JP2003083058A - 排気浄化用付帯装置劣化検知用のガスセンサのクリーニング方法 - Google Patents
排気浄化用付帯装置劣化検知用のガスセンサのクリーニング方法Info
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Abstract
に、排気浄化用付帯装置の劣化検知に好適に用いられる
抵抗変化式ガスセンサのクリーニング方法を提供する。 【解決手段】内燃機関の排気ガス雰囲気内に設置され、
排気浄化用付帯装置の劣化検知センサである抵抗変化式
ガスセンサ1の制御方法において、抵抗変化式ガスセン
サ1が、ヒータ部111と、酸化物半導体材料から主と
して形成された感ガス素子部13を有し、ヒータ部11
1による加熱クリーニングを、感ガス素子部13がリー
ン雰囲気或いは大気雰囲気に晒されるタイミングで行
う。
Description
ス雰囲気内で使用される抵抗変化式ガスセンサの制御方
法において、抵抗変化式ガスセンサのクリーニング方法
に関し、特に、本発明は、車両,船舶,飛行機等に搭載
された内燃機関における排気浄化用付帯装置の劣化検知
に好適に用いられる抵抗変化式ガスセンサのクリーニン
グ方法に関する。
用付帯装置の劣化検知システムとして、酸素センサを用
いてO2ストレージ能力の劣化を検知する劣化検知シス
テムや、温度センサを用いた活性温度差による劣化検知
システム等が提案されている。
うな従来の劣化検知システムでは、ますます厳しくなる
エミッション規制に対応した有害排出ガス低減技術への
適応は難しくなってきている。また、NOx吸蔵触媒、
選択還元型触媒、HC吸蔵触媒等の新規技術が研究開発
されつつあり、これらの触媒等の劣化検知においては、
酸素センサ又は温度センサ等を用いて劣化検知を実施し
ているが、精度の良い劣化検知ができないという問題が
ある。
関の排気ガス雰囲気中に配置される抵抗変化式ガスセン
サの好適なクリーニング方法を提供すること、特に、排
気浄化用付帯装置の劣化検知に好適に用いられる抵抗変
化式ガスセンサのクリーニング方法、及び排気浄化用付
帯装置の劣化検知システムを提供することである。
め、本発明はその第1の視点において、酸化物半導体材
料から主として形成された感ガス素子部の加熱クリーニ
ングを該感ガス素子部がリーン雰囲気或いは大気雰囲気
に晒される際に行うことを特徴とする抵抗変化式ガスセ
ンサのクリーニング方法を提供する。
関の排気ガス雰囲気内で用いられる排気浄化用付帯装置
の劣化検知システムであって、前記排気浄化用付帯装置
の劣化を、例えば、HC、CO、NOx、等を検出する
感ガス素子部を備えた抵抗変化式ガスセンサを用いて検
知すると共に、該感ガス素子部を前記内燃機関の状態に
応じた所定のタイミングで加熱クリーニングすることを
特徴とする排気浄化用付帯装置の劣化検知システムを提
供する。但し、本発明のクリーニング方法は、HC、C
O、NOxセンサ以外にも、SOx、CO2、H2O等
の排ガス中に存在する成分を検知する抵抗変化式ガスセ
ンサ全てに適用できる。
濃度及び/又は還元性ガスが含まれる雰囲気ないし内燃
機関の排気ガス雰囲気で使用される抵抗変化式ガスセン
サの制御装置ないしクリーニング装置であって、前記抵
抗変化式ガスセンサが酸化物半導体材料から主として形
成された感ガス素子部を有し、前記感ガス素子部の加熱
クリーニングを該感ガス素子部がリーン雰囲気或いは大
気雰囲気に晒される際に行うことを特徴とする抵抗変化
式ガスセンサの制御装置ないしクリーニング装置を提供
する。
ーニング方法によれば、内燃機関の排気ガス雰囲気のよ
うな低酸素濃度及び/又は還元性ガスが含まれる雰囲気
内に設置され、例えば、触媒等の排気浄化用付帯装置の
劣化を検知するために用いられる抵抗変化式ガスセンサ
の加熱クリーニングをリーン雰囲気或いは大気雰囲気で
実行することにより、その感ガス素子部に付着した結晶
水や不純物成分を、該感ガス素子部の酸素欠損を防止し
つつ、定期的に加熱除去することができる。これによっ
て、環境ガスの影響を受け難くなり、排気浄化用付帯装
置の劣化検出に適する抵抗変化式ガスセンサの特性を十
分に発揮させることができる。また、本発明による抵抗
変化式ガスセンサのクリーニング方法を実行することに
より、きわめて精度の高い、ガスセンサを用いた排気浄
化用付帯装置の劣化検知システムが構築される。
抵抗変化式ガスセンサを用いて、排気浄化用付帯装置の
劣化検知を行う理由を説明する。
は、固体電解質材料を用いた起電力式、限界電流式、酸
化物半導体を用いた抵抗変化式等が挙げられる。
えば、車両等の排気管内は、高温多湿であり又酸化還元
性の雰囲気である等きわめて過酷な環境である。
酸素濃淡差によって生じる起電力や、限界電流特性を利
用した酸素センサ、及びガスセンサ(NOx、HC等)
を用いての排気浄化用付帯装置の劣化検知技術は従来か
ら提案されている。しかしながら、これらのセンサは、
700℃程度に電解質を加熱して使用する為、エンジン
始動後十数秒間は、正確な計測が困難となる。即ち自動
車の排出ガスが最も多量に排出されるエンジンスタート
直後の計測ができないという問題がある。
ス素子部にAl2O3系、SnO2系、In2O3系、
ZnO系、WO3系等の酸化物半導体材料を用いる場
合、特定成分のガス種に対し、常温若しくは、数十〜
2,300℃程度の低温で特定成分ガス濃度が検出可能
となるため、エンジン始動直後から正確な計測が十分可
能となる。また、このような感ガス材料は焼結体である
ため、比較的高温においても耐熱性が高いというメリッ
トがある。
排気浄化用付帯装置が設置される環境、例えば、車両等
の排気管内に設置するガスセンサとして、抵抗変化式の
ガスセンサは優れた特性を具備している。但し、排気浄
化用付帯装置が設置される環境に本ガスセンサを設置す
る場合、本発明者らの知見によると、感ガス素子部に付
着した結晶水や不純物成分を定期的に加熱除去する必要
がある。
置が設置される環境にガスセンサを設置する場合、定期
的に必要となる感ガス素子部の加熱クリーニング処理を
的確なタイミングで実行する方法等を提供するものであ
る。
態を説明する。
前記加熱クリーニングを、前記ガスセンサが備える感ガ
ス素子部の温度が一定に維持されるよう行う。例えば、
感ガス素子部に付着した水分のみを気化させる場合は1
00℃以上の一定温度に、結晶水等を脱離させる場合は
250℃程度の一定温度にすればよい。
前記加熱クリーニングを、感ガス素子部の温度が600
℃以上、さらに好ましくは、700℃以上となるよう行
う。これは、感ガス素子部に付着した水、結晶水、及び
カーボン等のデポジットを完全に脱離するためには60
0℃以上にすることが好ましく、特に加熱クリーニング
を700℃以上とすることがさらに好ましい。
抵抗変化式ガスセンサの感ガス素子部が酸化物系のセラ
ミックス材料から成る。この場合、感ガス素子部の成分
である酸化物の平衡反応を阻害することが無いように、
この抵抗変化式ガスセンサを酸素を含む環境で用いる。
縁基板、下部電極、感ガス素子部(感ガス層)及び上部
電極を備え、これらがこの順に積層され、形成されたガ
スセンサにおいて、該下部電極は貴金属製であり、該上
部電極は貴金属製であって、且つ多孔質体からなり、該
上部電極は、上記感ガス層と、上記絶縁基板の一部とに
接合されていることを特徴とする抵抗変化式ガスセンサ
が用いられる。好ましくは、上記下部電極又は上記上部
電極の主成分が白金であり、上記下部電極が多孔質体で
ある。
抵抗変化式ガスセンサの基板を、Al2O3、ZrO2
等のセラミックスを用いて形成することができる。これ
らのセラミックスのうちでは、絶縁性及び機械的強度等
に優れ、コストの点でも有利なアルミナが多用される。
絶縁基板の厚さ、寸法等は特に限定されないが、通常、
厚さが0.3〜2.0mmであり、平面方向の寸法が3
×10mm〜8×50mm程度である長方形の板状体と
することができる。
抵抗変化式ガスセンサの下部電極及び上部電極は、A
u、Ag、Ru、Rh、Pd、Ir及びPtのうちの少
なくとも1種の貴金属により形成される。これらの貴金
属の2種以上からなる合金を使用してもよく、例えば、
高温におけるPtの揮発が抑えられるPtとRhとの併
用等は有用である。また、下部電極と上部電極とは必ず
しも同じ貴金属により形成する必要はないが、同じ貴金
属であれば工程を簡略化することができ、同時焼成も容
易であって好ましい。これらの貴金属のうちではAu及
びPt、特に、Ptを主成分とすることが好ましい。P
tは、高温において特に酸化し難く、感ガス層に拡散し
たりすることもなく、融点も十分に高い。そのため、下
部及び上部電極をともにPtによって形成することによ
って、一段と耐久性に優れたガスセンサとすることがで
きる。尚、上記貴金属からなる電極には、その物性に大
きな影響を与えない範囲内で、他の成分若しくは不純物
が含まれていてもよい。
上部電極は貴金属製であり、且つ多孔質体からなるた
め、各種被検ガスは上部電極を容易に透過し、感ガス層
に到達することができ、感ガス層における各種被検ガス
分子の吸脱着反応が損なわれることがない。更に、感ガ
ス層における各種被検ガス分子の吸脱着反応をより促進
するためには、感ガス層の全面に各種被検ガスを到達さ
せることが望ましい。そのためには、下部電極も多孔質
体とすることが好ましい。尚、感ガス層も多孔質体から
なるが、上部及び下部電極の透ガス度を、感ガス層のそ
れよりも大きくすることにより、各種被検ガスの感ガス
層への到達を促進することができる。このように電極の
透ガス度を大きくするには、一般に上部及び下部電極の
気孔径を、感ガス層のそれよりも大きくすることが有効
である。
感ガス素子部(感ガス層)は、各種の感ガス材料から形
成することができる。この感ガス材料としては、Al2
O3系、SnO2系、In2O3系、ZnO系、WO3
系等の感ガス材料を一種又は2種以上を用いる事が出来
る。また、特定ガス成分の検出感度を増大させる為、P
t,Pd等の貴金属を添加することも可能である。
絶縁基板の内部にヒータが配設されていることが好まし
い。このヒータによりガスセンサを定期的に加熱するこ
とによって、感ガス層の内部に侵入した吸着ガス及び他
の不純物等を完全に脱離させることができる。これによ
り感ガス層が常に清浄な状態に保たれ、検出精度が向上
し、且つ優れた検知特性が長期に渡って安定して維持さ
れる。また、湿度が非常に高い場合に、ヒータを作動さ
せることにより、センサへの結露を防止することもでき
る。
ガス層の抵抗変化により特定ガス成分を検知するガスセ
ンサでは、検知雰囲気の温度に対する感ガス材料の抵抗
値の変化、所謂、抵抗の温度依存性があるため、絶縁基
板の内部に測温抵抗体が配設されることが好ましい。こ
の測温抵抗体によって感ガス材料の温度による抵抗値の
変化を補正し、雰囲気温度に依存することなく精度よく
特定ガス成分を検出することができる。
ヒータ及び測温抵抗体は、絶縁基板の内部において感ガ
ス層の直下に配設される。ヒータを感ガス層の直下に配
設することにより、感ガス層全体をほぼ均一に加熱する
ことが容易であり、感ガス層に侵入した各種ガス成分及
び他の不純物等を効率よく脱離させることができ、加熱
に要する電力消費を極力低減することもできる。一方、
測温抵抗体を感ガス層の直下に配設することにより、絶
縁基板の熱伝導の影響を受けることなく、正確な温度検
出が可能となる。
さらに明確化するために、以下図面を参照して、本発明
の一実施例を説明する。
実施例に係る抵抗変化式ガスセンサのクリーニング方法
の対象である抵抗変化式ガスセンサの構造を説明するた
めの図である。
この抵抗変化式のガスセンサ1においては、電気絶縁性
の基板11上に、Pt,Au等の貴金属から成る検知電
極(上部電極14,下部電極12)と、SnO2等の感
ガス層(感ガス素子部)13とが積層されている。感ガ
ス層13は、上部電極14と下部電極12の間に積層さ
れている。基板11の内部には、感ガス層を定期的に加
熱クリーニングするためのヒータ部111と、感ガス層
の温度補正及び測定環境の温度測定を可能にするための
測温抵抗体(温度センサ)112とが埋設されている。
ヒータ部111は外部の電源回路に接続され、測温抵抗
体112は外部の素子温度検出回路に接続されている。
上部電極14の一部14bは、基板11表面上に形成さ
れ出力取出用のリード線141に電気的に接続されてい
る。上部電極14の他部14aは感ガス層13表面上に
形成されている。下部電極12は出力取出用のリード線
121に電気的に接続されている。なお、このガスセン
サ1は、特願2000‐309169号明細書に記載された湿度セ
ンサと同様の製造方法にしたがって好適に製造すること
ができる。
ガスセンサのクリーニング方法を、車両の排気管に装着
された触媒の劣化検知に用いるガスセンサに適用する場
合の、実行タイミングについて説明する。
する。車両の排気ガス中に含まれる有害物質であるNO
x、HC、COを更に削減するべく、各種低公害技術が
提案され、排気浄化用付帯装置として市販されつつあ
る。この中に、HC吸着型3元触媒技術も含まれてい
る。この技術は、3元触媒の後流にHC吸着型3元触媒
を配置することでエンジン始動直後のHC排出を低減さ
せる技術である(自技会学術講演会前刷集No.105-00 20
00年)。
触媒等の劣化検知を、従来から用いられてきたO2スト
レージ能力又は活性温度の変化に基づいて判断するよう
な方法では、エンジン始動直後からの劣化検知が困難で
あり、精度のよい劣化検知ができないという問題があ
る。
原理は、HC吸着材(吸着成分)の細孔にHCが物理吸
着することによって、一時的にHCを蓄えることにあ
る。吸着材としては、非常に緻密なハニカム系の担体や
ゼオライト等が用いられることが一般的である。
ガスセンサのクリーニング方法の対象である抵抗変化式
のガスセンサは、感ガス材料(感ガス層)に吸着する各
種特定ガス濃度によって生じる抵抗変化に基づいてガス
濃度を検出することを検出原理としている。したがっ
て、例えば、排気管においては、HC吸着型3元触媒
(検出対象)の下流に、この抵抗変化式ガスセンサを配
置すれば、該センサにおけるHC分子吸着量の変化か
ら、触媒の劣化を検知することが可能である。
着3元型触媒の後流に抵抗変化式ガスセンサを装着した
場合、このHC吸着型3元触媒の吸着能力如何によって
抵抗変化式ガスセンサの検知量が異なることになる。な
お、この抵抗変化式のガスセンサは、ヒータによる加熱
を行わなくとも、常温から湿度を検出することが可能で
ある。
ガス素子部を形成する材料には酸化物セラミックスが用
いられているため、高温且つ酸素濃度が低く、還元性ガ
スが多量に含まれる環境、つまりリッチ雰囲気にて、こ
のセンサのクリーニング処理を施した場合には、安定し
て存在していた感ガス素子材料成分である酸化物セラミ
ックスの酸素欠損が生じ、酸化物セラミックス自体が不
安定なものに不可逆的に変化してしまうという問題が生
じる。一方、高温であってもリーン雰囲気で加熱クリー
ニングを実行した場合には、環境雰囲気中に余剰酸素が
多量に含まれているため、感ガス素子部を形成する酸化
物セラミックス中の酸素が引き抜かれることが防止され
つつ、感ガス素子部に付着した結晶水や不純物成分及び
各種吸着ガス成分を加熱除去することができる。
雰囲気変化を考慮すると、車両の排気管に装着された触
媒、特にHC吸着型3元触媒の劣化検知を行う抵抗変化
式ガスセンサの加熱クリーニングは、下記のようなタイ
ミングで行うことにより、リーン雰囲気にて加熱クリー
ニングを実行することができ、感ガス素子部の劣化が防
止され、又精度の高い劣化検出を行うことができる。
た時点; (2)エンジン停止後、エンジンの冷却水の温度が所定
温度まで低温化した時点(例えば、車両に既設された水
温センサの出力信号に基づいて、この時点を検出するこ
とができる); (3)フューエルカット時点(減速時、定速時が好まし
い)。
帯装置としては、上記のHC吸着型3元触媒に限られる
ものではなく、感ガス材を変更、或いは追加する事によ
り、NOx吸蔵触媒、3元触媒においても検出可能とな
る。
グ前後における変化]次に、以上説明した本発明の一実
施例に係る抵抗変化式ガスセンサの加熱クリーニングを
種々のタイミングでそれぞれ実行後、用いられた各ガス
センサの感ガス特性の変化を調べた。まず、この試験手
順について説明する。
感ガス素子部(感ガス層)は特定ガスに反応性の高い感
ガス材料を選定することで、種々のガスセンサが得られ
る。本発明に用いた感ガス素子として、実施例1では、
HCに対して抵抗変化が大きく(ガス感度が高い)、ガ
ス選択性がある材料としてSnO2を用いた。次に、実
施例2では、COに対して選択的に反応し、またガス感
度が高い感ガス材料として、Pdを1wt%添加したS
nO2を用いた。次に、実施例3では、NOx(N
O2)に対して選択的に反応する材料として、Al2O
3を30wt%添加したIn2O3を感ガス材料として
用いた。こうして得られた各種ガスセンサの感ガス特性
(初期特性)、具体的には、上部電極と下部電極間の抵
抗変化を測定する。 (2)抵抗変化式ガスセンサを車両の排気管に装着し、
各種運転条件下において、それぞれ下記試験例1〜5の
タイミングでガスセンサの加熱クリーニングを実行す
る。但し、試験例6においては大気中で加熱クリーニン
グを実行する: 試験例1:エンジン停止後、水温センサが50℃以下に
なった時点; 試験例2:エンジン停止後、1hr経過した後; 試験例3:エンジン停止直後; 試験例4:エンジン作動中においてフューエルカット
時; 試験例5:エンジン作動中で、A/F=11〜16程度
まで変動する運転モードのとき; 試験例6:大気中。 (3)再度、各ガスセンサの感ガス特性を測定する。
Air+各種特定ガス; −−各種特定ガス−− ・HCセンサ:C3H6=0,100,1000,15
00ppm; ・COセンサ:CO=0,100,1000,1500
ppm; ・NOxセンサ:NO2:=0,50,100,200
ppm。
条件〉 上部電極:Pt電極(厚膜印刷)、膜厚約15μm; 感湿層: 実施例(1)HCセンサ=SnO2(厚膜印刷)、2.
5×2.5×30μm; 実施例(2)COセンサ=1wt%Pd添加−SnO2
(厚膜印刷)、2.5×2.5×30μm; 実施例(3)NOxセンサ=30wt%Al2O3添加
−In2O3(厚膜印刷)、2.5×2.5×30μ
m; 下部電極:Pt電極(厚膜印刷)、膜厚約15μm; 基板:Al2O3絶縁基板。
HCセンサにおける各種加熱クリーニング実行前後の感
ガス特性の変化を示すグラフである。表1は、同じく実
施例1の測定例に係る測定結果を示す表である。なお、
加熱クリーニング前の特性としては、代表例として試験
例6の計測値のみを記載した。
び試験例3に係るタイミングで加熱クリーニングを実行
したHCセンサの感ガス特性は、該加熱クリーニング実
行前後で同様であった。したがって、車両の排気管内に
HCセンサを配置する場合、これらのタイミングで加熱
クリーニングを実行することが有効であることが分か
る。
例1及び2に比べてやや上昇している。これは、試験例
3においては、エンジン停止直後に加熱クリーニングを
実行したため、排気ガス温度は急激に低下したが、セン
サが晒されていた環境雰囲気が極低酸素雰囲気であるこ
とにより、感ガス素子材料の一部に酸素欠損が生じたも
のと考えられる。
あった。これは、試験例4においては、エンジン作動中
においてフューエルカット時に加熱クリーニングを実行
しているため、そのときの排気ガス温度は400℃程度
であり、雰囲気もほぼ大気に等しい酸素濃度雰囲気であ
るが、フューエルカットが数秒〜数十秒で終了し、再び
極低濃度酸素雰囲気に環境が変化するためと考えられ
る。
く、環境雰囲気もリッチ〜ストイキ環境の極低酸素雰囲
気中で加熱クリーニングが実行されたため、感ガス素子
材料自体の経時変化が激しく、試験前の感ガス特性から
大きくシフトする結果となったと考えられる。
例2(COセンサ)、実施例3(NOxセンサ)につい
ても同様の試験を実施しており、その結果を図3、及び
図4に記す。表2は、実施例2に係る測定例の測定結果
を示す表である。表3は、実施例3に係る測定例の測定
結果を示す表である。
の結果と同様に、試験例1〜4では試験前の特性とほぼ
同じ特性が得られたのに対し、試験例5を実施した場合
にのみ大きく特性変化する結果となった。この結果にお
いても、実施例1で述べた事が直接的原因である事が考
えられる。
れた排気浄化用付帯装置、特に、触媒の劣化を検知する
ためのガスセンサの加熱クリーニングを的確に実施する
ためには、エンジン停止後何らかの手法により一定時間
遅延させた後に加熱クリーニングを施す方法が最も有効
であることが分かる。また、エンジン作動中であって
も、フューエルカットが実施されるタイミングやエンジ
ン停止直後に加熱クリーニングを実行しても実用上問題
ない程度の特性変化で済むことも確認される。
に、前記測定例1において感ガス特性に関する特性劣化
の無かった試験例1に係る抵抗変化式ガスセンサを、実
車の排気管に装着して、モード走行を行い、センサ特性
に対する分析計出力を調べた。
サ; ・試験方法:LA−4モード(コールドスタート 50
5sec); ・装着位置:3元触媒下流にセンサ及び分析計サンプリ
ング導入口を設置; ・試験車両:2L 直4ガソリンエンジン車。
った際の、分析計のTHC濃度と、ガスセンサの出力を
比較した結果である。この結果より、試験例1の加熱ク
リーニングを実施したガスセンサは、分析計の出力と同
様の結果を示す事が得られた。また、この計測を繰り返
し実施しても同様の結果が得られる事も確認された。ま
た、本ガスセンサは、エンジン始動直後から分析計と同
様な立ち上がり特性を示している事から、従来技術で
は、不可能とされていた、エンジン始動直後の特定ガス
成分の検出も十分可能である事がわかる。
ンサが測定環境や温度変化が非常に激しく、極低酸素濃
度状態で、且つ還元性ガスが多量に含まれるような環境
に曝された場合においても、本発明に従い、適切な環
境、条件下で抵抗変化式ガスセンサ(感ガス素子)の加
熱クリーニングを実施することにより、経時安定性に優
れ、高精度の計測が可能となる。この結果、他の形式の
ガスセンサに比べてエンジン始動直後から計測可能とい
う利点を有する抵抗式ガスセンサを、車両等の排気浄化
用付帯装置の劣化検知用として用いることが可能とな
る。特に、本発明によれば、抵抗変化式ガスセンサを用
い的確な条件、状態の時に加熱クリーニング制御を施す
ことにより、車両等の排気管内という極めて過酷な状態
にさらされても安定し、且つ精度の高い特定ガス成分検
出等が可能なシステムを提供することができる。
抵抗変化式ガスセンサのクリーニング方法の対象である
抵抗変化式ガスセンサの構造を説明するための図であ
り、(b)は(a)のA−A’断面図である。
果を説明するためのグラフである。
果を説明するためのグラフである。
結果を説明するためのグラフである。
る出力特性を説明するためのグラフである。
Claims (12)
- 【請求項1】低酸素濃度及び/又は還元性ガスが含まれ
る雰囲気ないし内燃機関の排気ガス雰囲気で使用される
抵抗変化式ガスセンサの制御方法において、 前記抵抗変化式ガスセンサが酸化物半導体材料から主と
して形成された感ガス素子部を有し、前記感ガス素子部
の加熱クリーニングを該感ガス素子部がリーン雰囲気或
いは大気雰囲気に晒される際に行うことを特徴とする抵
抗変化式ガスセンサのクリーニング方法。 - 【請求項2】前記加熱クリーニングを、前記内燃機関の
停止後、所定時間経過後に行うことを特徴とする請求項
1に記載の抵抗変化式ガスセンサのクリーニング方法。 - 【請求項3】前記加熱クリーニングを、前記内燃機関の
停止後、少なくとも該内燃機関を冷却するための冷却水
の温度が所定温度以下になった後に行うことを特徴とす
る請求項1に記載の抵抗変化式ガスセンサのクリーニン
グ方法。 - 【請求項4】前記加熱クリーニングを、前記内燃機関に
供給される燃料が減少ないしカットされるフューエルカ
ット時に行うことを特徴とする請求項1に記載の抵抗変
化式ガスセンサのクリーニング方法。 - 【請求項5】前記加熱クリーニングを、前記感ガス素子
部の温度が一定に維持されるよう実行することを特徴と
する請求項1〜4のいずれか一に記載の抵抗変化式ガス
センサのクリーニング方法。 - 【請求項6】前記加熱クリーニングを、前記感ガス素子
部の温度が600℃以上となるよう実行することを特徴
とする請求項1〜5のいずれか一に記載の抵抗変化式ガ
スセンサのクリーニング方法。 - 【請求項7】前記抵抗変化式ガスセンサは、内燃機関の
排気ガス雰囲気内で触媒等の排気浄化用付帯装置の劣化
を検知するために用いられることを特徴とする請求項1
〜6のいずれか一に記載の抵抗変化式ガスセンサのクリ
ーニング方法。 - 【請求項8】内燃機関の排気ガス雰囲気内で用いられる
排気浄化用付帯装置の劣化検知システムであって、 前記排気浄化用付帯装置の劣化を、HCを検出する感ガ
ス素子部を備えた抵抗変化式ガスセンサを用いて検知す
ると共に、該感ガス素子部を前記内燃機関の状態に応じ
た所定のタイミングで加熱クリーニングすることを特徴
とする排気浄化用付帯装置の劣化検知システム。 - 【請求項9】内燃機関の排気ガス雰囲気内で用いられる
排気浄化用付帯装置の劣化検知システムであって、 前記排気浄化用付帯装置の劣化を、COを検出する感ガ
ス素子部を備えた抵抗変化式ガスセンサを用いて検知す
ると共に、該感ガス素子部を前記内燃機関の状態に応じ
た所定のタイミングで加熱クリーニングすることを特徴
とする排気浄化用付帯装置の劣化検知システム。 - 【請求項10】内燃機関の排気ガス雰囲気内で用いられ
る排気浄化用付帯装置の劣化検知システムであって、 前記排気浄化用付帯装置の劣化を、NOxを検出する感
ガス素子部を備えた抵抗変化式ガスセンサを用いて検知
すると共に、該感ガス素子部を前記内燃機関の状態に応
じた所定のタイミングで加熱クリーニングすることを特
徴とする排気浄化用付帯装置の劣化検知システム。 - 【請求項11】低酸素濃度及び/又は還元性ガスが含ま
れる雰囲気ないし内燃機関の排気ガス雰囲気で使用され
る抵抗変化式ガスセンサの制御装置であって、 前記抵抗変化式ガスセンサが酸化物セラミックス系材料
から主として形成された感ガス素子部を有し、前記感ガ
ス素子部の加熱クリーニングを該感ガス素子部がリーン
雰囲気或いは大気雰囲気に晒される際に行うことを特徴
とする抵抗変化式ガスセンサの制御装置。 - 【請求項12】低酸素濃度及び/又は還元性ガスが含ま
れる雰囲気ないし内燃機関の排気ガス雰囲気で使用され
る抵抗変化式ガスセンサのクリーニング装置であって、 前記抵抗変化式ガスセンサが酸化物半導体材料から主と
して形成された感ガス素子部を有し、前記感ガス素子部
の加熱クリーニングを該感ガス素子部がリーン雰囲気或
いは大気雰囲気に晒される際に行うことを特徴とする抵
抗変化式ガスセンサのクリーニング装置。
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