JP2016081985A - 洗浄及び/又はエッチング排液の再利用方法 - Google Patents

洗浄及び/又はエッチング排液の再利用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安価に、且つ汚染されずに洗浄及び/又はエッチング排液を再利用する方法を提供する。【解決手段】少なくとも0.01〜10mass%のフッ化水素酸及び15〜40mass%のフッ化アンモニウムを含有するバッファードフッ酸によってシリコン含有半導体を洗浄及び/又はエッチングした後に発生する排液、又は前記排液を2種類以上含有する混合排液を用いたシリコン含有半導体の洗浄及び/又はエッチング方法であって、(1)前記排液又は混合排液中のフッ化水素酸濃度を0.01〜10mass%に再調整する工程、及び(2)前記工程(1)を経た排液又は混合排液を用いて、シリコン含有半導体の洗浄及び/又はエッチングを行う工程を備える、エッチング方法。【選択図】なし

Description

本発明は、洗浄及び/又はエッチング排液の再利用方法に関する。
シリコン酸化膜のウェットエッチング液としては、通常、フッ化水素酸とフッ化アンモニウム溶液との混合液であるバッファードフッ酸が用いられている(例えば、特許文献1等)。半導体製造工程において、バッファードフッ酸を入れた薬液槽に半導体ウェハを浸漬してエッチングを行うが、通常薬液槽は半導体ウェハ浸漬のために開口部を有しており、薬液成分の蒸発により経時的に薬液組成が変化してしまい、エッチングレートに重大な影響を与えることが知られている。
特許文献1には、「薬液組成がHF:0.1%、NHF:40%のバッファードフッ酸(BHF)の場合、熱酸化膜のエッチングレートが25℃で1.6nm/minである。しかしこのような薬液を湿度40%、雰囲気温度25℃の環境下で3日間放置するとエッチングレートが4.2nm/minと約2.6倍に増加する。このような環境で変化する薬液は今後の半導体プロセスにおいて使用は不可能である。」と記載されている。このようにバッファードフッ酸は経時的にエッチングレートが変化するためにエッチングレートを制御できなくなり、薬液の全量交換を余儀なくされており、処理の効率及び資源の有効活用の点で問題がある。
バッファードフッ酸中のフッ化アンモニウム、アンモニウムイオン及びフッ化水素酸の解離は以下の(1)〜(4)式:
NHF → NH + F(1)
NH ⇔ NH + H(2)
HF ⇔ H + F(3)
HF + F⇔ HF (4)
で表される。
特許文献1で述べられているような薬液組成(HF=0.1mass%、NHF=40mass%)のバッファードフッ酸は、例えば湿度40%、温度25℃の環境下に放置すると(2)式によりアンモニアが蒸発し、プロトン(H)が液中に発生する。フッ化水素酸はpKa=3.17の弱酸であるために、Hが発生すると(1)式から生じるフッ化物イオン(F)と反応し(3)式によりフッ化水素(HF)が発生し、HFはさらにFと反応しシリコン酸化膜のエッチング種であるHF が発生する。従って、このような薬液組成のバッファードフッ酸を放置すれば、薬液組成が変化してシリコン酸化膜のエッチングレートが速くなるために薬液は使用不可になる。このため、定期的に薬液を全量交換せざるを得ず、コスト的に不利であるとともに、洗浄及び/又はエッチング排液中には、未反応のフッ素イオンが多量に含まれており、その排液処理にもコストがかかっていた。
この特許文献1では、変化した薬液濃度を調整するための薬液組成タンクと濃度調整用のタンクを備え、薬液槽に組成調整用タンクから組成調整用薬液を供給することにより組成変化した該薬液槽中の薬液を所定の薬液組成に維持するためのウェットプロセス装置を提案しているが、酸化膜のエッチングレートを決めているHF濃度、NHF濃度を正確に且つ逐次的に測定できるオンラインの分析装置がないために実際に普及できていない。このため、バッファードフッ酸のエッチングレートが経時的に変化することを避けられず、定期的に薬液の全量交換を余儀なくされるため、抜本的な解決になっていない。
特許文献2では、薬液の蒸発に伴う組成変化を少なくするために、バッファードフッ酸にフッ化水素とアンモニアより沸点の高い塩(フッ化メチルアミン等)を提案している。しかしながら、薬液の交換頻度を少なくすることはできるものの、定期的に薬液の全量交換を余儀なくされることに変わりはない。
特許文献3では、フッ素及びアンモニアを含む原水(バッファードフッ酸)から、フッ素及びアンモニアを回収する装置を提案している。また、特許文献4では、ケイフッ化水素酸を含むフッ化水素酸廃液をナノ濾過、アニオン交換、カチオン交換を経ることによりフッ化水素酸を回収することを提案している。しかしながら、特許文献3及び4によれば、エッチングレートの変化が生じていない、又は無視できるほど小さい場合であっても、フッ素及びアンモニアを回収することになり、薬液は使用不可になる。このため、特許文献3及び4の方法は、薬液の交換頻度を高めるものであり、定期的に薬液の全量交換を余儀なくされることに変わりはない。
一方、特許文献5では、シリコン基板、ガラス基板を処理するフッ化水素酸含有排液を再生する方法であり、排液にカリウム塩を添加して過剰に溶け込んだケイフッ化アンモニウムをカリウム塩として析出させて除去する方法を提案している。洗浄及び/又はエッチング排液には通常ケイフッ化アンモニウムが含まれているが、ケイフッ化アンモニウムは、エッチング反応を阻害するとされている(例えば、特許文献6等)ため、洗浄及び/又はエッチング排液を再利用する場合には、通常ケイフッ化アンモニウムを除去している。しかしながら、ケイフッ化アンモニウムを除去する工程にコストがかかっており、薬液を全量交換しないメリットが生かせない。また、特許文献5の方法でケイフッ化アンモニウムを除去した場合、残存するカリウムイオンがエッチング加工中に生成するケイフッ化アンモニウムと反応して不溶性のカリウム塩を生成して沈殿するため、汚染の原因となり得るため、結局薬液の全量交換が必要となる。
特開平9−22891号公報 国際公開第2008/129944号 特許第4838826号 特開2013−095629号公報 特開2013−046888号公報 特開2011−171378号公報
上記のように、安価に、且つ汚染されずに洗浄及び/又はエッチング排液を再利用する方法はいまだ知られていない。このため、安価に、且つ汚染されずに洗浄及び/又はエッチング排液を再利用する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意研究を行った結果、洗浄及び/又はエッチング排液中のフッ化水素酸濃度を0.01〜10mass%、必要に応じてフッ化アンモニウム濃度を15〜40mass%に再調整することにより、再調整後の溶液中にケイフッ化アンモニウムが含まれているにもかかわらず、再調整後のフッ化水素酸濃度及びフッ化アンモニウム濃度を有し、且つケイフッ化アンモニウムを含まないバッファードフッ酸と同程度とすることができることを見出した。このような知見に基づき更に研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は下記の構成を包含する。
項1.少なくとも0.01〜10mass%のフッ化水素酸及び15〜40mass%のフッ化アンモニウムを含有するバッファードフッ酸によってシリコン含有半導体を洗浄及び/又はエッチングした後に発生する排液、又は前記排液を2種類以上含有する混合排液を用いたシリコン含有半導体の洗浄及び/又はエッチング方法であって、
(1)前記排液又は混合排液中のフッ化水素酸濃度を0.01〜10mass%に再調整する工程、及び
(2)前記工程(1)を経た排液又は混合排液を用いて、シリコン含有半導体の洗浄及び/又はエッチングを行う工程
を備える、エッチング方法。
項2.前記工程(1)において、さらに、前記排液又は混合排液中のフッ化アンモニウム濃度を15〜40mass%に再調整する、項1に記載のエッチング方法。
項3.工程(1)を施した後の再調整液中のシリコン濃度が再調整液中のフッ化水素酸濃度の2.3mass%以下であり、且つ、再調整液中の金属イオン濃度が1ppb以下である、項1又は2に記載のエッチング方法。
項4.前記工程(1)を半導体工場内で行う、項1〜3のいずれかに記載のエッチング方法。
項5.前記排液又は混合排液を半導体工場で回収し、前記工程(1)を薬液工場内で行う、項1〜3のいずれかに記載のエッチング方法。
項6.少なくとも0.01〜10mass%のフッ化水素酸及び15〜40mass%のフッ化アンモニウムを含有するバッファードフッ酸によってシリコン含有半導体を洗浄及び/又はエッチングした後に発生する排液、又は前記排液を2種類以上含有する混合排液からエッチング液を製造する方法であって、
(1)前記排液又は混合排液中のフッ化水素酸濃度を0.01〜10mass%に再調整する工程、
を備える、製造方法。
項7.前記工程(1)において、さらに、前記排液又は混合排液中のフッ化アンモニウム濃度を15〜40mass%に再調整する、項6に記載の製造方法。
項8.前記工程(1)を施した後の再調整液中のシリコン濃度が再調整液中のフッ化水素酸濃度の2.3mass%以下であり、且つ、再調整液中の金属イオン濃度が1ppb以下である、項6又は7に記載の製造方法。
項9.前記工程(1)を半導体工場内で行う、項6〜8のいずれかに記載の製造方法。
項10.前記排液又は混合排液を半導体工場で回収し、前記工程(1)を薬液工場内で行う、項6〜8のいずれかに記載の製造方法。
項11.項1〜5のいずれかに記載のエッチング方法を用いることを特徴とする、洗浄及び/又はエッチングされたシリコン含有半導体の製造方法。
項12.項6〜10のいずれかに記載の製造方法で製造されたエッチング液を用いてシリコン含有半導体を洗浄及び/又はエッチングすることを特徴とする、洗浄及び/又はエッチングされたシリコン含有半導体の製造方法。
本発明によれば、安価に、且つ汚染されずに洗浄及び/又はエッチング排液を再利用することができる。
実施例2の結果を示すグラフである。
本発明のエッチング方法においては、少なくとも0.01〜10mass%のフッ化水素酸及び15〜40mass%のフッ化アンモニウムを含有するバッファードフッ酸によってシリコン含有半導体を洗浄及び/又はエッチングした後に発生する排液、又は前記排液を2種類以上含有する混合排液を用いて、
(1)前記排液又は混合排液中のフッ化水素酸濃度を0.01〜10mass%に再調整する工程、及び
(2)前記工程(1)を経た排液又は混合排液を用いて、シリコン含有半導体の洗浄及び/又はエッチングを行う工程
を備える。
このようなシリコン含有半導体を洗浄及び/又はエッチングした後に発生する排液又は混合排液を用いて再度洗浄及び/又はエッチングする場合、シリコンウェハのテクスチャ加工等とは異なり、エッチングレートをシビアに管理する必要がある。
バッファードフッ酸
シリコン含有半導体を洗浄及び/又はエッチングするために使用されるバッファードフッ酸は、少なくともフッ化水素酸及びフッ化アンモニウムを含有する。
バッファードフッ酸は、一般には50mass%のフッ化水素酸、40mass%のフッ化アンモニウム、及び超純水を用いて、用途(エッチング対象)に応じて、要求されるエッチングレートになるように調合される。バッファードフッ酸中のフッ化水素酸濃度は一般には0.01〜10mass%程度で、要求される酸化膜のエッチングレートに応じて調整されている。また、フッ化アンモニウム濃度は15〜40mass%程度で、各種酸化膜とのエッチングレート比の要求に応じて調整されている。
本発明において、バッファードフッ酸には、界面活性剤等の添加剤が含まれていてもよい。これらの添加剤は、従来からバッファードフッ酸に添加される公知の材料を使用すればよい。
界面活性剤としては、例えば、疎水性表面(シリコン表面等)に対して濡れ性を増し、パターンの形状によっては薬液がいきわたらない場合等を防ぐために使用でき、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等、特に限定されない。このような界面活性剤は、公知又は市販のものを採用することができる。
これらの添加剤の量は、例えば、バッファードフッ酸の総重量に対して2000massppm以下、好ましくは10〜1500massppm、より好ましくは50〜1200massppmとし得る。
本発明において、バッファードフッ酸には、上記成分の他、用途(エッチング対象)や要求されるエッチングレートによって、水を含有し得る。水の含有量は、上記成分の残部である。
シリコン含有半導体
本発明において、洗浄の対象は、シリコン含有半導体等、例えば、シリコン基板、ポリシリコン等の表面の自然酸化膜等が挙げられ、エッチングの対象は、シリコン酸化膜、例えば、熱酸化膜、TEOS膜、SOD膜、BPSG膜、BSG膜等が使用できる。いずれを使用した場合にも、通常、洗浄及び/又はエッチング処理後の排液にはケイフッ化アンモニウムが含まれる。
洗浄及び/又はエッチング排液中の濃度の調整(工程(1))
本発明において、再利用の対象となる(原料として使用する)排液又は混合排液としては、上記説明したバッファードフッ酸によってシリコン含有半導体を洗浄及び/又はエッチングした後に発生する排液(排液1種のみを使用する場合)であってもよいし、上記説明したバッファードフッ酸によってシリコン含有半導体を洗浄及び/又はエッチングした後に発生する排液を2種以上含有する混合排液(排液2種以上を使用する場合)であってもよい。
工程(1)では、排液又は混合排液中のフッ化水素酸濃度を0.01〜10mass%に再調整する。また、エッチングレートを初期のバッファードフッ酸のエッチングレートにより近づけることができる観点から、工程(1)では、排液又は混合排液中のフッ化アンモニウム濃度を、15〜40mass%に再調整することが好ましい。この方法は特に制限されず、公知の方法で各成分の濃度を測定し、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム、水等の少なくとも1種を添加することにより、調整することができる。また、各成分の濃度を、別の排液(上記説明したバッファードフッ酸によってシリコン含有半導体を洗浄及び/又はエッチングした後に発生する排液や、他の排液等)を用いて調整してもよい。これにより、排液からエッチング液を製造することができる。
一方、バッファードフッ酸を使用してシリコン含有半導体の洗浄及び/又はエッチングを行えば行うほど、シリコン酸化膜のエッチング残渣であるケイフッ化アンモニウムが排液中に含まれるため、排液中のシリコン濃度は増大する。この排液中のシリコン濃度は、工程(1)によりフッ化水素酸、フッ化アンモニウム等の濃度を再調整することで、エッチングレートをより元に戻すことができるように、再調整後のバッファードフッ酸(再調整液)中のフッ化水素酸濃度の2.3mass%以下が好ましく、1.5mass%以下がより好ましい。シリコン濃度は、少なければ少ないほどよく、0mass%が最も好ましい。排液中のシリコン濃度が過度に大きい場合は、本発明の再利用方法を採用せずに、薬液自体を交換することが好ましい。また、再調整後のバッファードフッ酸(再調整液)中の金属イオン濃度は1massppb以下が好ましい。ここで、金属イオンは、Fe、Ni、Cr、Cu、Ag、Au、Ca、Na、K、Zn、Al、Pb由来のイオンが挙げられる。金属イオン濃度は、少なければ少ないほどよく、0massppbが最も好ましい。
つまり、従来は、ケイフッ化アンモニウムは、エッチング反応を阻害するとされているため、排液からケイ素含有材料を除去する工程を経ていたが、本発明によれば、フッ化水素酸濃度、フッ化アンモニウム濃度を再調整することにより、シリコン不純物を含有していても再調整後のフッ化水素酸濃度の2.3mass%以下であれば、再調整後のフッ化水素酸濃度及びフッ化アンモニウム濃度を有し、且つシリコン不純物を含有していないバッファードフッ酸と同程度のエッチングレートに戻すことが可能である。つまり、シリコン含有半導体の洗浄及び/又はエッチングにより排液中に含まれているケイフッ化アンモニウムを除去せずとも、再利用することが可能である点で、本発明はコスト的にも有利である。
以下、一例として、3種類のバッファードフッ酸を使用している工場で、その排液を利用してエッチングレートの速いバッファードフッ酸Aを再生する方法を述べる。
(排液1)エッチングレートの速いバッファードフッ酸A(100t/月)
初期濃度;HF濃度=6mass%、NHF濃度=30mass%、界面活性剤濃度=400ppm、Si濃度=0ppm
排液濃度;HF濃度=5.8mass%、NHF濃度=29.9mass%、界面活性剤濃度=380ppm、Si濃度=1000ppm。
(排液2)エッチングレートが中ぐらいのバッファードフッ酸B(25t/月)
初期濃度;HF濃度=1.0mass%、NHF濃度=39.1mass%、界面活性剤濃度=200ppm、Si濃度=0ppm
排液濃度;HF濃度=0.97mass%、NHF濃度=39.0mass%、界面活性剤濃度=190ppm、Si濃度=50ppm。
(排液3)エッチングレートが遅いバッファードフッ酸C(25t/月)
初期濃度;HF濃度=0.25mass%、NHF濃度=39.6mass%、界面活性剤濃度=200ppm、Si濃度=0ppm
排液濃度;HF濃度=0.29mass%、NHF濃度=39.4mass%、界面活性剤濃度=190ppm、Si濃度=5ppm。
上記バッファードフッ酸150tをすべて回収できたとすると、排液150t中の各濃度は以下:
排液濃度;HF濃度=4.08mass%、NHF濃度=33.0mass%、界面活性剤濃度=317ppm、Si濃度=676ppm
となる。
上記排液を利用してバッファードフッ酸Aを再調整するには、排液150tに、50mass%HFを7.56t、超純水を7.44t、界面活性剤を18.5kg調合することで、165tのバッファードフッ酸Aと同様のエッチング液(HF濃度=6mass%、NHF濃度=30mass%、界面活性剤=400ppm、Si濃度=615ppm)に再調整できる。
なお、バッファードフッ酸Aを用いて洗浄及び/又はエッチングをした際には、
SiO + 6HF + 2NHF → (NHSiF + 2H
の反応により、HF濃度及びNHF濃度は減少し、Si濃度は増加する。
このように、フッ化水素酸濃度が高く、フッ化アンモニウム濃度も比較的高いバッファードフッ酸(バッファードフッ酸A等)を用いてシリコン半導体を洗浄及び/又はエッチングした後の排液は、特に、フッ化水素酸濃度が低減したことによりエッチングレートが変化している。また、この排液は、フッ化アンモニウム濃度及び界面活性剤濃度が減少している。このため、フッ化水素酸、超純水、界面活性剤、他のバッファードフッ酸排液(バッファードフッ酸B排液、バッファードフッ酸C排液等)等を必要に応じて適宜添加することにより、Si濃度を除いたバッファードフッ酸の組成を元に戻し、シリコン不純物を含有しているにも関わらず再調整後のフッ化水素酸濃度及びフッ化アンモニウム濃度を有し、かつシリコン不純物を含有していないバッファードフッ酸と同程度のエッチングレートに戻すことができる。この際、フッ化水素酸濃度を0.01〜10mass%、フッ化アンモニウム濃度を15〜40mass%及び界面活性剤濃度をバッファードフッ酸の総重量に対して2000massppm以下に再調整することが好ましいが、フッ化水素酸濃度のみを0.01〜10mass%に再調整してもよい。また、この際、他のバッファードフッ酸排液(バッファードフッ酸B排液、バッファードフッ酸C排液等)を添加すれば、フッ化アンモニウムを添加することなく、フッ化アンモニウム濃度を調整することも可能である。
洗浄及び/又はエッチング工程(工程(2))
上記工程(1)により、排液中の各成分の濃度を再調整した後は、通常行われる方法にて、シリコン含有半導体を洗浄及び/又はエッチングすることができる。
この際対象となるシリコン含有半導体は、上記例示したものが挙げられる。
本発明において、シリコン含有半導体への適用は、洗浄及び/又はエッチング対象物(シリコン熱酸化膜等)をエッチング除去できる限り特に限定されず、塗布、浸漬、噴霧、噴射等の任意の方法を例示できる。
適用温度は、15〜90℃程度、好ましくは室温付近であり、この程度の温度でシリコン含有半導体に適用することにより、好適にシリコン熱酸化膜等の洗浄及び/又はエッチング対象物を洗浄及び/又はエッチングすることができる。適用時間は、洗浄及び/又はエッチング対象物(シリコン熱酸化膜等)の膜厚等にもよるが、一般に5秒〜30分程度である。
この工程により得られるエッチング処理物(シリコン含有半導体)は、必要に応じて超純水等でリンスしてもよい。
上記説明した工程(1)及び(2)を行う場所は特に制限されない。例えば、半導体工場から排液を回収し、半導体工場内(特に半導体工場内の回収タンク内)で工程(1)及び(2)を行ってもよい。また、半導体工場から排液を回収し、回収タンク等に収容したうえで薬液工場に移送し、工程(1)を薬液工場で行った後、処理済排液が入った回収タンク等を再度半導体工場に移送し、工程(2)を行ってもよい。
以下に実施例を示し、本発明の特徴を明確にする。本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1:シリコン濃度の違いによる薬液濃度を再調整した後のエッチングレートの違い
バッファードフッ酸A(HF濃度=6.0mass%、NHF濃度 = 30.0mass%)200gに純度99mass%以上のSiO粉末を所定濃度添加し、SiO粉末がエッチングされて溶解していることを目視観察した後に、25℃にてシリコン熱酸化膜のエッチングレートを調べた。その後、SiO粉末により消費されたHFを補うために消費分のフッ化水素酸を添加してHF = 6mass%に再調整したバッファードフッ酸Aの25℃の熱酸化膜エッチングレートを調べた。結果を表1に示す。
バッファードフッ酸Aを用いたシリコン熱酸化膜のエッチングレートは、初期値が106nm/minの場合、許容範囲は106±3nm/minである。SiO粉末溶解後のエッチングレートは、シリコン濃度が高くなればなるほど低下し、935ppm(HF濃度 = 5.734mass%)を超えると許容範囲を超えることが示されている。この結果は、シリコン熱酸化膜等のエッチングによりシリコンが混入した場合、シリコン濃度が935ppm(HF濃度 = 5.734mass%)をこえると、エッチングレートに影響を及ぼすため、従来の方法では、シリコン熱酸化膜を洗浄及び/又はエッチング後にシリコン濃度が935ppm(HF濃度 = 5.734mass%)を超えると、全量交換しなければいけないことが示されている。
一方、SiOが溶解したバッファードフッ酸Aに対して、フッ化水素酸濃度が6mass%、フッ化アンモニウム濃度が30.0mass%になるように再調整したところ、シリコン濃度を1400ppm(初期のフッ化水素酸濃度60000ppm(6mass%)の約2.3%)としても、エッチングレートは許容範囲であることが示されている。この結果は、シリコン熱酸化膜等のエッチングによりシリコンが混入してエッチングレートが変化し、全量交換が必要な状態であっても、シリコンの濃度がフッ化水素酸濃度2.3mass%以内であればフッ化水素酸を添加してフッ化水素酸濃度を調整することにより、再利用することができるようになることが示されている。
実施例2:時間経過とエッチングレートの関係
バッファードフッ酸C(HF濃度 = 0.25mass%、NHF濃度 = 39.5mass%)10kgをドラフト内で開口部460cm2の槽に入れ、5L/分で48時間循環ろ過を行った。循環ろ過中に最初、24時間後、48時間後にサンプリングを行い、シリコン熱酸化膜の25℃におけるエッチングレートを調べた。結果を表2及び図1に示す。
バッファードフッ酸Cを用いたシリコン熱酸化膜のエッチングレートは、初期値が43nm/minの場合、許容範囲は43±3nm/minである。この場合、約16時間程度放置した際には、HF濃度 = 0.267mass%、熱酸化膜エッチングレートが46nm/minとなることから、これ以上長い時間放置すると、エッチングレートが許容範囲を超えるため、全量交換が必要となることが示されている。また、上記の結果は、フッ化水素酸濃度及びフッ化アンモニウム濃度をそれぞれ0.01〜10mass%及び15〜40mass%に調整すれば、再利用できることも示している。
実施例3
まず、本文(発明を実施するための形態)中の排液1〜3を下記にようにして作成した。
(排液1:バッファードフッ酸A排液)
BHF63U排液1000g;HF濃度=5.8mass%、NHF濃度=29.9mass%、界面活性剤濃度=380ppm、Si濃度=1000ppm
調整方法:50mass%HF=116g、40mass%NHF=748997g、界面活性剤=0.38g、ケイフッ化アンモニウム=6.4g、残り超純水。
(排液2:バッファードフッ酸B排液)
BHF150排液250g;HF濃度=0.97mass%、NHF濃度=39.0mass%、界面活性剤濃度=190ppm、Si濃度=50ppm
調整方法:50mass%HF=4.85g、40mass%NHF=243.75g、界面活性剤=0.0475g、ケイフッ化アンモニウム=0.079g、残り超純水。
(排液3:バッファードフッ酸C排液)
BHF1200排液250g;HF濃度=0.29mass%、NHF濃度=39.4mass%、界面活性剤濃度=190ppm、Si濃度=5ppm
調整方法:50mass%HF=1.45g、40mass%NHF=246.25g、界面活性剤=0.0475g、ケイフッ化アンモニウム=0.0079g、残り超純水。
これらの排液を混ぜて1500gの模擬排液を作成した。この模擬排液に50mass%HFを75.6g、超純水74.4g、界面活性剤0.185g調合することで、1650gのバッファードフッ酸Aと同様のエッチング液(HF濃度=6mass%、NHF濃度=30mass%、界面活性剤=400ppm、Si濃度=615ppm)に再調整した。
この液で25℃の熱酸化膜エッチングレートを求めたところ106nm/min.であった。また、同様にバッファードフッ酸A(HF濃度=6mass%、NHF濃度=30mass%、界面活性剤=400ppm、Si濃度=0ppm)を1500g調整し、25℃の熱酸化膜エッチングレートを求めたところ106nm/min.であった。このように模擬排液のSi濃度がバッファードフッ酸AのHF濃度6mass%の2.3mass%以下(1380ppm)であったので、新液と同じエッチングレートとなり、再利用できることが予測できる結果となった。

Claims (12)

  1. 少なくとも0.01〜10mass%のフッ化水素酸及び15〜40mass%のフッ化アンモニウムを含有するバッファードフッ酸によってシリコン含有半導体を洗浄及び/又はエッチングした後に発生する排液、又は前記排液を2種類以上含有する混合排液を用いたシリコン含有半導体の洗浄及び/又はエッチング方法であって、
    (1)前記排液又は混合排液中のフッ化水素酸濃度を0.01〜10mass%に再調整する工程、及び
    (2)前記工程(1)を経た排液又は混合排液を用いて、シリコン含有半導体の洗浄及び/又はエッチングを行う工程
    を備える、エッチング方法。
  2. 前記工程(1)において、さらに、前記排液又は混合排液中のフッ化アンモニウム濃度を15〜40mass%に再調整する、請求項1に記載のエッチング方法。
  3. 工程(1)を施した後の再調整液中のシリコン濃度が再調整液中のフッ化水素酸濃度の2.3mass%以下であり、且つ、再調整液中の金属イオン濃度が1ppb以下である、請求項1又は2に記載のエッチング方法。
  4. 前記工程(1)を半導体工場内で行う、請求項1〜3のいずれかに記載のエッチング方法。
  5. 前記排液又は混合排液を半導体工場で回収し、前記工程(1)を薬液工場内で行う、請求項1〜3のいずれかに記載のエッチング方法。
  6. 少なくとも0.01〜10mass%のフッ化水素酸及び15〜40mass%のフッ化アンモニウムを含有するバッファードフッ酸によってシリコン含有半導体を洗浄及び/又はエッチングした後に発生する排液、又は前記排液を2種類以上含有する混合排液からエッチング液を製造する方法であって、
    (1)前記排液又は混合排液中のフッ化水素酸濃度を0.01〜10mass%に再調整する工程、
    を備える、製造方法。
  7. 前記工程(1)において、さらに、前記排液又は混合排液中のフッ化アンモニウム濃度を15〜40mass%に再調整する、請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記工程(1)を施した後の再調整液中のシリコン濃度が再調整液中のフッ化水素酸濃度の2.3mass%以下であり、且つ、再調整液中の金属イオン濃度が1ppb以下である、請求項6又は7に記載の製造方法。
  9. 前記工程(1)を半導体工場内で行う、請求項6〜8のいずれかに記載の製造方法。
  10. 前記排液又は混合排液を半導体工場で回収し、前記工程(1)を薬液工場内で行う、請求項6〜8のいずれかに記載の製造方法。
  11. 請求項1〜5のいずれかに記載のエッチング方法を用いることを特徴とする、洗浄及び/又はエッチングされたシリコン含有半導体の製造方法。
  12. 請求項6〜10のいずれかに記載の製造方法で製造されたエッチング液を用いてシリコン含有半導体を洗浄及び/又はエッチングすることを特徴とする、洗浄及び/又はエッチングされたシリコン含有半導体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111354637A (zh) * 2020-02-28 2020-06-30 通威太阳能(眉山)有限公司 一种氢氟酸循环利用洗石墨舟的方法
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