JP2017190986A - ガスセンサ素子及びガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】被測定ガスの雰囲気の変化に伴ってセルの起電力が急激に変化してガスの検出精度が低下することを抑制すると共に、固体電解質体の特性劣化を抑制し、さらにポンピング性能の低下を抑制したガスセンサ素子及びガスセンサを提供する。【解決手段】絶縁層129の貫通孔に固体電解質体129sを充填してなる複合層と、固体電解質体の表面に形成され固体電解質体よりも内側に配置された一対の電極110aと、一対の電極に接続される一対のリード部110bとを有する酸素ポンプセルと、測定室と、ヒータと、を有し、酸素ポンプセルが被測定ガス中の酸素の汲み入れ又は汲み出しを行うガスセンサ素子であって、リード部は、電極より幅狭であり、少なくとも一方のリード部のうち、ヒータの加熱により電極が達する最高温度よりも10%以上低温となるリード部の部位Rは、絶縁層に接している。【選択図】図4

Description

本発明は、例えば燃焼器や内燃機関等の燃焼ガスや排気ガス中に含まれる特定ガスのガス濃度を検出するのに好適に用いられるガスセンサ素子及びガスセンサに関する。
従来から、内燃機関の排気ガス中の特定成分(酸素、NO等)の濃度を検出するガスセンサが用いられている(特許文献1、2)。特許文献1、2記載のガスセンサは自身の内部にガスセンサ素子を有し、ガスセンサ素子は、固体電解質層の両面に一対の電極を形成してなるセルを有している。例えば特許文献2記載のガスセンサの場合、図12に示すようにガスセンサ素子1000は2つのセル1300、1400を有している。
このうち、セル1400は固体電解質層1090の両面に形成された電極1080、1100を有し、電極1100は多孔質層1130を介して外部との間で排気ガス中の酸素の汲み出し又は汲み入れを行う酸素ポンプセルとなっている。一方、セル1300は、測定室1070に面して測定室1070内の排気ガス中の酸素濃度に応じた出力電圧(起電力)を出力する酸素濃度検出セルとなっている。そして、この出力電圧が一定となるように酸素ポンプセル1400に電圧(Vp電圧)を印加してポンプ電流Ipを流し、該ポンプ電流Ipに応じた排気ガス中の酸素濃度を検出するようになっている。
さらに、各電極は、電極部と、電極部に電気的に接続されて軸線方向(図12の紙面方向)に延びる電極リード部とを備えている。そして、特許文献1、2記載のガスセンサは、電極リード部と固体電解質層との間に絶縁層を配置することで、ブラックニングと称される固体電解質層の特性劣化や、固体電解質層のクラック発生を防止している。ブラックニングは、固体電解質層を介して電極反応が生じている状態で、固体電解質層に酸素不足が生じて固体電解質層中の金属酸化物が還元される現象である。ブラックニングが生じると、固体電解質層の特性(イオン伝導性)が劣化し、セルの酸素ポンピング性能が低下する。又、固体電解質層に酸素不足が生じることで固体電解質層が脆くなり、クラック(亀裂)が生じる場合がある。
特許第4166403号公報 特許第5374529号公報
ところで、固体電解質層のブラックニングやクラックを防止する観点からは、電極リード部の全てを固体電解質層から絶縁することが好ましい。しかしながら、一般に電極部と電極リード部とは、電極材料のペーストを固体電解質層や絶縁層の表面に印刷し焼成して形成される。このため、電極部との境界まで電極リード部を絶縁しようとすると、印刷ズレによって電極部の一部が絶縁層表面に重なって形成されてしまい、電極部の有効面積が減少してセルの性能(酸素のポンピング性能)を損なうおそれがある。
このため、電極部と絶縁層との間には印刷ズレを考慮した間隔が必要となるが、この間隔が大き過ぎると、電極リード部の絶縁が不十分となって上述のブラックニングやクラックが発生してしまう。
一方、図13に示すように、酸素ポンプセルにおいて、測定室1070内の排気ガス中の空燃比(A/F)がリッチからリーンに変化した場合、λセンサである酸素濃度検出セル1300の出力電圧は急激に変化し、それに応じて酸素ポンプセル1400に印加されるVp電圧も急激に変化する。すると、酸素ポンプセル1400から出力されるポンプ電流Ipにオーバーシュート現象(リップル(Ripple)現象)と称される余分な脈動電流Riが重畳され、酸素濃度の検出値が不正確になるという問題がある。
この原因は、図14に示すように、酸素ポンプセル1400の固体電解質層1090と電極1100との間にコンデンサ回路が形成され、コンデンサの電極間の電圧(Vp電圧)が時間的に変化すると、それに比例してコンデンサの電極間の電荷が時間的に変化して電流が流れ出すためと考えられる。つまり、このコンデンサ回路におけるコンデンサの容量Cと、コンデンサの電荷の変化ΔQと、コンデンサの電極間のVp電圧の変化ΔVpとは、次式(1)の関係にある。
ΔQ=C×ΔVp (1)
ΔQ=Riであるから、
Ri=C×ΔVp (2)
となる。式(2)より、Vp電圧の時間変化であるΔVpを小さくするほど、脈動電流(オーバーシュート電流)Riを低減することになる。
一方、図15に示すように、排気ガス中の空燃比(A/F)がストイキ点を跨がないときには、酸素濃度検出セル1300の出力電圧、ひいてはVp電圧は急激に変化しないので、ポンプ電流Ipに脈動電流Riは重畳されない。
そして、固体電解質層1090と電極(電極リード部を含む)1100との間のコンデンサ回路の容量は温度が低くなるほど大きく、そこに溜まる電荷の量も大きくなる。このため、ΔVpが掛かり続ける時間が長くなり、ひいてはRiも大きくなる。
そこで、本発明は、被測定ガスの雰囲気の変化に伴ってセルの起電力が急激に変化してガスの検出精度が低下することを抑制すると共に、固体電解質体の特性劣化を抑制し、さらにポンピング性能の低下を抑制したガスセンサ素子及びガスセンサの提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のガスセンサ素子は、絶縁層に設けられた貫通孔に固体電解質体を充填してなる複合層と、前記固体電解質体の表面に形成され前記固体電解質体の積層方向の境界よりも内側に配置された一対の電極と、前記一対の電極に電気的に接続されて軸線方向に延びる一対のリード部とを有する酸素ポンプセルと、前記複合層と間隔を開けて積層される他部材との間に区画され外部から被測定ガスを導入する測定室と、前記複合層の積層方向に配置され前記酸素ポンプセルを加熱するヒータと、を有し、前記軸線方向に延びると共に、前記酸素ポンプセルが前記測定室に導入される被測定ガス中の酸素の汲み入れ又は汲み出しを行うガスセンサ素子であって、前記リード部は、前記電極より幅狭であり、少なくとも一方の前記リード部のうち、前記ヒータの加熱により前記電極部が達する最高温度よりも10%以上低温となる前記リード部の部位は、前記絶縁層に接していることを特徴とする。
酸素ポンプセルにおいて、測定室内の排気ガス中の空燃比(A/F)がストイキ点を跨いでリッチからリーンに変化した場合、酸素ポンプセルの固体電解質体とリード部を含む電極との間にコンデンサ回路が形成され、ポンプ電流にオーバーシュート現象(リップル(Ripple)現象)と称される余分な脈動電流が重畳され、ガスの検出精度が低下する。従って、脈動電流を抑制する観点からは、リード部の全てを固体電解質体から絶縁することが好ましいが、一般に電極及びリード部は印刷で形成されるため、印刷ズレによって電極及びリード部の一部が絶縁層表面に重なり、電極及びリード部の有効面積が減少してセルの性能(酸素のポンピング性能)を損なうおそれがある。
そこで、リード部のうち、電極が達する最高温度よりも10%以上低温となる部位を少なくとも絶縁するようにすれば、印刷ズレを考慮して電極と絶縁層との間隔を適度に保ちつつ、オーバーシュート現象が生じるレベルとなるリード部の低温部を確実に絶縁することができる。
これにより、被測定ガスの雰囲気の変化に伴ってセルの起電力が急激に変化してガスの検出精度が低下するオーバーシュート現象を抑制できると共に、固体電解質体の特性劣化を抑制し、さらに電極の有効面積が減少してポンピング性能が低下することも抑制できる。
又、本発明のガスセンサ素子は、板状の固体電解質体と前記固体電解質体の表面に配置された一対の電極と前記一対の電極に電気的に接続されて軸線方向に延びる一対のリード部とを有する酸素ポンプセルと、前記固体電解質体と、該固体電解質体と間隔を開けて積層される他部材との間に区画され外部から被測定ガスを導入する測定室と、前記固体電解質体の積層方向に配置され前記酸素ポンプセルを加熱するヒータと、を有し、軸線方向に延びると共に、前記酸素ポンプセルが前記測定室に導入される被測定ガス中の酸素の汲み入れ又は汲み出しを行うガスセンサ素子であって、前記リード部は、前記電極より幅狭であり、少なくとも一方の前記リード部のうち、前記ヒータの加熱により前記電極部が達する最高温度よりも10%以上低温となる前記リード部の部位と、前記固体電解質体との間に少なくとも絶縁層が配置され、かつ前記リード部の前記軸線方向先端部は、前記絶縁層よりも先端に位置することを特徴とする。
このガスセンサ素子によれば、リード部のうち、電極が達する最高温度よりも10%以上低温となる部位を少なくとも絶縁するようにすれば、印刷ズレを考慮して電極と絶縁層との間隔を適度に保ちつつ、オーバーシュート現象が生じるレベルとなるリード部の低温部を確実に絶縁することができる。
またこのガスセンサ素子によれば固体電解質体を充填する絶縁層を利用してリード部の絶縁を図る事ができる。
これにより、被測定ガスの雰囲気の変化に伴ってセルの起電力が急激に変化してガスの検出精度が低下するオーバーシュート現象を抑制できると共に、固体電解質体の特性劣化を抑制し、さらに電極の有効面積が減少してポンピング性能が低下することも抑制できる。
本発明のガスセンサは、被測定ガス中の特定ガスを検出するガスセンサ素子と、該ガスセンサ素子を保持する主体金具と、を備えるガスセンサであって、前記ガスセンサ素子として、請求項1又は2に記載のガスセンサ素子を備える。
この発明によれば、被測定ガスの雰囲気の変化に伴ってガスセンサのセルの起電力が急激に変化してガスの検出精度が低下することを抑制すると共に、固体電解質体の特性劣化を抑制し、さらにポンピング性能の低下を抑制することができる。
本発明の第1の態様の実施形態に係るガスセンサ(酸素センサ)の長手方向に沿う断面図である。 ガスセンサ素子の模式分解斜視図である。 酸素ポンプセルの電極と複合層との位置関係を示す積層方向から見た平面図である。 図3のA−A線に沿う部分断面図である。 本発明の第2の態様の実施形態に係るガスセンサにおけるガスセンサ素子の模式分解斜視図である。 酸素ポンプセルの電極と絶縁層との位置関係を示す積層方向から見た平面図である。 図6のB−B線に沿う部分断面図である。 排気ガスのλ(空燃比)をストイキ点を跨いで所定の周波数で切り替えたとき、センサ出力と、ガスの雰囲気λとの比(応答強度)を示す図である。 排気ガスのλ(空燃比)をストイキ点を跨がずに所定の周波数で切り替えたとき、センサ出力と、ガスの雰囲気λとの比(応答強度)を示す図である。 図8の応答強度を図9の応答強度で除したオーバーシュート割合と、周波数との関係を示す図である。 最高温度に対する温度差(%)と、オーバーシュート割合との関係を示す図である。 従来のガスセンサにおけるセンサ素子の軸線方向に直交する断面図である。 ガス中の空燃比(A/F)をリッチからリーンに変化させたときの、酸素酸素ポンプセルのポンプ電流Ipの時間変化を示す図である。 酸素酸素ポンプセルの等価回路を示す図である。 排気ガス中の空燃比(A/F)ががストイキ点を跨がないときの、酸素酸素ポンプセルのポンプ電流Ipの時間変化を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は本発明の第1の態様の実施形態に係るガスセンサ(酸素センサ)1の長手方向(軸線L方向)に沿う断面図、図2はガスセンサ素子100の模式分解斜視図である。
図1に示すように、ガスセンサ1は、ガスセンサ素子100、ガスセンサ素子100等を内部に保持する主体金具(ハウジング)30、主体金具30の先端部に装着されるプロテクタ24等を有している。ガスセンサ素子100は軸線L方向に延びるように配置されている。
ガスセンサ素子100は、ヒータ200と検出素子部300とを備える。
ヒータ200は、図2に示すように、アルミナを主体とする第1基体101及び第2基体103と、第1基体101と第2基体103とに挟まれ、白金を主体とする発熱体102を有している。発熱体102は、先端側に位置する発熱部102aと、発熱部102aから第1基体101の長手方向に沿って延びる一対のヒータリード部102bとを有している。そして、ヒータリード部102bの端末は、第1基体101に設けられるヒータ側スルーホール101aに形成された導体を介してヒータ側パッド120と電気的に接続している。第1基体101及び第2基体103を積層したものが絶縁セラミック体にあたる。
検出素子部300は、酸素濃度検出セル130と酸素ポンプセル140との2つのセルを備える。酸素濃度検出セル130は、絶縁層125及び第1固体電解質層125sと、その第1固体電解質層125sの両面に形成された第1電極104a及び第2電極106aとを有する。
このように、本実施形態では、絶縁層125のうち、第1電極104a、第2電極106aに対向する位置がくり抜かれて第1固体電解質層125sが埋め込まれていると共に、後端側にスルーホール125aが設けられている。
第1電極104aには、絶縁層125の長手方向に沿って延びる第1リード部104bが電気的に接続されている。第2電極106aには、絶縁層125の長手方向に沿って延びる第2リード部106bが電気的に接続されている。
第1電極104a及び第1リード部104bを合わせて第1電極部104とし、第2電極106a及び第2リード部106bを合わせて第2電極部106とする。
そして、第1リード部104bの端末は、第1固体電解質層125sに設けられる第1スルーホール125a、後述する測定室絶縁層107に設けられる第2スルーホール107a、絶縁層129に設けられる第4スルーホール129a及び絶縁保護層111に設けられる第6スルーホール111aのそれぞれに形成される導体を介して検出素子側パッド121と電気的に接続する。一方、第2リード部106bの端末は、後述する測定室絶縁層107に設けられる第3スルーホール107b、絶縁層129に設けられる第5スルーホール129b及び絶縁保護層111に設けられる第7スルーホール111bのそれぞれに形成される導体を介して検出素子側パッド121と電気的に接続する。
一方、酸素ポンプセル140は、絶縁層129及び第2固体電解質層129sと、その第2固体電解質層129sの両面に形成された第3電極108a、第4電極110aとを有する。
このように、本実施形態では、絶縁層129のうち、第3電極部108a、第4電極部110aに対向する位置がくり抜かれて第2固体電解質層129sが埋め込まれていると共に、後端側にスルーホール129a、129bが設けられている。
第3電極108aには、絶縁層129の長手方向に沿って延びる第3リード部108bが電気的に接続されている。第4電極110aには、絶縁層129の長手方向に沿って延びる第4リード部110bが電気的に接続されている。
第3電極108a及び第3リード部108bを合わせて第3電極部108とし、第4電極110a及び第4リード部110bを合わせて第4電極部110とする。
そして、第3リード部108bの端末は、第2固体電解質層129sに設けられる第5スルーホール129b及び絶縁保護層111に設けられる第7スルーホール111bのそれぞれに形成される導体を介して検出素子側パッド121と電気的に接続する。一方、第4リード部110bの端末は、後述する絶縁保護層111に設けられる第8スルーホール111cに形成される導体を介して検出素子側パッド121と電気的に接続する。なお、第2リード部106bと第3リード部108bは同電位となっている。
このように、第2固体電解質層129s、第1固体電解質層125sはそれぞれ四辺を有する絶縁層129,125の貫通孔に埋め込まれており、ガスセンサ素子100は、固体電解質層を複合層として絶縁層内に埋め込んだ構成になっている。
ている。又、第2固体電解質層129sは、第3電極108a、第4電極110aの積層方向の重なり部分よりも外側にはみ出すような寸法とされている。同様に、第1固体電解質層125sは、第1電極104a、第2電極106aの積層方向の重なり部分よりも外側にはみ出すような寸法とされている。
第2固体電解質層129sが特許請求の範囲の「固体電解質体」に相当し、第3電極108a、第4電極110aが特許請求の範囲の「電極」に相当する。
第3リード部108b、第4リード部110bが特許請求の範囲の「リード部」に相当する。
又、絶縁層129及び第2固体電解質層129sが特許請求の範囲の「複合層」に相当する。絶縁層125及び第1固体電解質層125sが特許請求の範囲の「他部材」に相当する。
これら第1固体電解質層125s、第2固体電解質層129s、及び後述する固体電解質層105,109は、ジルコニア(ZrO)に安定化剤としてイットリア(Y)又はカルシア(CaO)を添加してなる部分安定化ジルコニア焼結体から構成されている。
発熱体102、第1電極104a、第2電極106a、第3電極108a、第4電極110a、ヒータ側パッド120及び検出素子側パッド121は、白金族元素で形成することができる。これらを形成する好適な白金族元素としては、Pt、Rh、Pd等を挙げることができ、これらはその一種を単独で使用することもできるし、又二種以上を併用することもできる。
もっとも、発熱体102、第1電極104a、第2電極106a、第3電極108a、第4電極110a、ヒータ側パッド120及び検出素子側パッド121は、耐熱性及び耐酸化性を考慮するとPtを主体にして形成することがより一層好ましい。さらに、発熱体102、第1電極104a、第2電極106a、第3電極108a、第4電極110a、ヒータ側パッド120及び検出素子側パッド121は、主体となる白金族元素の他にセラミック成分を含有することが好ましい。このセラミック成分は、固着という観点から、積層される側の主体となる材料(例えば、第1固体電解質層125s、第2固体電解質層129s、及び後述する固体電解質層105,109の主体となる成分)と同様の成分であることが好ましい。
そして、上記酸素ポンプセル140と酸素濃度検出セル130との間に、測定室絶縁層107が形成されている。測定室絶縁層107は、絶縁部114と拡散律速部115とからなる。この測定室絶縁層107の絶縁部114には、第2電極106a及び第3電極108aに対応する位置に中空の測定室107cが形成されている。この測定室107cは、測定室絶縁層107の幅方向で外部と連通しており、該連通部分には、外部と測定室107cとの間のガス拡散を所定の律速条件下で実現する拡散律速部115が配置されている。
絶縁部114、絶縁層117a〜117d、及び絶縁層125、129は、絶縁性を有するセラミック焼結体であれば特に限定されなく、例えば、アルミナやムライト等の酸化物系セラミックを挙げることができる。
拡散律速部115は、アルミナからなる多孔質体である。この拡散律速部115によって検出ガスが測定室(ガス検出室)107cへ流入する際の律速が行われる。
また、第2固体電解質層129sの表面には、第4電極部110を挟み込むようにして、絶縁保護層111が積層されている。この絶縁保護層111の先端側には、第4電極110aを取り囲むように略矩形の貫通孔112aが設けられ、貫通孔112aには多孔質層113aが埋設されている。多孔質層113aは第4電極110aを覆い、第4電極110aを被毒から防御すると共に、外部に露出して第4電極110aと外部との間で多孔質層113aを介してガスが出入可能になっている。
なお、本実施の形態のガスセンサ素子100は、酸素濃度検出セル130の電極間に生じるVs電圧(起電力)が所定の値(例えば、450mV)となるように、酸素ポンプセル140の電極間に流れる電流(Ip電流)の方向及び大きさが調整され、酸素ポンプセル140に流れるIp電流に応じた被測定ガス中の酸素濃度をリニアに検出する酸素センサ素子に相当する。
又、図1に示すように、ガスセンサ素子100の先端側の全周を覆う多孔質保護層20が設けられている。
絶縁保護層111は、例えば絶縁性を有するセラミック焼結体を用いることができ、アルミナやムライト等の酸化物系セラミックを例示することができる。
多孔質層113aとしては、アルミナ等やムライト等のセラミックからなる多孔質体を例示することができる。多孔質層113aは、例えば上記セラミックとカーボン粒子の混合ペーストを焼成する際に、カーボンを焼失させて製造することができる。
図1に戻り、主体金具30は、SUS430製のものであり、ガスセンサを排気管に取り付けるための雄ねじ部31と、取り付け時に取り付け工具をあてがう六角部32とを有している。また、主体金具30には、径方向内側に向かって突出する金具側段部33が設けられており、この金具側段部33はガスセンサ素子100を保持するための金属ホルダ34を支持している。そしてこの金属ホルダ34の内側にはセラミックホルダ35、滑石36が先端側から順に配置されている。この滑石36は金属ホルダ34内に配置される第1滑石37と金属ホルダ34の後端に渡って配置される第2滑石38とからなる。金属ホルダ34内で第1滑石37が圧縮充填されることによって、ガスセンサ素子100は金属ホルダ34に対して固定される。また、主体金具30内で第2滑石38が圧縮充填されることによって、ガスセンサ素子100の外面と主体金具30の内面との間のシール性が確保される。そして第2滑石38の後端側には、アルミナ製のスリーブ39が配置されている。このスリーブ39は多段の円筒状に形成されており、軸線に沿うように軸孔39aが設けられ、内部にガスセンサ素子100を挿通している。そして、主体金具30の後端側の加締め部30aが内側に折り曲げられており、ステンレス製のリング部材40を介してスリーブ39が主体金具30の先端側に押圧されている。
また、主体金具30の先端側外周には、主体金具30の先端から突出するガスセンサ素子100の先端部を覆うと共に、複数のガス取り入れ孔24aを有する金属製のプロテクタ24が溶接によって取り付けられている。このプロテクタ24は、二重構造をなしており、外側には一様な外径を有する有底円筒状の外側プロテクタ41、内側には後端部42aの外径が先端部42bの外径よりも大きく形成された有底円筒状の内側プロテクタ42が配置されている。
一方、主体金具30の後端側には、SUS430製の外筒25の先端側が挿入されている。この外筒25は先端側の拡径した先端部25aを主体金具30にレーザ溶接等により固定している。外筒25の後端側内部には、セパレータ50が配置され、セパレータ50と外筒25の隙間に保持部材51が介在している。この保持部材51は、後述するセパレータ50の突出部50aに係合し、外筒25を加締めることにより外筒25とセパレータ50とにより固定されている。
また、セパレータ50には、検出素子部300やヒータ200用のリード線11〜15を挿入するための通孔50bが先端側から後端側にかけて貫設されている(なお、リード線14、15については図示せず)。通孔50b内には、リード線11〜15と、検出素子部100の検出素子側パッド121及びヒータ200のヒータ側パッド120とを接続する接続端子16が収容されている。各リード線11〜15は、外部において、図示しないコネクタに接続されるようになっている。このコネクタを介してECU等の外部機器と各リード線11〜15とは電気信号の入出力が行われることになる。また、各リード線11〜15は詳細に図示しないが、導線を樹脂からなる絶縁皮膜にて披覆した構造を有している。
さらに、セパレータ50の後端側には、外筒25の後端側の開口部25bを閉塞するための略円柱状のゴムキャップ52が配置されている。このゴムキャップ52は、外筒25の後端内に装着された状態で、外筒25の外周を径方向内側に向かって加締めることにより、外筒25に固着されている。ゴムキャップ52にも、リード線11〜15をそれぞれ挿入するための通孔52aが先端側から後端側にかけて貫設されている。
次に、図3、図4を参照し、第4電極110a及び第4リード部110bと、絶縁層129及び第2固体電解質層129sからなる複合層との位置関係について説明する。
図3は、第4電極110aと複合層との位置関係を示す積層方向から見た平面図、図4は図3のA−A線に沿う部分断面図である。
第4電極110aは、ヒータ200の発熱部102aと積層方向に重なる位置にあり(図2参照)、ヒータ200の加熱により第4電極110aのほぼ中心が最高温度に達する。一方、第4リード部110bは、第4電極110aに一体に接続されて長手方向に延びるため、第4電極110aから遠ざかるにつれ、その温度が上記最高温度から低下する。
そこで、上記最高温度よりも10%以上低温となる第4リード部110bの部位を符号Rで示すと、部位Rは、絶縁層129に接している一方で、長手方向に第2固体電解質層129sと離間している。さらに、本実施形態では、部位Rを超えて第4電極110a側にも絶縁部材129が延びている。
このように、第4電極110aが達する最高温度よりも10%以上低温となる部位Rを少なくとも絶縁するようにすれば、印刷ズレを考慮して第4電極110aと絶縁層129との間隔を適度に保ちつつ、オーバーシュート現象が生じるレベルの第4リード部110bの低温部を確実に絶縁することができる。
これにより、被測定ガスの雰囲気の変化に伴ってセルの起電力が急激に変化してガスの検出精度が低下するオーバーシュート現象を抑制できると共に、固体電解質層の特性劣化を抑制し、さらに第4電極110aの有効面積が減少してポンピング性能が低下することも抑制できる。
なお、実際には、上記印刷ズレのため部位Rを丁度絶縁することは困難であるから、長手方向に部位Rと印刷ズレを考慮した間隔Sを開けて第4電極110aの後端が位置するよう、第4電極110aの印刷位置を設定する。これにより、印刷ズレが生じても間隔S内のいずれかの位置に第4電極110aの後端が配置され、第4電極110aが最高温度よりも10%以上低温となる部位Rから離れ過ぎず適度な間隔を保ち、この部位Rに確実に絶縁層129が介在するようになる。
一方、第4リード部110bについては、印刷ズレが生じても第4電極110aと確実に重なるよう、第4電極110aとの長手方向の重なり部分を多めに設定すればよい。本実施例では、第4リード部110bの先端部が絶縁層129の先端よりも先端に位置(図中の上方が軸線方向先端側)し、第4電極110a上まで延びている事で、第4電極110aと第4リード部110bとを確実に接続できる。
ここで、従来のガスセンサにおいても、印刷ズレによって偶然に最高温度よりも10%以上低温となる部位Rに絶縁層が介在することはあるかも知れないが、大量生産するガスセンサのうちの一部に過ぎず、それ以外のガスセンサを廃棄することになるから、現実的な工業生産はできない。
又、酸素ポンプセル140を構成する第3電極108a、第4電極110aのうち、少なくとも一方の電極について、部位Rに絶縁層129が配置されていればよいが、本実施形態では、第3電極108a、第4電極110aの両電極について部位Rに絶縁層129が配置されている。つまり、第3電極108aにおいて、絶縁層129は、第3電極108aの最高温度よりも10%以上低温となる第3リード部108bの部位Rと、第2固体電解質層129との間に少なくとも配置されている。さらに、部位Rを超えて第3電極108a側に向かって絶縁層129が延びている。
さらに、本実施形態では、酸素濃度検出セル130を構成する第2電極106a、第1電極104aについても、各リード部の部位Rと、第1固体電解質層125sとの間に少なくとも絶縁層125が配置されている。
なお、図3、図4では、理解を助けるために第4電極110aと第4リード部110bとを区別して表示したが、実際には第4電極110aと第4リード部110bとは一体になって第4電極部110を構成しているので、長手方向に垂直な方向の幅を見たとき、第4電極110aの最大幅の1/2以下の幅を、自身の最大幅とする幅狭の部分を第4リード部110bとする。他のリード部も同様である。
次に、図5〜図7を参照し、本発明の第2の態様の実施形態に係るガスセンサ(酸素センサ)について説明する。なお、本発明の第2の態様の実施形態に係るガスセンサは、ガスセンサ素子以外の構成は第1の態様の実施形態に係るガスセンサ1と同様であるので、ガスセンサ全体の構成についての説明を省略する。
図5は本発明の第2の態様の実施形態に係るガスセンサが有するガスセンサ素子100Bの模式分解斜視図、図6は酸素ポンプセル100Bの第4電極110と絶縁層117aとの位置関係を示す積層方向から見た平面図、図7は図6のB−B線に沿う部分断面図である。
図5において、ガスセンサ素子100Bは、第1の態様の実施形態に係るガスセンサ素子100の複合層(第1固体電解質層125s及び絶縁層125)を第1固体電解質層105に変更し、複合層(第2固体電解質層129s及び絶縁層129)を第2固体電解質層109に変更したこと、並びに絶縁層117a、117b、117c、117dを有すること以外の構成はガスセンサ素子100と同様であるので、ガスセンサ素子100と同一構成部分に同一符号を付して説明を省略する。
図5に示すように、第2固体電解質層109の後端側にスルーホール109a、109bが設けられている。同様に、第1固体電解質層105の後端側にスルーホール105aが設けられている。
つまり、ガスセンサ素子100Bは、固体電解質層が素子と略同寸法の層になっている。
第2固体電解質層109、第1固体電解質層105が、それぞれ特許請求の範囲の「固体電解質体」、「他部材」に相当する。
なお、スルーホール109a、109bは、それぞれガスセンサ素子100の第4スルーホール129a、第5スルーホール129bに対応した位置に設けられ、スルーホール105aは、ガスセンサ素子100の第1スルーホール125aに対応した位置に設けられている。
さらに、第2固体電解質層109と第4電極部110との間、及び第2固体電解質層109と第3電極部108との間には、それぞれ絶縁層117a、117bが介装されている。絶縁層117a、117bは、第2固体電解質層109と略同寸法であり、先端側にそれぞれ第4電極110a、第3電極108aが露出する開口117h1、117h2が形成されている。
同様に、第1固体電解質層105と第2電極部106との間、及び第1固体電解質層105と第1電極部104との間には、それぞれ絶縁層117c、117dが介装されている。絶縁層117c、117dは、第1固体電解質層105と略同寸法であり、先端側にそれぞれ第2電極部106a、第1電極部104aが露出する開口117h3、117h4が形成されている。
なお、絶縁層117aの後端側には、第4スルーホール129a、第5スルーホール129bに重なる位置にそれぞれスルーホール117a1、117a2が設けられている。同様に、絶縁層117bの後端側には、第4スルーホール129a、第5スルーホール129bに重なる位置にそれぞれスルーホール117b1、117b2が設けられている。さらに、絶縁層117cの後端側には、第1スルーホール125aに重なる位置にスルーホール117c1が設けられている。
ここで、図6に示すように、ヒータ200の加熱による第4電極部110aの最高温度よりも10%以上低温となる第4リード部110bの部位Rに対し、絶縁層117aは、部位Rと第2固体電解質層109との間に少なくとも配置されている。さらに、本実施形態では、部位Rを超えて長手方向に第4電極部110aとの間まで絶縁層117aが延びている。
このように、第4電極110aが達する最高温度よりも10%以上低温となる部位Rを少なくとも絶縁するようにすれば、印刷ズレを考慮して第4電極110aと絶縁層117aとの間隔を適度に保ちつつ、オーバーシュート現象が生じるレベルの第4リード部110bの低温部を確実に絶縁することができる。
なお、ガスセンサ素子100の場合と同様、実際には、長手方向に部位Rと印刷ズレを考慮した間隔Sを開けて第4電極110aの後端が位置するよう、第4電極110aの印刷位置を設定する。これにより、印刷ズレが生じても間隔S内のいずれかの位置に第4電極110aの後端が配置され、第4電極110aが最高温度よりも10%以上低温となる部位Rから離れ過ぎず適度な間隔を保ち、この部位Rに確実に絶縁層117aが介在することになる。本実施例では、第4リード部110bの先端部が絶縁層117aの先端よりも先端に位置(図中の上方が軸線方向先端側)し、第4電極110a上まで延びている事で、第4電極110aと第4リード部110bとを確実に接続できる。
又、酸素ポンプセル140Bを構成する第3電極108a、第4電極110aのうち、少なくとも一方の電極について、部位Rに絶縁層が配置されていればよいが、本実施形態では、第3電極108a、第4電極110aの両電極について部位Rに絶縁層117a、117bが接している。さらに、部位Rを超えて第3電極108a側にも絶縁層117bが延びている。
さらに、本実施形態では、酸素濃度検出セル130Bを構成する第2電極106、第1電極104についても、各リード部の部位Rに、絶縁層117c、117dが配置されている。
本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。
例えば、上記実施形態では絶縁層117aを第2固体電解質層109と略同寸法としたが、絶縁層117aは部位Rと第2固体電解質層109との間に配置されていればよく、幅方向に第4リード部110bよりもやや広く第2固体電解質層109よりも狭幅の短冊状としてもよい。
又、本発明は、測定室と、ヒータと、固体電解質層の表面に配置された電極を有する酸素ポンプセルとを備えたセンサ素子を有するあらゆるガスセンサに適用可能であり、本実施の形態の酸素センサ(酸素センサ素子)に適用することができるが、これらの用途に限られず、本発明の思想と範囲に含まれる様々な変形及び均等物に及ぶことはいうまでもない。例えば、被測定ガス中のNOx濃度を検出するNOxセンサ(NOxセンサ素子)や、HC濃度を検出するHCセンサ(HCセンサ素子)等に本発明を適用してもよい。
図1〜図4に示すガスセンサ素子(酸素センサ素子)100を有するガスセンサ1を製造した。第4電極110aと絶縁層129との長手方向の間隔S(図3、図4参照)を種々に変え、第4リード部110bのうち絶縁層129が配置された部分の温度と、第4電極110aの最高温度との温度差がそれぞれ異なるガスセンサを複数製造した。なお、ヒータ200の加熱による第4電極110aの中央部の温度を最高温度とし、第4リード部110bのうち絶縁層129で絶縁された最先端(第4電極110a側)の温度を測定し、両者の温度差(%)を算出した。温度差(%)は、(最高温度−最先端の温度)/最高温度、で表される。
なお、温度の測定は、センサ制御時のヒータ電圧を印加してサーモトレーサーにて温度をモニタする事で行ったが、例えば、熱電対を素子基板に付けて、センサ制御時のヒータ電圧を印加した際の温度を測定しても良い。
以上のようにして得られたガスセンサを用い、脈動電流(オーバーシュート電流)Riの抑制効果を測定した。
脈動電流(オーバーシュート電流)Riの抑制効果は、各ガスセンサを排気量2000ccの並列4気筒エンジンに繋がれた排気管に取り付け、センサ制御を行った後、所定のエンジン回転数(周波数)で排気ガスのλ(空燃比)をストイキ点を跨いで0.95から1.05に切り替えたとき、酸素ポンプセル140のポンプ電流Ipに、脈動電流Riが発生したか否かを評価した。具体的には、図8に示すように、各周波数でセンサ出力と、ガスの雰囲気λとの比を応答強度として算出した。このとき、センサ出力が0.95から1.05で変化すれば、上記応答強度は1となる。
一方、図9に示すように、ブランクとして、排気ガスのλ(空燃比)をストイキ点を跨がずに0.95(リッチ)近傍で切替え、同様に各周波数での応答強度を求めた(図9)。
次に、図8の応答強度を図9の応答強度で除し、図10に示すオーバーシュート割合を求め、その最大値(ピーク)をオーバーシュート割合の値として採用した。オーバーシュート割合が1であればオーバーシュートが無いことを示し、オーバーシュート割合が高いほどオーバーシュート電流Riが高いことを示す。
そして、上記した最高温度との温度差(%)と、オーバーシュート割合との関係を図11にプロットした。
図11から明らかなように、第4リード部110bのうち絶縁層129で絶縁された部分が最高温度よりも10%を超えて低温となると、オーバーシュート割合が1.2以上となり、オーバーシュート電流Riの抑制が不十分となることがわかる。
従って、これより、最高温度よりも10%以上低温となる第4リード部110bの部位と、第2固体電解質層109との間に絶縁層129が配置されていることが必要であるとみなした。
1 ガスセンサ
30 主体金具(ハウジング)
100、100B ガスセンサ素子
105,125,125s 他部材
107c 測定室
109、129s 固体電解質体
108a、110a 電極
108b、110b リード部
117a、117b、129 絶縁層
140、140B 酸素ポンプセル
200 ヒータ
L 軸線
R 最高温度よりも10%以上低温となるリード部の部位

Claims (3)

  1. 絶縁層に設けられた貫通孔に固体電解質体を充填してなる複合層と、前記固体電解質体の表面に形成され前記固体電解質体の積層方向の境界よりも内側に配置された一対の電極と、前記一対の電極に電気的に接続されて軸線方向に延びる一対のリード部とを有する酸素ポンプセルと、
    前記複合層と間隔を開けて積層される他部材との間に区画され外部から被測定ガスを導入する測定室と、
    前記複合層の積層方向に配置され前記酸素ポンプセルを加熱するヒータと、
    を有し、前記軸線方向に延びると共に、前記酸素ポンプセルが前記測定室に導入される被測定ガス中の酸素の汲み入れ又は汲み出しを行うガスセンサ素子であって、
    前記リード部は、前記電極より幅狭であり、
    少なくとも一方の前記リード部のうち、前記ヒータの加熱により前記電極が達する最高温度よりも10%以上低温となる前記リード部の部位は、前記絶縁層に接していることを特徴とするガスセンサ素子。
  2. 板状の固体電解質体と前記固体電解質体の表面に配置された一対の電極と前記一対の電極に電気的に接続されて軸線方向に延びる一対のリード部とを有する酸素ポンプセルと、
    前記固体電解質体と、該固体電解質体と間隔を開けて積層される他部材との間に区画され外部から被測定ガスを導入する測定室と、
    前記固体電解質体の積層方向に配置され前記酸素ポンプセルを加熱するヒータと、
    を有し、軸線方向に延びると共に、前記酸素ポンプセルが前記測定室に導入される被測定ガス中の酸素の汲み入れ又は汲み出しを行うガスセンサ素子であって、
    前記リード部は、前記電極より幅狭であり、
    少なくとも一方の前記リード部のうち、前記ヒータの加熱により前記電極が達する最高温度よりも10%以上低温となる前記リード部の部位と、前記固体電解質体との間に少なくとも絶縁層が配置され、かつ前記リード部の前記軸線方向先端部は、前記絶縁層よりも先端に位置することを特徴とするガスセンサ素子。
  3. 被測定ガス中の特定ガスを検出するガスセンサ素子と、該ガスセンサ素子を保持する主体金具と、を備えるガスセンサであって、
    前記ガスセンサ素子として、請求項1又は2に記載のガスセンサ素子を備えるガスセンサ。
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