JPH07215736A - ガラス体表面の化学的研磨法 - Google Patents

ガラス体表面の化学的研磨法

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JPH07215736A
JPH07215736A JP942294A JP942294A JPH07215736A JP H07215736 A JPH07215736 A JP H07215736A JP 942294 A JP942294 A JP 942294A JP 942294 A JP942294 A JP 942294A JP H07215736 A JPH07215736 A JP H07215736A
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glass body
glass
weight ratio
hno
mixed acid
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JP942294A
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Reikou Chiyou
黎紅 張
Toshiharu Yamashita
俊晴 山下
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Hoya Corp
Original Assignee
Hoya Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C15/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by etching
    • C03C15/02Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by etching for making a smooth surface

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  • Materials Engineering (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面精度に優れたガラス体を複雑な装置を用
いることなく簡便に得ることができるガラス体表面の研
磨方法を提供する。 【構成】 フッ化水素酸(HF)と硝酸(HNO3 )と
からなり、HF/HNO3 の重量比が0.08/1〜1
5/1であり、混酸の濃度が0.01〜4.0wt%であ
る混酸水溶液を含む処理液を、ガラス体の表面と動的接
触させることを特徴とするガラス体表面の化学的研磨
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はガラス体表面の化学的研
磨法に関するものである。本発明の方法はガラスの表面
潜傷の除去、表面光滑度の向上およびガラス表面加飾な
どの分野に利用される。
【0002】
【従来の技術】例えば、光ファイバのプリフォームに用
いられている鉛ガラスの円柱体は一般的には機械加工法
や押出成形法等の加工方法により作製されているが、い
ずれの加工方法においても、ガラスの表面に潜在的な傷
や、欠陥等が付与されることが避けられず、このように
加工された鉛ガラスの円柱体を光ファイバ用プリフォー
ムとして用いた場合、線引きにより得られた光ファイバ
の強度が低くなるという問題があった。
【0003】そこで、プリフォームの表面に化学的処理
を施すことにより潜傷を除去し、光ファイバの強度を向
上することが考えられている。このような化学的表面処
理方法を提案したものとして、特開平5−270863
号公報(以下従来技術1という)に記載された方法があ
り、この方法は、HF水溶液中にガラス体を浸漬し、こ
の浸漬によりガラス体の表面からHF水溶液中に溶出し
たガラス体の体積を、ガラス体の重量を測定することに
より求め、ガラス体の表面状態を判断し、ガラス体の重
量が指示された状態になったときにガラス体をHF水溶
液から引き上げるというものである。
【0004】また、特開平3−126631号公報(以
下従来技術2という)には、プリフォームの化学的処理
を行う際、HF単独、またはHFとHNO3 の混酸を処
理液として用い、その濃度を3〜10wt%にすることが
好ましいと記載されている。
【0005】さらに、鉛ガラスの表面化学的処理液とし
て、HF濃度の高いもの(例えば10〜50wt%)が好
ましく、HF単独よりはHF−HNO3 系の混合液が良
いということが近代編集社発行、大場洋一著「ガラス表
面設計」第346頁(以下従来技術3という)に記載さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記従来技術1
の方法は、HF水溶液中に浸漬されたガラス体の重量を
経時的に測定するための重量測定器およびHF水溶液の
比重を測定するための比重測定器とともに、前記重量測
定器と比重測定器からの測定信号を入力信号としてガラ
ス体の洗浄状態の判定とHF水溶液の交換時期の判定を
行なうための計算機などの複雑な装置が必要であり、簡
便性に欠けるという欠点がある。
【0007】次にガラス体が光ファイバ用多成分,高鉛
ガラスの化学的研磨について考えてみると、光ファイバ
用多成分,高鉛ガラスは比較的に酸に腐食されやすいも
のであり、従来技術2および3に記載されたような比較
的に高濃度のHF水溶液またはHF−HNO3 混酸水溶
液を用いると、ガラス中のSiO2 がPbOよりも早く
溶出除去され、表面にPbOリッチ層が形成されて表面
形状が崩れて、凹凸のある粗い表面しか得られないとい
う問題が生じる。またHNO3 の割合の多いHF−HN
3 混酸水溶液を用いると、PbOがSiO2 よりも早
く溶出除去され、表面にポーラスなSiO2 リッチ層が
形成されて黄色や青色などの光の干渉色が現われるとい
う問題がある。
【0008】また上述したように表面にPbOリッチ層
が形成されて、表面形状精度、表面粗さ精度が著しく劣
るガラス円柱体や、表面にSiO2 リッチ層が形成され
たガラス円柱体をプリフォームとして線引きして光ファ
イバを作製すると、機械的強度の低いものしか得られな
い。その理由は、(i) プリフォームとして用いたガラス
円柱体の表面状態が上記のように劣ると、ガラス円柱体
を線引きしたときに表面欠陥の多い光ファイバしか得ら
れず、(ii)また表面にSiO2 リッチ層が形成される
と、SiO2 とPbOの比率が表層部と内部とでずれを
起こし、その結果表層部と内部との間で粘性差が生じ、
これが原因となって光ファイバの表面に欠陥が発生する
からである。
【0009】本発明の目的は、表面精度に優れたガラス
体を複雑な装置を用いることなく簡便に得ることができ
るガラス体表面の化学的研磨法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に種々検討を加えた結果、下記の方法(1),(2)ま
たは(3)を採用することにより、表面精度に優れたガ
ラス体を複雑な装置を用いることなく簡便に得ることが
できることを見い出した。
【0011】(1).フッ化水素酸(HF)と硝酸(H
NO3 )とからなり、HF/HNO3 の重量比が0.0
8/1〜15/1であり、混酸の濃度が0.01〜4.
0wt%である混酸水溶液を含む処理液を、ガラス体の表
面と動的接触させることを特徴とするガラス体表面の化
学的研磨法。
【0012】(2).フッ化水素酸(HF)と酢酸(C
3 CO2 H)とからなり、HF/CH3 CO2 Hの重
量比が0.08/1〜12/1であり、混酸の濃度が
0.05〜4.0wt%である混酸水溶液を含む処理液
を、ガラス体の表面と動的接触させることを特徴とする
ガラス体表面の化学的研磨法。
【0013】(3).フッ化水素酸(HF)と硫酸(H
2 SO4 )とからなり、HF/H2SO4 の重量比が
0.08/1〜12/1であり、混酸の濃度が0.05
〜4.0wt%である混酸水溶液を含む処理液を、ガラス
体の表面と動的接触させることを特徴とするガラス体表
面の化学的研磨法。
【0014】以下本発明を詳しく説明する。
【0015】上記方法(1)はHFとHNO3 との混酸
水溶液を含む処理液を用い、ガラス体の表面を化学的に
処理するガラス体表面の化学的研磨法に係るものであ
り、混酸水溶液中のHF/HNO3 の重量比は0.08
/1〜15/1であり、混酸の濃度は0.01〜4.0
wt%に限定される。HF/HNO3 の重量比を0.08
/1〜15/1に限定する理由は、以下のとおりであ
る。HF/HNO3 の重量比が0.08/1よりも小さ
くなり、HFが少なくなってHNO3 が多くなると、ガ
ラス体表面の除去速度が著しく低くなり、またガラス体
の表面が、たとえば砂目状の粗さ(300〜500μ
m)のように著しく粗くなる。一方HF/HNO3 の重
量比が15/1よりも大きくなり、HNO3 が少なくな
ってHFが多くなると、ガラス体表面の除去速度は向上
するが、ガラス体の表面が、同様に砂目状の粗さのよう
に著しく粗くなるだけでなく、ガラス体の表面に沈殿物
の付着が見られる。これに対し、HF/HNO3 の重量
比が0.08/1〜15/1の範囲内にあると、(i) ガ
ラス体表面の除去速度が高い、(ii)ガラス体表面への沈
殿物の付着もない、(iii) ガラス体の表面の粗さが小さ
く表面精度に優れている、などの効果が得られるからで
ある。
【0016】後述の表1および図7からも明らかなよう
に、ガラス体の表面粗さを特に小さくし、表面精度の特
に優れたガラス体を得るためには、HF/HNO3 の重
量比は、0.1/1〜10/1が好ましく、さらにガラ
ス体の表面にSiO2 リッチ層の形成を抑えて干渉色の
発生を防止するためにはHF/HNO3 の重量比は、3
/1〜10/1が好ましい。
【0017】次に混酸水溶液中の混酸(HF−HN
3 )の濃度を0.01〜4.0wt%に限定する理由
は、0.01wt%未満ではガラス体表面の除去速度が小
さすぎ、一方4.0wt%を超えるとガラス体表面の除去
速度は高いが、ガラス体表面に沈殿物の付着が見られ、
またガラス体表面が著しく粗くなり、表面精度が劣るの
に対し、0.01〜4.0wt%の範囲にあると、ガラス
体表面の所望の除去速度が得られ、ガラス体表面に沈殿
物の付着も殆どなく、またガラス体表面の粗さも小さく
表面精度に優れたガラス体が得られるからである。
【0018】後述の表2からも明らかなようにガラス体
表面にSiO2 リッチ層の形成に伴なう干渉色の発生を
防止するためには、混酸の濃度は0.02〜2.5wt%
であるのが好ましい。
【0019】方法(1)は、上述のようにHFとHNO
3 とからなる混酸水溶液を含む処理液を用いるものであ
り、該処理液は、HF−HNO3 混酸水溶液とともに必
要に応じて他成分を包含することができる。このような
他成分として、酢酸、硫酸などの酸や、この種の化学研
磨処理液に通常用いられる薬剤などが挙げられる。
【0020】次に上記方法(2)について説明する。方
法(2)はHFとCH3 CO2 Hとの混酸水溶液を含む
処理液を用い、ガラス体の表面を化学的に処理するガラ
ス体表面の化学的研磨法に係るものであり、混酸水溶液
中のHF/CH3 CO2 Hの重量比は0.08/1〜1
2/1であり、混酸の濃度は0.05〜4.0wt%に限
定される。HF/CH3 CO2 Hの重量比を0.08/
1〜12/1に限定する理由は、以下のとおりである。
HF/CH3 CO2 Hの重量比が0.08/1よりも小
さくなり、HFが少なくなってCH3 CO2 Hが多くな
ると、ガラス表面の除去速度が低く、またガラス表面が
著しく粗くなるだけでなく、沈殿物の付着が見られる。
またHF/CH3 CO2 Hの重量比が12/1よりも大
きくなり、CH3 CO2 Hが少なくなってHFが多くな
っても、HF/CH3 CO2 Hの重量比が0.08/1
よりも小さい場合と同様の現象が見られる。これに対
し、HF/CH3 CO2 Hの重量比が0.08/1〜1
2/1の範囲内にあると、(i) ガラス体表面の除去速度
が高い、(ii)ガラス体表面への沈殿物の付着もない、(i
ii) ガラス体の表面の粗さが小さく表面精度に優れてい
る、などの効果が得られるからである。
【0021】次に混酸水溶液中の混酸(HF−CH3
2 H)の濃度を0.05〜4.0wt%に限定する理由
は、0.05wt%未満ではガラス体表面の除去速度が小
さすぎ、一方4.0wt%を超えてもガラス体表面の除去
速度が低く、またガラス体表面に沈殿物の付着が見ら
れ、またガラス体表面が著しく粗くなり、表面精度が劣
るのに対し、0.05〜4.0wt%の範囲にあると、ガ
ラス体表面の所望の除去速度が得られ、ガラス体表面に
沈殿物の付着もなく、またガラス体表面の粗さも小さく
表面精度に優れたガラス体が得られるからである。
【0022】方法(2)は、上述のようにHFとCH3
CO2 Hとからなる混酸水溶液を含む処理液を用いるも
のであるので、該処理液は、HF−CH3 CO2 H混酸
水溶液とともに、必要に応じて他成分を包含することが
できる。このような他成分として、硝酸、硫酸などの酸
や、この種の化学研磨処理液に通常用いられる薬剤など
が挙げられる。
【0023】次に上記方法(3)について説明すると、
方法(3)はHFとH2 SO4 との混酸水溶液を含む処
理液を用い、ガラス体の表面を化学的に処理するガラス
体表面の化学的研磨法に係るものであり、混酸水溶液中
のHF/H2 SO4 の重量比は0.08/1〜12/1
であり、混酸の濃度は0.05〜4.0wt%に限定され
る。HF/H2 SO4 の重量比を0.08/1〜12/
1に限定する理由は、以下のとおりである。HF/H2
SO4 の重量比が0.08/1よりも小さくなり、HF
が少なくなってH2 SO4 が多くなると、ガラス体表面
の除去速度が著しく低くなり、またガラス体の表面が、
著しく粗くなる。一方HF/H2 SO4の重量比が12
/1よりも大きくなり、H2 SO4 が少なくなってHF
が多くなると、ガラス体表面の除去速度は向上するが、
ガラス体の表面が、同様に著しく粗くなるだけでなく、
ガラス体の表面に沈殿物の付着が見られる。これに対
し、HF/H2 SO4 の重量比が0.08/1〜12/
1の範囲内にあると、(i) ガラス体表面の除去速度が高
い、(ii)ガラス体表面への沈殿物の付着もない、(iii)
ガラス体の表面の粗さが小さく表面精度に優れている、
などの効果が得られるからである。
【0024】次に混酸水溶液中の混酸(HF−H2 SO
4 )の濃度を0.05〜4.0wt%に限定する理由は、
0.05wt%未満ではガラス体表面の除去速度が小さす
ぎ、一方4.0wt%を超えるとガラス体表面の除去速度
は高いが、ガラス体表面に沈殿物の付着が見られ、また
ガラス体表面が著しく粗くなり、表面精度が劣るのに対
し、0.05〜4.0wt%の範囲にあると、ガラス体表
面の所望の除去速度が得られ、ガラス体表面に沈殿物の
付着も殆どなく、またガラス体表面の粗さも小さく表面
精度に優れたガラス体が得られるからである。
【0025】方法(3)は、上述のようにHFとH2
4 とからなる混酸水溶液を含む処理液を用いるもので
あるので、該処理液は、HF−H2 SO4 混酸水溶液と
ともに、必要に応じて他成分を包含することができる。
このような他成分として、硝酸、硫酸などの酸や、この
種の化学的研磨処理液に通常用いられる薬剤などが挙げ
られる。
【0026】本発明の方法(1),(2)および(3)
においては、上記の如き混酸水溶液を含む処理液をガラ
ス体の表面と動的接触させることをも要件とする。
【0027】動的接触とは、ガラス体を処理液中に浸漬
して静的に接触させる以外の全ての接触態様を含むもの
であるが、具体例として以下の態様がある。
【0028】(i) 処理液とガラス体とを接触させた状態
でガラス体を自転させながら、少なくともガラス体の回
転方向に沿ってガラス体の表面に処理液を供給する。
【0029】(ii)容器に収納した処理液にガラス体を接
触させ、回転子、超音波等の撹拌手段で処理液を撹拌す
る。
【0030】(iii) 処理液を収納した容器にガラス体を
浸漬し、容器全体を回転、上下動等により振とうする。
【0031】静的接触ではガラス体表面に接触している
処理液は交換されることなく常にその場に留まるのに対
し、本発明における動的接触によれば、ガラス体表面に
おいて処理液の交換が常に行なわれるため、ガラス表面
が均一に除去され、表面精度の優れたガラス体を得るこ
とができる。
【0032】本発明の上記方法(1),(2)および
(3)が適用されるガラス体としては、30〜80wt%
のPbOと10〜50wt%のSiO2 とを少なくとも含
む鉛ガラスが好ましく、特にPbO含有量が45wt%以
上の高鉛ガラスが特に好ましい。その理由は、これらの
鉛ガラスの場合、表面処理速度が高く、また処理後の表
面精度も特に優れたものになるからである。しかしSi
2 を含有するランタン系ガラスやほう酸系ガラスを用
いることもできる。
【0033】またガラス体の形状はあらゆる形状であっ
てよく、円柱状、ディスク状、板状、球状などが挙げら
れる。
【0034】本発明の方法は、被処理ガラス体として、
光ファイバ形成用のプリフォームガラスを用い、これを
化学的に研磨するために特に好ましく用いられる。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明について更に詳細
に説明する。
【0036】(実施例1)図1は鉛ガラス円柱体側面の
化学的処理を実施するための装置の概要を示す図であ
る。以下、この図面を参照しながら実施例1のガラス体
の化学的研磨法を説明する。
【0037】図1において、符号10はHF−HNO3
系混酸液、符号11は被処理鉛ガラス円柱体、符号12
は容器(メスシリンダ)、符号13は回転子、符号14
はマグネチックスターラー、符号15はモータ、符号1
6は速度調節器である。
【0038】被処理ガラス体11の一端部と側面のほぼ
全体を混酸液10の中に浸漬するように、ガラス体11
の他端部をモータと連結する速度調節器16の主軸に固
定し、モータの駆動により回転できるようにした。速度
調節器16でガラス体11の回転速度を50〜1200
rpmの間に調節した。
【0039】容器12の中に入っている混酸液10を撹
拌するために、この容器12の真下にあるマグネチック
スターラー14により、容器12の底部にある回転子1
3を回転させた。回転速度は30〜1000rpmの間
に調節した。
【0040】被処理鉛ガラス材料として、多成分、高鉛
ガラス(組成:PbO;75wt%,SiO2 ;24wt
%,Na2 O+K2 O;1.0wt%)を用い、光ファイ
バのプリフォームとなる鉛ガラス円柱体11を化学的に
研磨した例を説明する。
【0041】図1に示す装置を用いて、濃度2wt%、H
F/HNO3 の重量比=4/1のHF−HNO3 の混合
水溶液からなる処理液を300ml用い、500rpm
の回転速度の回転子で処理液を撹拌しておく。
【0042】次に直径12mm、長さ120mmの表面
機械研磨後の高鉛ガラス円柱体11を上記の混酸液10
に浸漬し、200rpmで回転させながら化学的研磨を
約10分間行った。
【0043】機械研磨後で化学的研磨前の鉛ガラス円柱
体の表面について、光学顕微鏡により観察したところ、
砂目の残る表面であったが、鉛ガラス円柱体を上述のよ
うに化学的研磨した後、表面について光学顕微鏡で観察
したところ、表面砂目が完全に除去されて、沈殿物(P
bOと硝酸との反応生成物)の付着もなく、光の干渉色
もほとんど観察されなかった。また化学的研磨後の表面
について粗さを測定したところ、表1に示したとおり、
平均粗さが3.8nm、最大粗さが106.0nmであ
った。ガラス体表面の除去速度も速く、約5.1μm/
minあった。
【0044】また、機械的研磨のみを行なった鉛ガラス
円柱体と、本実施例により化学的研磨をも行なった鉛ガ
ラス円柱体とをそれぞれ用いて線引きされた、直径12
5μmの光ファイバについて引張強さを調べた結果を図
2に示す。図中の横軸はファイバの引張強さを、縦軸は
累積確率を示す。機械的研磨のみの円柱体を用いたファ
イバの平均引張強さが0.35GPaであるのに対し
て、本実施例により化学的研磨をも行なった円柱体を用
いたファイバの平均引張強さは0.53GPaであり、
前者より後者の方が光ファイバの引張強さが0.18G
Paも向上したことがわかった。
【0045】(実施例2)混合液中のHFとHNO3
重量比を変えて、実施例1と同じ装置で同条件で、押出
成形により得られた直径12mm、長さ120mmの鉛
ガラス円柱体について化学的研磨を施した。この時のH
F/HNO3 の重量比は、5.7/1であった。
【0046】光学顕微鏡により観察したところ、化学的
研磨前の押出成形品の表面には、ガラスと金型とのすり
傷が残っていたが、化学的研磨を施した後の表面はすり
傷が完全に取れたきれいな表面となっていた。また、表
1に示すように、表面に光干渉色と沈殿物の付着がな
く、ガラス表面の除去速度も高く、約6.0μm/mi
nであった。ガラス体の処理面についての粗さ検査結果
は最大表面粗さが98.4nm、平均粗さが5.6nm
であり、満足すべき結果が得られた。
【0047】また、押出成形後の鉛ガラス体とそれに化
学的研磨を施したものをそれぞれプリフォームとして線
引きされた、φ125μmの光ファイバの引張強さにつ
いて調査した結果を図3に示す。押出成形品を用いて得
た光ファイバの平均引張強さが0.29GPaであるの
に対して、化学的研磨後のものを用いて得た光ファイバ
の平均引張強さは0.55GPaであり、0.26GP
aの向上が認められた。
【0048】以下に、HFとHNO3 との重量比を変え
たこと以外は、実施例1と同様に行なった実施例3,実
施例4,実施例5,実施例6および実施例7の実験結果
を示す。
【0049】(実施例3)HF/HNO3 の重量比を1
/1にした化学的研磨処理の結果は、表1に示すよう
に、表面の最大粗さと平均粗さがそれぞれ46.2nm
と2.0nmであって、実施例1および実施例2よりも
優れた表面精度を示した。ガラス表面の除去速度は約
2.0μm/minであった。本実施例においては、表
面に黄色の干渉色が観察され、この表面についてESC
A検査したところ、表面に0.36μmのSiO2 リッ
チ層が形成されていることが判った。
【0050】(実施例4)HF/HNO3 の重量比を
2.3/1にした化学的研磨処理の結果は、表1に示す
ように、沈殿物の付着もなく、表面の最大粗さと平均粗
さがそれぞれ20.3nmと2.6nmであって、満足
すべき結果が得られた。ガラス表面の除去速度は5.1
μm/minであった。表面に浅青色に呈する干渉色が
あり、表面SiO2 リッチ層の厚みは約0.11μmで
あった。
【0051】(実施例5)HF/HNO3 の重量比を
0.1/1にした化学的研磨処理の結果は、表1に示す
ように、沈殿物の付着もなく、また、表面の最大粗さと
平均粗さがそれぞれ26.4nmと0.9nmであっ
て、満足すべき結果が得られた。ガラス表面の除去速度
は1.0μm/minであった。表面に緑色を呈する干
渉色が見られ、表面に厚み約0.27μmのSiO2
ッチ層が形成されていた。
【0052】(実施例6)HF/HNO3 の重量比を
0.4/1にした化学的研磨処理の結果は、表1に示す
ように、沈殿物の付着もなく、表面の最大粗さと平均粗
さがそれぞれ64.1nmと1.1nmであって、満足
すべき結果が得られた。ガラス表面の除去速度は1.8
μm/minであった。表面に紫色の干渉色が観察さ
れ、表面SiO2 リッチ層の厚みは約0.17μmであ
った。
【0053】(実施例7)HF/HNO3 の重量比を1
2.3/1にした化学的研磨処理の結果は、表1に示す
ように、沈殿物の付着もなく、表面の最大粗さと平均粗
さがそれぞれ146.2nmと9.0nmであって、最
大粗さおよび平均粗さともに比較的高くなっているた
め、このHF/HNO3 の重量比は限界条件に近いもの
である。ガラス表面の除去速度は4.0μm/minで
あった。表面に青色の干渉色があり、SiO2 リッチ層
の厚さは約0.17μmであった。
【0054】以下の実施例8と実施例9においては、φ
35mm、厚み1mmのディスク状の鉛ガラスについて
化学的研磨処理を10分ほど施した。液の撹拌速度を8
00rpm、鉛ガラス体の回転速度を500rpmにし
て、HF/HNO3 の重量比を変えたほかは、実施例1
と同条件であった。
【0055】(実施例8)HF/HNO3 の重量比を
1.9/1にした鉛ガラスディスクの化学的研磨処理の
結果を表1に示す。表1に示すように、沈殿物の付着は
認められなかった。また、表面の最大粗さと平均粗さが
それぞれ48.2nmと2.3nmであって、満足すべ
き値を示した。また、ガラス表面の除去速度は2.5μ
m/minであった。この実施例により、被処理面が側
壁面のみならず平面でも、同様な処理が可能であること
が判った。なお表面に青色の干渉色が見られ、SiO2
リッチ層の厚さは約0.17μmであった。
【0056】(実施例9)HF/HNO3 の重量比を9
/1にした鉛ガラスディスクの化学的研磨処理の結果
は、表1に示すように、表面に沈殿物の付着および干渉
色の発生がなかった。表面の最大粗さと平均粗さがそれ
ぞれ79.5nmと10.7nmであって、比較的に高
い値を示した。また、表面ガラスの除去速度は5.5μ
m/minであった。
【0057】(比較例1〜比較例4)HF/HNO3
重量比を0.05/1,2/0,0/2,19/1にし
た以外は実施例1と同様にして化学的研磨を行なった
が、表1に示すように、良好な表面が得られなかった。
従ってこれらの処理条件、特にHF/HNO3 の重量比
が不適であることが分かった。
【0058】上記の実施例1〜9および比較例1〜4の
実験結果をまとめると、図6と図´に示す傾向が見られ
た。
【0059】図4にHF/HNO3 の重量比とガラス表
面の除去速度との関係を示す。この図において、HF/
HNO3 の重量比を増していくと、ガラス表面の除去速
度が向上して行き、HF/HNO3 の重量比が4/1お
よびその近傍の場合に、ガラス表面の除去速度が最も速
かった。またHF/HNO3 の重量比が15/1を超え
るとガラス表面の除去速度が急に落ちることが明らかで
ある。
【0060】図5はHF/HNO3 の重量比と表面粗さ
との関係を示したものである。この図において、HF/
HNO3 の重量比が0.1/1のとき表面粗さの値が特
に低く優れており、HF/HNO3 の重量比が0.1/
1から4/1に行くに従って表面粗さは微増するが満足
すべき値であり、またHF/HNO3 の重量比が4/1
から9/1になると表面粗さは増加するが、それでもH
F/HNO3 の重量比が19/1の比較例4における表
面状態(表1より明らかなように表面が粗すぎてESC
Aによる測定不能)よりも優れていることが明らかであ
る。
【0061】
【表1】
【0062】上記実施例1〜9および比較例1〜4の結
果を示す表1、図4および5から明らかなように、ガラ
ス表面の除去速度、ガラス体の表面精度、沈殿物が付着
しないことに着目した場合、HF/HNO3 の重量比は
0.08/1〜15/1に限定される。またガラス体の
表面精度をさらに向上させたい場合はHF/HNO3
重量比は0.1/1〜10/1がより好ましく、さらに
干渉色の発生を抑えたい場合にはHF/HNO3 の重量
比は3/1〜10/1が好ましいことが明らかとなっ
た。
【0063】(実施例10〜15)本実施例10〜15
においては、φ3mm、長さ120mmの鉛ガラス円柱
体を用い、HF/HNO3 の重量比を5.67/1と一
定にし、HF−HNO3 系混酸の濃度を0.02〜3.
5wt%の範囲で7水準変化させた以外は実施例1と同様
にして鉛ガラス円柱体の化学的研磨処理を行なった。
【0064】その結果は表2に示すように、混酸の濃度
が0.02〜3.5wt%の実施例10〜15では、ガラ
ス表面の除去速度が高く、ガラス体の表面精度に優れて
いた。
【0065】また混酸濃度が0.02〜2.0wt%の実
施例10〜14では、沈殿物の付着や干渉色の発生がな
く、特に優れていた。
【0066】(比較例5〜7)混酸の濃度を5.0〜2
0wt%の範囲で3水準変化させた以外は実施例10〜1
5と同様にして鉛ガラス円柱体の化学的研磨処理を行な
った。その結果は表2に示すように、ガラス表面に干渉
色と沈殿物の付着が現われるとともに、表面粗さ精度も
低下するため、混酸の濃度が適切でないことが判った。
【0067】
【表2】
【0068】上記実施例10〜15および比較例5〜7
の結果を示す表2の結果から明らかなように、ガラス体
の表面精度に着目した場合、混酸(HF−HNO3 )の
濃度は0.01〜4.0wt%に限定され、沈殿物の付着
および干渉色の発生をも防止するためには混酸の濃度は
0.02〜2.5wt%が好ましいことが明らかである。
(実施例16〜20および比較例8〜9)HFとCH
3 CO2 Hとからなり、混酸濃度2wt%の混酸水溶液を
用い、HF/CH3 CO2 Hの重量比が0.05/1〜
19/1に亘って7水準変動させた以外は実施例1と同
様にガラス体の化学的研磨処理を行なった。表3にその
結果を示す。
【0069】
【表3】
【0070】表3より、HF/CH3 CO2 Hの重量比
が0.11/1〜9/1である実施例16〜20におい
ては、ガラス表面の除去速度が高く、またガラス表面に
沈殿物の付着がなく、表面精度に優れているのに対し、
HF/CH3 CO2 Hの重量比が0.05/1および1
9/1の比較例8および9においては、ガラス表面の除
去速度が低く、またガラス表面に沈殿物の付着が見ら
れ、かつガラスの表面精度が劣る。
【0071】従って本発明においてHF/CH3 CO2
Hの重量比を0.08/1〜12/1に数値限定した臨
界性が示された。
【0072】(実施例21〜25および比較例10〜1
1)HF/CH3 CO2 Hの重量比が1/1である混酸
水溶液を用い、混酸の濃度を0.1〜20wt%に亘って
7水準変動させた以外は実施例1と同様にガラス体の化
学的研磨処理を行なった。表4にその結果を示す。
【0073】
【表4】
【0074】表4より、混酸濃度が0.1〜3.5wt%
である実施例21〜25においては、沈殿物の付着がな
く、ガラスの表面精度も高く、またガラス表面の除去速
度が高いのに対し、混酸濃度が10.0wt%、20.0
wt%の比較例10、11では沈殿物の付着があり、また
ガラスの表面精度が劣り、かつガラス表面の除去速度も
低いことが明らかである。従って本発明においてHF−
CH3 CO2 H系混酸水溶液中の混酸濃度を0.05〜
4wt%に数値限定した臨界性が示された。
【0075】(実施例26〜30および比較例12〜1
3)HFとH2 SO4 とからなる混酸濃度2wt%の混酸
水溶液を用い、HF/H2SO4 の重量比を0.05/
1〜19/1に亘って7水準変動させた以外は実施例1
と同様にガラス体の化学的研磨処理を行なった。表5に
その結果を示す。
【0076】
【表5】
【0077】表5より、HF/H2 SO4 の重量比が
0.11/1〜9/1である実施例26〜30において
は、沈殿物の付着がなく、ガラス表面精度も高く、また
ガラス表面の除去速度も高いのに対し、HF/H2 SO
4 の重量比が0.05/1の比較例12では、沈殿物の
付着は認められないが、ガラスの表面精度、ガラスの除
去速度共に低く、HF/H2 SO4 の重量比が19/1
の比較例13では、ガラスの除去速度は高いが、沈殿物
の付着があり、ガラスの表面精度も低いことが明らかで
ある。従ってこの結果から、HF/H2 SO4 の重量比
を0.08/1〜12/1に数値限定した臨界性が示さ
れた。
【0078】(実施例31〜35および比較例14〜1
5)HF/H2 SO4 の重量比が1/1である混酸水溶
液を用い、混酸の濃度を0.1〜20wt%に亘って7水
準変動させた以外は実施例1と同様にガラス体の化学的
研磨処理を行なった。表6にその結果を示す。
【0079】
【表6】
【0080】表6より、混酸濃度が0.1〜3.5wt%
である実施例31〜35においては、沈殿物の付着がな
く、ガラスの表面精度も高く、またガラス表面の除去速
度が高いのに対し、混酸濃度が10wt%、20wt%の比
較例14、15では沈殿物の付着が認められ、ガラスの
表面精度も低いことが明らかである。この結果から、H
F−H2 SO4 混酸濃度を0.05〜4wt%に数値限定
した臨界性が示された。
【0081】(実施例36〜38)HF−HNO3 混酸
水溶液にCH3 CO2 Hを加えた処理液を用いてガラス
体の化学的研磨処理を行なった。表7に処理条件(但
し、表7に示されていない条件は実施例1と同様であ
る)および処理結果を示す。
【0082】
【表7】
【0083】表7より明らかなように、HF−HNO3
混酸水溶液にCH3 CO2 Hを加えた処理液を用いた場
合にも沈殿物の付着がなく、表面精度も高いガラス体が
得られた。またHF−HNO3 にCH3 CO2 Hの混合
により、エッチング速度の向上が認められた。
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、表面精度に優れたガラ
ス体を複雑な装置を用いることなく簡便に得ることがで
きるガラス体表面の化学的研磨法が提供された。
【図面の簡単な説明】
【図1】鉛ガラス円柱体の側壁面の化学的処理に用いた
装置の概要図
【図2】光ファイバの引張強さに及ぼすプリフォーム表
面状態の影響を示す図(化学的研磨面と機械的研磨面と
の比較図)
【図3】光ファイバの引張強さに及ぼすプリフォーム表
面状態の影響を示す図(化学的研磨面と押出成形面との
比較図)
【図4】鉛ガラスの除去速度に及ぼすHF/HNO3
重量比の影響を示す図
【図5】化学的処理後の鉛ガラス表面粗さに及ぼすHF
/HNO3 の重量比の影響を示す図
【符号の説明】
10 HF−HNO3 系混酸液 11 鉛ガラス円柱体 12 容器 13 テフロン回転子 14 マグネチックスターラー 15 モータ 16 速度調節器
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年2月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ガラス体表面の化学的研磨法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はガラス体表面の化学的研
磨法に関するものである。本発明の方法はガラスの表面
潜傷の除去、表面光滑度の向上およびガラス表面加飾な
どの分野に利用される。
【0002】
【従来の技術】例えば、光ファイバのプリフォームに用
いられている鉛ガラスの円柱体は一般的には機械加工法
や押出成形法等の加工方法により作製されているが、い
ずれの加工方法においても、ガラスの表面に潜在的な傷
や、欠陥等が付与されることが避けられず、このように
加工された鉛ガラスの円柱体を光ファイバ用プリフォー
ムとして用いた場合、線引きにより得られた光ファイバ
の強度が低くなるという問題があった。
【0003】そこで、プリフォームの表面に化学的処理
を施すことにより潜傷を除去し、光ファイバの強度を向
上することが考えられている。このような化学的表面処
理方法を提案したものとして、特開平5−270863
号公報(以下従来技術1という)に記載された方法があ
り、この方法は、HF水溶液中にガラス体を浸漬し、こ
の浸漬によりガラス体の表面からHF水溶液中に溶出し
たガラス体の体積を、ガラス体の重量を測定することに
より求め、ガラス体の表面状態を判断し、ガラス体の重
量が指示された状態になったときにガラス体をHF水溶
液から引き上げるというものである。
【0004】また、特開平3−126631号公報(以
下従来技術2という)には、プリフォームの化学的処理
を行う際、HF単独、またはHFとHNO3 の混酸を処
理液として用い、その濃度を3〜10wt%にすることが
好ましいと記載されている。
【0005】さらに、鉛ガラスの表面化学的処理液とし
て、HF濃度の高いもの(例えば10〜50wt%)が好
ましく、HF単独よりはHF−HNO3 系の混合液が良
いということが近代編集社発行、大場洋一著「ガラス表
面設計」第346頁(以下従来技術3という)に記載さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記従来技術1
の方法は、HF水溶液中に浸漬されたガラス体の重量を
経時的に測定するための重量測定器およびHF水溶液の
比重を測定するための比重測定器とともに、前記重量測
定器と比重測定器からの測定信号を入力信号としてガラ
ス体の洗浄状態の判定とHF水溶液の交換時期の判定を
行なうための計算機などの複雑な装置が必要であり、簡
便性に欠けるという欠点がある。
【0007】次にガラス体が光ファイバ用多成分,高鉛
ガラスの化学的研磨について考えてみると、光ファイバ
用多成分,高鉛ガラスは比較的に酸に腐食されやすいも
のであり、従来技術2および3に記載されたような比較
的に高濃度のHF水溶液またはHF−HNO3 混酸水溶
液を用いると、ガラス中のSiO2 がPbOよりも早く
溶出除去され、表面にPbOリッチ層が形成されて表面
形状が崩れて、凹凸のある粗い表面しか得られないとい
う問題が生じる。またHNO3 の割合の多いHF−HN
3 混酸水溶液を用いると、PbOがSiO2 よりも早
く溶出除去され、表面にポーラスなSiO2 リッチ層が
形成されて黄色や青色などの光の干渉色が現われるとい
う問題がある。
【0008】また上述したように表面にPbOリッチ層
が形成されて、表面形状精度、表面粗さ精度が著しく劣
るガラス円柱体や、表面にSiO2 リッチ層が形成され
たガラス円柱体をプリフォームとして線引きして光ファ
イバを作製すると、機械的強度の低いものしか得られな
い。その理由は、(i) プリフォームとして用いたガラス
円柱体の表面状態が上記のように劣ると、ガラス円柱体
を線引きしたときに表面欠陥の多い光ファイバしか得ら
れず、(ii)また表面にSiO2 リッチ層が形成される
と、SiO2 とPbOの比率が表層部と内部とでずれを
起こし、その結果表層部と内部との間で粘性差が生じ、
これが原因となって光ファイバの表面に欠陥が発生する
からである。
【0009】本発明の目的は、表面精度に優れたガラス
体を複雑な装置を用いることなく簡便に得ることができ
るガラス体表面の化学的研磨法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に種々検討を加えた結果、下記の方法(1),(2)ま
たは(3)を採用することにより、表面精度に優れたガ
ラス体を複雑な装置を用いることなく簡便に得ることが
できることを見い出した。
【0011】(1).フッ化水素酸(HF)と硝酸(H
NO3 )とからなり、HF/HNO3 の重量比が0.0
8/1〜15/1であり、混酸の濃度が0.01〜4.
0wt%である混酸水溶液を含む処理液を、ガラス体の表
面と動的接触させることを特徴とするガラス体表面の化
学的研磨法。
【0012】(2).フッ化水素酸(HF)と酢酸(C
3 CO2 H)とからなり、HF/CH3 CO2 Hの重
量比が0.08/1〜12/1であり、混酸の濃度が
0.05〜4.0wt%である混酸水溶液を含む処理液
を、ガラス体の表面と動的接触させることを特徴とする
ガラス体表面の化学的研磨法。
【0013】(3).フッ化水素酸(HF)と硫酸(H
2 SO4 )とからなり、HF/H2SO4 の重量比が
0.08/1〜12/1であり、混酸の濃度が0.05
〜4.0wt%である混酸水溶液を含む処理液を、ガラス
体の表面と動的接触させることを特徴とするガラス体表
面の化学的研磨法。
【0014】以下本発明を詳しく説明する。
【0015】上記方法(1)はHFとHNO3 との混酸
水溶液を含む処理液を用い、ガラス体の表面を化学的に
処理するガラス体表面の化学的研磨法に係るものであ
り、混酸水溶液中のHF/HNO3 の重量比は0.08
/1〜15/1であり、混酸の濃度は0.01〜4.0
wt%に限定される。HF/HNO3 の重量比を0.08
/1〜15/1に限定する理由は、以下のとおりであ
る。HF/HNO3 の重量比が0.08/1よりも小さ
くなり、HFが少なくなってHNO3 が多くなると、ガ
ラス体表面の除去速度が著しく低くなり、またガラス体
の表面が、たとえば砂目状の粗さ(300〜500μ
m)のように著しく粗くなる。一方HF/HNO3 の重
量比が15/1よりも大きくなり、HNO3 が少なくな
ってHFが多くなると、ガラス体表面の除去速度は向上
するが、ガラス体の表面が、同様に砂目状の粗さのよう
に著しく粗くなるだけでなく、ガラス体の表面に沈殿物
の付着が見られる。これに対し、HF/HNO3 の重量
比が0.08/1〜15/1の範囲内にあると、(i) ガ
ラス体表面の除去速度が高い、(ii)ガラス体表面への沈
殿物の付着もない、(iii) ガラス体の表面の粗さが小さ
く表面精度に優れている、などの効果が得られるからで
ある。
【0016】後述の表1および図7からも明らかなよう
に、ガラス体の表面粗さを特に小さくし、表面精度の特
に優れたガラス体を得るためには、HF/HNO3 の重
量比は、0.1/1〜10/1が好ましく、さらにガラ
ス体の表面にSiO2 リッチ層の形成を抑えて干渉色の
発生を防止するためにはHF/HNO3 の重量比は、3
/1〜10/1が好ましい。
【0017】次に混酸水溶液中の混酸(HF−HN
3 )の濃度を0.01〜4.0wt%に限定する理由
は、0.01wt%未満ではガラス体表面の除去速度が小
さすぎ、一方4.0wt%を超えるとガラス体表面の除去
速度は高いが、ガラス体表面に沈殿物の付着が見られ、
またガラス体表面が著しく粗くなり、表面精度が劣るの
に対し、0.01〜4.0wt%の範囲にあると、ガラス
体表面の所望の除去速度が得られ、ガラス体表面に沈殿
物の付着も殆どなく、またガラス体表面の粗さも小さく
表面精度に優れたガラス体が得られるからである。
【0018】後述の表2からも明らかなようにガラス体
表面にSiO2 リッチ層の形成に伴なう干渉色の発生を
防止するためには、混酸の濃度は0.02〜2.5wt%
であるのが好ましい。
【0019】方法(1)は、上述のようにHFとHNO
3 とからなる混酸水溶液を含む処理液を用いるものであ
り、該処理液は、HF−HNO3 混酸水溶液とともに必
要に応じて他成分を包含することができる。このような
他成分として、酢酸、硫酸などの酸や、この種の化学研
磨処理液に通常用いられる薬剤などが挙げられる。
【0020】次に上記方法(2)について説明する。方
法(2)はHFとCH3 CO2 Hとの混酸水溶液を含む
処理液を用い、ガラス体の表面を化学的に処理するガラ
ス体表面の化学的研磨法に係るものであり、混酸水溶液
中のHF/CH3 CO2 Hの重量比は0.08/1〜1
2/1であり、混酸の濃度は0.05〜4.0wt%に限
定される。HF/CH3 CO2 Hの重量比を0.08/
1〜12/1に限定する理由は、以下のとおりである。
HF/CH3 CO2 Hの重量比が0.08/1よりも小
さくなり、HFが少なくなってCH3 CO2 Hが多くな
ると、ガラス表面の除去速度が低く、またガラス表面が
著しく粗くなるだけでなく、沈殿物の付着が見られる。
またHF/CH3 CO2 Hの重量比が12/1よりも大
きくなり、CH3 CO2 Hが少なくなってHFが多くな
っても、HF/CH3 CO2 Hの重量比が0.08/1
よりも小さい場合と同様の現象が見られる。これに対
し、HF/CH3 CO2 Hの重量比が0.08/1〜1
2/1の範囲内にあると、(i) ガラス体表面の除去速度
が高い、(ii)ガラス体表面への沈殿物の付着もない、(i
ii) ガラス体の表面の粗さが小さく表面精度に優れてい
る、などの効果が得られるからである。
【0021】次に混酸水溶液中の混酸(HF−CH3
2 H)の濃度を0.05〜4.0wt%に限定する理由
は、0.05wt%未満ではガラス体表面の除去速度が小
さすぎ、一方4.0wt%を超えてもガラス体表面の除去
速度が低く、またガラス体表面に沈殿物の付着が見ら
れ、またガラス体表面が著しく粗くなり、表面精度が劣
るのに対し、0.05〜4.0wt%の範囲にあると、ガ
ラス体表面の所望の除去速度が得られ、ガラス体表面に
沈殿物の付着もなく、またガラス体表面の粗さも小さく
表面精度に優れたガラス体が得られるからである。
【0022】方法(2)は、上述のようにHFとCH3
CO2 Hとからなる混酸水溶液を含む処理液を用いるも
のであるので、該処理液は、HF−CH3 CO2 H混酸
水溶液とともに、必要に応じて他成分を包含することが
できる。このような他成分として、硝酸、硫酸などの酸
や、この種の化学研磨処理液に通常用いられる薬剤など
が挙げられる。
【0023】次に上記方法(3)について説明すると、
方法(3)はHFとH2 SO4 との混酸水溶液を含む処
理液を用い、ガラス体の表面を化学的に処理するガラス
体表面の化学的研磨法に係るものであり、混酸水溶液中
のHF/H2 SO4 の重量比は0.08/1〜12/1
であり、混酸の濃度は0.05〜4.0wt%に限定され
る。HF/H2 SO4 の重量比を0.08/1〜12/
1に限定する理由は、以下のとおりである。HF/H2
SO4 の重量比が0.08/1よりも小さくなり、HF
が少なくなってH2 SO4 が多くなると、ガラス体表面
の除去速度が著しく低くなり、またガラス体の表面が、
著しく粗くなる。一方HF/H2 SO4の重量比が12
/1よりも大きくなり、H2 SO4 が少なくなってHF
が多くなると、ガラス体表面の除去速度は向上するが、
ガラス体の表面が、同様に著しく粗くなるだけでなく、
ガラス体の表面に沈殿物の付着が見られる。これに対
し、HF/H2 SO4 の重量比が0.08/1〜12/
1の範囲内にあると、(i) ガラス体表面の除去速度が高
い、(ii)ガラス体表面への沈殿物の付着もない、(iii)
ガラス体の表面の粗さが小さく表面精度に優れている、
などの効果が得られるからである。
【0024】次に混酸水溶液中の混酸(HF−H2 SO
4 )の濃度を0.05〜4.0wt%に限定する理由は、
0.05wt%未満ではガラス体表面の除去速度が小さす
ぎ、一方4.0wt%を超えるとガラス体表面の除去速度
は高いが、ガラス体表面に沈殿物の付着が見られ、また
ガラス体表面が著しく粗くなり、表面精度が劣るのに対
し、0.05〜4.0wt%の範囲にあると、ガラス体表
面の所望の除去速度が得られ、ガラス体表面に沈殿物の
付着も殆どなく、またガラス体表面の粗さも小さく表面
精度に優れたガラス体が得られるからである。
【0025】方法(3)は、上述のようにHFとH2
4 とからなる混酸水溶液を含む処理液を用いるもので
あるので、該処理液は、HF−H2 SO4 混酸水溶液と
ともに、必要に応じて他成分を包含することができる。
このような他成分として、硝酸、硫酸などの酸や、この
種の化学的研磨処理液に通常用いられる薬剤などが挙げ
られる。
【0026】本発明の方法(1),(2)および(3)
においては、上記の如き混酸水溶液を含む処理液をガラ
ス体の表面と動的接触させることをも要件とする。
【0027】動的接触とは、ガラス体を処理液中に浸漬
して静的に接触させる以外の全ての接触態様を含むもの
であるが、具体例として以下の態様がある。
【0028】(i) 処理液とガラス体とを接触させた状態
でガラス体を自転させながら、少なくともガラス体の回
転方向に沿ってガラス体の表面に処理液を供給する。
【0029】(ii)容器に収納した処理液にガラス体を接
触させ、回転子、超音波等の撹拌手段で処理液を撹拌す
る。
【0030】(iii) 処理液を収納した容器にガラス体を
浸漬し、容器全体を回転、上下動等により振とうする。
【0031】静的接触ではガラス体表面に接触している
処理液は交換されることなく常にその場に留まるのに対
し、本発明における動的接触によれば、ガラス体表面に
おいて処理液の交換が常に行なわれるため、ガラス表面
が均一に除去され、表面精度の優れたガラス体を得るこ
とができる。
【0032】本発明の上記方法(1),(2)および
(3)が適用されるガラス体としては、30〜80wt%
のPbOと10〜50wt%のSiO2 とを少なくとも含
む鉛ガラスが好ましく、特にPbO含有量が45wt%以
上の高鉛ガラスが特に好ましい。その理由は、これらの
鉛ガラスの場合、表面処理速度が高く、また処理後の表
面精度も特に優れたものになるからである。しかしSi
2 を含有するランタン系ガラスやほう酸系ガラスを用
いることもできる。
【0033】またガラス体の形状はあらゆる形状であっ
てよく、円柱状、ディスク状、板状、球状などが挙げら
れる。
【0034】本発明の方法は、被処理ガラス体として、
光ファイバ形成用のプリフォームガラスを用い、これを
化学的に研磨するために特に好ましく用いられる。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明について更に詳細
に説明する。
【0036】(実施例1)図1は鉛ガラス円柱体側面の
化学的処理を実施するための装置の概要を示す図であ
る。以下、この図面を参照しながら実施例1のガラス体
の化学的研磨法を説明する。
【0037】図1において、符号10はHF−HNO3
系混酸液、符号11は被処理鉛ガラス円柱体、符号12
は容器(メスシリンダ)、符号13は回転子、符号14
はマグネチックスターラー、符号15はモータ、符号1
6は速度調節器である。
【0038】被処理ガラス体11の一端部と側面のほぼ
全体を混酸液10の中に浸漬するように、ガラス体11
の他端部をモータと連結する速度調節器16の主軸に固
定し、モータの駆動により回転できるようにした。速度
調節器16でガラス体11の回転速度を50〜1200
rpmの間に調節した。
【0039】容器12の中に入っている混酸液10を撹
拌するために、この容器12の真下にあるマグネチック
スターラー14により、容器12の底部にある回転子1
3を回転させた。回転速度は30〜1000rpmの間
に調節した。
【0040】被処理鉛ガラス材料として、多成分、高鉛
ガラス(組成:PbO;75wt%,SiO2 ;24wt
%,Na2 O+K2 O;1.0wt%)を用い、光ファイ
バのプリフォームとなる鉛ガラス円柱体11を化学的に
研磨した例を説明する。
【0041】図1に示す装置を用いて、濃度2wt%、H
F/HNO3 の重量比=4/1のHF−HNO3 の混合
水溶液からなる処理液を300ml用い、500rpm
の回転速度の回転子で処理液を撹拌しておく。
【0042】次に直径12mm、長さ120mmの表面
機械研磨後の高鉛ガラス円柱体11を上記の混酸液10
に浸漬し、200rpmで回転させながら化学的研磨を
約10分間行った。
【0043】機械研磨後で化学的研磨前の鉛ガラス円柱
体の表面について、光学顕微鏡により観察したところ、
砂目の残る表面であったが、鉛ガラス円柱体を上述のよ
うに化学的研磨した後、表面について光学顕微鏡で観察
したところ、表面砂目が完全に除去されて、沈殿物(P
bOと硝酸との反応生成物)の付着もなく、光の干渉色
もほとんど観察されなかった。また化学的研磨後の表面
について粗さを測定したところ、表1に示したとおり、
平均粗さが3.8nm、最大粗さが106.0nmであ
った。ガラス体表面の除去速度も速く、約5.1μm/
minあった。
【0044】また、機械的研磨のみを行なった鉛ガラス
円柱体と、本実施例により化学的研磨をも行なった鉛ガ
ラス円柱体とをそれぞれ用いて線引きされた、直径12
5μmの光ファイバについて引張強さを調べた結果を図
2に示す。図中の横軸はファイバの引張強さを、縦軸は
累積確率を示す。機械的研磨のみの円柱体を用いたファ
イバの平均引張強さが0.35GPaであるのに対し
て、本実施例により化学的研磨をも行なった円柱体を用
いたファイバの平均引張強さは0.53GPaであり、
前者より後者の方が光ファイバの引張強さが0.18G
Paも向上したことがわかった。
【0045】(実施例2)混合液中のHFとHNO3
重量比を変えて、実施例1と同じ装置で同条件で、押出
成形により得られた直径12mm、長さ120mmの鉛
ガラス円柱体について化学的研磨を施した。この時のH
F/HNO3 の重量比は、5.7/1であった。
【0046】光学顕微鏡により観察したところ、化学的
研磨前の押出成形品の表面には、ガラスと金型とのすり
傷が残っていたが、化学的研磨を施した後の表面はすり
傷が完全に取れたきれいな表面となっていた。また、表
1に示すように、表面に光干渉色と沈殿物の付着がな
く、ガラス表面の除去速度も高く、約6.0μm/mi
nであった。ガラス体の処理面についての粗さ検査結果
は最大表面粗さが98.4nm、平均粗さが5.6nm
であり、満足すべき結果が得られた。
【0047】また、押出成形後の鉛ガラス体とそれに化
学的研磨を施したものをそれぞれプリフォームとして線
引きされた、φ125μmの光ファイバの引張強さにつ
いて調査した結果を図3に示す。押出成形品を用いて得
た光ファイバの平均引張強さが0.29GPaであるの
に対して、化学的研磨後のものを用いて得た光ファイバ
の平均引張強さは0.55GPaであり、0.26GP
aの向上が認められた。
【0048】以下に、HFとHNO3 との重量比を変え
たこと以外は、実施例1と同様に行なった実施例3,実
施例4,実施例5,実施例6および実施例7の実験結果
を示す。
【0049】(実施例3)HF/HNO3 の重量比を1
/1にした化学的研磨処理の結果は、表1に示すよう
に、表面の最大粗さと平均粗さがそれぞれ46.2nm
と2.0nmであって、実施例1および実施例2よりも
優れた表面精度を示した。ガラス表面の除去速度は約
2.0μm/minであった。本実施例においては、表
面に黄色の干渉色が観察され、この表面についてESC
A検査したところ、表面に0.36μmのSiO2 リッ
チ層が形成されていることが判った。
【0050】(実施例4)HF/HNO3 の重量比を
2.3/1にした化学的研磨処理の結果は、表1に示す
ように、沈殿物の付着もなく、表面の最大粗さと平均粗
さがそれぞれ20.3nmと2.6nmであって、満足
すべき結果が得られた。ガラス表面の除去速度は5.1
μm/minであった。表面に浅青色に呈する干渉色が
あり、表面SiO2 リッチ層の厚みは約0.11μmで
あった。
【0051】(実施例5)HF/HNO3 の重量比を
0.1/1にした化学的研磨処理の結果は、表1に示す
ように、沈殿物の付着もなく、また、表面の最大粗さと
平均粗さがそれぞれ26.4nmと0.9nmであっ
て、満足すべき結果が得られた。ガラス表面の除去速度
は1.0μm/minであった。表面に緑色を呈する干
渉色が見られ、表面に厚み約0.27μmのSiO2
ッチ層が形成されていた。
【0052】(実施例6)HF/HNO3 の重量比を
0.4/1にした化学的研磨処理の結果は、表1に示す
ように、沈殿物の付着もなく、表面の最大粗さと平均粗
さがそれぞれ64.1nmと1.1nmであって、満足
すべき結果が得られた。ガラス表面の除去速度は1.8
μm/minであった。表面に紫色の干渉色が観察さ
れ、表面SiO2 リッチ層の厚みは約0.17μmであ
った。
【0053】(実施例7)HF/HNO3 の重量比を1
2.3/1にした化学的研磨処理の結果は、表1に示す
ように、沈殿物の付着もなく、表面の最大粗さと平均粗
さがそれぞれ146.2nmと9.0nmであって、最
大粗さおよび平均粗さともに比較的高くなっているた
め、このHF/HNO3 の重量比は限界条件に近いもの
である。ガラス表面の除去速度は4.0μm/minで
あった。表面に青色の干渉色があり、SiO2 リッチ層
の厚さは約0.17μmであった。
【0054】以下の実施例8と実施例9においては、φ
35mm、厚み1mmのディスク状の鉛ガラスについて
化学的研磨処理を10分ほど施した。液の撹拌速度を8
00rpm、鉛ガラス体の回転速度を500rpmにし
て、HF/HNO3 の重量比を変えたほかは、実施例1
と同条件であった。
【0055】(実施例8)HF/HNO3 の重量比を
1.9/1にした鉛ガラスディスクの化学的研磨処理の
結果を表1に示す。表1に示すように、沈殿物の付着は
認められなかった。また、表面の最大粗さと平均粗さが
それぞれ48.2nmと2.3nmであって、満足すべ
き値を示した。また、ガラス表面の除去速度は2.5μ
m/minであった。この実施例により、被処理面が側
壁面のみならず平面でも、同様な処理が可能であること
が判った。なお表面に青色の干渉色が見られ、SiO2
リッチ層の厚さは約0.17μmであった。
【0056】(実施例9)HF/HNO3 の重量比を9
/1にした鉛ガラスディスクの化学的研磨処理の結果
は、表1に示すように、表面に沈殿物の付着および干渉
色の発生がなかった。表面の最大粗さと平均粗さがそれ
ぞれ79.5nmと10.7nmであって、比較的に高
い値を示した。また、表面ガラスの除去速度は5.5μ
m/minであった。
【0057】(比較例1〜比較例4)HF/HNO3
重量比を0.05/1,2/0,0/2,19/1にし
た以外は実施例1と同様にして化学的研磨を行なった
が、表1に示すように、良好な表面が得られなかった。
従ってこれらの処理条件、特にHF/HNO3 の重量比
が不適であることが分かった。
【0058】上記の実施例1〜9および比較例1〜4の
実験結果をまとめると、図6と図´に示す傾向が見られ
た。
【0059】図4にHF/HNO3 の重量比とガラス表
面の除去速度との関係を示す。この図において、HF/
HNO3 の重量比を増していくと、ガラス表面の除去速
度が向上して行き、HF/HNO3 の重量比が4/1お
よびその近傍の場合に、ガラス表面の除去速度が最も速
かった。またHF/HNO3 の重量比が15/1を超え
るとガラス表面の除去速度が急に落ちることが明らかで
ある。
【0060】図5はHF/HNO3 の重量比と表面粗さ
との関係を示したものである。この図において、HF/
HNO3 の重量比が0.1/1のとき表面粗さの値が特
に低く優れており、HF/HNO3 の重量比が0.1/
1から4/1に行くに従って表面粗さは微増するが満足
すべき値であり、またHF/HNO3 の重量比が4/1
から9/1になると表面粗さは増加するが、それでもH
F/HNO3 の重量比が19/1の比較例4における表
面状態(表1より明らかなように表面が粗すぎてESC
Aによる測定不能)よりも優れていることが明らかであ
る。
【0061】
【表1】
【0062】上記実施例1〜9および比較例1〜4の結
果を示す表1、図4および5から明らかなように、ガラ
ス表面の除去速度、ガラス体の表面精度、沈殿物が付着
しないことに着目した場合、HF/HNO3 の重量比は
0.08/1〜15/1に限定される。またガラス体の
表面精度をさらに向上させたい場合はHF/HNO3
重量比は0.1/1〜10/1がより好ましく、さらに
干渉色の発生を抑えたい場合にはHF/HNO3 の重量
比は3/1〜10/1が好ましいことが明らかとなっ
た。
【0063】(実施例10〜15)本実施例10〜15
においては、φ3mm、長さ120mmの鉛ガラス円柱
体を用い、HF/HNO3 の重量比を5.67/1と一
定にし、HF−HNO3 系混酸の濃度を0.02〜3.
5wt%の範囲で7水準変化させた以外は実施例1と同様
にして鉛ガラス円柱体の化学的研磨処理を行なった。
【0064】その結果は表2に示すように、混酸の濃度
が0.02〜3.5wt%の実施例10〜15では、ガラ
ス表面の除去速度が高く、ガラス体の表面精度に優れて
いた。
【0065】また混酸濃度が0.02〜2.0wt%の実
施例10〜14では、沈殿物の付着や干渉色の発生がな
く、特に優れていた。
【0066】(比較例5〜7)混酸の濃度を5.0〜2
0wt%の範囲で3水準変化させた以外は実施例10〜1
5と同様にして鉛ガラス円柱体の化学的研磨処理を行な
った。その結果は表2に示すように、ガラス表面に干渉
色と沈殿物の付着が現われるとともに、表面粗さ精度も
低下するため、混酸の濃度が適切でないことが判った。
【0067】
【表2】
【0068】上記実施例10〜15および比較例5〜7
の結果を示す表2の結果から明らかなように、ガラス体
の表面精度に着目した場合、混酸(HF−HNO3 )の
濃度は0.01〜4.0wt%に限定され、沈殿物の付着
および干渉色の発生をも防止するためには混酸の濃度は
0.02〜2.5wt%が好ましいことが明らかである。
(実施例16〜20および比較例8〜9)HFとCH
3 CO2 Hとからなり、混酸濃度2wt%の混酸水溶液を
用い、HF/CH3 CO2 Hの重量比が0.05/1〜
19/1に亘って7水準変動させた以外は実施例1と同
様にガラス体の化学的研磨処理を行なった。表3にその
結果を示す。
【0069】
【表3】
【0070】表3より、HF/CH3 CO2 Hの重量比
が0.11/1〜9/1である実施例16〜20におい
ては、ガラス表面の除去速度が高く、またガラス表面に
沈殿物の付着がなく、表面精度に優れているのに対し、
HF/CH3 CO2 Hの重量比が0.05/1および1
9/1の比較例8および9においては、ガラス表面の除
去速度が低く、またガラス表面に沈殿物の付着が見ら
れ、かつガラスの表面精度が劣る。
【0071】従って本発明においてHF/CH3 CO2
Hの重量比を0.08/1〜12/1に数値限定した臨
界性が示された。
【0072】(実施例21〜25および比較例10〜1
1)HF/CH3 CO2 Hの重量比が1/1である混酸
水溶液を用い、混酸の濃度を0.1〜20wt%に亘って
7水準変動させた以外は実施例1と同様にガラス体の化
学的研磨処理を行なった。表4にその結果を示す。
【0073】
【表4】
【0074】表4より、混酸濃度が0.1〜3.5wt%
である実施例21〜25においては、沈殿物の付着がな
く、ガラスの表面精度も高く、またガラス表面の除去速
度が高いのに対し、混酸濃度が10.0wt%、20.0
wt%の比較例10、11では沈殿物の付着があり、また
ガラスの表面精度が劣り、かつガラス表面の除去速度も
低いことが明らかである。従って本発明においてHF−
CH3 CO2 H系混酸水溶液中の混酸濃度を0.05〜
4wt%に数値限定した臨界性が示された。
【0075】(実施例26〜30および比較例12〜1
3)HFとH2 SO4 とからなる混酸濃度2wt%の混酸
水溶液を用い、HF/H2SO4 の重量比を0.05/
1〜19/1に亘って7水準変動させた以外は実施例1
と同様にガラス体の化学的研磨処理を行なった。表5に
その結果を示す。
【0076】
【表5】
【0077】表5より、HF/H2 SO4 の重量比が
0.11/1〜9/1である実施例26〜30において
は、沈殿物の付着がなく、ガラス表面精度も高く、また
ガラス表面の除去速度も高いのに対し、HF/H2 SO
4 の重量比が0.05/1の比較例12では、沈殿物の
付着は認められないが、ガラスの表面精度、ガラスの除
去速度共に低く、HF/H2 SO4 の重量比が19/1
の比較例13では、ガラスの除去速度は高いが、沈殿物
の付着があり、ガラスの表面精度も低いことが明らかで
ある。従ってこの結果から、HF/H2 SO4 の重量比
を0.08/1〜12/1に数値限定した臨界性が示さ
れた。
【0078】(実施例31〜35および比較例14〜1
5)HF/H2 SO4 の重量比が1/1である混酸水溶
液を用い、混酸の濃度を0.1〜20wt%に亘って7水
準変動させた以外は実施例1と同様にガラス体の化学的
研磨処理を行なった。表6にその結果を示す。
【0079】
【表6】
【0080】表6より、混酸濃度が0.1〜3.5wt%
である実施例31〜35においては、沈殿物の付着がな
く、ガラスの表面精度も高く、またガラス表面の除去速
度が高いのに対し、混酸濃度が10wt%、20wt%の比
較例14、15では沈殿物の付着が認められ、ガラスの
表面精度も低いことが明らかである。この結果から、H
F−H2 SO4 混酸濃度を0.05〜4wt%に数値限定
した臨界性が示された。
【0081】(実施例36〜38)HF−HNO3 混酸
水溶液にCH3 CO2 Hを加えた処理液を用いてガラス
体の化学的研磨処理を行なった。表7に処理条件(但
し、表7に示されていない条件は実施例1と同様であ
る)および処理結果を示す。
【0082】
【表7】
【0083】表7より明らかなように、HF−HNO3
混酸水溶液にCH3 CO2 Hを加えた処理液を用いた場
合にも沈殿物の付着がなく、表面精度も高いガラス体が
得られた。またHF−HNO3 にCH3 CO2 Hの混合
により、エッチング速度の向上が認められた。
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、表面精度に優れたガラ
ス体を複雑な装置を用いることなく簡便に得ることがで
きるガラス体表面の化学的研磨法が提供された。
【図面の簡単な説明】
【図1】鉛ガラス円柱体の側壁面の化学的処理に用いた
装置の概要図
【図2】光ファイバの引張強さに及ぼすプリフォーム表
面状態の影響を示す図(化学的研磨面と機械的研磨面と
の比較図)
【図3】光ファイバの引張強さに及ぼすプリフォーム表
面状態の影響を示す図(化学的研磨面と押出成形面との
比較図)
【図4】鉛ガラスの除去速度に及ぼすHF/HNO3
重量比の影響を示す図
【図5】化学的処理後の鉛ガラス表面粗さに及ぼすHF
/HNO3 の重量比の影響を示す図
【符号の説明】 10 HF−HNO3 系混酸液 11 鉛ガラス円柱体 12 容器 13 テフロン回転子 14 マグネチックスターラー 15 モータ 16 速度調節器
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【手続補正書】
【提出日】平成6年2月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】上記方法(1)はHFとHNO3 との混酸
水溶液を含む処理液を用い、ガラス体の表面を化学的に
処理するガラス体表面の化学的研磨法に係るものであ
り、混酸水溶液中のHF/HNO3 の重量比は0.08
/1〜15/1であり、混酸の濃度は0.01〜4.0
wt%に限定される。HF/HNO3 の重量比を0.08
/1〜15/1に限定する理由は、以下のとおりであ
る。HF/HNO3 の重量比が0.08/1よりも小さ
くなり、HFが少なくなってHNO3 が多くなると、ガ
ラス体表面の除去速度が著しく低くなり、またガラス体
の表面が、たとえば砂目状の粗さ(300〜500μ
m)のように著しく粗くなる。一方HF/HNO3 の重
量比が15/1よりも大きくなり、HNO3 が少なくな
ってHFが多くなるラス体の表面が、同様に砂目
状の粗さのように著しく粗くなるだけでなく、ガラス体
の表面に沈殿物の付着が見られる。これに対し、HF/
HNO3の重量比が0.08/1〜15/1の範囲内に
あると、(i) ガラス体表面の除去速度が高い、(ii)ガラ
ス体表面への沈殿物の付着もない、(iii) ガラス体の表
面の粗さが小さく表面精度に優れている、などの効果が
得られるからである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正内容】
【0058】上記の実施例1〜9および比較例1〜4の
実験結果をまとめると、図と図に示す傾向が見られ
た。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ化水素酸(HF)と硝酸(HN
    3 )とからなり、HF/HNO3 の重量比が0.08
    /1〜15/1であり、混酸の濃度が0.01〜4.0
    wt%である混酸水溶液を含む処理液を、ガラス体の表面
    と動的接触させることを特徴とするガラス体表面の化学
    的研磨法。
  2. 【請求項2】 HF/HNO3 の重量比が0.1/1〜
    10/1である、請求項1に記載のガラス体表面の化学
    的研磨法。
  3. 【請求項3】 HF/HNO3 の重量比が3/1〜10
    /1である、請求項2に記載のガラス体表面の化学的研
    磨法。
  4. 【請求項4】 混酸水溶液中の濃度が0.02〜2.5
    wt%である、請求項1に記載のガラス体表面の化学的研
    磨法。
  5. 【請求項5】 フッ化水素酸(HF)と酢酸(CH3
    2 H)とからなり、HF/CH3 CO2 Hの重量比が
    0.08/1〜12/1であり、混酸の濃度が0.05
    〜4.0wt%である混酸水溶液を含む処理液を、ガラス
    体の表面と動的接触させることを特徴とするガラス体表
    面の化学的研磨法。
  6. 【請求項6】 フッ化水素酸(HF)と硫酸(H2 SO
    4 )とからなり、HF/H2 SO4 の重量比が0.08
    /1〜12/1であり、混酸の濃度が0.05〜4.0
    wt%である混酸水溶液を含む処理液を、ガラス体の表面
    と動的接触させることを特徴とするガラス体表面の化学
    的研磨法。
  7. 【請求項7】 ガラス体が、30〜80wt%のPbOと
    10〜50wt%のSiO2 とを少なくとも含む鉛ガラス
    である、請求項1、5または6に記載のガラス体表面の
    化学的研磨法。
  8. 【請求項8】 ガラス体が光ファイバ形成用のプリフォ
    ームガラスである、請求項7に記載のガラス体表面の化
    学的研磨法。
  9. 【請求項9】 動的接触を、処理液とガラス体とを接触
    させた状態で、ガラス体を自転させながら、少なくとも
    ガラス体の回転方向に沿って、ガラス体の表面に処理液
    を流通させるようにすることにより行なう、請求項1、
    5または6に記載のガラス体表面の化学的研磨法。
  10. 【請求項10】 動的接触を、容器に収納した処理液に
    ガラス体を接触させ、回転子、超音波等の撹拌手段で処
    理液を撹拌することにより行なう、請求項1、5または
    6に記載のガラス体表面の化学的研磨法。
  11. 【請求項11】 動的接触を、処理液を収納した容器に
    ガラス体を浸漬し、容器全体を回転、上下動等により振
    とうすることにより行なう、請求項1、5または6に記
    載のガラス体表面の化学的研磨法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003018501A1 (fr) * 2001-08-31 2003-03-06 Stella Chemifa Kabushiki Kaisha Fluide de traitement de surface destine au traitement fin de substrat de verre a plusieurs composants
JP2007242622A (ja) * 2006-03-10 2007-09-20 Burle Technologies Inc 分析器具における電界形成のために用いられる抵抗性ガラス構造
JP2015523306A (ja) * 2012-05-31 2015-08-13 コーニング インコーポレイテッド ウエット酸エッチングにおけるスラッジ制御のための方法

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