JP2015521253A - エネルギーガイドチェーン - Google Patents

Abstract

【課題】走行性を改善し、異なる曲率半径に簡単に調整可能で、且つ、安価に製造可能にする。【解決手段】リンク列を構成するチェーンリンクは、前後に隣接するリンクプレート（１１、１２）がその共通の搖動軸の周りに互いに搖動可能に連結されると共に、クロスメンバー（２１）を介して左右両側に平行に配列されて成り、いくつかのチェーンリンクは上段及び下段リンク列のリンクプレート（１１、１２）の相互に対面する走行面上を転動するローラ（１６）を備え、前後に連結される左右両側のリンクプレートは、内側リンクプレート（１４）と、外側リンクプレート（１１、１２）を交互に配することによって形成され、少なくともいくつかの外側リンクプレート（１１、１２）がローラ（１６）を備えると共に、内側リンクプレート（１４）には、隣接するリンクプレートとの間で搖動角を規制する搖動ストッパを配した。【選択図】図４

Description

本発明は、ホース、ケーブルその他の供給ラインを案内するためのエネルギーガイドチェーンに関するものである。

この種のエネルギーガイドチェーンは、供給源となる静止した接続ポイントから、相対的に移動可能な消費体に対し、電気、水、ガスなどのエネルギーを供給したり、信号を送信するために使用される。
エネルギーガイドチェーンは、互いに搖動可能に連結される複数のチェーンリンクから構成され、チェーンリンクは二つの対向する側面リンクプレートと、これらを接続するクロスメンバーを備え、これらの各部材で囲まれたスペース内にケーブル、ホースその他の供給ラインを収容できるようになっている。
さらにそのスペースは、上下のクロスメンバー間に配されるセパレータによって仕切ることもできる。
接続ポイントから消費体までの距離は、消費体が移動することによって変化し、この距離を調整するために、エネルギーガイドチェーンは、上段リンク列と、下段リンク列と、隣接するリンクプレート間の搖動角に応じて決定される曲率半径で折り返される折返ゾーンとでループ状に配される。
上段リンク列は、下段リンク列上に少なくとも部分的に接触するように載せられて、消費体の移動に伴ってその上で摺動する。
折返ゾーンでの必要な曲率半径は、チェーンの長さ、チェーン内に収容される供給ラインの重量および特性によって任意に設定される。
また、チェーンが横方向にずれるのを防ぐため、ガイドレールを設けることもできる。

このようなエネルギーガイドチェーンを設計する上での一般的な目的として、下段リンク列の上を上段リンク列が走行する際に、できるだけ雑音を生じさせずに、省エネを図り、安全性を向上させることが要請される。
このため、上下に対面するチェーンリンクのループ内側底面はできるだけ平滑に形成され、さらにローラを備えたものも提案されている。

独国実用新案出願２０２００６００６６３８号明細書（特許文献１）は、そのようなエネルギーガイドチェーンを示し、その側面リンクプレートには、伸長状態にある対面側のリンク列の側面リンクプレートのループ内側底面によって形成される走行面上を転がるローラが設けられている。
リンク列の側面リンクプレートは、幅方向外側に位置ずれした先端部分と、幅方向内側に位置ずれした後端部分が重なるように連結されてチェーンを形成する。
そして、このリンクプレートの少なくともいくつかにローラが設けられている。

独国特許出願公開１９７１５５３１号明細書（特許文献２）は、ローラが設けられていないエネルギーガイドチェーンを示す。
このエネルギーガイドチェーンの側面リンクプレートは、内側リンクプレート及び外側リンクプレートを交互に接続することにより構成される。
したがって、チェーンリンクは２枚の内側リンクプレートあるいは２枚の外側リンクプレートで形成され、それぞれがクロスメンバーを備えている。
隣接したリンクプレート間の最大の搖動角、すなわち、チェーンの最小曲率半径は、連結される二つのリンクプレートのオーバーラップ領域の搖動限界によって、定義される。

独国実用新案出願公開第２０２００６００６６３８号明細書 独国特許出願公開第１９７１５５３１号明細書

本発明は、より走行性が改善され、異なる曲率半径に簡単に調整することができ、且つ、安価に製造可能なエネルギーガイドチェーンを提供することを技術的課題とする。

この課題を解決するために、本発明は、ホース、ケーブルその他の供給ラインを案内するために多数のチェーンリンクを前後に連結してなるリンク列を備え、
前記チェーンリンクは、共通の搖動軸の周りに互いに搖動可能に連結されて前後に延設されるリンクプレートが左右両側に配列され、これら左右のリンクプレート同士がクロスメンバーを介して平行に接続されて成り、
前記リンク列は、上段リンク列と下段リンク列とこれらを接続する折返ゾーンとで形成されるループ状に形成され、リンクプレートのループ内側底面同士が少なくとも部分的に接触するように上段リンク列が下段リンク列の上に配され、
前記チェーンリンクのいくつかには、当該チェーンリンクが伸長状態にあるときに、上段及び下段リンク列のリンクプレートの相互に対面する走行面上を転動するローラが、ループ内面側に露出されてリンクプレート内に収容配設されて成るエネルギーガイドチェーンにおいて、
前後に連結される左右両側のリンクプレートは、内側リンクプレートと、外側リンクプレートを交互に配することによって形成され、
少なくともいくつかの外側リンクプレートがローラを備えると共に、
内側リンクプレートには、隣接するリンクプレートとの間で搖動角を規制する搖動ストッパが配されたことを特徴とする。

本発明者の実験によれば、外側リンクプレートのみがローラを備えていることが、エネルギーガイドチェーンの円滑な走行のために十分であることが発見された。
ローラは、外側リンクプレートに埋め込まれており、その結果、リンクプレート内に収容され、チェーン内に配される供給ラインと衝突することがない。
ローラを備えた外側リンクプレートをいくつ備えるかは、エネルギーガイドチェーンの幅、長さ、重さ、その他のデータに依存して決定される。
同様に、この発明に従えば、全ての外側リンクプレートがローラを備えることも可能である。
エネルギーガイドチェーンの長さ方向に沿ってのローラ設置間隔は、実用上０.３〜２ｍであり、好ましくは、０.５〜１ｍである。

本発明のエネルギーガイドチェーンによれば、最小曲率半径が内側リンクプレートによって決定されるので、生産するのが比較的困難なローラを備えた外側リンクプレートは、各サイズごとに一つ設計すれば足りる。
したがって、チェーンの仕様変更も、より少ない部品変更によって達成できることは明白である。

好ましい実施例では、外側リンクプレートは、前後で対となるリンクプレートにより構成され、それらは互いに共通の搖動軸の周りに搖動可能に連結される。
また、この場合、搖動角は、当該リンクプレートに形成された搖動ストッパと、他のリンクプレートに形成された衝止部との相互作用によって規制される。
仕様の異なるリンクプレートを用意することにより、外側リンクプレートの最大搖動角を調整可能にすることは可能であるが、外側リンクプレートの搖動角を調整不能とし、内側リンクプレート上の搖動ストッパを用いることによって曲率半径を調整するだけで十分であることが判明した。
上述した本発明の効果は、以下の実施例で得られる。

ローラは、その回転軸を外側リンクプレート同士の搖動軸と一致させて、外側リンクプレート内に配されている。

ローラを備えた外側リンクプレートは、好ましくは、隣接する内側リンクプレートの搖動軸と一致する二つの搖動軸の軸間距離が、外側リンクプレートに隣接する一つの内側プレートの前後両側の搖動軸の軸間距離の２倍の大きさになるように形成される。
なお、前後に連結される二つのリンクプレートを対にして一つの外側リンクプレートとすれば、搖動軸の軸間距離を等感覚にすることができる。

対となる外側リンクプレートは、隣接するリンクプレートの連結領域と重なる外部連結領域が、長手方向を横切る垂直中央面に対して鏡面対称となるように形成されると共に、水平面に対して鏡面対称になるように形成される。

ローラの回転軸は、当該回転軸とループ外側底面との距離より、回転軸とループ内側底面との距離の方が小さくなる位置に配されている。
リンクプレートのループ内側底面は、チェーンが伸長された状態で、対向するリンク列のループ内側底面から突出したローラが走行する走行面に形成される。
ローラが、リンクプレートのループ内側底面から、例えば０.５〜２ｍｍ程度突出していれば、安全性においては、一般に十分である。

クロスメンバーは、好ましくは、適切な固定手段によってリンクプレートに固定される。
その固定手段は、例えば、係合部を備えた接続具でなり、例えば、リンクプレートに取り付けられたピンで構成される係合部が、クロスメンバーに形成された係合凹部に弾性的に係合されるようになっている。
その接続具は、手動操作により脱着できるようになっていても、また、特殊な工具を用いなければ脱着できない構造であってもよい。

本発明に従う特徴を備えた外部リンクプレートを、独国特許出願公開第１９７１５５３１号明細書に開示され、あるいは、本出願人の製品ｉｇｕｓ Ｅ４シリーズなどの既存のローラなしのエネルギーガイドチェーンの外部リンクプレートに簡単に置き換えることができることは、本発明の格別の利点である。
その結果、そのような既存のエネルギーガイドチェーンも、ローラを用いる効果が得られる。
多くの場合、そのような外部リンクプレートの交換は、エネルギーガイドチェーン全体を分解する必要がない。
既に上述したように、そのエネルギーガイドチェーンの仕様により、いくつかの外側リンクプレートを交換すれば足りる。

一対の外側リンクプレートと、２枚の内側リンクプレートとを備えた本発明に係るエネルギーガイドチェーンの一例を示し、（ａ）は斜視図、（ｂ）は側面図、（ｃ）はＡ−Ａ断面図、（ｄ）はＢ−Ｂ断面図である。 一対の外側リンクプレートの第１リンクプレートを示し、（ａ）は外面図、（ｂ）は内面図、（ｃ）は側面図、（ｄ）は平面図、（ｅ）は斜視図である。 一対の外側リンクプレートの第２リンクプレートを示し、（ａ）は外面図、（ｂ）は内面図、（ｃ）は側面図、（ｄ）は平面図、（ｅ）は斜視図である。 一対の外側リンクプレートを備えたチェーンリンクの伸長状態を示し、（ａ）は外面図、（ｂ）は正面図、（ｃ）は平面図、（ｄ）〜（ｇ）は異なる方向からの斜視図である。 一対の外側リンクプレートを備えたチェーンリンクの屈曲状態を示し、（ａ）は外面図、（ｂ）は正面図、（ｃ）は平面図、（ｄ）〜（ｇ）は異なる方向からの斜視図である。

本例は、走行性を改善し、異なる曲率半径に簡単に調整可能で、且つ、安価に製造可能にするという目的を達成するため、
ホース、ケーブルその他の供給ラインを案内するために多数のチェーンリンクを前後に連結してなるリンク列を備え、
前記チェーンリンクは、共通の搖動軸の周りに互いに搖動可能に連結されて前後に延設されるリンクプレートが左右両側に配列され、これら左右のリンクプレート同士がクロスメンバーを介して平行に接続されて成り、
前記リンク列は、上段リンク列と下段リンク列とこれらを接続する折返ゾーンとで形成されるループ状に形成され、リンクプレートのループ内側底面同士が少なくとも部分的に接触するように上段リンク列が下段リンク列の上に配され、
前記チェーンリンクのいくつかには、当該チェーンリンクが伸長状態にあるときに、上段及び下段リンク列のリンクプレートの相互に対面する走行面上を転動するローラが、ループ内面側に露出されてリンクプレート内に収容配設されて成るエネルギーガイドチェーンにおいて、
前後に連結される左右両側のリンクプレートは、内側リンクプレートと、外側リンクプレートを交互に配することによって形成され、
少なくともいくつかの外側リンクプレートがローラを備えると共に、
内側リンクプレートには、隣接するリンクプレートとの間で搖動角を規制する搖動ストッパを配した。

図１（ａ）は、対となる外側リンクプレート１１、１２と、これらに対して搖動可能に前後に連結される二つの内側リンクプレート１４とを備えたエネルギーガイドチェーン１の要部を示す斜視図である。
本例では、チェーンは、前後両端の内側リンクプレート１４に対し、対となる外側リンクプレート１１、１２をさらに搖動可能に連結することによって連続形成されることが解る。
対となる外側リンクプレート１１、１２と内側リンクプレート１４の一部には、左右のリンクプレート列の対向する部分にクロスメンバー２１が架け渡され、これにより、供給ラインを収容するためのスペース２２（図１（ｃ））が形成される。
図１（ｂ）は伸長状態のチェーンを外側からみた側面図を示す。
ピボットピン１８は、外側リンクプレートと接続される内側リンクプレートに設けられ、そのピボットピンは、それぞれのピボットスリーブ１９（図２（ｂ））に回転可能に挿入される。

図１（ｃ）は、対となる外側リンクプレートを備えたチェーンリンクを、搖動軸と一致するローラ１６の回転軸の位置で縦断する断面を示す。
ローラは、必要に応じてボールベアリングと共に搖動中心２３に装着され、ねじ１７によって固定されるカバー１５によって外部から保護される。
ローラ１６は、外側リンクプレート１１、１２のループ内側底面からわずかに突出するように設けられ、これによって、上下のチェーンリンク同士が互いに接触することなく、互いのリンク列の走行面上を転がる。
本例では、また、ローラ１６は、その回転軸がループ内側底面に偏倚して設けられており、これにより、当該内側底面から突出していることが解る。
また、図１（ｄ）は、図１（ｃ）に示された断面から僅かに離れた断面位置では、ローラ１６が、外部リンクプレート内に完全に収容されていることを示している。

図２（ａ）は、チェーンの外側から見た第１の外側リンクプレートを示す。
本例では、カバー１５に対応する開口部２４と、対となる外側リンクプレートを安定させるために第二の外側リンクプレート１２の夫々の係合溝２６と噛み合った状態で摺動する突条２５を備えていることが解る。
図２（ｂ）は、チェーンの内側から見た第１の外側リンクプレートを示す。
本例では、さらに加えて、内側リンクプレート１４（図１（ｂ））ピボットピン１８に適合するピボットスリーブ１９を備えていることが解る。
図２（ｃ）は、外側リンクプレート１１の側面図を示し、クロスメンバー２１（図１）に係合するピン２７が示されている。
これらの特徴は、図２（ｄ）の平面図及び図２（ｅ）の斜視図においても示される。

図３は第２の外側リンクプレート１２を、図２と同様に示す図である。
外側リンクプレート１２は、必要に応じてボールベアリング（図示せず）により支持されるローラ１６を装着する搖動中心２３を備えている。
さらに、第１の外側リンクプレートに形成された衝止部２９（図２（ｂ））に接触して搖動角を規制する搖動ストッパ２８を備えている。
上述したように、係合溝２６は、突条２５を摺動させるために用いられる。

図４は、対となる外側リンクプレートが伸長状態にあるときのチェーンリンクを異なる方向から見た図である。
図４（ａ）は外面図、図４（ｂ）は正面図、図４（ｃ）は平面図、図４（ｄ）〜（ｇ）は異なる方向からの斜視図である。
ローラ１６は、図４（ｅ）に示すように、外側リンクプレート１１及び１２の間からわずかに露出していることが解る。

図５は、対となる外側リンクプレートが屈曲状態にあるときのチェーンリンクを図４と同様に示す図である。
ローラ１６は、リンクプレート１２のループ内側底面により隠されている。
チェーンリンクは、上段チェーンリンク列と下段チェーンリンク列が互いに接触しない折返ゾーンにおいてのみ屈曲されるので、この折返しゾーンでローラ１６が隠れても問題はない。
クロスメンバーの目盛は、スペースを細分化するセパレータを装着する際の目安となる。

本発明は、ホース、ケーブルその他の供給ラインを案内するエネルギーガイドチェーンの用途に適用し得る。

１ エネルギーガイドチェーン
１１ 第１の外側リンクプレート
１２ 第２の外側リンクプレート
１４ 内側リンクプレート
１５ カバー
１６ ローラ
１７ ネジ
１８ ピボットピン
１９ ピボットスリーブ
２１ クロスメンバー
２２ 供給ライン用スペース
２３ 搖動中心
２４ カバー装着用開口
２５ 突条
２６ 凹溝
２７ クロスメンバー装着ピン
２８ 搖動ストッパ
２９ 衝止部

Claims (4)

1. ホース、ケーブルその他の供給ラインを案内するために多数のチェーンリンクを前後に連結してなるリンク列を備え、
   前記チェーンリンクは、共通の搖動軸の周りに互いに搖動可能に連結されて前後に延設されるリンクプレートが左右両側に配列され、これら左右のリンクプレート同士がクロスメンバーを介して平行に接続されて成り、
   前記リンク列は、上段リンク列と下段リンク列とこれらを接続する折返ゾーンとで形成されるループ状に形成され、リンクプレートのループ内側底面同士が少なくとも部分的に接触するように上段リンク列が下段リンク列の上に配され、
   前記チェーンリンクのいくつかには、当該チェーンリンクが伸長状態にあるときに、上段及び下段リンク列のリンクプレート（１１、１２）の相互に対面する走行面上を転動するローラ（１６）が、ループ内面側に露出されてリンクプレート内に収容配設されて成るエネルギーガイドチェーンにおいて、
   前後に連結される左右両側のリンクプレートは、内側リンクプレート（１４）と、外側リンクプレート（１１,１２）を交互に配することによって形成され、
   少なくともいくつかの外側リンクプレート（１１、１２）がローラ（１６）を備えると共に、
   内側リンクプレート（１４）には、隣接するリンクプレートとの間で搖動角を規制する搖動ストッパが配されたことを特徴とするエネルギーガイドチェーン。
2. 前記外側リンクプレートの少なくともいくつかは、搖動軸に関して互いに搖動可能に連結された二枚のリンクプレート（１１、１２）からなる請求項１記載のエネルギーガイドチェーン。
3. 前記二枚のリンクプレートを搖動可能に連結した状態で、その搖動軸と一致する回転軸を有するローラ（１６）を備えた請求項２記載のエネルギーガイドチェーン。
4. 前記クロスメンバー（２１）を左右のリンクプレートに固定する固定手段を備えた請求項１乃至３いずれか記載のエネルギーガイドチェーン。
   
   
   
   

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