JP2016003932A - 粒子状物質検出センサ素子及びこれを用いた粒子状物検出センサ - Google Patents

粒子状物質検出センサ素子及びこれを用いた粒子状物検出センサ Download PDF

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Abstract

【課題】電極の飛散の抑制が可能であり、耐久性に優れた粒子状物質検出センサ素子及び粒子状物質検出センサを提供すること。【解決手段】被測定ガス中の粒子状物質を検出するセンサ素子1及びこれを備える粒子状物質検出センサである。センサ素子1は、粒子状物質が付着する付着面21を有する絶縁性基体2と、その付着面21に形成された粒子状物質検出部3と有する。粒子状物質検出部3は、異なる極性を有し、相互に対向する少なくとも1対の検出電極31が付着面21において少なくとも部分的に露出してなる。検出電極3は、Rh、Ru、Ir、及びOsからなるグループから選ばれる少なくとも1種の金属とPtとの合金を主成分とする。合金中の上記金属の含有量は、Ptと上記金属との合計量100質量%中に0.5〜50質量%である。【選択図】図1

Description

本発明は、被測定ガス中の粒子状物質を検出するセンサ素子、及びこれを備える粒子状物質検出センサに関する。
ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンなどの内燃機関から排出される排ガス中には、カーボン微粒子等の粒子状物質(パティキュレート・マター;PM)が含まれることが知られている。このPMを捕集するために、排気管内には排ガス浄化フィルタが設置されている。さらに、排ガス浄化フィルタの下流又は上流には、排ガス中に含まれるPMの量を検出するためのセンサ(PM検出センサ)が用いられる。このようなPM検出センサとしては、表面に露出したPtからなる計測電極にPMを付着させ、電極間の電気的な特性の変化を測定することにより、測定ガス中のPMを検出することが可能なPM検出装置が提案されている(特許文献1参照)。また、PM検出装置には、電極に付着したPMを燃焼除去することにより電極を再生するためのヒータが内蔵される。
特開2011−226832号公報
しかしながら、Ptからなる電極は、排ガス環境下において再生時の高温に繰り返し曝されると、蒸気圧の低い酸化白金(PtO2)となり、蒸散により飛散してしまうおそれがある。特に、PM検出センサにおいては、検出時にPMを電極に付着させる必要があるため上述のごとく電極が露出しており、Ptからなる電極の飛散が起こり易いという問題がある。その結果、PM検出センサの感度が経時的に劣化するおそれがある。即ち、従来のPM検出センサは、耐久性に改良の余地がある。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、電極の飛散の抑制が可能であり、耐久性に優れた粒子状物質検出センサ素子及び粒子状物質検出センサを提供しようとするものである。
本発明の一態様は、被測定ガス中の粒子状物質を検出するセンサ素子であって、
上記粒子状物質が付着する付着面を有する絶縁性基体と、
該絶縁性基体の上記付着面に形成された粒子状物質検出部と有し、
該粒子状物質検出部は、異なる極性を有し、相互に対向する少なくとも1対の検出電極が上記付着面において少なくとも部分的に露出してなり、
上記検出電極は、Rh、Ru、Ir、及びOsからなるグループから選ばれる少なくとも1種の金属とPtとの合金を主成分とし、
該合金中の上記金属の含有量は、Ptと上記金属との合計量100質量%中に0.5〜50質量%であることを特徴とする粒子状物質検出センサ素子にある。
本発明の他の態様は、上記粒子状物質検出センサ素子を備えることを特徴とする粒子状物質検出センサにある。
上記PM検出センサ素子においては、検出電極が上記特定組成の合金を主成分としている。かかる組成の検出電極においては、高温環境下においても金属成分が蒸散し難い。そのため、上記PM検出センサ素子においては、上述のごとく付着面において検出電極が少なくとも部分的に露出しているにもかかわらず、検出電極の飛散が抑制される。それ故、PM検出センサ素子は、高温環境下に曝されてもPM検出部における感度を維持できる。即ち、上記構成のPM検出センサ素子は優れた耐久性を発揮することができる。
上記粒子状物質検出センサ(以下、適宜「PM検出センサ」という)は、上述の特定組成の合金を主成分とするPM検出センサ素子を備える。そのため、上記のごとくPM検出センサ素子の検出電極の飛散が抑制され、PM検出センサは耐久性に優れる。
実施例1における、PM検出センサ素子の斜視図。 実施例1における、PM検出素子の構成を示す展開図。 実施例1における、PM検出センサ素子の検出電極の部分断面拡大図。 実施例1における、高温耐久試験後のPM検出センサ素子(試料X3)の付着面周囲における検出電極の走査型電子顕微鏡写真を示す説明図。 実施例1における、高温耐久試験後のPM検出センサ素子(試料X26)の付着面周囲における検出電極の走査型電子顕微鏡写真を示す説明図。 実施例1における、検出部の形成位置の変形例を示す説明図。 実施例3における、排気管内に取り付けられたPM検出センサの拡大断面図。 実施例4における、PM検出センサ素子の斜視図。 実施例4における、PM検出センサ素子の構成を示す展開図。
次に、上記PM検出センサ素子及びPM検出センサの好ましい実施形態について説明する。PM検出センサは、例えば排ガス等の被測定ガス中に含まれる粒子状物質(PM)を検出するために用いられる。PM検出センサは、例えば排ガス浄化フィルタ(ディーゼルパティキュレートフィルタ;DPF、ガソリンパティキュレートフィルタ;GPF)の上流及び/又は下流に配置することができる。PM検出センサは、ディーゼルエンジンに適用することも、ガソリンエンジンに適用することもできる。
絶縁性基体の材質としては、例えば電気絶縁性及び耐熱性に優れたセラミックス材料が好適である。セラミックス材料としては、具体的にはアルミナ等を用いることができる。
検出電極は、合金を主成分とする。合金は、Rh、Ru、Ir、及びOsからなるグループから選ばれる少なくとも1種の金属とからなる。合金を構成する合金粒子の粒子表面部におけるPt含有率は、粒子内部におけるPt含有率よりも低いことが好ましい。即ち、Pt含有率は、合金粒子の粒子表面部よりも粒子内部の方が高いことが好ましい。この場合には、検出電極の飛散をより一層防止することができる。そのため、PM検出センサ素子の耐久性をより向上させることができる。同様の観点から合金粒子の粒子内部におけるPt含有率は50質量%以上であることがより好ましい。合金粒子の粒子表面部及び粒子内部におけるPt含有率は、例えば透過電子顕微鏡(TEM)を用いた定量分析によって測定することができる。
合金粒子の粒子表面部は、合金粒子の表面を含む外周部分であり、表面から内側に所定の距離までの範囲をいう。具体的には、例えば表面から内側へ半径の1/4の距離までの範囲を合金粒子の粒子表面部とすることができる。粒子内部は、粒子表面部よりも内側の部分である。なお、合金粒子の半径は、平均粒子径に基づいて規定することできる。平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(FE−SEM)等により、所定の倍率で合金粒子を含む視野を観察、撮影し、所定の個数(10個以上)の合金粒子の粒径を算術平均することにより求めることができる。
(実施例1)
本例においては、検出電極の組成が異なる複数のPM検出センサ素子(試料X1〜X26)を作製し、これらの耐久性の評価を行う例である。代表例として、まず、試料X3のPM検出センサ素子1について図1〜図5を用いて説明する。
図1及び図2に示すごとく、PM検出センサ素子1(以下、適宜「センサ素子1」という)は、被測定ガス中の粒子状物質(PM)を検出するために用いられる。センサ素子1は、PMが付着する付着面21を有する絶縁性基体2と、その付着面21に形成されたPM検出部3とを有する。PM検出部3は、異なる極性を有し、相互に対向する少なくとも1対の検出電極31が付着面21において少なくとも部分的に露出することにより形成されている。試料X3のセンサ素子1においては、検出電極31はPtとRhとの合金を主成分とする。合金中のRhの含有量は、PtとRhとの合計量100質量%中に2質量%である。
図1に示すごとく、絶縁性基体2は、直方体形状であり、アルミナからなる。その長手方向(X方向)を含む面を側面とすると、本例のセンサ素子1においては側面のうちの一面が付着面21である。付着面21の先端側(図1におけるX方向右側)には、PM検出部3が配設されている。検出部3は、所定の間隔をあけて平行に配置された複数の検出電極31(31a、31b、31c、31d、31e)を有する。これらの検出電極31は、交互に異なる極性を有し、その電極表面が付着面と面一となるように、絶縁性基体2の内部に埋設されている。なお、付着面21や検出部3の位置は、適宜変更することが可能である。例えば図6に示すごとく直方体形状の絶縁性基体2の長手方向(X方向)における両端面のうちの一方の面を付着面21とし、この付着面21に検出部3を配置することも可能である。
図2に示すごとく、絶縁性基体2は、複数の板状の絶縁基板22〜28の積層体からなる。検出電極31a〜31eは、絶縁基板23〜27の表面に、例えばスクリーン印刷によって形成された電極膜からなる。図2に示すように例えば2種類のパターンで形成された電極膜31X、31Yを積層方向に交互に配置することにより、検出電極31a〜31eを形成することができる。図3に示すごとく、各検出電極31は、PtとRhとの合金311と、これに分散された骨材312とを含有する。骨材312はアルミナからなる。本例における骨材312の含有量は、100質量部の合金311に対して10質量部である。
図2に示すごとく、電極膜31X、31Yは、相互に対称な略台形状で、長辺が絶縁基板23〜27の付着面21に露出している。電極膜31X、31Yの短辺は、相互にずれて配置されており、短辺の近傍に各基板23〜27を貫通するスルーホール2A、2Bが形成されている。ここでは、絶縁基板23、25、27に電極膜31Xとスルーホール2Aを、絶縁基板24、26に電極膜31Yとスルーホール2Bを形成している。スルーホール2Aは電極膜31Yと、スルーホール2Bは電極膜31Xと積層方向において対向する位置にある。さらに、電極膜31Xが形成される絶縁基板23、25、27のうち最上層の絶縁基板27に、電極膜31Xから長手方向の端縁(図の左端縁)に至る引き出し電極311が例えばスクリーン印刷により形成されている。また、電極膜31Yが形成される絶縁基板24、26のうち最下層の絶縁基板24に、電極膜31Yから長手方向の端縁(図の左端縁)に至る引き出し電極312が例えばスクリーン印刷により形成されている。
そして、絶縁基板22を最下層として、その上に上述の絶縁基板23〜27と、絶縁基板28を順に積層する。これにより、検出電極31a、31c、31e(電極膜31X)は、その上下に位置するスルーホール2Bに充填される導電材を介して、互いに電気的に接続され、引き出し電極311により外部へ電気的な接続が可能となる。また、検出電極31b、31d(電極膜31Y)は、その上下に位置するスルーホール2Aに充填される導電材を介して、互いに電気的に接続され、引き出し電極312により外部へ電気的な接続が可能となる。また、最下層の絶縁基板22には、ヒータ電極膜39が例えばスクリーン印刷により形成されており、本例のセンサ素子1はヒータを内蔵している。
引き出し電極311、312は、図1における電源部37に電気的に接続されて電源供給を受けることができる。また、引き出し電極311、312は、抵抗測定部(電気特性測定部)38に電気的に接続され、検出部3の電気特性、具体的には検出電極31a〜31eの対向電極間の抵抗値を測定することができる。ここで、検出電極31a〜31e間の距離は一定であり、対向する検出電極31aと検出電極31b、検出電極31bと検出電極31c、検出電極31cと検出電極31d、検出電極31dと検出電極31eは、
互いに極性が異なっている。また、極性の同じ検出電極31a、31c、31eは引き出し電極311に、検出電極31b、31dは引き出し電極312に、それぞれ接続されている。したがって、付着面21がPMを含む雰囲気に曝された時に、検出電極31a〜31eの対向電極間の抵抗値を測定し、その変化からPMの堆積を検出することができる。
次に、センサ素子の作製方法を説明する。センサ素子は例えばシート積層法によって製造することができる。具体的には、まず、公知のドクターブレード法を用いて、セラミックスシートをフィルム上に成形する。セラミックシート材料には、アルミナが好適に用いられる。次いで、セラミックスシートを、各絶縁基板22〜28のサイズに合わせて打ち抜き(図2参照)、また、パンチングを施してスルーホール2A、2Bをそれぞれ設ける。ここで、スルーホールを形成する箇所、大きさは任意に設定可能である。
次いで、上述の2種類のパターンで電極膜31X、31Yをセラミックスシートに印刷する。電極膜の形成には、Pt−Rh合金からなる合金粒子と、アルミナからなる骨材と、有機溶剤と、有機バインダとを混合、混練してなるペースト状の電極材料が用いられる。この電極材料を所定のパターンでスクリーン印刷することによりセラミックスシート上に電極パターンを形成することができる。合金粒子は、Ptイオン及びRhイオンを含む酸溶液を混合し、還元剤により還元反応させることによって作製することができる。このとき、反応速度や析出速度を制御することにより、合金粒子中心から外側に向かって、Pt、Rhの順に析出させることができる。なお、本例の試料X3のセンサ素子を製造するにあたって、Ptイオン及びRhイオンの量を調整することにより、Ptを98質量%、Rhを2質量%含む合金粒子を製造した。
さらに、電極材料を用いて引き出し電極311、312のパターンを印刷形成した。また、ヒータ電極膜39のパターンを印刷形成した。
これらの各パターンが印刷されたセラミックスシートを順次積層し、積層体を焼成した。その後、PMの付着面を研磨することにより、検出電極31を付着面21に露出させた検出部3を形成した(図1参照)。このようにして、図1〜図3に示すごとく、センサ素子1(試料X3)を得ることができる。
また、本例においては、検出電極における合金の組成を変更した点を除き、上記試料X3と同様にしてさらに複数のセンサ素子(試料X1、試料X2、試料X4〜試料X26)を作製した。各試料の検出電極における貴金属の組成を後述の表1に示す。
具体的には、試料X1、試料X2、試料X4、及び試料X5は、PtとRhとの配合比を変更した点を除いては、上述の試料X3と同様にして作製したセンサ素子である。また、試料X6〜試料X10は、Rhの代わりにRuを用い、その配合比を後述の表1に示すように調整して作製した点を除いては、上記試料X3と同様にして作製したセンサ素子である。また、試料X11〜試料X15は、Rhの代わりにIrを用い、その配合比を後述の表1に示すように調整して作製した点を除いては、上記試料X3と同様にして作製したセンサ素子である。また、試料X16〜試料X20は、Rhの代わりにOsを用い、その配合比を後述の表1に示すように調整して作製した点を除いては、上記試料X3と同様にして作製したセンサ素子である。また、試料X21〜試料X25は、Rhの代わりにPdを用い、その配合比を後述の表1に示すように調整して作製した点を除いては、上記試料X3と同様にして作製したセンサ素子である。また、試料X26は、Ptの他に金属を用いずに作製した点を除いては、上記試料X3と同様にして作製したセンサ素子である。
次に、各試料X1〜X26のセンサ素子について、高温耐久試験を行った。
具体的には、まず、各試料を温度900℃で250時間加熱した。そして、検出部における検出電極間の距離を測定し、高温耐久試験前の距離からの変化(増加)率を算出した。なお、高温耐久試験前における検出電極間の距離は20μmである。そして、耐久性に関して、変化率が0%の場合を優と評価し、変化率が0%を超えかつ5%以下の場合を良と評価し、変化率が5%を超える場合を不可と評価した。その結果を表1に示す。
なお、検出電極間の距離は、電子顕微鏡を用いて調べることができる。代表例として、高温耐久試験後の試料X3及び試料X26における付着面付近の検出電極の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図4及び図5にそれぞれ示す。例えば図5においては、検出電極31が付着面21から後退しており、この後退した距離分だけ検出電極31間の距離が増加している。なお、後退距離Lは、付着面21から合金311の存在領域までの距離のうち、最大の距離である。これに対し、高温耐久試験後の試料X3のSEM写真(図4参照)においては、検出電極31の付着面21からの後退は観察されていない。
表1より知られるように、金属成分がPtのみからなる検出電極を有する試料X26においては、高温耐久試験においてPtが蒸散した結果、検出電極間の距離が大きく増加していた。また、PtとPdとの合金からなる検出電極を有する試料X21〜X25においては、試料X26に比べて変化率が緩和するものの、耐久性は十分ではない。
これに対し、Ptと、Rh、Ru、Ir、及びOsからなる特定のグループから選ばれる少なくとも1種の金属との合金を有する試料X1〜X20においては、配合比を調整することにより、金属成分の蒸散が抑制され、高い耐久性を示した。表1より知られるように、Ptと、Rh、Ru、Ir、及びOsからなる特定のグループから選ばれる少なくとも1種の金属との合計100質量%中におけるRh、Ru、Ir、Osの含有量は0.5〜50質量%であることが好ましい。より好ましくは2〜50質量%、さらに好ましくは10〜50質量%がよい。このように、検出電極の成分として、Ptと特定の貴金属との合金を採用し、これらの組成を調整することにより、耐久性に優れたPM検出センサ素子を実現できる。
なお、本例においては、合金におけるPtと他の金属との含有割合を製造時における配合組成に基づいて表1中に示したが、製造後の検出電極の分析によって含有割合を測定することもできる。具体的には、電子線マイクロアナライザ(EPMA)により測定が可能である。この場合には、測定装置としては、例えば日本電子(株)製のJXA−8800を用いて、加速電圧15kV、プローブ電流50nAという条件で測定することができる。
また、本例において、検出電極31は、アルミナ312からなる骨材312を含有する(図3参照)。即ち、検出出電極31は、貴金属の合金311と、これに分散された骨材312とを含有し、骨材312は、絶縁性基体2と同じ材質のセラミックスからなる。そのため、検出電極31と絶縁性基体2とは優れた密着性を発揮することができる。そして、高温環境下における検出電極31の剥離を抑制することができる。
また、図1〜図3に示すごとく、本例においては、検出電極31が絶縁性基体2に埋設されており、検出電極31の端部を絶縁性基体2の付着面21から露出させることにより、検出部3が形成されている。この場合には、絶縁性基体2を構成する上述の絶縁基板23〜27の厚みを小さくすることにより、検出電極31の間隔を小さくことが可能になる。その結果、検出感度の高いセンサ素子1の実現が可能になる。その一方で、このような構成のセンサ素子1においては、高温環境下において検出電極3の金属成分が蒸散すると、検出電極3が付着面21に露出しなくなり、検出部3におけるPMの検出が不可能になるおそれがある。しかし、上述の試料X2〜X5、試料X7〜X10、X12〜X15、X17〜X20における検出電極3の合金組成を採用することにより、金属成分の蒸散が抑制されるため、高温環境下に曝されてもPMの検出が可能になる。即ち、検出電極3の端部を絶縁性基体2の付着面21から露出させた検出部3を有するセンサ素子1においては、上記特定の合金組成を採用することによるメリットが顕著になる。
(実施例2)
本例は、検出電極中の骨材の量を変更したセンサ素子の例である。
即ち、本例においては、後述の表2に示すように、検出電極中の金属成分に対する骨材(アルミナ)の量を変更し、複数のセンサ素子(試料X27〜試料X44)を作製した。 本例のセンサ素子は、検出電極におけるアルミナの量と、金属成分の組成を表2に示すように変更した点を除いては、実施例1と同様の構成を有する。なお、表2におけるアルミナの量は、貴金属の合金100質量部に対する量(質量部)である。
各試料X24〜試料X44について、実施例1と同様の高温耐久試験を行った。そして、高温耐久試験後の検出電極間の距離を実施例1と同様にして測定し、耐久性の評価を行った。その結果を表2に示す。
表2より知られるごとく、検出電極中のアルミナ(骨材)の含有量は、貴金属の合金100質量部に対して5〜20質量部であることが好ましい。この場合には、実施例1において示すように、合金中の組成を調整することにより、検出電極の蒸散が抑制され、センサ素子が優れた耐久性を発揮することができる。骨材の量を上記範囲に調整することにより、金属成分の蒸散をより一層抑制することができる。また、骨材の量が少なくなり過ぎると、高温環境下において検出電極が剥離するおそれがあり、骨材の量が多くなりすぎると、PMの検出感度が低下するおそれがある。かかる観点からも、骨材の量は、貴金属の合金100質量部に対して5〜20質量部であることが好ましい。
(実施例3)
次に、センサ素子を備えるPM検出センサの例について説明する。図7に示すごとく、本例のPM検出センサ4は、例えば自動車の排気管5に螺結される筒状のハウジング40を有し、その内部に配置された筒状のインシュレータ41に、実施例1のセンサ素子1(例えば試料X3)が挿入固定されている。インシュレータ41は、センサ素子1の上部を保持している。センサ素子1の下部(先端)は、インシュレータ41及びハウジングから突出している。センサ素子1の下部は、排気管5内に突出する中空のカバー42内に配置されている。カバー42の底部および側部には、被測定ガス51(排気ガス51)が流出入するための通孔420、421が穿設されている。
本例のPM検出センサ4は、ディーゼルエンジン又はガソリンエンジンの排気管5に配置される。具体的には、例えばPMを捕集するためのディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)又はガソリンパティキュレートフィルタ(GPF)の下流にPM検出センサ4を配置することができる。この場合には、DPF又はGPFをすり抜けるPMを、PM検出センサ4にて検出することができる。
センサ素子1は、例えばその付着面21を被測定ガス51の流れ方向と対面させるように配置することができる(図7参照)。そして、被測定ガス51中に含まれるPMが付着面21に設けられたPM検出部3に付着することにより、その量を検出することができる。
本例のPM検出センサ4においては、実施例1における試料X2〜X5、試料X7〜X10、X12〜X15、X17〜X20、実施例2におけるX29〜X32、試料X35〜X38、試料X41〜試料X44のセンサ素子1を用いることができる。この場合には、これらのセンサ素子1の上述の優れた耐久性を生かして、PM検出センサ4が優れた耐久性を発揮することができる。
尚、本例又は本例に関する図面において用いた符号のうち、実施例1において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、実施例1と同様の構成要素等を表す。
(実施例4)
本例は、櫛歯状の電極構造を有するPM検出センサ素子の例である。
図8及び図9に示すごとく、本例のPM検出センサ素子1は、PMの付着面21を有する直方体形状の絶縁性基体2と、付着面に形成されたPM検出部3とを有する。絶縁性基体2はアルミナからなる。PM検出部3は、絶縁性基体2の表面に形成された窪み29内に設けられている。検出部3は、所定の間隔をあけて平行に配置された複数の検出電極31(31f、31g、31h、31i、31j、31k、31l、31m)を有する。これらの検出電極31は、交互に異なる極性を有している。
図9に示すごとく、絶縁性基体2は、複数の板状の絶縁性基板200、201、202の積層体からなる。検出電極31f〜31mは、中間に配置される絶縁性基板201の表面に例えばスクリーン印刷によって形成された電極膜からなる。本例における電極膜は、一対の対向電極34、35からなる。対向電極34、35は、長手方向に伸びる引き出し電極340、350を有し、長手方向と直交する方向に伸びる複数の検出電極31をそれぞれ有する。対向電極34、35は、引き出し電極340、350が互いに向かい合うように配置されていると共に、一方の検出電極31の間に他方の検出電極31が入り込むように配置されている。
また、最下層となる絶縁性基板200には、ヒータ電極膜39が例えばスクリーン印刷により形成されており、本例のPM検出センサ素子1はヒータを内蔵している。最上層となる絶縁性基板202には、貫通口290が設けられている。各絶縁性基板200、201、202の積層体においては、この貫通口290において櫛歯状に配置された検出電極31が部分的に露出する。
本例のPM検出センサ素子1は、電極の形成パターンを変更したり、セラミックスシートの形状や使用枚数を変更する点を除いて、実施例1と同様にして作製することができるため、製造方法の詳説は省略する。
本例のPM検出センサ素子1においても、実施例1及び2において優れた耐久性を示した合金組成からなる検出電極31を採用することにより、実施例1及び実施例2と同様の作用効果を得ることができる。即ち、高温環境下においても、検出電極31が飛散し難くなり、優れた耐久性を発揮することができる。
1 PM検出センサ素子
2 絶縁性基体
21 付着面
3 PM検出部
31 検出電極

Claims (4)

  1. 被測定ガス中の粒子状物質を検出するセンサ素子(1)であって、
    上記粒子状物質が付着する付着面(21)を有する絶縁性基体(2)と、
    該絶縁性基体(2)の上記付着面(21)に形成された粒子状物質検出部(3)と有し、
    該粒子状物質検出部(3)は、異なる極性を有し、相互に対向する少なくとも1対の検出電極(31)が上記付着面(21)において少なくとも部分的に露出してなり、
    上記検出電極(3)は、Rh、Ru、Ir、及びOsからなるグループから選ばれる少なくとも1種の金属とPtとの合金(311)を主成分とし、
    該合金(311)中の上記金属の含有量は、Ptと上記金属との合計量100質量%中に0.5〜50質量%であることを特徴とする粒子状物質検出センサ素子(1)。
  2. 上記検出電極(32)は、上記合金(311)と、該合金(311)に分散された骨材(312)とを含有し、該骨材(312)は、上記絶縁性基体(2)と同じ材質のセラミックスからなることを特徴とする請求項1に記載の粒子状物質検出センサ素子(1)。
  3. 上記骨材(312)の含有量は、上記合金100質量部に対して5〜20質量部であることを特徴とする請求項2に記載の粒子状物質検出センサ素子(1)。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の粒子状物質検出センサ素子(1)を備えることを特徴とする粒子状物質検出センサ(4)。
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