JP2015526426A - (メタ)アクロイル基含有ポリオール化合物の製造方法、(メタ)アクロイル基含有ポリオール化合物、及びウレタン(メタ)アクリレート - Google Patents

(メタ)アクロイル基含有ポリオール化合物の製造方法、(メタ)アクロイル基含有ポリオール化合物、及びウレタン(メタ)アクリレート Download PDF

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Abstract

分子構造中に3つ以上の水酸基を有するポリオール化合物(A)と環状ケトン化合物(B)とを、前記ポリオール化合物(A)が有する水酸基のモル数(OH)と環状ケトン化合物(B)が有するカルボニル基のモル数(CO)との比[(OH)/(CO)]が3〜12の範囲となる割合で、有機溶媒(S)中、酸触媒の存在下で反応させて水酸基含有ケタール化合物(x1)を得る工程1、得られた水酸基含有ケタール化合物(x1)が有する水酸基を(メタ)アクリレート化して(メタ)アクリレート化合物(x2)を得る工程2、得られた(メタ)アクリレート化合物(x2)を加水分解する工程3、を経ることを特徴とする(メタ)アクロイル基含有ポリオール化合物(x3)の製造方法。

Description

本発明は、分子構造中に3つ以上の水酸基を有するポリオール化合物の水酸基の1部を選択的に(メタ)アクリレート化して得られる(メタ)アクロイル基含有ポリオール化合物の製造方法、該製造方法により得られる(メタ)アクロイル基含有ポリオール化合物、及びこれを用いて得られるウレタン(メタ)アクリレートに関する。
分子構造中に水酸基を2つ有するジオール化合物は、ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂等の樹脂原料として有用な化合物であり、昨今では様々な構造を有するジオール化合物が知られている。このうち、分子構造中に(メタ)アクリロイル基を複数個有する(メタ)アクリロイル基含有ジオール化合物は、活性エネルギー線硬化型樹脂の原料として特に利用価値が高い。該(メタ)アクリロイル基含有ジオール化合物はポリオール化合物を原料としてその水酸基の一部を(メタ)アクリレート化する方法により製造されるものであり、具体的には、ポリオール化合物が有する水酸基のうち二つをアセタール化して保護し、これを(メタ)アクリル酸等でアクリレート化した後、加水分解によりアセタール保護を外す方法等により製造される。しかしながら、ポリオール化合物が有する水酸基のうち2つのみを選択的に保護し、更に、アクリレート化工程及び脱保護工程を経てジヒドロキシ化合物のみを高収率で得ることは非常に難しく、(メタ)アクリロイル基含有ジオール化合物の簡便かつ効率的な製造方法の開発が求められていた。
(メタ)アクリロイル基含有ジオール化合物の効率的な製造方法として、例えば、ペンタエリスリトールとベンズアルデヒドとを反応させてアセタール化合物を得た後、これを(メタ)アクリロイルクロライドと反応させ、加水分解によりアセタール保護を外してペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートを得る方法が知られている(下記特許文献1参照。)該方法によれば、ペンタエリスリトールのモノアセタール化工程は効率的に進行するため、中間体であるモノベンザルペンタエリスリトールは高収率で得られるものの、続く加水分解反応が進行し難いことから、最終目的物であるペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートの収率は低く、工業生産に利用できるものではなかった。
特開平1−128957号公報
従って、本発明が解決する課題は、(メタ)アクリロイル基含有ポリオール化合物の簡便且つ効率的な製造方法、該製造方法により得られる(メタ)アクリロイル基含有ポリオール化合物、これを用いて得られるウレタン(メタ)アクリレートを提供することにある。
本発明者らは上記の課題を解決するため鋭意検討した結果、ポリオール化合物の水酸基を環状ケトン化合物により保護し、これをアクリレート化した後に加水分解する方法により、(メタ)アクリロイル基含有ポリオール化合物を高収率で製造できること、これを用いて得られるウレタン(メタ)アクリレートは硬化物における耐傷性と靱性とに優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、分子構造中に3つ以上の水酸基を有するポリオール化合物(A)と環状ケトン化合物(B)とを、前記ポリオール化合物(A)が有する水酸基のモル数(OH)と環状ケトン化合物(B)が有するカルボニル基のモル数(CO)との比[(OH)/(CO)]が3〜12の範囲となる割合で、有機溶媒(S)中、酸触媒の存在下で反応させて水酸基含有ケタール化合物(x1)を得る工程1、得られた水酸基含有ケタール化合物(x1)が有する水酸基を(メタ)アクリレート化して(メタ)アクリレート化合物(x2)を得る工程2、及び得られた(メタ)アクリレート化合物(x2)を加水分解する工程3、を経ることを特徴とする(メタ)アクロイル基含有ポリオール化合物(x3)の製造方法に関する。
本発明は更に、前記製造方法により得られる(メタ)アクロイル基含有ポリオール化合物(x3)に関する。
本発明は更に、前記(メタ)アクロイル基含有ポリオール化合物(x3)と、ポリイソシアネート化合物と、モノヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレートに関する。
本発明は更に、前記ウレタン(メタ)アクリレートを含有する硬化性樹脂組成物に関する。
本発明は更に、前記硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物に関する。
本発明によれば、(メタ)アクリロイル基含有ポリオール化合物の簡便且つ効率的な製造方法、該製造方法により得られる(メタ)アクリロイル基含有ポリオール化合物、これを用いて得られるウレタン(メタ)アクリレートを提供することすることができる。
図1は、実施例1で得られた水酸基含有ケタール化合物(x1−1)のGC−MSチャートである。 図2は、実施例1で得られたペンタエリスリトールジアクリレートの13C−NMRチャート図である。
本発明の(メタ)アクリロイル基含有ポリオール化合物(x3)の製造方法は、
行程1:分子構造中に3つ以上の水酸基を有するポリオール化合物(A)と環状ケトン化合物(B)とを、前記ポリオール化合物(A)が有する水酸基のモル数(OH)と環状ケトン化合物(B)が有するカルボニル基のモル数(CO)との比[(OH)/(CO)]が3〜12の範囲となる割合で、有機溶媒(S)中、酸触媒の存在下で反応させて水酸基含有ケタール化合物(x1)を得る工程。
行程2:得られた水酸基含有ケタール化合物(x1)が有する水酸基を(メタ)アクリレート化して(メタ)アクリレート化合物(x2)を得る工程。
行程3:得られた(メタ)アクリレート化合物(x2)を加水分解する工程。
の3つの工程を経ることを特徴とする。
本発明の方法によれば、分子構造中に(メタ)アクリロイル基と2つ以上の水酸基との両方を有する(メタ)アクリロイル基含有ポリオール化合物(x3)を簡便且つ効率的に、高収率で得ることが出来る。
本発明の工程1で用いる前記ポリオール化合物(A)は、分子構造中に3つ以上の水酸基を有するものであれば特に限定されるものではなく、具体的には、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、ジグリセリン等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
中でも、工程1終了後に水酸基含有ケタール化合物(x1)との分離が容易であることから結晶性の化合物であることが好ましく、具体的には、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、又はジペンタエリスリトールが好ましい。更に、最終的に得られる(メタ)アクリロイル基含有ポリオール化合物(x3)が(メタ)アクリロイル基を複数個有し、ウレタン(メタ)アクリレート等の樹脂材料として特に有用性の高いものとなることから4官能以上のポリオール化合物が好ましく、4〜6官能のポリオール化合物がより好ましく、具体的には、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、又はジペンタエリスリトールが特に好ましい。
本発明では、前記ポリオール化合物(A)が有する水酸基を保護するアセタール化剤として環状ケトン化合物(B)を用いる。種々のアルデヒド化合物及びケトン化合物の中でも環状ケトン化合物(B)は、ケタール化反応及び加水分解による脱ケタール化反応の両方の反応効率に優れる特徴を有する。本発明で用いる環状ケトン化合物(B)は、例えば、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、及びこれらの脂環骨格上にアルキル基やアルコキシ基等の置換基を有する化合物等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。中でも、ケタール化反応及び加水分解による脱ケタール化反応の両方の反応効率に優れることから、シクロペンタノン又はシクロヘキサノンが好ましく、シクロヘキサンが最も好ましい。
本発明の工程1において、分子構造中に3つ以上の水酸基を有するポリオール化合物(A)と環状ケトン化合物(B)との反応割合は、前記ポリオール化合物(A)が有する水酸基のモル数(OH)と環状ケトン化合物(B)が有するカルボニル基のモル数(CO)との比[(OH)/(CO)]が3〜12の範囲となる割合であり、この範囲であることにより、効率的に水酸基含有ケタール化合物(x1)を得ることが出来る。更に、前記水酸基含有ケタール化合物(x)をより効率的に製造できることから、[(OH)/(CO)]が3.5〜8の範囲であることがより好ましい。
前述の通り、本発明で用いるポリオール化合物(A)は4官能以上のものが特に好ましく、最終生成物としては、分子構造中に2つの水酸基と複数個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリロイル基含有ジオール化合物であることが、これを用いて得られるウレタン(メタ)アクリレート等の活性エネルギー線硬化型樹脂の硬化物における耐傷性及び靱性に優れることから好ましい。即ち、工程1で得られる水酸基含有ケタール化合物(x1)は、モノケタール化合物であることが好ましい。この場合、前記ポリオール化合物(A)と前記環状ケトン化合物(B)との反応割合は、水酸基含有モノケタール化合物が高収率で得られることから、前記ポリオール化合物(A)1モルに対し、環状ケトン化合物(B)中のカルボニル基が0.95〜0.5モルの範囲であることが好ましく、0.85〜0.75モルの範囲であることがより好ましい。
このように、ポリオール化合物(A)1モルに対し環状ケトン化合物(B)中のカルボニル基が両論量乃至両論量より少ない量となる割合で両者を反応させることにより、反応生成物中に未反応のポリオール化合物(A)が残留することになるが、原料であるポリオール化合物(A)と生成物である水酸基含有モノケタール化合物とは溶剤溶解性が大きく異なるため、両者は容易に分離することが出来る。反対に、両論量を超える割合で環状ケトン化合物(B)を用いた場合には、目的のモノケタール化合物と同時にポリケタール化合物が生成し易くなり、モノケタール化合物とポリケタール化合物とは溶剤溶解性が類似していることから、反応生成物から目的のモノケタール化合物を単離することが難しくなる。
行程1で用いる有機溶媒は、反応時の圧力条件や前記ポリオール化合物(A)及び前記環状ケトン化合物(B)としてどのような化合物を用いるかにより適宜選択されるものであるが、より好ましい態様として、工程1の反応を740〜780mmHgの圧力条件下で行う場合と、工程1の反応を100〜300mmHgの圧力条件下で行う場合との二つの条件が挙げられる。以下、それぞれの場合につき説明する。
前記工程1の反応を740〜780mmHgの圧力条件下で行う場合には、反応がより効率的に進行することから、760mmHgの圧力条件下で水と不均一共沸混合物を形成する有機溶媒(S1)と、760mmHgの圧力条件下における水と前記有機溶媒(S1)との共沸点以上の沸点を有する極性溶媒(S2)との混合溶媒を用いることが好ましい。
前記760mmHgの圧力条件下で水と不均一共沸混合物を形成する有機溶媒(S1)とは、水と共沸し、かつ、水と混合し難く不均一な共沸混合物となる有機溶媒のことをいう。ここで、水と混和し難い溶媒とは、具体的には、25℃、760mmHg条件下における水への溶解度が1%以下であることが好ましい。該有機溶媒(S1)は、前記ポリオール化合物(A)と前記環状ケトン化合物(B)との反応で生成する水を共沸させて反応系中から水を取り除く目的で用いるものであり、共沸により水を取り除いた後に水と分離して再利用可能となることから、水と混和し難いものを選択することが好ましい。このような有機溶剤は、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、酢酸エチル、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、ペンタン、ヘキサン、へプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。中でも、工業的に利用し易いことから酢酸エチル、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレンが好ましく、毒性が低く扱いが容易であることからシクロヘキサンが特に好ましい。
前記ポリオール化合物(A)と前記環状ケトン化合物(B)との反応を740〜780mmHgの圧力条件下で行う場合、反応温度は該圧力条件下での水と前記有機溶媒(S1)との共沸点を超える温度であればよく、より効率的に反応が進行することから、95〜135℃の範囲であることが好ましい。
前記極性溶媒(S2)は、水と前記有機溶媒(S1)との760mmHg圧力条件下における共沸点以上の沸点を有するものである。即ち、前記ポリオール化合物(A)と前記環状ケトン化合物(B)とを、水と前記有機溶媒(S1)との760mmHgの圧力条件下における共沸点以上の温度条件下で反応させるに際して、該反応温度以上の沸点を有し、かつ、反応不活性なものであれば特に限定されるものではない。具体的には、760mmHg圧力条件下における沸点が100℃以上の極性溶媒が好ましく、例えば、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒が挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いても良いし、複数種を併用しても良い。
前記極有機溶媒(S1)と前記極性溶媒(S2)との使用割合は、それぞれ用いる溶剤の種類にもよるが、反応速度を高める効果がより向上することから、両者の質量比[(S1)/(S2)]が0.1/10〜10/10の範囲であることが好ましく、0.5/10〜5/10の範囲であることがより好ましい。
前記工程1の反応を100〜300mmHgの圧力条件下で行う場合、反応がより効率的に進行することから、反応温度は65〜100℃の温度範囲であることが好ましい。ここで用いる有機溶媒は、前記圧力条件下における沸点が反応温度以上であり、かつ、反応不活性なものであれば特に限定されるものではないが、具体的には760mmHg圧力条件下での沸点が100℃以上の極性溶媒(S3)であることが好ましく、例えば、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒が挙げられる。更に、反応速度を高める効果がより向上することから、760mmHg圧力件下における沸点が150℃以上のものが好ましく、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
前記工程1で用いる酸触媒は、例えば、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、シュウ酸などの有機酸、三弗化ホウ素、無水塩化アルミニウム、塩化亜鉛などのルイス酸などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。中でも、触媒としての活性が高いことからパラトルエンスルホン酸が好ましい。また、酸触媒の使用量は、十分な触媒能が発現することから前記ポリオール化合物(A)に対して0.1〜5モル%の範囲であることが好ましい。
行程1終了後は、反応生成物から濾過や再結晶により未反応のポリオール化合物(A)を除去し、目的の水酸基含有ケタール化合物(x1)を得ることが出来る。ここで、分離除去されたポリオール化合物(A)は、前述の通り、回収後再利用することが出来る。
行程1により得られるモノケタールポリオール化合物(x1)は、その分子構造中の水酸基を他の官能基に変換し、更に加水分解により脱ケタール化することにより、(メタ)アクロイル基含有ポリオール化合物(x3)等の反応性基含有ポリオール化合物の前駆体として好適に利用することが出来る。
前記反応性基含有ポリオール化合物の具体例である(メタ)アクロイル基含有ポリオール化合物(x3)は、前記工程1で得られた水酸基含有ケタール化合物(x1)が有する水酸基を(メタ)アクリレート化する工程2と、工程2で得られる(メタ)アクリレート化合物(x2)を加水分解する工程3を経る方法にて製造される。
前記工程2の(メタ)アクリレート化反応の具体的方法は特に限定されず、任意の方法が利用可能であるが、より効率的な方法として、例えば、以下2つの方法が挙げられる。
方法1:前記水酸基含有ケタール化合物(x1)と、3−クロロプロピオン酸クロリド等のハロゲン化物とを、トリエチルアミン等の塩基触媒の存在下で反応させる方法。
方法2:前記水酸基含有ケタール化合物(x1)と、エチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル化合物とを、エステル交換触媒の存在下で反応させる方法。
前記方法1では、前記水酸基含有ケタール化合物(x1)中の水酸基1モルに対し、3−クロロプロピオン酸クロリド等のハロゲン化物を1.05〜1.25モルの範囲で過剰量用いることが、反応効率が高まることから好ましい。また、塩基触媒の使用量は3−クロロプロピオン酸クロリド等のハロゲン化物1モルに対し2.0〜2.2モルの範囲であることが好ましい。
前記方法1の反応は、例えば、−10〜30℃の温度条件下で行うことが出来る。該反応は無溶剤条件下でも進行するが、所望に応じて適宜有機溶剤を用いても良い。
前記方法2では、前記水酸基含有ケタール化合物(x1)中の水酸基1モルに対し、(メタ)アクリル酸エステル化合物を1.05〜1.25モルの範囲で過剰量用いることが、反応効率が高まることから好ましい。
前記方法2で用いるエステル交換触媒としては任意のものが利用できるが、回収及び再利用が可能な触媒として、下記一般式(1)
Figure 2015526426
(式中Rはそれぞれ独立にメチル基又はエチル基であり、Xはそれぞれ独立にSn原子と結合する原子上に孤立電子対を有する電子吸引性基であり、nは1〜8の整数を表す。)
で表されるポリスタノキサン化合物を好適に用いることが出来る。該ポリスタノキサン化合物の具体例としては、ジメチルチンジクロライドを3量化して得られるCl(SnMeO)SnMeCl(以下「トリマー」と略記する。)等が挙げられる。また、エステル交換触媒の使用量はモノケタールポリオール化合物と(メタ)アクリル酸エステルとの合計質量に対し0.5〜5質量%の範囲であることが好ましい。
前記方法2の反応は、例えば、85〜120℃の温度条件下で行うことが出来る。該反応は無溶剤条件下でも進行するが、所望に応じて適宜有機溶剤を用いても良い。この場合、反応原料であるアクリル酸エステル化合部物を大過剰用い、基質兼溶媒としても良い。
前記方法1や方法2等により得られた(メタ)アクリレート化合物(x2)を加水分解する工程3は、例えば、アルコール溶剤中、酸触媒条件下で加水分解することにより、目的とする(メタ)アクロイル基含有ポリオール化合物(x3)を効率的に製造することが出来る。
得られた(メタ)アクロイル基含有ポリオール化合物(x3)は活性エネルギー線硬化型樹脂の原料として有用であり、例えば、前記(メタ)アクロイル基含有ポリオール化合物(x3)と、ポリイソシアネート化合物と、モノヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とを反応させることによりウレタン(メタ)アクリレートを製造することが出来る。また、前記(メタ)アクロイル基含有ポリオール化合物(x3)と、ポリカルボン酸化合物と、モノヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物と反応させることによりポリエステル(メタ)アクリレートを製造することが出来る。
本発明で得られる(メタ)アクロイル基含有ポリオール化合物(x3)のより好ましい形態である、分子構造中に2つの水酸基と複数個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリロイル基含有ジオール化合物は、分子構造中に水酸基を2つ有することから、ウレタン(メタ)アクリレートやポリエステル(メタ)アクリレートの材料として用いた場合に分子鎖を直線的に伸ばす伸張剤としての効果があり、柔軟で伸びが良く、靱性に優れる硬化物を得ることが出来る。更に、分子構造中に複数の(メタ)アクリロイル基を有することから、硬化物が柔軟性や靱性に優れる効果に加え、硬化性が高く、硬度や強度にも優れる硬化物を得ることが出来る。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、ガスクロマトグラフ、GC−MS、13C−NMは以下の条件にて測定した。
ガスクロマトグラフの測定条件は以下の通り。
<ケタール化工程及びアクリレート化工程における測定条件>
装置:島津製作所株式会社製「GC−2010」
カラム:UA−5(30m、0.25、0.25μm)
注入量:1μl
注入法:スプリット 20.0
制御モード:圧力 60kPa
注入口温度:300℃
オーブン温度プログラム:50℃(2min)−10℃/min−320℃(11min) total 40min
<脱ケタール化工程における測定条件>
装置:島津製作所株式会社製「GC−2010」
カラム:UA−5(30m、0.25、0.25μm)
注入量:1μl
注入法:スプリット 50.0
制御モード:圧力 60kPa
注入口温度:280℃
オーブン温度プログラム:50℃(2min)−10℃/min−270℃(5min) total 29min
GC−MSの測定条件は以下の通り。
<ケタール化工程及びアクリレート化工程における測定条件>
装置:島津製作所株式会社製「GCMS−QP2010」
イオン源温度:200℃
インターフェイス温度:300℃
溶媒待ち時間:2分
測定モード:スキャン
<脱ケタール化工程における測定条件>
装置:島津製作所株式会社製「GCMS−QP2010」
イオン源温度:200℃
インターフェイス温度:280℃
溶媒待ち時間:0分
測定モード:スキャン
13C−NMRの測定条件は以下の通り。
装置:日本電子(株)製「AL−400」
測定モード:SGNNE(NOE消去の1H完全デカップリング法)
溶媒:クロロホルム又はジメチルスルホキシド
パルス角度:45℃パルス
試料濃度:30wt%
積算回数:10000回
実施例1 ペンタエリスリトールジアクリレートの製造例1
1)ケタール化工程
温度計、攪拌器、コンデンサー、及びディーン・スターク装置を備えたフラスコに、ペンタエリスリトール136g(1.0モル)、N,N−ジメチルホルムアミド600ml及びシクロヘキサン60mlを仕込み、触媒としてパラトルエンスルホン酸を3.7g添加した。撹拌しながら110℃まで昇温してペンタエリスリトールをN,N−ジメチルホルムアミドに溶解させた後、シクロヘキサノン78g(0.8モル)を加えた。反応温度を120℃に保ち、生成する水を留去しながら反応を続けた。水の生成が確認できなくなったところで、更に1時間還流させた。撹拌を続けながら室温まで冷却し、減圧濾過により未反応のペンタエリスリトールを除去した。得られた濾液からN,N−ジメチルホルムアミドを減圧除去した後、酢酸エチルを加え、析出したペンタエリスリトールを再度濾過にて除去した。得られた濾液を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で洗浄した後、更に塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで脱水した。脱水後の反応生成物を濃縮し、白色の固体74gを得た。得られた固体のGC−MSのチャートを図1に示す。該固体につきGC−MS及び13C−NMRにて分析した結果、下記構造式(I)で表されるペンタエリスリトールのケタール化合物(以下「水酸基含有ケタール化合物(x1−1)」とする。)であることが確認された。本反応のシクロへキノンの仕込みモル数基準の収率は43%であった。
Figure 2015526426
2)アクリレート化工程
温度計、攪拌器、及びコンデンサ−を備えたフラスコに、先で得た水酸基含有ケタール化合物(x1−1)21.6g(0.1モル)、ジクロロメタン120ml、トリエチルアミン46.5gを仕込み、−5℃まで冷却した。3−クロロプロピオニルクロリド29gをジクロロメタン40mlに溶解させたものを、反応系内を0℃以下に保ちながら少量ずつ滴下した。滴下終了後、徐々に室温まで昇温させ、更に4時間反応させた。原料である水酸基含有ケタール化合物(x1−1)の消失をガスクロマトグラフにて確認後、減圧濾過でトリエチルアミン塩酸塩を除去した。得られた濾液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した後、更に塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで脱水した。脱水後の反応生成物を濃縮し、黄色の固体30gを得た。得られた固体をGC−MS及び13C−NMRにて分析した結果、該固体は下記構造式(II)で表されるペンタエリスリトールジアクリレートのケタール化合物(以下「(メタ)アクリレート化合物(x2−1)」とする。)であることが確認された。本反応の収率は92%であった。
Figure 2015526426
3)脱ケタール工程
温度計、攪拌器、及びコンデンサ−を備えたフラスコに、先で得た(メタ)アクリレート化合物(x2−1)6.5g(0.02モル)、アセトン30mlを仕込み、撹拌しながら0℃まで冷却した。10%硫酸水溶液10mlを反応系内が10℃を超えないように少量ずつ滴下し、全量添加後、室温で16時間反応させた。原料である(メタ)アクリレート化合物(x2−1)の消失をガスクロマトグラフにて確認後、水10mlを加え、アセトンを減圧除去した。得られた水層を酢酸エチルで抽出し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液を用いてpHが7になるまで洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで脱水した後、常温減圧条件下で濃縮して、4.1gの淡黄色液体を得た。得られた液体の13C−NMRチャート図を図2に示す。該液体をGC−MS及び13C−NMRにて分析した結果、ペンタエリスリトールジアクリレートであることが確認された。本反応の(メタ)アクリレート化合物(x2−1)の仕込みモル数基準の収率は85%、液体クロマトグラフから算出される純度は90%であった。
実施例2 ペンタエリスリトールジアクリレートの製造例2
1)ケタール化工程
シクロヘキサノンをシクロペンタノン67g(0.8モル)に変更した以外は実施例1と同様にして、褐色の固体55gを得た。得られた固体をGC−MS及び13C−NMRにて分析した結果、該固体は下記構造式(III)で表されるペンタエリスリトールのケタール化合物(以下「水酸基含有ケタール化合物(x1−2)」とする。)であることが確認された。本反応のシクロペンタノンの仕込みモル数基準の収率は34%であった。
Figure 2015526426
2)アクリレート化工程
水酸基含有ケタール化合物(x1−1)を、水酸基含有ケタール化合物(x1−2)20.2g(0.1モル)に変更した以外は実施例1と同様にして黄色の固体29gを得た。得られた固体をGC−MS及び13C−NMRにて分析した結果、該固体は下記構造式(IV)で表されるペンタエリスリトールジアクリレートのケタール化合物(以下「(メタ)アクリレート化合物(x2−2)」とする。)であることが確認された。本反応の収率は92%であった。
Figure 2015526426
3)脱アセタール工程
(メタ)アクリレート化合物(x2−1)を、(メタ)アクリレート化合物(x2−2)6.2g(0.02モル)に変更した以外は実施例1と同様にして淡黄色の液体3.5gを得た。得られた液体をGC−MS及び13C−NMRにて分析した結果、該液体はペンタエリスリトールジアクリレートであることが確認された。本反応の収率は75%、液体クロマトグラフから算出される純度は90%であった。
実施例3 ペンタエリスリトールジアクリレートの製造例3
温度計、攪拌器、及びコンデンサ−を備えたフラスコに、ペンタエリスリトール136g(1.0モル)、N,N−ジメチルホルムアミド600mlを仕込み、触媒としてパラトルエンスルホン酸を3.7g添加した。撹拌しながら80℃まで昇温してペンタエリスリトールをN,N−ジメチルホルムアミドに溶解させた後、シクロヘキサノン78g(0.8モル)を加えた。反応温度を80℃に保ちながら反応系内を140mmHgまで減圧し、生成する水を留去しながら反応を続けた。水の生成が確認できなくなったところで、更に1時間還流させた。撹拌を続けながら室温まで冷却して常圧に戻し、減圧濾過により未反応のペンタエリスリトールを除去した。得られた濾液からN,N−ジメチルホルムアミドを減圧除去した後、酢酸エチルを加え、析出したペンタエリスリトールを再度濾過にて除去した。得られた濾液を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で洗浄した後、更に塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで脱水した。脱水後の反応生成物を濃縮し、白色の固体121gを得た。得られた固体をGC−MS及び13C−NMRにて分析した結果、該固体は前記構造式(I)で表される水酸基含有ケタール化合物(x1−1)であることが確認された。また、本反応のシクロへキノン基準の収率は70%であった。
2)アクリレート化工程
実施例1と同様にし、前記構造式(II)で表される水酸基含有ケタール化合物(x1−1)を96%の収率で得た。
3)脱アセタール工程
実施例1と同様にし、ペンタエリスリトールジアクリレートを収率78%、純度90%で得た。
比較製造例1 ペンタエリスリトールジアクリレートの製造例4
1)アセタール化工程
温度計、攪拌器、及びコンデンサ−を備えたフラスコに、ペンタエリスリトール136g(1.0モル)、水1000mlを仕込み、触媒として濃塩酸5mlを添加した。撹拌しながらベンズアルデヒド106g(1.0モル)を加え、室温で5時間反応させた。得られた固体を飽和炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した後トルエンで再結晶し、白色固体である下記構造式(V)で表される水酸基含有アセタール化合物179gを得た。本反応の収率は80%であった。
Figure 2015526426
2)アクリレート化工程
水酸基含有ケタール化合物(x1−1)を、前記水酸基含有アセタール化合物22.4g(0.1モル)に変更した以外は実施例1と同様にし、下記構造式(VI)で表されるモノアセタールジアクリレート化合物30.5gを得た。本反応の収率は92%であった。
Figure 2015526426
3)脱アセタール化工程
(メタ)アクリレート化合物(x2−1)を、前記モノアセタールジアクリレート化合物6.6g(0.02モル)に変更した以外は実施例1と同様にして淡黄色の液体であるペンタエリスリトールジアクリレート0.9gを得た。本反応の収率は18%、液体クロマトグラフから算出される純度は90%であった。
比較製造例2 ペンタエリスリトールジアクリレートの製造例5
1)ケタール化工程
シクロヘキサノンをメチルエチルケトン58g(0.8モル)に変更した以外は実施例1と同様にして、白色固体である下記構造式(VII)で表される水酸基含有ケタール化合物(x1’)15gを得た。本反応のメチルエチルケトンの仕込みモル数基準の収率は10%であった。
Figure 2015526426
2)アクリレート化工程
水酸基含有ケタール化合物(x1−1)を、水酸基含有ケタール化合物(x1’)19.0g(0.1モル)に変更した以外は実施例1と同様にし、下記構造式(VIII)で表される(メタ)アクリレート化合物(x2’)28.0gを得た。本反応の収率は94%であった。
Figure 2015526426
3)脱アセタール化工程
(メタ)アクリレート化合物(x2−1)を、(メタ)アクリレート化合物(x2’)6.0g(0.02モル)に変更した以外は実施例1と同様にして淡黄色の液体であるペンタエリスリトールジアクリレート4.1gを得た。本反応の収率は85%、液体クロマトグラフから算出される純度は90%であった。
実施例1−3及び比較製造例1、2につき、1)ケタール(アセタール)化工程、2)アクリレート化工程、2)脱ケタール(アセタール)化工程のそれぞれの収率と、これら3工程の合計の収率とを下記表1にまとめる。
Figure 2015526426
応用実施例1 ウレタンアクリレート(1)の製造
温度計、攪拌器、及びコンデンサ−を備えたフラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネート33.6g(0.2モル)を仕込んだ。触媒としてオクチル酸亜鉛を200ppm、重合禁止剤としてヒドロキノンモノメチルエーテルを300ppmとなるように加え、更にメチルエチルケトンを固形分が80%となるように混合し、系内の温度を50℃に調整した。系内に空気を吹き込みながら実施例1で得たペンタエリスリトールジアクリレート24.4g(0.1モル)を加えた。系内の温度を80℃に上げ、4時間反応させた。次いで、ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートとの混合物(水酸基価110mgKOH/g)102gを加え、80℃でイソシアネート基が消失するまで反応させ、ウレタンアクリレート(1)を得た。得られたウレタンアクリレート(1)の重量平均分子量(Mw)は3400であった。
比較製造例3 ウレタンアクリレート(2)の製造
温度計、攪拌器、及びコンデンサ−を備えたフラスコに、ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートとの混合物(水酸基価110mgKOH/g)102gを仕込んだ。触媒としてオクチル酸亜鉛を200ppm、重合禁止剤としてヒドロキノンモノメチルエーテルを300ppmとなるように加え、更にメチルエチルケトンを固形分が80%となるように混合し、系内の温度を50℃に調整した。系内に空気を吹き込みながらヘキサメチレンジイソシアネート16.8g(0.1モル)を加えた。系内の温度を80℃に上げ、イソシアネート基が消失するまで反応させ、ウレタンアクリレート(2)を得た。得られたウレタンアクリレート(2)の重量平均分子量(Mw)は1.600であった。
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の調整
先で得たウレタンアクリレート(1)又は(2)12.5部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン0.4重量部、酢酸ブチル7.5部を混合し、固形分量が50%の活性エネルギー線硬化型組成物(1)及び(2)を得た。
ハードコートフィルムの作成
先で得た活性エネルギー線硬化型樹脂組成物(1)又は(2)をPETフィルム(125μm)に乾燥膜厚が5μmになるようにバーコーターを用いて塗工した。70℃で5分間溶剤を乾燥させた後、高圧水銀灯(80W/cm)で照射量が500mJ/cmとなるように紫外線を照射し、ハードコートフィルム(1)及び(2)を得た。尚、紫外線の照射は空気雰囲気下で行った。
ハードコートフィルムの評価
得られたハードコートフィルム(1)、(2)につき、下記要領で各種評価を行った。結果を表2に示す。
(1)鉛筆硬度の評価
JIS K5600−5−4に基づき鉛筆硬度試験を行った。1つの硬度につき5回測定を行い、傷が付いた回数が0又は1回であった硬度をハードコートフィルムの硬度とした。
(2)耐スチールウール性の評価
スチールウール(日本スチールウール株式会社製「ボンスター#0000」)0.5gで直径2.4センチメートルの円盤状の圧子を包み、該圧子に1kg重の荷重をかけて、ハードコートフィルムの塗膜面を200往復させた。試験前後の塗膜のヘーズ値を自動ヘーズコンピューター(スガ試験機株式会社製「HZ−2」)を用いて測定し、ヘーズ値の変化量(%)を算出した。
(3)マンドレル試験
JIS K5600−5−1に基づきマンドレル試験を行った。具体的には、マンドレル試験機(TP技研社製「屈曲試験機」)を用いてハードコートフィルムを試験棒に巻きつけ、フィルムの硬化塗膜層にクラックが生じるか否かを目視確認する試験を行い、クラックが生じない試験棒の最小径を評価結果とした。該最小径が小さいほど、柔軟性の高い塗膜である。
(4)耐カール性の評価
先で得たハードコートフィルム(1)及び(2)を10cm×10cm四方に切り出し試験片とした。該試験片を水平面上においた際の四隅の水平面からの浮き高さをそれぞれ測定し、その平均値で評価した。結果を下記表2に示す。値が小さいほど耐カール性に優れる。
Figure 2015526426

Claims (10)

  1. 分子構造中に3つ以上の水酸基を有するポリオール化合物(A)と環状ケトン化合物(B)とを、前記ポリオール化合物(A)が有する水酸基のモル数(OH)と環状ケトン化合物(B)が有するカルボニル基のモル数(CO)との比[(OH)/(CO)]が3〜12の範囲となる割合で、有機溶媒(S)中、酸触媒の存在下で反応させて水酸基含有ケタール化合物(x1)を得る工程1、得られた水酸基含有ケタール化合物(x1)が有する水酸基を(メタ)アクリレート化して(メタ)アクリレート化合物(x2)を得る工程2、及び得られた(メタ)アクリレート化合物(x2)を加水分解する工程3、を経ることを特徴とする(メタ)アクロイル基含有ポリオール化合物(x3)の製造方法。
  2. 前記有機溶媒(S)が、760mmHgの圧力条件下で水と不均一共沸混合物を形成する有機溶媒(S1)と、760mmHgの圧力条件下における水と前記有機溶媒(S1)との共沸点以上の沸点を有する極性溶媒(S2)との混合溶媒であり、かつ、前記工程1を740〜780mmHgの圧力条件下で行う請求項1記載の製造方法。
  3. 前記有機溶媒(S1)と、前記極性溶媒(S2)との質量比[(S1)/(S2)]が0.1/10〜10/10の範囲である請求項2記載の製造方法。
  4. 前記有機溶媒が、760mmHgの圧力条件下における沸点が100℃以上の極性溶媒(S3)であり、前記工程1を100〜300mmHgの圧力条件下で行う請求項1記載の製造方法。
  5. 前記環状ケトン化合物(B)が、シクロペンタノン又はシクロヘキサノンである請求項1〜4のいずれか1つに記載の製造方法。
  6. 前記子構造中に3つ以上の水酸基を有するポリオール化合物(A)が、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトールからなる群から選ばれる1種類以上の化合物である請求項1〜5の何れか1つに記載の製造方法。
  7. 請求項1〜6の何れか一つに記載の製造方法により得られる(メタ)アクロイル基含有ポリオール化合物(x3)。
  8. 請求項7記載の(メタ)アクロイル基含有ポリオール化合物(x3)と、ポリイソシアネート化合物と、モノヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート。
  9. 請求項8記載のウレタン(メタ)アクリレートを含有する硬化性樹脂組成物。
  10. 請求項9記載の硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物。
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