JP2010156652A - 分光測定装置 - Google Patents

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哲夫 松本
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Abstract

【課題】簡単な構成で、精度良く分光感度特性を測定可能な分光測定装置を提供する。
【解決手段】分光測定装置は、測定光をRGB各色に分光し、分光した各光をそれぞれ受光して受光信号に変換する受光部と、これら受光部で変換された受光信号に基づいて、測定値を演算するCPUと、を備える。ここで、各色受光部の分光感度特性は、CIE1931表色系のXYZ等色関数を、一次線形変換したXaYaZa変換関数の分光感度特性に基づいて、適宜設定される。このとき、XaYaZa変換関数は、Xaの分光感度特性が第一ピークおよび第二ピーク間の波長域において、相対分光感度が正の値を採るように変換され、R受光部は、Xaの第二ピークの分光感度特性となるように、G受光部は、Yaの分光感度特性となるように、B受光部は、Zaの分光感度特性となるように、各分光感度特性が設定される。
【選択図】図1

Description

本発明は、被測定物から出力される光の分光特性値を三刺激値直読法により測定する分光測定装置に関する。
従来、液晶ディスプレイやプロジェクタなどの表示装置の色再現性の検査では、多くの場合、CIE(Commission Internationale de l'Eclairage:国際照明委員会)が提唱するCIE表色系に準拠して色を計測する。色を計測する方法としては、三刺激値直読法や分光測定法が知られているが、分光測定法では、光学系が複雑で高価であるという問題がある。一方、三刺激値直読法は、簡単な光学系の組み合わせにより比較的安価に、かつ迅速な測定が実現可能となり、以下、特許文献1に示すような三刺激値直読法を利用した色再現方法が知られている。
特許文献1に記載のものは、CIE xy色度図において、スペクトル軌跡に外接する三角形の頂点で示される原刺激データの組み合わせで色を再現する色再現方法である。この色再現方法では、レッドの分光感度のブルー領域はブルーの分光感度で、また、ブルーの分光感度のレッド領域はレッドの分光感度で代用する方法が採られている。
特開平05−30344号公報
ところで、三刺激値直読法により分光特性値を計測する場合、一般に赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の波長成分を光学フィルタにより分離し、これらの分離された各色光を受光素子で受光させて受光信号に変換し、受光信号に基づいて、分光特性値である三刺激値XYZを計測する。ここで、CIE1931表色系に準拠した測定値を得るためには、各フィルタの透過率と受光素子の分光感度との積を、CIE1931表色系のXYZ等色関数に合わせる必要がある。
しかしながら、図12に示すように、Xの分光特性は、442nmの波長近傍に現れる第一ピークX1と、599nmの波長近傍に現れる第二ピークX2とがあり、このような2つのピークを有するフィルタを製造することは困難となる。ここで、図12は、CIE1931表色系のXYZ等色関数における分光感度特性を示す図である。
上記問題を回避する方法として、第一ピークX1に対応するフィルタと、第二ピークX2に対応するフィルタを設ける構成も考えられるが、部品点数の増加や回路構成の複雑化などの問題がある。
一方、図12からも分かるように、第一ピークX1が現れる波長とZのピークが現れる波長とが略一致し、Zのピークが第一ピークX1のピークの約5倍であることから、X1≒Z/5と近似し、X´´=X1+X2≒Z/5+X2と近似する方法がある。上記した特許文献1も第一ピークX2をZのピークのみを用いて近似する方法であるため、この方法と同様の色再現方法である。
しかしながら、Zの形状とX1の形状とは異なるため、このような近似では、図13に示すように、誤差が生じる。図13は、CIE1931表色系のXYZ等色関数の分光感度特性と、第一ピークX2をZの1/5として近似したX´´YZ色空間関数の分光感度特性とを示す図である。また、図14は、CIE1931表色系のXYZ等色関数に対応したスペクトル軌跡と、第一ピークX2をZの1/5として近似したX´´YZ色空間関数のスペクトル軌跡との差を示すxy色度図である。図13に示すような誤差は、分光感度特性を示す図では小さな値と予想されるが、図14に示すように、xy色座標に変換すると最大0.100程度の誤差となり、色再現精度、測定精度が低下するという問題がある。
本発明は、上述のような問題に鑑みて、簡単な構成で、精度良く分光感度特性を測定可能な分光測定装置を提供することを目的とする。
本発明の分光測定装置は、入射光から赤色光を分離し、分離した赤色光を受光するR受光部、入射光から緑色光を分離し、分離した緑色光を受光するG受光部、および入射光から青色光を分離し、分離した青色光を受光するB受光部を有し、受光量に応じた受光信号を出力する受光手段と、受光信号に基づいて分光特性値を測定する測定部と、を備えた分光測定装置であって、R受光部は、基準XYZ等色関数のX成分を線形変換して得られるXa成分の分光感度特性が有する2つのピークのうち、高波長域に形成される第二ピークの分光感度特性を有し、G受光部は、基準XYZ等色関数のY成分を線形変換して得られるYa成分の分光感度特性を有し、B受光部は、基準XYZ等色関数のZ成分を線形変換して得られるZa成分の分光感度特性を有し、前記線形変換は、基準XYZ等色関数を当該線形変換することにより得られるXa,Ya、Zaのうち、Xaの分光感度特性が、Zaの分光感度特性と略同一波長でピークとなる第一ピークと、第一ピークよりも高波長域でピークとなる第二ピークとを有し、これら第一ピークおよび第二ピークの間の波長域で、分光感度が0よりも大きくなるように、前記基準XYZ等色関数を処理する変換である
ことを特徴とする。
ここで、R受光部、G受光部、およびB受光部は、入射光から所定の色光を分離するための光学フィルタ、および光学フィルタにより分離された色光を受光する受光素子を有するものであり、これらの受光部における分光感度特性は、光学フィルタの分光透過率と、受光素子の分光感度の積により設定される。したがって、この分光感度特性が所望の値となるように、光学フィルタおよび受光素子を設計することで、分光測定装置の測定精度を正確に設定することが可能となる。
本発明では、上記のような光学フィルタと受光素子との組み合わせを設計するために、これら光学フィルタおよび受光素子により決定される受光部の分光感度特性を適正な値に設定する。このために、上述のように、基準XYZ表色系を線形変換したものを利用する。ここで、基準XYZ等色関数としては、例えばCIEで規定されたCIE1931表色系のXYZ等色関数などが例示できる。
本発明では、CIE1931表色系のXYZ等色関数を一次線形変換してXaYaZa変換関数とし、R受光部をXaの第二ピークの分光感度特性に、G受光部およびB受光部をそれぞれYaおよびZaの分光感度特性に設定する。この時、図12に示すようなCIE1931表色系のXYZ等色関数を一次線形変換したXaYaZa変換関数の分光感度特性が図1に示すような特性となるように、線形変換を実施する。すなわち、線形変換により得られるXa、Ya、Zaの各分光感度特性がそれぞれ全波長において、0以上で、かつ、Xaが第一ピークXa1および第二ピークXa2を有し、これら第一ピークXa1および第二ピークXa2間で0より大きい分光感度特性を有する(0とならない)ような、変換を実施する。
これにより得られるXaの分光感度特性xは、第一ピークXa1の分光感度特性xa1(λ)と、第二ピークXa2の分光感度特性xa2(λ)との和により表すことができ、第一ピークXa1の分光感度をZaの分光感度特性z(λ)を用いて近似した際、正確にXaの曲線に近似することができる。
すなわち、CIE1931表色系のXYZ特色関数では、Xの分光感度特性x(λ)において、第一ピークX1と第二ピークX2との間(500nm近傍)に分光感度が0となる極小点が存在する。一方、Zの等色関数では、この極小点において、0とならず、約0.3の分光感度特性値を有する。したがって、Xの第一ピーク山X1の分光感度特性x(λ)をZの分光感度特性z(λ)の1/5として、x(λ)=x(λ)+x(λ)として近似すると、図13に示すような誤差が生じる。これに対して、本願発明では、Xaの極小点が0とならないため、第二ピークXa2の分光感度特性を適切に設定し、第一ピークXa1の分光感度特性xa1(λ)をZaの分光感度特性z(λ)で近似することで、Xaの分光感度特性x(λ)をCIE1931表色系のXYZ等色関数に対応する分光感度特性により精度良く近似することが可能となる。以上により、R受光部、G受光部、およびB受光部の分光感度特性を、それぞれ第二ピークXa2の分光感度特性、Yaの分光感度特性、Zaの分光感度特性に設定することで、CIE1931表色系を精度良く再現可能となり、測定される分光特性値もより正確にできる。また、新たなフィルタを設ける必要などがないため、構成が複雑化せず、簡単な構成で、上記のような高精度測定が可能な分光測定装置を提供することが可能となる。
本発明の分光測定装置では、R受光部、G受光部、およびB受光部の分光感度特性は、全波長域において正の値の分光感度を有し、かつピーク波長が1つであることを特徴とする。
この発明では、R受光部、G受光部、およびB受光部は、全波長において、正の値であり、ピーク波長が単一である分光感度特性を有している。すなわち、1つの受光部において、2つ以上のピークを有する分光感度特性が設定されるようなフィルタ設計は、困難であり、コストも高くなるため、製造上で不利となる。これに対して、本発明では、R受光部では、Xaの第二ピークXa2の分光感度特性、G受光部およびB受光部は、それぞれYaおよびZaの分光感度特性を有するため、フィルタ設計が容易であり、コストも低減させることができ、製造効率の向上が図れる。これに加えて、各受光部における分光感度特性は、全波長において正の値となるため、複雑な演算回路などを使用することなく、精度の良い色再現性を実現することができる。
本発明の分光測定装置では、前記線形変換は、次式(1)により、基準XYZ等色関数をXaYaZa変換関数に変換し、この式(1)における変数r、s、tは、それぞれ、0.30≦r≦0.40、−10.00≦s≦−0.30、−0.08≦t≦−0.10の範囲に設定されることが好ましい。
Figure 2010156652
この発明では、上記式(1)において、変数r、s、tをそれぞれ上述のような範囲で設定した場合でもCIE1931表色系に極めて近い色再現性を実現することができ、各受光部における設計の自由度を広げることができる。すなわち、R受光部は、ピーク波長が559±5nm、半値波長が512±5nmおよび615±5nmである分光感度特性から、ピーク波長が595±5nm、半値波長が544±5nmおよび633±5nmである分光感度特性までの自由度内で設定することができ、G受光部は、ピーク波長が543±5nm、半値波長が506±5nmおよび588±5nmである分光感度特性に設定でき、B受光部は、ピーク波長が446±5nm、半値波長が424±5nmおよび478±5nmである分光感度特性に設定することができる。
本発明の分光測定装置において、前記変数sは、s=−0.30に設定されることが好ましい。
この発明では、変数sをs=−0.30に設定することで、測定精度および色の高分解能を実現することができる。すなわち、sを−0.30に設定した場合、色再現性をxy色座標で表示した際、CIE1931表色系との誤差をより小さくできるが、分解能が低下してしまう。一方、s=−0.30に設定した場合では、他の値にした場合に比べて、CIE1931表色系に対する誤差が小さく、かつCIE1931表色系と略同一分解能を実現することができる。
本発明の分光測定装置では、前記R受光部の分光感度特性である第二ピークの分光感度特性は、次式(2)〜(4)により規定されることが好ましい。
Figure 2010156652
(ただし、xa2は、第二ピークの分光感度特性であり、z(λ)は、Zaの分光感度特性であり、x(λ)は、Xaの分光感度特性であり、max(x(λ))はXaにおけるピークの最大分光感度、max(z(λ))は、zにおけるピークの最大分光感度を示す)
この発明では、上記(2)式により、Xaの分光感度特性xを、第二ピークXa2の分光感度特性xa2と、Zaの分光感度特性により、より正確に近似することができる。したがって、このような分光感度特性xa2を有するR受光部、および分光感度特性zを有するB受光部を用いることで、測定部において、Xaの分光感度特性をCIE1931表色系のX値により適切に近似させた測定を実施することができる。
本発明の分光測定装置では、測定部は、R受光部、G受光部、およびB受光部にて受光された光の光量に応じて出力される受光信号値に対して、前記線形変換の逆変換となる変換マトリクスに逆線形変換し、基準XYZ等色関数に基づいたXYZ値を演算することが好ましい。
この発明では、測定部は、例えば上述した式(1)の逆変換により、測定された各受光信号値を、CIE1931表色系のXYZ等色関数に対応した三刺激値に変換する。このため、簡単な演算処理により、CIE1931表色系に準拠した測定値を精度良く求めることができる。
以下、本発明の一実施の形態に係る分光測定装置について、図面に基づいて説明する。
図2は、本発明に係る一実施の形態の分光測定装置の概略構成を示す図である。
〔分光測定装置の構成〕
図2において、分光測定装置10は、受光部11と、I/V変換回路12と、信号増幅回路13と、A/D変換回路14と、測定部としてのCPU15と、記憶部16と、表示部17とを備えている。
受光部11は、赤色(R)、緑色(G)、および青色(B)のそれぞれの基本色に対応して、赤色光を受光するR受光部11R、緑色光を受光するG受光部11G、および青色光を受光するB受光部11Bと、を備えている。これらの各色受光部11は、それぞれ光学フィルタ111と、受光素子112とにより構成されている。すなわち、R受光部11Rは、R光学フィルタ111Rと、R受光素子112Rと、を備え、G受光部11Gは、G光学フィルタ111Gと、G受光素子112Gと、を備え、B受光部11Bは、B光学フィルタ111Bと、B受光素子112Bと、を備えている。
各光学フィルタ111は、例えば複数のレンズにより構成される図示しない光入射部から入射した光を、波長毎に分離し、分離した色光を受光素子112に射出する。例えばR光学フィルタ111Rは、入射光から赤色光である例えば600nm近傍の波長を透過し、それ以外の波長の光を例えば吸収して遮断する。同様に、G光学フィルタ111Gは、緑色光である例えば550nm近傍の波長の光を透過し、B光学フィルタ111Bは、青色光である例えば450nm近傍の波長の光を透過し、その他の波長の光を遮断する。
各受光素子112は、各光学フィルタ111を透過した各色光を受光し、受光量に応じた受光信号(信号電流)をI/V変換回路12に出力する。
また、上述した各光学フィルタ111の分光透過率と、これらの各受光素子112分光感度との積により、分光感度特性が決定される。一般に、被測定物の分光特性を測定するためには、基準XYZ表色系であるCIE1931表色系であるXYZ等色関数が用いられる。したがって、分光測定装置10において、測定値をCIE1931表色系のXYZ等色関数にいかに近く近似できるかにより、測定精度が左右される。本実施の形態の分光測定装置10では、測定値をCIE1931表色系に準拠した値に、より適切に近似するために、各受光部11における分光感度特性を適切に設定する。なお、この分光感度特性の設定についての詳細な説明は後述する。
I/V変換回路12は、各受光素子112に対してそれぞれ設けられ、各受光素子112から出力される受光信号(信号電流)を電圧(信号電圧)に変換する。すなわち、受光素子112により光電変換により出力される電流は微弱であるが、I/V変換回路12は、このような微弱な受光信号電流を、処理しやすい電圧に変換する。そして、I/V変換回路12は、変換した電圧を信号増幅回路13に出力する。
信号増幅回路13は、I/V変換回路12により変換された信号電圧を、さらに処理しやすい値に増幅し、A/D変換回路14に出力する。
A/D変換回路14は、入力された電圧信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換し、CPU15に出力する。
CPU15は、入力されたデジタル信号に基づいて、受光部11にて受光された測定光の分光特性値を、演算処理により算出、すなわち測定する。また、CPU15は、演算により得られた測定値を例えば記憶部16や表示部17に出力する。なお、CPU15における具体的な測定値演算処理の説明は後述する。
記憶部16は、CPU15による演算処理に用いられる各種データやプログラムなどを記憶する。この記憶部16としては、例えばHDDやメモリ、CDやDVDなどの記録媒体を駆動するドライブなどが挙げられる
表示部17は、CPU15から入力される画像データに基づいて、図示しない表示領域に画像を表示させる。この画像としては、例えば、測定した測定光の分光特性値などが挙げられる。なお、表示部17を分光測定装置10に一体的に設ける例を示すが、これに限定されず、別体とし、分光測定装置10に接続される構成などとしてもよい。
〔分光感度特性の設定〕
次に、上述した各受光部11における分光感度特性の設定について説明する。
上記したように、分光測定装置10は、CIE1931表色系のXYZ等色関数に準拠した測定を実施することが測定精度上重要であり、このために、各受光部11における分光感度特性を適切に設定し、この分光感度特性を実現可能な光学フィルタ111および受光素子112を選択する必要がある。
本実施の形態では、CIE1931表色系のXYZ等色関数の分光感度特性を一次線形変換したXaYaZa変換関数の分光感度特性に基づいて、各受光部11における分光感度特性を設定する。
ここで、図3に、CIE1931表色系のXYZ等色関数のスペクトル軌跡をXYZ色空間座標に表現した図を示す。分光感度特性の設定では、図3に示すように、まず、CIE1931表色系のXYZ等色関数におけるx軸、y軸、z軸を、次式(5)に基づいて一次線形変換し、x軸、y軸、z軸に変換(XaYaZa変換関数に変換)し、x(λ)、y(λ)、z(λ)のスペクトル軌跡をそれぞれx(λ)、y(λ)、z(λ)のスペクトル軌跡に変換する。
Figure 2010156652
なお、上記式(5)は、上述した式(1)において、変数r、s、tとしてそれぞれr=0.35、s=−0.30、t=−0.08を採用した式である。
図1は、XYZ等色関数を一次線形変換したXaYaZa変換関数におけるXa、Ya、Zaの各分光感度特性を示す図である。
上記式(5)により得られるx(λ)、y(λ)、z(λ)の分光感度特性は、図1に示すものとなる。ここで、CIE1931表色系のX成分を線形変換したXaの分光感度特性x(λ)は、図1に示すように、第一ピークXa1と第二ピークXa2との2つのピークを有し、これらピーク間の波長域において、相対分光感度が0より大きい正の値となる。したがって、Xaの分光感度特性x(λ)は、第二ピークXa2の分光感度特性xa2(λ)と、第一ピークXa1の分光感度特性xa1(λ)により、x(λ)=xa1(λ)+xa2(λ)により表すことができる。また、第一ピークXa1の分光感度特性xa1(λ)は、Zaの分光感度特性z(λ)を用いて高精度に近似することができ、これにより、Xaの分光感度特性x(λ)は、第二ピークXa2の分光感度特性xa2(λ)と、Zaの分光感度特性z(λ)により、高精度に近似することができる。
ここで、第二ピークXa2に着目し、第二ピークXa2が、図1に示すように、波長域λ1〜λ3の間で正の値を取るものとし、第一ピークXa1の分光感度特性xa1(λ)が、Zaの分光感度特性z(λ)と、略同一ピーク波長を有し、同一波長域(λ0〜λ2)において、正の値をとるものとする。
このような場合、Xa2の分光感度特性xa2(λ)は、λ1より小さい波長域(x(λ)≒z(λ)となる部分)および、λ3よりも大きい波長域(xa2(λ+1)=0(λ=780,779,778・・・))において、xa2(λ)=0となる。
一方、Xaの分光感度特性x(λ)は、上記したように、x(λ)=xa1(λ)+xa2(λ)で表されるため、λ1〜λ3の波長域では、第二ピークXa2の分光感度特性xa2(λ)は、xa2(λ)=x(λ)−xa1(λ)となる。ここで、第一ピークの分光感度特性xa1(λ)を、式(3)(4)のように、xa1(λ)≒z (λ)と近似すると、λ1〜λ3の波長域では、分光感度特性xa2(λ)は、式(2)により表すことができる。
上記のように算出されるxa2(λ)、y(λ)、z(λ)の各分光感度特性を図4に示す。
また、上記式(2)により求められる第二ピークXa2の分光感度特性xa2(λ)およびZaの分光感度特性z(λ)を用いることで、次式(6)に示すように、Xaの分光感度特性x(λ)を近似することができる。なお、式(6)において、x (λ)は、x(λ)の近似式を示す。
Figure 2010156652
すなわち、Xaの分光感度特性xa2(λ)、およびZaの分光感度特性z(λ)から、式(6)に示すように、Xaの分光感度特性の近似式である分光感度特性x (λ)を求めることができる。また、上述した式(5)を逆変換することで、次式(7)に示すように、分光感度特性x (λ)、y(λ)、z(λ)から、XYZ等色関数x(λ)、y(λ)、z(λ)に近似したx´(λ)、y´(λ)、z´(λ)を得ることが可能となる。なお、以降の説明において分光感度特性x´(λ)、y´(λ)、z´(λ)を有する、XYZ等色関数に近似する色空間関数をX´Y´Z´近似等色関数と称し、分光感度特性x (λ)、y(λ)、z(λ)を有するXaYaZa変換関数に近似する色空間関数を、Xa´Ya´Za´近似変換関数と称する。
Figure 2010156652
なお、各受光部11における各光学フィルタ111および各受光素子112の選択では、光学フィルタ111の分光透過率と、受光素子の分光感度との積が、それぞれxa2(λ),y(λ),x(λ)となるように、適宜設定すればよい。
〔本実施の形態における色再現性の検証〕
次に、上記のように各受光部11の分光感度特性が設定された場合の色再現性について説明する。図5は、X´Y´Z´近似等色関数の分光感度特性x´(λ)、y´(λ)、z´(λ)と、CIE1931表色系のXYZ等色関数の分光感度特性とを示す図である。図6は、X´Y´Z´近似等色関数のスペクトル軌跡と、CIE1931表色系のXYZ等色関数のスペクトル軌跡とを示すxy色度図である。図7は、Xa´Ya´Za´近似変換関数のスペクトル軌跡と、CIE1931表色系のXYZ等色関数のスペクトル軌跡とを示すxy色度図である。
図5および図6に示すように、分光測定装置10は、XaYaZa変換関数に基づいて設定される分光感度特性x(λ)、y(λ)、z(λ)を用いることで、XYZ等色関数のx(λ)、y(λ)、z(λ)に対してより適切な近似式を導くことができる。したがって、分光測定装置10は、CIE1931表色系のXYZ等色関数に対して誤差を1%以下にした高精度な分光測定を実施することができ、分光測定の精度を向上させることが可能となる。
また、図7に示すように、上記のように設定されたXa´Ya´Za´近似変換関数のスペクトル軌跡で囲われる色域の面積は、CIE1931表色系のXYZ等色関数のスペクトル軌跡により囲われる色域の面積と同程度であることが確認できる。すなわち、Xa´Ya´Za´近似変換関数の色差分解能は、CIE1931表色系のXYZ等色関数と同程度の色差分解能を有している。
〔受光部の選択の自由度〕
なお、上記実施形態では、式(1)で変数r、s、tとしてそれぞれr=0.35、s=−0.30、t=−0.08を採用する例を示したが、これに限定されるものではない。すなわち、変数r、s、tの選択可能な範囲としては、
0.3≦r≦0.4
−10≦s≦−0.3
−0.08≦t≦−0.10
の範囲内で受光部11の分光感度特性を設定することができる。
この場合、式(7)も次式(8)に示すように、自由度を有することとなる。
Figure 2010156652
図8は、CIE1931表色系のXYZ等色関数を、変数sを変えて一次線形変換した場合の各座標軸の変換状態を示す図である。変数r,s,tを範囲外に設定する場合、十分な近似ができないという問題や、x(λ)、y(λ)、z(λ)の値として負の値が算出されるなどの問題がある。これに対して、変数r,s,tを上記範囲に設定することにより、CIE1931表色系に適切に近似できる。
図9は、変数sを変化させた場合の、XaYaZa変換関数の各分光感度特性を示す図である。図10は、変数sを変化させた場合のX´Y´Z´近似等色関数のスペクトル軌跡と、CIE1931表色系のXYZ等色関数のスペクトル軌跡とを示すxy色度図である。図11は、変数sを変化させた場合のXa´Ya´Za´近似変換関数のスペクトル軌跡と、CIE1931表色系のXYZ等色関数のスペクトル軌跡とを示すxy色度図である。
なお、図9ないし図11において、s=−0.30に設定した際の分光感度特性をx(λ)、y(λ)、z(λ)とし、s=−1.00に設定した際の分光感度特性をx(λ)、y(λ)、z(λ)とし、s=−10.00に設定した際の分光感度特性をx(λ)、y(λ)、z(λ)とする。また、図10において、s=−1.00に設定した際の近似変換関数をX´Y´Z´変換関数、s=−10.00に設定した際の近似変換関数をX´Y´Z´変換関数として示し、図11において、s=−1.00に設定した際の変換関数をX変換関数、s=−10.00に設定した際の変換関数をX変換関数として示す。さらに、変数r、tを変動させた場合では、変数sを変化させた場合に比べて、XaYaZa変換関数の各分光感度特性に大きな変化がなく、r=0.35、t=−0.08に設定した場合と同様に、XYZ等色関数の近似が可能となるため、ここでの説明を省略する。
図9に示すように、sの値が変化した場合でも、Zaの分光感度特性z(λ)、z(λ)、z(λ)のピーク波長は変化せず、分光感度も変化しない。また、Yaの分光感度特性y(λ)、y(λ)、y(λ)は、ピーク波長は変化しないが、分光感度の値が変化する。一方、Xaの分光感度特性x(λ)、x(λ)、x(λ)は、ピーク波長および分光感度が変化する。つまり、R受光部11Rの分光感度特性としては、ピーク波長が559±5nm、半値波長が512±5nmおよび615±5nmである分光感度特性から、ピーク波長が595±5nm、半値波長が544±5nmおよび633±5nmである分光感度特性までの自由度内で設定することができる。またG受光部11Gは、ピーク波長が543±5nm、半値波長が506±5nmおよび588±5nmである分光感度特性に設定でき、B受光部11Bは、ピーク波長が446±5nm、半値波長が424±5nmおよび478±5nmである分光感度特性に設定することができる。すなわち、R受光部11、G受光部11G、およびB受光部11は、上記した範囲内で自由に分光感度特性を設定することができる。
また、図10に示すように、上記のように、変数sを変化させた場合でも、各々誤差が発生する波長ポイントが異なるが、いずれも大きな誤差とならず、CIE1931表色系のスペクトル軌跡に良好に近似させることができる。
一方、図11に示すように、変数sが−0.30の場合では、CIE1931表色系のスペクトル軌跡と同程度の面積となるが、変数sが−0.30から−10.00側に変化するにしたがって、色度図上でスペクトル軌跡に囲われる面積が小さくなり、色差分解能が低下することが確認できる。すなわち、変数sとしては、s=−0.30を選択することがより好ましく、CIE1931表色系の良好な再現性と、色差分解能との両立を実現可能となる。
〔CPUによる測定値算出〕
次に、上記したCPU15の測定値演算処理について説明する。
CPU15は、A/D変換回路14から受光信号値(デジタル信号)の入力を認識すると、この受光信号値に基づいて、測定値を算出する測定値演算処理を実施する。この測定値演算処置では、CPU15は、上述した式(8)と同様の線形変換処理を実施し、下記式(9)に基づいて、受光信号値から測定値を演算する。
Figure 2010156652
上記式(9)において、X´、Y´、Z´は、それぞれCIE1931表色系に近似した色度測定値であり、X、Y、Zは、A/D変換回路14から入力される受光信号値である。ただし、A,B,Cは、それぞれX、Y、Zの強度補正値であり、予め記憶部16に記憶されるデータである。
〔本実施の形態の作用効果〕
上述したように、上記実施の形態の分光測定装置10は、測定光をRGB各色に分光し、分光した光を受光して受光信号に変換するR受光部11R、G受光部11G、およびB受光部11Bと、これら受光部11で変換された受光信号に基づいて、式(9)により測定値を演算するCPU15と、を備えている。そして、各受光部11の分光感度特性は、CIE1931表色系のXYZ等色関数を一次線形変換したXaYaZa変換関数の分光感度特性に基づいて、適宜設定される。このとき、上記一次線形変換では、XaYaZa変換関数において、Xaの分光感度特性x(λ)が、第一ピークXa1と第二ピークXa2とを有し、かつ第一ピークXa1および第二ピークXa2間の波長域において、相対分光感度が正の値を採るように、XYZ等色関数をXaYaZa変換関数に変換する。そして、R受光部11Rは、Xaの第二ピークXa2の分光感度特性xa2(λ)となるように、G受光部11Gは、Yaの分光感度特性y(λ)となるように、B受光部11Bは、Zaの分光感度特性z(λ)となるように、各分光感度特性が設定される。
上記構成では、R受光部11Rの分光感度特性xa2(λ)と、B受光部11Bの受光感度特性z(λ)により、式(6)に基づいて、一次線形変換後のXaの分光感度特性x (λ)を適切に近似することができる。すなわち、上記のような一次線形変換を実施した場合、第一ピークXa1と第二ピークXa2との間の波長域で分光感度が0となる点が存在しないため、所定波長域(λ1〜λ3)において正の値を採り、ピークが1つである適切な第二ピークXa2の分光感度特性xa2(λ)を与えることで、このxa2(λ)とz(λ)により、Xaの分光感度特性x(λ)を正確に近似することができ、この分光感度特性x(λ)からCIE1931表色系のXYZ等色関数のXの分光感度特性x(λ)をより正確に再現することができる。したがって、分光測定装置10は、各受光部11を上述したような分光感度特性に設定することで、4つ以上の光学フィルタや受光素子を用いることなく、また複雑な回路を設ける必要がなく、さらに、負荷が大きい処理を実施することなく、簡単な構成で、測定精度を向上させることができる。
また、上記したように、各受光部11は、正の値となる分光感度特性を有し、かつピークが単一となるように設定されている。例えば、R受光部11Rの分光感度特性xa2(λ)は、単一のピーク(Xa2)を有し、λ1〜λ3の全波長域において、分光感度が正の値となるように設定されている。すなわち、分光感度特性の値が負の値となるような光学フィルタおよび受光素子の組み合わせは、製造上困難であり、精度も低下する。これに対して、分光測定装置10では、各受光部11を上記のように構成することで、設計が容易となり、製造上有利となり、かつ複雑な演算を実施しなくても、精度の良い分光特性測定を実施することができる。
さらに、各受光部11の設計にあたり、式(1)に基づく一次線形変換により分光感度特性を設計する。このとき、変数r,s,tは、0.30≦r≦0.40、−10.00≦s≦−0.30、−0.08≦t≦−0.10の範囲に設定されている。
すなわち、R受光部11Rの分光感度特性としては、ピーク波長が559±5nm、半値波長が512±5nmおよび615±5nmである分光感度特性から、ピーク波長が595±5nm、半値波長が544±5nmおよび633±5nmである分光感度特性までの自由度内で設定することができる。またG受光部11Gは、ピーク波長が543±5nm、半値波長が506±5nmおよび588±5nmである分光感度特性に設定でき、B受光部11Bは、ピーク波長が446±5nm、半値波長が424±5nmおよび478±5nmである分光感度特性に設定することができる。したがって、各受光部11の設計の自由度が大きく、光学フィルタや受光素子の製造上で有利となる。
また、上記において、変数s=−0.30に設定されている。
このような変数に設定されることで、分光測定装置10では、CIE1931表色系のXYZ等色関数への適切な色再現性と、良好な色分解能とを両立させることができ、精度のよい分光測定を実施することができる。
さらに、上記式(2)〜(4)に基づいて、第二ピークXa2に分光感度特性xa2(λ)を設定することで、x(λ)をz(λ)およびxa2(λ)を用いた簡単な式で表すことができる。したがって、各受光部11の分光感度特性を容易に適切な値に設定することができる。
そして、CPU15は、式(1)における一次線形変換と逆変換マトリクスを用い、式(9)に基づいて、受光信号値から測定値を算出する。
このため、受光信号値に基づいて、簡単な演算式により、受光信号をCIE1931表色系のXYZ等色関数に準拠した測定値に変換することができる。したがって、複雑な演算処理を実施する必要がなく、処理負荷の軽減、処理時間の迅速化を図ることができる。
また、測定光として、CIE1931表色系における全色域をカバーできる。したがって、どのような光源に対して、適切な分光特性値(色度)の測定が可能であり、例えば液晶プロジェクタ、液晶ディスプレイなどの表示装置の光源色であっても、印刷物や写真など光源のスペクトルにより色味が変化する物体色であっても適切な色度の測定ができる。
〔他の実施の形態〕
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上記実施の形態では、式(1)に基づいた一次線形変換を用いて、各受光部11の分光感度特性を設定する際に、s=−0.30を採用したが、上述したように、0.3≦r≦0.4、−10≦s≦−0.3、−0.08≦t≦−0.10の範囲内の自由度で、各受光部11の分光感度特性を設定することができる。
また、上記実施の形態では、基準XYZ等色関数として、色度を測定する際に一般的に基準とされるCIE1931表色系のXYZ等色関数としたが、これに限定されない。例えば、所定のXYZ表色系の色空間を有する基準測定器と同一色空間を有する分光測定装置を製造する場合など、他の規格に基づいたXYZ等色関数を基準XYZ等色関数として、受光部11の分光感度特性を設定してもよい。
さらに、分光測定装置10としては、測定光を分光し、分光した各色光を受光素子により受光する構成を有するいかなる測定器にも適用でき、例えば、色彩照度計、色彩輝度計、二次元色彩輝度計などに応用できる。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更できる。
XYZ等色関数を一次線形変換したXaYaZa変換関数におけるXa、Ya、Zaの各分光感度特性を示す図。 本発明に係る一実施の形態の分光測定装置の概略構成を示す図。 CIE1931表色系のXYZ等色関数のスペクトル軌跡をXYZ色空間座標に表現した図。 各受光部の分光感度特性であるxa2(λ)、y(λ)、z(λ)を示す図。 X´Y´Z´近似等色関数の分光感度特性x´(λ)、y´(λ)、z´(λ)と、CIE1931表色系のXYZ等色関数の分光感度特性とを示す図。 X´Y´Z´近似等色関数のスペクトル軌跡と、CIE1931表色系のXYZ等色関数のスペクトル軌跡とを示すxy色度図。 Xa´Ya´Za´近似変換関数のスペクトル軌跡と、CIE1931表色系のXYZ等色関数のスペクトル軌跡とを示すxy色度図。 図3において、変数sを変化させてXYZ等色関数を一次線形変換した場合の、各状態を示す図。 変数sを変化させた場合の、XaYaZa変換関数の各分光感度特性を示す図。 変数sを変化させた場合のX´Y´Z´近似等色関数のスペクトル軌跡と、CIE1931表色系のXYZ等色関数のスペクトル軌跡とを示すxy色度図。 変数sを変化させた場合のXa´Ya´Za´近似変換関数のスペクトル軌跡と、CIE1931表色系のXYZ等色関数のスペクトル軌跡とを示すxy色度図。 CIE1931表色系のXYZ等色関数における分光感度特性を示す図である。 CIE1931表色系のXYZ等色関数の分光感度特性と、第一ピークX2をZの1/5として近似した色空間関数(X´´YZ色空間)の分光感度特性とを示す図。 CIE1931表色系のXYZ等色関数に対応したスペクトル軌跡と、第一ピークX2をZの1/5として近似した色空間関数のスペクトル軌跡との差を示すxy色度図
10…分光測定装置、11…受光部、11R…R受光部、11G…G受光部、11B…B受光部、15…測定部としてのCPU。

Claims (6)

  1. 入射光から赤色光を分離し、分離した赤色光を受光するR受光部、入射光から緑色光を分離し、分離した緑色光を受光するG受光部、および入射光から青色光を分離し、分離した青色光を受光するB受光部を有し、受光量に応じた受光信号を出力する受光手段と、受光信号に基づいて分光特性値を測定する測定部と、を備えた分光測定装置であって、
    R受光部は、基準XYZ等色関数のX成分を線形変換して得られるXa成分の分光感度特性が有する2つのピークのうち、高波長域に形成される第二ピークの分光感度特性を有し、
    G受光部は、基準XYZ等色関数のY成分を線形変換して得られるYa成分の分光感度特性を有し、
    B受光部は、基準XYZ等色関数のZ成分を線形変換して得られるZa成分の分光感度特性を有し、
    前記線形変換は、基準XYZ等色関数を当該線形変換することにより得られるXa,Ya、Zaのうち、Xaの分光感度特性が、Zaの分光感度特性と略同一波長でピークとなる第一ピークと、第一ピークよりも高波長域でピークとなる第二ピークとを有し、これら第一ピークおよび第二ピークの間の波長域で、分光感度が0よりも大きくなるように、前記基準XYZ等色関数を処理する変換である
    ことを特徴とする分光測定装置。
  2. 請求項1に記載の分光測定装置において、
    R受光部、G受光部、およびB受光部の分光感度特性は、全波長域において正の値の分光感度を有し、かつピーク波長が1つである
    ことを特徴とする分光測定装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の分光測定装置において、
    前記線形変換は、次式(1)により、基準XYZ等色関数をXaYaZa変換関数に変換し、
    Figure 2010156652
    上記式(1)における変数r、s、tは、それぞれ、0.30≦r≦0.40、−10.00≦s≦−0.30、−0.08≦t≦−0.10の範囲に設定される
    ことを特徴とする分光測定装置。
  4. 請求項3に記載の分光測定装置において、
    前記変数sは、s=−0.30に設定される
    ことを特徴とした分光測定装置。
  5. 請求項3または請求項4に記載の分光測定装置において、
    前記R受光部の分光感度特性である第二ピークの分光感度特性は、次式(2)〜(4)により規定される
    Figure 2010156652
    (ただし、xa2は、第二ピークの分光感度特性であり、z(λ)は、Zaの分光感度特性であり、x(λ)は、Xaの分光感度特性であり、max(x(λ))はXaにおけるピークの最大分光感度、max(z(λ))は、zにおけるピークの最大分光感度を示す)
    ことを特徴とする分光測定装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の分光測定装置において、
    測定部は、R受光部、G受光部、およびB受光部にて受光された光の光量に応じて出力される受光信号値に対して、前記線形変換の逆変換となる変換マトリクスに逆線形変換し、基準XYZ等色関数に基づいたXYZ値を演算する
    ことを特徴とする分光測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016006416A (ja) * 2014-05-26 2016-01-14 有限会社パパラボ 着色評価装置及び着色評価方法
JP2016099162A (ja) * 2014-11-19 2016-05-30 コニカミノルタ株式会社 刺激値直読型の測色計

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