JP2015523306A - ウエット酸エッチングにおけるスラッジ制御のための方法 - Google Patents

ウエット酸エッチングにおけるスラッジ制御のための方法 Download PDF

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Abstract

開示はガラス品のウエット酸エッチング中に生成されるスラッジを制御する方法に向けられる。制御される必要がある4つの因子は(i)溶解ガラスレベルA,(ii)HF濃度B,(iii)第2の酸の濃度C−第2の酸は強酸である、及び(iv)温度またはイオン強度を変えることで制御される、沈殿の溶解度定数D,Kspである。開示される方法はエッチャントとしてのHF及び、HCl,H2SO4,HNO3及びHClO4からなる群から選ばれる、強酸を利用する。

Description

関連出願の説明
本出願は2012年5月31日に出願された米国仮特許出願第61/653705号の米国特許法第119条の下の優先権の恩典を主張する。本明細書は上記仮特許出現の明細書の内容に依存し、上記仮特許出現の明細書の内容はその全体が本明細書に参照として含められる。
本開示はガラス品のウエット酸エッチング中に生成されるスラッジを制御する方法に向けられる。
本開示はフッ酸(HF)及びHF含有エッチャントを用いるガラスのエッチング及び薄化のプロセスにおけるスラッジ(沈殿)の低減技術に関する。エッチャント内のスラッジの存在はエッチングプロセスを有意に妨害し、エッチング品の品質を低下させる。エッチャントまたはエッチング槽内のスラッジ(または沈殿)はエッチング中にガラス表面に、にきびきず及びひだ(しわ)のような欠陥を誘起する。さらに、エッチング槽内のスラッジの堆積はガラスエッチング作業を甚だしく妨げ、厳格な光学的/外観要件を満たすためのブラシクリーニングが必要となる、エッチングされたガラスの表面上の副生成物被着を生じさせる。ブラシクリーニングのような接触クリーニングは清新なガラス表面に損傷を与え、ガラスの機械的性能を低下させ得る。エッチング槽またはエッチャント内の沈殿の防止または低減はガラスエッチングプロセスの効率を向上させ、材料消費及び装置メンテナンスに関してコストを低減する。
スラッジ問題に対処する方法は、物理的分離及び化学的抑制の、2つのカテゴリーに分けることができる。物理的分離法は、無スラッジエッチャント再生のための物理的プロセスである、HF(液体)のようなエッチャントからのスラッジ(固体)の分離に焦点を絞る。スラッジ含有使用済HF溶液の濾過は、特許文献1,特許文献2,特許文献3及び特許文献4に開示されている。スラッジは濾過及び遠心分離によって除去することができる。特許文献2及び特許文献6において、HFとスラッジはHF及びスラッジを含有している溶液を加熱することで分離される。このようにすれば、気相からHFを回収することでHFはリサイクルされ、スラッジは加熱によって凝縮される。しかし、この方法では、分離効率は低くなり、運転のためのコストも比較的高い。全体として、物理的分離は使用済エッチャントから活性成分(例えばHF)をリサイクルし、大粒径のスラッジを分離することができるが、物理的方法には、
(1)スラッジ分離装置が必要であり、これは装置購入及びメンテナンスのためのコストを高める、
(2)加熱のような分離方法の使用はエネルギー消費を高める、
(3)分離はエッチャントからスラッジをある程度しか分離することができない。例えば、大径粒子のスラッジは遠心分離または濾過によって容易に除去できるが、小径スラッジ粒子はエッチャント内にとどまり、リサイクルされたエッチャントの性能に強い影響を与え続ける、及び
(4)スラッジの形成は低速プロセスであり、これは物理的分離の後であってもスラッジが形成されるであろうことを意味する、
を含む限界がある。したがって、物理的方法だけを用いてスラッジ問題を完全に解決することはできない。
化学的方法は、スラッジ管理に関し、物理的方法に対して相補的である。化学的方法は、エッチャントからスラッジを分離するのではなく、エッチャント内のスラッジの形成を低減または抑制する。したがって、化学的方法には、
(1)実験装置の設置を必要としない、
(2)プロセスが余分のエネルギーを消費しない、
(3)プロセスはスラッジの形成を抑制するかまたはスレッジの量を低減することができる、及び
(4)エッチングに対して適切な化学的方策を適用することにより、ガラスエッチングのための費用を低減することができる、
を含む、いくつかの利点がある。化学的方法を物理的方法と組み合わせれば、スラッジ問題をより効果的及び効率的に管理することができる。
現在、スラッジ管理のための化学的方法を報告している文献は少ししかない。特許文献7及び特許文献8は、エッチャントへの界面活性剤分子の添加による、溶液内のスラッジ粒子の安定化及びスラッジ粒子の凝集の防止の方策を開示している。この方法はエッチング中のガラス上へのスラッジ粒子の吸着を低減し、欠陥の形成を低減する。しかし、界面活性剤添加後もスラッジ及びスラッジ粒子はまだ存在している。さらに、スラッジの量は変わらない。これらのスラッジ粒子はまだ欠陥を誘起することができ、スラッジの量が増えるにつれて問題を起こし得る。この方法はスラッジ問題の基本的な解決になっていない。
全体として、スラッジ管理のための化学的方法は、いくつかの利点、(1)スラッジ低減に有効、(2)低コスト及び(3)実施が容易であることから有望である。しかし、
(1)スラッジ形成を制御するための系統的な化学的方法の決定が未だにない、
(2)スラッジ操作へのエッチング化学因子の相関が特許請求されていないかまたは公開されていない、
(3)スラッジ形成の基礎的理解が未知である、及び
(4)スラッジ低減に対する化学的(だけの)方策は、コーニング(Corning)(登録商標)製品コード2318イオン交換アルミノケイ酸ガラスのような限られたタイプのガラスに対してしか開発されていない、
を含むいくつかの課題がある。しかし、関与する原理は他のタイプのガラス、例えば、アルカリ土類アルミノホウケイ酸ガラス、「コーニング」Eagle XG(商標)ガラスに適用可能である。
特許第4370737B2号公報 特開2003−012305A号公報 中国特許出願公開第1393418A号明細書 台湾特許第527320B号明細書 韓国登録特許第943321B1号明細書 韓国公開特許第2009−094578A号明細書 韓国公開特許第2011−032432A号明細書 韓国公開特許第2011−056095A号明細書
本開示は上述した課題への解決策を提供し、スラッジ形成の理解並びに化学的因子及び環境因子の相関に基づく系統的な化学的方策を説明する。
本開示は、上述した課題を達成し、ガラスエッチングに用いられるエッチャント内の沈殿の形成を最小限に抑える、系統的な化学的方法を説明する。開示される方法はエッチャントの利用効率を高め、エッチャントの消費及び関連コストを低減する。
本開示の方法は実験的知見並びに図1に示されるようなガラスのエッチング及びスラッジの形成の化学への基礎的理解の両者に基づいて開発された。基本的に、スラッジの量は主として、図2に示されるように、4つの因子、溶解ガラスレベルA,HF濃度B,第2の酸(塩酸(HCL)及び硫酸(HSO))の濃度C,及び(温度及びイオン強度を変えることで制御することができる)溶解度定数D(Ksp)により決定される。これらの4つの因子を操作することにより、スラッジの量をゼロにするかまたは大きく低減することができる。
本開示において、「コーニング」「Eagle XG」ガラス(以降、単に「ガラス」または「EXG」)のスラッジ形成を、エッチングに対するガラスの代表例として用いた。本開示に教示される原理及び方法はエッチングされてスラッジを生じるいかなるガラス材料にも適用することができる。様々な比のHF及び第2の酸(例えば、HCl,HSO,HClOまたはHNO)の混合液をガラスエッチングのためのエッチャントとして用いた。研究によるデータは4つの因子の全てがエッチングプロセスにおけるスラッジの形成及びつくられるスラッジの量に強く影響することを確証する。図1及び2のこれらの4つの因子及び反応の作用が以下に説明される。
一態様において、本開示はガラスのウエットエッチングプロセスにおいてスラッジの量を制御する方法に向けられ、方法はガラスウエットHFエッチャント溶液内の水素イオン濃度を溶液への第2の強酸の添加によって制御する工程を含む。スラッジの量は、(i)溶解ガラスのレベル,A、 (ii)HFの濃度,B、(iii)第2の酸の濃度,C−第2の酸は強酸である、及び(iv)温度及びイオン強度を変えることで制御される、沈殿の溶解度定数,D,Ksp、からなる4つの因子の制御によって制御される。第2の強酸は、HCl,HSO,HNO及びHClOからなる群から選ばれる。さらに、本例においてエッチングされるガラスは、金属元素の中でもとりわけ、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム、ジルコニウム、鉄及びチタン並びに上述の金属のいずれかの混合物からなる群から選ばれる、少なくとも1つの金属を含む、酸化物ガラスである。水素イオン濃度を高めることにより、HFのH+1及びフッ素イオン(F−1)への解離がHF形成側に押しやられ、よって自由に利用できるフッ素イオンの量が制限される。本開示の結果が示すように、フッ素イオン濃度を高めると、スラッジ形成が高められる。エッチャント槽の温度範囲は15〜40℃の範囲にある。一実施形態において、エッチャント槽の温度は20〜32℃の範囲にある。別の実施形態において、エッチャント槽の温度は22〜32℃の範囲にある。
図1はガラスエッチングプロセス中におこる反応のいくつかを示す。 図2はガラスの酸エッチングにおけるスラッジの形成及び量の操作を示す。 図3は、10g/Lの溶解したEXGガラスを含む、3MのHFと6MのHClのエッチャント内に形成された沈殿のXRDスペクトルであり、結果はフッ化マグネシウムアルミニウム水和物[MgAlF・(HO)]が沈殿内の結晶相の1つであることを示す。Mgはガラス組成内に存在するアルカリ土類金属である。 図4は、4g/Lの溶解したEXGガラスを含む、1.5MのHFと1.5MのHSOのエッチャント内に形成された沈殿のXRDスペクトルであり、結果はCaSO・2HOが沈殿内の主要相であることを示す。 図5Aは、溶解EXGガラスを含むHF/HSOエッチャントについて、スラッジの形成への溶解ガラス量及び温度の効果を示す沈殿コンタープロットであり、本図において、溶解ガラス量は4g/L,温度は22℃である。 図5Bは、溶解EXGガラスを含むHF/HSOエッチャントについて、スラッジの形成への溶解ガラス量及び温度の効果を示す沈殿コンタープロットであり、本図において、溶解ガラス量は4g/L,温度は27℃である。 図5Cは、溶解EXGガラスを含むHF/HSOエッチャントについて、スラッジの形成への溶解ガラス量及び温度の効果を示す沈殿コンタープロットであり、本図において、溶解ガラス量は4g/L,温度は32℃である。 図5Dは、溶解EXGガラスを含むHF/HSOエッチャントについて、スラッジの形成への溶解ガラス量及び温度の効果を示す沈殿コンタープロットであり、本図において、溶解ガラス量は7g/L,温度は22℃である。 図5Eは、溶解EXGガラスを含むHF/HSOエッチャントについて、スラッジの形成への溶解ガラス量及び温度の効果を示す沈殿コンタープロットであり、本図において、溶解ガラス量は7g/L,温度は27℃である。 図5Fは、溶解EXGガラスを含むHF/HSOエッチャントについて、スラッジの形成への溶解ガラス量及び温度の効果を示す沈殿コンタープロットであり、本図において、溶解ガラス量は7g/L,温度は32℃である。 図5Gは、溶解EXGガラスを含むHF/HSOエッチャントについて、スラッジの形成への溶解ガラス量及び温度効果を示す沈殿コンタープロットであり、本図において、溶解ガラス量は10g/L,温度は32℃である。 図6Aは、溶解EXGガラスを含むHF/HClエッチャントについて、スラッジの形成への溶解ガラス量及び温度の効果を示す沈殿コンタープロットであり、本図において、溶解ガラス量は4g/L,温度は22℃である。 図6Bは、溶解EXGガラスを含むHF/HClエッチャントについて、スラッジの形成への溶解ガラス量及び温度の効果を示す沈殿コンタープロットであり、本図において、溶解ガラス量は4g/L,温度は27℃である。 図6Cは、溶解EXGガラスを含むHF/HClエッチャントについて、スラッジの形成への溶解ガラス量及び温度の効果を示す沈殿コンタープロットであり、本図において、溶解ガラス量は4g/L,温度は32℃である。 図6Dは、溶解EXGガラスを含むHF/HClエッチャントについて、スラッジの形成への溶解ガラス量及び温度の効果を示す沈殿コンタープロットであり、本図において、溶解ガラス量は7g/L,温度は22℃である。 図6Eは、溶解EXGガラスを含むHF/HClエッチャントについて、スラッジの形成への溶解ガラス量及び温度の効果を示す沈殿コンタープロットであり、本図において、溶解ガラス量は7g/L,温度は27℃である。 図6Fは、溶解EXGガラスを含むHF/HClエッチャントについて、スラッジの形成への溶解ガラス量及び温度の効果を示す沈殿コンタープロットであり、本図において、溶解ガラス量は7g/L,温度は32℃である。 図6Gは、溶解EXGガラスを含むHF/HClエッチャントについて、スラッジの形成への溶解ガラス量及び温度の効果を示す沈殿コンタープロットであり、本図において、溶解ガラス量は10g/L,温度は32℃である。 図7は溶液内の遊離フッ素濃度を高めると、4g/Lの溶解ガラスを含むエッチャントから、より多くの沈殿(Ppt)が生成されることを示す。 図8は、HF及び第2の酸(この場合はHSO)の濃度に基づいて計算されたフッ素イオン濃度に対するJMPプロットを用いる、非線形モデルフィッティングである。データにフィッティングされた非線形モデル方程式は、本明細書で提案される式(式1): 沈殿 (g/L)=因子A(Ksp/(因子B/因子C))+因子Dに基づいて: Ppt (g/L)=θ1−θ2/[F]θ3である。
本開示においては、「Eagle XG」ガラス(コーニング社)を、エッチングされるいかなるガラス材料にも適用され得る、本開示によって教示される原理及び方法を例証するために用いた。Eagle XGガラスは本開示において「ガラス」または「EXG」と称される。本開示において術語「スラッジ」と「沈殿」は互換で用いられ、いずれもエッチャント内に懸濁するかまたはエッチャントから沈殿することができる粒状物質を指す。術語「溶解ガラス」は、除去されてその構成成分が溶液内にイオン種として存在する、ガラスを指す。エッチングプロセス中のある時点において、それぞれのイオン種はそれぞれの溶解限度に達し、エッチャント溶液から沈殿し始める。さらに、限定ではなく、例えば2つ以上の金属イオンを含む、錯イオンが形成されることがあり、これらの錯イオンは単純イオン種より低い溶解度を有し、したがってエッチャント溶液から沈殿し始めることができる。
図1及び2に示される4つの因子の作用
「A」は溶解ガラスの量である。溶解ガラスレベルを高めると、反応(1)によって溶液内により多くの金属イオンが生成することができ、この金属イオンはフッ素イオンと結合して沈殿を形成する(反応(5))ことができる。
「B」は、エッチャント内のHFの濃度である。HF及び第2の酸を含むエッチャントにおいて、HFが唯一のフッ素イオン源である。HFはHF濃度が高まるにつれてより多くのフッ素イオンをエッチャント内に放出し(反応(2))、フッ素イオンはさらにあるタイプの金属イオンと結合して、図1の反応(5)によって沈殿を形成することができる。
「C」はエッチャント内の第2の酸の濃度である。スラッジ管理に対する第2の酸の作用はHFからのフッ素イオンの放出を抑制することである。プロトンは図1の反応(4)によりフッ素イオンと結合してHFを再生させ、エッチャント内のHFのさらなる解離を抑制することができるから、第2の酸の添加は(図1及び2の反応により)プロトンの濃度を高め、図1及び2の反応によってフッ素イオンの濃度を低めることができる。したがって、スラッジ生成(反応(5))のためのフッ素イオンの量が減じられるから、沈殿の量が減じられる。因子BとCは相関し、因子Bと因子Cの比(BとCのモル比:[HF]/[第2の酸のプロトン活性]がエッチャント内のフッ素イオンの量、及びスラッジ形成量を決定する。
因子「D」は形成定数(Ksp)である。形成定数(Ksp)はフッ素イオンと金属イオンが溶液から沈殿し始める臨界濃度を決定する。Ksp値を大きくするとスラッジ形成に対する閾値が上がり、因子A,BまたはCを変えずにスラッジの量が減じる。例えば、溶液温度を高くすることで、Ksp値を大きくしてスラッジの形成を減じることができる。溶液の総イオン強度(HF,第2の酸及び溶解ガラスの総濃度)を高めると、見かけのKsp値が小さくなり、溶液内により多くのスラッジが生じるであろう。
図1及び2に示される反応
図1は、ガラスエッチングプロセスにおける反応を示す。反応(1)において、ガラスがHFによってエッチングされ、金属イオンが溶液内に放出される。反応(2)において、HFが解離し、プロトン及びフッ素イオンを発生する。反応(3)において、エッチャント内の第2の酸(HClまたはHSOのような強酸)がプロトンを発生する。反応(4)において、プロトンとフッ素イオンが結合してHF分子を再生する。反応(5)において、反応(1)からの金属イオンと反応(2)からのフッ素イオンが結合して不溶性塩を沈殿として形成する。
図2は、ガラスの酸エッチングにおけるスラッジの形成及び量の操作を示す。反応(1)〜(5)は図1に関する直上の段落で説明されている。沈殿の量は4つの因子A,B,C及びDによって決定される。
沈殿の量を計算するためのモデルも、実験結果及びスラッジ形成(式1)の基礎的理解に基づいて開発した。このモデルにおいて、沈殿の量は4つの因子によって決定される。特定の系をシミュレートするため、いくつかの定数値をそれぞれの因子とともに適用する必要がある。例えば、HF/HSO系において、4g/Lの溶解ガラスレベルにおける沈殿の量が因子B及びCに対する値から計算されたフッ素イオン濃度に対してプロットされる(図7)。次いで実験データが因子Dの効果を無視しているモデル式に関して検証される。非線形モデル式を用いたフィッティングカーブは測定された実験データと良い一致を示す。フィッティングされた関数パラメータは:
沈殿 (g/L)=1−6.6×10−9/[F]2.4
であり、ここで[F]はフッ素イオン濃度である。この結果は、下式1:
沈殿 (g/L)=因子A(Ksp/(因子B/因子C))+因子D (式1)
がスラッジ管理に関して適用でき、実用になることを証明する。
図3及び4は異なるエッチャント溶液の使用に対する沈殿またはスラッジのXRDスペクトルである。図3のXRDスペクトルは、10g/Lの溶解ガラスを含む3MのHFと6MのHClのエッチャントにおいてスラッジ内の結晶相の1つがMgAlF・(HO)であることを示す。図4のXRDスペクトルは、4g/Lの溶解ガラスを含む1.5MのHFと1.5MのHSOのエッチャントにおいて沈殿内の主要相がCaSO・2HOであることを示す。
図5A〜5G及び6A〜6G
図5A〜5G及び6A〜6Gは、様々な温度において様々な濃度のEXGを含む、HF/HClエッチャント(図6A〜6G)及びHF/HSOエッチャント(図5A〜5G)について、スラッジ内の溶解ガラスの量の効果を示す沈殿コンタープロットである。様々なコンター線に対する値が図内に及びそれぞれの図の右側の表に示される。コンター線の数値は左から右に大きくなる。コンター線はそれぞれの図の下辺近くで読み取ると良いであろう。例として図5Aを用いれば、左から右に、コンター線の値は、0.100(太い黒線),0.300,0.500,0.700及び0.900である。それぞれの図における太い黒線は「無沈殿」帯または領域を定める。「無沈殿」帯は、エッチャント内のガラス濃度をその図に示されている値とした場合に、槽内に沈殿がない領域である。図5Aにおいて、エッチャント溶液内のガラス濃度は、凡例最上段に示されているように、4g/Lである。例として図5Aをまた用いれば、4g/LのEXGガラスを含んでいるエッチャント槽に対し、(a1)エッチャント内のHF濃度が0.5Mより高く、ほぼ1.0Mまでの範囲にあれば、また(b1)エッチャント内のHSO濃度がほぼ1.2Mからほぼ4Mまでの範囲にあれば、エッチャント槽内の沈殿の量は0.100g/Lより少ない。しかし、(a2)HF能路が1Mより高く、ほぼ1.5〜1.6Mまで上がれば、HSO濃度は少なくとも2Mより高く、4Mまでの範囲になければならず、さもないと沈殿(スラッジ)が生じるであろう。最後に、HF濃度が高められ、HSO濃度が一定に保たれていれば、コンター線で示されるように、HF濃度が高くなるにつれてスラッジの量が増える。
図5A,5D及び5Gはスラッジの形成への溶解ガラスの量の効果を示す。これらの3つの図はHF及びHSOからなるエッチャントにおける沈殿コンターを示す。これらの図内の数字、及び図5A〜5G及び6A〜6Gの他の全ての図内の数字は、測定点及び、g/Lを単位とする、対応する沈殿の値である。図5Aは22℃における4g/Lの溶解ガラスによる沈殿コンターである。図5Dは22℃における7g/Lの溶解EXGガラスによる沈殿コンターである。図5Gは22℃における10g/Lの溶解ガラスEXGによる沈殿コンターである。破線で囲まれた箱はエッチングプロットにおける無沈殿帯を表す領域を強調している。3つの図の比較は沈殿の量が同じ態様で推移することを示す。沈殿の量は7g/L及び4g/Lのガラスを含むエッチャントなよりも10g/Lのガラスを含むエッチャント内でかなり多い。無沈殿帯の前線境界も、溶解ガラスレベルが4g/Lから7g/に、さらに10g/Lに高くなるにつれて、ほぼ1.5MのHFからほぼ1MのHFまで、さらにほぼ0.5MのHFまで後退する。
図5A,5Bおよび5Cはスラッジの形成への温度の効果を示す。これらの3つの図はHF及びHSOからなるエッチャントにおける沈殿コンターを示す。図内の黒点及び数字は測定点及び、g/Lを単位とする、対応する沈殿の値である。図5Aは22℃における4g/Lの溶解ガラスによる沈殿コンターである。図5Bは27℃における4g/Lの溶解ガラスによる沈殿コンターである。図5Cは32℃における4g/Lの溶解ガラスによる沈殿コンターである。3つの図の比較は沈殿の量が同じ態様で推移することを示す。全体として、沈殿の量は温度を22℃から32℃に高めることで若干減少する。異なる温度において7g/Lのガラスがエッチャント内に溶解している場合にも、同様の現象が見られる(図5D,5E及び5F)。エッチャント槽に対する温度範囲は15〜40℃の範囲にある。一実施形態において、エッチャント槽に対する温度は20〜32℃の範囲にある。エッチャント槽を15℃より低い温度で稼働させることはできるが、これは、一般に槽を冷却しなければならず、エッチング速度が低下するから、不経済である。エッチャント槽を40℃より高い温度で用いることもできるが、これも、エッチャント槽の加熱が必要になり得るであろうし、環境問題が生じ得るであろうから、例えば、高温によりいくらかのHF及び、HCl及びHSOのような、第2の酸がエッチャント槽から追い出され、蒸気スクラバーの使用が必要になるであろうから、不経済になり得る。
図6A,6B及び6Cはスラッジの形成への温度の効果を示す。これらの3つの図はHF及びHClからなるエッチャントにおける沈殿コンターを示す。図内の黒点及び数字は測定点及び、g/Lを単位とする、対応する沈殿の値である。図6Aは22℃における4g/Lの溶解ガラスによる沈殿コンターである。図6Bは27℃における4g/Lの溶解ガラスによる沈殿コンターである。図6Cは32℃における4g/Lの溶解ガラスによる沈殿コンターである。3つの図の比較は沈殿の量が同じ態様で推移することを示す。全体として、沈殿の量は温度を22℃から32℃に高めることで若干減少する。異なる温度において7g/Lのガラスがエッチャント内に溶解している場合にも、同様の現象が見られる(図6D,6E及び6F)。
図5及び図6はいずれも沈殿(またはスラッジ)の形成の抑制また低減への第2の酸の添加の効果を示す。コンタープロットはHF及び第2の酸(HClまたはHSO)を様々な比で含むエッチャント内でのガラスの溶解後の沈殿の量を表す。図内の黒点及び数字は測定点及び、g/Lを単位とする、対応する沈殿の値である。線は様々なレベルにある沈殿のコンターである。図6においてエッチャントはHF及びHClであり、図5においてエッチャントはHF及びHSOである。HCl及びHSOのいずれのモル濃度も、スラッジの形成を減じる基本的成分である、エッチャント内の実プロトン活性に非常に近い。破線で囲まれた箱は、異なる溶解ガラス濃度(4g/L,7g/L及び10g/L)及び異なる温度(22℃,27℃及び32℃)における沈殿の量の低減においてHCl及びHSOが同様の態様で作用している、領域を強調している。それぞれの対応する条件におけるパターンは同様のトレンドにしたがう。
図7は溶液内のフッ素イオン濃度を高めると4gの溶解ガラスを含むエッチャントからより多くの沈殿が生成することを示す。フッ素イオン濃度はHF及びHCl及びHSOの濃度とHFの解離定数に基づいて計算した。囲まれた点はHF/HSO系からのデータであり、囲まれていない点はHF/HCl系からのデータである。このプロットはフッ素イオン濃度が高くなるとより多くの沈殿が生じることを示す。
図8は、HF及び第2の酸(この場合はHSO)の濃度に基づいて計算したフッ素イオン濃度に対してプロットした沈殿データの(米国ノースカロライナ州ケイリー(Cary)のSAS Institute Inc.によるJMP統計ソフトウエアを用いる)非線形モデルフィッティングである。データにフィッティングされた非線形モデル式は、本明細書に提示された式1に基づく:
Ppt (g/L)=θ1−θ2/[F]θ3
である。項[F]はエッチャント内のフッ素イオン濃度である。
本開示の方法はスラッジ管理における従来の方策に優る、以下に説明されるいくつかの利点を実証する:
(1)本方法はスラッジ管理において簡易及び有効である。単に4つの因子を調整することで、スラッジの量を大きく低減することができる。これらの因子の調整にはガラスエッチングのためのプラントの変更がほとんど必要ではない。1つの因子または複数の因子を調整することでスラッジの量を低減することができ、因子の調整はプラントにおいて容易に実施することができる;
(2)本明細書に開示される方法はガラスエッチングのためのコストを低減することができる。コストは、HFの濃度を低め、同時に第2の酸の濃度を高めることで低減することができる。この変更は、原材料のためのコストを低減することができ、システム内のスラッジの量も低減することができる。スラッジの低減は少なくとも2つの利点を提供する。第1に、エッチャントをリサイクルするまでより長時間、より高い効率で使用することができ、これは材料消費のコストをさらに低減することができる。第2に、操業にスラッジを清掃するための頻繁なメンテナンスが必要にならず、これも生産のためのコストを低減する;
(3)本方法は、アルミノケイ酸ガラスに適用可能であることに加えて、他のガラス組成、限定ではなく、例として、ホウケイ酸ガラス及びアルミノホウケイ酸ガラスに、また沈殿を形成する金属イオンを含むガラス、限定ではなく、例として、アルカリ土類金属、ジルコニウム、鉄及びチタンを含むガラスにも、用いることができる。本開示に主張される理論及び方策はスラッジ形成の化学の基本的理解に基づいて開発された。理論及び方策は、様々なタイプのガラスのスラッジを操作するために、方策を適切に修正して、広く適用することができる;
(4)本開示は実施が容易である。出願人等が開発した数学モデルは意味を容易に理解することができ、スラッジの量を予測するために用いることができる。モデルが開発されてしまえば、予測は容易であり、正確で信頼できる。出願人等の初期の実験がこのことを証明している;
(5)本開示は、LCDのためのガラス薄化、イオン交換できるガラス及びイオン交換できないガラスの表面及び縁端の強化、異なる形状寸法及び穴を生じさせるエッチング、並びに、防眩及び反射防止のような、機能性表面のエッチングを含む、いかなるHF利用エッチングプロセス及び応用にも、また、にも、適用される;及び
(6)エッチング溶液内のスラッジ粒子の低減または排除はエッチング後クリーニングを簡易化することができ、あるいは、エッチングされた製品の表面に損傷を与え、機械特性及び/または光学特性を損なう可能性があり得る、ブラシクリーニングのような接触クリーニングの必要を排除することができる。
本開示は、EXGガラスあるいは、ガラスからの金属イオンとエッチャントからの(フッ素イオンのような)陰イオンまたはエッチャントから誘導される(SiF 2−,AlF 3−,等のような)陰イオンを含む、沈殿を形成するガラスを含む、ガラスのエッチングプロセスにおけるスラッジ(または沈殿)の形成を制御及び低減する方策を説明する。本方法において、スラッジ形成の操作はHFと溶解されるべきガラスの間の化学反応(図1)の理解に基づいて達成される。スラッジの形成及び量は:エッチャント内で初めに溶解されるガラスの量である、因子A;HFの濃度である、因子B;第2の酸の濃度である、因子C;及び、エッチング溶液の温度及び総イオン強度のような、不溶塩のKsp値に影響する因子である、因子Dを含む、4つの因子によって決定される(図2を見よ)。
詳しくは、スラッジの形成を操作するため:
(A)エッチャント内の溶解されるガラスの量を低減する;これにより反応(1)による金属イオンの濃度が低められ、続いて、低められた金属イオン濃度により、反応(5)によるスラッジの形成が最小限に抑えられる;
(B)HFの濃度を低める;HFの濃度を低めることによってフッ素イオン濃度が低くなり、続いて、反応(5)にしたがう金属イオンとフッ素イオンの間のスラッジの形成が減じる;及び
(C)第2の酸の濃度を高める;第2の酸の作用はエッチャント内のフッ素イオンの濃度を調節することである。第2の酸からのプロトン(反応(3))はフッ素イオンと結合してHFを再生する(反応(4))ことができるから、HFから放出されるフッ素イオンの量を制限することができる。この結果、第2の酸の添加により、HFからのフッ素イオンの生成が減じられ、フッ素イオンと金属イオンからのスラッジの形成が減じられる;
ことができ、
(D)溶解度定数Kspは金属イオンがフッ素イオンにより沈殿し始める臨界濃度を決定する定数である。Ksp値が大きくなることは沈殿を生じずに溶液内にとどまり得る金属イオン及びフッ素イオンが多くなることを意味する。溶液温度を高め、総イオン強度を低めることにより、Ksp値をより大きくし、スラッジの量をより少なくしておくことができる。
スラッジ管理に関する上述した理論及び因子を検証するため、HF及び第2の酸を含むエッチャント内にある量のガラス粉末を溶解することで実験的研究を行った。一例のガラスとして、本開示においては、別途に指定されない限り全ての場合において単に「ガラス」と称されるEagle XGガラスを粉砕して、粒径が100μmより小さい粉末にした。選ばれた量の濃HF(49重量%)及び濃HCl(36重量%)または濃HSO(98重量%)を脱イオン(DI)水に希釈することで、エッチャントを作製した。HF及び第2の酸、HClまたはHSO、の濃度は、全ての図及び実験において、EXGガラス粉末のエッチング後の最終濃度として示される。理論的に、エッチングプロセスにおいてガラス1グラム当たり0.098モルのHFが消費される。ガラスを溶解するため、ガラス粉末とエッチャントを初めに、磁気撹拌を用い、Nalgen(登録商標)プラスチックボトル内で混合した。次いで、エッチング後溶液内の沈殿の生成を可能にするため、溶液を5日間撹拌した。最後に、分析のため、沈殿を遠心分離によってエッチャントから分離し、室温で乾燥して重量を測定した。詳細な実験手順が以下に説明される:
実験手順
(1)HFと第2の酸(HClまたはHSO)を含むエッチャントを作製する;
(2)エッチングのために選ばれたガラス粉末の重量を測定する;
(3)ガラス粉末とエッチャントをプラスチック槽、例えばNalgenプラスチックボトル、内で600rpmの磁気撹拌を用いて混合する;
(4)溶液を磁気撹拌しながら一定温度(例えば、22℃、27℃または32℃)で5日間おき、溶液の変化及び沈殿の推移をモニタする;
(5)6日目に、溶液の撹拌を停止し、全ての沈殿をボトルの底に落ち着かせて、溶液を透明にする。透明溶液のほとんどを廃液容器に移し(または以降の検査のためにとっておき)、溶液の残り及び全ての沈殿を先に重量を測定してある遠心分離チューブ内に移す。沈殿は4500rpmで5分間の遠心分離によってエッチャントから分離された。上澄み液を移し、エッチャントの残りを洗い流し、沈殿の乾燥を加速するため、ペレット(沈殿)を15mLの100%エタノール内に再び懸濁させ、再び4500rpmで5分間の遠心分離を行った;
(6)分離した沈殿をドラフトチャンバ内において室温で1〜2日間乾燥した。乾燥した沈殿の重量を量り、その後、結晶相を調べるためにXRDを用いて、あるいは組成を調べるためにICP(誘導結合プラズマ)を用いて、沈殿を分析した;
(7)ステップ(5)で収集した上澄み液もICPを用いて調べた。
結果及び分析
I.組成及び相分析
Eagle XGガラスの主成分には、酸化ケイ素、酸化カルシウム、酸化アルミニウム及び酸化マグネシウムがある。これらの金属酸化物がHFまたはHFを含むエッチャントによって溶解された後、金属イオンはフッ素イオンのような陰イオンとともに析出し得る。表1は沈殿とそれらの水中溶解度の考え得る組合せを示す。これらの値に基づけば、カルシウム及びマグネシウムが沈殿への主要な寄与金属であり、成分金属である。HSiFは水性溶液内の溶解度が非常に高いから、析出するとは思えない。アルミニウムはAlFとして析出することはないが、他の金属イオンとともに析出することはできる。
表1は、別途に指定されない限り、22℃の温度において水100g内に溶解する塩のグラム数で表した、塩の溶解度表である。ガラスが溶解された後、陽イオンと陰イオンが存在して相互に反応することができる。これらのデータは、CRC Handbook of Chemistry and Physics(CRC Press, 米国フロリダ州ボカレイトン(Boca Raton))から得ている。
Eagle XGガラスに対し、乾燥した沈殿の外観は白色粉末である。ICP分析(表2)は、沈殿が主にカルシウム材料及びアルミニウム材料からなり、ガラスの溶解レベルが高ければ(例えば10g/L)、マグネシウムも沈殿内に見られることを示唆している。この結果は表1からなされた出願人等の予測を裏付ける。期待されたように、ケイ素は、沈殿内に析出せず、溶液内にとどまっている。アルミニウムはカルシウム及びマグネシウムとともに析出するが、アルミニウム自体では析出しない。XRD結果(図3)はアルミニウムとマグネシウムが1:1の比で析出し、それらの結晶形がMgAlF(HO)であることを示す。
しかし、マグネシウムからの寄与は限定的である。沈殿の主成分はカルシウム物質及びアルミニウム物質である。マグネシウムからの効果を入れなければ、アルミニウムとカルシウムのモル比は、HF,HCl,HSOまたは溶解ガラスレベルの変化にかかわらず、常に約2:3である(表2を見よ)。これはアルミニウムとカルシウムが2:3のモル比で共析出することを示唆している。沈殿はCaAl12またはHF/HCl系において同様の形をとる塩であると考えられる。HFとHSOの系については、沈殿は2部のCaSO・2HO及び3部のAlFまたは同様の形の塩を含む。XRD結果はHF/HSO系におけるCaSO・2HOの存在を示す(図4)。
II.沈殿の量
沈殿の量は乾燥させた沈殿の重さを量ることで測定した。データは図5A〜5G及び6A〜6Gのコンタープロットにおいて線の隣にある数値(単位:g/L)として示される。これらの図における沈殿の量は、上記の、図2に示し、上述した、4つの因子によって調節される。
第1に、溶解ガラスの量を多くすると溶液からより多くの沈殿がつくられる。図5に示されるように、HF/HSO系は、溶解ガラスの量が4g/L(図5A)から7g/L(図5D)まで多くしたときの、かなり多くの沈殿を示す。例えば、1.5MのHF及び1.5MのHSOを含むエッチャントにおいて、4g/Lのガラスが溶解されたときの沈殿の量は0.56g/Lであり、同じエッチャント内の7g/L及び10g/Lの溶解ガラスに対する値はそれぞれ1.57g/L及び2.80g/Lである。この効果は、HF/HSO系について図5及び下の表3に、またHF/HCl系について図6及び下の表4に示されるように、HF/HSO系及びHF/HCl系のいずれにおいても検証された。
第2に、エッチャント内のHF濃度を高めるとエッチャント内により多くのフッ素イオンがつくられる。フッ素イオンは次いで金属イオンと結合して析出する。図5及び6はいずれも、HF濃度が高くなるにつれて沈殿が重くなる(量が増える)ことを実証している。したがって、沈殿の形成を減じるには、HF濃度を比較的低レベルに制御する必要がある。
第3に、第2の酸の添加の目的は、HFから放出されるフッ素イオンの濃度を調節し、続いてスラッジの形成を調節することである。HCl及びHSOのような第2の酸の濃度を高めることによって、スラッジの量が大きく減じられる。この現象はHF/HCl系及びHF/HSO系のいずれにおいても見られる(図5及び6)。例えば、HF濃度を1.5Mに固定し、4g/Lのガラスを溶解させたときに、HCl濃度を1Mから6M(図6A)に高めることで、沈殿の量は0.8g/Lから0に減じられる。さらに、フッ素イオンに対する実調節子は第2の酸によって供給される遊離プロトンである。エッチャント内のHCl及びHSOのいずれのモル濃度も実プロトン濃度に近いから、HF/HCl系及びHF/HSO系によるコンターズは同じトレンドを示す(図5及び6)。これは、スラッジ管理における第2の酸の作用がフッ素イオン及び、続いて、スラッジの量を調節するための遊離プロトンの供給であることを示唆している。他の強酸、例えば硝酸(HNO)及び過塩素酸(HClO)も第2の酸として用いることができる。
最後に、溶質の総濃度があるレベルまで高まるとイオン強度の効果が有意になる。例えば、図6において、HF濃度が2Mより高くなると、HCl濃度を3Mから6Mに高めることによって沈殿の量が多くなり始める。HCl濃度を高めるとフッ素イオン調節のためのプロトンがより多く供給されるが(因子C)、総イオン強度が高くなりすぎると溶液へのより多くの溶質の添加(この場合は、より多くのHClの添加)は、実際上、沈殿の量の増加をもたらす。例えば、HF濃度を3Mに固定し、溶解ガラスレベルを22℃において7g/Lに固定したとき(図6B)、HCl濃度を3Mから6Mに高めると沈殿の量は0.62g/Lから1.1g/Lに増加する。
さらに、データは溶液の温度もスラッジ管理に重要な役割を果たすことを示唆している。これは、温度が高くなるにつれて溶解度定数(Ksp)が大きくなることによる。したがって、沈殿の量は溶液の温度を高めることで低減することができる。
上述した理論、効果及びデータに基づいて、出願人等は沈殿の量を予測する式(式1)を導いた。沈殿の量は式に含まれる4つの因子(A〜D)によって調節される。特定の系をシミュレートできるにはそれぞれの因子とともにいくつかの定数値を適用する必要がある。因子Dは総イオン強度が十分高くなるまで考慮されない。例えば、溶解ガラスレベルが22℃で4g/Lにある、HF/HSO系において沈殿の量が因子B及びCに対する値から計算されたフッ素イオン濃度に対してプロットされる(図7)。次いで、因子D(イオン強度)の効果を無視しているモデル式に関して実験データが検証される。非線形モデル式を用いてフィッティングされた曲線は。測定された実験データと良い一致を示す。モデルのフィッティングされた関数パラメータは:
沈殿 (g/L)=1−6.6×10−9/[F]2.4
である。この結果は、出願人等が導いた式がスラッジ管理の研究に適用可能であり、実用になることを確証する。ここで、沈殿の量はゼロより小さくなり得ず、よってシミュレーションにおけるゼロより小さい値は、実研究においてはゼロとすべきであることに注意されたい。式1は:
沈殿 (g/L)=因子A−(Ksp/(因子B/因子C))+因子D
である。
すなわち、一態様において本開示はガラスウエットエッチングプロセスにおいてスラッジの量を制御する方法に向けられ、方法は、HFエッチャント溶液内の水素イオン濃度をエッチャント槽への第2の酸の添加によって制御しながらガラスをエッチングする工程を含む。エッチャント槽内のスラッジの量は下の式1:
沈殿 (g/L)=因子A−(Ksp/(因子B/因子C))+因子D
にしたがって選ばれたレベルに制御され、式1の4つの因子は、
因子A:溶解ガラスのレベル、
因子B:HFの濃度、
因子C:第2の酸の濃度−第2の酸は強酸である、及び
因子D:温度またはイオン強度を変えることによって制御される、沈殿の溶解度定数、Ksp,
である。第2の強酸は、HCl、HClO,HNO及びHSOからなる群から選ばれる。一実施形態において、第2の強酸はHCl及びHSOからなる群から選ばれる。エッチングされるガラスは、イオン交換されている及びイオン交換されていない、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス及びアルミノホウケイ酸ガラスからなる群から選ばれる酸化物ガラスである。一実施形態において、エッチングされるガラスは、金属元素の中でもとりわけ、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム、ジルコニウム、鉄及びチタンからなる群から選ばれる少なくとも1つの金属を含む、酸化物ガラスである。本方法において、エッチングプロセスは15℃〜40℃の範囲にある温度で実施される。本方法の一実施形態において、エッチングプロセスは20℃〜35℃の範囲にある温度で実施される。別の実施形態において、温度は22℃〜32℃の範囲にある。一実施形態において、エッチャント槽内の遊離プロトン濃度は、1.0M〜4Mの範囲にあるHF濃度に対して0.5M〜5.0Mの範囲に維持される。別の実施形態において、エッチャント槽は酸HF及びHClを含み、エッチャント槽内の遊離プロトン濃度は、1.0M〜3.5Mの範囲にあるHF濃度に対して0.5M〜6.0Mの範囲に維持される。別の実施形態において、エッチャント槽は酸HF及びHSOを含み、エッチャント槽内の遊離プロトン濃度は、1.0M〜4Mの範囲にあるHF濃度に対して0.5M〜5.0Mの範囲に維持される。
別の態様において、本開示はHFと、HCl、HClO,HNO及びHSOからなる群から選ばれる、強酸の酸混合液を含む酸性酸エッチング溶液に向けられ、選ばれる強酸がHCl,HNOまたはHClOである場合、エッチャント槽内の遊離プロトン濃度は、1.0M〜3.5Mの範囲にあるHF濃度に対して0.5M〜6.0Mの範囲に維持され、選ばれる強酸がHSOである場合、エッチャント槽内の遊離プロトン濃度は、1.0M〜4Mの範囲にあるHF濃度に対して0.5M〜5.0Mの範囲に維持される。一実施形態において、溶液内の溶融ガラスは10g/Lより少ない。別の実施形態において、溶液内の溶融ガラスは7g/Lより少ない。また別の実施形態において、溶液内の溶融ガラスは4g/Lより少ない。エッチングプロセスは15℃〜40℃の範囲にある温度で実施される。一実施形態において温度は20℃〜35℃の範囲にある。別の実施形態において温度は22℃〜32℃の範囲にある。
本開示の精神または範囲を逸脱することなく本開示に様々な改変及び変形がなされ得ることが当業者には明らかであろう。したがって、本明細書に開示される実施形態の改変及び変形が添付される特許請求項及びそれらの等価形態の範囲内に入れば、本開示はそのような改変及び包含するとされる。
図1はガラスエッチングプロセス中におこる反応のいくつかを示す。 図2はガラスの酸エッチングにおけるスラッジの形成及び量の操作を示す。 図3は、10g/Lの溶解したEXGガラスを含む、3MのHFと6MのHClのエッチャント内に形成された沈殿のXRDスペクトルであり、結果はフッ化マグネシウムアルミニウム水和物[MgAlF・(HO)]が沈殿内の結晶相の1つであることを示す。Mgはガラス組成内に存在するアルカリ土類金属である。 図4は、4g/Lの溶解したEXGガラスを含む、1.5MのHFと1.5MのHSOのエッチャント内に形成された沈殿のXRDスペクトルであり、結果はCaSO・2HOが沈殿内の主要相であることを示す。 図5Aは、溶解EXGガラスを含むHF/HSOエッチャントについて、スラッジの形成への溶解ガラス量及び温度の効果を示す沈殿コンタープロットであり、本図において、溶解ガラス量は4g/L,温度は22℃である。 図5Bは、溶解EXGガラスを含むHF/HSOエッチャントについて、スラッジの形成への溶解ガラス量及び温度の効果を示す沈殿コンタープロットであり、本図において、溶解ガラス量は4g/L,温度は27℃である。 図5Cは、溶解EXGガラスを含むHF/HSOエッチャントについて、スラッジの形成への溶解ガラス量及び温度の効果を示す沈殿コンタープロットであり、本図において、溶解ガラス量は4g/L,温度は32℃である。 図5Dは、溶解EXGガラスを含むHF/HSOエッチャントについて、スラッジの形成への溶解ガラス量及び温度の効果を示す沈殿コンタープロットであり、本図において、溶解ガラス量は7g/L,温度は22℃である。 図5Eは、溶解EXGガラスを含むHF/HSOエッチャントについて、スラッジの形成への溶解ガラス量及び温度の効果を示す沈殿コンタープロットであり、本図において、溶解ガラス量は7g/L,温度は27℃である。 図5Fは、溶解EXGガラスを含むHF/HSOエッチャントについて、スラッジの形成への溶解ガラス量及び温度の効果を示す沈殿コンタープロットであり、本図において、溶解ガラス量は7g/L,温度は32℃である。 図5Gは、溶解EXGガラスを含むHF/HSOエッチャントについて、スラッジの形成への溶解ガラス量及び温度効果を示す沈殿コンタープロットであり、本図において、溶解ガラス量は10g/L,温度は32℃である。 図6Aは、溶解EXGガラスを含むHF/HClエッチャントについて、スラッジの形成への溶解ガラス量及び温度の効果を示す沈殿コンタープロットであり、本図において、溶解ガラス量は4g/L,温度は22℃である。 図6Bは、溶解EXGガラスを含むHF/HClエッチャントについて、スラッジの形成への溶解ガラス量及び温度の効果を示す沈殿コンタープロットであり、本図において、溶解ガラス量は4g/L,温度は27℃である。 図6Cは、溶解EXGガラスを含むHF/HClエッチャントについて、スラッジの形成への溶解ガラス量及び温度の効果を示す沈殿コンタープロットであり、本図において、溶解ガラス量は4g/L,温度は32℃である。 図6Dは、溶解EXGガラスを含むHF/HClエッチャントについて、スラッジの形成への溶解ガラス量及び温度の効果を示す沈殿コンタープロットであり、本図において、溶解ガラス量は7g/L,温度は22℃である。 図6Eは、溶解EXGガラスを含むHF/HClエッチャントについて、スラッジの形成への溶解ガラス量及び温度の効果を示す沈殿コンタープロットであり、本図において、溶解ガラス量は7g/L,温度は27℃である。 図6Fは、溶解EXGガラスを含むHF/HClエッチャントについて、スラッジの形成への溶解ガラス量及び温度の効果を示す沈殿コンタープロットであり、本図において、溶解ガラス量は7g/L,温度は32℃である。 図6Gは、溶解EXGガラスを含むHF/HClエッチャントについて、スラッジの形成への溶解ガラス量及び温度の効果を示す沈殿コンタープロットであり、本図において、溶解ガラス量は10g/L,温度は32℃である。 図7は、HF及び第2の酸(この場合はH SO )の濃度に基づいて計算されたフッ素イオン濃度に対するJMPプロットを用いる、非線形モデルフィッティングである。データにフィッティングされた非線形モデル方程式は、本明細書で提案される式(式1): 沈殿 (g/L)=因子A(Ksp/(因子B/因子C))+因子D に基づいて: Ppt (g/L)=θ1−θ2/[F ] θ3 である。 図8は溶液内の遊離フッ素濃度を高めると、4g/Lの溶解ガラスを含むエッチャントから、より多くの沈殿(Ppt)が生成されることを示す。
は溶液内のフッ素イオン濃度を高めると4gの溶解ガラスを含むエッチャントからより多くの沈殿が生成することを示す。フッ素イオン濃度はHF及びHCl及びHSOの濃度とHFの解離定数に基づいて計算した。囲まれた点はHF/HSO系からのデータであり、囲まれていない点はHF/HCl系からのデータである。このプロットはフッ素イオン濃度が高くなるとより多くの沈殿が生じることを示す。
は、HF及び第2の酸(この場合はHSO)の濃度に基づいて計算したフッ素イオン濃度に対してプロットした沈殿データの(米国ノースカロライナ州ケイリー(Cary)のSAS Institute Inc.によるJMP統計ソフトウエアを用いる)非線形モデルフィッティングである。データにフィッティングされた非線形モデル式は、本明細書に提示された式1に基づく:
Ppt (g/L)=θ1−θ2/[F]θ3
である。項[F]はエッチャント内のフッ素イオン濃度である。

Claims (10)

  1. ガラスウエットエッチングプロセスにおいてスラッジの量を制御する方法であって、HFエッチャント溶液内の水素イオン濃度をエッチャント槽への第2の強酸の添加によって制御しながらガラスをエッチングする工程を含む方法において、
    前記第2の強酸が、HCl、HClO,HNO及びHSOからなる群から選ばれ、前記エッチングプロセスが15℃から40℃の範囲にある温度において実施され、前記エッチャント溶液内の溶解ガラスの量が10g/Lより少ない、
    ことを特徴とする方法。
  2. 前記エッチャント槽内の前記スラッジ量が下の式1:
    沈殿 (g/L)=因子A−(Ksp/(因子B/因子C))+因子D
    にしたがって選ばれるレベルに制御され、前記式1の4つの因子が、
    因子A:前記溶解ガラスのレベル、
    因子B:前記HFの濃度、
    因子C:前記第2の酸の濃度−前記第2の酸は強酸である、及び
    因子D:温度またはイオン強度を変えることで制御される前記沈殿の溶解度定数,Ksp、
    であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記第2の強酸がHCl及びHSOからなる群からなることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. エッチングされる前記ガラスが、イオン交換されている及びイオン交換されていない、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス及びアルミノホウケイ酸ガラスからなる群から選ばれる、酸化物ガラスであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. エッチングされる前記ガラスが、金属元素の中でもとりわけ、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム、ジルコニウム、鉄及びチタンからなる群から選ばれる少なくとも1つの金属を含む、酸化物ガラスであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  6. 前記エッチングプロセスが20℃から35℃の範囲にある温度で実施されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記エッチャント槽内の遊離プロトン濃度が、1.0Mから4Mの範囲にあるHF濃度に対して0.5Mから5.0Mの範囲に維持され、前記第2の強酸が、HCl、HClO,HNO及びHSOからなる群から選ばれることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の方法。
  8. HFと、HCl、HClO,HNO及びHSOからなる群から選ばれる、強酸の酸混合液を含む酸性ガラスエッチング溶液において、前記溶液が15℃から40℃の範囲内の温度にあり、
    エッチャント槽内の遊離プロトン濃度が、前記選ばれた強酸がHCl、HNOまたはHClOである場合に、1.0Mから3.5Mの範囲にあるHF濃度に対して、0.5Mから6.0Mの範囲に維持される、及び
    エッチャント槽内の遊離プロトン濃度が、前記選ばれた強酸がHSOである場合に、1.0Mから4Mの範囲にあるHF濃度に対して、0.5Mから5.0Mの範囲に維持される、及び
    前記溶液内の溶解ガラスが7g/Lより少ない、
    ことを特徴とする溶液。
  9. 前記溶液内の前記溶解ガラスが4g/Lより少ないことを特徴とする請求項8に記載の溶液。
  10. 20℃から35℃の範囲にある温度においてエッチングプロセスが実施されることを特徴とする請求項8または9に記載の溶液。
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