JP5082907B2 - 新規トリ(メタ)アクリレートおよび硬化性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、新規なトリ(メタ)アクリレートとその製造方法及び、これを含有する硬化性組成物に関する。
紫外線や電子線により硬化する硬化性樹脂は、硬化時間が短く、溶剤を含んでいないため、熱硬化性樹脂に比べて、省資源、省エネルギー、高生産性を有するなどの利点があり、塗料等のコーティング剤、インキ、接着剤、レジスト及び成形材等の種々の用途に広く用いられている。
上記硬化性樹脂において、耐熱性や硬度を高めるために3官能の脂肪族(メタ)アクリレート化合物が従来から用いられている。例えば、特許文献1にはトリメチロールプロパントリアクリレートを用いた硬化体が高い耐熱性を有していることが記されている。しかしながら、一般に3官能の脂肪族(メタ)アクリレートは、重合時の体積収縮が大きく、接着性や密着性が低下することが知られている。また、内部応力により、ひび割れやクラックを生じ、硬化性樹脂の透明性や耐久性が低下することがある。このような問題点を有しているにもかかわらず、3官能の脂肪族(メタ)アクリレートの種類は著しく限られており、上記問題点を解決する新たな3官能の脂肪族(メタ)アクリレートが切望されている。
一般に脂環基構造を有する(メタ)アクリレートは、例えば、特許文献2に記載されるように、優れた硬化性、耐水性、可とう性などを有することが知られているが、3官能の脂環基を有する脂肪族(メタ)アクリレートはほとんど知られていない。本発明は、良好な反応性と脂環基が有する機能的な構造体形成により、優れた高分子材料を与えるための硬化性組成物として、脂環基を有するトリ(メタ)アクリレートを提供することを目的とする。
特開2002−302517号公報 特開2006−315960号公報
本発明者らは、前記の課題を解決するために種々の検討を行った結果、シクロペンタン環を有すトリ(メタ)アクリレートが、その硬化物の密着性および透明性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、一般式[1]で表される新規なトリ(メタ)アクリレートである。
Figure 0005082907
(式中、R1は水素原子またはメチル基を表す)
また、本発明は、式[2]で表される化合物を(メタ)アクリレート化することによって一般式[1]に記載のトリ(メタ)アクリレートを得る製造方法である。
Figure 0005082907
本発明のトリ(メタ)アクリレートは、光もしくは熱ラジカル重合性モノマーとして単独で又は組成物として使用でき、硬度、密着性、透明性に優れた硬化性組成物が提供される。
本発明を以下に詳細に述べる。本発明で得られるトリ(メタ)アクリレートは、前記一般式[1]で表される脂環基を有する化合物である。一般式[1]において、アクリロイル基を有する置換基の立体配置はトランス体、シス体またはその混合体のいずれでもよい。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」又は「メタクリル」を意味する。
前記一般式[1]で表される新規トリ(メタ)アクリレートは、下記の式[2]で表されるトリオールを用いて製造することが出来る。また、下記の式[2]で表されるトリオールの製造方法は、[参考例3]に後述する。
Figure 0005082907
上記の式[2]で表されるトリオールを用いてとりメタアクリレートを製造する方法としては、(メタ)アクリル酸と脱水エステル化する方法、(メタ)アクリル酸エステルとエステル交換でエステル化する方法、(メタ)アクリル酸クロリドを用いる方法などが挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸と脱水エステル化する方法としては、有機溶剤中、酸触媒およびラジカル重合禁止剤の存在下に行うことが望ましい。(メタ)アクリル酸は、トリアルコール1モルに対して1〜10モルの範囲で使用することが好ましく、さらに好ましくは3〜6モルである。
前記酸触媒は特に制限されないが、例えば塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸などの有機酸またはそれらの塩、塩化亜鉛、フッ化ホウ素、塩化第二銅などのルイス酸、陽イオン交換樹脂などの固体酸などを用いることが出来る。中でも硫酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸が安価であり好ましい。酸触媒の使用量はアルコール1モルに対して、0.0001〜0.1モルが好ましく、さらに好ましくは0.001〜0.05モルである。
前記ラジカル重合禁止剤としては、ラジカルを捕捉しうる化合物であれば特に制限されず、例えばハイドロキノン、メトキシハイドロキノンなど従来から知られているラジカル重合禁止剤を用いることが出来る。これらは(メタ)クリル酸に対して1〜10000ppmの範囲で使用する事が好ましく、より好ましくは100〜5000ppmである。
前記有機溶媒としては、原料と反応しないものであれば特に限定されないが、本反応は脱水反応であるから、水に不溶であり、かつ共沸するような有機溶媒が好ましい。例えばヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族系有機溶媒や、トルエン、クロロベンゼン、キシレンなどの芳香族系有機溶媒などを挙げることが出来る。特にシクロヘキサン、トルエンが好ましい。
前記エステル化反応は、通常50〜150℃の範囲で行われ、好ましくは100〜135℃で行われる。反応終了後、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液を加えて中和した後に、有機層と水層を分離し、有機層を濃縮することにより、一般式[1]で表されるトリ(メタ)アクリレートを収率40〜100%で得ることができる。
(メタ)アクリル酸エステルとエステル交換でエステル化する方法としては、触媒およびラジカル重合禁止剤の存在下に行うことが望ましい。(メタ)アクリル酸エステルはトリアルコール1モルに対して1〜20モルの範囲で使用することが好ましく、さらに好ましくは3〜12モルである。
このエステル交換反応に使用される触媒としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属塩、ナトリウムメトキシド、カリウムt−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド、リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリウムアミド等のアルカリ金属アミド、オルトチタン酸テトラメチル、オルトチタン酸テトラブチル等のオルトチタン酸アルキルおよびジブチルスズオキシド、ラウリン酸ジブチルスズ等のスズ塩が挙げられる。中でも触媒の取扱いの容易さからアルカリ金属アミド、チタン酸アルキル、スズ塩が好ましい。触媒の使用量はアルコール1モルに対して、0.0001〜0.1モルが好ましく、さらに好ましくは0.001〜0.05モルである。
前記ラジカル重合禁止剤としては、ラジカルを捕捉しうる化合物であれば特に制限されず、例えばハイドロキノン、メトキシハイドロキノンなど従来から知られているラジカル重合禁止剤を用いることが出来る。これらは(メタ)クリル酸エステルに対して1〜10000ppmの範囲で使用する事が好ましく、より好ましくは100〜5000ppmである。
前記エステル交換反応は、通常50〜150℃の範囲で行われ、好ましくは60〜135℃で行われる。原料アルコールの転化率を高めるため、副生する低級アルコールを系外に留去するほうがよい。そのため、蒸留塔のついた反応層を用いて、常圧または減圧下で行うことが好ましい。反応終了後、ろ過、水洗などにより触媒を除去した後、濃縮することで、一般式[1]で表されるトリ(メタ)アクリレートを収率40〜100%で得ることができる。
(メタ)アクリル酸クロリドを用いる方法としては、ピリジンやトリエチルアミン等の有機塩基存在下、有機溶媒中で反応を行うことが望ましい。
得られたトリ(メタ)アクリレートには、反応で副生するモノ(メタ)アクリレートやジ(メタ)アクリレートが含まれる場合があるが、これらの成分も重合活性を有するため、混合物のまま硬化性組成物として用いることも出来る。必要であれば、再結晶、カラム精製、昇華精製、蒸留等、有機化学的に実施可能な方法から、任意の方法を採用して精製することも出来る。
このようにして製造された本発明のトリ(メタ)アクリレート化合物を保存する場合には、重合を避けるために、前記の重合禁止剤を添加して保存してもよい。また、冷蔵庫において、温度10℃以下で長期間の保存に耐える。さらに、遮光することも品質を保持する上で好ましい。
本発明の前記一般式[1]で表されるトリ(メタ)アクリレートを用いて重合又は共重合を行って、本発明の硬化性組成物を製造する方法は、一般に知られた方法で実施することができ、特にその方法は制限されない。例えば、ラジカル開始剤の存在下に光や熱によってラジカル重合させる方法、アニオン重合させる方法などが採用できる。中でも、作業の簡便さの点から、ラジカル重合させる方法が好ましい。
そのため、本発明の硬化性組成物としては、ラジカル重合性モノマーを含有することが好ましい。
本発明のトリ(メタ)アクリレートを重合させて硬化性組成物を得る際は、その用途に応じてトリ(メタ)アクリレートを単独で重合させても良いし、他の重合性モノマーや重合性オリゴマーと共重合させても良い。共重合する場合に使用できる他の重合性モノマーには特に制限はないが、メチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のように重合性基が一つのみのもの、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のように重合性基を2つ有するもの、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のように重合性基を3つ有するものなどを挙げることが出来る。これら以外にも4個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートも使用可能である。また、スチレンやアリルエーテルのようなアクリル系でない重合性オレフィンなどの重合性モノマーの1種又は2種以上を制限無く使用可能である。
また、共重合する場合に使用できる他の重合性オリゴマーには特に制限は無いが、例えばエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートなどを使用することが出来る。
前記ラジカル重合を行う方法としては、エネルギー線の照射やラジカル重合開始剤を用いる方法があるが、作業性や汎用性の点から、ラジカル重合開始剤を用いることが好ましい。前記ラジカル重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤及び/又は熱ラジカル重合開始剤が使用できる。
本発明のトリ(メタ)アクリレートを、紫外線や可視光線などによって光硬化させる場合には光ラジカル重合開始剤を用いる。使用可能な光ラジカル重合開始剤としては、一般に重合目的で使用される光ラジカル重合開始剤であれば制限無く用いることが可能であるが、例えばベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾフェノン、アセトフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が用いられる。これらは単独でも2種以上併用してもよい。光ラジカル重合開始剤の配合量は、通常樹脂形成成分の重量に対して0.001〜20重量%、好ましくは0.01〜10重量%、さらに好ましくは0.1〜5重量%である。
本発明のトリ(メタ)アクリレートを、熱によって硬化させる場合には熱ラジカル重合開始剤を用いる。使用可能な熱ラジカル重合開始剤としては、一般に重合目的で使用される熱ラジカル重合開始剤であれば制限無く用いることが可能であるが、例えばジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、あるいはその他の過酸化物、さらにはアゾビスイソブチルにトリル等のアゾ系化合物を挙げることが出来る。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。熱ラジカル重合開始剤の配合量は、通常樹脂形成成分の重量に対して10重量%を超えないことが望ましい。場合によっては光ラジカル重合開始剤と併用し、光硬化させた後にさらに反応率を向上させる目的で熱硬化を行うこともできる。
本発明の組成物には、組成物本来の特性、特に硬化特性が損なわれない範囲で、所望に応じて、界面活性剤、レベリング剤、消泡剤、粘度調整用希釈剤、カップリング剤、香料、難燃化剤、その他の添加剤を0〜10重量%含有させることができる。また、顔料、染料、金属微粉末などの着色剤を0〜60重量%含有させても良い。
本発明の組成物は、光もしくは熱によって硬化し、透明性、接着性、耐擦傷性などに優れる硬化物を与える。このため、傷付きを防止する目的の表面保護シートまたは表面保護フィルム、光学特性に優れたフィルムやシートを製造することができる。さらにこれらの各特性をもつ塗膜を与えるような塗料、接着層を与えるような接着剤、注型品を製造するための注型用材料として好適に使用できる。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。実施例および比較例で得られた硬化膜は以下の方法で評価した。
密着性:得られた被覆試験フィルムの硬化皮膜について、JIS K 5600−5−2に準拠し、1mm間隔で縦、横11本の切れ目を入れて、100個の碁盤目を作る。セロハンテープ(ニチバン製、商品名;セロテープ(登録商標))をその表面に密着させた後、一気に剥がした際に剥離せずに残存したマス目の個数を計測し、下記のように表示した。(残存したマス目の数)/100
鉛筆硬度:得られた皮膜試験フィルムの硬化皮膜について、JIS K 5600−5−4に準拠し、コーテック(株)製の鉛筆硬度計を用い、750g重の力で45度の角度で引っ掻き、傷のつかない最大硬さの鉛筆を調べ、その硬さを鉛筆硬度とした。このとき、使用した鉛筆は三菱鉛筆ユニ(登録商標)である。
ヘイズ値:得られた皮膜試験フィルムのヘイズ値について、JIS K 7136に準拠し、日本電色工業ヘイズメータNDH5000を用いて測定した。
全光線透過率:得られた皮膜試験フィルムの全光線透過率について、JIS K 7136に準拠し測定した。使用した測定装置はヘイズ値の測定と同じく日本電色工業ヘイズメータNDH5000である。
[実施例1]
[1,2,4−トリス−(アクロイルオキシメチル)−シクロペンタン(以下CPTOTA)の製造]
200mlガラス製反応器に、1,2,4−シクロペンタントリメタノール6.36g、アクリル酸10.30g、ハイドロキノン6.4mg、トルエン100mlを仕込み、40℃に温めて均一溶液とした後に、p−トルエンスルホン酸一水和物75.5mgを添加した。加熱還流下、共沸する水を除きながら6時間撹拌した。室温まで冷却後、2M水酸化ナトリウム水溶液20mlを加えて中和した。分液した後、有機層を水で2回洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過、濃縮することにより、CPTOTA10.34gを淡黄色油状物として得た(収率81%)。CPTOTAの同定は、MASSスペクトルによって行った。MASS(FAB,m/z(%)):323([M+H],53),251(15),107(100),55(63).
[実施例2]
[1,2,4−トリス−(メタクロイルオキシメチル)−シクロペンタン(以下CPTOTMA)の製造]
蒸留塔を備えた500mlガラス製反応器に、1,2,4−シクロペンタントリメタノール75.55g、メチルメタクリレート300ml、ハイドロキノン10.5mg、ジブチルスズオキシド1.18gを仕込んだ。加熱還流下、副生するメタノールをメチルメタクリレートと共に除きながら46時間反応を行った。室温まで冷却した後、濃縮することにより、淡黄色油状物163.34gを得た。これをシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製することにより、CPTOTMA103.02gを淡黄色油状物として得た(収率64%)。CPTOTMAの同定はH−NMRによって行った。H−NMR(300MHz,DMSO−d6):1.1−1.3(2H, m), 1.5−2.5(5H, m), 1.88(9H, s), 3.9−4.3(6H, m), 5.67(3H, d, J=1.5Hz), 6.03(3H,s).
[実施例3]
実施例2によって製造されたCPTOTMAを2.07g(5.68mmol)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(Aldrich製、以下HEMA)を0.45g(3.45mmol)および光ラジカル重合開始剤である1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(広島和光製)を0.0527g添加し、攪拌して溶解させハードコート組成液とした。次に無色透明のポリカーボネート板の表面に、上記で得られた各ハードコート剤をバーコーター(12μm用)を用いて塗布し、これに対し、メタルハライドランプを装着したセン特殊光源製1500W UV照射装置(HM15001C)を使用し、コンベアー速度0.73m/分で塗布層に光照射し、光ラジカル重合させて、ハードコート組成を硬化させた。得られたハードコート層は無色透明であり、その鉛筆硬度はH、密着性試験結果は100/100、全光線透過率は89.8%、ヘイズ値は0.71であった。
[実施例4]
実施例2によって製造されたCPTOTMAを1.63g(4.47mmol)、HEMAを0.87g(6.69mmol)および1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを0.0537g添加し、攪拌して溶解させハードコート組成液とした。次に実施例3と同等の方法でポリカーボネート板上に上記ハードコート剤を硬化させた。得られたハードコート層は無色透明であり、その鉛筆硬度は2H、密着性試験結果は100/100、全光線透過率は89.5%、ヘイズ値は0.47であった。
[実施例5]
実施例2によって製造されたCPTOTMAを1.21g(3.32mmol)、HEMAを1.31g(10.03mmol)および1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを0.0560g添加し、攪拌して溶解させハードコート組成液とした。次に実施例3と同等の方法でポリカーボネート板上に上記ハードコート剤を硬化させた。得られたハードコート層は無色透明であり、その鉛筆硬度は3H、密着性試験結果は100/100、全光線透過率は89.6%、ヘイズ値は0.59であった。
[実施例6]
実施例2によって製造されたCPTOTMAを1.59g(4.37mmol)、HEMAを3.40g(26.13mmol)および1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを0.0525g添加し、攪拌して溶解させハードコート組成液とした。次に実施例3と同等の方法でポリカーボネート板上に上記ハードコート剤を硬化させた。得られたハードコート層は無色透明であり、その鉛筆硬度はH、密着性試験結果は100/100、全光線透過率は89.8%、ヘイズ値は0.48であった。
[実施例7]
実施例2によって製造されたCPTOTMAを3.90g(30mmol)、HEMAを3.64g(10mmol)およびt−ブチルパーオキシドを0.075g添加し、攪拌して溶解させハードコート組成液とした。次にガラス平板上に得られた組成液を塗布し、ホットプレート上160℃で1時間熱ラジカル重合による硬化を行った。得られたハードコート層は無色透明であり、その鉛筆硬度は2Hであった。
[比較例1]
トリメチロールプロパントリメタクリレート(広島和光製、以下TMPTMA)を2.27g(6.72mmol)、HEMAを0.53g(4.04mmol)および1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを0.0623g添加し、攪拌して溶解させハードコート組成液とした。次に実施例3と同等の方法でポリカーボネート板上に上記ハードコート剤を硬化させた。得られたハードコート層は無色透明であり、その鉛筆硬度は5H、密着性試験結果は100/100、全光線透過率は89.9%、ヘイズ値は0.86であった。
[比較例2]
TMPTMAを1.59g(4.69mmol)、HEMAを0.92g(7.06mmol)および1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを0.0548g添加し、攪拌して溶解させハードコート組成液とした。次に実施例3と同等の方法でポリカーボネート板上に上記ハードコート剤を硬化させた。得られたハードコート層は無色透明であり、その鉛筆硬度は5H、密着性試験結果は100/100、全光線透過率は89.1%、ヘイズ値は1.89であった。
[比較例3]
TMPTMAを1.16g(3.43mmol)、HEMAを1.33g(10.25mmol)および1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを0.0498g添加し、攪拌して溶解させハードコート組成液とした。次に実施例3と同等の方法でポリカーボネート板上に上記ハードコート剤を硬化させた。得られたハードコート層は無色透明であり、その鉛筆硬度はH、密着性試験結果は100/100、全光線透過率は89.3%、ヘイズ値は1.55であった。
[比較例4]
TMPTMAを1.51g(4.48mmol)、HEMAを3.48g(26.77mmol)および1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを0.0513g添加し、攪拌して溶解させハードコート組成液とした。次に実施例3と同等の方法でポリカーボネート板上に上記ハードコート剤を硬化させた。得られたハードコート層は無色透明であり、その鉛筆硬度は4H、密着性試験結果は100/100、全光線透過率は89.4%、ヘイズ値は2.89であった。
各実施例、比較例の結果を表1にまとめる。
Figure 0005082907
表における官能基比は(三官能性化合物のメタクリル基のモル数)/(HEMAモル数)を示す。
また、本発明のトリ(メタ)アクリレート化合物と類似する構造を有するシクロペンタン−1,2,4−トリカルボン酸 1−メチルエステルや、トリメチル 1,2,4−シクロペンタントリカルボキシレート、1,2,4−シクロペンタントリメタノール、トリメチル trans,cis−1,2,4−シクロペンタントリカルボキシレート、トリメチル cis,cis−1,2,4−シクロペンタントリカルボキシレートは、参考例1〜4のような方法で製造することが出来る。
[参考例1]
[シクロペンタン−1,2,4−トリカルボン酸 1−メチルエステルの製造]
3リットルガラス製反応器に、過ヨウ素酸ナトリウム288g、水986ml、酢酸エチル657ml、アセトニトリル657mlを仕込み、水浴下、内温18〜19℃で攪拌した。これに塩化ルテニウムn水和物250mgを加えた後、5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル(東京化成製、endo,exo混合物)50gを滴下した。4.5時間攪拌した後、水2Lを加えて、分液した。水層を酢酸エチルで抽出した後、有機層を合わせ、2M塩酸300mlで洗浄した。さらに0.5Mチオ硫酸ナトリウム水溶液600ml、飽和食塩水300mlで洗浄し、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、濃縮し、シクロペンタン−1,2,4−トリカルボン酸 1−メチルエステル(構造を式[3]に示す。)51.2gを褐色油状物として得た。収率は、72%であった。シクロペンタン−1,2,4−トリカルボン酸 1−メチルエステルの同定は、H−NMRによって行った。
H−NMR(CDCl):2.0−2.5(4H, m), 2.9−3.7(3H, m), 3.68(3H, s, exo), 3.72(3H, s, endo), 10.0(2H, brs, OH).
Figure 0005082907
[参考例2]
[トリメチル 1,2,4−シクロペンタントリカルボキシレートの製造]
500mlガラス製反応器に、上記で得られたシクロペンタン−1,2,4−トリカルボン酸 1−メチルエステル51g、トルエン255ml、ジメチルホルムアミド0.5mlを仕込み、塩化チオニル84gを内温48℃で加えた。内温70〜75℃で3時間攪拌後、室温まで冷却した。減圧濃縮を行い、褐色油状物を得た。
500mlガラス製反応器に、トルエン300ml、メタノール30.2g、トリエチルアミン95.5gを仕込み、アルゴン雰囲気下内温4℃まで冷却した。これに先に得られた褐色油状物を滴下した。滴下後、室温で12時間攪拌を行った。水を加えた後、分液を行い、有機層を飽和食塩水100mlで洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過、濃縮を行い、褐色油状物を得た。これを減圧蒸留することにより、トリメチル 1,2,4−シクロペンタントリカルボキシレート(構造を式[4]に示す。)44.3gを淡黄色油状物として得た。収率は77%であった。トリメチル 1,2,4−シクロペンタントリカルボキシレートの同定は、H−NMRによって行った。H−NMR(CDCl):2.1−2.4(4H, m), 2.9−3.3(3H, m), 3.6−3.8(9H, m).
Figure 0005082907
[参考例3]
[1,2,4−シクロペンタントリメタノールの製造]
50mlガラス製反応器に、アルゴン雰囲気下、テトラヒドロフラン20mlと水素化リチウムアルミニウム0.54gを仕込み、上記で得られたトリメチル 1,2,4−シクロペンタントリカルボキシレート1.0gをテトラヒドロフラン3mlに溶かした溶液を内温3℃で滴下した。滴下後、室温で3時間攪拌した。次いで水0.54ml、15%水酸化ナトリウム水溶液0.54ml、水1.6mlを順次加えてクエンチした。室温で12時間攪拌した後、不溶物をろ別し、ろ液を濃縮した。1,2,4−シクロペンタントリメタノール(構造を式[2]に示す。)0.61gを淡褐色油状物として得た。収率は、93%であった。1,2,4−シクロペンタントリメタノールの同定は、H−NMRによって行った。H−NMR(DMSO−d):0.9−1.0(1H, m), 1.3−2.2(6H, m), 3.2−3.6(6H, m), 4.3−4.7(3H, m).
Figure 0005082907
[参考例4]
[トリメチル trans,cis−1,2,4−シクロペンタントリカルボキシレートおよびトリメチル cis,cis−1,2,4−シクロペンタントリカルボキシレートの分取]
上記で得られたトリメチル 1,2,4−シクロペンタントリカルボキシレート33.1gをシリカゲルクロマトグラフィーで分取し、トリメチル trans,cis−1,2,4−シクロペンタントリカルボキシレート24.7gを淡黄色油状物として得た。H−NMR(DMSO−d):1.8−2.1(2H, m), 2.1−2.4(2H, m), 2.9−3.3(3H, m), 3.60(3H, s), 3.61(3H, s), 3.62(3H, s).
さらに、トリメチル cis,cis−1,2,4−シクロペンタントリカルボキシレート8.8gを淡黄色油状物として得た。H−NMR(DMSO−d):2.0−2.3(4H, m), 2.8−3.0(1H, m), 3.1−3.3(2H, m), 3.55(6H, s), 3.60(3H, s).
本発明で得られる新規トリ(メタ)アクリレートは、光ラジカル重合性モノマーもしくは熱ラジカル重合性モノマーとして使用でき、得られる硬化物は、良好な密着性に加えて、優れた透明性を備えた硬化性組成物を提供することが出来る。

Claims (5)

  1. 下記一般式[1]で表されるトリ(メタ)アクリレート。
    Figure 0005082907
    (式中、R1は水素原子またはメチル基を表す。)
  2. 請求項1に記載のトリ(メタ)アクリレートを含有する硬化性組成物。
  3. ラジカル重合性モノマーをさらに含有してなる請求項2に記載の硬化性組成物。
  4. 光ラジカル重合開始剤又は/及び熱ラジカル重合開始剤をさらに含有してなる請求項2又は請求項3に記載の硬化性組成物。
  5. 下記式[2]で表されるトリオールを(メタ)アクリレート化することを特徴とする請求項1に記載のトリ(メタ)アクリレートの製造方法。
    Figure 0005082907
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