JP2015518933A - 駆動シャフト潤滑 - Google Patents

Abstract

【課題】第１構成要素と別の構成要素との間で駆動力を伝達するための装置及び方法を開示する。【解決手段】本装置は、夫々の長手方向軸線に沿って延びる細長いシャフトエレメントを含み、第１シャフト領域及び別のシャフト領域を含み、これらのシャフト領域の各々は、カム本体領域の第１側及び別の側の夫々から延びる実質的に円筒形の外面を有する。本装置は、更に、シャフトエレメント内を、シャフトエレメントの第１端領域から、第１円筒形領域の外面の少なくとも一つの出口穴まで延びる流体連通路を含む。【選択図】図１

Description

本発明は、第１構成要素と別の構成要素との間で駆動力を伝達するための方法及び装置に関する。本発明は、詳細には、燃料噴射システムにおける高圧燃料供給に適したラジアルピストンポンプで使用される駆動シャフトに関するが、これに限定されない。駆動シャフトは、該駆動シャフトの内部を延びる流体連通路を有しており、この流体連通路により、潤滑剤を、周囲ハウジングの流体リザーバから、駆動シャフトとハウジングとの間の界面領域に伝達できる。

第１賦勢構成要素から別の構成要素まで駆動力を伝達するのに駆動シャフトを使用する様々な場合がある。こうした場合には、駆動シャフトと周囲ハウジングとの間の一つ又はそれ以上の界面領域を駆動シャフトの回転時に潤滑するのがよいことが知られている。一つのこのような状況は、ラジアルピストンポンプである。このようなポンプは、燃料噴射システム、特に複数のポンプエレメントが駆動シャフトを中心として半径方向に配置されたコモンレール噴射システムで必要とされる、高圧燃料供給に適している。駆動シャフトの一端が駆動され、駆動シャフトに設けられたカムを使用してポンプエレメント構成要素を順次駆動する。これらの構成要素は、駆動シャフトとともにポンプハウジングに収容されている。

従来、潤滑剤を、入口供給部又は他の流体リザーバ／源から、回転する駆動シャフトとハウジングとの間の領域に流すことができるように、内部ドリル穴及びギャラリをハウジングに機械加工で形成しなければならなかった。これにより、ハウジングの製造と関連した複雑さ及び費用が増大し、ハウジングの破損を招くことがしばしばあった。更に、潤滑流体を入力端部から出力端部まで十分に流すことができるように、ジャーナル支承座領域のところで、駆動シャフトの外面とハウジングの内面との間に大きな隙間を必要とする。必要とされるこの隙間は、ジャーナルと駆動シャフトとの間で発生する振動及び応力の原因となっていた。

更に、エミッション規制法の要求が高くなるに従って、多くの製造状況で重量及び慣性の低減が望まれている。従来の公知の製品の駆動シャフトは、代表的には、中実の金属で形成されている。これにより、ポンプの質量がかなり大きくなる。そのため、費用及び複雑さといった公知の問題点が生じる。

更に、従来既知の駆動シャフトにはカップリングインターフェースがあり、これは、特定の必要に特定の中実材料に鍛造等の機械加工を施すことによって形成される。必要に従って特定の指示の下でこのようなカップリングを持つ駆動シャフトを製造することは、駆動シャフトを提供する上で非常に非効率であり、費用がかかる方法である。

本発明の目的は、上述の問題点を少なくとも部分的に軽減することである。

本発明の特定の実施例の目的は、第１構成要素と別の構成要素との間で駆動力を伝達するための装置を提供することである。この装置は、流体連通路が駆動シャフトに沿って及び駆動シャフト内を延び、潤滑を必要とする駆動シャフトの場所に設けられた一つ又はそれ以上の出口穴を、駆動シャフトが配置されたハウジングの潤滑剤リザーバに連結する。

本発明の特定の実施例の目的は、流体を高圧で供給するためのラジアルピストンポンプを提供することである。このポンプの駆動シャフトには、潤滑流体を所望の場所に送出する内部流体連通路が設けられており、凹所をなした通路や大きな隙間空間が支持ハウジングに設けられていることを必要としない。

本発明の特定の実施例の目的は、駆動シャフトと、ラジアルピストンポンプのカムボックスハウジングとの間の領域を潤滑する方法を提供することである。これにより、一つ又はそれ以上の所望の場所で、潤滑流体を送出するための一つ又はそれ以上の流体連通路が駆動シャフトの内部に設けられている。

本発明の特定の実施例の目的は、カップリングインターフェース部材がシャフトに選択的に連結できる、複合駆動シャフトを提供することである。シャフトには、カムが一体に設けられていてもよく、又は別のカムエレメントが同様に連結されてもよい。

本発明の特定の実施例の目的は、ポンプ用カムボックスを提供することである。このカムボックスは、従来公知のカムボックスよりも小型であってもよく、ベアリングと駆動シャフトとの間の隙間を最小にできると同時に、ジャーナル上に又はそれを越えて所望量の潤滑剤が流れることを保証する。

本発明の特定の実施例の目的は、時間的に及び費用的に効率のよい方法で製造できる駆動シャフトを中心として複数のポンプエレメントが半径方向に配置されたコモンレール燃料噴射システムを提供することである。

本発明の第１の態様によれば、第１構成要素と少なくとも一つの別の構成要素との間で駆動力を伝達するための装置において、
長さ方向軸線に従って延びる細長いシャフトエレメントであって、第１シャフト領域及び別のシャフト領域を含み、これらのシャフト領域の各々は、カム本体領域の第１側及び別の側の夫々から延びる実質的に円筒形の外面を含む、細長いシャフトエレメントと、
シャフトエレメント内を、シャフトエレメントの第１端領域から、円筒形第１領域の外面の少なくとも一つの出口穴まで延びる流体連通路とを含む、装置が提供される。

適切には、細長いシャフトエレメントは実質的に中空の本体であり、シャフトエレメントの内部領域は流体連通路を含み、前記出口穴は本体の穴を含む。

適切には、シャフトエレメントは、液圧成形部材であり、第１シャフト領域及び別のシャフト領域及びカム本体領域は一体に形成されている。

適切には、第１シャフト領域及び別のシャフト領域は、各々、支承ジャーナル表面を備えた円筒形の外面を夫々有する。

適切には、装置は、更に、前記カム本体領域の外面に固定されたカムライダ部材を含む。

適切には、第１シャフト領域及び別のシャフト領域は、液圧成形された一体に形成されたシャフト部材の領域を含み、カム本体領域は、シャフト部材に固定されたカムエレメントを含む。

適切には、シャフト部材の第１シャフト領域の外径は、別のシャフト領域の外径よりも大きい。

適切には、シャフト部材は、更に、第１シャフト領域と別のシャフト領域との間の第３シャフト領域を含む。前記第３シャフト領域の外径は、第１シャフト領域の外径よりも小さく、前記別のシャフト領域の外径よりも大きい。

適切には、カムエレメントは、前記シャフト部材の第３シャフト領域でシャフト部材に固定されている。

適切には、装置は、更に、前記シャフト部材の前記別のシャフト領域に配置してここに固定できるリング部材を含む。

適切には、装置は、更に、前記第１シャフト領域の外面及び前記リング部材の外面を含み、これらの外面は、夫々、支承ジャーナル表面を含む。

適切には、細長いシャフトエレメントは、中実の本体から機械加工によって形成され、本体内を第１端領域から長さ方向に延びる、軸線方向に延びる少なくとも一つの通路部分と、軸線方向に延びる通路部分から出口穴まで半径方向外方に延びる別の通路部分とを含む。

適切には、装置は、シャフトエレメントの残りの端部領域に固定されたカップリングインターフェース部材を含む。

適切には、カップリングインターフェース部材は、中実エレメントから機械加工で形成されている。

本発明の第２の態様によれば、上文中に説明した装置を含む、高圧ポンプ用駆動シャフトが提供される。

本発明の第３の態様によれば、高圧流体供給用ラジアルピストンポンプにおいて、
少なくとも一つのポンプ穴と、第１及び第２の支承ジャーナル座領域とを含むカムボックスハウジングと、
夫々のポンプ穴の各々に配置された少なくとも一つのポンプエレメントと、
カム本体領域の第１側及び別の側の夫々から延びる第１支承ジャーナル表面及び別の支承ジャーナル表面を含む細長い駆動シャフトとを含み、第１支承ジャーナル表面及び別の支承ジャーナル表面は、夫々のハウジング座領域に配置されており、
駆動シャフトは、シャフトエレメント内を、その第１端領域から第１支承ジャーナル表面の少なくとも一つの出口穴まで延びる流体連通路を含む、ラジアルピストンポンプが提供される。

適切には、細長い駆動シャフトは実質的に中空の本体であり、駆動シャフトの内部領域は流体連通路を含み、出口穴は本体に設けられた穴を含む。

適切には、細長い駆動シャフトは中実本体から機械加工で形成されており、本体内を長手方向に延びる、軸線方向に延びる少なくとも一つの通路部分と、軸線方向に延びる通路部分から出口穴まで半径方向外方に延びる別の通路部分とを含む。

本発明の第４の態様によれば、ラジアルピストンポンプの駆動シャフトとカムボックスハウジングとの間の領域を潤滑する方法において、
ラジアルピストンポンプの駆動シャフトがハウジング内で回転するとき、潤滑流体を、ハウジングのリザーバ領域から、駆動シャフトのジャーナル支承領域の穴まで、シャフトエレメントのリザーバ端から穴までシャフトエレメント内を延びる流体連通路を介して、送出する工程を含む、方法が提供される。

前記方法は、適切には、燃料を含む潤滑流体を、実質的に中空の本体を含む駆動シャフトを介して、穴に送出する工程を含む。

適切には、方法は、燃料を含む潤滑流体を、中実本体から機械加工で形成された駆動シャフトを介して、穴に送出する工程を含み、中実本体は、該本体内をシャフトエレメントの第１リザーバ端から長手方向に延びる、軸線方向に延びる少なくとも一つの通路部分と、軸線方向に延びる通路部分から出口穴まで半径方向外方に延びる別の通路部分とを含む。

適切には、装置のシャフトエレメントは、約５００Ｈｖ乃至８００Ｈｖ程度の硬度を提供する材料から液圧成形（ハイドロフォーム）によって形成される。

適切には、硬度は、約６５０Ｈｖ程度である。

適切には、カムライダ部材がカム本体の外面に固定される場合、カムライダ部材は、約７００Ｈｖ乃至８００Ｈｖ程度の硬度を持つ外カム面を提供する。

適切には、硬度は、約７５０Ｈｖ程度である。

適切には、各支承ジャーナル表面の硬度は、約５００Ｈｖ乃至８００Ｈｖ程度である。

適切には、硬度は、約６５０Ｈｖ程度である。

適切には、装置のカムエレメントの外面の硬度は、約７００Ｈｖ乃至８００Ｈｖ程度である。

適切には、硬度は、約７５０Ｈｖ程度である。

適切には、装置のカップリングインターフェース部材は、テーパした外面領域を含む。

適切には、装置のカップリングインターフェース部材は、駆動タングである。

適切には、装置のカップリングインターフェース部材は、硬度が約５００Ｈｖ乃至８００Ｈｖ程度の中実材料を機械加工することによって形成される。

適切には、硬度は、約６５０Ｈｖ程度である。

本発明の第５の態様によれば、第１構成要素と少なくとも一つの別の構成要素との間で駆動力を伝達するための装置において、
長さ方向軸線に従って延びる細長いシャフトエレメントであって、カム本体領域の第１側及び別の側の夫々から延びる実質的に円筒形の第１領域及び別の領域を含む、シャフトエレメントと、
シャフトエレメントの夫々の端に各々固定された少なくとも一つのカップリングインターフェース部材とを含む、装置が提供される。

本発明の特定の実施例は、潤滑剤を駆動シャフトと支持ハウジングとの間に供給するための流体連通路が、駆動シャフトの内部に形成されるという利点を提供する。そのため、必要とされる場所に正確に設けられた、駆動シャフトの一つ又はそれ以上の穴を通して、潤滑剤を送出できる。更に、周囲ハウジングの凹所をなしたドリル穴及びギャラリが必要とされず、そのため、不必要な製造費を回避する。更に、駆動シャフトの外面と、駆動シャフトが内部で回転するハウジングの内面との間の隙間を、従来公知のシステムと比較して大幅に小さくできる。これにより、使用中にさもなくば発生する振動及び応力を低減する。

本発明の特定の実施例は、カップリングインターフェース及び／又は支承ジャーナル及び／又はカムエレメント等の駆動シャフトの部品を別々に大量生産できる複合駆動シャフトを提供する。選択された部品を組み合わせた複合駆動シャフトを、顧客の特定の要求に従って提供できる。カップリングインターフェース、シャフト、及びカムは、別々に製造でき、保管できる。これにより、最終的な駆動シャフトの製造費及び生産費を低減し、末端の顧客に対して様々な種類の材料特性を提供する。

本発明の特定の実施例は、液圧成形プロセスで製造できる種類の中空駆動シャフトエレメントをポンプで使用できるという利点を提供する。中空駆動シャフトを使用することにより、比較的大きなボアの流体連通路を潤滑流体流に利用でき、かくして駆動シャフトの内部を最適に冷却する。更に、液圧成形プロセスで製造した中空駆動シャフトを使用することにより、駆動シャフトの製造に使用される材料のかなりの量を減少できる。これは、駆動シャフトと関連した慣性効果及び重量を低減すると同時に材料費を低減する。

次に、本発明の実施例を、添付図面を参照して単なる例として以下に説明する。

図１は、高圧ポンプシステムの部品を示す図である。 図２は、ハウジングに回転自在に取り付けられた駆動シャフトを示す図である。 図３は、駆動シャフトを示す図である。 図４は、駆動シャフトを示す図である。 図５は、図４に示す駆動シャフトの他の図である。 図６は、様々な種類の可能なカップリングインターフェースを示す図である。 図７は、駆動シャフトの穴を示す図である。 添付図面では、同様の部分に同様の参照番号が付してある。

図１は、コモンレール噴射システム１００の概略図である。プレフィードポンプ１０１が、燃料１０２をタンク１０３から入口ライン１０４を介して受け取る。前置フィルタ１０５等の第１フィルタと、制御モジュール１０６の別のフィルタ（図示せず）とを使用して、燃料をプレフィードポンプ１０１に入る前に浄化してもよい。プレフィードポンプ１０１からの圧縮ライン１０７が、高圧燃料ポンプ１１０に燃料を供給する。高圧燃料ポンプ１１０は、三つのポンプエレメントを持つラジアルピストンポンプである。本発明の実施例は、ポンプで使用されること、即ち図１に示すシステムで使用される種類の高圧ポンプで使用されることに限定されないということは理解されよう。むしろ、本発明の特定の実施例は、駆動シャフトエレメントを使用して、駆動力を、第１賦勢源から、一つ又はそれ以上の別の構成構成要素に伝達する場合、又はこれらの構成要素と駆動シャフトと間の一つ又はそれ以上のインターフェース領域を潤滑しなければならない場合、広範に適用可能である。

図１に示す各ポンプエレメントは、高圧ライン１１５に供給するのに使用される。高圧ライン１１５自体は、コモンレール１２０に供給する。コモンレール１２０は、次いで、連結ライン１２５を介して一つ又はそれ以上のインジェクタエレメントに供給する。コモンレール内の圧力は、圧力バルブ１３０を介して調節される。別の超過圧力バルブ１３１が、コモンレールを戻しライン１４０に連結する。更に、漏出ライン１４１により、燃料をタンク１０３に戻すことができる。

図２は、高圧ポンプ１１０の詳細断面図を示す。細長いシャフト２００が、夫々の長さ方向軸線に沿って延びており、長さ方向軸線を中心として、矢印Ａが示す方向に時計回り方向（又は反時計回り方向）に回転する。シャフトは、周囲ハウジング２０５内に支持されている。周囲ハウジング２０５は、一端２０７に流体貯蔵チャンバ２０６を有し、他端２０９に開放口部２０８を有する。開放口部に亘ってシール２１０が延びており、シャフトの外面とハウジング本体との間に流体密シールを形成する。

シャフトは第１端２２０と少なくとも一つの開口部２２５とを有する。シャフトの第１端２２０は流体貯蔵チャンバと近接しておいる。開口部２２５は、シャフト端に設けられており、チャンバ内の流体と流体連通する。図２に示すように、中央に配置された単一の穴が、チャンバ内の流体を流入するための開放口部を提供する。この開口部２２５は、シャフトの中実材料に形成された軸線方向に延びるボア２３０及び半径方向に延びる側通路２３５を介して、シャフトの外面の別の開口部２４０に連結されている。かくして、ハウジング本体に包囲された、シャフトの端部２２０の開口部２２５は、ボア２３０及び側通路２３５が形成する流体連結路を介して、出口２４０に連結されている。図２には四つの出口が示してあるが、適当な場所に一つ、二つ、又はそれ以上の出口開口部が設けられていてもよく、夫々の半径方向側通路を介して中央穴に連結されていてもよいということは理解されよう。勿論、この他の形状、大きさ、及び配向の通路を使用してもよい。

シャフト２００は、中実材料から製造され、ハウジング内に収容された端部２２０から離れたシャフトの他端２０９にカップリング２４５を備えている。シャフトは、更に、シャフトが駆動されるときに回転するカム領域をカップリング端に備えている。ハウジング本体は、ポンプオリフィス（二つのポンプオリフィスが示してある）を含む。これらのポンプオリフィスは、夫々、高圧ポンプ（一部が示してある）を収容している。駆動シャフトは、その駆動時に回転し、その円筒形ジャーナル支承領域２６０の夫々の座２６５においてハウジング内に支持されている。各ジャーナル支承領域は、カムの両側に延びている。カムはシャフトの回転時に回転し、ポンプのタペット及びばね（図示せず）を、ハウジング２０５のポンプオリフィス２７０内で順次圧縮する。これにより、各ポンプのポンプチャンバを適正に賦勢し、ポンプチャンバに導入された燃料の圧力を、後に使用するため、適切な時期に上昇する。

流体貯蔵チャンバからの流体は、回転シャフトと固定ハウジングとの間の界面領域２８０を潤滑するための潤滑剤として作用する。この流体は、任意の種類の潤滑剤であってもよいが、代表的には、エンジン燃料等である。潤滑により、冷却し、及び／又は摩擦を低減し、及び／又はデブリを除去し、及び／又は移動する向き合った表面間の磨滅を阻止する。

図２に示すシャフトは、主シャフト、カップリング、及びカムを含む、一体に形成されたピースである。シャフトの製造に使用される製造プロセスに応じて、穿孔、型成形、又は鍛造により流体通路を形成する。図３は、主シャフトピース３０１によって複合シャフトを提供する変形例を示す。主シャフトピース３０１は、シャフトの端部３０４にあるカップリング３０３内に延びる円筒形の外面を提供する第１ジャーナル支承領域３０２を含む。シャフトピースは、第１ジャーナル領域から、外周の半径が第１ジャーナル領域よりも小さい段状円筒形領域内に延びる。シャフトは、この段状領域から、シャフトの残りの端部３０７の小半径の別の段状領域３０６まで延びる。

別体のカム３１０が、カム本体３１１及び外カムローブ３１２によって提供される。カム３１０は、段状領域３０５の外面に固定される。次いで、リング３１２を段状領域３０６に被せて配置し、カム３１０がシャフトから外れないようにする。リングの外面３１４は、シャフトに対して別のジャーナル支承領域を提供する。そのため、使用時にシャフトをハウジング内に適切に支持するため、カムの両側にジャーナル支承領域が一つずつ設けられる。図３には示してないけれども、図３に示すシャフトには、図２に示すのと同様の流体連通路が設けられている。この、図２に示すのと同様の流体連通路は、シャフトの端部３１５の穴からシャフトのジャーナル支承領域の少なくとも一つの穴３２０まで延びる。リング３１２を使用する場合、このリングの開口部は、潤滑流体をインターフェース領域に供給するため、駆動シャフトの対応する開口部と少なくとも或る程度整合していなければならないということは理解されよう。別の態様では、リングによって提供された、インターフェース領域への潤滑剤は、他の従来の方法によって提供されてもよい。かくして、図３に示すシャフトは、カムがカップリング及びシャフト自体の部品とは別体の複合駆動シャフトである。かくして、各ピースに使用された材料は、硬度、耐熱性、及び重量、等の特定の顧客パラメータ要件に合わせて注文製作できる。駆動シャフト内を延びる潤滑通路を設けることにより、ハウジングとシャフトとの間に大きな隙間を形成したり、シャフトが支持されたハウジングにギャラリや通路を設けることなく、潤滑剤が必要とされる場所に潤滑剤を送出できる。

図４は、変形例の複合駆動シャフト４００を示す。これは、カップリングコネクタ４１５が固定された中空シャフト本体４１０によって提供される。コネクタは、中実のピースから形成される。更に、カムがこのカムと向き合ったポンプエレメントに押し付けられたときにカムに必要とされる硬度を提供する材料から製造されたカムローブ４２０が、中空シャフト本体に固定される。実質的に円筒形の第１表面４２１及び実質的に円筒形の第２表面４２２が、カム本体４３０の両側に設けられている。これらの表面４２１、４２２は、カム本体４３０と一体に形成されている。カム本体４３０にカムローブが固定される。シャフトの中空本体を通して、直径方向反対側の二つの通穴４４０が、第１及び第２のジャーナル領域に形成されている（勿論、使用時に潤滑剤が必要とされる場所にこの他の開口部が設けられていてもよい）。これらの通穴は、シャフトの中央ボア４５０をシャフトの外面４２１に流動学的に連結する。図５ａ及び図５ｂは、シャフト本体の特定の部品が中空であること、及びここにこの他の部品を固定する方法を例示するのを補助する。

中空シャフト本体は、様々な方法で形成されてもよい。例えば、本体は、液圧成形加工によって形成されてもよい。カムローブは、中実のピース又は鋼等の鍛造ピースのいずれかから、機械加工によって形成されてもよい。同様に、シャフトテンプレートが、鋼製圧延溶接(rolled-weld)バーから形成されてもよく、又は中実のピースから機械加工によって形成されてもよい。材料及び硬度等は、必要に従って注文通りの性能を得るため、用途に従って選択される。次いで、成形型内でカムをシャフトに配置し、シャフトピースの各端に穴を形成する。二つの部品に拘束圧力を加えた後、成形型の二つの穴を通して高圧水を噴射する。シャフト内部の圧力の上昇により、シャフトを変形し、シャフトが固定された成形型の形状及び形態と一致する。これと同時に、カムローブを拘束する。製造行程の終了時に、レーザー溶接、プレス嵌め、又はブローチ加工等によって、顧客インターフェースをシャフトの端部に取り付ける。次いで、研削やコーティング等の随意の製造工程を実施してもよい。複合シャフトをプレス嵌めで形成する態様について、カムは、中実材料から機械加工で形成され、シャフトに締り嵌めで固定される。その後、随意の熱処理工程、最終的な研削工程及び／又はコーティング工程を行ってもよい。

図６は、駆動シャフトの一端に設けられたカップリングインターフェースの三つの態様を示す（勿論、この他の態様を用いてもよい）。これは、駆動力源に連結するのに使用され、駆動シャフトを駆動した後、カムの回転時にポンプタペット等の別の構成要素を駆動する。カップリングは、「中実」の駆動シャフトと一体成形されていてもよく、又は、図６に示すように、複合駆動シャフトの部品としてシャフトに後に適正に固定される別体のピースであってもよい。図６ａは、カップリング本体６０１である、駆動インターフェースを示す。カップリング本体６０１は、第１端に向かって狭幅になった全体にテーパした外面６０２を有する。第１端には、実質的に円筒形の表面６０３が設けられている。
これらの円筒形表面及びテーパ表面は、周方向に延びるガリー（溝）６０４によって分けられている。カップリング本体の残りの端部領域６０５は、固定リング６０７を含む。図６ｂは、駆動タング型カップリングを示し、図６ｃは、別の可能な種類のテーパカップリングを示す。

図７は、図４及び図５に示す複合駆動シャフト４００により、回転シャフトと、このシャフトと向き合った固定ハウジングの表面７０１との間のインターフェース領域７００に潤滑剤を送出する方法を示す。図７では、シャフトの一端の潤滑剤貯蔵部（ハウジングのチャンバによって構成される）から、中央ボアに沿って、穴４４０を通って、インターフェース領域内への潤滑剤の流れが矢印で示してある。シャフトが中空本体であるため、流体が流れるボアは大きな断面を有する。これにより、常に（どの時点においても）ボア内に大量の流体を保持でき、かくして全冷却プロセスを補助する。更に、大量の流体がシャフトに沿って流れ、穴を通って流出する状態を維持できる。これは、冷却を補助し、使用中にデブリが溜まらないようにするのを補助する。必要とされる場所に流体を正確に送出できる（穴がそのように配置されるように設計することによって）ため、最適の潤滑効果を得ることができる。更に、潤滑流体をどこにでも送出できるため、設計プロセス中、シャフトの外面とハウジングの内面との間の隙間７０２を最小距離に保持できる。かくして、支承ジャーナルを、ポンプカムボックスからポンプの両端への強制的な流れにより潤滑する。次いで、流体を収集し、カムボックス又はバックリーク出口に強制的に戻すことができる。内部冷却が行われる複合駆動シャフトを提供することにより、複雑な製造工程を必要とせずに、流れを送出できる。従来技術でこれまで必要とされていたように潤滑剤を支承部（ベアリング）の隙間を通して一方の側から他方の側に送出する必要がない。

かくして、本発明の特定の実施例は、多数の構成部品を組み立てることによって形成された複合駆動シャフトを提供する。例えば、カップリングインターフェース、シャフト、及びカム部品を互いに固定してもよい。かくして、硬質材料等の特定の材料を接触領域に設けることができ、これと同時にこの他の材料を他の部品で使用できる。適切には、使用される材料は、鋼等の金属であるが、エポキシやＧＲＰ等の他のプラスチック製の構成要素を使用してもよい。構成部品は、別々に製造した後に保管してもよい。顧客の要求を受け取った後、これに従って構成部品を選択することによって、所望の特徴を持つ駆動シャフトを組み立てることができる。これにより、各部品を顧客特定にできる。

更に、複合駆動シャフトを使用することにより、実質的に中空のシャフトを使用できると同時に、中実の材料から機械加工で形成した部品を駆動シャフトの特定の領域に保持できる。中空駆動シャフト、又は一つの又は多くの流体送出通路が設けられた駆動シャフトを使用することにより、支承部及びカムボックスでの潤滑及び冷却を最適にするのを補助する。

本発明の特定の実施例は、液圧成形加工によって形成された複合駆動シャフトを提供する。駆動シャフトカップリングインターフェースを顧客の仕様に従って機械加工で形成した後、シャフトの端部に接合する。この解決策は、重量、二酸化炭素フットプリント(carbon dioxide footprint)、及び材料費の低減を補助する。更に、完成した複合構成部品が従来公知の駆動シャフトよりも軽量であるため、慣性が小さく、そのため、非常に望ましい高圧ポンプが提供される。

本明細書中の記載及び特許請求の範囲に亘り、「含む」及び「備える」と言った用語は、「を含むがこれに限定されない」ということを意味し、他の成分、添加剤構成要素、インテジャ(integers)、又は工程を除外しようとするものではない。本明細書中の記載及び特許請求の範囲に亘り、文脈上他に要求されていない限り、単数の語は、複数を含む。詳細には、不定冠詞を使用した場所において、文脈上他に要求されない限り、本発明は、複数並びに単数を考えているものと理解されるべきである。

本発明の特定の態様、実施例、又は例と関連して説明した特徴、インテジャ、特性、又は群は、適合性を欠かない限り、本明細書中に説明した任意の他の態様、実施例、又は例に適用できるものと理解されるべきである。本明細書（特許請求の範囲、要約書、及び図面を含む）中に開示した全ての特徴、及び／又は開示の方法又はプロセスの全ての工程は、これらの特徴及び／又は方法の少なくとも幾つかが相互排他的な組み合わせを除き、任意の組み合わせで組み合わせてもよい。本発明は、上述の実施例の何らかの詳細に限定されない。本発明は、本明細書（特許請求の範囲、要約書、及び図面を含む）中に開示した特徴の任意の新規な一つ、又は新規な組み合わせ、又は開示の方法又はプロセスの全ての工程の任意の新規な一つ、又は新規な組み合わせを含む。

本明細書と同時に又はそれ以前に出願された、本明細書中と関連して縦覧に供せられた全ての論文及び文献に着目されたい。これらの論文及び文献に開示された全ての内容は本明細書の開示の一部とされる。

Claims (15)

1. 第１構成要素と少なくとも一つの別の構成要素との間で駆動力を伝達するための装置であって、
   長さ方向軸線に従って延びる細長いシャフトエレメントであって、第１シャフト領域及び別のシャフト領域を含み、これらのシャフト領域の各々は、カム本体領域の第１側及び別の側の夫々から延びる実質的に円筒形の外面を含む、細長いシャフトエレメントと、
   前記シャフトエレメント内を、前記シャフトエレメントの第１端領域から、前記円筒形第１領域の外面の少なくとも一つの出口穴まで延びる流体連通路とを備える、装置。
2. 請求項１に記載の装置において、更に、
   前記細長いシャフトエレメントは実質的に中空の本体であり、前記シャフトエレメントの内部領域は前記流体連通路を含み、前記出口穴は前記本体の穴を含む、装置。
3. 請求項１又は２に記載の装置において、更に、
   前記シャフトエレメントは、液圧成形部材であり、
   前記第１シャフト領域、別のシャフト領域、及び前記カム本体領域は一体に形成されている、装置。
4. 請求項１乃至３のいずれか１項に記載の装置において、更に、
   前記第１シャフト領域及び別のシャフト領域は、各々、支承ジャーナル表面を備えた円筒形の外面を有する、装置。
5. 請求項１又は２に記載の装置において、更に、
   前記第１シャフト領域及び別のシャフト領域は、液圧成形された一体に形成されたシャフト部材の領域を含み、前記カム本体領域は、前記シャフト部材に固定されたカムエレメントを含む、装置。
6. 請求項１に記載の装置において、更に、
   前記細長いシャフトエレメントは、中実の本体から機械加工によって形成され、前記本体内を前記第１端領域から長さ方向に延びる、軸線方向に延びる少なくとも一つの通路部分と、前記軸線方向に延びる通路部分から前記出口穴まで半径方向外方に延びる別の通路部分とを含む、装置。
7. 請求項１乃至６のうちのいずれか一項に記載の装置において、更に、
   前記シャフトエレメントの残りの端部領域に固定されたカップリングインターフェース部材を含む、装置。
8. 請求項７に記載の装置において、
   前記カップリングインターフェース部材は、中実エレメントから機械加工で形成されている、装置。
9. 請求項１乃至８のうちのいずれか一項に記載の装置を含む、高圧ポンプ用駆動シャフト。
10. 高圧流体供給用ラジアルピストンポンプであって、
    少なくとも一つのポンプ穴と、第１及び第２の支承ジャーナル座領域とを含むカムボックスハウジングと、
    夫々のポンプ穴の各々に配置された少なくとも一つのポンプエレメントと、
    カム本体領域の第１側及び別の側の夫々から延びる第１支承ジャーナル表面及び別の支承ジャーナル表面を含む細長い駆動シャフトとを備え、前記第１支承ジャーナル表面及び前記別の支承ジャーナル表面は、夫々のハウジング座領域に配置され、
    前記駆動シャフトは、前記シャフトエレメント内を、その第１端領域から前記第１支承ジャーナル表面の少なくとも一つの出口穴まで延びる流体連通路を含む、ラジアルピストンポンプ。
11. 請求項１０に記載のラジアルピストンポンプにおいて、更に、
    前記細長い駆動シャフトは実質的に中空の本体であり、前記駆動シャフトの内部領域は流体連通路を含み、前記出口穴は前記本体に設けられた穴を備える、ラジアルピストンポンプ。
12. 請求項１０に記載のラジアルピストンポンプにおいて、更に、
    前記細長い駆動シャフトは中実本体から機械加工で形成されており、前記本体内を長手方向に延びる、軸線方向に延びる少なくとも一つの通路部分と、前記軸線方向に延びる通路部分から前記出口穴まで半径方向外方に延びる別の通路部分とを含む、ラジアルピストンポンプ。
13. ラジアルピストンポンプのカムボックスハウジングと駆動シャフトとの間の領域を潤滑する方法であって、
    ラジアルピストンポンプの駆動シャフトがハウジング内で回転するとき、潤滑流体を、前記ハウジングのリザーバ領域から、前記駆動シャフトのジャーナル支承領域の穴まで、前記シャフトエレメントのリザーバ端から前記穴まで前記シャフトエレメント内を延びる流体連通路を介して、送出する工程を含む、方法。
14. 請求項１３に記載の方法において、更に、
    燃料を含む潤滑流体を、実質的に中空の本体を含む駆動シャフトを介して前記穴に送出する工程を含む、方法。
15. 請求項１３に記載の方法において、更に、
    燃料を含む潤滑流体を、駆動シャフトを介して、前記穴に送出する工程を含み、前記駆動シャフトは、中実本体から機械加工で形成され、前記本体内を前記シャフトエレメントの前記第１リザーバ端から長手方向に延びる、軸線方向に延びる少なくとも一つの通路部分と、前記軸線方向に延びる通路部分から出口穴まで半径方向外方に延びる別の通路部分とを含む、方法。

Images