画像の色情報をRGBに変換処理する等の処理を行う(S140)。演算した内容を表示装置24に表示する(表示処理S150)。
図13のS140のサブフローチャートを説明する。2次元色彩計7で基準物の基準画像を撮像しておき、次に対比すべき検査物の検査画像をウェアラブル端末2で撮像し、以下のとおり色分布一致指数を順次計算する。この色分布一致指数により色度の類似性を判定する。
撮像した画像について検査したい領域T(図17(a)参照)に対応する検査領域K(図17(b)参照)を設定する(ステップS141)。大きさや場所を自由に設定することができる。
色度値xyを演算する(S142)。
撮像した基準画像から切り出した領域Kの基準物Qのxy色度ヒストグラム分布を作成する(S143)。この色度ヒストグラム分布は、図17(c)に示す、2つのヒストグラム分布の重なり領域Dに属する画素をカウントした積算数である。
図17(c)に示す通り、xy座標の位置での比較対象の色分布を平面的に書いたものであり、3次元色分布を2次元色分布に投影したものとなる。検査領域Kを平面格子Gで区画し、その区画のxy値を有する画素のヒストグラム分布を作成する。xy座標を、特定の幅のグリッド(立体マス目)、例えば、xyをそれぞれ1/1000(1000個の線)で切った格子とする。ヒストグラムの端から端までスキャンしてゆき、格子Gに区画した領域ごとに、これに属する画素数を同じxy面でそれぞれスキャンしz方向にカウント数を積算してゆく。また、検査領域Kでxy色度座標で特定すれば、演算時間が短縮できる。グリッドのマス目を細かくすれば精度は上がるが、演算時間が長くなるので、適宜のマス目とする。なお、ある特定の色だけ細かく見たい場合には、そこのところだけより細かく切って検査できる。
S143と同様に、検査物Rの検査画像のxy色度ヒストグラム分布を作成する(S144)。xy色度ヒストグラム分布は、画素の積算数であり、図17(d)に重なり領域を示す。
xy色度値に代えて、XYZ空間のXYZ値、または、正規化する前のXYZ値から下記の数式5により変換したLab空間のLab値を算出し、これを用いてもよい。Lab色空間は補色空間の一種で、明度を意味する次元Lと補色次元のAおよびBを持ち、CIEXYZ色空間の座標を非線形に圧縮したものに基づいている。正規化する前のXYZ値からLabに数式4により変換することで、XYZ色空間上での色分布一致指数に対して、Lab色空間では、明るさ方向も加味した色分布一致指数が得られる。
検査領域Kに対応するLab空間における色度ヒストグラム分布の演算の場合、色分布一致指数の演算は、立体になっても平面でも理屈は同様である。まず、XYZ値からLab値へ変換を行い、三次元Lab空間にマッピングする。色度をL軸、a軸、b軸の3次元空間での分布により、演算を行う。検査物Qと基準物RでのLab空間座標でのLab値を、それぞれ、U1(L,a,b)、U2(L,a,b)とする。Labの色空間であるとヒストグラム分布は地球儀のような形状になっており、2つのヒストグラム分布が立体的に重なり合っている。空間上検査領域Kに対応するLab3次元空間をボクセルといわれる立体格子で区画し、それぞれの立体格子に所属する画素数をカウントアップしていく。3次元でのU1(L,a,b)、U2(L,a,b)の色度ヒストグラム分布において、Lab空間で画素がないところは、カウントせず、お互いのカウントがあるところで、その2つの値を比較して、小さい方のカウントだけ残すような演算を行うことでミニマム分布を求め、カウント数を加算演算する。Lab三次元空間の中で分布の重なっているところのカウント値が残るので、最初に切りとった画素分のカウント数と比較演算することによって、三次元での色一致指数の演算を行う。
xy色度の場合には、明るさの情報が失われてしまうため、色情報のみの色分布一致指数を示すが、Lab空間では、画像の明るさが変わると、L値が変化して、色分布一致指数の分布D1、D2がLab空間内で位置がずれる、たとえば、xy色度が同じでも、明度が高い照明下ではLが高くなるなど、画像の明るさが違えば分布の位置がシフトする。3次元の場合には同じ物体に対して、明るさを変えて照明を当てると立体分布全体がシフトしたようになり、シフトの程度で明るさの差が評価できるので、色と明るさの両方を評価することができる。たとえば、Lab色度ヒストグラム分布は、暗くなれば下方にシフトし、明るくなれば上方にシフトするなど、画像の明暗を考慮に入れた判定が可能である。普通の照明光が安定していない場所で、ただ単に色を比較したいというケースはニ次元の色分布一致指数は同じ値が出るので十分であるが、色が同じであっても明るさが違うことも検出したい場合には三次元の色分布一致指数を用いる。
色分布一致指数を演算し(S145)、リターンとする。この指数は、下式により計算する。xy色度ヒストグラム分布は、画素の積算数であり、図17(d)に重なり領域D、図17(e)にミニマム分布を示す。
色分布一致指数=重なり領域Dに属する画素の積算数/検査領域Kの全体の画素数×100(%)
色分布一致指数=重なり領域Dに属する画素の積算数/検査領域Kの全体の画素数×100(%)
図17(e)に示す通り、HA(x1、y1)を検査物Qのxy色度ヒストグラム分布の積算数、HB(x2、y2)を検査物Rのxy色度ヒストグラム分布の積算数とすると、重なり合った左側領域ではHA>HBで、中央でHA=HBとなり、右側ではHA<HBである。HA,HBのうち、小さい方の積算数(画素頻度)を取ると、左側ではHA、右側ではHBとなり、太線のような階段状のヒストグラム曲線であるミニマム分布が特定できる。これを利用し、重なり領域Dの全体領域に対する割合が演算できる。
このミニマム分布で小さな方の積算値を特定する。HAとHBのうち、少ない方の積算数を加算演算すれば、重なり領域Dの積算数が演算でき、全体の画素数に対する割合が特定できる。検査領域Kの全体の画素数は決まっており、検査物Qと基準物Rでは、ともに総画素数は同一値である。この割合の演算は全部の格子Gについて3次元的に積算してもよい。図17(c)に示す通り、S−Sに沿って検査領域Kを切り、yが所定値の格子列でxが端から端まで変化する場合での画素の積算数の分布を2次元的に積算したものである。図17(f)が積算結果のxy座標上での2次元マップである。検査領域Kの格子Gに画素の分布がないときは、画素数がゼロであるから、演算から除外する。処理をリターンする。
例えば、検査領域Kに属する画素を縦100画素×横100画素=10,000画素とする。同じ検査領域Kで画像を切り取るので、画像Aと画像Bの全体の画素数はともに10,000画素である。xy色度ヒストグラムから、重なり領域の画素数を積算し、積算数が5,000個であった場合、色分布一致指数は50%となる。色分布一致指数が100%を下回るほど色度の相違度が大きくなる。xy値の分布が完全に一致していれば100%となる。これにより、一定以上の数値であると判定された場合に、適合品であると判定することができる。
例えば、検査領域Kに属する画素を縦100画素×横100画素=10,000画素とする。同じ検査領域Kで画像を切り取るので、画像Aと画像Bの全体の画素数はともに10,000画素である。xy色度ヒストグラムから、重なり領域の画素数を積算し、積算数が5,000個であった場合、色分布一致指数は50%となる。色分布一致指数が100%を下回るほど色度の相違度が大きくなる。xy値の分布が完全に一致していれば100%となる。これにより、一定以上の数値であると判定された場合に、適合品であると判定することができる。
画像について、第一次的に得られる色情報はXYZ等色関数と等価な関数による三つの分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))であるため、RGBにより取得する場合と比べて人の眼の感度に忠実で高精度である。分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))の重なり合いは小さく、S/N比も十分にとれ、分光感度の曲線におけるカーブも自然に変化するため、測色における誤差は最低限に留められる。
画像の質感をヒストグラム分布で把握できるため、色のテキスチャー(メタリック感、きらきら感、まだら模様、色パターン、ごつごつ感等)の違いを反映することにより、微妙な色合いの違いまで判定できる。
例えば、図18(a)〜(c)に示す通り、メタリック度が小さいものから大きなものまで、3種類を検査した場合の例を説明する。メタリック度の小さなものを基準物1とし、メタリック度の中程度を検査物2とし、メタリック度の大きなものを検査物3とする。まず、1〜3を前記の処理を行った後のxy色度図上での分布を作成すると、図18(b)のxy色度図に示す通り、ハイライト部分が積算されたデータである。積算数を明暗で示してあり、色の明るいほど積算数は大きい。図18(c)は基準物と検査物の3次元で積算数を模式的に表したものである。xy軸は色度、z軸は積算数である。基本的には、メタリック感が強いほど、低く広がった山形となり、メタリック感が弱いほど、尖った山形になる。メタリック感の元である光輝材(アルミフレーク)は、照明光が当たると、微小突起等できらめき感がでてくるのであるが、このきらめき感は、物理的には光の回折現象である。基準物1と、検査対象2又は3について、2つのヒストグラム分布を比較することで、重なりの度合いを示す色分布一致指数を演算する。
表1に示す通り、比較例はΔEが質感の元となる色を平均値で算出したLabを使用するので、Lab値、ΔEの値が見た目に比べて微小の差異であり、比較例では、メタル感の程度の検査が困難であった。これに対して、本実施形態の色分布一致指数は、検査領域Kの範囲内の積算数をそのまま用いるので、基準物1に対して、検査物2、3がそれぞれ58%、27%となり、数値で明確に、かつ、簡単にメタリック度の識別ができる。
ここで、L*a*b*表色系における色差ΔEを求める計算式を下式に示す。色差ΔEは色空間のユークリッド距離により与えられ、その他のより精度の高いΔE2000により計算してもよい。また、グラフに示すものは色差ΔEに限られず、例えば、L*a*b*表色系におけるL*値、a*値、b*値を並列にグラフ化して表示する方法もある。
なお、ΔEと色一致指数の関係であるが、色差ΔEだけでは、メタリック感の評価ができず、色一致指数だけでは、相対的な比較となるため、両方を評価する方式がより、人の目の評価に近い。
一例として、分布一致指数の閾値は、75%、色差ΔEの閾値は、2.5が挙げられ、分布一致指数が75%以上、色差ΔEが2.5以下を合格品とする。
図19〜図22は表示装置24での画面上の表示例である(図15のS150)。図19に示す通り、一致指数89%、ΔE0.111で閾値とともに表示し、中央領域に閾値内に収まることを示すOKの表示を行うとともに、基準画像と検査画像を並べて表示し、右側領域に分光感度の分布、xy色度分布を表示する。一方、図20に示す通り、色分布一致指数81%、ΔE5.546で閾値とともに表示し、中央領域に閾値外となることを示すNGの表示を行うとともに、基準画像と検査画像を並べて表示し、右側領域に分光感度の分布、xy色度分布を表示する。また、図21に示す通り、色分布一致指数32%、ΔE5.369で閾値とともに表示し、中央領域に閾値外となることを示すNGの表示を行うとともに、基準画像と検査画像を並べて表示し、右側領域に分光感度の分布、xy色度分布を表示する。図22は、色分布一致指数38%、ΔE1.409でNG品であることを示す。RGBデジタルカメラ22であるので、XYZ値からrgb値に変換した画像を表示する。
次の本実施形態2のウェアラブル着色評価装置101について図23を参照して説明する。対応する同様な要素については100番台として説明を援用し、主として、相違点を説明する。
基準物、検査物の車105を撮像するウェアラブル端末102、ウェアラブル端末102とスイッチ106を介して無線又は有線で接続し、信号を受信し、色分布一致指数の演算を行う演算処理部103と、演算処理部103と接続し指数表示を行う表示装置107とを備えている。
図23に示す通り、演算処理部103は、基準物Rとなる自動車105を撮像することにより取得される刺激値XYZ1を計算する演算部103Aと、検査物となる自動車を撮像することにより取得される刺激値XYZ2を計算する演算部103Bと、演算部103Aと演算部103Bと接続し、車の色一致度指数を演算する演算部103Cと、車の色一致度指数と閾値を比較し、合否を決定する合否閾値部103DからのOK信号またはNG信号を表示装置107に送信したり、外部に送信するものである。なお、スイッチ106は、刺激値XYZ1と刺激値XYZ2を選択的に入力するものである。なお、対象物の車は例示である。
図24は2つの画像A、Bから色度ヒストグラム分布の比較による色分布一致指数を演算するフローチャートである。図24に示す通り、プログラムが起動すると、画像Aから検査領域Kを切り出し特定し、設定する(S201)。次に画像Bから画像Aと同様の検査領域を切り出し特定し、設定する(S202)。画像A,Bより色度値xy又はLab値の演算を行う(S203)。検査領域Kにおいて、検査物Qと基準物Rのxy色度ヒストグラム分布又はLab色度ヒストグラム分布をそれぞれ演算し、作成する(S204)。xy色度ヒストグラム分布又はLab色度ヒストグラム分布のミニマム分布を特定する(S205)。重なり領域Dでのxy色度ヒストグラム分布又はLab色度ヒストグラム分布の積算数を演算する(S206)。なお、Lab色度ヒストグラム分布に代えて、XYZ色度ヒストグラム分布を利用してもよい。つぎに色分布一致指数を演算し(S207)、リターンする。色分布一致指数=(重なり領域Dに属する画素の積算数/検査領域Kの全体の画素数)×100(%)である。重なり領域Dでの積算数はHAとHBのうち、少ない方の積算数を加算演算する。
次に本実施形態3のウェアラブル着色評価装置201につき図25を参照して説明する。対応する同様な要素については200番台として説明を援用し、主として、相違点を説明する。
図25に示す通り、色判定対象は自動車205の一部の領域であり、ウェアラブル端末202が自動車205の対象領域を撮像する。ウェアラブル端末202と無線又は有線で接続する演算処理部203は、基準となる刺激値XYZ1を計算する演算部203Aと、判定対象となる刺激値XYZ2を計算する演算部203Bと、演算部203Aと演算部203Bと接続し色一致度指数を演算する演算部203Cと、色一致度指数の指数を送信する指数値部203Dと、を備え、指数値部203Dから信号が着色処理部257に出力されるものである。コンピュータに表示される指数値と、自動車205の画面を見ながら、適正な塗装色になっているかどうかを、画面を見て判定し、さらに着色処理を行うものである。なお、スイッチ206は、基準XYZと対象XYZを選択的に入力するものである。主要な処理は概ね実施形態1、2のフローチャートと同様であるので、説明は援用する。
次に本実施形態4のウェアラブル着色評価装置401につき図26を参照して説明する。対応する同様な要素については400番台として上記説明を援用し、主として、相違点を説明する。ウェアラブル着色評価装置401は、自動車の生産ライン409上を移動する自動車405をウェアラブル端末402で相違する角度の複数箇所で撮像し、色分布を測定する形態である。適宜、自動車405を停止させ、撮像する。自動車405に対して、照明部406が両サイド斜め上部より照らすように設定してある。検査のインライン処理では、照明とウェアラブル端末402を遮光カバーで覆うことが好ましい。前述の実施形態1〜3ではこのような遮光カバーは設けないこともあったが、工場内のインラインの流れの中で検査する場合には、照明部406とウェアラブル端末402自体を遮光フードで覆うことが好ましい。自動車405のボディーは、大抵は、見る場所が決まっているので、複数角度を決めておく。そして、自動車の生産ライン409にてウェアラブル端末402で様々な角度から自動車405の外観を撮像可能である。照明部406は、上側の斜めから自動車405を照射して、下方にダイレクトに反射する光を落とすような照明である。
インラインで全数検査するときの場合で、さらに精密に測定する場合には、左右の角度はさらに細かく取ることもできる。インライン化の応用として、製造ラインのロボットアーム等に取り付けることが出来る。製造ラインに組み込めば、全品検査も可能である。ロボットアームの機械制御と合わせることにより広範囲を全品検査することができる。
人工太陽灯406を生産ライン409の近傍に複数台並べて固定したものである。ウェアラブル端末402と測定用PC1〜PC3 424を接続して信号を送受信できるようにし、また、ハブ408を介して計測制御用メインPC410と接続し、また、測定用PC1〜PC3 424を直接、または、KVM411を介して表示装置407と接続したものである。計測制御用メインPCは、インラインホストと通信し、車種、色等のデータを送受信できる。指定した検査範囲内の各ピクセルの色をxy色度図に実施形態1と同様にマッピングし、その広がりや密集具合をヒストグラム分布として得るので、メタリック感、ラメやパールのキラキラ感も含めて数値化できる。
図27に示す通り、本実施形態5により肌質評価実験を行った。この区分内の、女性の肌の色測定画像(XYZ値)を切り出して、解析をおこなったものである。図27は、ウェアラブル端末2の応用の1例で、通常のウェアラブル端末2で顔の頬を撮影して、その正確なXYZ値をRGBからの変換テーブルで引いてきて利用する。この解析プログラムはXYZ値から求めるものである。変換テーブルによるもののほか、その他の方式でも良い。
図28に示す通り、左側の切り出した女性の肌に対して、肌の持つ色度分布を計測し、その分布の広がりや、分布の方向性により、対象となる女性の肌の質(キメ、色白、ハリ)等の評価を行うことができる。
肌診断に適用した実施形態6は、外光の影響のない撮影BOX内で、安定した柔らかい拡散照明で顔を照らしたものを、ウェアラブル端末で測定している。最新の画像解析テクノロジーと肌研究データを用い、「キメ、ハリ、シワ、シミ、ツヤ」を分析・視覚化した。店頭でお客様のお肌の状態を診断する肌診断機器である。最新の画像解析テクノロジーと肌研究データを用いて、クリアな素肌に欠かせない5つの肌要素を分析・視覚化し、お客様ひとりひとりにこれまで以上にご納得いただける、質の高いカウンセリングを提供できるようになる。
透明感あふれるクリアな素肌とは、どういった肌なのか、10年間にわたって行った肌研究の結果から、美しいエイジングや本物のクリアな素肌に欠かせない要素として、(1)キメ、(2)ハリ、(3)シワ、(4)シミ・くすみ、(5)ツヤの5要素が導き出された。
このクリアな素肌に必要な5つの要素をベースに、お客様一人ひとりの異なる肌状態を分析し、目で見てわかりやすいように表示できるカウンセリングツールである。肌状態を分析し、視覚的にもわかりやすく表示した。今後の肌のシミュレーションも可能である。
ウェアラブル着色評価装置でお客様の肌を撮影し、デジタルイメージ解析により各要素について分析した。総合結果として、5つの要素のスコアをひと目でわかりやすい五角形として表示するほか、データベースに基づいて、同年齢の肌との比較、肌年齢などを画像やグラフの形で見ることができる。
肌に関するデータベースを一新し、現代女性にマッチした結果を導き出すことができる。また、新たにハリとツヤも数値化できるようになった。
隠れジミや、肌のハリレベル、肌のツヤ(明るさ)なども視覚的に表示した。また、肌トラブルが改善した導合、悪化した場合など、肌状態を10段階でシミュレーションして表示できる。
これらの分析結果をもとに、お客様お一人おひとりにあわせたスキンケアカウンセリングを提供でき、またお客様にもご自身の肌の状態やスキンケアの重要性も感じられるようになった。
お客様からの要望が多かったメークアップした状態での測定が可能になった。忙しいお客様でも、10〜15分で本格的なカウンセリングを受けることができる。これまでの肌診断機器と比べ、高い機能を持ちながらも、より小型化するなど利便性が向上した。手のひらサイズの小型ツールも導入できる。肌の水分・油分の状態、肌のトーンやファンデーションの色選びの判定、肌表面と深部の画像を撮影可能である。場所を選ばず、手軽に基本的な肌判定が行える。
次に本実施形態6のウェアラブル着色評価装置601につき図29、図30を参照して説明する。対応する同様な要素については600番台として上記説明を援用し、主として、相違点を説明する。ウェアラブル着色評価装置601はウェアラブル端末602、演算処理部603、表示装置607を備えている。ウェアラブル端末602は、測定対象を外光の影響を受けず、正確な色・質感の測定が可能な計測ヘッド部を備え、色視覚再現カメラ方式(測定計測)を採用し、動きにもぶれない追従性を持たせている。営業拠点等で基準物Rである本人の毛髪605をウェアラブル端末602で撮像し画像Aを求め、検査領域Kでのxy色度等を求める。このxy色度等をパソコンから通信回線(必要により管理サーバーも介する)を利用して、製造工場等に送信する。製造工場等ではデータを受信し、検査物Qのウィッグを製造し、この画像Bをウェアラブル端末602で撮像し、xy色度を求め、演算処理部603で色分布ヒストグラム分布、色分布一致指数を演算し、表示装置607に演算結果を表示する。ウィッグができあがった際には、できあがった状態を本人に確認するため、IT技術を応用してタブレットに検査画像、検査データを表示し、拠点間で送受信する。最終的には本人に毛髪とウィッグの画像、色一致度等を質感も含めて総合的に確認し、判定する。これにより工場等での大量生産時のトラブルやオーダーメイドでのトラブルを未然に防止できる。時間と費用、エネルギーの削減となる。
上述の本実施形態により、色忠実技術を応用した2次元色彩計の市場拡大のため、市販のRGBデジタルカメラを備えたウェアラブル端末2、102、202、402、602に対し安価な色測定に利用できるシステム、ソフトウェアならびにサービスを提供することができ、広範囲の市場で展開できる。本実施形態は、RGBデジタルカメラを備えたウェアラブル端末2、102、202、402、602に色空間補正処理を組み込み、廉価版のXYZ系2次元色彩計等の撮像部に等価なウェアラブル端末2、102、202、402、602を安価に提供できる。
ウェアラブル端末2、102、202、402、602において、そのRGBの色域内の色データをXYZ等色関数の測色的データとして、利用できる補正機能をもたせるための、RGBカラー空間からXYZ色測色空間への正確な色変換色差(例えば、ΔE<1.6)での変換がおこなうことのできるRGBカラーでの測色計側システムを提供できる。ウェアラブル端末2、102、202、402、602において、そのRGBの色域内の色データをXYZ等色関数の測色的データとして、利用できる補正機能をもたせるための、RGBカラー空間からXYZ色測色空間への正確な色変換色差(例えば、ΔE<1.6)での変換がおこなうことのできるRGBカラーでの測色計側システムを提供できる。
その他の応用例を説明する。基準品・検査品の取得されたAB画像の2枚の画像を重ねあわせ、それぞれの色度ヒストグラム分布を表示装置24に表示したり、それぞれの色度ヒストグラム分布をひとつの色度図上で重ね合わせた色度図が表示でき、その重なり合いの度合いを示す色分布一致指数をパーセンテージで表示できる。これにより、検査品の色度分布の基準品からのズレを数値で確認できる。各領域Kごとに検査結果が数値で表示される。格子Gのグリッド幅の調節が可能である。指数のしきい値を任意で設定可能である。測定結果と撮影した画像は保存が可能である。目視検査では避けられなかった個人差の問題や、客先との判断基準のトラブル等を減らして、色の基準化や安定した色管理を行うことが可能となる。
非接触および広範囲での撮影ができるため、フラット照明で複数の角度から測定対象物を撮像することで、フリップフロップの数値化も可能であり、アルミフレークやパール顔料を用いた塗装等、人の目が感じる色、質感に近い評価が可能である。木目パネルなどの不規則な柄のパーツも色合せすることができる。取り込んだ画像A、Bを表示装置24に表示することもできるので(オーバーレイ機能)、簡単に位置合わせができる。検査物は基準物とは、大きさや材質が異なっていても比較ができる。レザーなどの不規則な柄や質感をもつ生地も色合せできる。樹脂パーツの検査、色ムラ・色ズレの検査が可能である。例えば、自動車のコンソールボックスの検査のように凹凸間のある対象物でも測定できる。さらに自動車の(1)バンパーとフェンダーの色ズレ検査、(2)フェンダーとフロントドアの色ズレ検査、(3)フロントドアの色ムラ・フリップフロップの検査も可能である。床材などの不規則な柄や質感をもつ建材、壁紙などの不規則な柄や木目調・大理石風・幾何学模様などの質感も色合せできる。歯科分野での歯の質感を検査できる。
色のプロファイルである色、色ムラ、質感をグラフ・数値で検証できる。指定した検査範囲内の色度ヒストグラムのズレを確認でき、ΔEの変化とLab値の各値を示したグラフを表示できる。また、自動車のフロントドアとフェンダー等の異素材の色検査の場合、始点からの終点まで色差(ΔE)を見ることで、異なる素材における発色の違いを検証・検査できる。
三刺激値XYZのほか、CMYKやLabの各パラメータのゲイン表示が可能である。ウェアラブル端末はRGBデジタルカメラを使用しXYZ値に変換されることから、人の眼が認識できる色域のすべての色データを検出可能である。その検出精度は色差ΔEが1.0以下という高精度の測定が可能である。
従来は定量化することが難しかったメタリック感やラメ・パール顔料のキラメキ感等の質感を人と同じように感じ取り、検査領域Kの範囲内の格子毎の積算数を用いたデータを持つので、メタリック度等の質感を明確に、かつ、簡単に定量化でき、検査物と基準物との比較検査を合理化できる。
測定対象物の色の3つのデータを合わせて検査することが可能である。(1)画像による官能比較、(2)色度ヒストグラム分布による客観的かつ視覚的に分かりやすい比較、(3)色度ヒストグラムの一致度(%)による定量化された数値での比較である。これらの3つのデータを合わせて利用することにより、組織内外で色の共通言語として使うことができ、営業・品管・製造・取引先など、意思の疎通がスムーズになる。本発明による色管理は、従来の問題点を解消し、客観的な色管理基準と、見た目の質感や明るさの違いを定量化でき、従来の目視検査・限度見本検査からの脱却が可能となる。本発明は、従来のシステムにはなかった、正確な色データの数値化だけでなく、画像から実際の色を正確に見ることができるという特色を有する。目視検査では避けられなかった個人差の問題や客先との判別基準の隔たりによるトラブル等を減らすことが可能である。
上記3つのデータの他にも目的に応じて1枚の画像から様々なデータを見ることができるので、トラブルシューティングに役立つ。また、画像やデータを保管することで、色データの集積やトレーサビリティの実現等にも貢献でき、また、製品の履歴資料や復元材料として役立てることもできる。
色の研究開発に新しい色の開発や、新しい塗料・新しい素材・新しい下地を使った実験などを行う際に定量化された客観的データとともに、忠実な画像データも一緒に保存できるので、色データの集積やトレーサビリティの実現等にも貢献できる。
インターネットやクラウドなどの通信技術を利用すれば、世界各地の工場で作られている製品を国内本社のオフィスで統一基準により管理することが可能となり、色管理の時間と経費を節約できる。また、立会い検査工程を本社、クライアント等のPCモニター上で実施可能である。
ウェアラブル端末で測定対象物を非接触にて撮影することができるので、製品に傷をつける心配がない。実物を見られない状況で実物に近い色に変換された画像を提示して、後々、実物を見た時にギャップを感じるなどというトラブルを避けることができる。色度図上の広範囲での測定が可能であるので、広範囲の色度分布を見ることができ、色のほか、複雑な柄や質感も含めて測定することができる。色の測定範囲が広いため、測る場所によって色のズレが小さく、毎回測定条件を揃えることが可能である。
色分布関数比較法は、色度分布の一致度を、色・質感の合方の指数として表す方式であり、ヒトの目の色や質感判定に極めて近い指標について、化粧品分野や自動車塗装分野、審美歯科分野で提供できるので、この色分布関数比較法の適用例は広い。
自動車以外でも、部品を組み立てて製造する製品、例えば、冷蔵庫等の家電製品、住宅、航空機、電車等にも適用が可能である。同じ色調のものを合わせて一体化するようなものであれば、この発明の適用範囲は上記分野に限定されるわけではない。
なお、本発明の実施形態は、上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において、改変等を加えることができるものであり、それらの改変、均等物等も本発明の技術的範囲に含まれ、該技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることは言うまでもない。例えば、画像情報を取得する方式について、本実施形態において挙げた方式は具体例に過ぎないものであって、これらに限られず、その他の方式によっても本発明の技術的思想は実施されるものである。
本発明のウェアラブル着色評価装置は、電化製品、乗物、住宅建材等の製造現場における正確な色検査、その他の産業上の利用可能性は大である。印刷物の色ズレ・色ムラ等の検査、ラメ・パール顔料を含む化粧品の検査、自動車の塗装検査(色ズレ・色ムラ、異素材間の色のズレを数値化、光輝度のグラフ化によるフリップフロップ現象の数値化)、自動車の木目検査、自動車のレザーシートの検査(複雑なテクスチャ素材の色ムラ・色ズレを検査)、床材の色合せ、タイルの色合せ(色や質感まで正確に撮影)、化粧品、スポーツウェア、シューズ、ゴルフボール等の色合せ検査等がある。
1、101、201、401、601・・・ウェアラブル着色評価装置
2、102、202、402、602・・・ウェアラブル端末
20・・・レンズ
21・・・演算部
22・・・RGBデジタルカメラ
23・・・入出力部
3、103、203、603・・・演算処理部
4、24・・・表示装置
5、105、205、405・・・自動車
406・・・照明部、人工太陽灯
6・・・カラー信号発生器
7・・・2次元色彩計
74・・・演算部
75・・・表示装置
76・・・反射鏡
605・・・人の毛髪
107、207、407、607・・・表示装置
71・・・撮影レンズ
72a、72b、72c・・・光学フィルタ
73・・・撮像素子
72a´、72c´・・・ダイクロイックミラー
73a、73b、73c・・・撮像素子
77・・・フィルタターレット
106、206・・・スイッチ
103A、103B、103C、103D、203A、203B、203C、203D・・・演算部
257・・・着色装置
408・・・ハブ
409・・・自動車生産ライン
410・・・計測制御用メインPC
424・・・測定用PC1〜PC3
411・・・KVM
2、102、202、402、602・・・ウェアラブル端末
20・・・レンズ
21・・・演算部
22・・・RGBデジタルカメラ
23・・・入出力部
3、103、203、603・・・演算処理部
4、24・・・表示装置
5、105、205、405・・・自動車
406・・・照明部、人工太陽灯
6・・・カラー信号発生器
7・・・2次元色彩計
74・・・演算部
75・・・表示装置
76・・・反射鏡
605・・・人の毛髪
107、207、407、607・・・表示装置
71・・・撮影レンズ
72a、72b、72c・・・光学フィルタ
73・・・撮像素子
72a´、72c´・・・ダイクロイックミラー
73a、73b、73c・・・撮像素子
77・・・フィルタターレット
106、206・・・スイッチ
103A、103B、103C、103D、203A、203B、203C、203D・・・演算部
257・・・着色装置
408・・・ハブ
409・・・自動車生産ライン
410・・・計測制御用メインPC
424・・・測定用PC1〜PC3
411・・・KVM
Claims (9)
- 撮像機能を備えるウェアラブル端末と、
演算処理部と、
演算処理部からの信号に基づいて、RGB計測信号を発生するカラー信号発生器と、
演算処理部と接続可能な、CIE XYZ等色関数と等価に線形変換された三つの分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))を有する撮像部と、
前記カラー信号発生器と前記撮像部を前記演算処理部で同期しながら、カラー信号発生器で縦横に分割されたRGB値の変化した色票を撮像部によりXYZ値を計測し、前記色票をウェアラブル端末で撮像してrgb値を得ることにより、rgb値とXYZ値との変換テーブルを発生する色空間関数発生部と、
撮像対象物をウェアラブル端末で撮像してrgb値を得、このrgb値から前記変換テーブルを利用してXYZ値を演算処理するXYZ演算部と、
を備えたウェアラブル着色評価装置。 - 前記撮像部が、
前記XYZ演算部が、
前記ウェアラブル端末の撮像により得られた着色データのうち、特定された検査領域を設定し、
測定対象物として、検査物と基準物について、それぞれ、前記検査領域の各画素のXYZ値より正規化されたxy値又はXYZ値そのものを検査領域について演算し、
xy色度図のxy座標の検査領域を格子で区画し、各格子に属する前記検査物と基準物の画素数を積算することにより、xy色度ヒストグラム又はXYZ色度ヒストグラム3次元分布を作成し、
前記検査物と基準物の2つのxy色度ヒストグラム分布又はXYZ色度ヒストグラム3次元分布の重なり合った割合を示す色分布一致指数を演算することにより、色を検査することを特徴とする請求項1のウェアラブル着色評価装置。 - 前記XYZ演算部が、
前記測定対象物の撮像により得られた着色データのうち、特定された検査領域を設定し、
測定対象物として、検査物と基準物について、それぞれ、前記検査領域の各画素のXYZ値をLabに変換し、
Lab色度図のLab座標の検査領域を格子で区画し、各格子に属する前記検査物と基準物の画素数を積算することにより、Lab色度ヒストグラム分布を作成し、
前記検査物と基準物の2つのLab色度ヒストグラム分布の重なり合った割合を示す色分布一致指数を演算することにより、色を検査することを特徴とする請求項1のウェアラブル着色評価装置。 - 前記色度ヒストグラム分布において、前記2つの画素の画素積算数を格子単位で比較し、小さい方の画素積算数を特定し、当該画素積算数を積算し、前記検査領域の全画素数に対する、前記積算された積算数の割合を演算することにより、前記色分布一致指数を演算する請求項2または3のウェアラブル着色評価装置。
- 前記色分布一致指数を示すデータを表示装置に表示し、通信回線を介してコンピュータ間で送受信する請求項3または4のウェアラブル着色評価装置。
- 前記ウェアラブル端末で生産ライン上を流れる検査物を撮像する請求項1ないし5いずれかのウェアラブル着色評価装置。
- 演算処理部からの信号に基づいて、カラー信号発生器でRGB計測信号を発生させるRGB計測信号発生ステップと、
前記カラー信号発生器と前記撮像部を前記演算処理部で同期しながら、カラー信号発生器で縦横に分割されたRGB値の変化した色票を撮像部によりXYZ値を計測し、前記色票をウェアラブル端末で撮像してRGB値を得ることにより、RGB値とXYZ値との変換テーブルを発生する色空間関数発生ステップと、
撮像対象物をウェアラブル端末で撮像してrgb値を得、このrgb値から前記変換テーブルを利用してXYZ値を演算処理するXYZ値発生処理ステップと、
を備えたウェアラブル着色評価方法。 - CIE XYZ等色関数と等価に線形変換された三つの分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))を有する撮像部を利用する着色検査方法において、
照明下で、前記ウェアラブル端末による撮像により取得した三つの分光感度を有する画像をCIE XYZ表色系における三刺激値XYZに変換した着色データを生成するステップと、
前記測定対象物の撮像により得られた着色データのうち、特定された検査領域を設定するステップと、
測定対象物として、検査物と基準物について、それぞれ、前記検査領域の各画素のXYZ値より正規化されたxy値又はXYZ値そのものを検査領域について演算するステップと、
xy色度図のxy座標の検査領域を格子で区画し、各格子に属する前記検査物と基準物の画素数を積算することにより、xy色度ヒストグラム分布、又はXYZ色度ヒストグラム3次元分布を作成し、
前記検査物と基準物の2つのxy色度ヒストグラム分布又はXYZ色度ヒストグラム3次元分布の重なり合った割合を示す色分布一致指数を演算することにより、色を検査するステップと、
を備えたことを特徴とする請求項7のウェアラブル着色評価方法。 - 照明下で、前記ウェアラブル端末による撮像により取得した三つの分光感度を有する画像をCIE XYZ表色系における三刺激値XYZに変換した着色データを生成するステップと、
前記測定対象物の撮像により得られた着色データのうち、特定された検査領域を設定するステップと、
測定対象物として、検査物と基準物について、それぞれ、前記検査領域の各画素のXYZ値をLabに変換するステップと、
Lab色度図のLab座標の検査領域を格子で区画し、各格子に属する前記検査物と基準物の画素数を積算することにより、Lab色度ヒストグラム分布を作成するステップと、
前記検査物と基準物の2つのLab色度ヒストグラム分布の重なり合った割合を示す色分布一致指数を演算することにより、色を検査するステップと、
を備えたことを特徴とする請求項7のウェアラブル着色評価方法。
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A521 | Written amendment |
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