JP2001242124A - ガスセンサ素子及びこれを備えるガスセンサ - Google Patents

ガスセンサ素子及びこれを備えるガスセンサ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造工程における焼成においても、また、使
用時の冷熱間サイクルにおいてもクラックの発生を防止
でき、且つ、固体電解質体の黒化を防止できるガスセン
サ素子及びそれを用いたガスセンサを提供する。 【解決手段】 本体部151と、本体部よりも厚さの薄
い周辺部152とからなる固体電解質体を形成し、この
固体電解質体の周辺部152を抑圧するように上部絶縁
層162を設け、検知電極14bと基準電極14aとの
間の絶縁を図ると同時に、これらの電極間に挟まれる周
辺層152と検知電極14bとが絶縁されたガスセンサ
素子及びこのガスセンサ素子を備えるガスセンサを得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の内燃機
関から排出される排気ガスに含まれる酸素及びNOx等
を検出でき、小型で安価なガスセンサ素子及びこれを用
いたガスセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、筒型の固体電解質体、又は、
板型の固体電解質体を用いるガスセンサ素子(以下、単
に「素子」ともいう)が知られている。このうち、板型
の固体電解質体を備える素子として、アルミナ基体に接
して積層される板型の固体電解質体を備えるものが特開
平7−55758号公報等に開示されている。この様な
ガスセンサ素子においては、被検出ガスに接触する検出
電極と被検出ガスに直接接触しない参照電極とを固体電
解質体の表裏面に各々形成し、これら電極間に発生する
電圧を検出すること、及び、これら電極間に流れる電流
を検出すること、により被検出ガスに含まれる酸素の濃
度等を検出できる。尚、通常、検知電極の被検出ガスに
接触する部分を除く領域を保護するために、この部分に
上接して保護層が形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなガ
スセンサ素子(以下、単に「素子」ともいう)において
は、固体電解質体を介して参照電極から検出電極に電流
を流そうとすると、保護層に被覆された検出電極近傍が
黒色化する黒化(ブラックニング)という現象が生じる
ことが発明者らの調査により判明した。この黒化を生ず
る原因は、保護層に被覆された検出電極近傍では電流を
流そうとしても固体電解質体を伝導する酸素の供給が保
護層によって遮断されるため、固体電解質体中の酸素が
電流を流すために消費されて固体電解質体が還元されて
金属が析出するためであると推測される。
【0004】この問題を解決するものとして、例えば、
ガスセンサ素子を構成する基体の先端にのみ固体電解質
体を形成し、その固体電解質層上の検出電極は多孔質層
で覆い、固体電解質層よりも基端側には絶縁層を形成し
て、残りの検出電極はその絶縁層と保護層の間に埋設す
る形態のガスセンサ素子が特開平8−114574号公
報に開示されている。しかし、この方法では固体電解質
体を構成する材料と基体を構成する材料との間に大きな
熱膨張差を有するため、固体電解質体が基体から剥離す
る方向に応力が発生し、固体電解質体と絶縁層との界面
でクラックを生じ、検出電極や参照電極の断線に到るこ
とが発明者らの調査により判明した。
【0005】本発明は上記問題を解決するものであり、
検出電極近傍における黒化の発生を防止でき、クラック
の発生しないガスセンサ素子及びこのガスセンサ素子を
用いたガスセンサを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題を解
決するために、固体電解質体の一部を直接的又は間接的
に覆うように気密な保護層を形成し、その一方で、保護
層の検知電極被覆部により覆われる検出電極部分と、検
知電極被覆部下に存在する参照電極との間に介在する絶
縁層を配設した。このような保護層を形成することによ
り、通常、固体電解質体が接合される基体から、固体電
解質体が熱膨張差により剥離することを防止できる。更
に、このような絶縁層を形成することにより、固体電解
質体を介して電極間で電流を流す時に検出電極被覆部下
の検知電極と固体電解質体との間で電荷移動が生じず、
また、検出電極被覆部下の参照電極と固体電解質体との
間でも電荷移動が生じない。即ち、この固体電解質体上
を覆う保護層による黒化を防止できる。これにより固体
電解質体は基体から剥離することなく、黒化も生じない
素子が得ることができる。
【0007】本第1発明の素子は、固体電解質体と、該
固体電解質体の一面に接して配設される参照電極と、該
固体電解質体の他面に接して配設され、且つ被検出ガス
に接触する検知電極と、該検知電極の少なくとも一部を
覆い、絶縁性を有し、且つ気密な保護層と、を備えるガ
スセンサ素子において、該固体電解質体の少なくとも一
部が該保護層により直接的又は間接的に覆われ、且つ該
検知電極の一部である該保護層に覆われた検知電極被覆
部に対向して存在する該参照電極と、該検知電極被覆部
と、の間に絶縁層が介在することを特徴とする。
【0008】上記「固体電解質体」は酸素イオン伝導性
を有すればよく、例えば、酸素イオン伝導性を有するジ
ルコニア系焼結体、LaGaO3系焼結体等を使用する
ことができる。上記「保護層」は、固体電解質体に接し
て配設されていても、また、固体電解質体との間に絶縁
層を介して配設されていてもよい。この保護層は固体電
解質体の一部を覆いクラック等の発生を防止すると同時
に検出電極を覆い外気等の環境から保護している。この
保護層は、温度900℃において固体電解質体と比較し
て100倍以上の絶縁性を有することが好ましい。更
に、94%以上の相対密度を有する程度の気密性を有す
ることが好ましい。この保護層はどのように製造されて
もよい。例えば、絶縁性のペーストを印刷・乾燥させた
後、他部と共に一体に焼成して得ることができる。但
し、固体電解質体が基体から剥離しようとする力を抑え
込む程度に強固である必要が有り、未焼成セラミックシ
ートを他部に積層した後、一体に焼成することにより得
ることが好ましい。上記「絶縁層」は温度900℃にお
いて固体電解質体と比較して100倍以上の絶縁性を有
することが好ましい。
【0009】第1発明の素子は、第2発明のように固体
電解質体は本体部と本体部よりも厚さの薄い周辺部を備
え、周辺部上を覆うように上接する上部絶縁層を備え、
且つ上部絶縁層上には検知電極被覆部を備えることが好
ましい。また、第3発明のように固体電解質体は本体部
と本体部よりも厚さの薄い周辺部を備え、周辺部下を支
持するように下接する下部絶縁層を備え、且つ検知電極
被覆部の垂直下に存在する参照電極部分には下部絶縁層
が上接することが好ましい。
【0010】上記「周辺部」は、上記「本体部」の厚さ
の30〜70%であることが好ましく、40〜60%で
あることがより好ましい。また、本体部の厚さは20〜
150μm(より好ましくは30〜100μm)とする
のが好ましい。特に、本体部の厚さを150μm以下と
することによりクラックを十分に防止できる。尚、本体
部及び周辺部の組成は同一であっても異なっていてもよ
い。更に、焼成前に一体であっても別体であってもよ
い。
【0011】この周縁部は、本体部から周辺部にかけて
徐々に薄くなるように形成してもよいが、本体部との境
界において階段状に厚さが薄くなるように形成すること
ができる。階段状に形成する場合は、異なる厚さの未焼
成シートを積層することにより形成することができる。
更に、ペーストを重ねて印刷することで階段状に厚さ変
化させることができる。このように階段状に固体電解質
体を形成することは簡便であり、製造における効率がよ
い。
【0012】特に基準酸素源を形成し、これを十分に保
持することによりガス検出能を発揮する素子において
は、本体部はこの基準酸素源を保持するための気密性を
必要とする。このため、この気密性を確保できる程度の
厚みを必要とする。しかし、ガス検出に供されない固体
電解質体の周辺部は、気密性を確保する必要は無いため
その厚さを薄くできる。このように固体電解質体を主に
ガス検知能を発揮する本体部と、ガス検知能を発揮する
必要のない周辺部とに分け、周辺部の厚さを薄くするこ
とにより固体電解質体の応力集中を分散させることがで
き、クラックの発生を防止できる。
【0013】上記「上部絶縁層」は、通常、絶縁層の一
部により構成され、周辺部の少なくとも一部を抑圧する
ように周辺部に上接して形成される。この上部絶縁層は
通常、周辺部よりも高い絶縁性を有する。上記「下部絶
縁層」は、通常、絶縁層の一部により構成され、周辺部
の少なくとも一部を支持するように周辺部に下接して形
成される。この下部絶縁層は通常、周辺部よりも高い絶
縁性を有する。また、各々同時に両方を備えることもで
きる。従って、上部絶縁層及び下部絶縁層は一体であっ
てもよい。
【0014】検出電極被覆部と電荷の受授が行われる可
能性が高いのは、検知電極被覆部の各点から直線距離で
もっとも近い、検知電極被覆部の直下に存在する参照電
極の各対応する点であると考えられる。このため、この
検知電極被覆部とこれに対応する参照電極との間を、上
部絶縁層により絶縁することより電気的導通は遮断さ
れ、検知電極被覆部が固体電解質体と接していた場合で
あっても、黒化を生じない。更に、上部絶縁層を有さな
いガスセンサ素子では、固体電解質体と基体との熱膨張
率差による変形に伴う力はそれらが剥離するように働
く。このため界面においては剥離の引っ張り応力に耐え
る必要が有ったが、材質の異なる基体の引っ張り力に対
する耐久性は十分ではなく、クラックが生じるものと考
えられる。これに対して、固体電解質体の剥離方向とは
反対側に上部絶縁層を備えることにより、基体と固体電
解質体の界面に働く引っ張り力を低減してクラックの発
生を大幅に防止できる。
【0015】また、上記のように、検知電極被覆部とこ
れに対応する参照電極との間を下部絶縁層により絶縁す
ることにより電気的導通は遮断され、検知電極被覆部が
固体電解質体と接していた場合であっても、黒化を生じ
ないことは上部絶縁層を備える場合に同様である。特
に、これら2つの絶縁層を同時に備える場合はより確実
に黒化及びクラックを防止できる。
【0016】尚、これら上部絶縁層及び下部絶縁層は各
々直接固体電解質体の周辺層と接するため、固体電解質
体に対して十分な絶縁性を有すれば、固体電解質体の組
成と近いことが好ましい。これにより熱膨張差を小さく
できる。具体的は、上部絶縁層及び下部絶縁層は、固体
電解質体を構成する成分を15質量%未満(より好まし
くは10質量%未満)含有させることができる。
【0017】また、第4発明のように、下部絶縁層を備
えない場合、周辺部及び上部絶縁層の合計厚さは本体部
の厚さに等しいことが好ましい。更に、下部絶縁層を備
える場合は、周辺部及び下部絶縁層の合計厚さは、本体
部の厚さに等しいことが好ましい。また、上部絶縁層及
び下部絶縁層の両方を備える場合は、周辺部、上部絶縁
層及び下部絶縁層の合計厚さは、本体部の厚さに等しい
ことが好ましい。但し、各々等しいとは、全く同一であ
るだけでなく、−60〜60%(より好ましくは−40
〜40%)程度の差を生じていてもよい。このように、
周辺部と、上部絶縁層及び/又は下部絶縁層との合計厚
さを本体部の厚さと等しくすることにより応力バランス
が最適化され、クラックの発生を効果的に防止すること
ができる。
【0018】更に、本発明の素子が通常備える基体は、
板状であることが好ましく、且つ、固体電解質体は基体
の一面の少なくとも一部に接して層状に形成されること
が好ましい。本発明の素子は、例えば、特開平7−55
758号公報に開示される積層体を形成する技術を用い
て作製することができる。また、固体電解質体の製造に
おいては、未焼成シートの積層又はペーストの積層印刷
を行うことが好ましい。この場合、これらを積層するこ
ととなる基体は一体の板状であることが好ましい。これ
により特に、製造時の取扱いが容易となる。
【0019】本第1発明〜第4発明のガスセンサ素子
は、第5発明のように、固体電解質体は、基体を構成す
る成分を10〜80質量%(より好ましくは40〜60
質量%)含有することが好ましい。基体を構成する成分
の含有量が80質量%を超えると固体電解質体としての
特性が十分に得られ難く好ましくない。一方、10質量
%以下では熱膨張率差を十分に緩和でき難い。これによ
り熱膨張率差による不具合を一層改善できる。特に、第
6発明のように固体電解質体はジルコニア及びアルミナ
を主成分とし、基体はアルミナを主成分とすることが好
ましい。このようなアルミナを多く含有する固体電解質
体を備えるガスセンサ素子は、安価で高い耐久性を備え
る。
【0020】本第9発明のガスセンサは、第1発明乃至
第6発明のうちのいずれかに記載のガスセンサを備える
ことを特徴とする。このガスセンサは、安価で高い耐久
性を備える。このガスセンサ2の形態は特に限定されな
いが、例えば、主体金具21内に、素子1を配設し、前
方側に配置される検知部を排気管内等に突出するよう
に、主体金具21の外表面に形成された取付ねじ部42
により螺設し、被測定ガス(排気ガス)に曝して使用す
ることができる。(図7参照)本発明のガスセンサは長
期間安定して被検出ガスを検出できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を更に
詳しく説明する。尚、以下では焼成前及び焼成後の各部
を便宜上同じ符号で示す。 [1]周辺部を備え、且つ周辺部上に上部絶縁層を備え
る素子の製造図1を用いて、素子の製造方法を説明す
る。 (1)未焼成アルミナシートの作製 アルミナ粉末(純度99.99%以上、平均粒径0.3
μm)100質量部(以下単に「部」という。)と、ブ
チラール樹脂14部とジブチルフタレート7部を配合
し、トルエン及びメチルエチルケトンとからなる混合溶
媒を用いて混合し、スラリーとした後、ドクターブレー
ド法により厚みと大きさの異なる4種類のグリーンシー
トを作製した。第1グリーンシート11aは厚さ0.4
mm、長さ5cmであり、第2グリーンシート11bは
厚さ0.25mm、長さ5cmであり、第3グリーンシ
ート18aは厚さ0.25mm、長さ4cmであり、第
4グリーンシート18bは厚さ0.4mm、長さ3.5
cmである。尚、焼成後第1グリーンシートは第1基体
11a、第2グリーンシートは第2基体11bとなり、
第3グリーンシートは保護層18a、第4グリーンシー
トは保護層18bとなる。
【0022】(2)ヒータパターンの形成 アルミナ粉末(純度99.99%以上、平均粒径0.3
μm)4部と白金粉末100部を配合した導電層用ペー
ストを、第1グリーンシート11a(焼成後基体の下半
分となる)の一方の面に発熱部パターン12aを印刷・
乾燥させ、その後、ヒータリードパターン12bを印刷
・乾燥させ、ヒータパターン12を形成した(焼成後発
熱抵抗体22となる)。第1グリーンシート11aの基
端付近に発熱抵抗体の導通を取るためのスルーホール1
11aを形成し、裏面のスルーホール111aに対応す
る位置にヒータパッドパターン19aを印刷・乾燥させ
た(焼成後に端子を接続するための電極パッドとな
る)。ヒータパターン12上から第2グリーンシート1
1b(焼成後基体の上半分となる)を積層し、圧着接合
した。
【0023】(3)緩衝層パターンの形成 (2)で作製したセラミック積層体の第2グリーンシー
ト11b上に、アルミナ80部、ジルコニア20部を配
合した緩衝層用ペーストを用いて、緩衝層パターン13
(焼成後緩衝層となる)を40±10μの厚さに印刷・
乾燥させた。 (4)基準電極パターンの形成 (3)で形成した緩衝層パターン上に、(2)で用いた
導電層用ペーストを用いて、電極部パターン141a
(焼成後参照電極部となる)及び電極リード部141b
(焼成後参照電極のリード部となる)からなる参照電極
パターン14a(焼成後参照電極となる)を20μm±
10の厚さに印刷・乾燥させた。
【0024】(5)第1固体電解質層パターンの形成 ジルコニア粉末(純度99.9%以上、平均粒径0.3
μm)50部とアルミナ粉末(純度99.99%以上、
平均粒径0.3mm)50部、ブチルカルビトール3
3.3部、ジブチルフタレート0.8部、分散剤0.5
部及びバインダ20部に所要量のアセトンを加えて、4
時間混合した後、アセトンを蒸発させて、固体電解質層
用ペーストを調合した。この固体電解質用ペーストを参
照電極パターン14aの電極部141aを覆うように第
1グリーンシート(及び第2グリーンシート)の長さ方
向に13mm、厚さ25±10μmに印刷・乾燥させ、
第1固体電解質層パターン15a(焼成後固体電解質体
の本体部の一部及び周辺部となる)を形成した。
【0025】(6)第1絶縁層パターンの形成 (1)で作製したグリーンシートにブチルカルビトール
50部に所要量のアセトンを加えて、4時間混合した
後、アセトンを蒸発させて、絶縁層用ペーストを調整し
た。この絶縁層用ペーストを緩衝層パターン13上であ
り、第1固体電解質層パターン15aが印刷されていな
い部分に25±10μmの厚さで印刷・乾燥させ、第1
絶縁層パターン16aを形成した。焼成後、絶縁層の一
部となる。
【0026】(7)第2固体電解質層パターンの形成 (5)と同じ固体電解質用ペーストを第1固体電解質パ
ターン15aの上から先端位置を揃えて長さ8mm、2
5±10μmの厚さに印刷・乾燥させ、第2固体電解質
層パターン15b(焼成後固体電解質体の一部となる)
を形成した。即ち、焼成後本体部となる厚さ50μmの
部分と焼成後周縁部となる厚さ25μmの部分とを備え
る。
【0027】(8)第2絶縁層パターンの形成 (6)と同じ絶縁層用ペーストを第2固体電解質層パタ
ーンが形成されていない第1絶縁層パターン16a上に
厚さ25±10μmに印刷・乾燥させ、第2絶縁層パタ
ーン16b(焼成後絶縁層の一部となり、特に、第1固
体電解質パターン上部分は焼成後に上部絶縁層162と
なる)を形成した。
【0028】(9)検知電極パターンの形成 (7)〜(8)で形成した第2固体電解質層パターン1
5bと第2絶縁層パターン16bの上に、(2)で調整
した導電層用ペーストを用いて、焼成後に検知電極とな
る電極部パターン141a(焼成後検知電極部となる)
及び電極リード部パターン142b(焼成後検知電極リ
ード部となる)からなる検知電極パターン14bを20
±10μmの厚さに印刷・乾燥させた。 (10)多孔質層パターンの形成 (6)と同じ絶縁層用ペーストに、平均粒径50μmの
樹脂粉末を混合し、多孔質層用ペーストを調整し、第2
固体電解質層パターン17b上に長さ10mm、厚さ5
0±20μmに印刷・乾燥させ、多孔質層パターン17
(焼成後多孔質層となる)を形成した。 (11)第3及び第4グリーンシートの積層 (10)で形成した多孔質層パターンを除く部分を覆う
ように、第3グリーンシート118a、第4グリーンシ
ート18b(焼成後各々保護層の一部となる)を積層し
た。
【0029】(12)脱脂及び焼成 (1)〜(11)で得られた積層体を、大気雰囲気にお
いて、室温から420℃まで昇温速度10℃/時間で昇
温させ、2時間保持し、有機バインダーの脱脂処理を行
った。その後、大気雰囲気において、1100℃まで昇
温速度100℃/時間で昇温させ、更に、1520℃ま
で昇温速度60℃/時間で昇温させ、1時間保持し焼成
を行い、図2に示すような固体電解質体が本体部及び周
辺部を備え、且つ上部絶縁層により固体電解質体と検知
電極リード部が離間されたガスセンサ素子300個を得
た。
【0030】[2]下部絶縁層を備える素子の製造 [1]の(7)、(8)の工程に準じて、第1固体電解
質パターン15aを形成・乾燥後、第1絶縁層パターン
16a(一部が下部絶縁層163となる)を形成・乾燥
させた。次いで、第1固体電解質パターン15aよりも
面積の広い第2固体電解質層パターン15b(一部が周
辺層162となる)を、第1固体電解質パターン上に形
成・乾燥させ、更に、第2絶縁層パターン16bを形成
・乾燥させた。その他は、[1]と同様にして、素子を
300個得た。(図3参照)
【0031】[3]上部絶縁層及び下部絶縁層を備える
ガスセンサ素子の製造 [1]の(7)、(8)の工程に準じて、第1固体電解
質パターン15aを形成・乾燥後、第1絶縁層パターン
16a(一部が下部絶縁層163となる)を形成・乾燥
させた。次いで、第1固体電解質パターン15aよりも
面積の広い第2固体電解質層パターン15b(一部が周
辺層162となる)を、第1固体電解質パターン上に形
成・乾燥させ、更に、第2絶縁層パターン16bを形成
・乾燥させた。その後、更に、図1には図示しない第2
固体電解質パターンよりも面積の狭い第3固体電解質パ
ターンを形成・乾燥させ、更に、第3絶縁層パターン
(一部が上部絶縁層162となる)を形成・乾燥させ
た。その他は、[1]と同様にして、素子を300個得
た。(図4参照)
【0032】[4]周辺部を備えない素子の製造1 [1]の(7)、(8)の工程で、第2固体電解質層パ
ターン15bの大きさを第1固体電解質パターン15a
にそろえ、第2絶縁層パターン16bの大きさを第1絶
縁層パターン16aにそろえ、保護層下に固体電解質体
が形成されないようにした他は、[1]と同様にして、
素子を300個得た。(図5参照) [5]周辺部を備えない素子の製造2 [1]の(7)、(8)の工程で、第2固体電解質層パ
ターン15bの大きさを第1固体電解質パターン15a
にそろえ、第2絶縁層パターン16bの大きさを第1絶
縁層パターン16aにそろえ、保護層下に固体電解質体
が形成されるようにした他は、[1]と同様にして、素
子を300個得た。(図6参照)
【0033】[6]焼成によるクラック等の発生率の評
価 [1]〜[5]で得られた素子1500個を、少なくと
も固体電解質体部分が完全に浸漬される様に水中に沈
め、参照電極と水の間の抵抗値を測定してクラックの有
無を評価した。この結果、[4]で得られた周辺部を備
えない素子では固体電解質体と絶縁層との間(図5のT
の位置)でクラックを生じているものが183個見出さ
れた。即ち、クラックの発生率は60%であった。一
方、[4]を除く素子ではクラックは全く発生せず、ク
ラックの発生率は0%であった。
【0034】[7]黒化耐久試験 [1]〜[5]で得られた素子で、[6]の試験でクラ
ックの発生していないと評価された素子を用いて、抵抗
発熱体に14Vの電圧を印加し、固体電解質体の温度が
800℃以上に加熱・保持し、参照電極から検知電極に
10μAの電流を通電して、100時間保持した。その
結果、[5]の素子では300個全てにに黒化が認めら
れた。一方、[1]〜[3]で得られた素子では全く認
められなかった。この結果より、本発明の素子は焼成時
にクラックが発生せず、黒化に対しても高い耐久性を備
えることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスセンサ素子の製造工程を説明する
解説図である。
【図2】本発明のガスセンサ素子の一例の横断面図であ
る。
【図3】本発明のガスセンサ素子の他例の横断面図であ
る。
【図4】本発明のガスセンサ素子の更に他例の横断面図
である。
【図5】本発明の範囲外のガスセンサ素子の一例の横断
面図である。
【図6】本発明の範囲外のガスセンサ素子の一例の横断
面図である。
【図7】本発明のガスセンサの断面図である。
【符号の説明】
1;ガスセンサ素子、11a;第1基体、11b;第2
基体、111;スルーホール、12;発熱抵抗体、12
1;発熱部、122;ヒータリード部、13;緩衝層、
14a;基準電極、14b;検知電極、15;固体電解
質層、151;本体層、152;周辺層、16a;第1
絶縁層、16b;第2絶縁層、162;上部絶縁層、1
63;下部絶縁層、17;多孔質層、18;第1保護
層、18b第2保護層、2;ガスセンサ、21:主体金
具、211;主体金具ねじ部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳 邦夫 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 Fターム(参考) 2G004 BB04 BE01 BF01 BF06 BM07 5G301 CA02 CA12 CA28 CD01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体電解質体と、該固体電解質体の一面
    に接して配設される参照電極と、該固体電解質体の他面
    に接して配設され、且つ被検出ガスに接触する検知電極
    と、該検知電極の少なくとも一部を覆い、絶縁性を有
    し、且つ気密な保護層と、を備えるガスセンサ素子にお
    いて、該固体電解質体の少なくとも一部が該保護層によ
    り直接的又は間接的に覆われ、且つ該検知電極の一部で
    ある該保護層に覆われた検知電極被覆部に対向して存在
    する該参照電極と、該検知電極被覆部と、の間に絶縁層
    が介在することを特徴とするガスセンサ素子。
  2. 【請求項2】 上記固体電解質体は本体部と該本体部よ
    りも厚さの薄い周辺部を備え、該周辺部上を覆うように
    上接する上部絶縁層を備え、且つ該上部絶縁層上には上
    記保護層を備える請求項1記載のガスセンサ素子。
  3. 【請求項3】 上記固体電解質体は本体部と該本体部よ
    りも厚さの薄い周辺部を備え、該周辺部下を支持するよ
    うに下接する下部絶縁層を備え、且つ上記検知電極被覆
    部の垂直下に存在する上記参照電極部分には該下部絶縁
    層が上接する請求項1又は2記載のガスセンサ素子。
  4. 【請求項4】 上記周辺部と、上記上部絶縁層及び/又
    は上記下部絶縁層と、の合計厚さが上記本体部の厚さに
    等しい請求項2又は3記載のガスセンサ素子。
  5. 【請求項5】 上記固体電解質体は、絶縁性を有する基
    体上に配設され、該固体電解質体は、該基体を構成する
    成分を10〜80%含有する請求項1乃至4のうちのい
    ずれか1項に記載のガスセンサ素子。
  6. 【請求項6】 上記固体電解質体は、ジルコニア及びア
    ルミナを主成分とし、上記基体はアルミナを主成分とす
    る請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載のガスセ
    ンサ素子。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記
    載のガスセンサ素子を備えることを特徴とするガスセン
    サ。
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