JP2015536290A - 脱ホウ素化ゼオライトベータの後処理 - Google Patents

脱ホウ素化ゼオライトベータの後処理 Download PDF

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Abstract

(i)ゼオライト材料の骨格構造がX2O3及びYO2を含み、Yが4価元素であり、Xが3価元素であり、X2O3:YO2のモル比が0.02:1より大きい、BEA骨格構造を有するゼオライト材料を準備する工程と、(ii)(i)において準備したゼオライト材料を液体溶剤系で処理して、それにより最大でも0.02:1のX2O3:YO2のモル比を有するゼオライト材料を得、ゼオライト材料を液体溶剤系から少なくとも部分的に分離する工程と、(iii)(ii)から得られたゼオライト材料を5.5〜8の範囲のpH及び少なくとも75℃の温度を有する液体水性系で処理する工程とを含む、BEA骨格構造を有するゼオライト材料の後処理の方法。

Description

本発明は、BEA骨格構造を有するゼオライト材料を準備し、次いで、液体溶剤系による処理とそれに続く液体水性系による処理にかける、X及びYOを含むBEA骨格構造を有するゼオライト材料の後処理の方法に関する。さらに、本発明は、この方法により得られた又は得ることができるゼオライト材料に関する。また、本発明は、特に触媒又は触媒成分としての前記ゼオライト材料を使用する方法に関する。
ゼオライトは、化学産業において、例えば、様々な化学及び石油化学プロセス用の不均一触媒として広く用いられている。一般に、ゼオライトは、微細孔構造を有する結晶性アルミノケイ酸塩である。それらの特殊な特性は、とりわけ、それらの多孔質構造、通常、分子寸法の規則的な細孔系及びそれらの特有の化学組成に起因すると考えられる。多種類の用途に不均一触媒として適用することができる、天然ゼオライト又は合成ゼオライトには多くの公知のゼオライト構造が存在する。
それらの構造又はそれらの組成などのゼオライト材料の特性を改良するために、後処理方法を適用することができる。文献に記載されている最も一般的な後処理方法は、蒸気処理、酸処理又は塩基処理である。
蒸気処理は、様々な選択的反応用のゼオライトの活性及び安定性を増大させるためにしばしば用いられる。例えば、欧州特許出願公開第0013433号は、Si/Al比を増加させることによりゼオライトの活性を増加させるための蒸気処理の使用を教示している。この蒸気処理は、Si/Al比に影響を及ぼすだけでなく、ゼオライトの酸性/塩基性及び親水性/疎水性にも影響を及ぼす。
酸処理は、同様な効果を有する可能性があり、骨格組成の変化ももたらす可能性がある。例えば、国際公開第02/057181号パンフレットは、酸が脱ホウ素化段階に用いられる、ケイ酸塩の脱ホウ素化を記載している。この文書の特定の実施例によれば、氷酢酸が用いられ、さらに具体化されていない想定される実施形態によれば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸及び酒石酸が記載されている。
国際公開第2009/016153号パンフレットは、蒸気処理及び酸処理の併用を記載している。この文書によれば、ゼオライト材料からAlを除去するために酸性溶液による浸出工程を実施する前にリン修飾モレキュラーシーブを高温での蒸気処理にかける。
蒸気処理及び酸処理の両方がゼオライト材料の特性にかなりの影響を及ぼす。3価及び4価構造成分X及びYをそれぞれX及びYOとして含むゼオライト材料を蒸気処理及び/又は酸処理にかけることにより、X:YOのモル比が低下する。しかし、例えば、ゼオライト材料の結晶化度が蒸気処理及び/又は酸処理により低下し得ることが見いだされた。また、ゼオライト材料の水取込み量によって特徴づけられる、ゼオライト材料の疎水性が低下することが見いだされた。したがって、蒸気処理及び酸処理の両方がゼオライト材料の非晶質物質への部分的変換をもたらし、疎水性を変化させると考えられる。
欧州特許出願公開第0013433号 国際公開第02/057181号パンフレット 国際公開第2009/016153号パンフレット
したがって、前記の不都合を示さないゼオライト材料の後処理の方法を提供することが本発明の目的であった。
さらに、低いX:YOのモル比及び同時に高い疎水性を有する後処理済みゼオライト材料を提供することが本発明の目的であった。低いX:YOのモル比、高い疎水性及び同時に低い濃度のシラノールネストなどの内部欠陥を有する後処理済みゼオライト材料を提供することも本発明の目的であった。特に、蒸気及び/又は酸処理によるなどのX:YOのモル比を低下させるためのゼオライト材料の処理が、例えば、3500〜3550cm−1の範囲に位置するゼオライト材料のIRスペクトルにおける吸収帯によって特徴づけられるシラノールネストの形成の増加をもたらすことが認められた。本発明の意味の範囲内で、「シラノールネスト」という用語は、好ましくは、Zecchinaら、J. Phys. Chem. 1992、96、4991〜4997頁に記載されているように、例えば、シリカライトのIRスペクトルにおけるその特性吸収が3200〜3650cm−1の範囲に見いだされる水素結合性Si−OH基を意味する。
ゼオライト材料を、X:YOのモル比を低下させるための液体溶剤系による処理とそれに続く少なくとも75℃の高温での5.5〜8の範囲のpHを有する液体水性系による処理にかける工程を含む後処理方法によってその不都合が回避されることが、驚くべきことに見いだされた。液体水性系による前記処理により、得られたゼオライト材料における内部欠陥の濃度が低下することがさらに驚くべきことに見いだされた。
したがって、本発明は、BEA骨格構造を有するゼオライト材料の後処理の方法であって、
(i)ゼオライト材料の骨格構造がX及びYOを含み、X:YOのモル比が0.02:1より大きい、BEA骨格構造を有するゼオライト材料を準備する工程と、
(ii)(i)において準備したゼオライト材料を液体溶剤系により処理して、それにより最大でも0.02:1のX:YOのモル比を有するゼオライト材料を得、ゼオライト材料を液体溶剤系から少なくとも部分的に分離する工程と、
(iii)(ii)から得られたゼオライト材料を5.5〜8の範囲のpH及び少なくとも75℃の温度を有する液体水性系により処理する工程と
を含み、(iii)で用いる水性系のpHをpH感受性ガラス電極を用いて決定する、方法に関する。
本発明による方法(実施例1(iii))により得られたゼオライト材料(菱形;−・−・−); 550℃への加熱(昇温勾配2K/分)及びこの温度での4時間の加熱による焼成にさらにかけた、実施例1(ii)により得られたゼオライト材料(正方形;− − − − −); 650℃への加熱(昇温勾配2K/分)及びこの温度での3時間の加熱による焼成にさらにかけた、実施例1(ii)により得られたゼオライト材料(三角形;―――――)のイソプロパノール脱水試験の結果を示す図である。x軸は、℃単位の温度を示し、y軸は、%単位のイソプロパノールの変換を示す。
工程(i)
本発明によれば、(i)において準備するゼオライト材料のBEA骨格構造に含まれるX及びYOは、骨格構造により形成された細孔及び空洞中に存在し得る非骨格要素と対照的に、構造構築要素としてそれに含まれる。
一般に、BEA骨格構造を有するゼオライト材料が(i)においてどのようにして準備されるかについての特定の制約はない。例えば、BEA骨格構造を有する適切な商業的に入手できるゼオライト材料を購入することが考えられる。さらに、例えば、そのようなゼオライトを合成するための考えられる方法をゼオライト材料を準備するために用いることができる。好ましくは、構造指向剤とも呼ばれる適切な鋳型化合物の存在下でX及びYOの適切な源から出発する方法によりゼオライト材料を準備する。
一般に、(i)において準備するゼオライト材料の骨格構造は、X及びYOを含む。好ましくは、X及びYOの適切な源は、(i)において準備するゼオライト材料の骨格構造の少なくとも75質量%、より好ましくは少なくとも90質量%、より好ましくは少なくとも95質量%、より好ましくは少なくとも98質量%、より好ましくは少なくとも99質量%がX及びYOからなるような量で用いる。
一般に、X及びYOは、0.02:1より大きい、好ましくは少なくとも0.03:1、より好ましくは0.03:1〜0.07:1、より好ましくは0.03:1〜0.06:1、より好ましくは0.03:1〜0.05:1の範囲内のX:YOのモル比でBEA骨格構造を有するゼオライト材料に含めることができる。
4価元素Yの化学的性質に関する特定の制約はないが、本発明による好ましい4価元素Yは、Si、Sn、Ti、Zr、Ge及びそれらの2つ以上の組合せを含むが、これらに限定されない。より好ましくは、Yは、Si、Sn、Ti、Zr、Ge及びそれらの2つ以上の組合せからなる群から選択される。より好ましくは、Yは、Si、Sn、Ti、Zr及びそれらの2つ以上の組合せからなる群から選択される。より好ましくは、Yは、Si、Sn又はSiとSnの組合せである。より好ましくは、Yは、Siである。
3価元素Xの化学的性質に関する特定の制約はないが、本発明による好ましい3価元素は、Al、B、In、Ga、Fe及びそれらの組合せを含むが、これらに限定されない。より好ましくは、Xは、Al、B、In、Ga、Fe及びそれらの2つ以上の組合せからなる群から選択される。より好ましくは、Xは、Al、B、In及びそれらの2つ以上の組合せからなる群から選択される。より好ましくは、Xは、Al、B又はそれらの組合せである。より好ましくは、Xは、Bである。
したがって、本発明は、YがSi、Sn、Ti、Zr、Ge及びそれらの2つ以上の組合せからなる群から選択され、Yが好ましくはSiであり、XがAl、B、In、Ga、Fe及びそれらの2つ以上の組合せからなる群から選択され、Xが好ましくはBである、上記の方法に関する。
したがって、好ましい実施形態によれば、骨格構造の少なくとも90質量%、より好ましくは少なくとも95質量%、より好ましくは少なくとも98質量%、より好ましくは少なくとも99質量%がB及びSiOからなり、B:SiOのモル比が0.02:1より大きい、より好ましくは少なくとも0.03:1である、より好ましくは0.03:1〜0.07:1、より好ましくは0.03:1〜0.06:1、より好ましくは0.03:1〜0.05:1の範囲にある、BEA骨格構造を有するゼオライト材料を(i)において準備する。この材料は、B−BEAとも呼ばれる。
したがって、本発明の好ましい実施形態によれば、骨格構造の少なくとも95質量%、好ましくは少なくとも98質量%がB及びSiOからなり、B:SiOのモル比が0.03:1〜0.07:1、好ましくは0.03:1〜0.06:1の範囲にある、BEA骨格構造を有するゼオライト材料を(i)において準備する。
本発明の好ましい実施形態によれば、(i)において準備するゼオライト材料は、
(1)少なくとも1つの鋳型化合物、YOの少なくとも1つの源及びXの少なくとも1つの源を含む混合物を調製する工程と、
(2)(1)において調製した混合物からゼオライト材料を結晶化させる工程と
を含む合成方法により得られる。
本発明によれば、(1)で用いる少なくとも1つの鋳型化合物は、適切な鋳型化合物(構造指向剤)であり得る。適切な鋳型化合物には、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、N,N,N−トリメチル−1−アダマンタンアンモニウムヒドロキシド、ピペリジン、ヘキサメチレンイミン、ジベンジル−1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、ジベンジルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド及びそれらの混合物が含まれる。本発明の好ましい実施形態によれば、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドを用いる。
さらに、YOを含むBEA骨格構造を有するゼオライト材料を(2)において結晶化させることができるならば、YOは、(1)においてあらゆる考えられる形で準備することができる。好ましくは、YOは、それ自体として及び/又は化学的構成成分としてYOを含む化合物として及び/又は(1)の実施中にYOに部分的に若しくは完全に化学的に変換される化合物として準備する。YがSi又はSiと1つ若しくは複数のさらなる4価元素との組合せを表す、本発明の好ましい実施形態において、(1)において準備するSiOの源は、あらゆる考えられる源であり得る。したがって、例えば、すべての種類のシリカ及びケイ酸塩、好ましくはフュームドシリカ、シリカヒドロゾル、反応性非晶質固体シリカ、シリカゲル、ケイ酸、水ガラス、メタケイ酸ナトリウム水和物、セスキケイ酸塩又は二ケイ酸塩、コロイドシリカ、焼成シリカ、ケイ酸エステル、若しくはテトラアルコキシシラン、又はこれらの化合物の少なくとも2つの混合物を用いることができる。
(1)による混合物がSiOの少なくとも1つの源を含む、本発明の好ましい実施形態において、前記源は、好ましくは、シリカ及びケイ酸塩、好ましくはケイ酸塩、より好ましくはアルカリ金属ケイ酸塩からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む。好ましいアルカリ金属ケイ酸塩のうちで、少なくとも1つの源は、好ましくは水ガラス、より好ましくはケイ酸ナトリウム及び/又はカリウム、より好ましくはケイ酸ナトリウムを含む。本発明の特に好ましい実施形態において、SiOの源は、ケイ酸ナトリウムである。さらに、シリカを含む実施形態において、フュームドシリカが好ましい。
BEA骨格構造を有するゼオライト材料がXを含む、本発明の好ましい実施形態によれば、Xの少なくとも1つの源を(1)において準備する。一般に、Xを含むBEA骨格構造を有するゼオライト材料を(2)において結晶化させることができるならば、Xをあらゆる考えられる形で準備することができる。好ましくは、Xは、それ自体として及び/又は化学的構成成分としてXを含む化合物として及び/又は発明による方法においてXに部分的に若しくは完全に化学的に変換される化合物として準備する。
XがB又はBと1つ又は複数のさらなる3価元素との組合せを表す、本発明のより好ましい実施形態において、例えば、遊離ホウ酸及び/又はホウ酸塩及び/又は例えば、ホウ酸トリエチル若しくはホウ酸トリメチルなどのホウ酸エステルをXのそれぞれ出発物質として、及び少なくとも1つの源として用いることができる。
BEA骨格構造を有するゼオライト材料に含まれるX及びYOの組合せに関して本発明による特定の制約は存在しない。したがって、原則として、YOにおける1つ又は複数の4価元素Yのあらゆる考えられる組合せをXにおける1つ又は複数の3価元素Xと組み合せてゼオライト材料に含めることができ、前述の元素X及びYは、それぞれBEA骨格構造の構成要素である。
一般に、BEA骨格構造を有するゼオライト材料が(1)による混合物から結晶化するならば、(2)による結晶化手順は、あらゆる考えられる方法で実施することができる。混合物は、あらゆる種類の容器中で結晶化させることができ、好ましくは容器の回転及び/又はかき混ぜにより、より好ましくは混合物をかき混ぜることによる、撹拌の手段を好ましくは用いる。
好ましくは、混合物は、(2)における結晶化プロセスの少なくとも一部において加熱する。一般に、BEA骨格構造を有するゼオライト材料が混合物から結晶化するならば、混合物をあらゆる考えられる結晶化の温度に加熱することができる。好ましくは、混合物を80〜200℃、より好ましくは90〜190℃、より好ましくは100〜185℃、より好ましくは120〜180℃、より好ましくは140〜175℃、さらにより好ましくは150〜165℃の範囲の結晶化の温度に加熱する。
本発明の(2)における好ましい加熱は、BEA骨格構造を有するゼオライト材料の結晶化に適するあらゆる考えられる方法で行うことができる。一般に、加熱は、結晶化の1つの温度で行うことができ、或いは異なる温度間で異なる。好ましくは、結晶化の温度に到達させるために昇温勾配を用い、加熱速度は、好ましくは5〜100℃/時、より好ましくは10〜70℃/時、より好ましくは15〜50℃/時、さらにより好ましくは20〜30℃/時の範囲にある。
一般に、本発明による方法の(2)における結晶化プロセスの継続時間は、特に制限されない。(1)による混合物の加熱に関連する好ましい実施形態において、前記結晶化プロセスを10〜200時間、より好ましくは20〜190時間、さらにより好ましくは40〜170時間の範囲の期間実施する。本発明による方法によれば、結晶化を60〜160時間、より好ましくは80〜150時間、さらにより好ましくは110〜130時間の範囲の期間実施する。
混合物を(2)において加熱する、本発明の好ましい実施形態によれば、BEA骨格構造を有するゼオライト材料が結晶化するならば、前記加熱は、全結晶化プロセス中又はその1つ若しくは複数の部分においてのみ行うことができる。好ましくは、加熱は、結晶化の全継続時間中に行う。
一般に、本発明の方法は、(1)において準備した混合物から(2)において結晶化させたBEA骨格構造を有するゼオライト材料の後処理並びに/又はさらなる物理的及び/若しくは化学的変換のためのさらなる工程を場合によって含み得る。結晶化物質を、例えば、一連の単離及び/又は洗浄手順にかけることができ、(2)における結晶化により得られたゼオライト材料を好ましくは少なくとも1回の単離及び少なくとも1回の洗浄手順にかける。
結晶化ゼオライト材料の単離は、あらゆる考えられる手段により達成することができる。これらの方法は、例えば、ろ過、限外ろ過、透析ろ過並びに遠心分離及び/又は傾斜法、或いは、例えば、噴霧乾燥法及び噴霧造粒法を含み、ろ過法は、吸引及び/又は加圧ろ過工程を含み得る。これらの方法の2つ以上の組合せを適用することができる。
1回又は複数回の場合による洗浄手順に関して、あらゆる考えられる溶剤を用いることができる。用いることができる洗浄剤は、例えば、水、メタノール、エタノール若しくはプロパノールなどのアルコール又はそれらの2種以上の混合物である。混合物の例は、メタノールとエタノール若しくはメタノールとプロパノール若しくはエタノールとプロパノール若しくはメタノールとエタノールとプロパノールなどの2種以上のアルコールの混合物、又は水とメタノール若しくは水とエタノール若しくは水とプロパノール若しくは水とメタノールとエタノール若しくは水とメタノールとプロパノール若しくは水とエタノールとプロパノール若しくは水とメタノールとエタノールとプロパノールなどの水と少なくとも1種のアルコールとの混合物である。水又は水と少なくとも1種のアルコール、好ましくは水とエタノールとの混合物が好ましく、蒸留水が唯一の洗浄剤として極めてとりわけ好ましい。
本発明によれば、結晶化ゼオライト材料を好ましくはろ過により懸濁液から分離して、ろ過ケーキを得、これを好ましくは、好ましくは水による洗浄にかける。洗浄を適用する場合、洗浄水が最大でも1000マイクロジーメンス/cm、より好ましくは最大でも850マイクロジーメンス/cm、より好ましくは最大でも700マイクロジーメンス/cmの伝導率を有するまで、洗浄工程を継続することが好ましい。
好ましくはろ過による、懸濁液からのゼオライト材料の分離の後、及び好ましくは洗浄の後、洗浄済みゼオライト材料を好ましくは4〜10時間、より好ましくは5〜8時間の範囲の時間にわたり例えば、空気、リーン空気又は工業用窒素などの適切な気流にさらすことによる、前乾燥に場合によってかける。
次いで、場合によって前乾燥したろ過ケーキを好ましくは乾燥する。好ましくは、乾燥は、工業用窒素、空気又はリーン空気などの適切な雰囲気中で100〜300℃、より好ましくは150〜275℃、より好ましくは200〜250℃の範囲の温度で行う。そのような乾燥は、例えば、適切な乾燥オーブン内で、又は噴霧乾燥により、行うことができる。乾燥を噴霧乾燥により行う場合、乾燥ガス入口温度は、好ましくは200〜250℃、より好ましくは220〜250℃の範囲にあり、乾燥ガス出口温度は、好ましくは100〜175℃、より好ましくは120〜150℃の範囲にある。噴霧乾燥を行う場合、場合によって濃縮後の、ゼオライト材料を含む母液を噴霧乾燥に直接かけることが考えられる。さらに、洗浄され、場合によって前乾燥されたゼオライト材料の場合によって適切な再懸濁の後に、分離され、洗浄されたゼオライト材料を噴霧乾燥にかけることが考えられる。
したがって、本発明はまた、(ii)の前に、(i)において準備したゼオライト材料を噴霧乾燥にかけ、噴霧乾燥中、乾燥ガス入口温度が好ましくは200〜250℃の範囲にあり、乾燥ガス出口温度が好ましくは100〜175℃の範囲にある、上記の方法に関する。
好ましい合成方法は、好ましくは(i)において準備したゼオライト材料の焼成を含み、ゼオライト材料を事前に噴霧乾燥に場合によってかけることができる。本発明の好ましい実施形態によれば、(ii)の前に、(i)において準備したゼオライト材料を、場合によって噴霧乾燥の後に、焼成にかける。焼成中、少なくとも1つの鋳型化合物を骨格構造から好ましくは少なくとも部分的に、より好ましくは本質的に除去する。
焼成は、一般に(i)において準備したゼオライト材料の350℃の温度以上での加熱を含む。本発明による焼成手順は、一般に、工業用窒素、空気又はリーン空気などの適切な雰囲気中での400〜700℃、好ましくは450〜550℃の範囲の温度での(i)において準備したゼオライト材料の加熱を含む。さらに、(i)において準備したゼオライト材料の焼成手順は、1〜10時間、好ましくは3〜6時間の範囲の期間にわたり行う。したがって、本発明の好ましい実施形態によれば、焼成は、400〜700℃、好ましくは450〜550℃の範囲の温度で、1〜10時間、好ましくは3〜6時間の範囲の期間にわたり行う。
本発明によれば、(i)において準備するゼオライト材料の結晶化度は、特定の制約を受けない。結晶化度に関する限りは、本発明との関連で言及する値は、参照例2で述べる方法により決定されると理解すべきである。例として、(i)において準備したゼオライト材料の結晶化度は、50〜90%又は55〜80%などの40〜100%の範囲にあり得る。
(i)において準備するゼオライト材料の水取込み量に関する限りは、本発明との関連で言及する値は、参照例1で述べる方法により決定されると理解すべきである。例として、(i)において準備したゼオライト材料の水取込み量は、10〜40質量%又は10〜30質量%などの10〜50質量%の範囲にあり得る。
工程(ii)
本発明によれば、(i)において準備した、BEA骨格構造を有するゼオライト材料、特に好ましくは分離され、噴霧乾燥され、焼成されたゼオライト材料を液体溶剤系による処理(ii)にかけ、それにより、最大でも0.02:1のX:YOのモル比を有するゼオライト材料を得、ゼオライト材料を液体溶剤系から少なくとも部分的に分離する。
一般に、(ii)で用いる液体溶剤系の化学的性質に関する特定の制約は存在しない。したがって、(i)において準備したゼオライト材料のX:YOのモル比を最大でも0.02:1の値に低下させるために酸性水性系を用いることが考えられる。酸として、液体溶剤系は、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸又は酒石酸を含み得る。好ましくは、(ii)で用いる液体溶剤系は、水、一価アルコール、多価アルコール及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択される。一価アルコール及び多価アルコールに関しては、特定の制約は存在しない。好ましくは、これらのアルコールは、1〜6個の炭素原子、より好ましくは1〜5個の炭素原子、より好ましくは1〜4個の炭素原子、より好ましくは1〜3個の炭素原子を含む。多価アルコールは、好ましくは2〜5個のヒドロキシル基、より好ましくは2〜4個のヒドロキシル基、好ましくは2〜3個のヒドロキシル基を含む。特に好ましい一価アルコールは、メタノール、エタノール及び1−プロパノール及び2−プロパノールのようなプロパノールである。特に好ましい多価アルコールは、エタン−1,2−ジオール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、プロパン−1,2,3−トリオールである。上述の化合物の2つ以上の混合物を用いる場合、これらの混合物が水並びに少なくとも1つの一価及び/又は多価アルコールを含むことが好ましい。最も好ましくは、液体溶剤系は、水からなる。したがって、本発明は、液体溶剤系が水、メタノール、エタノール、プロパノール、エタン−1,2−ジオール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、プロパン−1,2,3−トリオール及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択され、好ましくは水である、上記で規定した方法及びそれにより得ることができる又は得られたゼオライト材料に関する。
さらに、液体溶剤系が無機酸若しくは有機酸又はそれらの塩を含まないことが特に好ましく、酸は、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸及び酒石酸からなる群から選択される。したがって、本発明はまた、液体溶剤系が水、メタノール、エタノール、プロパノール、エタン−1,2−ジオール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、プロパン−1,2,3−トリオール及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択され、好ましくは水であり、液体溶剤系が無機酸若しくは有機酸又はそれらの塩を含まず、酸が塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸及び酒石酸からなる群から選択される、上記の方法に関する。さらにより好ましくは、本発明はまた、液体溶剤系が水、メタノール、エタノール、プロパノール、エタン−1,2−ジオール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、プロパン−1,2,3−トリオール及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択され、好ましくは水であり、液体溶剤系が無機酸若しくは有機酸又はそれらの塩を含まない、上記の方法に関する。
(ii)による反応条件は、特に制限されず、ただし、上記の溶剤系は、その液体状態であり、X:YOのモル比は、最大でも0.02:1の値に低下する。特に、下記の好ましい温度に関して、当業者は、溶剤系をその液体状態に維持するために処理が行われるそれぞれの圧力を選択する。
(ii)による処理の継続時間に関しては、特定の制約は存在しない。上記の時間は、液体溶剤系が下記の処理温度のもとに維持される時間として理解すべきである。好ましくは、(ii)において、処理は、6〜20時間、より好ましくは7〜17時間、より好ましくは8〜12時間の期間にわたり行う。好ましい処理温度は、50〜125℃、好ましくは90〜115℃、より好ましくは95〜105℃の範囲にある。最も好ましくは、(ii)による処理は、溶剤系の沸点において行う。溶剤系が2つ以上の成分から構成されている場合、(ii)による処理は、好ましくは最低の沸点を有する成分の沸点において行う。
本発明の好ましい実施例によれば、(ii)による処理は、還流下で行う。したがって、(ii)による処理に用いられる、開放系である、好ましい容器は、好ましくは還流冷却器が備えられている。(ii)による処理中、液体溶剤系の温度は、本質的に一定に維持するか又は変化させ、したがって、液体溶剤系による処理は、2つ以上の異なる温度で行われる。最も好ましくは、温度は、上で規定した範囲内に本質的に一定に維持する。
したがって、本発明は、
(ii)(i)において準備したゼオライト材料を開放系において還流下で95〜105℃の範囲の温度で液体溶剤系、好ましくは水で処理して、それにより、最大でも0.02:1のX:YO、好ましくはB:SiOのモル比を有するゼオライト材料を得、ゼオライト材料を液体溶剤系から少なくとも部分的に分離する工程とを含む、上記の方法に関する。
液体溶剤系の量に対して用いられるゼオライト材料の量に関する限りは、特定の制約は存在しない。好ましくは、ゼオライト材料の液体溶剤系に対する質量比は、1:5〜1:50、より好ましくは1:10〜1:35、より好ましくは1:10〜1:20、さらにより好ましくは1:12〜1:18の範囲にある。
(ii)による処理中、液体溶剤系を適切に撹拌することがさらに好ましい。(ii)による処理中、撹拌速度を本質的に一定に維持するか又は変化させ、したがって、処理を2つ以上の異なる撹拌速度で行う。最も好ましくは、ゼオライト材料を第1の撹拌速度で液体溶剤系に懸濁し、上記の温度での(ii)による処理中に、撹拌速度を変化させる、好ましくは増加させる。撹拌速度は、例えば、液体溶剤系の体積、用いるゼオライト材料の量、所望の温度などによって、そのように適切に選択することができる。好ましくは、ゼオライト材料が液体溶剤系に懸濁されているもとでの撹拌速度は、5〜200r.p.m.(1分当たりの回転数)、より好ましくは10〜200r.p.m.、より好ましくは20〜55r.p.m.、より好ましくは30〜50r.p.m.の範囲にある。上述の温度での処理が行われているもとでの撹拌速度は、好ましくは50〜100r.p.m.、より好ましくは55〜90r.p.m.、より好ましくは60〜80r.p.m.の範囲にある。
(ii)による処理の後、得られたゼオライト材料を懸濁液から分離する。ゼオライト材料を懸濁液から分離するすべての方法が想定される。これらの方法は、例えば、ろ過、限外ろ過、透析ろ過並びに遠心分離法、或いは、例えば、噴霧乾燥法及び噴霧造粒法を含み、ろ過法は、吸引及び/又は加圧ろ過工程を含み得る。これらの方法の2つ以上の組合せを適用することができる。
1つ又は複数の場合による洗浄手順に関して、あらゆる溶剤を用いることができる。用いることができる洗浄剤は、例えば、水、メタノール、エタノール若しくはプロパノールなどのアルコール又はそれらの2つ以上の混合物である。混合物の例としては、メタノール及びエタノール若しくはメタノール及びプロパノール若しくはエタノール及びプロパノール若しくはメタノール及びエタノール及びプロパノールなどの2種以上のアルコールの混合物、又は水及びメタノール若しくは水及びエタノール若しくは水及びプロパノール若しくは水及びメタノール及びエタノール若しくは水及びメタノール及びプロパノール若しくは水及びエタノール及びプロパノール若しくは水及びメタノール及びエタノール及びプロパノールなどの水及び少なくとも1種のアルコールの混合物などがある。水又は水及び少なくとも1種のアルコール、好ましくは水及びエタノールの混合物が好ましく、蒸留水が唯一の洗浄剤として非常にとりわけ好ましい。適用される通りに洗浄する場合、洗浄水が最大でも1000マイクロジーメンス/cm、より好ましくは最大でも850マイクロジーメンス/cm、より好ましくは最大でも700マイクロジーメンス/cmの伝導率を有するまで洗浄工程を継続することが好ましい場合がある。
本発明によれば、ゼオライト材料を好ましくはろ過により懸濁液から分離して、ろ過ケーキを得、これを好ましくは、好ましくは水による洗浄にかける。
一般に、本発明の方法は、(ii)で得られたBEA骨格構造を有するゼオライト材料の後処理並びに/又はさらなる物理的及び/若しくは化学的変換のためのさらなる工程を場合によって含み得る。得られたゼオライト材料は、例えば、一連の単離及び/又は洗浄手順にかけることはでき、ゼオライト材料は、少なくとも1回の単離及び少なくとも1回の洗浄手順にかけることが好ましい。
好ましくはろ過により達成される、懸濁液からのBEA骨格構造を有するゼオライト材料の分離の後、及び洗浄の後、(ii)で得られたゼオライト材料を場合によって乾燥にかける。乾燥手順は、1つ又は複数の乾燥工程を場合によって含み得る。一般に、乾燥のあらゆる考えられる手段を用いることができる。乾燥手順は、好ましくはBEA骨格構造を有するゼオライト材料を加熱する工程及び/又はそれに真空をかける工程を含む。
好ましくは、分離され、洗浄されたゼオライト材料は、例えば、ろ過ケーキを好ましくは4〜10時間、より好ましくは5〜8時間の範囲の時間にわたり空気、リーン空気又は窒素などの適切な気流にさらすことによって、乾燥にかける。
(iii)の前に、(ii)による処理により得られたゼオライト材料を噴霧乾燥にかけることがさらに好ましい。乾燥を噴霧乾燥により行う場合、乾燥ガス入口温度は、好ましくは200〜250℃、より好ましくは220〜250℃の範囲にあり、乾燥ガス出口温度は、好ましくは100〜175℃、より好ましくは120〜150℃の範囲にある。噴霧乾燥を行う場合、場合によって濃縮後の、ゼオライト材料を含む母液を噴霧乾燥に直接かけることが考えられる。さらに、洗浄され、場合によって前乾燥されたゼオライト材料の場合によって適切な再懸濁の後に、分離され、洗浄されたゼオライト材料を噴霧乾燥にかけることが考えられる。
本発明のとりわけ好ましい実施形態によれば、(ii)から得られたゼオライト材料は、粉末の形、好ましくは噴霧粉末の形であり、噴霧粉末は、(i)における噴霧乾燥及び/又は(ii)における噴霧乾燥によって生じ得る。
(ii)によれば、好ましくは乾燥済みゼオライト材料を焼成に場合によってかける。好ましくは、焼成は、空気、リーン空気又は窒素などの適切な雰囲気中で400〜700℃、好ましくは500〜600℃の範囲の温度で、1〜10時間、好ましくは2〜6時間の範囲の期間にわたり行う。
本発明の好ましい実施形態によれば、(ii)で得られたゼオライト材料は、(iii)の前に焼成にかけない。
本発明によれば、液体溶剤系を用いる(ii)による処理により、ゼオライト材料のX:YOのモル比が低下する。したがって、それは、BEA骨格構造からXの少なくとも一部を除去するための手順である。したがって、(ii)から得られたBEA骨格構造を有するゼオライト材料のX:YOのモル比は、(i)で準備したBEA骨格構造を有するゼオライト材料のX:YOのモル比より高い。本発明の好ましい実施形態によれば、(ii)で得られるX:YOのモル比は、最大でも0.02:1、好ましくは最大でも0.01:1、より好ましくは0.0005:1〜0.01:1、より好ましくは0.0009:1〜0.003:1の範囲にある。
工程(iii)
(ii)の後、BEA骨格構造を有するゼオライト材料、BEA骨格構造を有する分離済み及び乾燥済みゼオライト材料を5.5〜8の範囲のpH及び少なくとも75℃の温度を有する液体水性系による処理にかける。
本発明によれば、考えられる量の水を液体水性系に含めることができる。ただし、液体水性系の含水率が50質量%より大きく、液体水性系のpHは、上記の範囲にある。一般に、液体水性系に含まれる水の量は、少なくとも85質量%、好ましくは少なくとも90質量%、より好ましくは少なくとも95質量%、より好ましくは少なくとも99質量%、さらにより好ましくは少なくとも99.9質量%である。さらにより好ましくは、(iii)で用いる液体水性系は、本質的に水からなり、水に含まれている、好ましくは用いられる脱イオン水に好ましくは含まれている特定の不純物をのみを含む可能性がある。したがって、本発明の好ましい実施形態によれば、(iii)において、液体水性系は、少なくとも90質量%、好ましくは少なくとも99質量%、より好ましくは少なくとも99.9質量%の水を含む。
(iii)で用いる水性系のpHに関しては、5.5〜8の範囲のpHが好ましい。液体水性系のpHは、pH感受性ガラス電極を用いて決定する。本発明のさらなる好ましい実施形態によれば、(iii)で用いる液体水性系は、6〜7.5、好ましくは6.5〜7.5の範囲のpHを有する。
(iii)による液体水性系による処理の継続時間に関しては、特定の制約は存在しない。好ましくは、(iii)において、ゼオライト材料を0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜18時間、より好ましくは8時間〜14時間の範囲の期間にわたり液体水性系により処理する。
さらに、液体水性系の温度に関する特定の制約は存在せず、ただし、水性系は、その液体状態にある。したがって、下記の好ましい温度に関して、当業者は、溶剤系をその液体状態に維持するために(ii)による処理が行われているもとでのそれぞれの圧力を選択する。
好ましくは、(iii)において、ゼオライト材料を75〜200℃、好ましくは90〜180℃、より好ましくは100〜160℃、より好ましくは110〜160℃、より好ましくは110〜150℃の範囲の温度で液体水性系により処理する。
(iii)において加熱が行われる容器の種類に関して、特定の制約は存在しないが、水性系がその液体状態にある、上記の温度でゼオライト材料を処理することを可能にするために容器を適切に選択する。したがって、より高い温度が関係する限りは、(iii)による処理は、自己生成圧力下で閉鎖系内において行う。
本発明の考えられる実施形態によれば、(iii)における加熱は、開放系において行う。この場合、水性系をその液体状態に維持するために処理を、用いる水性系の沸騰温度以下で行うので、反応条件は、温度により制約される。
好ましい実施形態によれば、(iii)における加熱を閉鎖系において行う。したがって、(iii)における加熱は、好ましくは、例えば、オートクレーブ又はソルボサーマル条件を得るのに適する他の容器中で、ゼオライト材料を液体水性系の自己生成圧力下で液体水性系により処理することを意味する、ソルボサーマル条件下で行う。
したがって、本発明の特定の好ましい実施形態によれば、(iii)において、ゼオライト材料を自己生成圧力下で、閉鎖系内、好ましくはオートクレーブ中で液体水性系により処理する。
したがって、本発明の好ましい実施形態によれば、(ii)による処理を開放系において好ましくは還流下で行い、(iii)による処理を閉鎖系において好ましくは自己生成圧力下で行い、(ii)において、溶剤系は、その液体状態にあり、(iii)において、水性系は、その液体状態にある。
したがって、本発明はまた、
(ii)(i)において準備したゼオライト材料を開放系において還流下で95〜105℃の範囲の温度で液体溶剤系、好ましくは水により処理して、それにより、最大でも0.02:1のX:YO、好ましくはB:SiOのモル比を有するゼオライト材料を得、ゼオライト材料を液体溶剤系から少なくとも部分的に分離する工程と、
(iii)(ii)から得られたゼオライト材料を閉鎖系内で自己生成圧力下で6.5〜7.5の範囲のpH及び110〜160℃の範囲の温度を有する液体水性系、好ましくは水により処理する工程と
を含む、上記で規定した方法に関する。
(iii)による処理中、液体水性系を適切に撹拌することがさらに好ましい。(iii)による処理中、撹拌速度を本質的に一定に維持するか、又は変化させ、したがって、処理を2つ以上の異なる撹拌速度で行う。撹拌速度は、例えば、液体水性系の体積、用いるゼオライト材料の量、所望の温度などによって、そのように適切に選択することができる。好ましくは、(iii)で用いる撹拌速度は、10〜200r.p.m.(1分当たりの回転数)、より好ましくは50〜180r.p.m.、より好ましくは80〜160r.p.m.、より好ましくは110〜130r.p.m.の範囲にある。
用いるゼオライト材料の量に対して(iii)で用いる液体水性系の量に関する限りは、特定の制約は存在しない。好ましくは、(iii)において、液体水性系のゼオライト材料に対する質量比は、35:1〜5:1、好ましくは30:1〜10:1、より好ましくは25:1〜15:1の範囲にある。
(iii)による処理の後、BEA骨格構造を有するゼオライト材料を好ましくは懸濁液から分離する。ゼオライト材料の分離は、例えば、ろ過、限外ろ過、透析ろ過並びに遠心分離及び/又は傾斜法を含むあらゆる考えられる方法により達成することができ、ろ過法は、吸引及び/又は加圧ろ過工程を含み得る。その後、分離されたゼオライト材料を1回又は複数回の場合による洗浄手順にかける。用いることができる洗浄剤は、例えば、水、メタノール、エタノール若しくはプロパノールなどのアルコール又はそれらの2つ以上の混合物である。混合物の例は、メタノール及びエタノール若しくはメタノール及びプロパノール若しくはエタノール及びプロパノール若しくはメタノール及びエタノール及びプロパノールなどの2種以上のアルコールの混合物、又は水及びメタノール若しくは水及びエタノール若しくは水及びプロパノール若しくは水及びメタノール及びエタノール若しくは水及びメタノール及びプロパノール若しくは水及びエタノール及びプロパノール若しくは水及びメタノール及びエタノール及びプロパノールなどの水及び少なくとも1種のアルコールの混合物である。水又は水及び少なくとも1種のアルコール、好ましくは水及びエタノールの混合物が好ましく、蒸留水が唯一の洗浄剤として非常にとりわけ好ましい。洗浄を適用する場合、洗浄水が最大でも1000マイクロジーメンス/cm、より好ましくは最大でも850マイクロジーメンス/cm、より好ましくは最大でも700マイクロジーメンス/cmの伝導率を有するまで洗浄工程を継続することが好ましい場合がある。
本発明によれば、ゼオライト材料を好ましくはろ過により懸濁液から分離して、ろ過ケーキを得、これを好ましくは、好ましくは蒸留水による洗浄にかける。
一般に、本発明の方法は、(iii)で得られたBEA骨格構造を有するゼオライト材料の後処理並びに/又はさらなる物理的及び/若しくは化学的変換のためのさらなる工程を場合によって含み得る。得られたゼオライト材料は、例えば、一連の単離及び/又は洗浄手順にかけることができ、(iii)から得られたゼオライト材料は、少なくとも1回の単離及び少なくとも1回の洗浄手順にかけることが好ましい。
好ましくはろ過により達成される、懸濁液からのBEA骨格構造を有するゼオライト材料の分離の後、及び洗浄の後、(iii)で得られたゼオライト材料を少なくとも1回の乾燥工程にかける。乾燥手順は、1回又は複数回の乾燥工程を場合によって含み得る。一般に、あらゆる考えられる乾燥の手段を用いることができる。乾燥手順は、好ましくはBEA骨格構造を有するゼオライト材料を加熱する工程及び/又はそれに真空をかける工程を含む。
好ましくはろ過により達成される、懸濁液からのBEA骨格構造を有するゼオライト材料の分離後、及び洗浄後、例えば、ろ過ケーキを適切な気流、好ましくは窒素流にさらすことによって、BEA骨格構造を有するゼオライト材料を含む洗浄済みろ過ケーキを場合によって乾燥にかける。したがって、(iii)における本発明の特定の好ましい実施形態によれば、ゼオライト材料を乾燥にかける。乾燥の継続時間及び温度に関しては、特定の制約は存在しない。好ましくは、乾燥は、空気、リーン空気又は窒素などの適切な雰囲気中で、100〜180℃、好ましくは120〜150℃の範囲の温度で、10〜70時間、好ましくは15〜25時間の範囲の期間にわたり行う。
好ましくはろ過による、懸濁液からのゼオライト材料の分離の後並びに好ましくは洗浄後及び乾燥の前に、洗浄済みゼオライト材料を好ましくは4〜10時間、より好ましくは5〜8時間の範囲の時間にわたり例えば、空気、リーン空気又は窒素などの適切な気流にさらすことにより、前乾燥にかけることができる。
さらに、本発明の好ましい実施形態によれば、(iii)においてゼオライト材料を、場合によって乾燥後に、焼成にかける。好ましくは、焼成は、350〜600℃、好ましくは400〜500℃の範囲の温度で、1〜10時間、好ましくは2〜7時間の範囲の期間にわたり行う。適切な焼成雰囲気は、窒素、空気又はリーン空気を含む。
本発明の特定の好ましい実施形態によれば、(i)の後及び/又は(ii)の後及び/又は(iii)の後、ゼオライト材料を焼成の前に乾燥にかけ、乾燥は100〜180℃、好ましくは120〜150℃の範囲の温度で、10〜70時間、好ましくは15〜25時間の範囲の期間にわたり好ましくは行う。
驚くべきことに、本発明による方法により、(i)において準備したゼオライト材料と比べてX:YOのモル比の低下を有するゼオライト材料を得ることができ、同時に、本明細書で述べたように水取込み量の測定によって特徴づけられる、ゼオライト材料の疎水性を一定に維持すること又は増大させることさえできることが見いだされた。そのような疎水性の増大は、触媒活性物質のようなゼオライト材料の多くの可能な用途で望ましい。したがって、(ii)による脱ホウ素化工程と液体水性系によるその後の処理との組合せが先行技術の方法の不都合を克服することが見いだされた。したがって、本発明によれば、(iii)から得られるゼオライト材料の水取込み量は、(ii)において準備されるゼオライト材料の水取込み量より低い。好ましくは、(iii)から得られるゼオライト材料の水取込み量は、(i)において準備されるゼオライト材料の水取込み量より少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも55%、さらにより好ましくは少なくとも60%低い。
さらに、(iii)による液体水性系による処理がゼオライト材料の比表面積に影響を及ぼすことが見いだされた。好ましくは、(iii)から得られるゼオライト材料の比表面積は、(ii)から得られるゼオライト材料の比表面積より少なくとも100m/g、好ましくは少なくとも200m/g低い。本明細書のこの文脈で用いる「比表面積」という用語は、DIN66131に従って窒素吸着により決定される、多点BET比表面積に関する。
さらに、本発明の方法の(iii)による液体水性系による追加処理がゼオライト材料のシラノール基の特性に対する正の影響を有することが驚くべきことに見いだされた。特に、本発明のゼオライト材料の赤外スペクトルにおいて、第1の種類のシラノール基は、3701〜3741cm−1の領域に極大を有する第1の吸収帯により表され、前記第1の吸収帯は、表面シラノール基に帰すことができ、第2の種類のシラノール基は、3500〜3550cm−1の領域に極大を有する第2の吸収帯により表され、前記第2の吸収帯は、シラノールネストに帰すことができる。再び、本発明の意味の範囲内で、「表面シラノール」又は「表面シラノール基」という用語は、好ましくは、Zecchinaら、J. Phys. Chem. 1992、96、4991〜4997頁に記載されているように、水素結合性でなく、例えば、シリカライトのIRスペクトルにおけるその特性吸収が3650〜3800cm−1の範囲に見いだされるSi−OH基を意味する。より詳細には、蒸気及び/又は酸処理によるなどのX:YOのモル比を低下させるためのゼオライト材料の処理が第2の吸収帯の強度の増加によって特徴づけられるシラノールネストの形成の増大をもたらすのに対して、X:YOのモル比の低下のための処理で、第1の吸収帯の強度によって反映される表面シラノール基の濃度は、比較的に一定のままであることを観測することができる。結果として、ゼオライト材料の所定のIRスペクトルの評価により得られる第2の吸収帯に対する第1の吸収帯の強度比は、所定のゼオライト材料におけるシラノールネストの相対濃度に関する、及び特にゼオライト材料の処理による、例えば、その蒸気及び/又は酸処理の結果としてのシラノールネスト濃度の変化に関する信頼できる指標となる。より詳細には、第2の吸収に対する第1の吸収帯の強度比の低下は、ゼオライト材料におけるシラノールネストの相対濃度の増加を示すのに対して、その増加は、したがってシラノールネストの相対濃度の低下を反映する。
したがって、本発明によれば、(iii)で得られたゼオライト材料の第2の種類のシラノール基を表すIR帯に対する第1の種類のシラノール基を表すIR帯の強度比が(ii)で得られたゼオライト材料のそれぞれの比よりも少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも30%、より好ましくは少なくとも50%、より好ましくは60%、より好ましくは70%高いことが見いだされた。上記のように、第2のIR吸収帯に対する第1のIR吸収帯の強度比に関して、前記比の増加は、(iii)における液体水性系による処理によりもたらされる、ゼオライト材料における内部欠陥(すなわち、シラノールネスト)の相対濃度の低下を示す。したがって、本発明の方法の驚くべき技術的効果は、工程(iii)の処理の前及び後のゼオライト材料のIRスペクトルにおける上記の帯の強度比の漸進的変化を観測することにより観測することができ、前記工程において観測することができる前記比の増加は、例えば、蒸気及び/又は酸処理によりゼオライト骨格からXを除去するための工程(ii)における処理の結果としてのゼオライト構造の分解の後の本発明の方法によってもたらされる驚くべき再生効果を示すものである。
さらに、本発明の方法の(iii)による液体水性系による処理により、(ii)で得られたゼオライト材料の結晶化度が一定に維持されるか、又はわずかに低下し得ることが見いだされた。特に、水熱処理は、(ii)で得られたゼオライト材料の最初の結晶化度を大部分は維持することができるようにゼオライト材料の結晶化度のわずかな影響を示した。例として、XRD分析により決定される、(iii)から得られたゼオライト材料の結晶化度は、(ii)で得られたゼオライト材料の結晶化度よりも30%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは15%未満、より好ましくは10%未満、より好ましくは5%未満、より好ましくは2%未満、より好ましくは1%未満低い。
とりわけ好ましくは、本発明の方法は、(iii)の前にもその実施中にもその後にも、蒸気処理、特に水蒸気処理を含まない。したがって、好ましくは、本発明の方法により得られるゼオライト材料は、全プロセス中蒸気処理にかけない。
さらに好ましくは、本発明の方法は、(iii)の前にもその実施中にもその後にも、5.5より低い又は8より高いpHを有する水溶液によるゼオライト材料の処理を含まない。したがって、好ましくは、本発明の方法により得られるゼオライト材料は、全プロセス中酸処理又は塩基処理にかけない。
本発明はさらに、本発明による方法により得ることができる又は得られたゼオライト材料に関する。
好ましいゼオライト材料
上記のように、本発明による方法は、出発ゼオライト材料と比べて低いX:YOのモル比を有する好ましくは粉末又は噴霧粉末である、ゼオライト材料の疎水性に関する特に重要な利点を示す。上記で定義したように、Yは、好ましくはSi、Sn、Ti、Zr、Ge及びそれらの2つ以上の組合せからなる群から選択され、Yは、好ましくはSiであり、Xは、好ましくはAl、B、In、Ga、Fe及びそれらの2つ以上の組合せからなる群から選択され、Xは、好ましくはBである。
したがって、本発明はまた、BEA骨格構造を有するゼオライト材料に関し、骨格構造は、YO及びXを含み、Yは、4価元素であり、Xは、3価元素であり、前記ゼオライト材料は、最大でも0.02:1、好ましくは最大でも0.002:1のX:YOのモル比、及び最大でも7質量%、好ましくは最大でも6質量%の水取込み量を有し、ゼオライト材料の骨格構造の好ましくは少なくとも95質量%、より好ましくは少なくとも98質量%、より好ましくは少なくとも99質量%がX及びYOからなる。特に、本発明は、BEA骨格構造を有するゼオライト材料に関し、骨格構造は、SiO及びBを含み、前記ゼオライト材料は、最大でも0.02:1、好ましくは最大でも0.002:1のB:SiOのモル比、及び最大でも7質量%、好ましくは最大でも6質量%の水取込み量を有し、ゼオライト材料の骨格構造の好ましくは少なくとも95質量%、より好ましくは少なくとも98質量%、より好ましくは少なくとも99質量%がB及びSiOからなる。
好ましくは、X:YOのモル比、好ましくはB:SiOのモル比は、最大でも0.002:1であり、より好ましくは0.0001:1〜0.002:1、より好ましくは0.0005:1〜0.002:1の範囲にあり、ゼオライト材料の水取込み量は、3〜7質量%、好ましくは4〜6質量%の範囲にある。
さらに、本発明によるゼオライト材料が3701〜3741cm−1の領域に極大を有する第1の吸収帯により表される第1の種類のシラノール基及び3500〜3550cm−1の領域に極大を有する第2の吸収帯により表される第2の種類のシラノール基を示す赤外スペクトルによって好ましくは特徴づけられることが見いだされた。好ましくは、前記第2の吸収帯の強度と相対的な前記第1の吸収帯の強度は、少なくとも1.0であり、好ましくは1.0〜3.0の範囲、より好ましくは1.3〜2.2の範囲、より好ましくは1.2〜2.8の範囲、より好ましくは1.4〜2.6の範囲、より好ましくは1.5〜2.5の範囲、より好ましくは1.6〜2.4の範囲、より好ましくは1.7〜2.3の範囲、より好ましくは1.8〜2.2の範囲にある。
さらに、本発明のゼオライト材料が、XRD分析により決定される、少なくとも60%、好ましくは60〜90%の範囲、より好ましくは65〜80%の範囲の結晶化度によって好ましくは特徴づけられることが見いだされた。
さらに、本発明のゼオライト材料が、DIN66131に従って決定される、最大でも600m/g、好ましくは60〜600m/g、より好ましくは100〜600m/g、より好ましくは200〜600m/gの範囲の比表面積(BET表面積)によって好ましくは特徴づけられることが見いだされた。
好ましい用途
好ましくは本発明による方法により得ることができる又は得られた、本発明によるBEA骨格構造を有するゼオライト材料は、好ましくは触媒として、触媒担体として、又は触媒成分として用いる。例として、ディーゼル酸化触媒(DOC)における貴金属触媒担体としての用途又はDOCにおけるウォッシュコート成分としての用途について述べることができる。さらに、本発明による、好ましくは本発明による方法により得られたゼオライト材料は、水和及びイソプロパノール脱水などの脱水反応における触媒として用いることができる。さらに、それは、モレキュラーシーブ、吸着剤又は充填剤として用いることができる。
したがって、本発明はまた、本発明による或いは本発明の方法により得ることができる又は得られたゼオライト材料を触媒として、触媒担体として又は触媒成分として用いる、触媒過程に関する。
一般に、また特に、本発明によるゼオライト材料を触媒として用いる場合、例えば、ゼオライト材料を少なくとも1つの結合剤及び/又は少なくとも1つの結合剤前駆体並びに場合による少なくとも1つの細孔形成剤及び/又は少なくとも1つの可塑剤と適切に混合することにより、ゼオライト材料を含む成形品を製造することが可能である。成形品は、例えば、四角形、三角形、六角形、正方形、楕円形又は円形断面を有するひも状物、星状物、錠剤、球体、中空円柱などのあらゆる考えられる形状に成形することができる。そのような結合剤の例は、例えば、SiO、Al、TiO、ZrO若しくはMgO若しくは粘土などの金属酸化物又はこれらの酸化物の2つ以上の混合物又はSi、Al、Ti、Zr及びMgの少なくとも2つの混合酸化物である。メソ細孔形成剤などの細孔形成剤は、ポリエチレンオキシドのようなポリアルキレンオキシド、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリオレフィン、ポリアミド及びポリエステルなどの重合ビニル化合物を含む。糊剤は、セルロースのような炭水化物などの有機、特に親水性ポリマー、メチルセルロースなどのセルロース誘導体、及びジャガイモデンプンなどのデンプン、壁紙プラスター、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリイソブテン又はポリテトラヒドロフランを含む。糊剤としての、水、アルコール若しくはグリコール又は、例えば、水とメタノール、若しくは水とエタノール、若しくは水とプロパノール、若しくは水とプロピレングリコールなどの水とアルコール、若しくは水とグリコールの混合物などのそれらの混合物の使用を述べることができる。
本発明を以下の実施例により例示する。
参照例1: 水取込み量の決定
水吸着/脱着等温線測定は、TA Instruments製のVTI SA機器で段階等温線プログラムに従って行った。実験は、機器の内部の微量天秤パン上に置いた試料物質について行ったラン又は一連のランからなっていた。測定を開始する前に、試料を窒素流中で100℃まで加熱し(5℃/分の昇温勾配)、それを6時間保持することにより、試料の残存水分を除去した。乾燥プログラムの後、セル内の温度を25℃に低下させ、測定中一定に維持した。微量天秤を較正し、乾燥試料の質量の均衡を保たせた(最大質量偏差0.01質量%)。試料の水取込み量は、乾燥試料と比較した質量の増加として測定した。最初に、試料が曝露された相対湿度(RH)(セルの内部の雰囲気中の水の質量%として表した)を増加させ、試料による水取込み量を平衡として測定することにより吸着曲線を測定した。RHを5%から85%まで10%の段階で増加させ、各段階においてシステムがRHを制御し、試料が平衡状態に達するまで試料の質量をモニターし、質量の取込みを記録した。試料を85質量%RHに曝露した後、試料の総吸着水を測定した。脱着測定時に、RHを85質量%から5質量%まで10%の段階で減少させ、試料の質量の変化(水取込み量)をモニターし、記録した。
参照例2: 結晶化度の決定
本発明によるゼオライト材料の結晶化度は、XRD分析により決定した。2つのゼオライト材料の反射面を比較し、所定の材料の結晶化度を参照ゼオライト材料と比較して表す。100%の結晶化度を有する参照ゼオライト材料は、CAS登録番号1318−02−1のもとに市販されているゼオライトアンモニウムベータ粉末である。結晶化度の決定は、Bruker AXS製のD8 Advanceシリーズ2回折計で行った。回折計は、0.1°の発散スリットの開口部及びLynxeye検出器で構成されていた。試料並びに参照ゼオライト材料は、19°〜25°(2シータ)の範囲で測定した。ベースライン補正の後、評価ソフトウエアEVA(Bruker AXS製)を用いて反射面を決定した。反射面の比を百分率値として示す。
参照例3: IR測定
IR測定は、Nicolet 6700分光計で行った。ゼオライト材料を、添加物を用いずに自己支持型ペレットに圧縮した。ペレットを高真空セルに導入し、IR装置に入れた。測定前に試料を高真空(10−5mバール)中で300℃で3時間前処理した。セルを50℃に冷却した後にスペクトルを収集した。スペクトルは、2cm−1の分解能で4000cm−1〜800cm−1の範囲で記録した。得られたスペクトルは、x軸上に波数(cm−1)を、y軸上に吸光度(任意単位)を有するプロットにより表した。ピーク高さ及びピーク間の比の定量的決定のために、ベースライン補正を行った。3000〜3900cm−1の領域における変化を解析し、複数の試料を比較するために、1800±5m−1における吸収帯を対照標準として選択した。
(i)出発物質(骨格構造BEAのゼオライト材料)の準備
209kgの脱イオン水を容器に準備した。120rpm(1分当たりの回転数)での撹拌のもとで、355kgのテトラエチルアンモニウムヒドロキシドを加え、懸濁液を室温で10分間撹拌した。その後、61kgのホウ酸を水に懸濁し、懸濁液を室温でさらに30分間撹拌した。その後、555kgのLudox(登録商標)AS−40を加え、得られた混合物を室温で70rpmでさらに1時間撹拌した。液体ゲルは、pH電極による測定により決定された11.8のpHを有していた。最終的に得られた混合物を結晶化容器に移し、7.2バールの圧力下、撹拌(140rpm)下で6時間以内に160℃に加熱した。その後、混合物を室温に冷却した。混合物を再び6時間以内に160℃に加熱し、140rpmでさらに55時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、その後、混合物を140rpmでの撹拌下で160℃の温度でさらに45時間加熱した。7800kgの脱イオン水を380kgのこの懸濁液に加えた。懸濁液を70rpmで撹拌し、100kgの10質量%のHNO水溶液を加えた。この懸濁液からろ過によりBEA骨格構造を有するホウ素含有ゼオライト材料を分離した。次いで、ろ過ケーキを、洗浄水が150マイクロジーメンス/cm未満の伝導率を有するまで、室温で脱イオン水で洗浄した。そのように得られたろ過ケーキを窒素気流中での乾燥にかけた。
そのように得られたろ過ケーキを水と混合して、40質量%の固体含量を有する懸濁液を得た。この懸濁液を以下の噴霧乾燥条件を用いて噴霧塔内での噴霧乾燥にかけた。
乾燥ガス、ノズルガス: 工業用窒素
乾燥ガス温度:
噴霧塔温度(入口): 235℃
噴霧塔温度(出口): 140℃
ノズル:
上部部品ノズル 供給業者Gerig;サイズ0
ノズルガス温度: 室温
ノズルガス圧力: 1バール
運転モード: 窒素整流式(nitrogen straight)
使用装置: 単一ノズル付き噴霧塔
構成: 噴霧塔−フィルター−スクラバー
ガス流量: 1500kg/時
フィルター材料: Nomex(登録商標)ニードルフェルト20m
可撓管ポンプによる投与: SP VF15(供給業者:Verder)
噴霧塔は、2650mmの長さ、1200mmの直径を有する垂直に配置された円筒で構成されており、円筒は、底部で円錐状に狭められていた。円錐部の長さは、600mmであった。円筒の上部に、噴霧手段(2部品ノズル)が配置されていた。噴霧乾燥された物質は、噴霧塔の下流のフィルターで乾燥ガスから分離され、乾燥ガスは、スクラバーに通された。懸濁液は、ノズルの内側開口部に通され、ノズルガスは、開口部を取り囲んでいる環状スリットに通された。
噴霧乾燥物質は、次いで500℃で5時間の焼成にかけた。焼成済み物質は、0.045のB:SiOのモル比、100%の結晶化度及び20.9質量%の水取込み量を有していた。得られた生成物のIRスペクトルは、3701cm−1〜3741cm−1の範囲に極大を有する第1の吸収帯及び3500cm−1〜3550cm−1の範囲に極大を有する第2の吸収帯を示し、第2の吸収帯の強度に対する第1の吸収帯の強度の比は、2.97である。
(ii)液体溶剤系による処理−脱ホウ素化
840kgの脱イオン水を還流冷却器を備えた容器に入れた。40rpmでの撹拌下で、(i)により得られた28kgの噴霧乾燥物質を用いた。その後、容器を閉じ、還流冷却器を作動させた。撹拌速度を70rpmに増加させた。70rpmでの撹拌下で、容器の内容物を1時間以内に100℃に加熱し、この温度に20時間保った。次いで、容器の内容物を50℃未満の温度に冷却した。
構造タイプBEAの得られた脱ホウ素化ゼオライト材料を2.5バールの窒素圧下でろ過により懸濁液から分離し、室温で脱イオン水で4回洗浄した。ろ過の後、ろ過ケーキを窒素気流中で6時間乾燥した。
得られた脱ホウ素化ゼオライト材料を(i)で述べた条件下で噴霧乾燥にかけた。得られた脱ホウ素化ゼオライト材料は、0.002未満のB:SiOのモル比、77%の結晶化度及び15質量%の水取込み量を有していた。得られた脱ホウ素化生成物のIRスペクトルは、3701cm−1〜3741cm−1の範囲に極大を有する第1の吸収帯及び3500cm−1〜3550cm−1の範囲に極大を有する第2の吸収帯を示し、第2の吸収帯の強度に対する第1の吸収帯の強度の比は、1.27である。
(i)で得られた出発ゼオライト材料と比較して、脱ホウ素化ゼオライト材料は、減少したB:SiOのモル比(すなわち、最初の0.045から0.002未満に)、減少した結晶化度(すなわち、最初の100%から77%に)及び減少した水取込み量(すなわち、最初の20.9質量%から15質量%に)を示している。さらに、IRスペクトルにおける第2の吸収帯の強度に対する第1の吸収帯の強度の比は、2.97から1.27に減少し、ゼオライト材料内のかなりの量の内部欠陥(すなわち、シラノールネスト)が脱ホウ素化プロセスの結果として形成されたことが示唆される。
(iii)液体水性系による処理
1600gの脱イオン水を容器に入れ、(ii)で得られた80gの脱ホウ素化ゼオライト材料を撹拌下で加えた。懸濁液を室温で10分間撹拌した。その後、懸濁液を自己生成圧力下で140℃で12時間加熱した。
得られたゼオライト材料をろ過により懸濁液から分離し、室温で脱イオン水で洗浄した。ろ過の後、ろ過ケーキを120℃で16時間乾燥した。
次いで乾燥ゼオライト材料を焼成にかけた。ゼオライト材料を5.5時間以内に450℃に加熱し、この温度で2時間加熱した。
水処理を上述のように2回目に行った。得られた物質は、0.0009のB:SiOのモル比、68%の結晶化度及び5.4質量%の水取込み量を有していた。得られた生成物のIRスペクトルは、3701cm−1〜3741cm−1の範囲に極大を有する第1の吸収帯及び3500cm−1〜3550cm−1の範囲に極大を有する第2の吸収帯を示し、第2の吸収帯の強度に対する第1の吸収帯の強度の比は、2.17である。DIN66131に従って77Kにおける窒素吸着により決定した多点BET比表面積は、229m/gであった。
実施例1の結果
本発明により、液体溶剤系(水)を用いた脱ホウ素手順と液体水性系(水)による処理の組合せを実施した。この組合せは、一方で、ゼオライト材料がB:SiOの減少したモル比(すなわち、最初の0.045:1から0.0009:1に)、低下した結晶化度(すなわち、最初の100%から68%に)、減少した水取込み量(すなわち、最初の20.9質量%から5.4質量%に)及びその結果として増大した疎水性を有するBEA骨格構造を有することにつながった。IRスペクトルにおける第2の吸収帯の強度に対する第1の吸収帯の強度の比に関しては、実施例1の最終生成物の前記比は、実施例1−(ii)における脱ホウ素化生成物の前記比よりはるかに高く、これにより、ゼオライト材料におけるシラノールネストの相対濃度が液体水性系による処理によって大幅に低下することがわかる。ゼオライト材料の結晶化度が77%(実施例1−(ii)における脱ホウ素化生成物の)から液体水性系による処理後の68%(実施例1の最終生成物の)に低下することを特に考慮すると、内部欠陥(すなわち、シラノールネスト)の相対濃度のそのような低下は、極めて意外である。
(iii)液体水性系による処理
1600gの脱イオン水を容器に入れ、0.002未満のB:SiOのモル比、及び15質量%の水取込み量を有する実施例1(ii)により得られた80gの脱ホウ素化ゼオライト材料を撹拌下で加えた。懸濁液を室温で10分間撹拌した。その後、懸濁液を自己生成圧力下で160℃で13時間加熱した。
得られたゼオライト材料をろ過により懸濁液から分離し、室温で脱イオン水で洗浄した。ろ過の後、ろ過ケーキを120℃で5時間乾燥した。
次いで乾燥ゼオライト材料を450℃で2時間の焼成にかけた。
処理は、上述のように2回目に行った。得られた材料は、0.0008のB:SiOのモル比、64%の結晶化度及び4.3質量%の水取込み量を有していた。得られた生成物のIRスペクトルは、3701cm−1〜3741cm−1の範囲に極大を有する第1の吸収帯及び3500cm−1〜3550cm−1の範囲に極大を有する第2の吸収帯を示し、第2の吸収帯の強度に対する第1の吸収帯の強度の比は、1.8である。DIN66131に従って77Kにおける窒素吸着により決定した多点BET比表面積は、61m/gであった。
実施例2の結果
本発明により、液体溶剤系(水)を用いた脱ホウ素手順と液体水性系(水)による処理の組合せを実施した。この組合せは、一方で、ゼオライト材料がB:SiOの減少したモル比(すなわち、最初の0.045:1から0.0008:1に)、低下した結晶化度(すなわち、最初の100%から64%に)、減少した水取込み量(すなわち、最初の20.9質量%から4.3質量%に)及びその結果として増大した疎水性を有するBEA骨格構造を有することにつながった。IRスペクトルにおける第2の吸収帯の強度に対する第1の吸収帯の強度の比に関しては、実施例2の最終生成物の前記比も、実施例1の最終生成物の場合と同様に、実施例1−(ii)における脱ホウ素化生成物の前記比よりはるかに高く、これにより、ゼオライト材料におけるシラノールネストの相対濃度が液体水性系による処理によって大幅に低下することがわかる。ゼオライト材料の結晶化度が77%(実施例1−(ii)における脱ホウ素化生成物の)から液体水性系による処理後の64%(実施例2の最終生成物の)に低下することを特に考慮すると、内部欠陥(すなわち、シラノールネスト)の相対濃度のそのような低下は、この場合にも極めて意外である。
比較例1: 蒸気処理
0.002未満のB:SiOのモル比及び15質量%の水取込み量を有する実施例1(ii)により得られた100gのゼオライト材料のシャローベッド試料をマッフルオーブンに入れ、650℃(昇温勾配5K/分)に加熱した。蒸気処理のために、6L/分のガス流量(空気中10%蒸気)を用い、水の投与を200℃で開始した。蒸気処理は、650℃で1時間行った。
得られた材料は、0.0014のB:SiOのモル比、70%の結晶化度及び13.0質量%の水取込み量を有していた。DIN66131に従って77Kにおける窒素吸着により決定した多点BET比表面積は、518m/gであった。蒸気処理後に得られた生成物のIRスペクトルは、3701cm−1〜3741cm−1の範囲に極大を有する第1の吸収帯及び3500cm−1〜3550cm−1の範囲に極大を有する第2の吸収帯を示し、第2の吸収帯の強度に対する第1の吸収帯の強度の比は、1.42である。
したがって、本発明の方法により得られたゼオライト材料と比較して、蒸気処理材料はほぼそれらの結晶化度を保持しているが、蒸気処理は、シラノールネストの形の内部欠陥に対する再生効果を有さず、IRスペクトルにおける第2の吸収帯の強度に対する第1の吸収帯の比は、蒸気処理法の結果としてわずかに増加しているのにすぎない。さらに、蒸気処理は、水取込み量にほとんど影響を及ぼさず、水取込み量もほぼ一定のままであり、わずかに低下するにすぎず、これは、水取込み量が工程(iii)における液体水性系による処理の結果としてその最初の値の何分の1かに低下する本発明の方法により得られたゼオライト材料と明らかな対照をなしている。
比較例2: 蒸気処理
0.002未満のB:SiOのモル比及び15質量%の水取込み量を有する実施例1(ii)により得られた100gのゼオライト材料のシャローベッド試料をマッフルオーブンに入れ、850℃(昇温勾配5℃/分)に加熱した。蒸気処理のために、6L/分のガス流量(空気中10%蒸気)を用い、水の投与を200℃で開始した。蒸気処理は、850℃で1時間行った。
得られた材料は、0.0016のB:SiOのモル比及び8.1質量%の水取込み量を有していた。DIN66131に従って77Kにおける窒素吸着により決定した多点BET比表面積は、405m/gであった。蒸気処理後に得られた生成物のIRスペクトルは、3701cm−1〜3741cm−1の範囲に極大を有する第1の吸収帯及び3500cm−1〜3550cm−1の範囲に極大を有する第2の吸収帯を示し、第2の吸収帯の強度に対する第1の吸収帯の強度の比は、1.4である。
しかし、得られたゼオライト材料のXRD回折パターンは、ゼオライトベータと異なる回折パターンを示し、ひいては過酷な蒸気処理条件がゼオライトの骨格を著しく変化させたことを示している。したがって、本実施例で用いた条件は、本発明の方法により得られたゼオライト材料と比較することができないようにゼオライトの骨格を明らかに変化させた。前記構造の変化にもかかわらず、得られたゼオライト材料は、本発明の方法を用いた場合に観測され得る再生性変化も示さない。特に、比較例1の場合と同様に、IRスペクトルにおける第2の吸収帯の強度に対する第1の吸収帯の比は、実質的に一定のままである。水取込み量は、他方で、本発明の方法の工程(iii)による液体水性系による処理にかけるゼオライト材料で得られる結果を達成しないが、わずかにより強い低下を示す。
イソプロパノール脱水試験
触媒粉末の調製の一般的手順
触媒の調製の一般的手順
触媒は、試験前に押出成形物として調製した。18gの水をStephan−Werke GmbH混合機(型番:0ZDe042/4s)中の20gの乾燥粉末に80rpmの混合速度で加えた。均一な混合物が得られるまで、この混合物を混合した。これには、約10分間を要した。次いで4gのLudox AS40及び1gのWalocelを加え、均一になるまで混合した。これには、約2分間を要した。Ludox(登録商標)AS40(20質量%)は、結合剤として混合物に加え、Walocel(商標)(5質量%)は、滑沢剤として混合物に加えた。次いで2gの水を徐々に加え、ペーストを約5分間混合して、ホモジナイズした。次いでペーストを、直径2mm、長さ10cmの押出し穴を有するハンドプレスで圧縮した。得られた押出成形物を120℃で5時間乾燥し、500℃で5時間焼成した。次いで押出成形物を細片(split)の大きさに分割し、ふるいにかけて、0.5〜0.6mmのサイズの細片を分離した。このサイズの部分を反応器における試験に用いた。用いたふるいは、Retsch社から入手した(両方が200mmの直径及び25mmの高さを有する、50マイクロメートルふるい60.122.000500及び600マイクロメートルmmふるい60.122.000600)。
イソプロパノールの脱水の一般的手順
触媒の活性は、大気圧で行わせたイソプロパノールの分解により測定した。実施例3の触媒の調製の一般的手順に従って調製した4.0gの触媒(500〜800μm細片サイズ)をU型反応器(長さ49.5cm、直径0.6cm)に入れた。反応器は、調節式の炉内に固定した。窒素の気流(6l/時)を1時間当たり8.021gのイソプロパノールのポンプ速度を用いたHPLCポンプによるイソプロパノール蒸気(200℃)とともに供給した。イソプロパノール又は反応生成物の凝縮を避けるために、飽和器から低温保持装置までのすべての管路を120℃以上の温度に加熱した。気体反応混合物を2.0g/(g*h)の質量空間速度で反応器に供給した。炉の温度は、200℃で1時間、250℃で1時間、300℃で1時間及び350℃で1時間保持した。各温度ごとに、反応物及び生成物を、反応器を通過した後に低温保持装置内での5℃での液化により収集した。反応物及び生成物の濃度をガスクロマトグラフィー(50m HP−1メチルシリコーンキャピラリーカラム及びフレームイオン化検出器を備えたPerkin Elmer Autosystem GC)により測定した。
イソプロパノール脱水試験で試験したゼオライト材料:
実施例1(iii)により得られたゼオライト材料、すなわち、液体溶剤系(水)による脱ホウ素化と液体水性系(水)による処理との本発明による組合せにかけた材料;
実施例1(ii)により得られたゼオライト材料、すなわち、液体水性系による処理の後の工程にかけずに、液体溶剤系(水)による脱ホウ素化のみにかけた材料であり、脱ホウ素化の後、この材料を550℃への加熱(昇温勾配2K/分)及びこの温度での4時間の加熱による焼成にかけた;
実施例1(ii)により得られたゼオライト材料、すなわち、液体水性系による処理の後の工程にかけずに、液体溶剤系(水)による脱ホウ素化のみにかけた材料であり、脱ホウ素化の後、この材料を650℃への加熱(昇温勾配2K/分)及びこの温度での3時間の加熱による焼成にかけた。
実施例3の結果
下に述べた結果を図1に示す。
実施例(iii)により得られた本発明によるゼオライト材料を用いた場合、約33%のイソプロパノールの変換が250℃の温度で認められる。さらに、このゼオライト材料を用いることにより、300℃の温度で約99%のイソプロパノールの変換がもたらされる。しかし、実施例1(ii)により得られたゼオライト材料を用いることにより、250℃の温度でイソプロパノールの変換は検出されない。300℃の温度では、550℃で焼成した実施例1(ii)により得られたゼオライト材料による約90%のイソプロパノールの変換が認められるにすぎない。650℃で焼成した実施例1(ii)により得られたゼオライト材料を用いることにより、300℃の温度で約65%のイソプロパノールの変換がもたらされるにすぎない。
300℃における触媒性能の比較により、本発明により得られた触媒が、本発明による処理にかけていない触媒と比較して、それぞれ9%又は34%高いイソプロパノールの変換をもたらすことがわかる。さらに、本発明により得られた触媒は、250℃の温度で既に反応を触媒することができる3つの供試触媒のうちの唯一の触媒である。イソプロパノールの変換の値は、本発明による方法、すなわち、(ii)液体溶剤系を用いる脱ホウ素化手順と(iii)液体水性系による処理との組合せにより得られた触媒が最良の性能を示すことを示している。
引用文献
欧州特許出願公開第0013433号
国際公開第02/057181号パンフレット
国際公開第2009/016153号パンフレット

Claims (32)

  1. BEA骨格構造を有するゼオライト材料の後処理の方法であって、
    (i)ゼオライト材料の骨格構造がX及びYOを含み、Yが4価元素であり、Xが3価元素であり、X:YOのモル比が0.02:1より大きい、BEA骨格構造を有するゼオライト材料を準備する工程と、
    (ii)(i)において準備したゼオライト材料を液体溶剤系で処理して、それにより最大でも0.02:1のX:YOのモル比を有するゼオライト材料を得、ゼオライト材料を液体溶剤系から少なくとも部分的に分離する工程と、
    (iii)(ii)から得られたゼオライト材料を5.5〜8の範囲のpH及び少なくとも75℃の温度を有する液体水性系で処理する工程と
    を含み、(iii)で用いる水性系のpHをpH感受性ガラス電極を用いて決定する、方法。
  2. YがSi、Sn、Ti、Zr、Ge及びそれらの2つ以上の組合せからなる群から選択され、Yが好ましくはSiであり、XがAl、B、In、Ga、Fe及びそれらの2つ以上の組合せからなる群から選択され、Xが好ましくはBである、請求項1に記載の方法。
  3. (i)において、ゼオライト材料の骨格構造の少なくとも95質量%、好ましくは少なくとも98質量%、より好ましくは少なくとも99質量%がX及びYOからなる、請求項1又は2に記載の方法。
  4. (i)において、X:YOのモル比が少なくとも0.03:1であり、好ましくは0.03:1〜0.07:1、より好ましくは0.03:1〜0.06:1、より好ましくは0.03:1〜0.05:1の範囲にある、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. (ii)の前に、(i)において準備したゼオライト材料を噴霧乾燥にかけ、噴霧乾燥中、乾燥ガス入口温度が好ましくは200〜250℃の範囲にあり、乾燥ガス出口温度が好ましくは100〜175℃の範囲にある、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. (ii)の前に、(i)において準備したゼオライト材料を、場合によって噴霧乾燥後に、焼成にかける、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 焼成を400〜700℃、好ましくは450〜550℃の範囲の温度で、1〜10時間、好ましくは3〜6時間の範囲の期間にわたり行う、請求項6に記載の方法。
  8. (ii)において、液体溶剤系が水、メタノール、エタノール、プロパノール、エタン−1,2−ジオール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、プロパン−1,2,3−トリオール及びそれらの2つ以上の混合物からなる群から選択され、好ましくは水であり、好ましくは、液体溶剤系が無機酸若しくは有機酸又はそれらの塩を含まない、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. (ii)において、処理を50〜125℃、好ましくは90〜115℃、より好ましくは95〜105℃の範囲の温度で、6〜20時間、好ましくは7〜17時間、より好ましくは8〜12時間の範囲の期間にわたり行う、請求項8に記載の方法。
  10. (ii)において、処理を還流下で行う、請求項9に記載の方法。
  11. (ii)で得られるゼオライト材料が最大でも0.01:1、好ましくは0.0005:1〜0.01:1、より好ましくは0.0009:1〜0.003:1の範囲のX:YOのモル比を有する、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. (iii)の前に、(ii)から得られたゼオライト材料を噴霧乾燥にかける、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. (ii)から得られるゼオライト材料が粉末の形、好ましくは噴霧粉末の形である、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. (iii)の前に、(ii)で得られたゼオライト材料を、場合によって噴霧乾燥後に、焼成にかける、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 焼成を400〜700℃、好ましくは500〜600℃の範囲の温度で、1〜10時間、好ましくは2〜6時間の範囲の期間にわたり行う、請求項14に記載の方法。
  16. (iii)において、ゼオライト材料を0.5〜24時間、好ましくは1〜18時間、より好ましくは8〜14時間の範囲の期間にわたり液体水性系により処理する、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. (iii)において、ゼオライト材料を75〜200℃、好ましくは90〜180℃、より好ましくは100〜160℃、より好ましくは110〜150℃の範囲の温度で液体水性系により処理する、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
  18. (iii)で用いる液体水性系が6〜7.5、好ましくは6.5〜7.5の範囲のpHを有する、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. (iii)において、液体水性系のゼオライト材料に対する質量比が35:1〜5:1、好ましくは30:1〜10:1、より好ましくは25:1〜15:1の範囲にある、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
  20. (iii)において、液体水性系が少なくとも90質量%、好ましくは少なくとも99質量%、より好ましくは少なくとも99.9質量%の水を含む、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
  21. (iii)において、ゼオライト材料を、自己生成圧力下で閉鎖系内、好ましくはオートクレーブ中で液体水性系により処理する、請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
  22. (iii)から得られたゼオライト材料を焼成にかける、請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 焼成を350〜600℃、好ましくは400〜500℃の範囲の温度で、1〜10時間、好ましくは2〜7時間の範囲の期間にわたり行う、請求項22に記載の方法。
  24. (i)の後及び/又は(ii)の後及び/又は(iii)の後に、ゼオライト材料を焼成の前に乾燥にかけ、乾燥は100〜180℃、好ましくは120〜150℃の範囲の温度で、10〜70時間、好ましくは15〜25時間の範囲の期間にわたり好ましくは行う、請求項1から23のいずれか一項に記載の方法。
  25. (iii)の前にもその実施中にもその後にも、ゼオライト材料を蒸気処理にかけず、及び/又は(iii)の実施中にもその後にも、好ましくは(iii)の前にもその実施中にもその後にも、ゼオライト材料を5.5より低い若しくは8より高いpHを有する水溶液による処理にかけず、(iii)で用いる水性系のpHをpH感受性ガラス電極を用いて決定する、請求項1から24のいずれか一項に記載の方法。
  26. BEA骨格構造を有するゼオライト材料であって、骨格構造がYO及びXを含み、Yが4価元素であり、Xが3価元素であり、前記ゼオライト材料が最大でも0.002:1のX:YOのモル比及び最大でも7質量%の水取込み量を有する、ゼオライト材料。
  27. :YOのモル比が0.0005:1〜0.002:1の範囲にあり、水取込み量が最大でも6質量%である、請求項26に記載のゼオライト材料。
  28. XRD分析により決定される、少なくとも60%、好ましくは60〜90%の範囲の結晶化度、DIN66131に従って決定される、最大でも600m/g、好ましくは60〜600m/gの範囲の比表面積、並びに3701cm−1〜3741cm−1の範囲に極大を有する第1の吸収帯及び3500cm−1〜3550cm−1の範囲に極大を有する第2の吸収帯を示すIRスペクトルを有し、第2の吸収帯の強度に対する第1の吸収帯の強度の比が少なくとも1.0であり、好ましくは1.0〜3.0の範囲、より好ましくは1.2〜2.8の範囲、より好ましくは1.4〜2.6の範囲、より好ましくは1.5〜2.5の範囲、より好ましくは1.6〜2.4の範囲、より好ましくは1.7〜2.3の範囲、より好ましくは1.8〜2.2の範囲にある、請求項26又は27に記載のゼオライト材料。
  29. YがSi、Sn、Ti、Zr、Ge及びそれらの2つ以上の組合せからなる群から選択され、Yが好ましくはSiであり、XがAl、B、In、Ga、Fe及びそれらの2つ以上の組合せからなる群から選択され、Xが好ましくはBである、請求項26から28のいずれか一項に記載のゼオライト材料。
  30. 粉末の形、好ましくは噴霧粉末の形である、請求項26から29のいずれか一項に記載のゼオライト材料。
  31. 請求項1から25のいずれか一項に記載の方法により得ることができる又は得られた、ゼオライト材料、好ましくは請求項26から30のいずれか一項に記載のゼオライト材料。
  32. 請求項26から31のいずれか一項に記載のゼオライト材料を触媒として、触媒担体又は触媒成分として使用する方法。
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