JP2016004832A - テープ拡張装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルム状接着剤を適切に破断可能なテープ拡張装置を提供する。
【解決手段】表面(11a)に複数の分割予定ライン(13)が形成されたウェーハ(11)の裏面(11b)に貼着されたフィルム状接着剤(21)を、環状フレーム(25)の開口に装着されたエキスパンドテープ(23)上に貼着した状態で、分割予定ラインに沿って破断するテープ拡張装置(2)であって、環状フレームを保持するフレーム保持手段(22,24)と、エキスパンドテープを拡張するテープ拡張手段(16)と、破断を行う空間に冷気を供給する冷気供給手段(32)と、冷却されたエキスパンドテープ又はウェーハの温度を測定する温度測定手段(34)と、を備える構成とした。
【選択図】図3

Description

本発明は、エキスパンドテープ等を拡張するテープ拡張装置に関する。
表面に複数のデバイスが形成されたウェーハは、例えば、分割予定ライン(ストリート)に沿って切削、又はレーザー加工されて、各デバイスに対応する複数のデバイスチップへと分割される。このデバイスチップを別のデバイスチップ等と重ねて固定するために、デバイスチップの裏面側に固定用の接着層を設けることがある。
裏面側に設けた接着層を固定対象物に密着させて、熱や光などの外的刺激を加えることで、接着層を硬化させてデバイスチップを固定できる。接着層としては、例えば、ダイアタッチフィルム(DAF:Die Attach Film)等と呼ばれるダイボンディング用のフィルム状接着剤が用いられている。
このフィルム状接着剤は、ウェーハの裏面全体を覆うサイズに形成されており、分割前のウェーハの裏面に貼着される。ウェーハの裏面にフィルム状接着剤を貼着してから、このフィルム状接着剤をウェーハと共に切断することで、裏面側に接着層を備えたデバイスチップを形成できる。
ところで、ウェーハをフルカットしないDBG(Dicing Before Grinding)や、ウェーハの内部にレーザー光線を集光させて多光子吸収による改質層を形成するSDBG(Stealth Dicing Before Grinding)等の加工方法を採用すると、ウェーハと共にフィルム状接着剤を適切に分割できない可能性が高くなる。
そこで、フィルム状接着剤をエキスパンドテープに貼着し、十分に冷却してからエキスパンドテープを拡張するフィルム状接着剤の破断方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この破断方法では、冷却によってフィルム状接着剤の伸縮性を低下させるので、エキスパンドテープを拡張するだけでフィルム状接着剤を容易に破断できる。
特開2007−27250号公報
しかしながら、上述した破断方法では、例えば、フィルム状接着剤を冷却し過ぎると、却って適切に破断できないという現象が発生していた。本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、フィルム状接着剤を適切に破断可能なテープ拡張装置を提供することである。
本発明によれば、表面に複数の分割予定ラインが形成されたウェーハの裏面に貼着されたフィルム状接着剤を、環状フレームの開口に装着されたエキスパンドテープ上に貼着した状態で、該分割予定ラインに沿って破断するテープ拡張装置であって、該環状フレームを保持するフレーム保持手段と、該エキスパンドテープを拡張するテープ拡張手段と、破断を行う空間に冷気を供給する冷気供給手段と、冷却された該エキスパンドテープ又はウェーハの温度を測定する温度測定手段と、を備えることを特徴とするテープ拡張装置が提供される。
本発明において、前記温度測定手段は、非接触で対象物の温度を測定する非接触温度測定器であることが好ましい。
本発明に係るテープ拡張装置は、エキスパンドテープ又はウェーハの温度を測定する温度測定手段を備えるので、エキスパンドテープ又はウェーハがフィルム状接着剤の破断に適した温度になったことを確認した上で、エキスパンドテープを拡張してフィルム状接着剤を破断できる。
つまり、フィルム状接着剤の冷却が不足した状態、又は、フィルム状接着剤が冷却され過ぎた状態でエキスパンドテープを拡張してしまうことはなくなるので、フィルム状接着剤の破断不良を低減できる。このように、本発明によれば、フィルム状接着剤を適切に破断可能なテープ拡張装置を提供できる。
エキスパンドテープに貼着されたフィルム状接着剤及びウェーハを模式的に示す斜視図である。 テープ拡張装置の外観を模式的に示す斜視図である。 テープ拡張装置の構成を模式的に示す分解斜視図である。 図4(A)は、冷却ステップを模式的に示す一部断面側面図であり、図4(B)は、拡張破断ステップを模式的に示す一部断面側面図である。
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。図1は、エキスパンドテープに貼着されたフィルム状接着剤及びウェーハを模式的に示す斜視図である。図1に示すように、ウェーハ11は、シリコン、サファイア等の材料で円盤状に形成されており、表面11aは、中央のデバイス領域と、デバイス領域を囲む外周余剰領域とに分けられる。
デバイス領域は、格子状に配列された複数の分割予定ライン(ストリート)13でさらに複数の領域に区画されており、各領域にはIC、LED等のデバイス15が形成されている。なお、図1では、分割予定ライン13に沿って複数のデバイスチップ17に分割された状態のウェーハ11を示している。
ウェーハ11の裏面11b側には、ウェーハ11より大径のフィルム状接着剤21が貼着されている。このフィルム状接着剤21は、例えば、熱や光などの外的刺激を加えることで硬化する樹脂等の材料で形成されており、デバイスチップ17を任意の固定対象物へと固定する。
フィルム状接着剤21の下面側には、さらに大径のエキスパンドテープ23が貼着されている。エキスパンドテープ23の外周部分には、略円形の開口を備えた環状フレーム25が固定されている。すなわち、フィルム状接着剤21は、環状フレーム25の開口に装着されたエキスパンドテープ23に貼着されている。また、ウェーハ11は、フィルム状接着剤21及びエキスパンドテープ23を介して環状フレーム25に支持されている。
本実施形態のテープ拡張装置は、上述したエキスパンドテープ23を拡張することで、ウェーハ11に貼着されたフィルム状接着剤21を破断する。図2は、本実施形態に係るテープ拡張装置の外観を模式的に示す斜視図であり、図3は、テープ拡張装置の構成を模式的に示す分解斜視図である。なお、図3では、図2と重複する構成を省略している。
図2に示すように、テープ拡張装置2は、各構成を収容する筐体4を含む。筐体4は、上面に開口(不図示)を備えた直方体状のハウジング6と、ハウジング6の開口を閉じるカバー8とで構成されている。カバー8は、例えば、ヒンジ(不図示)を介してハウジング6に連結されており、このヒンジを支点に開閉する。
ハウジング6の側面には、ウェーハ11を支持した環状フレーム25を搬出入する搬出入口(不図示)が形成されている。搬出入口を覆う位置には、この搬出入口を開閉するシャッター10が設けられている。シャッター10を開状態とすれば、ウェーハ11を支持した環状フレーム25を筐体4内部の処理空間(破断を行う空間)に搬入し、又は、筐体4の処理空間から搬出できる。
筐体4の処理空間には、図3に示すように、直方体状の基台12が配置されている。基台12の上面には、円筒状の拡張ドラム14が固定されている。この拡張ドラム14の外周の径は、環状フレーム25の内周(開口)の径より小さくなっており、拡張ドラム14の内周の径は、フィルム状接着剤21の外周の径より大きくなっている。
基台12を囲む位置には、4個の昇降機構(テープ拡張手段)16が配置されている。各昇降機構16は、シリンダケース18及びピストンロッド20を備え、ピストンロッド20の上端部には、環状フレーム25を載置するテーブル(フレーム保持手段)22が固定されている。テーブル22の中央部分には、拡張ドラム14に対応した円形の開口22aが形成されており、拡張ドラム14は、この開口22aに挿通されている。
テーブル22の上方には、テーブル22に載置された環状フレーム25を上方から押圧して固定するプレート(フレーム保持手段)24が設けられている。プレート24の中央部分には、テーブル22の開口22aに対応する開口24aが形成されており、ウェーハ11、フィルム状接着剤21、及びエキスパンドテープ23の一部がこの開口24aから露出する。
プレート24の上方には、加熱冷却機構26が配置されている。この加熱冷却機構26は、円盤状のガイド構造28と、ガイド構造28の下面外周部に配置されたヒーター30と、ガイド構造28の上面中央部に連結された冷気供給管(冷気供給手段)32とを備えている。
ヒーター30は、例えば、赤外線を放射できるように構成されており、プレート24の開口24aから露出したエキスパンドシート23の外周部分を非接触で加熱し、収縮させる。エキスパンドテープ23を拡張した後に、このヒーター30で外周部分を収縮させれば、隣接するデバイスチップ17の間隔を拡張後の状態に維持できる。なお、このヒーター30は、接触式でも良い。
冷気供給管32は、例えば、筐体4の外部に配置される冷気供給源(不図示)に接続されており、筐体4内部の処理空間に冷気を供給する。冷気供給管32から供給された冷気は、ガイド構造28でガイドされ、ウェーハ11、フィルム状接着剤21、エキスパンドテープ23等を、例えば、0℃以下に冷却する。
拡張ドラム14の内側には、非接触で対象物の温度を測定する非接触温度測定器(温度測定手段)34と、非接触温度測定器34を校正するための接触温度測定器36とが配置されている。非接触温度測定器34は、例えば、0℃以下の温度を非接触で測定可能な放射温度計であり、上方に配置されるエキスパンドテープ23の温度を測定する。
次に、上述したテープ拡張装置2でフィルム状接着剤21を破断する本実施形態の破断方法について説明する。本実施形態の破断方法では、まず、ウェーハ11を支持した環状フレーム25をテーブル22に固定する固定ステップを実施する。
この固定ステップでは、テーブル22の上面にウェーハ11を支持した環状フレーム25を載置して、上方からプレート24で押さえつける。これにより、環状フレーム25はテーブル22に固定される。なお、環状フレーム25は、ウェーハ11が上方に露出するように載置される。
固定ステップを実施する前には、非接触温度測定器34を校正する校正ステップを実施しておくと良い。校正ステップでは、例えば、デバイス15の形成されていないダミーウェーハ(不図示)を支持した環状フレーム25をテーブル22に固定し、非接触温度測定器34及び接触温度測定器36でエキスパンドテープ23の温度を測定する。
次に、接触温度測定器36で測定された温度に基づいて、非接触温度測定器34の温度を校正する。この校正ステップでは、ダミーウェーハを用いて、接触温度測定器36をウェーハ11等に接触させることなく非接触温度測定器34を校正するので、ウェーハ11等を誤って汚損することはない。なお、この校正ステップは、例えば、フィルム状接着剤21の種類を変更する際に実施すると良い。
固定ステップの後には、ウェーハ11に貼着されたフィルム状接着剤21を冷却する冷却ステップを実施する。図4(A)は、冷却ステップを模式的に示す一部断面側面図である。
冷却ステップでは、図4(A)に示すように、冷気供給管32から筐体4の処理空間に冷気を供給して、フィルム状接着剤21を冷却する。なお、この冷却ステップでは、フィルム状接着剤21と共に、ウェーハ11、エキスパンドテープ23等も冷却される。
冷却ステップの実施中には、エキスパンドテープ23の温度を非接触温度測定器34でリアルタイムに測定する。例えば、エキスパンドテープ23がフィルム状接着剤21の破断に適した温度(例えば、−15℃〜−20℃)まで冷却されると、冷気供給管32からの冷気の供給は停止される。
冷却ステップの後には、エキスパンドテープ23を拡張してフィルム状接着剤21を破断する拡張破断ステップを実施する。図4(B)は、拡張破断ステップを模式的に示す一部断面側面図である。
拡張破断ステップでは、エキスパンドテープ23がフィルム状接着剤21の破断に適した温度まで冷却されていることを確認した上で、昇降機構16でテーブル22を下降させる。拡張ドラム14は固定されているので、環状フレーム25を保持したテーブル22を下降させると、エキスパンドテープ23は拡張ドラム14で上向きに押される。
その結果、エキスパンドテープ23は拡張し、フィルム状接着剤21を水平方向に引っ張る力が発生する。上述のように、フィルム状接着剤21は破断に適した温度まで冷却されているので、エキスパンドテープ23を拡張して水平方向の力を発生させることで、図4(B)に示すように、フィルム状接着剤21を分割予定ライン13に沿って適切に破断できる。
以上のように、本実施形態に係るテープ拡張装置2は、エキスパンドテープ23の温度を測定する非接触温度測定器(温度測定手段)34を備えるので、エキスパンドテープ23がフィルム状接着剤21の破断に適した温度になったことを確認した上で、エキスパンドテープ23を拡張してフィルム状接着剤21を破断できる。
つまり、フィルム状接着剤21の冷却が不足した状態、又は、フィルム状接着剤21が冷却され過ぎた状態でエキスパンドテープ23を拡張してしまうことはなくなるので、フィルム状接着剤21の破断不良を低減できる。
また、本実施形態に係るテープ拡張装置2では、非接触温度測定器34によって非接触で温度を測定するので、フィルム状接着剤21を破断させる際の接触によって、ウェーハ11等を汚損してしまうこともない。
なお、本発明は上記実施形態の記載に限定されず、種々変更して実施可能である。例えば、上記実施形態では、非接触温度測定器34を下方側に設けてエキスパンドテープ23の温度を測定しているが、非接触温度測定器34を上方側に設けてウェーハ11の温度を測定しても良い。
その他、上記実施形態に係る構成、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
2 テープ拡張装置
4 筐体
6 ハウジング
8 カバー
10 シャッター
12 基台
14 拡張ドラム
16 昇降機構(テープ拡張手段)
18 シリンダケース
20 ピストンロッド
22 テーブル(フレーム保持手段)
22a 開口
24 プレート(フレーム保持手段)
24a 開口
26 加熱冷却機構
28 ガイド構造
30 ヒーター
32 冷気供給管(冷気供給手段)
34 非接触温度測定器(温度測定手段)
36 接触温度測定器
11 ウェーハ
11a 表面
11b 裏面
13 分割予定ライン(ストリート)
15 デバイス
17 デバイスチップ
21 フィルム状接着剤
23 エキスパンドテープ
25 環状フレーム

Claims (2)

  1. 表面に複数の分割予定ラインが形成されたウェーハの裏面に貼着されたフィルム状接着剤を、環状フレームの開口に装着されたエキスパンドテープ上に貼着した状態で、該分割予定ラインに沿って破断するテープ拡張装置であって、
    該環状フレームを保持するフレーム保持手段と、
    該エキスパンドテープを拡張するテープ拡張手段と、
    破断を行う空間に冷気を供給する冷気供給手段と、
    冷却された該エキスパンドテープ又はウェーハの温度を測定する温度測定手段と、を備えることを特徴とするテープ拡張装置。
  2. 前記温度測定手段は、非接触で対象物の温度を測定する非接触温度測定器であることを特徴とする請求項1記載のテープ拡張装置。
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