JP2015527345A - イサブコナゾールまたはラブコナゾールの製造方法 - Google Patents

イサブコナゾールまたはラブコナゾールの製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、ジアステレオマー的およびエナンチオマー的に富化されたトリアゾール化合物イサブコナゾールおよびラブコナゾールの製造方法に関し、当該方法は、ケトンと2−ハロ亜鉛プロピオネートエステルとの間のレフォルマトスキー反応、それに続く分割工程、好ましくはエステラーゼ酵素を用いた酵素的分割を含む。

Description

本発明は、イサブコナゾールまたはラブコナゾールのためのジアステレオマー的およびエナンチオマー的に富化されたエステル中間体の製造方法に関する。
イサブコナゾールおよびラブコナゾールは、トリアゾール抗真菌化合物である。イサブコナゾールおよびラブコナゾールの製造方法は、Basileaへの特許である国際公開第99/45008号パンフレット、国際公開第2007/062542号パンフレットおよび国際公開第03/002498号パンフレットに開示された。国際公開第2011/042827号パンフレットには、エナンチオマー的に純粋な抗真菌アゾール(例えば、ラブコナゾールおよびイサブコナゾール)の製造方法が開示されており、ここでは、エナンチオピュアーなキラル酸の添加、次いで所望のジアステレオマーの収集、それに続く塩基またはイオン交換樹脂での処理によるエナンチオマー的に純粋な形態の所望の化合物への塩の変換によって、ラセミ混合物の古典的分割が行われる。このような古典的分割を用いることの不利点は、キラル助剤がほぼ化学量論量で適用される必要があること、ならびにこれらの比較的多量のキラル試薬の回収のため、および塩を遊離のエナンチオピュアーな生成物に変換するために、さらなるプロセス工程が必要とされることである。
したがって、本発明の目的は、高いジアステレオマー過剰率およびエナンチオマー過剰率(それぞれ、d.e.およびe.e.)を有するイサブコナゾールまたはラブコナゾールの改善された製造方法を提供することである。
本明細書で定義される「エナンチオマー的に富化された」は、用語「光学活性な」と同義であり、ある化合物のエナンチオマーの一方が、他方のエナンチオマーに比べて過剰に存在することを意味する。以後、この過剰度を、(例えば、キラルGCまたはHPLC分析により決定される場合の)「エナンチオマー過剰率」またはe.e.と称する。エナンチオマー過剰率e.e.は、エナンチオマーの量の間の差をエナンチオマーの量の合計で除した値に等しく、その商が100を乗じた後に百分率として表わされ得る。
「ジアステレオマー的に富化された」とは、ある化合物のジアステレオマーの一方が、他方のジアステレオマーに比べて過剰に存在することを意味する。以後、この過剰度を、「ジアステレオマー過剰率」またはd.e.と称する。同様に、ジアステレオマー過剰率d.e.は、ジアステレオマーの量の間の差をジアステレオマーの量の合計で除した値に等しく、その商が100を乗じた後に百分率として表わされ得る。
そこで、本発明は、式(I)
Figure 2015527345

(式中、RおよびRは、各々、フッ化物または水素であり、Rがフッ化物である場合はRは水素であり、Rがフッ化物である場合はRは水素であり、式中、Rは、C〜C12アルキル、C〜C12アリールまたはC〜C11アラルキルである)に従うジアステレオマー的に富化された化合物の製造方法に関し、当該方法は、
(i)溶媒の存在下における、その溶媒の沸騰温度よりも低い温度での、式(II)
Figure 2015527345

(式中、Xは、臭化物、ヨウ化物または塩化物である)に従う2−ハロ亜鉛プロピオネートエステルの調製の工程と、
(ii)式(III)
Figure 2015527345

に従うケトンの導入の工程と、
(iii)式(I)に従うエステルの所望の(2R,3R)/(2S,3S)−ジアステレオマーの沈殿物を結果としてもたらす、溶媒の存在下における式(II)に従う2−ハロ亜鉛プロピオネートエステルと式(III)に従うケトンとの間のレフォルマトスキー反応、過剰な亜鉛の除去の工程と
を含み、工程(i)および(ii)が行われる順序は入れ替えられ得る。
より具体的には、本発明は、対応する(2R,3R)/(2S,3S)ラセミ体が富化された式(I):
Figure 2015527345

(式中、RおよびRは、各々、フッ化物または水素であり、Rがフッ化物である場合はRは水素であり、Rがフッ化物である場合はRは水素であり、式中、Rは、C〜C12アルキル、C〜C12アリールまたはC〜C11アラルキルである)に従う3−ヒドロキシ−2−メチル−4−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−3−フェニル−酪酸エステル誘導体のジアステレオマーの混合物の製造方法に関し、当該方法は、
(i)溶媒の存在下における、その溶媒の沸騰温度よりも低い温度での、式(II)
Figure 2015527345

(式中、Xは、臭化物、ヨウ化物または塩化物である)に従う2−ハロ亜鉛プロピオネートエステルの調製の工程と、
(ii)式(III)
Figure 2015527345

に従うケトンの導入の工程と、
(iii)溶媒の存在下において、式(II)に従う2−ハロ亜鉛プロピオネートエステルと式(III)に従うケトンとの間のレフォルマトスキー反応を行い、結果として生じる反応混合物が、その混合物への最後の試薬の添加後0.5時間より長い間、好ましくは2時間より長い間、攪拌しながらまたは攪拌せずに、混合物を放置しておくことによって、沈殿物を形成することを可能にし(ここで、この沈殿物は、式(I)に従うラセミ体(2R,3R)/(2S,3S)エステルが富化されている)、前記沈殿物を分離する工程と
を含み、工程(i)および(ii)が行われる順序は入れ替えられ得、前記沈殿物の形成の前に過剰な亜鉛が除去される。
驚くべきことに、レフォルマトスキー型反応は、ジアステレオマー的に富化されたイサブコナゾールおよびラブコナゾールに繋がる。先行技術の方法と比べて、本発明に従う方法は、単純な反応物および条件を必要とし、かつ高い収率で所望の異性体を提供する。
欧州特許出願公開第0199474号明細書において、レフォルマトスキー反応が、トリアゾール化合物の製造のために適用された。これらの化合物がラセミ混合物の形態で得られ得ること、およびこれらの混合物が当該技術分野において知られている方法によって個々の異性体に分離され得ることが開示された。しかしながら、レフォルマトスキー反応により得られるラセミ体エステルの成功裏の酵素的分割には、エステルが高ジアステレオマー純度で大規模に実現可能でありかつ費用効率的に作製される必要がある。欧州特許出願公開第0199474号明細書に開示されるレフォルマトスキー反応から得られるエステルは、本出願の比較例Bにおいて実証されたように、その要件を満たしていない。驚くべきことに、本発明者らは、本発明に従って、レフォルマトスキー試薬2−ハロ亜鉛プロピオネートエステルが溶媒の沸騰温度よりも低い温度で得られるレフォルマトスキー反応を適用し、次いで沈殿を可能にすることで、単一の工程において、非常に高いd.e.(>97%)で、エステル(I)の所望のジアステレオマーへの直接的なアクセスが提供されることを見出した。
ラセミ体エステル(I)の調製のための代替的な方法は、有機リチウム塩を用いたカップリング反応である。例えば、国際公開第9217474号パンフレットは、−70℃でのプロピオン酸エチルとケトン(III)(RがFである)とのリチウムジイソプロピルアミド(LDA)媒介カップリングによってエステル(I)(RがFである)を調製するための方法を開示している。その反応で形成される2つのジアステレオマーを分離するためにカラムクロマトグラフィーが適用された(d.e.は報告されていない)が、これは、大規模では、非効率的で費用のかかる精製方法であると考えられる。同様の結果が、社内で得られた(比較例A参照):プロピオン酸エチルが−78℃でLDAの存在下においてケトン(III)(RがFである)とカップリングされた場合に、所望のエステル(I)(RがFである)は、61%の収率で、29%の低ジアステレオマー過剰率(d.e.)を有して単離された。したがって、
a)反応の低ジアステレオ選択性および付随する低収率、
b)反応後にd.e.を高めるための費用効率的で大規模に実現可能な方法の欠如、および
c)高費用に結び付く低温での無水条件の使用
を考慮すると、LDAなどの強塩基(LiHMDSなど)を要するカップリング反応は、一般構造(I)のエステルへの工業的に適切な入口を提供しない。
本発明に従う方法のレフォルマトスキー反応後に測定されるジアステレオマー過剰率は、50から60%d.e.まで変化する。沈殿後に、生成物は、97%〜99.9%d.e.の間で変化するジアステレオマー過剰率を有して単離される。
本発明に従う方法の工程(iii)後に得られる生成物は、任意の公知の方法(例えば、エステル混合物の、エステルの鹸化および得られた酸混合物と1−フェニルエチルアミンもしくは2−アミノ−1−ブタノールのような光学的に純粋な塩基との反応後のジアステレオマー結晶化、またはキラルHPLCを含む)に従って分割され得る。
しかしながら、後に続くエステラーゼ酵素を用いた(2R,3R)/(2S,3S)−エステル(I)の酵素的分割の方が、それは99%を上回るd.e.および99%を上回るe.e.を有するイサブコナゾールまたはラブコナゾールへの特に魅力的な工業的に大規模に実現可能な経路に繋がるので、好ましい。そのような酵素的分割アプローチは、トリアゾールベースの抗真菌剤(に対する中間体)についてこれまで報告されていない。これは、このクラスの化合物が30年間を超えて製薬工業の注目の的であったという事実にも関わらず、かつ酵素的分割がその他の場合は製薬プロセスにおいて頻繁に使用されている技術であるという事実にも関わらずである。また、当該分野における非常に最近の特許出願(国際公開第2011/042827号パンフレット)は、発明の主題として分割工程を有するが、古典的分割のみを開示し、酵素的分割は開示していない。恐らく、トリアゾールベースの抗真菌剤の比較的厳しい立体特性が、それらを酵素一般にとって難しい基質にしているのである。この種の基質に好適な酵素を見出すことは、明らかに簡単なことではない。実際、本発明に従う方法のために、200種を超える加水分解酵素がスクリーニングされ、1種類の酵素ファミリー(すなわち、エステラーゼ)のみが、一般式(I)のエステルに対する活性および選択性の両方を提供した。
要するに、抗真菌剤イサブコナゾールおよびラブコナゾールの工業的調製は、ジアステレオ選択性およびエナンチオ選択性の両方の導入のための効率的な大規模に実現可能な方法を必要としている。本明細書で報告されるジアステレオ選択的なレフォルマトスキー−沈殿プロトコルは、酵素的分割手順と共に、両方を提供する。
本発明の好ましい実施形態において、式(I)は、イサブコナゾールのためのエステル中間体を示す。式(I)中のRがフッ化物でありかつRが水素である場合は、イサブコナゾールのためのエステル中間体が示される。式(I)中のRが水素でありかつRがフッ化物である場合は、ラブコナゾールのためのエステル中間体が示される。
式(II)に従う2−ハロ亜鉛プロピオネートエステル中のRは、分岐もしくは非分岐のC〜C12アルキル、C〜C12アリールまたはC〜C11アラルキル、好ましくは分岐もしくは非分岐のC〜CアルキルまたはC〜Cアリール、より好ましくは分岐もしくは非分岐のC〜Cアルキルであり得る。分岐もしくは非分岐のC〜Cアルキルは、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルからのいずれか1つであり得る。2−ハロ亜鉛プロピオン酸アリールエステルについての一例は、2−ハロ亜鉛プロピオン酸フェノールエステルである。好ましくは、Rはメチルまたはエチルであり、より好ましくは、Rはエチルである。
式(II)に従う2−ハロ亜鉛プロピオネートエステル中のXは、臭化物、ヨウ化物または塩化物からのいずれか1つであり得る。より好ましくは、Xは臭化物である。
本発明の1つの実施形態において、式(II)中のRはエチルであり、かつ式(II)中のXは臭化物である。
本発明に従うレフォルマトスキー反応において、より具体的には2−ハロ亜鉛プロピオネートエステルの製造において適用される温度は、最高でも低く、−30℃〜適用される溶媒の大気圧での沸騰温度の間で変化し得る。少なくとも、この温度は、大気圧での溶媒の沸騰温度より低い。より高い温度では、例えば反応を阻害する亜鉛塩の付随する放出を伴うエステルのホモカップリングのため、レフォルマトスキー試薬の形成が妨げられ、それに伴い完全な変換が妨げられ、沈殿に影響が及ぼされる。好ましくは、温度は、−30℃〜85℃の間、より好ましくは−10℃〜40℃の間、最も好ましくは−10℃〜10℃の間である。さらにより好ましくは、温度は、0℃近く(例えば、−2℃〜2℃の間)である。
したがって、本発明に従う方法の工程(i)で適用される温度は、−30℃〜適用される溶媒の大気圧での沸騰温度の間で変化し得る。好ましくは、工程(i)における温度は、大気圧での溶媒の沸騰温度より低い。より好ましくは、工程(i)における温度は、−30℃〜85℃の間、さらにより好ましくは−10℃〜40℃の間、最も好ましくは−10℃〜10℃の間である。さらにより好ましくは、工程(i)における温度は、0℃近く(例えば、−2℃〜2℃の間)である。
さらに、本発明に従う方法の工程(iii)で適用される温度は、好ましくは、−30℃〜適用される溶媒の大気圧における沸騰温度の間で変化し得る。より好ましくは、工程(iii)における温度は、大気圧における溶媒の沸騰温度より低い。さらにより好ましくは、工程(iii)における温度は、−30℃〜85℃の間、最も好ましくは−10℃〜40℃の間、さらにより好ましくは10℃〜30℃の間である。なおより好ましくは、工程(iii)における温度は、室温(例えば、15℃〜25℃の間)である。
本発明の方法の工程(i)および(iii)で適用される溶媒は、非プロトン性溶媒である。好ましくは、溶媒は、極性非プロトン性溶媒である。代替法においては、無極性非プロトン性溶媒が、極性非プロトン性溶媒と組み合わせて使用される。好適な溶媒は、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒドロフラン、tertブチルメチルエーテル、ジ−イソプロピルエーテル、ジ−エチルエーテル、アセトニトリル、酢酸エチル、ジクロロメタンまたはトルエンである。本発明の方法の工程(i)および(iii)における好ましい溶媒は、独立して、テトラヒドロフランおよび2−メチル−テトラヒドロフランである。
本発明に従う方法の工程(i)および(iii)で適用される溶媒は、同じかまたは異なり得る。より好ましくは、本発明に従う方法の工程(i)および(iii)で適用される溶媒は、同じである。さらにより好ましくは、工程(i)および(iii)における溶媒は、テトラヒドロフランまたは2−メチル−テトラヒドロフランである。
2−ハロ亜鉛プロピオネートエステルは、2−ハロプロピオネートエステルと金属亜鉛との間の反応によって得られ得る。亜鉛の活性化は、フュルストナー(第14章,The Reformatsky reaction in Organozinc Reagents,Knochel and Jones,Oxford University Press,p287−305,1999)によって記述されている。本発明に従う方法において適用される亜鉛は、亜鉛の酸もしくはヨウ素処理によって、または亜鉛塩の還元処理によって、有利には活性化され得る。亜鉛塩の還元処理は、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムまたはジイソブチルアルミニウムヒドリドを用いて行われ得る。
さらに、本発明に従う方法において適用される金属亜鉛の粒径は、好ましくは、可能な限り小さい。より小さい粒子は、より大きな表面積をもたらし、したがって、反応における相互作用を高める。好ましくは、亜鉛粒子は、50μmより小さい、より好ましくは10μmより小さい、さらにより好ましくは5μmより小さい直径を有する。このような大きさの亜鉛粒子は、多くの場合、亜鉛ダストと称される。溶媒と組み合わせて、亜鉛は、本発明に従う方法において、多くの場合、懸濁液として存在する。この懸濁液は、レフォルマトスキー反応の間撹拌され得る。
2−ハロプロピオネートエステルと金属亜鉛との間の反応において、亜鉛は、2−ハロプロピオネートに対して1〜3モル当量、好ましくは2−ハロプロピオネートに対して1〜2モル当量、より好ましくは1〜1.2モル当量で適用される。
代替法において、式(II)に従う2−ハロ亜鉛プロピオネートエステルは、好適な金属触媒の存在下における2−ハロプロピオネートエステルとジアルキル亜鉛試薬との反応によって得られ得る。一例として、Tetrahedron:Asymmetry(2007,18,949−962)においてYangらにより記述される、ジエチル亜鉛およびニッケル(II)アセトアラセトネート(acetalacetonate)が使用され得る。
本反応に従う方法の工程(iii)においては、無水条件が好ましい。そのような条件は、例えば、窒素またはアルゴンを適用することにより、不活性雰囲気下において作業を行うことにより得られ得る。本発明に従う不活性雰囲気においては、可能な限り少ない水が存在する。当該雰囲気は、それが本発明に従う化学合成において反応しないという点で不活性である。
本発明に従う方法において、式(II)に従うエステルの調製(工程(i))および式(III)に従うケトンの添加(工程(ii))の順序は、入れ替えられ得る。本発明の1つの実施形態において、ケトンは、2−ハロプロピオネートエステルが亜鉛と反応してレフォルマトスキー試薬を形成した後に添加された(国際公開第2009035684号パンフレット)。代替法において、ケトンは既に存在し、2−ハロ亜鉛プロピオネートエステルの調製のための反応物が後から添加される(Barbier条件)。過剰な亜鉛は、工程(i)の完了後であってかつ沈殿が開始する前に除去される。過剰な亜鉛の除去は、濾別によって行われ得る。
レフォルマトスキー反応後、式(I)に従うエステルの所望のジアステレオマーは、沈殿が可能にされる。エステルを沈殿可能にする要因の1つは、ある時間の間、反応混合物を放置しておくことである。好ましくは、反応物は、最後の試薬の添加後12時間より長い間、より好ましくは6時間より長い間、さらにより好ましくは2時間より長い間、最も好ましくは0.5時間より長い間置いておかれる。待ち時間の間、反応混合物の撹拌が、従前通り行われ得る。沈殿は、先に得られた所望のジアステレオマーを含有する少量の沈殿物の添加によって高められ得る。さらに、非プロトン性無極性溶媒(例えば、tertブチルメチルエーテルまたはn−ヘプタン)の添加によって、沈殿が刺激され得、収率が改善され得る。
本発明に従う方法の工程(iii)で得られる沈殿物は、濾過によって単離される。その後、有機溶媒(例えば、酢酸エチル)中への抽出によって、エステル(I)の所望のジアステレオマーが得られる。有利には、この抽出は、水性酸性溶液での処理を含む。任意選択で、その後の酵素的分割工程に先立って、エステル(I)を含有する有機溶液が濃縮されて固体が得られる。
特に好ましいのは、分割に使用されるエステラーゼ酵素が配列番号4に示されるアミノ酸配列または少なくとも90%のアミノ酸同一性を有するそのホモログを含む、エステラーゼ活性を有する単離ポリペプチドである、本発明に従う方法である。
Figure 2015527345

配列番号4に示されるエステラーゼおよびそのホモログは、国際公開第2009/004039号パンフレットおよび国際公開第2010/122175号パンフレットに記述されている。
好ましくは、前記エステラーゼ酵素は、配列番号4と少なくとも95%の同一性を有し、より好ましくは配列番号4と少なくとも97%、さらにより好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは99%を上回る同一性を有する。
さらにより好ましいのは、エステラーゼ酵素が、配列番号2に示されるアミノ酸配列または少なくとも90%のアミノ酸同一性を有するそのホモログを含む、エステラーゼ活性を有する単離ポリペプチドであり、当該ホモログが、前記配列の239位またはそれに対応する位置におけるアミノ酸としてバリンを含有する、本発明に従う方法である。
Figure 2015527345

配列番号4のエステラーゼ酵素(APLE)の、前記配列の239位におけるロイシンをバリンで置換することによる変異は、国際公開第2010/122175号パンフレットから知られている。
知られているように、アミノ酸の付番は、タンパク質が由来する種に依存する。付番は、欠失または挿入の結果としても変化し得る。しかしながら、どのように配列をアライメントさせるかは当業者に知られている。したがって、本出願では、語句「またはそれに対応する」は、番号以外は配列番号2における239位と同じであるアミノ酸位置を記述するために使用される。
好ましくは、エステラーゼ酵素は、配列番号2と少なくとも95%の同一性を有し、より好ましくは配列番号2と少なくとも97%、さらにより好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは99%を上回る同一性を有する。
このカテゴリーに属する酵素は、主としてブタ肝臓エステラーゼまたはその変異体である。したがって、1つの実施形態において、本発明はまた、工程(iv)における酵素的分割が、ブタ肝臓エステラーゼまたはその変異体によって、特に配列番号2または4、最も好ましくは配列番号2のエステラーゼ酵素によって行われる、本発明に従う方法に関する。
本出願において、「(参照配列)のアミノ酸配列と少なくとも90%の配列同一性を有するエステラーゼ」とは、そのようなタンパク質が、配列アライメントツール(例えば、BLASTP(http://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast)、ClustalW(http://www.ebi.ac.uk/Tools/clustalw2)またはAlign Plus 5(Scientific&Educational Software,Cary,NC,USA))を用いて行われる配列アライメントにおいて決定される場合に、少なくとも90%については参照配列のアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を有している、それぞれの参照配列のホモログであることを意味する。
本出願では、ホモログという用語はまた、別の核酸配列と遺伝コードの縮重によって異なってはいるが、同じポリペプチド配列をコードする核酸配列(ポリヌクレオチド配列)を含むことも意味する。
配列同一性または類似性は、本明細書において、配列を比較することにより決定される、2つ以上のポリペプチド配列間または2つ以上の核酸配列間の関係として定義される。通常、配列同一性または類似性は、配列の全長にわたって比較されるが、しかしながら、互いにアライメントした配列の一部についてのみ比較されることもあり得る。当該技術分野において「同一性」または[類似性」はまた、場合によっては、そのような配列間のマッチングによって決定されるポリペプチド配列間または核酸配列間の配列関連性の程度を意味する。同一性または類似性を決定するための好ましい方法は、試験される配列間で最大のマッチングをもたらすように設計される。本発明との関連において、2つの配列間の同一性および類似性を決定するための好ましいコンピュータープログラム法としては、NCBIおよび他の供給源(BLAST Manual,Altschul,S.ら,NCBI NLM NIH,Bethesda,MD,USA)から公的に入手できるBLASTPおよびBLASTN(Altschul,S.F.ら,J.Mol.Biol.1990,215,403−410が挙げられる。BLASTPを用いたポリペプチド配列比較のための好ましいパラメータは、ギャップオープン10.0、ギャップ伸長0.5、Blosum 62マトリックスである。BLASTNを用いた核酸配列比較のための好ましいパラメータは、ギャップオープン10.0、ギャップ伸長0.5、DNAフルマトリックス(DNA同一性マトリックス)である。
本発明に従う酵素的分割において、いくつかの反応パラメータ(例えば、溶媒、補助溶媒、pH、温度、および基質濃度)が、反応を最適化するために変更され得る。
一般的に、溶媒は、水と水混和性溶媒(例えば、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールまたはtert−ブタノール)またはジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトンもしくはジメチルスルホキシド)との混合物、または水および水不混和性溶媒(例えば、芳香族化合物(例えば、トルエンまたはキシレン)、アルカン(例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタンまたはシクロヘキサン)またはエーテル(例えば、ジイソプロピルエーテルまたはメチルtert−ブチルエーテル))の二相系であり得る。
本発明に従う酵素的分割における補助溶媒の性質は、非常に重要な役割を果たす。というのは、例えば、2−メチルテトラヒドロフランが使用された場合には、変換が観察されなかったからである。好ましくは、tert−ブタノール、酢酸tertブチル、メチルイソブチルケトンまたはトルエンが、補助溶媒として使用される。より好ましくは、トルエンが、酵素的分割のための補助溶媒として使用される。
酵素活性に対するpHの影響は重大ではない。反応溶液のpHは、4〜11の間、好ましくは6〜9の間である。しかしながら、より好ましくは、本発明に従う酵素的分割のためのpH最適条件は、pH7.5〜8の間の範囲にある。
本発明の変換のための反応温度は、通常、0〜90℃の間、好ましくは10〜60℃の間である。本発明に従う酵素的分割反応は、温度が高いほど速い。しかしながら、酵素活性は、37℃において経時的に低下する。したがって、酵素的分割反応の間の温度は、より好ましくは28〜37℃の間である。
酵素的分割のための基質濃度は、0.1から50重量パーセントまで、好ましくは1から25重量パーセントまで、より好ましくは2から10重量パーセントまで変化し得る。最も好ましくは、基質濃度は、4〜6重量パーセントの間である。
本発明に従うエステラーゼは、任意の形態で使用され得る。エステラーゼは、例えば、分散体の形態、溶液の形態、または固定化された形態で使用され得る。さらに、エステラーゼは、例えば、粗酵素として、市販酵素として、市販調製物からさらに精製された酵素として、知られている精製方法の組み合わせによってその供給源から得られた酵素として、天然にもしくは遺伝子改変を通じて必要とされるエステラーゼ活性を有する(任意選択で透過化および/または固定化された)全細胞の状態で、またはそのような活性を有する細胞の溶解産物の状態で、使用され得る。
酵素的分割工程後に、生成物の単離が、従来の方法(例えば、抽出、結晶化、カラムクロマトグラフィーおよび/または蒸留)によって行われ得る。
本発明に従う方法の工程(iv)後に得られるエステルは、当該技術分野において知られている方法によって(例えば、アンモニアでの処理によって)対応するアミドに変換され得る。その後、アミドは、例えば国際公開第03/002498号パンフレットに開示されたように、知られている方法によって、イサブコナゾールまたはラブコナゾールにさらに変換される。アミドは、脱水されて対応するシアニドにされ得、シアニドは、例えばスルフィド塩(例えば、アンモニウムスルフィド)との反応によって、対応するチオアミドに変換され得、最後に、チオアミドは、適切に置換された4−シアノアセトフェノン試薬(例えば、α−ブロモ−4−シアノアセトフェノンなど)との反応によって、イサブコナゾールまたはラブコナゾールに変換され得る。
本発明はさらに、本明細書に記述される本発明に従う方法に従う異なる実施形態および/または好ましい特徴の全ての可能な組み合わせに関する。
本発明を、以下の実施例を参照して説明するが、しかしながら、本発明は、これらによって限定されるものではない。
エステル(I)のジアステレオマー過剰率をGCにより測定した。GC:HP−5カラム(30m×0.32mm×0.25μm);初期温度:50℃、0分、150℃まで20℃/分、0分間150℃;190℃まで10℃/分、2分間190℃;300℃まで20℃/分、0分間300℃;保持時間:2.06分:プロピオン酸エチル;3.25分:2−ブロモプロピオン酸エチル;9.17分:ケトンII(R=F);12.82分:RS/SR−エステルI;12.90分:RR/SS−エステルI
RR/SS−エステルIのH−NMR(CDCl,300MHz)δ=1.04(d,J=7.2Hz,3H),1.34(t,J=7.2Hz,3H),3.30(q,J=7.2Hz,1H),4.25(q,J=7.2Hz,2H),4.60(d,J=14.1Hz,1H),4.89(d,J=14.4Hz),6.95(m,2H),7.20(m,1H),7.75(s,1H),8.11(s,1H)ppm.
RS/SR−エステルIのH−NMR(CDCl,300MHz)δ=0.98(t,J=7.2Hz,3H),1.41(d,J=7.2Hz,3H),3.37(q,J=7.2Hz,1H),3.95(m,2H),4.61(d,J=13.8Hz,1H),4.83(d,J=14.1Hz),6.97(m,3H),7.71(s,1H),8.08(s,1H)ppm.
比較例A:有機リチウムカップリングによるラセミ体エステル(I)の調製
a)テトラヒドロフラン(THF)中のリチウム−ジイソプロピルアミド(LDA)のストック溶液の調製:
ジイソプロピルアミン(716mg、7.1mmol、1.05当量)を無水THF(21.3mL)に溶解させ、結果として生じた溶液を窒素雰囲気下で−78℃まで冷却した。その後、n−BuLi(n−ヘプタン中2.7M溶液、2.5mL、6.7mmol、1.0当量)を15分かけて滴下様式で添加し、この反応混合物をさらに15分間−78℃で攪拌した。次いで、溶液を0℃まで温め、30分間攪拌した後に、このストック溶液を再び−78℃まで冷却した。
b)カップリング反応:
そうして得られたLDA溶液(3.66mL、0.98mmol、1.1当量)を、シュレンク容器に移し、プロピオン酸エチル(100mg、0.98mmol、1.1当量)を窒素雰囲気下において−78℃にて滴下様式で添加した。結果として生じた混合物を−78℃で30分間攪拌し、次いでTHF(3.66mL)中の1−(2,5−ジフルオロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)エタノン(200mg、0.90mmol、1.0当量)を15分かけて滴下様式で添加した。この反応混合物を、−78℃で2時間攪拌し、次いで酢酸でクエンチし、室温まで温めた。混合物を、飽和NHCl水および酢酸エチルで希釈した。水層を酢酸エチル(2×)で抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、真空中で濃縮して、所望のRR/SSジアステレオマーを選好して29%のジアステレオマー過剰率を有するラセミ体エステルIを含有する黄色油状物を得た。カラムクロマトグラフィー(n−ヘプタン/EtOAc/MeOH 60/40/5 v/v/v)によるさらなる精製により、合わせた全収量179mg(0.55mmol、61%)で、RR/SSジアステレオマー(淡黄色固体)およびRS/SRジアステレオマー(オフホワイト固体)を得た。
比較例B:ケトンが既に存在する(Barbier条件)高温での工程(i)、(ii)および(iii)に従うレフォルマトスキー反応
冷却器付き二つ口フラスコに亜鉛(1.1g、17mmol、3.8当量)を投入し、ホットガンを用いて真空中で加熱した(3回の窒素−真空サイクル)。その後、THF(60mL)を添加し、次いでトリメチルシリルクロリド(0.15mL)を添加した。結果として生じた懸濁液を室温にて15分間窒素雰囲気下で撹拌した後に、THF(30mL)中のケトンIII(R=F、1.0g、4.5mmol、1.0当量)の溶液を添加した。次いで、この反応混合物を66℃に加熱した後に、加熱源を除去した。その後、THF(20mL)中の2−ブロモプロピオン酸エチル(0.87mL、1.2g、6.7mmol、1.5当量)の溶液を、10分かけて滴下した。次いで、反応混合物を66℃で1.5時間撹拌した後に、これを室温まで冷却した。反応物を、飽和アンモニウムクロリド水溶液(100mL)の添加によってクエンチし、メチルtert−ブチルエーテル(MTBE、100mL)で希釈した。層を分離し、水層をMTBE(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(100mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、真空中で濃縮して、ラセミ体エステルIを含有する黄色油状物(1.4g)を得た。H−NMRおよびGC分析により、80%のケトンIII(R=F)の変換率および所望のRR/SS−ジアステレオマーを選好して60%のエステルIのd.e.が示された。生成物をさらには精製しなかった。
実施例1:ケトンへの添加が後に続く低温でのレフォルマトスキー試薬の事前形成を用いた工程(iii)に従うレフォルマトスキー反応
a)レフォルマトスキー試薬のストック溶液の調製:
二つ口フラスコに、窒素雰囲気下で亜鉛(5.8g、89mmol、2.0当量)を投入し、無水THF(101mL)、次いでトリメチルシリルクロリド(TMSCl、1.12mL)を添加した。結果として生じた懸濁液を、室温で30分間撹拌し、次いで0℃まで冷却した。その後、2−ブロモプロピオン酸エチル(5.8mL、8.1g、44.7mmol、1.0当量)を、30分かけて滴下様式で懸濁液に添加した。この反応混合物をさらに15分間撹拌し、次いで、窒素雰囲気下でシュレンク容器中に濾過して残留亜鉛を除去した。
ケトンIII(R=F、1.0g、4.5mmol、1.0当量)をシュレンク容器に投入し、無水THF(10mL)を窒素雰囲気下で添加した。結果として生じた溶液に、20mLの先に調製したレフォルマトスキー試薬ストック溶液(前記参照、8.36mmol、1.9当量)を、撹拌しながら室温で30分かけて滴下様式で添加した。添加の完了後、結果として生じた反応混合物を、窒素雰囲気下で36時間撹拌した(透明溶液)。GC分析により、ケトンIII(R=F)に基づき80%の変換率、および所望のRR/SSジアステレオマーを選好して60%のd.e.で、エステルI(R=F)が形成したことが示された。反応混合物を真空中で10mLの体積まで濃縮した後に、固体の形成が観察されるまでn−ヘプタンを添加した。結果として生じた懸濁液を16時間撹拌した後に、固体を濾過によって単離した。次いで、固体をHCl水(pH=1)と酢酸エチルとの混合物に溶解させて、透明な二相系を結果としてもたらした。相を分離し、水層を酢酸エチル(2×)で抽出した。合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、真空中で濃縮して、GCにより決定される場合に>99%d.e.を有するラセミ体RR/SSエステルI(R=F)を淡黄色固体として得た。
実施例2:ケトンの添加に先立つ亜鉛除去を用いた工程(iii)に従うレフォルマトスキー反応
亜鉛(11.7g、179mmol、4.0当量)をTHF(200mL)に懸濁し、250mL3つ口フラスコ中で、窒素雰囲気下において周囲温度で30分間、TMSCl(2.25mL)の存在下で撹拌した。その後、懸濁液を0℃まで冷却し、2−ブロモプロピオン酸エチル(11.6mL、89.6mmol、2.0当量)を45分かけてシリンジポンプによって添加した。この反応混合物を0℃でさらに15分間撹拌した(変換が100%であることがGCにより確認された)後に、懸濁液をカニューレを介してガラスフィルターに通して窒素流下において反応容器(500mL三つ口フラスコ)に濾過した。その後、THF(130mL)中のケトンIII(R=F、10g、44.8mmol、1.0当量)の溶液を、室温で1時間かけて反応混合物に添加した。混合物をさらに72時間撹拌した時点で固体が形成した。懸濁液を濾過し、オフホワイト固体をEtOAcに懸濁し、水およびHCl水の添加によって、透明な二相系が得られるまで溶解させた(pH1)。層を分離し、水層をEtOAc(2×)で抽出した。合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、真空中で濃縮して、GCにより決定される場合に>99%d.e.を有するラセミ体RR/SSエステルI(R=F、8.8g、27mmol、60%)を淡黄色固体として得た。濾液を同様の水性後処理に供した。GC分析により、濾液中には残存ケトンおよび(所望されないRS/SRジアステレオマーを選好して)−25%のd.e.を有するラセミ体エステルIが存在することが示された。
実施例3:ケトンの添加後であるが沈殿の開始前における亜鉛除去を用いた工程(iii)に従うレフォルマトスキー反応
亜鉛(98g、1.5mol、4.0当量)をTHF(1.7L)に懸濁し、窒素雰囲気下において周囲温度で30分間、TMSCl(18.7mL)の存在下で機械的に撹拌した。その後、懸濁液を0℃まで冷却し、2−ブロモプロピオン酸エチル(96.6mL、744mmol、2.0当量)を1時間かけてシリンジポンプによって添加した。この反応混合物を0℃で15分間撹拌した(変換が100%であることがGCにより確認された)後に、THF(830mL)中のケトンIII(R=F、83g、372mmol、1.0当量)の溶液を、室温で20分かけて添加した。この混合物を、さらに15分間撹拌し(変換が>90%であることがGCにより確認された)、次いでセライトに通して濾過した。GCにより、反応混合物のd.e.は、60%であることが決定された。反応混合物を撹拌すると、5時間後に懸濁液が形成し始めた。懸濁液を88時間撹拌した時点で、母液のd.e.は、(所望されないRS/SRジアステレオマーを選好して)−10%まで低下した。懸濁液を濾過し、オフホワイトの固体をMTBE(2×125mL)で洗浄した。その後、固体をEtOAc(2.1L)に懸濁し、水(1.25L)およびHCl水(10%w/w;76g)の添加によって、透明な二相系が得られるまで溶解させた(pH1.3)。層を分離し、有機層をHCl水(1.1L、pH1.1)、NaHCO水(0.60gのNaHCOを含有する500mL)、水(2×250mL)およびブライン(250mL)で洗浄した。次いで、有機層を乾燥させ(NaSO)、濾過し、真空中で濃縮して、97%d.e.でラセミ体RR/SS−エステルI(54g、167mmol、45%)を得た。
実施例4:工程(iv)に従う酵素的分割
リン酸カリウム緩衝溶液(500mL、50mM、pH7.8)に、配列番号1のエステラーゼ(10g、国際公開第2010/122175号パンフレットに記述されるように調製された、配列番号2のエステラーゼをコードする配列番号1の組換えエステラーゼ遺伝子を発現させるエスケリキア・コリ(Escherichia coli)全細胞)を含有する懸濁液(100mL)を添加した。pHを7.8に合わせ、その後、トルエン(400mL)中のラセミ体RR/SSエステルI(R=F、40g、123mmol、97%d.e.)の溶液を添加した。結果として生じた混合物を、NaOH(1M、水溶液)での滴定によってpHを7.8で維持しながら、28℃で撹拌した。HPLCによる分析により、R,R−エステルIのe.e.が、22時間後に98.5%であることが示された。反応物を26時間後に下記のように後処理した。2:1および3:1のS/C比での反応は、共に20時間以内に終了したことに注意されたい;R,R−エステルIのe.e>99%。
Figure 2015527345

後処理:
Dicalite 4208(20g)を反応混合物に添加し、結果として生じた懸濁液を5分間撹拌した。その後、この混合物を、プレコートされた(dicalite 4108)ガラスフィルターに通して濾過した。濾過ケークをトルエン(2×200mL)で洗浄し、合わせた濾液を分離した。この段階で、トルエン層は僅かに乳化していたので、プレコートフィルターに通す別の濾過を行った。結果として生じた二相濾液を分離し、水層を先に得られた水相に添加した。次いで、合わせた水層をトルエン(250mL)で抽出して、完全に乳化した有機相を得た。トルエン層をプレコートフィルターに2回通して濾過すると、透明な二相系が得られた。層を分離し、合わせた有機層をNaHCO水(100mL、5重量%)で洗浄した。最後に、有機層を真空中で濃縮して、R,R−エステルIをオフホワイト固体として得た。
こうして得られたプロトコルを用いて、210gのラセミ体RR/SS−エステルI(d.e.97%)を、各々40〜45グラムの出発物質を含有する5つのバッチで変換した。エナンチオピュアーなエステルR,R−エステルI(d.e.95%;e.e.>99.5%)を、48%収率(101g、311mmol)で単離した。
分析:
キラルHPLCによって、エステルIのe.e.の決定を行った。ラセミ体RR/SS−エステルIのエナンチオマーおよび対応するカルボン酸のエナンチオマーを分離する、単一の方法を開発した:
カラムDaicel AD、2×50×4.6mm内径、粒径:10μm、溶離剤:ヘプタン/MeOH/EtOH 95:2.1:2.9 v/v/v+0.05%トリフルオロ酢酸+0.05%ジエチルアミン;運転時間:15分、圧力:10バール、流量:1.8mL/分、温度:20℃、210nmでのUV検出。保持時間:SS−エナンチオマーエステルI:2.15分;SS−エナンチオマーカルボン酸:3.02分;RR−エナンチオマーカルボン酸:4.31分;RR−エナンチオマーエステルI:8.21分。
エステルIおよびカルボン酸の両方の濃度をHPLCによって測定することにより、変換率を確認した:
カラムHypersil BDS−3、250×4.6mm内径、粒径、5μm、溶離剤A:Milli−Q中0.15%ギ酸および0.025%トリエチルアミン;溶離剤B:アセトニトリル中0.15%ギ酸および0.025%トリエチルアミン、勾配A:B=10分かけて95:5(v/v)〜5:95、5:95で5分間維持、3分かけて95:5まで、95:5で5分間維持(t=23分)。流量:1.0mL/分、温度:40℃、210nmでのUV検出。保持時間:カルボン酸:9.55分;エステルI 12.35分。
実施例5:酵素スクリーニング
エステルIの加水分解のための200種を超えるヒドロラーゼ酵素(リパーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼ)のスクリーニングにおいて、100mMリン酸カリウム緩衝液pH7.5中の各個々の酵素225μlを、最終体積250μlでtert−ブタノールに溶解させた2mgのエステルIと共に蓋締めしたガラスバイアル中でインキュベートし、IKA KS 130シェーカー(IKA,Staufen、Germany)上において400rpmで28℃にてインキュベートした。一晩のインキュベーション後に、40μlの0.5Mリン酸を各バイアルに添加し、その後、710μlのメチルtert−ブチルエーテル(MTBE)で希釈し、JS−5.3ローターを備えたAvanti J−20XPI遠心機(Beckman Coulter,Woerden,The Netherlands)において3500rpmで20分間遠心分離した。
残存エステルおよび結果として生じたカルボン酸の両方のエナンチオマー過剰率(e.e.)を、(上記のように)HPLCにより決定した。これらの2つのe.e.値の比較によって、変換率を算出した。
変換率=[e.e.エステル/(e.e.エステル+e.e.カルボン酸)]*100%
この大きなヒドロラーゼコレクションから、8種の組換えブタ肝臓エステラーゼのみが、エステルIの所望されないエナンチオマーを選択的に加水分解し得た(表1)。
Figure 2015527345
この実施例は、いくつかの組換えブタ肝臓エステラーゼがエステルIをエナンチオ選択的に加水分解することを示している。配列番号4、6、8、10または12を示すエステラーゼ酵素は、国際公開第2009/004093号パンフレットおよび国際公開第2010/122175号パンフレットにおける記述に従う前記エステラーゼをコードするそれぞれ配列番号3、5、7、9または11の組換えエステラーゼ遺伝子を発現させるエスケリキア・コリ(Escherichia coli)細胞を用いて調製され得る。
実施例6:組換えブタ肝臓エステラーゼの再試験
最初の酵素スクリーニングの結果に基づき、5種の酵素を250mgスケールでの再試験のために選択した。酵素の選択は、エステルIに対する活性および選択性に基づいた。各個々の反応について、250mgのエステルIを、1mlのtert−ブタノールに溶解させた。その後、5mlの100mMリン酸カリウム緩衝液pH7.5およびそれぞれの過剰発現された組換えブタ肝臓エステラーゼを含有する4mlの無細胞抽出物を、エステルI1mg当たり1mgの総タンパク質の酵素/基質比で、Metrohm 718 STAT Titrinos(Metrohm,Schiedam,The Netherlands)中に加えた。1M NaOHを用いてpHを7.5で一定に維持した。定期的な時点で、残存エステルおよび結果として生じたカルボン酸の両方のエナンチオマー過剰率(e.e.)について試料を分析した。このエナンチオマー過剰率は、(上記のように)HPLCにより決定した。変換率を、これらの2つのe.e.値の比較によって算出した。その結果を表2に示す。
Figure 2015527345
個々のエステラーゼ反応のエナンチオ選択性(E)を、式:
E=ln((1−(変換率/100)*(1+(e.e./100))))/ln((1−(変換率/100)*(1−(e.e./100))))
に従って変換率および生成したカルボン酸のe.e.から算出し、表3に示した。
Figure 2015527345
配列番号2の組換えブタ肝臓エステラーゼは、5時間後の変換率50%、エステルIについてのe.e.99.5%、およびE>500の優れたエナンチオ選択性を以って、最善の候補と確認された。
実施例7:ブタ肝臓エステラーゼ反応に対する溶媒の影響
配列番号2のブタ肝臓エステラーゼによるエステルIの加水分解に対する有機溶媒の影響を、国際公開第2010/122175号パンフレットに記述されるように作製された、配列番号1の遺伝子を発現させる組換えE.コリ(E.coli)細胞を用いて調査した。0.5gのエステルIに、7.5mlの50mMリン酸カリウム緩衝液pH7.8、(1mlの50mMリン酸カリウム緩衝液pH7.8中の)配列番号1のエステラーゼを含有する0.1gの湿潤組換えE.コリ(E.coli)細胞および2.5mlの有機溶媒を、28℃で添加した。別個の反応において、トルエン、メチル−イソブチルケトン、酢酸tertブチルまたは2−メチル−テトラヒドロフランのいずれかを、有機溶媒として添加した。コントロールとして、2.5mlの50mMリン酸カリウム緩衝液pH7.8を、有機溶媒の代わりに添加した。
1M NaOHを用いてpHを7.8で一定に維持した。定期的な時点で、残存エステルおよび結果として生じたカルボン酸の両方のエナンチオマー過剰率(e.e.)について試料を分析した。このエナンチオマー過剰率は、(上記のように)HPLCにより決定した。変換率を、(上記のように)これらの2つのe.e.値の比較によって算出した。その結果を表4に示す。
Figure 2015527345
溶媒酢酸tertブチルおよび特にトルエンは、エステルI加水分解の速度に対する明確な好ましい影響を有していた。トルエンの場合は、22時間後に50.0%の変換率および99.2%のe.e.でエステルIが得られる。

Claims (23)

  1. 対応する(2R,3R)/(2S,3S)ラセミ体が富化された式(I):
    Figure 2015527345

    (式中、RおよびRは、各々、フッ化物または水素であり、Rがフッ化物である場合はRは水素であり、Rがフッ化物である場合はRは水素であり、式中、Rは、C〜C12アルキル、C〜C12アリールまたはC〜C11アラルキルである)に従う3−ヒドロキシ−2−メチル−4−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−3−フェニル−酪酸エステル誘導体のジアステレオマーの混合物の製造方法であって、前記方法は、
    (i)溶媒の存在下における、前記溶媒の沸騰温度よりも低い温度での、式(II)
    Figure 2015527345

    (式中、Xは、臭化物、ヨウ化物または塩化物である)に従う2−ハロ亜鉛プロピオネートエステルの調製の工程と、
    (ii)式(III)
    Figure 2015527345

    に従うケトンの導入の工程と、
    (iii)溶媒の存在下において、式(II)に従う前記2−ハロ亜鉛プロピオネートエステルと式(III)に従う前記ケトンとの間のレフォルマトスキー反応を行い、
    結果として生じる反応混合物が、前記混合物への最後の試薬の添加後0.5時間より長い間、好ましくは2時間より長い間、攪拌しながらまたは攪拌せずに、前記混合物を放置しておくことによって、沈殿物を形成することを可能にし(ここで、前記沈殿物は、式(I)に従うラセミ体(2R,3R)/(2S,3S)エステルが富化されている)、
    前記沈殿物を分離する工程と
    を含み、工程(i)および(ii)が行われる順序は入れ替えられ得、前記沈殿物の形成の前に過剰な亜鉛が除去される、方法。
  2. 式(I)中のRがフッ化物であり、かつRが水素である、請求項1に記載の方法。
  3. 式(II)中のRがエチルであり、かつ/または式(II)中のXが臭化物である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 工程(i)における前記温度が、−10℃〜40℃の間である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記温度が、−10℃〜10℃の間である、請求項4に記載の方法。
  6. 工程(iii)における温度が、前記溶媒の沸騰温度より低い、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 工程(i)が、工程(ii)の前に行われる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 工程(i)および/または工程(iii)における前記溶媒が、極性非プロトン性溶媒である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記溶媒が、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒドロフラン、tertブチルメチルエーテル、ジ−イソプロピルエーテル、ジ−エチルエーテル、アセトニトリル、酢酸エチル、ジクロロメタンまたはトルエンである、請求項8に記載の方法。
  10. 工程(i)の前記2−ハロ亜鉛プロピオネートエステルが、2−ハロプロピオネートエステルと金属亜鉛との反応によって得られる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 工程(iii)で得られた前記沈殿物を有機溶媒で溶解および/または抽出し、前記溶液中の前記(2R,3R)/(2S,3S)ジアステレオマーを分割して、式(I)の前記エステルの所望の(2R,3R)エナンチオマー
    Figure 2015527345

    が富化された生成物を得ることが後に続く、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. エステラーゼ酵素を用いて式(I)に従う前記エステルの前記ジアステレオマーの酵素的分割が行われる、請求項11に記載の方法。
  13. 前記エステラーゼ酵素が、配列番号4に示されるアミノ酸配列または少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%のアミノ酸同一性を有するそのホモログを含む、エステラーゼ活性を有する単離ポリペプチドである、請求項12に記載の方法。
  14. 前記エステラーゼ酵素が、配列番号2に示されるアミノ酸配列または少なくとも95%のアミノ酸同一性を有するそのホモログを含む、エステラーゼ活性を有する単離ポリペプチドであり、前記ホモログは、239位またはそれに対応する位置におけるアミノ酸としてバリンを含有する、請求項12に記載の方法。
  15. 前記ホモログが、少なくとも98%、好ましくは少なくとも99%のアミノ酸同一性を有しており、かつ配列番号2に従うアミノ酸配列の239位またはそれに対応する前記ホモログの配列の位置におけるアミノ酸としてバリンを含有する、請求項14に記載の方法。
  16. エステラーゼ活性を有する前記単離ポリペプチドが、配列番号2に示される前記アミノ酸配列を含む、請求項14または15に記載の方法。
  17. エステラーゼ活性を有する前記単離ポリペプチドが、配列番号2に示される前記アミノ酸配列である、請求項16に記載の方法。
  18. tert−ブタノール、酢酸tertブチル、メチルイソブチルケトンおよびトルエンから選択される有機補助溶媒が、前記酵素的分割において使用される、請求項14〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 工程(iv)で得られた式(I)の前記エステルの前記所望の(2R,3R)エナンチオマーが富化された前記生成物を、アンモニアでの処理によって対応するアミドに変換することが後に続く、請求項11〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記アミドを脱水して対応するシアニドにすることが後に続く、請求項19に記載の方法。
  21. 前記シアニドを対応するチオアミドに変換し、任意選択で、前記チオアミドを、α−ケト置換4−シアノアセトフェノン試薬との反応によって、前記チオアミドのフェニル部分が2,5−ジフルオロ置換されている場合はイサブコナゾールに、前記チオアミドのフェニル部分が2,4−ジフルオロ置換されている場合はラブコナゾールにさらに変換することが後に続く、請求項20に記載の方法。
  22. GCにより決定される場合に97%〜99.9%の間、好ましくは99%〜99.9%の間のジアステレオマー過剰率で(2R,3R)/(2S,3S)エステルのラセミ混合物を含む、式(I):
    Figure 2015527345

    (式中、RおよびRは、各々、フルオロまたは水素であり、Rがフルオロである場合はRは水素であり、Rがフルオロである場合はRは水素であり、式中、Rは、C〜C12アルキル、C〜C12アリールまたはC〜C11アラルキルである)の3−ヒドロキシ−2−メチル−4−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−3−フェニル−酪酸エステルジアステレオマーの混合物。
  23. 式(I):
    Figure 2015527345

    (式中、Rは、C〜C12アルキルまたはC〜C12アリールであり、
    は、フルオロであり、
    は、水素である)に従う(2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−メチル−4−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−3−フェニル−酪酸エステル誘導体。
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