JP2019020311A - 色彩測定方法及び色彩測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 屋外において色温度が異なっても正確な色度値を得ることができ色の測定誤差を減少させる。【解決手段】 色彩測定装置1は、自然光を測定しスペクトルを検出する自然光検出センサ部2と、スペクトルとXYZ表色系の2次元色彩計3に設定されたCIE XYZ等色関数と等価に線形変換された特定の三つの規格化感度とを積算して出力値とし三帯域につき出力値を演算する出力値演算部4と、三つの出力値を一定比率とする出力値調整部5と、出力値調整部5で三つの出力値を一定比率とし、撮像で感度値を取得し、感度値を特定変換マトリクスでXYZ表色系の色度値に変換するXYZ系表色値変換部6と、2次元色彩計3による屋外物Bの撮像の撮像時刻Tを測定する時間測定部7と、2次元色彩計3による屋外物Bの撮像の撮像位置Pを測定する位置測定部8と、2次元色彩計3による屋外物Bの撮像仰角E及び撮像方位Dを測定する仰角方位測定部9と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、現行の分光測色計では困難であった屋外での測定対象物(例えば、建物、建機、飛行機、列車、橋梁など、特に大型)の全体の色の測定(以下測色という)を行う色彩測定方法及び色彩測定装置に関するものである。
本発明は、色彩測定方法及び色彩測定装置、特に、屋外物の色について、簡便に定量化する色彩測定方法及び色彩測定装置に関する。
従来の色彩測定方法及び色彩測定装置は、管理された照明光下での色の測定となり、暗室内での測定や、ハンディータイプでは、積分球タイプの半円の自然光下での測定が行われている。例えば、印刷分野ではD50光源下で撮影することが標準である。
静岡大学の色忠実再現技術を利用した2次元色彩計を用いることにより、広範囲に同時に色測定可能で、しかも色分布の一致度等の解析機能を付加することにより、住宅用の建材や、自動車のメタリック塗装等への応用が、可能となっている。
例えば、特許文献1に示す、本出願人が開発した2次元色彩計については、分光測色計と同様に、半円形のドーム拡散照明を、フェルトラバーの覆いで、外光を遮断して、測定する。特許文献1において、出願人は、色・質感といった感性領域までの「忠実色再現技術」をさらに進歩させ、自動車業界(自動車外装塗装色の各パーツ(バンパーとフェンダーなどの色やメタリック感の違いを数値化)、家電業界(自動車と同様)、化粧品業界(女性の肌質評価用指標)、印刷業界(刷り上がりと、オリジナルとの対象商品ごとの比較)、建設資材(生木の建材の木目感を含めた統一性の指標化)等の異分野に対応できる発明を提案している。
この2次元色彩計の人の眼の感度での測定方式は、マクベスチャート等の色管理されたチャート(24色)を同じ光源下の同一視点より観測し、それぞれの分光感度三帯域のS123の出力を求める。2次元色彩計の分光感度は、国立大学法人静岡大学が提案した図1に示す分光感度特性となる。分光測色計とは異なり色の分布についてのデータを取ることにより、平均的な色度値だけでなく、色の広がり感など対象に対する質感についての知見が得られる。或いは、分光輝度計や分光測色計でXYZ値を求めることもある。
特開2016−194456号公報
現在、屋外にて測色をするための測定器は分光測色計が最も普及しているが、分光測色計は、自然光の影響をなくすために照明を内蔵した接触型のため、測色精度は高いが、測定範囲が狭く、大型建機、飛行機、列車などの大型測定対象物全体の測色が不可能である。さらに、分光測色計は、原理上ある面積の色度値の平均値を算出することとなり、住宅やビルの外壁などテクスチャーがあるものについて、さらに困難な状況にあった。
屋外で測色する場合、具体的には、光源を内蔵した分光測色計は、分光器とLED照明を内蔵し、外乱光が入らないように、対象を測定する方式の測色計であり、図22に示す通り、屋外光を遮断する素材で覆って、内部から発する光で測定する必要がある。晴れた日の屋外の太陽光は、6500K程度の色温度であるため、屋外で色を測定する場合、室内での色温度(例えば、5000K)とは大きく異なる。従来の分光測色計では、色の測定誤差が大きくなり、屋外での色の正確な測定が困難であった。
上述の分光測色計の構造により、光が漏れると正確な色測定は出来ず、大きな建物などの色測定については、物理的に測定も出来ない。色の測定値は、ある一定の面積の平均値を測定するため、ベタ色の反射色は高精度に測定が可能であるが、テクスチャーやメタリックがあるものの測定は、ばらつきが生じる。例えば、建物のように、一定の色ではなく、色が分布しているようなものに対しては、平均的な色値(Lab値)を提示するため、素材としての質感についての評価は出来ない。特に、屋外の大型の土木構造物、建築物、建機などの色については、適応範囲外としていた。
また一方、市販のデジタルカメラ又は市販の2次元色彩計においては、D50光源からD65光源に自然光を変換した後の測定誤差も元のD50光源も同様にxy値の測定誤差が大きい。
特許文献1の色忠実再現技術を利用した2次元色彩計は、カメラ方式の測色の利点である非接触での測定であり、閉鎖された測定室での測定でない限り、色の測定が困難である。また、管理された照明を必要とするもので、カメラ方式である二次元色彩の非接触である点を活かし切れておらず、自然光での色度値を、一定条件で測色するといった管理された条件での測色はできなかった。このような理由により、特許文献1の方式では、屋外などの建物の色や巨大な装置(大きなクレーン)の色などの測定は出来ないため、屋外の自然光(太陽光)等で利用する目的での利用は困難である。屋外での測色を希望する建築や大型建機等の分野では、自然光での測定値が、一定の色温度(D50)でのデータに変換できないか、また、色の温度変換補正を簡便に精度良く行うことはできないかといった要望がある。
さらに、インフラ関連に目を向けると高度成長期に建設されたトンネルや橋梁等の劣化による事故が散見され、社会問題となっている。道路公団、鉄道会社および行政機関等は、その保守、保全に大きなコストと時間を割いており、劣化診断の主流は目視検査と打音検査のため、大型橋梁や大型トンネルの検査は大変困難となっている。さらにドローンの活用等の他の様々な方法が検討されているが、人手に換わる決め手はまだない。
そこで、本発明は、屋外で正確な色度値を得ることを目的とし、管理下の照明なしでも、屋外の色の測定を可能とし、色の測定誤差を減少させることを目的とする。
本発明は、2次元色彩計での撮像と、小型分光器での自然光のスペクトル測定をすることに特徴があり、撮像時の自然光の色温度に応じて、2次元色彩計の3つのチャンネルゲインS1gain,S2gain,S3gainを変換するか3つの規格化感度をデジタル処理して、三帯域の3つの出力値を特定の比率に変換することにより、上記課題を解決した発明である。
本発明の色彩測定方法は、自然光検出センサ部で自然光を測定し、スペクトルを検出するスペクトル検出ステップと、前記検出されたスペクトルと、XYZ表色系の2次元色彩計に設定された、CIE XYZ等色関数と等価に線形変換された特定の三つの規格化感度とを積算して出力値とし、三帯域について、それぞれ、出力値を演算する出力値演算ステップと、前記三つの出力値を一定比率とする出力値調整ステップと、前記2次元色彩計による屋外物の撮像の撮像時刻、撮像位置、撮像仰角及び撮像方位を測定する測定ステップと、前記出力値調整ステップにより前記三つの出力値が一定比率となるようにした後に、撮像を行うことで感度値を取得し、前記感度値を特定変換マトリクスによりXYZ表色系の色度値に変換するXYZ系表色値変換ステップと、を備えたことを特徴とする。
第1の撮像時刻におけるXYZ表色系の色度値と、第1の撮像時刻より時刻の遅い第2の撮像時刻におけるXYZ表色系の色度値を比較する比較ステップを備えることが好ましい。
前記撮像位置はグローバル・ポジショニング・システムにより測定されることが好ましい。
前記撮像仰角及び撮像方位は、ジャイロコンパス・センサにより測定されることが好ましい。
前記一定比率が同一値であることが好ましい。
前記三つの出力値をチャンネルゲインを制御することにより、一定比率とすることが好ましい。
前記三つの出力値を前記三つの規格化感度のデジタル処理により、一定比率とすることが好ましい。
「三つの感度値」は、単数の画素の感度値、又は、複数の画素の感度値の平均値を用いる。精度が高い場合には単数、精度が高い場合を除く場合には、平均値を用いることが好ましい。平均値の場合には、前記それぞれの感度値の平均値を演算する感度平均値演算ステップと、前記チャンネルゲインを制御することにより、前記三つの感度平均値を一定比率とする感度値調整ステップと、を備えることが好ましい。
前記出力値調整ステップにおいて、一定比率とした後、特定変換マトリクスを作成し記憶する特定変換マトリクス作成ステップを備え、第1の色温度の光源下で出力値調整ステップとXYZ系表色値変換ステップを行った後、第2の色温度の光源下で、前記特定変換マトリクスと同一の変換マトリクスを用いて、XYZ表色系の色度値に変換することが好ましい。
本発明の色彩測定装置は、自然光を測定し、スペクトルを検出する自然光検出センサ部と、前記検出されたスペクトルと、XYZ表色系の2次元色彩計に設定された、CIE XYZ等色関数と等価に線形変換された特定の三つの規格化感度とを積算して出力値とし、三帯域について、それぞれ、出力値を演算する出力値演算部と、前記三つの出力値を一定比率とする出力値調整部と、前記出力値調整部により前記三つの出力値が一定比率となるようにした後に、撮像を行うことで感度値を取得し、前記感度値を特定変換マトリクスによりXYZ表色系の色度値に変換するXYZ系表色値変換部と、前記2次元色彩計による屋外物の前記撮像の撮像時刻を測定する時間測定部と、前記2次元色彩計による屋外物の前記撮像の撮像位置を測定する位置測定部と、前記2次元色彩計による屋外物の前記撮像の撮像仰角及び撮像方位を測定する仰角方位測定部と、を備えたことを特徴とする。
第1の撮像時刻におけるXYZ表色系の色度値と、第1の撮像時刻より時刻の遅い第2の撮像時刻におけるXYZ表色系の色度値を比較する比較部を備えることが好ましい。
前記撮像位置はグローバル・ポジショニング・システムにより測定されることが好ましい。
前記撮像仰角及び撮像方位は、ジャイロコンパス・センサにより測定されることが好ましい。
前記一定比率が同一値であることが好ましい。
前記三つの出力値をチャンネルゲインを制御することにより、一定比率とすることが好ましい。
前記三つの出力値を前記三つの規格化感度のデジタル処理により、一定比率とすることが好ましい。
本明細書で用いる字句の定義は以下の通りである。
「2次元色彩計」は、図1に示す三つの特定の規格化感度(S1(λ),S2(λ),S3(λ))により、三つのチャンネルに分けて撮像対象物を撮像するものである。これらの分光感度を得るために設定された光学フィルタ又はダイクロイックミラーもしくはダイクロイックプリズム等のいずれであるかを問わず用いることができる。
「感度値」はCMOSセンサー等の撮像素子の電子量を示すアナログ信号をA/D変換によりデジタル信号に変換した値である(画素値とも呼ばれる)。「画素カウント値」は撮像素子の各画素の数を計数したカウント値である。
「規格化感度」(S1(λ),S2(λ),S3(λ))は、図1に示す通り、CIE XYZ分光特性から負の値を持たない、単独ピークを持つ山形であり、それぞれの分光感度曲線のピーク値が等しく、かつ分光感度の曲線の重なりは最小限にするという条件から等価変換したものであって、分光特性S1のカーブは、ピーク波長が582nmであり、半値幅が523〜629nmであり、1/10幅が491〜663nmである。分光特性S2のカーブは、ピーク波長が543nmであり、半値幅が506〜589nmであり、1/10幅が464〜632nmである。分光特性S3のカーブは、ピーク波長が446nmであり、半値幅が423〜478nmであり、1/10幅が409〜508nmである。
「特定変換マトリクス」は、理論的には、1つでまかなえるものであり、後述、数式1に示すマトリクスである。ただし、S1,S2,S3カーブが各自然色温度で、理想的なカーブからの誤差があるため、各色温度毎に、補正した変換マトリクスを用いることもできる。2次元色彩計が理想的なS1,S2,S3のカーブを持てば、1つのマトリクスで、事足りるとする前提とすることもできる。
「XYZ表色系」は、RGB表色系を単純な一次変換で負の値が現れないように、CIEが1931年にRGB表色系と同時に定めたものである。「XYZ表色系」は、例えば、xyY、Yxy、XYZ、Lab、Luv等のCIE表色系を含み、2次元色度図又は3次元色空間を含む概念である。
「XYZ表色系」には、2次元座標と3次元座標で規定される色空間が含まれる。色空間の代表例としては、XYZ色空間と、Lab色空間等の構成例がある。2次元の色空間の場合、例えば、Yxy色空間、Luv色空間の場合、2次元平面であるxy色度図(Yxy色空間で正規化したxy色度値(平面))、uv色度図、u’v’色度図が挙げられる。平面上での2次元色度図の画素カウント値の密度として表現されるxy色度ヒストグラム分布又はLuv色度ヒストグラム分布等が対応する。3次元の色空間の場合、例えば、XYZ色空間、Lab色空間が挙げられる。3次元での色空間上の画素カウントの密度にはXYZ色空間ヒストグラム、又はLab色空間ヒストグラム分布等が対応する。
「色空間」は、色は3つの独立な量で指定できるが、それぞれの量の大きさを3つの軸方向の原点からの距離で表すと、色を空間の1点の座標として指定できる空間である。
xyY表色系(Yxy表色系ともいう)は、XYZ表色系では数値と色の関連がわかりにくいので、XYZ表色系から絶対的な色合いを表現するために定められたものである。
Luv表色系は、CIEが1976年に定めた均等色空間のひとつであり、CIEL*u*v*は光の波長を基礎に、XYZ表色系のxy色度図の波長間隔の均等性を改善したものである。日本ではJIS Z8518に規定されている。
Lab表色系は、CIE L*a*b*であり、XYZ表色系から知覚と装置の違いによる色差を測定するために派生したものである。日本ではJIS Z 8729に規定されている。この表色系は、先のXYZ表色系が、色空間上の人の目の色識別感度が不均等なため、これを是正するために制定され、この空間で計測された色差は広く使われている。一般にLab値はこのL*a*b*値のこととされている。
測色計は、測定したい対象物からの光を測定して、色空間における座標として出力する測定器である。
「XYZ表色系」は、CIE(国際照明委員会)が、RGB表色系を単純な一次変換で負の値が現れないように定めたものであり、XYZ表色系で、x=X/(X+Y+Z),y=Y/(X+Y+Z)と正規化し、Yxyと定めたものが一般的に使われている。
「色差(ΔE)」は、ふたつの色の違いを、色空間での距離で表したものである。色は色空間における座標で表される。色の違いが大きいと、色空間における2点の距離も大きい。現在はΔE2000という定義が広く用いられている。
「色温度」は、太陽光や自然光、人工的な照明などの光源が発する光の色を表すための尺度である。色温度の単位(K)が低いほど暖色系の色を発し、高いほど寒色系の色を発する。
「D50光源」は、真昼の自然光の一例の数学的表現であり、色温度が5000Kである。
「D65光源」は、曇天の自然光の一例の数学的表現であり、色温度が6500Kである。
本発明により、白色値(例えば、D65光源)の出力を、他の色温度(例えば、D50光源)と同じにするように、変換マトリクスを求めた。そして、他の出力、例えば、D2000、D6000等も、同じ出力が得られるため、結果として、どのような天候の状況に対応する色温度でも、同じ色度値が得られる。
本発明によれば、D50光源からD65光源に自然光を変換した後の測定誤差も元のD50光源と精度は大きく変わらず、かつ、コニカミノルタ(登録商標)CS−2000(以下、CS−2000と略す)に近い正確な色の測定値となる。
本発明は、小型分光器を利用して、照光環境の色温度を測定することにより、照明環境の計測と、2次元色彩計の2次元色彩データを、同時測定が可能となり、太陽光が雲に瞬間隠れるような、校正と撮影の時間差による測定誤差を最小にすることが可能となる。
「2次元色彩計」は、分光器を、2次元色彩計に内蔵した構造、又は、2次元色彩計に脱着可能とした構造、2次元色彩計に接続する構造のいずれでもよい。
「同一値」の場合、感度平均値又は出力値の誤差の範囲は+5%から−5%とする。3つの感度平均値又は出力値が同一になるようにすれば、精度は上がる。ソフトウェア制御で感度平均値又は出力値が一定になるように調整するアルゴリズムを持たせることは可能である。
前記三つの出力値をチャンネルゲインを制御することにより、一定比率とすることが好ましい。
「チャンネルゲイン」は、各帯域に対応する撮像素子の電気信号の増幅率をいう。電気信号にはアナログ信号又はデジタル信号のいずれも含む。
前記三つの出力値を前記三つの規格化感度のデジタル処理により、一定比率とすることが好ましい。当業者であれば詳細な説明なしにデジタル処理の内容は実施できる。
撮像時刻は、例えば2017年7月20日等の年月日が挙げられ、時、分又は時、分、秒の情報も追加してもよい。撮像位置は、GPS、基地局、パーソナルコンピューター、カーナビゲーション又はWi-Fiを用いた位置情報等が挙げられる。
本発明は、管理下の照明なしに、かつ、屋外の気象条件に依らず、同じ場所の色は、同じ色度値が得られるため、色度値の定量化が可能になる、屋外で正確な色度値を得ることができる。屋外の色を簡便に定点観測することが出来る。さらに、屋外でこれまで色の測定が出来なかった対象に対し、誤差の少ない、色の定量化が可能となるので、非接触で広範囲な屋外対象物を正確に測色できる。
本発明の色温度の補正により、自然光の影響を補正、例えば、朝日や夕日または曇り空で測色して環境補正を行うことで、例えば、晴天の昼間に測色したデータとすることができる。たとえば、屋外の色温度の変化に依らないため、白色値以外の出力信号も、白色値と同様に、常に一定の色度値の数値を得ることができる。これにより、自然光(太陽光)下で一定の色温度での測定値を得ることが可能になり、定期的な色管理・数値管理が可能になった。
色温度一定の条件で、色の測定が可能となるため、大型測定対象物について、色の変化を捉えることができるようになる。自然光の影響を受けないため専用の照明が不要で、常に一定の色温度下のデータの定量的な解析が行える。
XYZ表色系の2次元色彩計の分光感度を示す関数図である。 本発明実施形態の色彩測定装置のブロック図である。 本発明実施形態の2次元色彩計3の回路と周辺部のブロック図である。 本発明実施形態において三つの分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))に従って画像情報を演算する方式の具体例である。(a)はダイクロイックミラーを用いる場合の説明図である。(b)はフィルタターレットを用いる場合の説明図である。(c)は光学フィルタ32a、32b、32cを撮像素子33に微視的に貼着した場合の説明図である。 本発明実施形態の色彩測定装置の仰角と方位の測定を示す概念図である。 本発明実施形態の色彩測定装置の仰角と方位の測定を示すフローチャートである。 本発明実施形態の色彩測定装置の2次元色彩計のフローチャートである。 2次元色彩計3の表示部35の操作画面の説明図である。 (a)(b)は、2次元色彩計3の色温度の変化に伴うチャンネルゲインの変化を示す説明図である。 チャンネルゲイン制御の前後の感度値S123に対する画素カウント値のヒストグラム分布である。 本発明実施形態の演算部34におけるサブーチャートである。 本発明実施形態の演算部34における5000Kでの処理を示す説明図である。 本発明実施形態の演算部34における6500Kでの処理を示す説明図である。 本発明実施形態のコンピュータ15におけるGPS位置測定を示すサブーチャートである。 市販デジタルカメラのD50光源下及びD65光源下でのxy値と、CS2000のD50光源下及びD65光源下でのxy値の色度比較図表である。 図15に対応するxy色度図である。 本発明実施形態の2次元色彩計3のD50光源下と、ゲイン制御前のD65光源下での、xy値の色度比較図である。 図17に対応するxy色度図である。 本発明実施形態の2次元色彩計3のD50光源下及びD65光源下でのxy値と、CS2000のD50光源下及びD65光源下でのxy値の色度比較図表である。 図19に対応するxy色度図である。 2次元色彩計3の単純白色校正を行ったLabでの結果を示す、市販カラーチェッカーによる画面図である。 従来の分光測色計の構造を示す説明図である。
本発明の好適な実施形態による色彩測定方法及び色彩測定装置1について図1〜図13を参照して説明する。本実施形態の色彩測定方法は、図2、図7、図11〜図13等に示す通り、自然光検出センサ部2で自然光を測定し、スペクトルを検出するスペクトル検出ステップと、検出されたスペクトルと、XYZ表色系の2次元色彩計3に設定された、CIE XYZ等色関数と等価に線形変換された特定の三つの規格化感度とを積算して出力値とし、三帯域について、それぞれ、出力値を演算する出力値演算ステップと、三つの出力値を一定比率とする出力値調整ステップと、2次元色彩計3による屋外物Bの撮像の撮像時刻T、撮像位置P、撮像仰角E及び撮像方位Dを測定する測定ステップと、出力値調整ステップにより三つの出力値が一定比率となるようにした後に、撮像を行うことで感度値を取得し、感度値を特定変換マトリクスによりXYZ表色系の色度値に変換するXYZ系表色値変換ステップと、を備えたことを特徴とする。
第1の撮像時刻T1におけるXYZ表色系の色度値と、第1の撮像時刻T1より時刻の遅い第2の撮像時刻T2におけるXYZ表色系の色度値を比較する比較ステップを備える。
撮像位置Pはグローバル・ポジショニング・システム(以下、GPSと略す。)により測定される。
撮像仰角E及び撮像方位Dは、ジャイロコンパス・センサにより測定される。
一定比率が同一値である。
三つの出力値をチャンネルゲインを制御することにより、一定比率とする。
三つの出力値を三つの規格化感度のデジタル処理により、一定比率としてもよい。
「三つの感度値」は、単数の画素の感度値、又は、複数の画素の感度値の平均値を用いる。精度が高い場合には単数、精度が高い場合を除く場合には、平均値を用いることが好ましい。平均値の場合には、それぞれの感度値の平均値を演算する感度平均値演算ステップと、チャンネルゲインを制御することにより、三つの感度平均値を一定比率とする感度値調整ステップと、を備える。
出力値調整ステップにおいて、一定比率とした後、特定変換マトリクスを作成し記憶する特定変換マトリクス作成ステップを備え、第1の色温度の光源下で出力値調整ステップとXYZ系表色値変換ステップを行った後、第2の色温度の光源下で、特定変換マトリクスと同一の変換マトリクスを用いて、XYZ表色系の色度値に変換する。
次に、本発明実施形態の色彩測定装置1は、自然光を測定し、スペクトルを検出する自然光検出センサ部2と、検出されたスペクトルと、XYZ表色系の2次元色彩計3に設定された、CIE XYZ等色関数と等価に線形変換された特定の三つの規格化感度とを積算して出力値とし、三帯域について、それぞれ、出力値を演算する出力値演算部4と、三つの出力値を一定比率とする出力値調整部5と、出力値調整部5により三つの出力値が一定比率となるようにした後に、撮像を行うことで感度値を取得し、感度値を特定変換マトリクスによりXYZ表色系の色度値に変換するXYZ系表色値変換部6と、2次元色彩計3による屋外物Bの撮像の撮像時刻Tを測定する時間測定部7と、2次元色彩計3による屋外物Bの撮像の撮像位置Pを測定する位置測定部8と、2次元色彩計3による屋外物Bの撮像の撮像仰角E及び撮像方位Dを測定する仰角方位測定部9と、を備えたことを特徴とする。
色彩測定装置1は、スペクトルを入力し、仰角方位測定部9からの出力を入力し、出力信号を2次元色彩計3に出力する制御マイクロプロセッサ(以下、制御MPCと略す)10を備えている。
第1の撮像時刻TにおけるXYZ表色系の色度値XYZと、第1の撮像時刻T1より時刻の遅い第2の撮像時刻T2におけるXYZ表色系の色度値を比較する比較部11を備える。その他、電源を供給する電源部12と、バッテリ部13と、2次元色彩計3や制御MPC10等を収容する筐体14と、2次元色彩計3で得られ記憶された各種データを、2次元色彩計3から電気信号として入力し、所定の演算を行うとともに、位置測定部8及び比較部11を備えるコンピュータ15(以下、PCという。)と、撮像のためのスイッチの役割を果たすガングリップ16と、2次元色彩計3とPC15の間の入力力インタフェース17と、を備えている。以下、各部を詳細に説明する。
自然光検出センサ部2は、どのような気象条件でも安定な自然光スペクトルを測定することができるための拡散白色ドームフィルタ20と、拡散白色ドームフィルタ20からの拡散された自然光を受け入れて、自然光のスペクトルを検出するマイクロ分光器21と、を備えている。
マイクロ分光器21は、例えば、浜松フォトニクス社製のC12666MAが例示できる。これは、MEMS技術とイメージセンサ技術を融合した指先大の超小型分光器ヘッドで、感度波長範囲は340〜780nm、波長分解能は15nm maxである。対象物をマイクロ分光器で撮像することにより、分光感度特性、つまり、感度波長範囲の波長に対するスペクトルの出力値である相対感度(%)が得られる。
2次元色彩計3は、可視域380nm〜780nmの範囲、10nm以下の波長分解能、バッテリー消費時間4h以上、測定誤差は、色差ΔE0.9以内、色度値誤差x、y1/500以下に設定されている。
XYZ値からLab値への変換に利用する標準白色板の特定の波長に対する分光反射率(%)を表1に示す。標準白色板を用いる理由は、XYZ値からLab値への変換に利用するためである。標準白色板の材質は、セラミックや硫酸バリウム等を固めたものである。この分光反射率は、380〜780nmに亘り、ほぼフラットなものが好ましい。「フラット」とは、波長の変化に対する分光反射率(%)の誤差が少ないものをいう。
2次元色彩計3の分光感度はルータ条件を満たすものであって、その分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))は、図1に示す通り、XYZ等色関数から、負の値を持たず、単独ピークを持つ山形であり、それぞれの分光感度曲線のピーク値が等しく、かつ分光感度の曲線の重なりはできるだけ少なくするという条件から等価変換したものである。分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))は具体的には以下の特性を持つ。

ピーク波長 半値幅 1/10幅
S1 582nm 523〜629nm 491〜663nm
S2 543nm 506〜589nm 464〜632nm
S3 446nm 423〜478nm 409〜508nm
上記の分光特性S1のピーク波長を582±4nm、分光特性S2のピーク波長を543±3nm、分光特性S3のピーク波長を446±7nmとして取り扱うこともできる。
三つの分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))とx(λ)、y(λ)、z(λ)との関係は、数式1に示す特定変換マトリクスである。
分光特性自体についての詳細は特開2005−257827号公報等を参照されたい。
実際の2次元色彩計の特性は、設計値からは、ある精度で外れているので、上記数式1を補正した特定変換マトリクスとすることにより、さらに精度を増すことが可能となる。補正された特定変換マトリクスは、自然光下(例えばD50光源)で色票(例えば24色カラーチャート)と標準白色板をCS2000(コニカミノルタ製(登録商標))で撮像し、XYZ値(真値)を取得し、メモリに記憶する。同じ撮影条件下で、2次元色彩計3で屋外物Bを撮像し、感度値S123を取得する。特定変換マトリクスの計算は最小2乗法による。計算式は下記の数式2〜数式4の通りである。真値との誤差が最小になるような係数を求める。数式2において、Xi,Yi,Ziは、各画素のXYZ値である。g11〜g33は3×3マトリクスの係数である。S1i,S2i,S3iは、各画素の感度値S123である。数式3において、ErrX,ErrY,ErrZは、Xi,Yi,ZiとS1i,S2i,S3iの誤差の最小2乗である。数式4において、連立方程式でg11,g12,g13の係数を求める。g21以降も同様であるので、割愛する。
上記補正マトリクスは、D50光源下での撮像で用いるが、色温度の異なるD65光源下の撮像では、新たにD65用補正マトリクスを作成する必要はなく、D65光源下での撮像でも、演算には、D50光源で作成された補正マトリクスとしての特定変換マトリクスと同一の変換マトリクスを使用することができるので、標準白色板での調整の煩雑さが回避できる。D65以外の色温度でも、同様に、D50光源での特定変換マトリクスを適用できることは無論である。
2次元色彩計3の仕様の一例は、有効頻度値約500万画素、有効面積9.93mm×8.7mm、画像サイズ3.45μm×3.45μm、ビデオ出力12Bit、カメラインターフェイスgigE、フレーム数(ピント調整時)3〜7フレーム/Sec、シャッタースピード1/15,600Sec〜1/15Sec、積算時間3秒まで、S/N比60dB以上、レンズマウントFマウント、動作温度0℃〜40℃、動作湿度20%〜80%である。
2次元色彩計3は、図3に示すように、撮影レンズ31と、この撮影レンズ31の後方に配置された三つの光学フィルタ32a、32b、32cと、光学フィルタ32a、32b、32cの後方に配置された撮像素子33(CCD、CMOSなど)と、を備えている。2次元色彩計3の三つの分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))は、光学フィルタ32a、32b、32cの分光透過率と撮像素子33の分光感度との積により与えられる。図3における光学フィルタ32a、32b、32cと撮像素子33との配列関係は模式的に示したものにすぎない。三つの規格化感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))に従って画像情報を演算する方式について以下に具体例を挙げるが、本実施形態ではこれらのうちいずれをも採ることができ、また、その他の方式を採ることもできる。34は演算部であり、前述の出力値演算部4、出力値調整部5、XYZ系表色値変換部6、時間測定部7を備えている。35は表示部である。
図4(a)に示すものはダイクロイックミラーを用いる方式である。これはダイクロイックミラー32c´により特定の波長の光を反射し、透過した残りの光について、さらに別のダイクロイックミラー32a´により別の特定の波長の光を反射して分光し、撮像素子33a、33b、33cを三つ並列にして読み出す方式である。ここでは、ダイクロイックミラー32a´が光学フィルタ32a、32bに相当し、ダイクロイックミラー32c´が光学フィルタ32cに相当する。撮影レンズ31から入射する光はダイクロイックミラー32c´により分光感度S3に従う光が反射され、残りの光は透過する。ダイクロイックミラー32c´により反射された光を反射鏡36により反射して撮像素子33cにより感度値S3を得る。一方、ダイクロイックミラー32c´を透過した光は、ダイクロイックミラー32a´において、分光感度S1に従う光が反射され、残りの分光感度S2に従う光は透過する。ダイクロイックミラー32a´を透過した光を撮像素子33bにより撮像して感度値S2を得る。ダイクロイックミラー32a´により反射された光を反射鏡39により反射して撮像素子33aにより感度値S1を得る。感度値S1、S2、S3は、三帯域視覚感度値S1i,S2i,S3i(i=1〜n:nは総画素数)であり(以下、感度値S123と略す)、CMOSセンサー等の撮像素子33の電子量を示すアナログ信号をA/D変換によりデジタル信号に変換した値(画素値とも呼ばれる)である。ダイクロイックミラーに代えて同様な特性を有するダイクロイックプリズムを用いて三つに分光し、それぞれの光が透過する位置に撮像素子33a、33b、33cを接着することとしてもよい。
図4(b)に示すものはフィルタターレット37を用いる方式である。撮影レンズ31からの入射光と同じ方向を回転軸に持つフィルタターレット37に光学フィルタ32a、32b、32cを設けてこれらを機械的に回転させ、順次透過する光について撮像素子33により、図1の分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))に基づいて感度値を得る。
図4(c)に示すものは光学フィルタ32a、32b、32cを撮像素子33に微視的に貼着する方式である。撮像素子33上における光学フィルタ32a、32b、32cは、ベイヤー配列型に設けられる。この配列は、格子状に分けた撮像素子33上の領域のうち半分に光学フィルタ32bを設け、残りの半分の領域に光学フィルタ32aと光学フィルタ32cとをそれぞれ均等に配置する。すなわち、配置量は光学フィルタ32a:光学フィルタ32b:光学フィルタ32c=1:2:1となる。光学フィルタ32a、32b、32cの配列をベイヤー配列以外のものとすることは本実施形態において特に妨げられない。一つ一つの光学フィルタ32a、32b、32cは非常に微細であるため、印刷により撮像素子33に貼着される。ただし、本発明はこの配列に意味があるのではなく、分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))の特性のフィルタを撮像素子33に貼着することにある。
光学フィルタ32a〜32cは入射光に対して光電変換を行い、撮像対象物体に対応した投影像をその光電変換面上に形成し、それぞれのCCDイメージングデバイスなどの広い色域に対して十分な感度特性を有する。上記光電変換により得られた感度値S123を演算部34で演算する。
演算部34はROM,RAM,CPU等を備え、ROMに格納された制御ソフトウェアによって動作し、感度値S123を、チャンネルゲインS1gain、S2gain、S3gainにより制御し、XYZ 表色系における三刺激値XYZに変換し取得する演算処理を行い、各種演算値を出力し、視覚化処理された画像を表示部35に表示する。
マイクロ分光器21とドームフィルタ20による自然光検出センサ部2は、ハードウェア(回路基板、フィルタ等)を備えている。ドームフィルタ20は、半球状で、光学的には、可視域(380nm〜780nm)でなるべく均一な透過拡散特性の樹脂製のドームを採用する。透過拡散特性を均一にすることは困難なため、これを通過して検出するマイクロ分光器21側で補正することにする。ハード的に不均一な透過率のドームフィルタ20は、光学的透過率を測定して、均一な感度に補正する機能を、マイクロ分光器21のファームウェアに埋め込むことにより、具備する。
出力値演算部4は、2次元色彩計3に備えられ、検出されたスペクトルと、XYZ表色系の2次元色彩計3に設定された、CIE XYZ等色関数と等価に線形変換された特定の三つの規格化感度S123とを積算して出力値とし、三帯域について、それぞれ、出力値S1out、S2out、S3outを演算するものである。
出力値調整部5は、2次元色彩計3に備えられ、三つの出力値S1out、S2out、S3outを一定比率(本実施形態では同一値)とするものである。
XYZ系表色値変換部6は、2次元色彩計3に備えられ、S123をXYZ値に変換するものである。
時間測定部7は、屋外物Bを2次元色彩計3で撮像する時間を測定するものである。
位置測定部8は、GPSにより、屋外物Bの位置を測定するものである。
仰角方位測定部9は、屋外物Bを撮像するときの屋外物Bに対する2次元色彩計3の仰角及び方位を測定するものである。
制御MPC10は、ROM,RAM,CPU等を備え、ROMに格納された制御ソフトウェアによって動作するものであり、仰角方位測定部9に相当するジャイロコンパス機能を備えることを特徴とする。この機能を実現するためのハードウェア(回路基板、フィルター、ジャイロコンパス部)を備えている。ジャイロ角度測定精度誤差±0.1度以下、コンパス角度測定誤差±0.05度以下に設定されたジャイロコンパス部と、回路部を樹脂成形筐体部に精度よく固定する方式を採用している。樹脂成形品への基板は、均一ではないため、これを補正する機能をファームウェアに持たせる必要がある。ファームウェアは、グリップハンドルであるガングリップ16からのスイッチイベントの検出、マイクロ分光器21からの分光データの検出、ジャイロコンパス値と、カメラ画像からの位置情報より、ジャイロコンパス補正機能を備えている。
自然光下での2次元色彩計3と組み合わせた各種センサの精度の選別を行っている。自然光検出センサ部2とジャイロコンパスチップを含め、目標仕様に適合したセンサの選定を行った。
各種センサのプログラムを格納し、主に、自然光検出センサ部2のプログラム、及び、ジャイロコンパスチップ用プログラムを備えている。
電源部12は、マイクロ分光器21、2次元色彩計3、制御MPC10等に電源を供給するものである。電源として、リチウムイオンバッテリを採用する。
バッテリ部13は、電源部12の電源のバックアップである。本体内部での充電機能に合わせて、バッテリを手軽に交換できる機構である。
筐体14は、樹脂製である。筐体14はガングリップ形状で、片手で持ち運び可能である。計測は、ガングリップ16でのスイッチの1操作で完了するものとする。筐体14は形状も、測定機としてガングリップで持ち運ぶ時の重量バランスを考慮した、部品配置等を勘案した形状にする。
コンピュータ15は、位置測定部8と比較部11等のハードウェア(回路部、ケーブル、コネクタ配線等)及び対応するソフトウェアを備えている。本システムは、PCや測定機の取扱になれていない建材分野や工場の検査部門等の方を対象とするため、操作性は、極めて簡単で、明瞭な方式とする。ここでは、コンピュータ15はタブレットPCであり、ソフトウェアは、タブレットPC用システムソフトウェアが格納されている。タブレットPC側での2次元色彩計3を用いた計測用プログラムの内容は以下の項目である。ケーブルについては、タブレットPCへの接続が無理なく、かさばらなく、固定できるコネクタ−部とする。計測は、ガングリップ16でのスイッチの1操作で完了するものとする。筐体の形状も、測定機としてガングリップ16で持ち運ぶ時の重量バランスを考慮した、部品配置等を勘案した形状にする。
(1)基準点での位置合わせ用の、GPS位置情報検出位置合わせ機能を備えている。
(2)基準点があえば、これを元に、2次元色彩計3、制御MPC10と協調して、2次元色彩計3の角度と方位の設定を行うマンマシン機能を備えている。
(3)同じ屋外物Bの前回の位置、方位、仰角での計測画像を呼び出し、今回の計測位置、方位、仰角の微調整を画像で行うオーバーレイ機能を備えている。
(4)今回の測定画像を計測し、前回画像との比較を行う比較機能を備えている。具体的には、色差ΔE、および色分布一致度の計測値を読み出して、比較演算を行う機能を備えている。
(5)屋外物Bの番号を記憶し、この番号に対応した測定データとの関連付けを行い、同じ番号に対応する各種データを読み出す機能を備えている。
マイクロ分光器21は、上記(1)、(2)の工程に基づき、ファームウェアが設計されている。
制御MPC10(ジャイロコンパス内蔵)は、上記(1)、(2)の工程に基づき、ファームウェアが設計されている。
フィールドテストを屋外にて行い、全体の機能を満足するかの機能テストを行った。つづいて、測定値の精度が目標を満たすかどうかのテストを屋外で行った。
ガングリップ16は、手で握るとスイッチが入り、制御MPC10へ検出信号を送る構造である。
入力力インタフェース17は、USBである。
以上説明した、色彩測定方法及び色彩測定装置1について具体例を挙げつつ説明する。2次元色彩計3の仰角及び方位を測定するための概念を図5に、同じくMPC10のフローチャートを図6に示す。
MPC10の電源が入ると、ガングリップ16が握られることで撮像が行われた否かをスイッチにより検出する(S100)。NOであれば、そのままリターンする。YESであれば、撮像時刻の測定及び記録を行う(S110)。つぎに、2次元色彩計3の仰角と方位を測定し、記録する(S120)。測定データを2次元色彩計3に送信し、(S130)、リターンする。
以上説明した、色彩測定方法及び色彩測定装置1について具体例を挙げつつ説明する。2次元色彩計3の演算部34のフローチャートを図7に示す。
2次元色彩計3の電源が入ると、図7に示す通り、初期化をする(初期化S200)。屋外物Bを太陽Sの自然光下で撮像し(撮像処理S210)、その後、撮像された三帯域視覚感度値S1i,S2i,S3iを撮像素子33から入力し(入力処理S220)、演算部34にてチャンネルゲインS1gain、S2gain、S3gainを制御した後、感度値S123とし、これを、三刺激値XYZに変換する(変換処理S230)。XYZからxy値を演算し、出力する(出力S240)。終了の場合、処理を終了する。終了でない場合、S210に処理が戻る。画像は表示部35に表示される。
図8の表示部35の操作画面を説明する。(1)は画像表示領域を示す。2次元色彩計3のライブ中の画像や、サムネイル表示に入っている画像を選択した場合、この場所に表示される。(2)は画像表示縮尺である。Zoomの設定を変更することで、表示する画像の倍率を変えることができる。Gridチェックボックスグリッド線表示のOn/Offを切り替える。(3)は画像撮影・記録である。撮影開始、停止、保存ができるボタンである。LiveもしくはFocusボタンを押すとボタン表示がFreezeに変わり、Freezeボタンを押すと映像が止まる。ライブ表示前もしくはライブ表示停止中のボタン表示カラー画像をライブ中のボタン表示モノクロ画像をライブ中のボタン表示Liveボタンカラー画像のライブ表示が開始される。(4)はオーバーレイである。サムネイル内の画像を重ね合わせて画像を表示する。(5)は画像内のヒストグラム表示とピクセル値表示である。表示されている画像の中の色のヒストグラムを表示する。表示の種類はS123(2次元色彩計3からの感度値S123)とRGBの二つが選べる。ヒストグラム表示の下にピクセル値が表示される。S123は2次元色彩計からの画像データであり、人の視覚特性に近い感度のデータである。ヒストグラム表示は、画像の各チャンネル(S123)の階調分布を示す。色度図は人間の眼がとらえることのできる色の範囲を平面で示す図である。xy値は色度図における座標値である。ピクセル値はxy値、Lab値、S123値の3種類から選択できる。Image画像表示領域に表示されている画像の平均値である。ROIは選択されているプロファイルフレーム内の平均値である。Cousorは画像表示領域に表示されている画像のマウスカーソル下のピクセル値である。右横のMakerのボックスにチェックを入れると、マウスカーソル下のピクセル値は色度図ではどのあたりなのかを(5)の領域に「+」で表示することができる。(6)は色度図である。表示中の画像に含まれる色データが色度図上にプロットされる。(7)は各種設定である。Color Tempチェックボックスは色温度シミュレーションのOn/Offを指定する。Onにするとスライダが表示される。ライブ中、このスライダで色温度シミュレーションの調整が可能である。プロファイルフレームは白枠で設定される。(8)はサムネイルである。サムネイルは、撮影した画像などを一覧表示している小さな画像である。
特徴的な処理は次の通りである。
(1)自然光検出センサ部2で、自然光のスペクトル値を測定する。
(2)色フィルター特性によるS123画像を用いて、特定温度値(5000K相当など)の色温度での撮影条件に合わせた色温度変換演算を行い、色温度が変化する自然光下で撮影した色度値を、一定の条件での数値に変換補正する。
ゲインS1gain,S2gain,S3gainの制御は、演算部34のゲイン制御部で行う。演算部34は、2次元色彩計3のゲインの初期設定を行ったり、後段の各種機能の処理結果に基づいてゲインの制御、設定変更を行ったりする機能を備えている。また、ゲイン制御は、ゲイン決定部により決定されるゲインで撮像が行われるよう2次元色彩計3を制御する。ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、又は、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせのいずれでも実施可能である。上述のゲインS1gain,S2gain,S3gainの制御は、S1、S2、S3のそれぞれの帯域で変更できる構成であり、具体的には、撮像素子33のゲイン等を変更する例が挙げられる。ゲインS1gain,S2gain,S3gainと最大のデジタル値との関係について、各チャンネルの感度値の最大ビット数が12ビットであれば、4096階調となるが、いずれの階調にゲインを揃えるかは、想定される、その他の色温度での信号を考慮して設計する。例えば、D65では、S3チャンネルの画素信号のレベルが高く出力されるので、この範囲が撮像素子の最大信号階調を超えないように、レンズの絞りを絞るか、全体のチャンネルゲインを下げる。
ゲイン制御に代えて、S1感度値、S2感度値、S3感度値をデジタル処理することで、各チャンネルの感度平均値Hを同一の値とすることも可能である。
図9(a)(b)に示す通り、感度値S1,S2,S3と光の強さIについて説明する。図9(a)に示す通り、色温度2900Kの自然光であると、2次元色彩計3の感度値S3が落ち、S1が上がる。スペクトルの相対強度Iに応じて、感度値S1,S2,S3は長波長側の頂点が高くなり、面積も大きくなった分布をもつ。一方、図9(b)に示す通り、色温度が6500Kであると、2次元色彩計3の感度値S1が落ち、S3が上がる。スペクトルの相対強度Iに応じて、感度値S1,S2,S3は短波長側の頂点が高くなり、面積も大きくなった分布をもつ。5000Kでは(a)(b)の中間の分布になる。チャンネルゲインS1gain,S2gain,S3gainを制御することにより、各チャンネルの感度平均値Hを同一の値とすることで、感度値S123やxy色度値の色温度の変化による誤差を極めて少なくすることができる。
図10は上記のチャンネルゲインS1gain,S2gain,S3gainの制御前後の画素カウント値ACのヒストグラム分布の変化を示すグラフである。チャンネルゲインS1gain,S2gain,S3gainの制御前は、S1、S2、S3のそれぞれの画素カウント値ACの曲線はシフトしているが、制御後は、3つの画素カウント値ACを示す曲線は重畳している。例えば、1万画素(100×100)の解像度である場合、チャンネルゲイン制御前に、S1に属する画素の画素カウント値AC(S1)が8000感度カウント値、S2に属する画素カウント値AC(S2)が10000感度カウント値、S3に属する画素カウント値AC(S2)が12000感度カウント値の場合、S1感度値の平均値=S2感度値の平均値S2=S3感度値の平均値となるように調整するチャンネルゲインS1gain,S2gain,S3gainの制御後は、画素カウント値AC(S1)、画素カウント値AC(S2)、画素カウント値AC(S3)の分布が重なり合うといった例が挙げられる。一定比率とすることも可能であることは無論である。この比率は諸般の条件によって適宜設定が可能である。どのように色温度が変化しても、チャンネルゲインS1gain,S2gain,S3gainの制御により、同一値(同一値のほか、一定比率でも実施可能)に制御することで、誤差の少ない感度値S123やxy色度値を得ることが可能である。
チャンネルゲイン制御例については、D65光源の自然光下のデータでD50光源での自然光下と同様のxy値が得られる変換が挙げられる。自然光下でも当然可能である。このゲイン制御は、S1、S2、S3の各値の屋外物Bでの感度平均値H(実施形態)もしくは、小型の分光器の可視域のスペクトルとS1,S2,S3カーブの積の積分値が、等しくなるように、S1,S2,S3ゲインを制御するものである(実施形態)。
三刺激値XYZからY´xy表色系への変換式を数式5、6に挙げる。ここでは2次元色彩計3とともに輝度計(図示略)を使用し、Yは輝度計の値(nt)により校正してY´とした。色空間の変換式は慣用されているため、その他の詳しい式については割愛する。
XYZ表色系は、現在CIE標準表色系として各表色系の基礎となっている。光の三原色(R=赤、G=緑、B=青紫)の加法混色の原理に基づいて発展したもので、色度図を使って色をYxyの3つの値で表わす。Yが反射率で明度に対応し、xyが色度になる。
撮像処理S210は、三つの分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))を基に2次元色彩計3によって対象物を撮像する工程である(図2、図7参照)。分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))は図1に示す。撮影レンズ31と光学フィルタ32a、32b、32cと撮像素子33により撮像されると同時に入力処理S220が連続的に行われる。
本実施形態の色彩測定方法及び装置の具体処理例を図11〜図13を参照して説明する。本実施形態は、マイクロ分光器21で自然光を測定し、スペクトルI(i)を検出するスペクトル検出ステップと、検出されたスペクトルIと、XYZ表色系の2次元色彩計3に設定された、CIE XYZ等色関数と等価に線形変換された特定の三つの規格化感度とを積算して出力値とし、三帯域について、それぞれ、感度値に対する積分値である出力値S1out、S2out、S3outを演算する出力値演算ステップと、2次元色彩計3のチャンネルゲインS1gain,S2gain,S3gainを制御することにより、三つの出力値S1out、S2out、S3outを一定比率とする出力値調整ステップと、出力値調整ステップにより三つの出力値S1out、S2out、S3outが同一となるようにした後に、撮像を行うことで感度値S123を取得し、感度値S123を特定変換マトリクスによりXYZ表色系の色度値に変換するXYZ系表色値変換ステップと、を備えたことを特徴とする。三つの出力値S1out、S2out、S3outが一定比率となる実施例も可能である。
2次元色彩計3は本実施形態の図3に示す回路であり、図2に示す分光器21等と接続したもので、その時の自然光を測定し、このとき撮影により得られた出力値S1out、S2out、S3outを積算し、常にどのような他の色温度でも同じxy値を取得できることが特徴である。つまり、測定対象が、どのような自然光下であっても、定められた一定の色温度の環境下で測定したような色度値xyが得られる。常に一定の色度値xyの数値を得ることにより、屋外の色温度変化に依らない色数値の定量化を可能とする。2次元色彩計3に分光器21を内蔵し、一体とし、または、接続し、通信可能な構成としてもよい。
図2において、マイクロ分光器21が制御MPC10に接続され、制御MPC10に2次元色彩計3が接続され、2次元色彩計3とコンピュータ15とが通信可能に接続されている。
基本的には2次元色彩計3の制御ソフトウェアで、データの取得をし、図3に示すコンピュータ15(例えば、タブレットPC)側に制御ソフトウェアを備え、2次元色彩計3を接続し、2次元色彩計3からコンピュータ15に、マイクロ分光器21の出力と、規格化感度S1,S2,S3との積である、出力値S1out、S2out、S3out、及び、撮像により得られた感度値S123を送信し、コンピュータ15でゲイン制御のコマンドを2次元色彩計3に送って、2次元色彩計3でチャンネルゲインS1gain,S2gain,S3gainの制御を行った後、撮像した感度値S123を、2次元色彩計3からコンピュータ15に送信し、感度値S123からXYZ値に数式1によりマトリクス変換演算の処理を行う。
マイクロ分光器21から演算部34に入力するスペクトル値I(i)と、図1に示す規格化感度S1(i)、S2(i)、S3(i)の各々との積算値S1out、S2out、S3outは可視領域の波長の範囲(380nm〜780nm)で特定のスペクトル値(i=1〜n:nは380〜780の分光範囲を特定の分解能例えば5nm分解能で割った数)について積算した値となる。計算式は数式7となる。
実施形態では、2次元色彩計3でのチャンネルゲインS1gain,S2gain,S3gainの制御は、コンピュータ15からのコマンドに従って実施される。2次元色彩計3の演算部34ですべてを処理して、2次元色彩計3とコンピュータ15を一体化しても良い。
図11に示す通りの処理S300〜S320の処理がコンピュータ15により、繰り返し、サブルーチンで処理される。
S300においてマイクロ分光器21により自然光(例えば、T5000K(例示であり他の温度T6500等でもよい)での波長λに対する光の強さIを測定した測定値と、規格化感度の積である出力値S1out、S2out、S3outを2次元色彩計3から受信する。
S310において、チャンネルゲインS1gain,S2gain,S3gainを制御し、出力値を同一に制御するコマンドを作成し、2次元色彩計3に送信する。
S320で、2次元色彩計3でチャンネルゲインS1gain,S2gain,S3gainを制御し完了した後、撮像を行い、感度値S123を受信し、感度値S123をコンピュータ15でXYZ値に変換する。
以上の処理を図12、図13の例を挙げて説明する。マイクロ分光器21によりT=5000K、6500KでのスペクトルI(i)を測定する。スペクトルI(i)を、規格化感度S1,S2,S3で掛け算し、これらをそれぞれ積分して斜線で示す曲線範囲内の出力値S1out、S2out、S3outをコンピュータ15に出力する。コンピュータ15からのコマンドで2次元色彩計3がチャンネルゲインS1gain,S2gain,S3gainを制御する。この結果、図12、13に示す通り、ゲイン制御後は、出力値S1out、S2out、S3outが同一値となり、図22に示す通り、ヒストグラム分布が変化することは実施形態と同様である。
本実施形態による、2次元色彩計3のD50光源自然光下色度値、D65光源自然光下色度値は、CS2000xy色度値と同様の結果を得ることができ、2次元色彩計3は、自然色温度に依らず一定の色座標を示す。本実施形態の2次元色彩計3は標準白色板を使用せずに、分光器によりS1out、S2out、S3outを同一値とするものであるが、前述の通り、Lab変換のための校正には標準白色板を利用する。
つぎにコンピュータ15のGPSによる位置測定のフローチャートを図14に示す。まず、処理が開始されると、GPSによりコンピュータ15の位置を測定し、コンピュータ15に記録し(S410)、図5に示す通り、前回の測定結果(撮像日時、撮像時GPS位置、撮像仰角及び撮像方向)を読み出して、今回の測定結果(撮像日時、撮像時GPS位置、撮像仰角及び撮像方向)との色度値、色差ΔEを比較する処理(S420)を行い、処理を終了する。これにより、経年劣化の程度が正確に比較できる。
つぎに本発明実施形態の色彩測定方法による色度値xyの正確性について検証するための手順と、検証結果について説明する。
図15、図16にRGBデジタルカメラのD50光源の自然光下のxy色度値と、D65光源の自然光下のxy色度値、CS2000のxy色度値との比較を示す。デジタルカメラは、自然色温度に依らず誤差が大きい。色温度が変わるとその差も大きい。
図17、図18は、2次元色彩計3のD50光源の自然光下のxy色度値と、D65光源の自然光下のxy色度値との比較である。ゲインを無制御とすると、D50光源からD65光源に自然光を変更した後のxy色度値の測定誤差は、元のD50光源と比較して誤差が大きい。
これに対して、図19、図20に示す通り、本実施形態の色彩測定方法によれば、D50光源からD65光源に自然光を変換した後のxy色度値の測定誤差は、元のD50光源と精度は大きく変わらない。
本実施形態の色彩測定方法は、自然色温度に依らず、一定のxy色度値の色座標を示す。コニカミノルタ(登録商標)CS-2000(以下、CS−2000と略す)に近い正確な色の測定値(真値と考えられる)となり、自然色温度に依らず、一定の色座標を示す。自然光に依らないXYZ値を出力することにより、L*a*b*も、従来のデジタルカメラや、カラーチェッカーのように接触式でのD65光源下での値と同じように、非接触で遠方でも測定できる機能がある。
図21にD50光源データとD65光源からD50光源に変換したデータ(単純白色校正)とのLabおよびΔEを示す。LabおよびΔEにおいても、上記xy色度値と同様の結果が得られた。
XYZ値からLab値への変換は数式8により行った。
自然光に依らないXYZ数値を出力することにより、L*a*b*も、従来の分光放射輝度計や分光測色計の接触式でのD65光源下での値と同じように、屋外での非接触で遠方の建造物でも測定できる機能を実現できる。
上述した演算処理においては、分光感度のS123の特性カーブが図1で示す国立大学法人静岡大学が提案する正確な値であった場合には、正確な値を指し示す。実際の2次元色彩計の特性は、設計値からはある精度で外れているので、補正マトリクスを入れることにより、さらに精度を増すことが可能となる。
この補正マトリクスは、例えば、予め、D65光源の自然光下での補正値を入力して作成し、各係数は、2次元色彩計3の標準色温度5000Kとの差の係数として、割り振る。これにより、例えば、5000K〜6500Kの範囲の色温度の自然光に対応した5000Kに正確に換算したXYZ値が求められる。これをさらに、L*a*b*の値に換算することも容易にできる。色温度適応範囲を広げるためには、補正マトリクスを複数温度領域ごとに設けるなどの対応が可能となる。
以上説明した通り、本実施形態により、白色値の出力を自然のD50光源と同じにするためにD50光源での変換マトリクスで変換しただけの簡便な方法により、白色値以外の出力も、同じXYZ出力が得られるため、結果として、同じ色度値が得られる。即ち、様々な自然光で撮影しても、2次元色彩計3のチャンネルゲインを制御し、感度平均値Hの値を合わせ、撮影するだけで、S123からXYZ値への変換マトリクスを取った時の自然条件(この説明ではD50光源)と等価な出力値がD65光源でも得られる。そのため、屋外の太陽光などの自然光が、天候や季節に応じて変わり自然光の色温度が変化しても、一定の色温度で測定した測定値が得られる。
自然光を利用するので、専用の照明を用いずに、常に一定の色温度下のデータの定量が行える。
本実施形態は、非接触で、広範囲な屋外対象物を色測定可能な、2次元色彩計(例えば、有限会社パパラボの2次元測色計RC-300)に、マイクロ分光器を搭載し、自然光スペクトラムを同時測色する機能を付加することにより、一定の基準となる光源(D50等)での数値をシミュレーションによって得られることにより、気象条件によって変化する自然光(晴れ、曇り色温度変化)下での、大型測定対象物の色劣化状況を把握することが可能となり、塗料の塗り替え時期の適正判定や、汚れの評価等に用いることが可能となる。
本発明は、大型対象物の測色が単にできるということに留まらず、色温度を補正する革新的なアイデアにより天候や時間の制限を緩和して色管理の活用範囲を大幅に拡げるものである。
分光測色計は、ある一定面積の平均的な色を測定するため、対象物が一定の色でないものや、メタリック感のあるもの、凹凸による質感のある物等の評価については、ヒトの目に頼っており、こうした課題のある分野では、色に加えて質感も定量化出来る2次元色彩計システムが、性能的に優位に立っている。
2次元色彩計は、非接触にて大型の対象物の測色が出来る点でも優位性がある。更に本提案システムは、自然光等の影響をなくすための照明が不要であり、測色する位置をタブレットPC上のGPS機能および2次元色彩計本体内蔵のジャイロコンパスセンサーにより、位置、角度等を記録することにより、次回以降についても同じ位置より、観測することが可能となる。
低価格での提供により、新しい市場の要求を満足させることができる。
本発明は、雨天以外であれば、天候に関わらず、遠方から少ない撮影(測色)で経年変化や錆の兆候等を定量的に、安全かつ低コストで管理することを実現でき、大変高い社会性および公益性が、期待出来る。
具体的な用途例としては、例えば、紫外線等による塗装色の変化、建物のコンクリートの色の変化(鉄筋からのサビの出現)等、住宅建材の外壁の色の変化、看板コーポレートカラーの変化のモニタリング、大型建機・電車・飛行機の塗装検査、橋梁の塗装やコンクリートの色経過変化管理等がある。橋梁等の構築物、住宅建材の色の経年劣化による変化(色の定量化)、看板コーポレートカラー色の変化のモニタリング、大型建機・電車・飛行機等の塗装等の検査、コンクリート壁、屋外タンクの色の経過変化など、多様な方面での活用が期待できる。塗料の塗り替えの条件を定量的に算出したり、大型の輸送装置(飛行機、列車等)の塗装劣化や汚れの評価等に用いることが可能となる。
2次元色彩計に自然光を同時測定する機能を付加することにより、一定の基準となる光源(D50等)での数値をシミュレーションによって得られることにより、気象条件によって変化する自然光(晴れ、曇りの色温度変化)下での、色の劣化状況等を把握することが可能となる。
本発明の色彩測定方法は、自然光の色温度に依存せずに撮像の色度値を定量化できるため、2次元測色の屋外測定の範囲が拡大できる。
なお、本発明の実施形態は、上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において、改変等を加えることができるものであり、それらの改変、均等物等も本発明の技術的範囲に含まれ、技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることは言うまでもない。例えば、各チャンネルゲインS1gain,S2gain,S3gainをゲイン制御して、感度平均値H又は出力値S1out、S2out、S3outを同一値にする、或いは、一定比率に制御する制御手法は実施形態に記載の方法に限られず、その他の方法によっても本発明の技術的思想は実施できる。建築建材色評価、コンクリート色評価、大型建機、輸送機用色評価、温度特性、防滴仕様等を考慮して設計を行うこととしてもよい。
屋外での建物や製品の色管理は定量的な管理が出来るようになり、建築業界や輸送機器業界等の様々な業界において、色管理に変革をもたらすこととなり、産業界で大きな管理コスト削減や品質ロス削減に繋がる。
B・・・屋外物
D・・・撮像方位
E・・・撮像仰角
H・・・感度平均値
I・・・スペクトル
P・・・撮像位置
T・・・撮像時刻
10・・・制御MPC
S・・・太陽
S1gain,S2gain,S3gain・・・チャンネルゲイン
S1,S2,S3・・・規格化感度
S1i,S2i,S3i・・・三帯域視覚感度値
S2out、S2out、S3out・・・出力値
T、T1、T・・・撮像時刻
XYZ・・・出力値(色度値)
ΔE・・・色差
λ・・・波長
1・・・色彩測定装置
2・・・自然光検出センサ部
3・・・2次元色彩計
4・・・出力値演算部
5・・・出力値調整部
6・・・XYZ系表色値変換部
7・・・時間測定部
8・・・位置測定部
9・・・仰角方位測定部
11・・・比較部
12・・・電源部
13・・・バッテリ部
14・・・筐体
15・・・コンピュータ
16・・・ガングリップ
17・・・入力力インタフェース
20・・・拡散白色ドームフィルタ
21・・・マイクロ分光器
31・・・撮影レンズ
32a,32b,32c・・・光学フィルタ
33,33a,33b,33c・・・撮像素子
34・・・演算部
35・・・表示部
36・・・反射鏡
37・・・フィルタターレット
39・・・反射鏡

Claims (14)

  1. 自然光検出センサ部で自然光を測定し、スペクトルを検出するスペクトル検出ステップと、
    前記検出されたスペクトルと、XYZ表色系の2次元色彩計に設定された、CIE XYZ等色関数と等価に線形変換された特定の三つの規格化感度とを積算して出力値とし、三帯域について、それぞれ、出力値を演算する出力値演算ステップと、
    前記三つの出力値を一定比率とする出力値調整ステップと、
    前記2次元色彩計による屋外物の撮像の撮像時刻、撮像位置、撮像仰角及び撮像方位を測定する測定ステップと、
    前記出力値調整ステップにより前記三つの出力値が一定比率となるようにした後に、撮像を行うことで感度値を取得し、前記感度値を特定変換マトリクスによりXYZ表色系の色度値に変換するXYZ系表色値変換ステップと、
    を備えたことを特徴とする色彩測定方法。
  2. 第1の撮像時刻におけるXYZ表色系の色度値と、第1の撮像時刻より時刻の遅い第2の撮像時刻におけるXYZ表色系の色度値を比較する比較ステップを備える請求項1の色彩測定方法。
  3. 前記撮像位置はグローバル・ポジショニング・システムにより測定される請求項1又は2の色彩測定方法。
  4. 前記撮像仰角及び撮像方位は、ジャイロコンパス・センサにより測定される請求項1ないし3いずれかの色彩測定方法。
  5. 前記一定比率が同一値である請求項1ないし4いずれかの色彩測定方法。
  6. 前記三つの出力値をチャンネルゲインを制御することにより、一定比率とする請求項1ないし5いずれかの色彩測定方法。
  7. 前記三つの出力値を前記三つの規格化感度のデジタル処理により、一定比率とする請求項1ないし6いずれかの色彩測定方法。
  8. 自然光を測定し、スペクトルを検出する自然光検出センサ部と、
    前記検出されたスペクトルと、XYZ表色系の2次元色彩計に設定された、CIE XYZ等色関数と等価に線形変換された特定の三つの規格化感度とを積算して出力値とし、三帯域について、それぞれ、出力値を演算する出力値演算部と、
    前記三つの出力値を一定比率とする出力値調整部と、
    前記出力値調整部により前記三つの出力値が一定比率となるようにした後に、撮像を行うことで感度値を取得し、前記感度値を特定変換マトリクスによりXYZ表色系の色度値に変換するXYZ系表色値変換部と、
    前記2次元色彩計による屋外物の前記撮像の撮像時刻を測定する時間測定部と、
    前記2次元色彩計による屋外物の前記撮像の撮像位置を測定する位置測定部と、
    前記2次元色彩計による屋外物の前記撮像の撮像仰角及び撮像方位を測定する仰角方位測定部と、を備えたことを特徴とする色彩測定装置。
  9. 第1の撮像時刻におけるXYZ表色系の色度値と、第1の撮像時刻より時刻の遅い第2の撮像時刻におけるXYZ表色系の色度値を比較する比較部を備える請求項8の色彩測定装置。
  10. 前記撮像位置はグローバル・ポジショニング・システムにより測定される請求項8又は9の色彩測定装置。
  11. 前記撮像仰角及び撮像方位は、ジャイロコンパス・センサにより測定される請求項8ないし10いずれかの色彩測定装置。
  12. 前記一定比率が同一値である請求項8ないし11いずれかの色彩測定装置。
  13. 前記三つの出力値をチャンネルゲインを制御することにより、一定比率とする請求項8ないし12いずれかの色彩測定装置。
  14. 前記三つの出力値を前記三つの規格化感度のデジタル処理により、一定比率とする請求項8ないし13いずれかの色彩測定装置。
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